JPH11195119A - 指紋登録装置、指紋照合装置及び指紋照合方法 - Google Patents

指紋登録装置、指紋照合装置及び指紋照合方法

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JPH11195119A
JPH11195119A JP10287470A JP28747098A JPH11195119A JP H11195119 A JPH11195119 A JP H11195119A JP 10287470 A JP10287470 A JP 10287470A JP 28747098 A JP28747098 A JP 28747098A JP H11195119 A JPH11195119 A JP H11195119A
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Yusaku Fujii
勇作 藤井
Taku Niizaki
卓 新崎
Ken Yokoyama
乾 横山
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    • G06V40/00Recognition of biometric, human-related or animal-related patterns in image or video data
    • G06V40/10Human or animal bodies, e.g. vehicle occupants or pedestrians; Body parts, e.g. hands
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    • G06V40/10Human or animal bodies, e.g. vehicle occupants or pedestrians; Body parts, e.g. hands
    • G06V40/12Fingerprints or palmprints
    • G06V40/1365Matching; Classification

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な指紋照合を安定して行う。 【解決手段】 特徴点情報算出手段4は、特徴点抽出手
段3で抽出された特徴点が隆線を介してどのように接続
し合っているかを算出し、特徴点情報算出手段4で算出
された特徴点の接続状態を照合手段5により照合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋登録装置、指
紋照合装置及び指紋照合方法に関し、特に、個人を識別
する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータが広範な社会システ
ムの中に導入されるのに伴い、システム・セキュリティ
に関心が集まっている。例えば、コンピュータルームへ
の入室や端末利用の際の本人確認手段として、IDカー
ドやパスワードを用いる方法があるが、これらの方法
は、セキュリティ確保の面から問題があった。
【0003】そこで、IDカードやパスワードを用いる
方法に代わって、生体情報を利用した個人照合技術が求
められている。個人照合に、各個人固有の生体情報を用
いると、本人以外の者はその生体情報を持つことはでき
ないので、本人であることを確実に保証することができ
る。
【0004】個人照合に用いることのできる生体情報と
して、指紋、声紋、虹彩・網膜血管分布図・サイン等が
ある。これらの生体情報は、CCDカメラなどの各種セ
ンサで画像などの電子情報に変換される。その後、セン
サで得られた生体情報に種々の情報処理を行い、生体照
合に必要なキーとなる情報を抽出する。その後、予め登
録されてある各個人の生体キー情報と、入力された生体
キー情報を照合し、個人認証を行う。
【0005】以下、生体情報として、指紋を例にとって
説明する。指紋は、『万人不同』・『終生不変』という
二大特徴を持ち、本人確認の最も有力な手段と考えられ
ている。このため、指紋を用いた簡便な個人照合システ
ムに関して多くの研究開発が行われている。
【0006】人間の指先には、細かな凹凸がある。凸部
の連なりを隆線という。隆線は個人に固有な様々な紋様
を形成している。隆線をたどっていくと、二つに分かれ
る点(分岐点)や、行き止まりの点(端点)にぶつか
る。この分岐点や端点の分布は各個人ごとに全て異なる
ため、これらの点は指紋の特徴点と呼ばれる。特徴点
は、個人を特定するための有力な手段として用いられて
いる。なお、犯罪捜査の分野では、この特徴点が12個
以上一致した時に本人と特定できることが裁判所の判例
で確立している。指紋照合では、これらの特徴点の位
置、種類、方向が一致するかどうかを確かめることによ
り、同一な指紋かどうかを調べている。
【0007】図33は、従来の指紋登録処理及び指紋照
合処理を示すフローチャートである。指紋登録処理で
は、まず、登録対象となる指紋画像を指紋センサで採取
し(ステップS191)、採取した指紋画像を二値化す
る(ステップS192)。
【0008】次に、二値化した指紋画像を細線化し(ス
テップS193)、隆線幅が1画素の指紋細線画像を得
る。次に、指紋細線画像上で指紋の特徴点位置を特定す
ることにより、指紋細線画像から指紋の特徴点を抽出す
る(ステップS194)。抽出された特徴点には、一般
に誤特徴点が含まれているので、誤特徴点除去を行う
(ステップS195)。この誤特徴点除去では、2つの
端点が短い間隔で互いに向かい合っている場合、元々1
本の隆線であったものが、画像採取の途中で途切れたも
のとみなし、その間の隆線を復元することにより、2つ
の端点を除去する。また、互いに平行な2本の隆線が途
中の一点でくっついたために分岐点となっている場合、
この分岐点は画像採取の途中で癒着したものとみなし、
くっついた隆線を分離することにより、分岐点を除去す
る。
【0009】次に、指紋画像から抽出された各特徴点の
指紋情報を収集し(ステップS196)、登録指紋デー
タとして指紋データ登録部110に保存する。指紋照合
処理では、照合対象となる指紋画像を指紋センサで採取
し(ステップS197)、採取した指紋画像を二値化す
る(ステップS198)。
【0010】次に、二値化した指紋画像を細線化し(ス
テップS199)、隆線幅が1画素の指紋細線画像を得
る。次に、指紋細線画像上で指紋の特徴点位置を特定す
ることにより、指紋細線画像から指紋の特徴点を抽出す
る(ステップS200)。抽出された特徴点には、一般
に誤特徴点が含まれているので、誤特徴点除去を行う
(ステップS201)。
【0011】次に、指紋画像から抽出された各特徴点の
指紋情報を収集する(ステップS202)。そして、指
紋データ登録部101から登録指紋データを読み出し、
入力指紋画像と登録指紋画像との位置合わせを行う(ス
テップS203)。
【0012】次に、入力指紋画像の指紋情報と、指紋デ
ータ登録部101から読み出した指紋登録データとを比
較することにより、入力指紋画像と登録指紋画像との照
合を行う。すなわち、入力指紋画像と登録指紋画像との
間で、指紋情報が一致する特徴点の数を計数し(ステッ
プS204)、指紋情報が一致する特徴点の数が予め決
められた値を超えた場合(ステップS205)、登録指
紋画像の指紋と入力指紋画像の指紋とは同一の指紋であ
ると判断する(ステップS106)。一方、指紋情報が
一致する特徴点の数が予め決められた値に満たない場合
(ステップS205)、登録指紋画像の指紋と入力指紋
画像の指紋とは異なる指紋であると判断する(ステップ
S207)。
【0013】ここで、特徴点の特徴点情報として、それ
ぞれの特徴点の位置(座標)と種類と方向とが一般的に
用いられる。そして、入力指紋画像と登録指紋画像との
間で、それぞれの特徴点の位置と種類と方向が一致する
かどうかを確かめることにより、同一指紋であるかどう
かの判断を行う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特徴点
の位置と種類と方向だけの比較では、高い照合率が期待
できない。これは、指の皮膚の部分的な伸び縮みや回転
のため、指紋画像の採取の度に指紋に歪みが発生し、特
徴点の位置や方向が微妙に異なってしまうためである。
また、指紋センサに対する指の置き方、指の指紋センサ
に対する押圧のし過ぎ、指紋センサの汚れ、または、か
さついた指などが原因で、指紋画像の採取の度に端点/
分岐点の判定が不安定になり、照合率が低下するという
問題もあった。
【0015】そこで、本発明の目的は、高精度な指紋照
合を安定して行うことが可能な指紋照合装置及び指紋照
合方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明によれば、指紋データから隆線上の特徴
点を抽出し、隆線に対する特徴点の配置状態に基づい
て、指紋照合を行うようにしている。
【0017】このことにより、指の皮膚の部分的な伸び
縮みや回転などにより指紋に歪みが発生した場合におい
ても、特徴点の隆線上への配置状態は変化しないため、
高精度な指紋照合を安定して行うことが可能となる。
【0018】また、本発明の一態様によれば、指紋デー
タから抽出された隆線上に仮想的な特徴点を設定し、こ
の仮想的な特徴点の指紋情報に基づいて、指紋照合を行
うようにしている。
【0019】このことにより、採取された指紋の隆線構
造を変化させることなく、指紋を特定する手がかりとな
る情報を増やすことが可能となり、高精度な指紋照合を
安定して行うことが可能となる。
【0020】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
実在する特徴点を他の隆線上に投影することにより、仮
想的な特徴点を隆線上に生成するようにしている。この
ことにより、2次元的な隆線構造を、特定の隆線上に反
映させることが可能となり、隆線上の1次元的な探索を
行うことにより、指紋を特定することが可能となること
から、高精度な指紋照合を高速に行うことが可能とな
る。
【0021】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点あるい仮想的な特徴点の間の道のりに基づいて、
指紋照合を行うようにしている。このことにより、特徴
点あるい仮想的な特徴点の位置で隆線を区切った時の隆
線の長さに基づいて、指紋照合を行うことが可能とな
り、特徴点あるい仮想的な特徴点の位置で隆線を区切っ
た時の隆線の長さは、指紋に歪みが発生した場合におい
てもほとんど変化しないことから、高精度な指紋照合を
安定して行うことが可能となる。
【0022】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点あるい仮想的な特徴点の間の距離に基づいて、指
紋照合を行うようにしている。このことにより、隆線に
沿った道のりの計測が直線距離の計測になり、指紋情報
を生成する際の演算を簡単にすることが可能となる。
【0023】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点あるいは仮想的な特徴点への接続方向に基づい
て、指紋照合を行うようにしている。このことにより、
特徴点あるいは仮想的な特徴点を基準とした複数方向へ
の接続状態を考慮しながら、指紋照合を行うことが可能
となり、指紋照合を精度よく行うことが可能となる。
【0024】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
存在している特徴点及び仮想的な特徴点の個数に基づい
て、指紋照合を行うようにしている。このことにより、
隆線上に存在している特徴点及び仮想的な特徴点の個数
は、指紋に歪みが発生した場合においても変化しないこ
とから、指紋照合を安定して行うことが可能となるとと
もに、特徴点及び仮想的な特徴点の個数は容易に算出す
ることが可能なため、指紋照合を高速に行うことが可能
となる。
【0025】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
存在している特徴点の種類に基づいて、指紋照合を行う
ようにしている。このことにより、隆線上に存在してい
る特徴点の種類は、指紋に歪みが発生した場合において
もほとんど変化しないことから、指紋照合を安定して行
うことが可能となるとともに、特徴点及び仮想的な特徴
点の個数だけを用いて指紋照合を行う場合に比べて、照
合精度をより向上させることが可能となる。 また、本
発明の一態様によれば、隆線の接続先の投影特徴点に対
する投影元特徴点の種類情報に基づいて、指紋照合を行
うようにしている。
【0026】このことにより、仮想的な特徴点に種類情
報を付加することが可能となり、仮想的な特徴点の種類
情報も考慮して指紋照合を行うことが可能となることか
ら、指紋照合を精度よく行うことが可能となる。 ま
た、本発明の一態様によれば、特徴点及び仮想的な特徴
点の隆線上への配列順序に基づいて、指紋照合を行うよ
うにしている。
【0027】このことにより、隆線上に存在している特
徴点及び仮想的な特徴点の配列順序は、指紋に歪みが発
生した場合においても変化しないことから、指紋照合を
安定して行うことが可能となるとともに、特徴点及び仮
想的な特徴点の個数や種類を用いて指紋照合を行う場合
に比べて、照合精度をより向上させることが可能とな
る。
【0028】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点の種類を仮想的に変更するようにしている。この
ことにより、特徴点の種類の検出が不安定な場合におい
ても、指紋照合を正確に行うことが可能となる。
【0029】また、本発明の一態様によれば、隆線の端
点とその端点に対応する投影点とを統合することによ
り、隆線上に仮想的な分岐点を生成するようにしてい
る。このことにより、指紋センサへの指圧の差などが原
因で隆線に亀裂が入ったために、分岐点を端点と間違え
て検出した場合においても、元の隆線構造を復元して指
紋照合を行うことが可能となり、指紋照合を安定して行
うことが可能となる。
【0030】また、本発明の一態様によれば、特徴点か
ら他の特徴点へ至る道のりと、その特徴点から仮想的な
特徴点へ至る道のりとを比較することにより、指紋照合
を行うようにしている。
【0031】このことにより、元々同一の隆線上に存在
していた特徴点が、異なる隆線上に存在するものとして
抽出された場合や、元々異なる隆線上に存在していた特
徴点が、同一の隆線上に存在するものとして抽出された
場合においても、それらの特徴点の間の道のりを比較す
ることが可能となり、指紋照合を安定して行うことが可
能となる。
【0032】また、本発明の一態様によれば、隆線を分
岐点で分離することにより、仮想的な端点とその端点に
対応する投影点とを生成するようにしている。このこと
により、指紋センサへの指圧の差などが原因で隆線が癒
着したために、端点を分岐点と間違えて検出した場合に
おいても、元の隆線構造を復元して指紋照合を行うこと
が可能となり、指紋照合を安定して行うことが可能とな
る。
【0033】また、本発明の一態様によれば、仮想的な
特徴点から他の特徴点へ至る道のりと、その仮想的な特
徴点から他の仮想的な特徴点へ至る道のりとを比較する
ことにより、指紋照合を行うようにしている。
【0034】このことにより、元々同一の隆線上に存在
していた特徴点と仮想的な特徴点とが、異なる隆線上に
存在するものとして抽出された場合や、元々異なる隆線
上に存在していた特徴点と仮想的な特徴点とが、同一の
隆線上に存在するものとして抽出された場合において
も、それらの特徴点と仮想的な特徴点との間の道のりを
比較することが可能となり、指紋照合を安定して行うこ
とが可能となる。
【0035】また、本発明の一態様によれば、異なる隆
線上の特徴点の指紋情報を比較するようにしている。こ
のことにより、隆線に亀裂が入ったり隆線が癒着したた
めに隆線の本数が増減した場合においても、指紋情報を
比較することが可能となり、指紋照合を精度良く行うこ
とが可能となる。
【0036】また、本発明の一態様によれば、第1の隆
線上の特徴点を基準として、第1の隆線上の他の特徴点
または第1の隆線上の仮想的な特徴点への道のりを算出
するようにしている。
【0037】このことにより、隆線上の道のりを比較す
ることで特徴点が一致するかどうかを判定することが可
能となり、隆線上の道のりは、指紋が歪んだ場合におい
てもほとんど変化しないことから、特徴点の照合を安定
して行うことが可能となる。
【0038】また、本発明の一態様によれば、第1の隆
線上の特徴点に対応させて第2の隆線上に仮想的な特徴
点を生成し、この仮想的な特徴点を基準として、第2の
隆線上の特徴点または第2の隆線上の他の仮想的な特徴
点への道のりを算出するようにしている。
【0039】このことにより、第1の隆線上の特徴点の
指紋情報に対し、第2の隆線上の指紋情報を付加するこ
とが可能となり、未接続の隆線構造も考慮して1つの特
徴点の照合を行うことが可能となることから、特徴点の
照合を精度良く行うことが可能となる。
【0040】また、本発明の一態様によれば、照合対象
となる特徴点と関係する他の特徴点または投影元特徴点
の指紋情報に基づいて、特徴点が一致しているかどうか
を判定するようにしている。
【0041】このことにより、1つの特徴点の照合を行
う際に、広範囲の隆線構造を考慮することが可能とな
り、特徴点の照合を精度良く行うことが可能となる。ま
た、本発明の一態様によれば、特徴点の隆線接続状態が
求められない理由を抽出し、その理由を隆線接続状態に
含めるようにしている。
【0042】このことにより、後の照合で隆線接続状態
が求められた時、その正当性を考慮した特徴点の照合を
行うことが可能となる。また、本発明の一態様によれ
ば、各指紋情報に重み付けを行い、特徴点の接続状態の
照合に重点を置く評価方式と、特徴点の位置、種類また
は方向の照合に重点を置く評価方式とを切り換える、ま
たは、両方の評価方式を用いる。
【0043】このことにより、複数の評価基準を設ける
ことが可能となり、皮膚の伸び縮みや回転による照合困
難性と隆線の亀裂・癒着による照合困難性の両方の照合
困難性に対応することができる。
【0044】また、本発明の一態様によれば、隆線の谷
線部と山線部とを反転させるようにしている。このこと
により、端点と分岐点の位置を逆転することができ、例
えば、端点についての画像処理機能を備えるだけで、分
岐点の画像処理を実行できるようになる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施
例に係わる指紋照合装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0046】図1において、指紋データ入力手段1は、
指紋データを入力する。ここで、指紋データは、指紋画
像データや圧縮画像データなどである。また、2値化や
細線化などを行った画像処理後のデータでもよい。
【0047】隆線抽出手段2は、指紋データ入力手段1
から入力された指紋データに基づいて、指紋上の隆線を
抽出する。特徴点抽出手段3は、指紋データ入力手段1
から入力された指紋データに基づいて、隆線抽出手段2
により抽出された隆線上の特徴点を抽出する。
【0048】配置状態検出手段4は、特徴点抽出手段3
により抽出された特徴点の隆線上での配置状態を検出す
る。照合手段5は、配置状態検出手段4により検出され
た特徴点の隆線上での配置状態に基づいて、指紋照合を
行うここで、隆線上での特徴点の配置状態を検出するこ
とにより、特徴点と特徴点とが隆線を介してどのように
接続し合っているかを照合対象とすることが可能とな
る。このため、特徴点の種類・位置・方向が指紋登録時
と指紋照合時とで変化した場合においても、特徴点同士
の隆線による接続状態はほとんど変化しないことから、
同一指紋を正しく識別することが可能となる。すなわ
ち、特徴点と特徴点が隆線を介してどのように接続し合
っているかを調べることにより、指紋の紋様がどのよう
な幾何構造を構成しているかを判別し、登録指紋と入力
指紋とを照合する。
【0049】なお、各特徴点のもつ指紋情報は、特徴点
の位置・種類・方向の他に、隆線を介してその特徴点に
接続している他の特徴点や、特徴点近辺にある隆線上に
存在する他の特徴点の情報(隆線接続関係情報)なども
併せ持つことが可能なものである。
【0050】このように、特徴点と隆線の隆線接続関係
を照合対象とすることにより、指紋画像の採取の度に発
生する特徴点の移動、方向・種類の変化などによる照合
率の低下を抑えることができる。これは、皮膚が部分的
に伸び縮みしたり回転したりしても特徴点と隆線の接続
関係は不変だからである。
【0051】図2は、本発明の第2実施例に係わる指紋
照合装置の構成を示すブロック図である。図2におい
て、指紋データ入力手段11は、指紋データを入力す
る。
【0052】仮想特徴点設定手段12は、指紋データ入
力手段11により入力された指紋データに基づいて、隆
線上に仮想的な特徴点を設定する。指紋情報算出手段1
3は、仮想特徴点設定手段12により設定された仮想的
な特徴点の指紋情報を算出する。
【0053】照合手段14は、指紋情報算出手段13に
より算出された指紋情報に基づいて、指紋照合を行うこ
こで、仮想的な特徴点は、隆線上に実在している特徴点
を、近接する隆線上に投影することにより生成すること
ができる。
【0054】図3は、指紋の特徴点を示す図である。図
3において、細線指紋画像から隆線R1〜R11が抽出
されている。隆線R1は隆線R3と分岐点P1で接続し
ている。隆線R2は隆線R3と分岐点P3で接続し、端
点P2で途切れている。隆線R4は隆線R5と分岐点P
5で接続し、端点P4、P6で途切れている。隆線R5
は隆線R6と分岐点P7で接続している。隆線R7は隆
線R8と分岐点P8で接続するとともに、隆線R9と分
岐点P9で接続している。これらの分岐点P1、P3、
P5、P7、P8、P9及び端点P2、P4、P6はそ
れぞれ、指紋の特徴点に対応している。
【0055】ここで、分岐点P5から近傍特徴点への隆
線接続関係(幾何構造)を考える。隆線を介して分岐点
P5に接続している他の特徴点は、端点P6、分岐点P
7、画像の終点による端点P4がある。また、分岐点P
5からそれぞれの特徴点までの隆線上の道のりは、端点
P6<分岐点P7<端点P4の関係がある。
【0056】分岐点P5の両隣の隆線に注目する。指先
側の隆線R2には、分岐点P3と端点P2が存在してい
る。付け根側の隆線R8には、分岐点P8が存在してい
る。分岐点P5に対する隆線接続関係は、分岐点P5を
基準として何本となりの隆線にどのような特徴点がどの
ような位置に存在しているかを示すものである。以下、
特徴点P1〜P4、P5〜P9を特徴点P5に対する近
傍特徴点と呼ぶ。
【0057】指紋の各特徴点P1〜P9に上記の隆線接
続関係情報を持たせるが、その隆線接続関係情報には、
投影特徴点情報を含めることができる。ここで、投影特
徴点とは、特徴点P1〜P9を周辺の隆線R1〜R11
に投影した投影点のことである。
【0058】図4(a)は、特徴点の投影方法を示す図
である。図4(a)において、指紋画像から隆線R21
〜R26が抽出され、隆線R21上には、端点P21が
存在し、隆線R22上には、端点P22が存在し、隆線
R23及び隆線R24上には、分岐点P23が存在し、
隆線R26上には、端点P26が存在している。ここ
で、分岐点P23及び端点P21、P22、P26は、
指紋の特徴点に対応している。
【0059】また、端点P21を投影することにより、
投影特徴点Q21が隆線R22上に生成され、端点P2
2を投影することにより、投影特徴点Q22が隆線R2
1上に生成されるとともに、投影特徴点Q22’が隆線
R23上に生成され、分岐点P23を投影することによ
り、投影特徴点Q23が隆線R22上に生成されるとと
もに、投影特徴点Q23’が隆線R25上に生成され、
端点P26を投影することにより、投影特徴点Q26が
隆線R25上に生成されている。
【0060】図4(b)は、投影方向の一例を示す図で
ある。図4(b)において、隆線R32上の端点P32
を隆線R31、R33に投影する場合、端点P32にお
いて隆線R32から垂線を引き、その垂線と隆線R3
1、R33との交点を投影特徴点Q32、Q32’とす
ることができる。なお、投影方向は、端点P32におけ
る隆線R32の方向と垂直な方向が好ましいが、それ以
外の方向でもよい。
【0061】以下、隆線接続関係情報について具体的に
説明する。地点Aと地点Bとの接続関係を表現するもの
として、例えば、道のりがある。道のりとは、地点Aと
地点Bが隆線で結ばれており、その隆線に沿って計測し
た区間AB間の長さを意味している。なお、地点Aと地
点Bとを直線で結んだ時の長さ、すなわち、地点Aと地
点Bとの最短距離を用いることにより、地点Aと地点B
との接続関係を表現することもできる。
【0062】図5は、道のりの例及び道のりの算出方法
を示す図である。図5(a)及び図5(b)において、
指紋画像から隆線R41〜R44が抽出され、端点P4
1が隆線R41上に存在し、端点P42が隆線R42上
に存在し、分岐点P43が隆線R42、R43上に存在
し、端点P44が隆線R44上に存在している。なお、
端点P41、P42、P44及び分岐点P43は、指紋
の特徴点に対応している。
【0063】また、端点P42を投影することにより、
投影特徴点Q42が隆線R41上に生成され、分岐点P
43を投影することにより、投影特徴点Q43が隆線R
41上に生成され、端点P44を投影することにより、
投影特徴点Q44が隆線R42上に生成されている。
【0064】ここで、端点P42に注目した場合の道の
りとして、隆線R42を通って端点P42から分岐点P
43へ至る道のり(第0次主距離)、隆線R42を通っ
て端点P42から投影特徴点Q44へ至る道のり(第0
次副距離)、隆線R41を通って投影特徴点Q42から
端点P41へ至る道のり(第1次主距離)及び隆線R4
1を通って投影特徴点Q42から投影特徴点Q43へ至
る道のり(第1次副距離)を算出する。
【0065】このように、端点P42を隆線R41に投
影することにより、隆線R42から分離している隆線R
41上の特徴点や投影特徴点の道のり情報も、端点P4
2についての道のり情報に取り込むことが可能となる。
【0066】道のりの算出は、指紋画像の細線画像上で
行うことができる。この指紋画像の細線画像では、1画
素幅の線により隆線が与えられている。このため、道の
りの値は、2点間の細線の画素数で表すことができる。
例えば、図5(c)において、隆線R51、R52が細
線画像上に存在している場合、隆線R51上の端点P5
1と分岐点P52との間の道のりは、20画素となる。
【0067】また、画素が対角線方向に繋がっている場
合には、その画素についての道のりを√2(2の平方
根)倍すれば、道のりをより正確に求めることができ
る。これは、各画素の形状が正方形の場合、各画素の対
角線の長さは、各画素の辺の長さの√2倍となるからで
ある。例えば、図5(c)において、隆線R51上の端
点P51と分岐点P52との間の道のりは、16+4√
2画素となる。
【0068】また、隆線上の道のりは、実際の指紋上の
物理的な長さで表せば、倍率の違う指紋画像の間でも照
合が可能となる。この方法では、道のりを画素数で表現
する代わりに、5ミリメートルなどの長さで表現する。
【0069】この道のりを分類すると、以下の4通りに
分けることができる。 1)隆線を介して注目特徴点に接続する他の特徴点まで
の道のり(特徴点と特徴点との間の道のり)。以後、こ
の道のりを第0次主距離と呼ぶ。なお、注目特徴点から
他の特徴点への方向情報も隆線接続関係情報に加える場
合がある。
【0070】2)隆線を介して注目特徴点に接続する他
の投影特徴点までの道のり(特徴点と投影特徴点との間
の道のり)。以後、この道のりを第0次副距離と呼ぶ。
なお、注目特徴点から他の投影特徴点への方向情報も隆
線接続関係情報に加える場合がある。
【0071】3)注目特徴点のn本となりにある隆線上
に注目特徴点を投影した点を計測起点とした場合におい
て、この計測起点から測定した他の特徴点までの道のり
(投影特徴点と特徴点との間の道のり)。以後、この道
のりを第n次主距離(nは、0以外の整数)と呼ぶ。な
お、計測起点から他の特徴点への方向情報も隆線接続関
係情報に加える場合がある。
【0072】4)注目特徴点のn本となりにある隆線上
に注目特徴点を投影した点を計測起点とした場合におい
て、この計測起点から測定した投影特徴点までの道のり
(投影特徴点と投影特徴点との間の道のり)。以後、こ
の道のりを第n次副距離(nは、0以外の整数)と呼
ぶ。なお、計測起点から投影特徴点への方向情報も隆線
接続関係情報に加える場合がある。
【0073】隆線接続関係を隆線上に存在する特徴点や
投影特徴点の個数で表現することもできる。すなわち、 1)隆線を介して注目特徴点に接続する他の特徴点まで
の道のり上に存在する投影特徴点の個数。以後、この投
影特徴点数を第0次投影特徴点数と呼ぶ。なお、注目特
徴点から他の特徴点への方向情報も隆線接続関係情報に
加える場合がある。
【0074】2)注目特徴点のn本となりにある隆線上
に注目特徴点を投影した点を計測起点とした場合におい
て、この計測起点から他の特徴点までの道のり上に存在
する投影特徴点の個数。以後、この投影特徴点数を第n
次投影特徴点数(nは、0以外の整数)と呼ぶ。なお、
計測起点から投影特徴点への方向情報も隆線接続関係情
報に加える場合がある。
【0075】各特徴点は、少なくとも2つ以上の近傍特
徴点への隆線接続関係情報を持つことができる。1つの
特徴点(注目特徴点)が持つ隆線接続関係情報は、主に
以上に述べた情報、または、その組み合わせで構成する
ことができる。
【0076】指紋照合では、隆線接続関係情報の一致を
確認する。この時、特徴点の種類が登録時と照合時で異
なる場合を想定した指紋照合も行う。登録指紋と照合指
紋との間で特徴点の種類が異なる場合、特徴点の種類が
同じになるように隆線構造を変形し、その隆線構造の下
での照合結果が良好であれば、同一特徴点と判断するこ
とができる。
【0077】指紋照合は、まず、個々の特徴点毎に照合
を行う。最終的に登録指紋と入力指紋との間で、同一特
徴点と判断された特徴点の割合が高ければ、登録指紋と
入力指紋は同一指紋であると判断する。
【0078】個々の特徴点の照合方法として、隆線接続
関係情報が、予め決められた基準を満たしているかを判
断する方法がある。この方法では、2つの特徴点の隆線
接続関係情報が一致した場合、同一特徴点とみなす。隆
線接続関係の一致または不一致の度合いは、隆線接続関
係一致度を定義し、その値より判断する。隆線接続関係
一致度とは、隆線接続関係の一致具合を示す評価値であ
る。この評価値が高い値の場合、隆線接続関係の一致の
度合いが良いことを示す。二つの特徴点の隆線接続関係
一致度が予め決められた値を超えた場合、同一特徴点と
みなす。
【0079】隆線接続関係一致度は、例えば、加点方式
で求めることができる。すなわち、特徴点の第n次主距
離/副距離の一致具合により配点を決め、その合計点を
二つの特徴点の隆線接続関係一致度とする。また、照合
する二つの特徴点の種類が同じかどうかにより、隆線接
続関係一致度の求め方を分けることにより、特徴点の種
類の検出が不安定である場合の照合を可能とする。
【0080】図6は、指紋に歪みが発生した時に、道の
りがどのように変化するかを説明する図である。図6
(a)において、端点P42の注目した場合の道のりと
して、端点P42と分岐点P43との間の道のりL1、
端点P42と投影特徴点Q44との間の道のりL2、投
影特徴点Q42と端点P41との間の道のりL3及び投
影特徴点Q42と投影特徴点Q43との間の道のりL4
が登録されているものとする。
【0081】そして、図6(b)に示すように、照合時
の指紋に歪みが発生し、端点P42の注目した場合の道
のりとして、端点P42と分岐点P43との間の道のり
L1’、端点P42と投影特徴点Q44との間の道のり
L2’、投影特徴点Q42と端点P41との間の道のり
L3’及び投影特徴点Q42と投影特徴点Q43との間
の道のりL4’が得られたものとする。この場合、皮膚
が部分的に伸び縮みしたり回転したりして、指紋に歪み
が発生した場合においても、隆線自体の長さはほとんど
変化しないことから、L1=L1’、L2=L2’、L
3=L3’、L4=L4’となる。このため、指紋に発
生した歪みの影響を受けることなく、指紋照合を行うこ
とが可能となる。
【0082】このことは、例えば、隆線を紐とみなし、
特徴点を紐の結び目または紐の切れ目とみなし、指紋に
歪みが発生した場合を紐が弛んだ場合とみなすことによ
り、容易に理解することができる。すなわち、紐が弛ん
だ場合、紐の結び目の空間上の座標や紐の切れ目の空間
上の座標は変化しても、紐の長さは変化しないことは明
らかである。このため、紐の結び目や紐の切れ目の間の
道のりは変化しない。これと同様の関係が隆線構造にも
当てはまると考えることができ、指紋に歪みが発生した
場合においても、隆線上の特徴点の間の道のりはほとん
ど変化しない。この結果、隆線接続関係として特徴点の
間の道のりを用いることにより、精度の高い指紋照合を
行うことが可能となる。
【0083】このように、隆線接続関係を用いて指紋照
合を行うことにより、隆線の何本か隣りにある隆線上の
特徴点の位置関係も考慮しながら隆線構造の照合を行う
ことが可能となり、照合精度を向上させることが可能と
なる。また、登録時に分岐点であった特徴点が、照合時
では端点に変化してしまうなど、特徴点の検出が不安定
な場合でも、的確に照合することが可能となる。
【0084】なお、個々の特徴点の照合方法として、特
徴点の種類・位置・方向が一致しているかを判断する方
法もある。この方法では、特徴点の位置・種類・方向の
一致具合を調べて、特徴点の照合を行う。2つの特徴点
間で以下の条件を全て満たした時、それらは同一特徴点
とみなす。 1)特徴点の種類が同じ 2)特徴点の方向の差が予め決められた閾値以下 3)特徴点間の距離が予め決められた閾値以下、また
は、共通座標系上での特徴点の座標の差が、予め決めら
れた閾値以下 また、個々の特徴点の照合方法として、特徴点の種類・
位置・方向が一致し、かつ、隆線接続関係情報が予め決
められた基準を満たしているかを判断する方法もある この方法では、特徴点の位置・種類・方向及び隆線接続
関係の一致具合を調べて、特徴点の照合を行う。2つの
特徴点間で以下の条件を全て満たした時、それらは同一
特徴点とみなす。
【0085】1)特徴点の種類が同じ 2)特徴点の方向の差が予め決められた閾値以下 3)特徴点間の距離が予め決められた閾値以下、また
は、共通座標系上での特徴点の座標の差が、予め決めら
れた閾値以下 4)隆線接続関係一致度が予め決められた閾値以上 図7は、本発明の一実施例に係わる指紋照合装置のシス
テム構成を示すブロック図である。
【0086】図7において、21は全体的な処理を行う
中央演算処理ユニット(CPU)、22はリードオンリ
メモリ(ROM)、23はランダムアクセスメモリ(R
AM)、24は入出力インターフェイス、25は指紋画
像や照合結果などを表示するディスプレイ、26は指紋
画像や照合結果などを印刷するプリンタ、27はスキャ
ナ28により読み取られたデータを一時的に格納するメ
モリ、28は指紋を読み取るスキャナ、29は通信イン
ターフェイス、30は通信ネットワーク、31は記憶媒
体を駆動するドライバ、32はハードディスク、33は
ICメモリカード、34は磁気テープ、35はフロッピ
ーディスク、36はCD−ROMやDVD−ROMなど
の光ディスク、37はバス、38はキーボードである。
【0087】指紋登録処理を行うプログラムや指紋照合
処理を行うプログラム、あるいは隆線接続関係情報など
を、ハードディスク32、ICメモリカード33、磁気
テープ34、フロッピーディスク35、光ディスク36
などの記憶媒体に格納する。そして、これらの記憶媒体
から指紋登録処理を行うプログラムをRAM23に読み
出すことにより、指紋登録を行うことができる。また、
これらの記憶媒体からや指紋照合処理を行うプログラム
や隆線接続関係情報などをRAM23に読み出すことに
より、指紋照合を行うことができる。また、指紋登録処
理を行うプログラムや指紋照合処理を行うプログラム、
あるいは隆線接続関係情報などを、ROM22に格納し
ておくこともできる。
【0088】さらに、指紋登録処理を行うプログラムや
指紋照合処理を行うプログラム、あるいは隆線接続関係
情報などを、通信インターフェイス29を介して通信ネ
ットワーク30から取り出すことをできる。通信インタ
ーフェイス29に接続される通信ネットワーク30とし
て、例えば、LAN(Local Area Netw
ork)、WAN(Wide Area Networ
k)、インターネット、アナログ電話網、デジタル電話
網(ISDN:Integral Service D
igital Network)、PHS(パーソナル
ハンディシステム)や衛星通信などの無線通信網を用い
ることができる。
【0089】CPU21は、指紋登録処理を行うプログ
ラムが起動されると、スキャナ28で読み取られた指紋
画像データを受信する。そして、スキャナ28で読み取
られた指紋画像データを受信すると、指紋画像データか
ら隆線接続関係情報を抽出し、抽出した隆線接続関係情
報を各個人ごとに格納する。
【0090】CPU21は、指紋照合処理を行うプログ
ラムが起動されると、スキャナ28で読み取られた指紋
画像データを受信する。そして、スキャナ28で読み取
られた指紋画像データを受信すると、この指紋画像デー
タから隆線接続関係情報を抽出する。また、記憶媒体や
通信ネットワーク30から隆線接続関係情報を獲得し、
獲得した隆線接続関係情報と、抽出した隆線接続関係情
報とを照合する。この照合結果は、ディスプレイ25や
プリンタ26に出力される。
【0091】図8は、本発明の第3実施例に係わる指紋
照合装置の構成を示すブロック図である。この第3実施
例では、各特徴点の第n次主距離(n=−m,…,−
1,0,1,…,m)を、指指紋登録時に記録する。た
だし、特徴点で区切られた隆線の1つにつき、1つの主
距離を記録する。そして、各特徴点の第n次主距離を比
較することにより、指紋照合を行う。
【0092】図8において、指紋センサ41は、人間ま
たは動物の指から指紋画像データを採取する。画像記憶
部42は、指紋センサ41により採取された指紋画像デ
ータを保持したり、画像処理を行った画像データを保持
したりする。画像二値化部43は、画像記憶部42に格
納されている多値画像を二値画像に変換する。画像細線
化部44は、画像二値化部43で二値化された二値画像
を細線化し、指紋隆線の細線画像データを生成する。特
徴点抽出部45は、指紋細線画像より特徴点位置を検出
し、その結果を特徴点位置記憶部46に保持する。特徴
点位置記憶部46は、指紋画像中の特徴点位置を保持す
る。誤特徴点除去部47は、指紋細線画像と抽出された
特徴点から誤特徴点を検出することにより、特徴点位置
記憶部46から誤特徴点情報を取り除く。また、指紋細
線画像修正部48に誤特徴点情報を伝達する。指紋細線
画像修正部48は、誤特徴点除去部47から送られた誤
特徴点情報により、指紋細線画像の修正を行う。主距離
情報抽出部49は、画像記憶部42に保持されている指
紋細線画像と特徴点位置記憶部46に保持されている特
徴点位置とから、各特徴点の隆線接続関係情報(指紋情
報)を抽出し、指紋情報記憶部50に出力する。指紋情
報記憶部50は、主距離情報抽出部49で抽出された各
特徴点の隆線接続関係情報を記憶する。登録指紋情報記
憶部51は、指紋照合装置に登録された指紋の指紋情報
を保持する。指紋照合部52は、入力指紋より得られた
指紋情報と登録指紋情報記憶部51に記憶されている登
録指紋の指紋情報とを照合し、指紋照合結果を照合結果
表示部53に伝達する。照合結果表示部53は、ディス
プレイや音声などで指紋照合装置利用者に指紋照合結果
を伝達する。
【0093】ここで、主距離情報抽出部49は、隆線接
続関係情報として、各特徴点の第n次主距離(n=−
m,…,−1,0,1,…,m)を算出する。図9は、
端点を基準とした時の第n次主距離の算出方法を説明す
る図である。
【0094】図9において、指紋画像から隆線R51〜
R59が抽出され、分岐点P53が隆線R52、R53
上に存在し、端点P54が隆線R54上に存在し、分岐
点P55が隆線R54、R55上に存在し、分岐点P5
7が隆線R56、R57上に存在し、端点P58が隆線
R58上に存在している。なお、端点P54、P58及
び分岐点P53、P55、P57は、指紋の特徴点に対
応している。
【0095】また、端点P54を投影することにより、
投影特徴点Q54が隆線R53上に生成され、投影特徴
点Q54’が隆線R52上に生成され、投影特徴点Q5
4’’が隆線R56上に生成され、投影特徴点Q5
4’’’が隆線R58上に生成されている。
【0096】ここで、端点P54に注目した場合の道の
りとして、端点P54と分岐点P55との間の道のり
(第0次主距離)、投影特徴点Q54と分岐点P53と
の間の道のり(第1次主距離)、投影特徴点Q54’と
分岐点P53との間の道のり(第2次主距離)、投影特
徴点Q54’’と分岐点P57との間の道のり(−1次
主距離)及び投影特徴点Q54’’’と端点P58との
間の道のり(−2次主距離)が算出される。
【0097】なお、第0次主距離は、注目特徴点と隆線
を介してそれに接続している他の特徴点までの道のりを
表す。第n次主距離(nは、0以外の整数)は、注目特
徴点からn本目の隆線に注目特徴点を投影し、その投影
点を道のりの計測起点として、その隆線上に存在する他
の近傍特徴点までの道のりを表す。次数nは、注目特徴
点のどちら側の隆線を対象にしているかにより、プラス
/マイナスの値を取ることができる。
【0098】図10は、分岐点を基準とした時の第n次
主距離の算出方法を説明する図である。図10におい
て、指紋画像から隆線R61〜R70が抽出され、分岐
点P63が隆線R62、R63上に存在し、分岐点P6
4が隆線R64、R65上に存在し、分岐点P65が隆
線R64、R66上に存在し、端点P66、P67が隆
線R66上に存在し、分岐点P68が隆線R67、R6
8上に存在し、端点P69が隆線R69上に存在してい
る。なお、端点P66、P67、P69及び分岐点P6
3、P64、P65、P68は、指紋の特徴点に対応し
ている。
【0099】また、分岐点P65を投影することによ
り、投影特徴点Q65が隆線R63上に生成され、投影
特徴点Q65’が隆線R62上に生成され、投影特徴点
Q65’’が隆線R67上に生成され、投影特徴点Q6
5’’’が隆線R69上に生成されている。
【0100】ここで、分岐点P65に注目した場合の道
のりとして、分岐点P65と分岐点P64との間の道の
り(第0次主距離)、分岐点P65と分岐点P67との
間の道のり(第0次主距離)、分岐点P65と端点P6
6との間の道のり(第0次主距離)、投影特徴点Q65
と分岐点P63との間の道のり(第1次主距離)、投影
特徴点Q65’と分岐点P63との間の道のり(第2次
主距離)、投影特徴点Q65’’と分岐点P68との間
の道のり(−1次主距離)及び投影特徴点Q65’’’
と端点P69との間の道のり(−2次主距離)が算出さ
れる。
【0101】このように、分岐点P65については、3
つの第0次主距離を持つことができる。図11は、図8
の指紋照合装置の指紋登録処理を示すフローチャートで
ある。
【0102】図11において、まず、指紋センサ41な
どを用いることにより、指紋画像データを取得する(ス
テップS1)。次に、画像二値化部43は、得られた指
紋画像を二値化し、指紋二値化画像を得る(ステップS
2)。次に、画像細線化部44は、指紋二値化画像を細
線化し、指紋細線化画像を得る(ステップS3)。次
に、特徴点抽出部45は、指紋細線化画像より、指紋特
徴点位置を抽出する(ステップS4)。抽出された指紋
特徴点には、一般に誤特徴点が含まれている。そのた
め、誤特徴点除去部47は、得られた指紋特徴点から誤
特徴点の除去を行う(ステップS5)。誤特徴点部分
は、指紋細線化画像の誤り(隆線の亀裂や連結)によっ
て生じているので、指紋細線画像修正部48は、指紋細
線化画像の修正を行う(ステップS6)。次に、主距離
情報抽出部49は、各特徴点毎に第n次主距離(n=−
m,…,−1,0,1,…,m)を計測する(ステップ
S7)。この主距離情報を指紋情報として登録指紋情報
記憶部51に保存する(ステップS8)。
【0103】図12は、図8の指紋照合装置において特
徴点を計測起点とした時の道のり算出処理を示すフロー
チャートである。図12において、特徴点を道のり計測
開始位置に設定し(ステップS10)、計測値Leng
thを0に設定する(ステップS11)。
【0104】次に、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進み(ステップS12)、他の特徴点に到達した場
合(ステップS13)、計測値Lengthを第0次主
距離とする(ステップS14)。また、細線指紋画像上
で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、画像の端に到達し
た場合(ステップS15)、第0次主距離情報は、「画
像の外」とする(ステップS16)。さらに、細線指紋
画像上で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、誤特徴点に
到達した場合(ステップS17)、第0次主距離情報
は、「不明」とする(ステップS18)。
【0105】一方、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、以上の条件に当てはまらない場合、計
測値Lengthを1つだけ増加させ(ステップS1
9)、ステップS12に戻ることにより、探索を続け
る。
【0106】図13は、図8の指紋照合装置において投
影特徴点を計測起点とした時の道のり算出処理を示すフ
ローチャートである。図13において、注目特徴点から
n本目の隆線上への投影特徴点を道のり計測開始位置に
設定し(ステップS20)、計測値Lengthを0に
設定する(ステップS21)。
【0107】次に、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進み(ステップS22)、他の特徴点に到達した場
合(ステップS23)、計測値Lengthを第n次主
距離とする(ステップS24)。また、細線指紋画像上
で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、画像の端に到達し
た場合(ステップS25)、第n次主距離情報は、「画
像の外」とする(ステップS26)。さらに、細線指紋
画像上で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、誤特徴点に
到達した場合(ステップS27)、第n次主距離情報
は、「不明」とする(ステップS28)。
【0108】一方、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、以上の条件に当てはまらない場合、計
測値Lengthを1つだけ増加させ(ステップS2
9)、ステップS22に戻ることにより、探索を続け
る。
【0109】図14は、図8の指紋照合装置の指紋照合
処理を示すフローチャートである。図14において、ま
ず、指紋センサ41などを用いることにより、指紋画像
データを取得する(ステップS30)。次に、画像二値
化部43は、得られた指紋画像を二値化し、指紋二値化
画像を得る(ステップS31)。次に、画像細線化部4
4は、指紋二値化画像を細線化し、指紋細線化画像を得
る(ステップS32)。次に、特徴点抽出部45は、指
紋細線化画像より、指紋特徴点位置を抽出する(ステッ
プS33)。抽出された指紋特徴点には、一般に誤特徴
点が含まれている。そのため、誤特徴点除去部47は、
得られた指紋特徴点から誤特徴点の除去を行う(ステッ
プS34)。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り
(隆線の亀裂や連結)によって生じているので、指紋細
線画像修正部48は、指紋細線化画像の修正を行う(ス
テップS35)。次に、主距離情報抽出部49は、各特
徴点毎に第n次主距離(n=−m,…,−1,0,1,
…,m)を計測する(ステップS36)。
【0110】次に、登録指紋情報記憶部51に保存され
ている主距離情報を読み出す(ステップS37)。そし
て、登録指紋と入力指紋の全ての特徴点の組み合わせに
おいて、隆線接続関係一致度を計算し、それが予め決め
られた所定値を超える組み合わせの数をカウントする
(ステップS38)。なお、第3実施例では、指紋情報
に副距離情報がないので、隆線接続関係一致度は、単に
同じ次数の主距離が、所定の誤差範囲で一致しているか
どうかを示している。
【0111】次に、登録指紋と入力指紋中に存在する全
特徴点数を調べ、同一特徴点数を全特徴点数で規格化
し、指紋一致率を算出する(ステップS39)。そし
て、指紋一致率が所定の値を超えた場合、同一指紋とす
る(ステップS40)。一方、指紋一致率が所定の値以
下の場合、異指紋とする(ステップS41)。
【0112】このように、登録指紋と入力指紋の特徴点
照合において、特徴点の位置・種類・方向を照合する代
わりに、特徴点と隆線との接続関係を照合することによ
り、皮膚の伸びや縮みや回転に影響されることなく、正
しい特徴点照合を達成することができる。
【0113】また、隆線接続関係情報を特徴点間の道の
りで表現することにより、一つの特徴点の周辺の隆線構
造を簡単に表現することができ、その照合もグラフ理論
などを必要とせずに簡単に達成することができる。
【0114】さらに、隆線接続関係情報を表現するもの
として、投影特徴点の概念を新たに導入し、特徴点と投
影特徴点との間の道のりで隆線構造を表現することによ
り、より詳細な隆線構造を簡単に表現することができ
る。また、その照合も簡単に達成することができる。
【0115】なお、指紋中心座標、各特徴点の座標、種
類、方向を指紋情報に付け加え、指紋照合の高速化、精
度の向上化を図ってもよい。例えば、指紋中心座標を用
いて、登録指紋と入力指紋間のおおよその位置合わせを
行っておく。そして、二つの特徴点間の隆線接続関係情
報の照合を行う時、その特徴点の座標が所定の誤差より
大きく離れていた場合は、隆線接続関係一致度に関わら
ず異なる特徴点と判断し、隆線接続関係一致度の計算を
省略する。このようにすれば、照合時間の短縮化が図れ
る。また、二つの特徴点の照合を行う時、特徴点の種類
や方向の照合も用いることで精度の高い照合が達成され
る。
【0116】図15は、本発明の第4実施例に係わる指
紋照合装置の構成を示すブロック図である。この第4実
施例では、指紋登録時に記録する指紋情報を以下の通り
とする。
【0117】1)各特徴点の第n次主距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき、一つの主
距離を記録するものとする。
【0118】2)各特徴点の第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき、一つの副
距離を記録するものとする。
【0119】そして、各特徴点の第n次主距離及び第n
次副距離を比較することにより、指紋照合を行う。図1
5において、指紋センサ61は、人間または動物の指か
ら指紋画像データを採取する。画像記憶部62は、指紋
センサ61により採取された指紋画像データを保持した
り、画像処理を行った画像データを保持したりする。画
像二値化部63は、画像記憶部62に格納されている多
値画像を二値画像に変換する。画像細線化部64は、画
像二値化部63で二値化された二値画像を細線化し、指
紋隆線の細線画像データを生成する。特徴点抽出部65
は、指紋細線画像より特徴点位置を検出し、その結果を
特徴点・投影特徴点位置記憶部66に保持する。特徴点
・投影特徴点位置記憶部66は、特徴点抽出部65で抽
出された特徴点位置を保持するとともに、投影特徴点生
成部69で生成された投影特徴点の位置情報を記憶す
る。誤特徴点除去部67は、指紋細線画像と抽出された
特徴点から誤特徴点を検出することにより、特徴点・投
影特徴点位置記憶部66から誤特徴点情報を取り除く。
また、指紋細線画像修正部68に誤特徴点情報を伝達す
る。指紋細線画像修正部68は、誤特徴点除去部67か
ら送られた誤特徴点情報により、指紋細線画像の修正を
行う。
【0120】投影特徴点生成部69は、誤特徴点が除か
れた修正指紋細線画像と特徴点位置とから全特徴点に関
する投影特徴点を生成する。主距離・副距離情報抽出部
70は、画像記憶部62に保持されている指紋細線画像
と特徴点・投影特徴点位置記憶部66に保持されている
特徴点・投影特徴点位置から、各特徴点の隆線接続関係
情報を取得し、指紋情報記憶部71に出力する。
【0121】指紋情報記憶部71は、主距離・副距離情
報抽出部70で抽出された各特徴点及び投影特徴点の隆
線接続関係情報を記憶する。登録指紋情報記憶部72
は、指紋照合装置に登録された指紋の指紋情報を保持す
る。指紋照合部73は、入力指紋より得られた指紋情報
と登録指紋情報記憶部72に記憶されている登録指紋の
指紋情報とを照合し、指紋照合結果を照合結果表示部7
4に伝達する。照合結果表示部74は、ディスプレイや
音声などで指紋照合装置利用者に指紋照合結果を伝達す
る。
【0122】図16は、端点を基準とした時の副距離の
算出方法を説明する図である。図16において、指紋画
像から隆線R51〜R59が抽出され、端点P51が隆
線R51上に存在し、分岐点P53が隆線R52、R5
3上に存在し、端点P54が隆線R54上に存在し、分
岐点P55が隆線R54、R55上に存在し、分岐点P
57が隆線R56、R57上に存在し、端点P58が隆
線R58上に存在し、端点P59が隆線R59上に存在
している。なお、端点P51、P54、P58、P59
及び分岐点P53、P55、P57は、指紋の特徴点に
対応している。
【0123】また、端点P54を投影することにより、
投影特徴点Q54が隆線R53上に生成され、投影特徴
点Q54’が隆線R52上に生成され、投影特徴点Q5
4’’が隆線R56上に生成され、投影特徴点Q5
4’’’が隆線R58上に生成されている。端点P51
を投影することにより、投影特徴点Q51が隆線R52
上に生成され、分岐点P53を投影することにより、投
影特徴点Q53が隆線R51上に生成されるとともに、
投影特徴点Q53’が隆線R54上に生成され、分岐点
P55を投影することにより、投影特徴点Q55が隆線
R52上に生成されるとともに、投影特徴点Q55’が
隆線R56上に生成され、分岐点P57を投影すること
により、投影特徴点Q57が隆線R53上に生成される
とともに、投影特徴点Q57’が隆線R58上に生成さ
れ、端点P58を投影することにより、投影特徴点Q5
8が隆線R56上に生成されるとともに、投影特徴点Q
58’が隆線R59上に生成され、端点P59を投影す
ることにより、投影特徴点Q59が隆線R58上に生成
されている。
【0124】ここで、端点P54に注目した場合の道の
りとして、端点P54と投影特徴点Q53’との間の道
のり(第0次副距離)、投影特徴点Q54と投影特徴点
Q57との間の道のり(第1次副距離)、投影特徴点Q
54’と投影特徴点Q51との間の道のり(第2次副距
離)、投影特徴点Q54’’と投影特徴点Q58との間
の道のり(−1次副距離)及び投影特徴点Q54’’’
と投影特徴点Q57’との間の道のり(−2次副距離)
が算出される。
【0125】なお、第0次副距離は、注目特徴点と隆線
を介してそれに接続している投影特徴点までの道のりを
表す。第n次副距離(nは、0以外の整数)は、第n次
主距離と同様に、n本隣にある隆線に注目特徴点を投影
し、その投影点を道のり計測起点として、その隆線上に
存在する他の投影特徴点までの道のりを表す。次数n
は、プラス/マイナスの両方の値を取ることができる。
【0126】図17は、分岐点を基準とした時の副距離
の算出方法を説明する図である。図17において、指紋
画像から隆線R61〜R70が抽出され、端点P61が
隆線R61上に存在し、分岐点P63が隆線R62、R
63上に存在し、分岐点P64が隆線R64、R65上
に存在し、分岐点P65が隆線R64、R66上に存在
し、端点P66、P67が隆線R66上に存在し、分岐
点P68が隆線R67、R68上に存在し、端点P69
が隆線R69上に存在し、端点P70が隆線R70上に
存在している。なお、端点P61、P66、P67、P
69、P70及び分岐点P63、P64、P65、P6
8は、指紋の特徴点に対応している。
【0127】また、分岐点P65を投影することによ
り、投影特徴点Q65が隆線R63上に生成され、投影
特徴点Q65’が隆線R62上に生成され、投影特徴点
Q65’’が隆線R67上に生成され、投影特徴点Q6
5’’’が隆線R69上に生成されている。
【0128】端点P61を投影することにより、投影特
徴点Q61が隆線R62上に生成され、分岐点P63を
投影することにより、投影特徴点Q63が隆線R61上
に生成されるとともに、投影特徴点Q63’が隆線R6
4上に生成され、分岐点P64を投影することにより、
投影特徴点Q64が隆線R62上に生成されるととも
に、投影特徴点Q64’が隆線R66上に生成され、端
点P66を投影することにより、投影特徴点Q66が隆
線R63上に生成されるとともに、投影特徴点Q66’
が隆線R67上に生成され、端点P67を投影すること
により、投影特徴点Q67が隆線R65上に生成される
とともに、投影特徴点Q67’が隆線R674上に生成
され、分岐点P68を投影することにより、投影特徴点
Q68が隆線R66上に生成されるとともに、投影特徴
点Q68’が隆線R69上に生成され、端点P69を投
影することにより、投影特徴点Q69が隆線R67上に
生成されるとともに、投影特徴点Q69’が隆線R70
上に生成され、端点P70を投影することにより、投影
特徴点Q70が隆線R69上に生成されている。
【0129】ここで、分岐点P65に注目した場合の道
のりとして、分岐点P65と投影特徴点Q63’との間
の道のり(第0次副距離)、分岐点P65と投影特徴点
Q64’との間の道のり(第0次副距離)、分岐点P6
5と投影特徴点Q68との間の道のり(第0次副距
離)、投影特徴点Q65と投影特徴点Q66との間の道
のり(第1次副距離)、投影特徴点Q65’と投影特徴
点Q61との間の道のり(第2次副距離)、投影特徴点
Q65’’と投影特徴点Q69との間の道のり(−1次
副距離)及び投影特徴点Q65’’’と投影特徴点Q6
8’との間の道のり(−2次副距離)が算出される。図
18は、図15の指紋照合装置の指紋登録処理を示すフ
ローチャートである。
【0130】図18において、まず、指紋センサ61な
どを用いることにより、指紋画像データを取得する(ス
テップS51)。次に、画像二値化部63は、得られた
指紋画像を二値化し、指紋二値化画像を得る(ステップ
S52)。次に、画像細線化部64は、指紋二値化画像
を細線化し、指紋細線化画像を得る(ステップS5
3)。次に、特徴点抽出部65は、指紋細線化画像よ
り、指紋特徴点位置を抽出する(ステップS54)。抽
出された指紋特徴点には、一般に誤特徴点が含まれてい
る。そのため、誤特徴点除去部67は、得られた指紋特
徴点から誤特徴点の除去を行う(ステップS55)。誤
特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆線の亀裂や連
結)によって生じているので、指紋細線画像修正部68
は、指紋細線化画像の修正を行う(ステップS56)。
【0131】次に、投影特徴点生成部69は、特徴点抽
出部65で抽出された全ての特徴点に関する投影特徴点
を生成する(ステップS57)。次に、主距離・副距離
情報抽出部70は、各特徴点毎に第n次主距離・第n次
副距離(n=−m,…,−1,0,1,…,m)を計測
する(ステップS58)。この主距離・副距離情報を指
紋情報として、登録指紋情報記憶部72に保存する(ス
テップS59)。
【0132】図19は、図15の指紋照合装置において
特徴点を計測起点とした時の道のり算出処理を示すフロ
ーチャートである。図19において、特徴点を道のり計
測開始位置に設定し(ステップS61)、計測値Len
gthを0に設定する(ステップS62)。
【0133】次に、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進み(ステップS63)、他の投影特徴点に到達し
た場合(ステップS64)、計測値Lengthを第0
次副距離とする(ステップS65)。また、細線指紋画
像上で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、他の特徴点に
到達した場合(ステップS66)、第0次副距離はない
ものとする(ステップS67)。
【0134】また、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、画像の端に到達した場合(ステップS
68)、第0次副距離情報は、「画像の外」とする(ス
テップS69)。さらに、細線指紋画像上で隆線上を1
画素分だけ進んだ結果、誤特徴点に到達した場合(ステ
ップS70)、第0次主距離情報は、「不明」とする
(ステップS71)。
【0135】一方、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、以上の条件に当てはまらない場合、計
測値Lengthを1つだけ増加させ(ステップS7
2)、ステップS63に戻ることにより、探索を続け
る。
【0136】図20は、図15の指紋照合装置において
投影特徴点を計測起点とした時の道のり算出処理を示す
フローチャートである。図20において、注目特徴点か
らn本目の隆線上への投影特徴点を道のり計測開始位置
に設定し(ステップS81)、計測値Lengthを0
に設定する(ステップS82)。
【0137】次に、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進み(ステップS83)、他の投影特徴点に到達し
た場合(ステップS84)、計測値Lengthを第n
次副距離とする(ステップS85)。また、細線指紋画
像上で隆線上を1画素分だけ進んだ結果、他の特徴点に
到達した場合(ステップS86)、第n次副距離はない
ものとする(ステップS68)。
【0138】また、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、画像の端に到達した場合(ステップS
88)、第n次副距離情報は、「画像の外」とする(ス
テップS89)。さらに、細線指紋画像上で隆線上を1
画素分だけ進んだ結果、誤特徴点に到達した場合(ステ
ップS90)、第n次副距離情報は、「不明」とする
(ステップS91)。
【0139】一方、細線指紋画像上で隆線上を1画素分
だけ進んだ結果、以上の条件に当てはまらない場合、計
測値Lengthを1つだけ増加させ(ステップS9
2)、ステップS83に戻ることにより、探索を続け
る。
【0140】図21は、図15の指紋照合装置の指紋照
合処理を示すフローチャートである。図21において、
まず、指紋センサ61などを用いることにより、指紋画
像データを取得する(ステップS101)。次に、画像
二値化部63は、得られた指紋画像を二値化し、指紋二
値化画像を得る(ステップS102)。次に、画像細線
化部64は、指紋二値化画像を細線化し、指紋細線化画
像を得る(ステップS103)。次に、特徴点抽出部6
5は、指紋細線化画像より、指紋特徴点位置を抽出する
(ステップS104)。抽出された指紋特徴点には、一
般に誤特徴点が含まれている。そのため、誤特徴点除去
部67は、得られた指紋特徴点から誤特徴点の除去を行
う(ステップS105)。誤特徴点部分は、指紋細線化
画像の誤り(隆線の亀裂や連結)によって生じているの
で、指紋細線画像修正部68は、指紋細線化画像の修正
を行う(ステップS106)。次に、投影特徴点生成部
69は、特徴点抽出部65で抽出された全ての特徴点に
関する投影特徴点を生成する(ステップS107)。次
に、主距離・副距離情報抽出部70は、各特徴点毎に第
n次主距離・第n次副距離(n=−m,…,−1,0,
1,…,m)を計測する(ステップS108)。
【0141】次に、登録指紋情報記憶部72に保存され
ている主距離・副距離情報を読み出す(ステップS10
9)。そして、登録指紋と入力指紋の全ての特徴点の組
み合わせにおいて、隆線接続関係一致度を計算し、それ
が予め決められた所定値を超える組み合わせの数をカウ
ントする(ステップS110)。第4実施例では、指紋
情報に主距離・副距離情報の両方を用いているので、各
特徴点の種類(端点/分岐点)の検出が不安定な場合で
も、特徴点毎の照合を行うことができる。
【0142】次に、登録指紋と入力指紋中に存在する全
特徴点数を調べ、同一特徴点数を全特徴点数で規格化
し、指紋一致率を算出する(ステップS111)。指紋
一致率が所定の値を超えた場合、同一指紋とする(ステ
ップS112)。一方、指紋一致率が所定の値以下の場
合、異なる指紋とする(ステップS113)。
【0143】このように、登録指紋と入力指紋の特徴点
照合において、特徴点の位置・種類・方向の照合を行う
代わりに、投影特徴点と隆線との接続関係を照合するこ
とにより、皮膚の伸び縮みや回転に影響されることな
く、正しい特徴点照合が達成される。また、投影特徴点
の概念を導入することで、照合対象の特徴点に接続して
いる隆線の構造ではなく、その隆線の周辺の隆線構造の
照合を達成することができる。
【0144】また、特徴点と投影特徴点との道のりで隆
線接続関係情報を表現することにより、特徴点の周辺の
隆線構造を簡単に表現することができ、その照合も簡単
に達成することができる。
【0145】さらに、一つの特徴点の隆線接続関係情報
をその特徴点の投影特徴点と他の特徴点の投影特徴点と
の間の道のりで表現することにより、特徴点に接続して
いる隆線の隆線構造ではなく、周辺の広範囲な隆線構造
を簡単に表現することができ、その照合も簡単に達成さ
れる。
【0146】なお、指紋中心座標、各特徴点の座標・種
類、方向を指紋情報に付け加え、指紋照合の高速化、精
度の向上化を図ってもよい。すなわち、指紋中心座標を
用いて、登録指紋と入力指紋間のおおよその位置合わせ
を行っておく。そして、二つの特徴点間の隆線接続関係
情報の照合を行うとき、その特徴点の座標が所定の誤差
より大きく離れていた場合は、隆線接続関係一致度に関
わらず異なる特徴点と判断し、隆線接続関係一致度の計
算を省略する。このようにすれば、照合時間の短縮化が
図れる。また、二つの特徴点の照合を行う時、特徴点の
種類や方向の照合も用いることで精度の高い照合が達成
される。さらに、隆線接続関係情報にその隆線接続関係
に用いた接続先投影特徴点の投影元特徴点の種類の照合
を加えることによって、より精度の高い照合が達成され
る。
【0147】隆線接続関係情報の副距離を用いる代わり
に、第n次投影特徴点数を用いてもよい。投影特徴点数
を用いることにより、隆線接続関係情報の表現が簡単に
なり、登録指紋データの容量を小さくすることができ
る。
【0148】次に、図15の指紋照合装置の指紋照合方
法について、より詳細に説明する。同一特徴点であれ
ば、それぞれの特徴点における第n次主距離・副距離は
一致するはずである。そこで、各主距離同士と副距離同
士が一致した場合、隆線接続関係一致度の評価点を高く
する。すなわち、一つの主距離同士の一致、副距離同士
の一致の配点を高く設定する。
【0149】一方、指紋画像の採取時の指の押圧の差に
より、近傍の特徴点の種類が異なって検出される場合が
ある。この場合、特徴点の主距離が副距離になったり、
副距離が主距離になったりする。
【0150】図22は、特徴点の種類が変化した時の主
距離と副距離の変化を説明する図である。図22(a)
において、指紋画像から隆線R81〜R84が抽出さ
れ、端点P81が隆線R81上に存在し、分岐点P82
が隆線R82、R83上に存在し、分岐点P83が隆線
R83、R84上に存在している。なお、端点P81及
び分岐点P82、P83は、指紋の特徴点に対応してい
る。また、端点P81を投影することにより、投影特徴
点Q81が隆線R82上に生成されている。
【0151】ここで、分岐点P82に注目した場合の道
のりとして、分岐点P82と分岐点P83との間の道の
り(第0次主距離)、分岐点P82と投影特徴点Q81
との間の道のり(第0次副距離)が登録されているもの
とする。
【0152】そして、この登録されている指紋と同一の
指紋について、指紋採取時の押圧の差などにより、図2
2(b)の指紋画像が得られたものとする。図22
(b)において、隆線R81が隆線R81’に変形し、
隆線R81’が隆線R82にくっつくことにより、端点
P81が分岐点P81’に変化している。また、隆線R
84が隆線R84’に変形し、隆線R84’が隆線R8
3と分離することにより、分岐点P83が端点P83’
に変化し、端点P83’を投影した投影特徴点Q83が
隆線R83上に生成されている。
【0153】このため、分岐点P82に注目した場合の
道のりとして、分岐点P82と投影特徴点Q83との間
の道のり(第0次副距離)、分岐点P82と分岐点P8
1’との間の道のり(第0次主距離)が算出される。
【0154】このように、近傍の特徴点の種類が異なっ
て検出されると、特徴点の主距離が副距離になったり、
副距離が主距離になったりする。そこで、主距離と副距
離が一致する場合も、隆線接続関係一致度の評価点を高
くする。ただし、主距離同士、副距離同士が一致した場
合よりは配点を低くする。このことにより、指紋画像の
採取時の指の押圧の差などにより、近傍の特徴点の種類
が異なって検出された場合においても、指紋照合を的確
に行うことが可能となる。
【0155】図23は、接続先特徴点の種類の誤検出を
考慮した指紋照合処理の一例を示すフローチャートであ
る。なお、H0、H1、H2は、隆線接続関係一致度の
評価する際に配点で、H0>H1>H2とする。
【0156】図23において、まず、隆線接続関係一致
度を0に設定し(ステップS121)、照合する主距離
及び副距離の次数iを−mに設定する(ステップS12
2)。
【0157】次に、登録指紋と入力指紋との間で、i次
の主距離同士が一致し、かつ、副距離同士も一致する場
合(ステップS123)、隆線接続関係一致度を配点H
0だけ増加させて(ステップS124)、ステップS1
25に進む、次に、登録指紋と入力指紋との間で、i次
の主距離同士が一致するが、副距離同士は一致しない場
合(ステップS127)、隆線接続関係一致度を配点H
1だけ増加させて(ステップS128)、ステップS1
25に進む、次に、登録指紋と入力指紋との間で、i次
の副距離同士が一致するが、主距離同士は一致しない場
合(ステップS129)、隆線接続関係一致度を配点H
1だけ増加させて(ステップS128)、ステップS1
25に進む、次に、登録指紋のi次の主距離と入力指紋
のi次の副距離が一致する場合(ステップS130)、
隆線接続関係一致度を配点H2だけ増加させて(ステッ
プS131)、ステップS132に進む、次に、登録指
紋のi次の副距離と入力指紋のi次の主距離が一致する
場合(ステップS132)、隆線接続関係一致度を配点
H2だけ増加させて(ステップS133)、ステップS
125に進む、次に、照合する主距離及び副距離の次数
iを1だけ増加させ(ステップS125)、照合する主
距離及び副距離の次数iがmを越えるまで(ステップS
126)、以上の処理を繰り返す。
【0158】このように、特徴点の隆線接続関係情報を
照合する場合、登録指紋と照合指紋との間で、特徴点と
特徴点との間の道のり及び特徴点と投影特徴点との間の
道のりを比較することにより、隆線接続関係情報の接続
先特徴点/投影特徴点の種類が異なった場合において
も、隆線構造の照合を正確に行うことが可能となる。
【0159】また、特徴点の隆線接続関係情報の照合す
る場合、登録指紋と照合指紋との間で、接続元投影特徴
点(道のり計測起点)と特徴点との間の道のり及び接続
元投影特徴点(道のり計測起点)と投影特徴点との間の
道のりを比較することにより、隆線接続関係情報の接続
先特徴点/投影特徴点の種類が異なった場合において
も、隆線構造の照合を正確に行うことが可能となる。
【0160】なお、近傍の特徴点の種類が異なって検出
される場合のほか、注目特徴点の種類が異なって検出さ
れる場合もある。この場合、登録指紋と照合指紋との間
で各々の特徴点における主距離・副距離の次数がずれる
ようになる。
【0161】図24は、端点を分岐点と間違って検出し
た時の次数の変化を説明する図である。図24(a)に
おいて、指紋画像から隆線R51〜R58が抽出され、
分岐点P53が隆線R52、R53上に存在し、端点P
54が隆線R54上に存在し、分岐点P55が隆線R5
4、R55上に存在し、分岐点P57が隆線R56、R
57上に存在し、端点P58が隆線R58上に存在して
いる。なお、端点P54、P58及び分岐点P53、P
55、P57は、指紋の特徴点に対応している。
【0162】また、端点P54を投影することにより、
投影特徴点Q54が隆線R53上に生成され、投影特徴
点Q54’が隆線R52上に生成され、投影特徴点Q5
4’’が隆線R56上に生成され、投影特徴点Q5
4’’’が隆線R58上に生成されている。
【0163】ここで、端点P54に注目した場合の道の
りとして、端点P54と分岐点P55との間の道のり
(第0次主距離)、投影特徴点Q54と分岐点P53と
の間の道のり(第1次主距離)、投影特徴点Q54’と
分岐点P53との間の道のり(第2次主距離)、投影特
徴点Q54’’と分岐点P57との間の道のり(−1次
主距離)及び投影特徴点Q54’’’と端点P58との
間の道のり(−2次主距離)が登録されているものとす
る。
【0164】そして、この登録されている指紋と同一の
指紋について、指紋採取時の押圧の差などにより、図2
4(b)の指紋画像が得られたものとする。図24
(b)において、隆線R54が隆線R54’に変形し、
隆線R54’が隆線R53にくっつくことにより、端点
P54が分岐点P54’に変化している。
【0165】このため、分岐点P54’に注目した場合
の道のりとして、分岐点P54’と分岐点P53との間
の道のり(第0次主距離)、分岐点P54’と分岐点P
55との間の道のり(第0次主距離)、投影特徴点Q5
4’と分岐点P53との間の道のり(第1次主距離)、
投影特徴点Q54’’と分岐点P57との間の道のり
(−1次主距離)及び投影特徴点Q54’’’と端点P
58との間の道のり(−2次主距離)が算出される。
【0166】そこで、特徴点照合を行う二つの特徴点の
うち、端点が隣の隆線にくっついて分岐点になった場
合、照合する二つの特徴点の種類を強制的に一致させ、
隆線接続関係一致度を求める。
【0167】まず、端点がプラス1次側の隆線にくっつ
いた場合を考える。この場合、隆線接続関係情報のう
ち、主距離/副距離の正の次数は全て1つずつ下がる。
そこで、端点側の主距離/副距離の正の次数を全て1つ
ずつ下げ、特徴点の種類が同じ場合と同じ方法で、隆線
接続関係一致度を求める。
【0168】次に、端点がマイナス1次側の隆線にくっ
ついている場合を考える。この場合、端点側の主距離/
副距離の負の次数は全て1つずつ上がる。そこで、端点
側の主距離/副距離の負の次数を全て1つずつ上げ、隆
線接続関係一致度を求める。この求めた二つの隆線接続
関係一致度の中で、高い方を最終的な隆線接続関係一致
度とする。
【0169】図25は、接続元特徴点の種類の誤検出を
考慮した指紋照合処理の一例を示すフローチャートであ
る。図25において、まず、特徴点の種類が端点を示す
特徴点をTとする(ステップS141)。
【0170】次に、特徴点Tの1次以上の主距離と副距
離の全ての次数を1つだけ下げる(ステップS14
2)。例えば、1次の主距離及び副距離の次数を0次と
し、2次の主距離及び副距離の次数を1次とする。
【0171】次に、特徴点の種類が同じ場合の方法で、
隆線接続関係一致度W1を求め(ステップS143)、
特徴点Tの主距離と副距離の次数を元に戻す(ステップ
S134)。
【0172】次に、特徴点Tの−1次以下の主距離と副
距離の全ての次数を1つだけ上げる(ステップS14
5)。例えば、−1次の主距離及び副距離の次数を0次
とし、−2次の主距離及び副距離の次数を−1次とす
る。
【0173】次に、特徴点の種類が同じ場合の方法で、
隆線接続関係一致度W2を求め(ステップS146)、
特徴点Tの主距離と副距離の次数を元に戻す(ステップ
S147)。
【0174】次に、隆線接続関係一致度W1と隆線接続
関係一致度W2のうち、大きい方の値を、特徴点照合に
おける隆線接続関係一致度とする(ステップS14
8)。このように、隆線接続関係情報の照合する場合、
照合対象の特徴点とその特徴点の投影特徴点のと間に存
在する隆線の本数を±1づつ増減させて照合を行うこと
により、登録指紋と入力指紋との間で特徴点の種類が異
なった場合においても、隆線構造の照合を正確に行うこ
とが可能となる。
【0175】次に、本発明の第5実施例に係わる指紋照
合装置について説明する。この第5実施例では、指紋登
録時に記録する指紋情報を以下の通りにする。 1)各特徴点の第n次主距離(n=−m,−1,0,
1,…,m)と注目特徴点/計測起点から他の特徴点へ
の方向情報 ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき少なくとも
一つ以上の主距離を記録するものとする。
【0176】2)各特徴点の第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,m)と注目特徴点/計測起点から投
影特徴点への方向情報 ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき少なくとも
一つ以上の副距離を記録するものとする。
【0177】そして、各特徴点の第n次主距離、第n次
副距離及び方向情報を比較することにより、指紋照合を
行う。図26は、主距離に方向情報を付加した例を説明
する図である。
【0178】図26において、指紋画像から隆線R91
〜R101が抽出され、分岐点P92が隆線R92、R
93上に存在し、分岐点P93が隆線R93、R94上
に存在し、端点P95が隆線R95上に存在し、分岐点
P96が隆線R95、R96上に存在し、分岐点P97
が隆線R97、R98上に存在し、端点P99、P10
0が隆線R99上に存在し、分岐点P101が隆線R1
00、R101上に存在している。なお、端点P95、
P99、P100及び分岐点P92、P93、P96、
P97、P101は、指紋の特徴点に対応している。
【0179】また、端点P95を投影することにより、
投影特徴点Q95が隆線R94上に生成され、投影特徴
点Q95’が隆線R93上に生成され、投影特徴点Q9
5’’が隆線R97上に生成され、投影特徴点Q9
5’’’が隆線R99上に生成されている。
【0180】ここで、端点P95に注目した場合の主距
離として、端点P95と分岐点P96との間の道のり
(第0次主距離)が算出される。投影特徴点Q95を起
算点とした場合、左方向の道のりとして、投影特徴点Q
95と分岐点P93との間の道のり(第1次主距離)が
算出され、道のり情報に方向情報が付加される。また、
右方向には、画像端まで特徴点が存在しないため、右方
向に進んだ場合、画像端まで存在しないという情報が道
のり情報に付加される。
【0181】投影特徴点Q95’を起算点とした場合、
左方向の道のりとして、投影特徴点Q95’と分岐点P
93との間の道のり(第2次主距離)が算出され、道の
り情報に方向情報が付加される。また、右方向の道のり
として、投影特徴点Q95’と分岐点P92との間の道
のり(第2次主距離)が算出され、道のり情報に方向情
報が付加される。
【0182】投影特徴点Q95’’を起算点とした場
合、左方向には、画像端まで特徴点が存在しないため、
左方向に進んだ場合、画像端まで存在しないという情報
が道のり情報に付加される。また、右方向の道のりとし
て、投影特徴点Q95’’と分岐点P97との間の道の
り(−1次主距離)が算出され、道のり情報に方向情報
が付加される。
【0183】投影特徴点Q95’’’を起算点とした場
合、左方向の道のりとして、投影特徴点Q95’’’と
端点P99との間の道のり(−2次主距離)が算出さ
れ、道のり情報に方向情報が付加される。また、右方向
の道のりとして、投影特徴点Q95’’’と端点P10
0との間の道のり(−2次主距離)が算出され、道のり
情報に方向情報が付加される。
【0184】なお、隆線構造によっては、主距離が求め
られない場合がある。主距離が求められない理由とし
て、以下のものがある。 (1)注目特徴点/計測起点から指紋画像の端まで、特
徴点が存在しない。 (2)隆線構造が正しく求められていないため、明らか
に正しく主距離が求められない。これは、隆線に亀裂が
多発していたり、癒着の影響で隆線が網の目状になって
いる場合に発生する。
【0185】これらの原因で主距離が求められない場合
もその理由を隆線接続関係情報とする。図27は、副距
離に方向情報を付加した例を説明する図である。
【0186】図27において、指紋画像から隆線R91
〜R101が抽出され、端点P91が隆線R91上に存
在し、分岐点P92が隆線R92、R93上に存在し、
分岐点P93が隆線R93、R94上に存在し、端点P
95が隆線R95上に存在し、分岐点P96が隆線R9
5、R96上に存在し、分岐点P97が隆線R97、R
98上に存在し、端点P99が隆線R99上に存在し、
分岐点P101が隆線R100、R101上に存在し、
端点P102が隆線R100上に存在している。なお、
端点P91、P95、P99、P102及び分岐点P9
2、P93、P96、P97、P101は、指紋の特徴
点に対応している。
【0187】また、端点P95を投影することにより、
投影特徴点Q95が隆線R94上に生成され、投影特徴
点Q95’が隆線R93上に生成され、投影特徴点Q9
5’’が隆線R97上に生成され、投影特徴点Q9
5’’’が隆線R99上に生成されている。
【0188】端点P91を投影することにより、投影特
徴点Q91が隆線R93上に生成され、分岐点P93を
投影することにより、投影特徴点Q93が隆線R91上
に生成されるとともに、投影特徴点Q93’が隆線R9
5上に生成され、分岐点P96を投影することにより、
投影特徴点Q96が隆線R93上に生成されるととも
に、投影特徴点Q96’が隆線R97上に生成され、分
岐点P97を投影することにより、投影特徴点Q97が
隆線R94上に生成されるとともに、投影特徴点Q9
7’が隆線R99上に生成され、端点P99を投影する
ことにより、投影特徴点Q99が隆線R97上に生成さ
れるとともに、投影特徴点Q99’が隆線R100上に
生成され、端点P102を投影することにより、投影特
徴点Q102が隆線R99上に生成されている。
【0189】ここで、端点P95に注目した場合の副距
離として、端点P95と投影特徴点Q93’との間の道
のり(第0次副距離)が算出される。なお、この第0次
副距離として、端点P95を基点として左方向に隆線R
95を探索し、最初にぶつかった投影特徴点Q93’と
の間の道のりを算出するようにしている。
【0190】投影特徴点Q95を起算点とした場合、左
方向には、投影特徴点Q95と分岐点P93との間に他
の投影特徴点が存在しないため、左方向に進んだ場合、
副距離が存在しないという情報が道のり情報に付加され
る。ここで、分岐点P93にぶつかった時に、それ以降
の探索を打ち切るのは、分岐点P93からの探索方向が
複数あるため、どの方向に進めばよいかが不明だからで
ある。なお、分岐点P93からの探索方向を予め決めて
おき、それ以降の探索を続行することにより、投影特徴
点を探索するようにしても良い。また、右方向の道のり
として、投影特徴点Q95と投影特徴点Q97との間の
道のり(第1次副距離)が算出され、道のり情報に方向
情報が付加される。
【0191】投影特徴点Q95’を起算点とした場合、
左方向には、投影特徴点Q95’と分岐点P93との間
に他の投影特徴点が存在しないため、左方向に進んだ場
合、副距離が存在しないという情報が道のり情報に付加
される。また、右方向の道のりとして、投影特徴点Q9
5’と投影特徴点Q91との間の道のり(第2次副距
離)が算出され、道のり情報に方向情報が付加される。
【0192】投影特徴点Q95’’を起算点とした場
合、左方向の道のりとして、投影特徴点Q95’’と投
影特徴点Q99との間の道のり(−1次副距離)が算出
され、道のり情報に方向情報が付加される。なお、この
−1次副距離として、投影特徴点Q95’’を基点とし
て左方向に隆線R97を探索し、最初にぶつかった投影
特徴点Q99との間の道のりを算出するようにしてい
る。また、右方向には、投影特徴点Q95’’と分岐点
P97との間に他の投影特徴点が存在しないため、右方
向に進んだ場合、副距離が存在しないという情報が道の
り情報に付加される。
【0193】投影特徴点Q95’’’を起算点とした場
合、左方向の道のりとして、投影特徴点Q95’’’と
投影特徴点Q101との間の道のり(−2次副距離)が
算出され、道のり情報に方向情報が付加される。また、
右方向の道のりとして、投影特徴点Q95’’’と投影
特徴点Q97’との間の道のり(−2次副距離)が算出
され、道のり情報に方向情報が付加される。
【0194】このように、道のり情報に方向情報を付加
することにより、同一次数の隆線において、複数の道の
り情報を持つことが可能となる。なお、隆線構造によっ
ては、副距離が求められない場合がある。副距離が求め
られない理由に、 (1)注目特徴点または計測起点から他の特徴点までの
道のり上に投影特徴点が存在しない。
【0195】(2)隆線構造が正しく求められていない
ため、明らかに正しく副距離が求められない。これは、
隆線に亀裂が多発していたり、癒着の影響で隆線が網の
目状になっている場合に発生する。
【0196】これらの原因で副距離が求められない場合
もその理由を隆線接続関係情報とする。指紋登録時は、
上記の隆線接続関係情報を抽出し、指紋登録データとし
て記録する。
【0197】また、主距離・副距離の方向情報を隆線接
続関係情報に用いた場合は、その一致も確認する。方向
情報が一致した場合のみ配点を与えるものとする。主距
離・副距離が、何らかの理由で求められない場合は、そ
の求められない理由が一致した場合も、配点を与えるよ
うにしてもよい。以上のようにして、各n次における主
距離・副距離の一致具合を調べ、隆線接続関係一致度を
求めることが可能となる。
【0198】以下、第5実施例の指紋登録方法について
説明する。図15において、まず、指紋センサ61など
を用いることにより、指紋画像データを取得する。次
に、画像二値化部63は、得られた指紋画像を二値化
し、指紋二値化画像を得る。次に、画像細線化部64
は、指紋二値化画像を細線化し、指紋細線化画像を得
る。次に、特徴点抽出部65は、指紋細線化画像より、
指紋特徴点位置を抽出する。抽出された指紋特徴点に
は、一般に誤特徴点が含まれている。そのため、誤特徴
点除去部67は、得られた指紋特徴点から誤特徴点の除
去を行う。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆
線の亀裂や連結)によって生じているので、指紋細線画
像修正部68は、指紋細線化画像の修正を行う。
【0199】次に、投影特徴点生成部69は、特徴点抽
出部65で抽出された全ての特徴点に関する投影特徴点
を生成する。次に、主距離・副距離情報抽出部70は、
各特徴点毎に第n次主距離・第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m)を計測する。ここで、主距
離・副距離情報抽出部70は、各特徴点の1つの次数に
ついて、複数の主距離・副距離を算出することができ
る。例えば、図26に示すように、各主距離・副距離に
ついて、1つ、または2つの主距離情報と副距離情報が
算出される。また、各主距離情報・副距離情報は、道の
り計測起点から接続先特徴点・投影特徴点の方向情報も
併せ持つ。そして、この主距離・副距離情報及び方向情
報を指紋情報として、登録指紋情報記憶部72に保存す
る。
【0200】次に、第5実施例の指紋照合方法について
説明する。この第5実施例では、1つの次数について、
複数の主距離・副距離の照合が行われる。図15におい
て、まず、指紋センサ61などを用いることにより、指
紋画像データを取得する。次に、画像二値化部63は、
得られた指紋画像を二値化し、指紋二値化画像を得る。
次に、画像細線化部64は、指紋二値化画像を細線化
し、指紋細線化画像を得る。次に、特徴点抽出部65
は、指紋細線化画像より、指紋特徴点位置を抽出する。
抽出された指紋特徴点には、一般に誤特徴点が含まれて
いる。そのため、誤特徴点除去部67は、得られた指紋
特徴点から誤特徴点の除去を行う。誤特徴点部分は、指
紋細線化画像の誤り(隆線の亀裂や連結)によって生じ
ているので、指紋細線画像修正部68は、指紋細線化画
像の修正を行う。次に、投影特徴点生成部69は、特徴
点抽出部65で抽出された全ての特徴点に関する投影特
徴点を生成する。次に、主距離・副距離情報抽出部70
は、各特徴点毎に第n次主距離・第n次副距離(n=−
m,…,−1,0,1,…,m)及び方向を計測する。
【0201】次に、登録指紋情報記憶部72に保存され
ている主距離・副距離情報及び方向情報を読み出す。そ
して、登録指紋と入力指紋の全ての特徴点の組み合わせ
において、隆線接続関係一致度を計算し、それが予め決
められた所定値を超える組み合わせの数をカウントす
る。ここで、隆線接続関係一致度の計算は、複数ある主
距離/副距離の内、同じ方向情報を持つものを比較対象
として算出する。なお、各特徴点の種類(端点・分岐
点)が登録指紋と入力指紋との間で異なって検出される
ことを想定した隆線接続関係一致度の計算も行うように
してもよい。
【0202】次に、登録指紋と入力指紋中に存在する全
特徴点数を調べ、同一特徴点数を全特徴点数で規格化
し、指紋一致率を算出する。指紋一致率が所定の値を超
えた場合、同一指紋とする。一方、指紋一致率が所定の
値以下の場合、異なる指紋とする。
【0203】このように、接続元特徴点、または、接続
元投影特徴点から接続先投影特徴点への方向情報を、隆
線接続関係情報に付加することにより、複数の接続先投
影特徴点の情報を持つことができ、広範囲で精度の高い
特徴点照合が達成される。
【0204】なお、指紋中心座標、各特徴点の座標・種
類・方向を指紋情報に付け加え、指紋照合の高速化、精
度の向上化を図ってもよい。すなわち、指紋中心座標を
用いて、登録指紋と入力指紋間のおおよその位置合わせ
を行っておく。そして、2つの特徴点間の隆線接続関係
情報の照合を行う時、その特徴点の座標が所定の誤差よ
り大きく離れていた場合は、隆線接続関係一致度に関わ
らず異なる特徴点と判断し、隆線接続関係一致度の計算
を省略する。このようにすれば、照合時間の短縮化が図
れる。また、二つの特徴点の照合を行う時、特徴点の種
類や方向の照合も用いることにより、精度の高い照合が
達成される。 隆線接続関係情報の副距離の代わりに、
第n次投影特徴点数を用いてもよい。投影特徴点数を用
いれば、登録指紋データの容量も小さくすることができ
る。
【0205】次に、本発明の第6実施例に係わる指紋照
合装置について説明する。この第6実施例では、指紋登
録時に記録する指紋情報を以下の通りとする。 1)各特徴点の第n次主距離(n=−m,…,−1,
0,1,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき一つの主距
離を記録するものとする。
【0206】2)各特徴点の第n次主距離に用いた接続
先特徴点自身の隆線接続関係情報 3)各特徴点の第n次副距離(n=−m,…,−1,
0,1,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき一つの副距
離を記録するものとする。
【0207】4)各特徴点の第n次副距離に用いた接続
先投影特徴点の投影元特徴点自身の隆線接続情報 そして、各特徴点の第n次主距離、第n次副距離、接続
先特徴点の隆線接続関係情報及び投影元特徴点の隆線接
続情報を比較することにより、指紋照合を行う。
【0208】以下、第6実施例の指紋登録方法について
説明する。図15において、まず、指紋センサ61など
を用いることにより、指紋画像データを取得する。次
に、画像二値化部63は、得られた指紋画像を二値化
し、指紋二値化画像を得る。次に、画像細線化部64
は、指紋二値化画像を細線化し、指紋細線化画像を得
る。次に、特徴点抽出部65は、指紋細線化画像より、
指紋特徴点位置を抽出する。抽出された指紋特徴点に
は、一般に誤特徴点が含まれている。そのため、誤特徴
点除去部67は、得られた指紋特徴点から誤特徴点の除
去を行う。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆
線の亀裂や連結)によって生じているので、指紋細線画
像修正部68は、指紋細線化画像の修正を行う。
【0209】次に、投影特徴点生成部69は、特徴点抽
出部65で抽出された全ての特徴点に関する投影特徴点
を生成する。次に、主距離・副距離情報抽出部70は、
各特徴点毎に第n次主距離・第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m)を計測する。ここで、主距
離・副距離情報抽出部70は、各特徴点ごとに第n次主
距離、副距離を算出するとともに、その主距離・副距離
の接続先特徴点/投影特徴点自身の隆線接続関係も算出
することができる。そして、この主距離・副距離情報及
びその主距離・副距離の接続先特徴点/投影特徴点自身
の隆線接続関係を指紋情報として、登録指紋情報記憶部
72に保存する。
【0210】次に、第6実施例の指紋照合方法について
説明する。この第6実施例では、2段階の隆線接続関係
情報の照合が行われる。第1段階は、接続元特徴点/投
影特徴点についての隆線接続関係の照合、第2段階は、
接続先特徴点/投影特徴点についての隆線接続関係の照
合である。
【0211】図15において、まず、指紋センサ61な
どを用いることにより、指紋画像データを取得する。次
に、画像二値化部63は、得られた指紋画像を二値化
し、指紋二値化画像を得る。次に、画像細線化部64
は、指紋二値化画像を細線化し、指紋細線化画像を得
る。次に、特徴点抽出部65は、指紋細線化画像より、
指紋特徴点位置を抽出する。抽出された指紋特徴点に
は、一般に誤特徴点が含まれている。そのため、誤特徴
点除去部67は、得られた指紋特徴点から誤特徴点の除
去を行う。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆
線の亀裂や連結)によって生じているので、指紋細線画
像修正部68は、指紋細線化画像の修正を行う。次に、
投影特徴点生成部69は、特徴点抽出部65で抽出され
た全ての特徴点に関する投影特徴点を生成する。次に、
主距離・副距離情報抽出部70は、各特徴点毎に第n次
主距離・第n次副距離(n=−m,…,−1,0,1,
…,m)及びその主距離・副距離の接続先特徴点/投影
特徴点自身の隆線接続関係を計測する。
【0212】次に、登録指紋情報記憶部72に保存され
ている主距離・副距離情報及びその主距離・副距離の接
続先特徴点/投影特徴点自身の隆線接続関係を読み出
す。そして、登録指紋と入力指紋の全ての特徴点の組み
合わせにおいて、隆線接続関係一致度を計算し、それが
予め決められた所定値を超える組み合わせの数をカウン
トする。ここで、接続元特徴点/投影特徴点の隆線接続
関係情報に加えて、接続先特徴点/投影特徴点の隆線接
続関係情報も一致した場合、接続元特徴点/投影特徴点
の隆線接続関係情報だけが一致した場合に比べて、隆線
接続関係一致度の値をより高く設定する。なお、各特徴
点の種類(端点・分岐点)が登録指紋と入力指紋との間
で異なって検出されることを想定した隆線接続関係一致
度の計算も行うようにしてもよい。
【0213】次に、登録指紋と入力指紋中に存在する全
特徴点数を調べ、同一特徴点数を全特徴点数で規格化
し、指紋一致率を算出する。指紋一致率が所定の値を超
えた場合、同一指紋とする。一方、指紋一致率が所定の
値以下の場合、異なる指紋とする。
【0214】このように、主距離・副距離の接続先の特
徴点/投影特徴点自身の隆線接続関係も照合対象に加え
ることにより、1組の特徴点の照合を行うだけで、広範
囲な隆線構造の照合を達成することができる。また、接
続先投影特徴点の投影元特徴点自身の隆線接続関係情報
を、接続元特徴点の隆線接続関係情報に加えることによ
って、広範囲な隆線構造の照合を簡単に達成することが
できる。
【0215】また、指紋中心座標、各特徴点の座標・種
類・方向を指紋情報にさらに付け加え、指紋照合の高速
化、精度の向上化を図ってもよい。指紋中心座標を用い
て、登録指紋と入力指紋間のおおよその位置合わせを行
っておく。そして、二つの特徴点間の隆線接続関係情報
の照合を行う時、その特徴点の座標が所定の誤差より大
きく離れていた場合は、隆線接続関係一致度に関わらず
異なる特徴点と判断し、隆線接続関係一致度の計算を省
略する。このようにすれば、照合時間の短縮化が図れ
る。また、二つの特徴点の照合を行う時、特徴点の種類
や方向の照合も用いることにより、精度の高い照合が達
成される。
【0216】隆線接続関係情報の副距離の代わりに、第
n次投影特徴点数を用いてもよい。投影特徴点数を用い
れば、登録指紋データの容量も小さくすることができ
る。図28は、本発明の第7実施例に係わる指紋照合装
置の構成を示すブロック図である。
【0217】この第7実施例では、指紋登録時に記録す
る指紋情報を以下の通りとする。 1)指紋の中心座標 2)各特徴点の種類 3)各特徴点の座標 4)各特徴点の方向 5)各特徴点の第n次主距離(n=−m,…,−1,
0,1,…,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき、一つの主
距離を記録するものとする。
【0218】6)各特徴点の第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m) ただし、特徴点で区切られた隆線一つにつき、一つの副
距離を記録するものとする。
【0219】図28において、指紋センサ81は、人間
または動物の指から指紋画像データを採取する。画像記
憶部82は、指紋センサ81により採取された指紋画像
データを保持したり、画像処理を行った画像データを保
持したりする。画像二値化部83は、画像記憶部82に
格納されている多値画像を二値画像に変換する。画像細
線化部84は、画像二値化部83で二値化された二値画
像を細線化し、指紋隆線の細線画像データを生成する。
特徴点抽出部85は、指紋細線画像より特徴点位置を検
出し、その結果を特徴点・投影特徴点位置記憶部86に
保持する。特徴点・投影特徴点位置記憶部86は、特徴
点抽出部85で抽出された特徴点位置を保持するととも
に、投影特徴点生成部89で生成された投影特徴点の位
置情報を記憶する。誤特徴点除去部87は、指紋細線画
像と抽出された特徴点から誤特徴点を検出することによ
り、特徴点・投影特徴点位置記憶部86から誤特徴点情
報を取り除く。また、指紋細線画像修正部88に誤特徴
点情報を伝達する。指紋細線画像修正部88は、誤特徴
点除去部87から送られた誤特徴点情報により、指紋細
線画像の修正を行う。
【0220】投影特徴点生成部89は、誤特徴点が除か
れた修正指紋細線画像と特徴点位置とから全特徴点に関
する投影特徴点を生成する。主距離・副距離情報抽出部
90は、画像記憶部82に保持されている指紋細線画像
と特徴点・投影特徴点位置記憶部86に保持されている
特徴点・投影特徴点位置から、各特徴点の隆線接続関係
情報(指紋情報)を取得し、指紋情報記憶部93に出力
する。
【0221】指紋中心位置検出部91は、指紋画像より
指紋中心位置を検出する。特徴点情報検出部92は、各
特徴点の座標・種類・方向についての特徴点情報を検出
する。
【0222】指紋情報記憶部93は、主距離・副距離情
報抽出部90で抽出された各特徴点及び投影特徴点の隆
線接続関係情報に加え、各特徴点の座標・種類・方向に
ついての特徴点情報を記憶する。登録指紋情報記憶部9
4は、指紋照合装置に登録された指紋の指紋情報を保持
する。指紋照合部95は、入力指紋より得られた指紋情
報と登録指紋情報記憶部94に記憶されている登録指紋
の指紋情報とを照合し、指紋照合結果を照合結果表示部
96に伝達する。照合結果表示部96は、ディスプレイ
や音声などで指紋照合装置利用者に指紋照合結果を伝達
する。
【0223】図29(a)は、登録指紋画像を示す図で
ある。図29(a)において、登録対象となる指紋は、
隆線R111〜R120を備えている。ここで、隆線R
111は隆線R113と分岐点P111で接続してい
る。隆線R112は隆線R113と分岐点P113で接
続し、端点P112で途切れている。隆線R114は隆
線R115と分岐点P115で接続し、端点P114で
途切れている。隆線R116は隆線R117と分岐点P
116で接続している。隆線R117は隆線R118と
分岐点P117で接続している。そして、分岐点P11
1、P113、P115、P116、P117及び端点
P112、P114が指紋画像から抽出され、指紋中心
C1を基準とした時の位置及び方向が、特徴点の種類と
ともに登録される。
【0224】また、分岐点P111、P113、P11
5、P116、P117及び端点P112、P114に
ついての隆線接続関係や、これらの特徴点及び投影特徴
点についての隆線接続関係も登録される。
【0225】図29(b)は、入力指紋画像を示す図で
ある。図29(b)において、照合対象となる指紋は、
隆線R111’〜R120’を備えている。ここで、隆
線R111’は隆線R113’と分岐点P111’で接
続している。隆線R112’は隆線R113’と分岐点
P113’で接続し、端点P112’で途切れている。
隆線R114’は隆線R115’と分岐点P11’5で
接続し、端点P114’で途切れている。隆線R11
6’は隆線R117’と分岐点P116’で接続してい
る。隆線R117’は隆線R118’と分岐点P117
で接続している。
【0226】このように、登録指紋画像の範囲と入力指
紋画像の範囲とは異なっていることから、登録指紋画像
と入力指紋画像との共有領域100を切り出す。そし
て、この共有領域100について、指紋照合を行う。
【0227】すなわち、この共有領域100において、
分岐点P111’、P113’、P115’、分岐点P
116’、P117’及び端点P112’、P114’
が入力指紋画像から抽出され、入力指紋画像から抽出さ
れたこれらの特徴点について、指紋中心C1’を基準と
した時の位置及び方向が算出される。
【0228】また、分岐点P111’、P113’、P
115’、P116’、P117’及び端点P11
2’、P114’についての隆線接続関係や、これらの
特徴点及び投影特徴点についての隆線接続関係も算出さ
れる。
【0229】そして、分岐点P111、P113、P1
15、P116、P117及び端点P112、P114
に関する種類・位置・方向及び隆線接続関係が、分岐点
P111’、P113’、P115’、P116’、P
117’及び端点P112’、P114’に関する種類
・位置・方向及び隆線接続関係と一致するかどうかを調
べることにより、図29(a)の登録指紋画像と図29
(b)の入力指紋画像とを照合する。
【0230】以下、第7実施例の指紋登録処理を説明す
る。図30は、図28の指紋照合装置の指紋登録処理を
示すフローチャートである。
【0231】図30において、まず、指紋センサ81な
どを用いることにより、指紋画像データを取得する(ス
テップS150)。次に、画像二値化部83は、得られ
た指紋画像を二値化し、指紋二値化画像を得る(ステッ
プS151)。次に、画像細線化部84は、指紋二値化
画像を細線化し、指紋細線化画像を得る(ステップS1
52)。次に、特徴点抽出部85は、指紋細線化画像よ
り、指紋特徴点位置を抽出する(ステップS153)。
抽出された指紋特徴点には、一般に誤特徴点が含まれて
いる。そのため、誤特徴点除去部87は、得られた指紋
特徴点から誤特徴点の除去を行う(ステップS15
4)。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆線の
亀裂や連結)によって生じているので、指紋細線画像修
正部88は、指紋細線化画像の修正を行う(ステップS
155)。
【0232】次に、投影特徴点生成部89は、特徴点抽
出部85で抽出された全ての特徴点に関する投影特徴点
を生成する(ステップS156)。次に、指紋中心位置
検出部91は、指紋中心位置を検出する(ステップS1
57)。次に、特徴点情報検出部92は、各特徴点の特
徴点情報(座標・種類・方向)を検出する(ステップS
158)。次に、主距離・副距離情報抽出部90は、各
特徴点毎に第n次主距離・第n次副距離(n=−m,
…,−1,0,1,…,m)を計測する(ステップS1
59)。すなわち、指紋情報は全部で、指紋中心位置情
報、各特徴点毎の特徴点情報、各特徴点毎の第n次主距
離・副距離情報となる。そして、これらの指紋情報を登
録指紋情報記憶部94に保存する(ステップS16
0)。
【0233】次に、第7実施例の指紋照合方法について
説明する。図31及び図32は、図28の指紋照合装置
の指紋照合処理を示すフローチャートである。
【0234】図31において、まず、指紋センサ81な
どを用いることにより、指紋画像データを取得する(ス
テップS161)。次に、画像二値化部83は、得られ
た指紋画像を二値化し、指紋二値化画像を得る(ステッ
プS162)。次に、画像細線化部84は、指紋二値化
画像を細線化し、指紋細線化画像を得る(ステップS1
63)。次に、特徴点抽出部85は、指紋細線化画像よ
り、指紋特徴点位置を抽出する(ステップS164)。
抽出された指紋特徴点には、一般に誤特徴点が含まれて
いる。そのため、誤特徴点除去部87は、得られた指紋
特徴点から誤特徴点の除去を行う(ステップS16
5)。誤特徴点部分は、指紋細線化画像の誤り(隆線の
亀裂や連結)によって生じているので、指紋細線画像修
正部88は、指紋細線化画像の修正を行う(ステップS
166)。次に、投影特徴点生成部89は、特徴点抽出
部85で抽出された全ての特徴点に関する投影特徴点を
生成する(ステップS167)。
【0235】次に、指紋中心位置検出部91は、指紋中
心位置を検出する(ステップS168)。次に、特徴点
情報検出部92は、各特徴点の特徴点情報(座標・種類
・方向)を検出する(ステップS169)。次に、主距
離・副距離情報抽出部90は、各特徴点毎に第n次主距
離・第n次副距離(n=−m,…,−1,0,1,…,
m)を計測する(ステップS170)。
【0236】次に、登録指紋情報記憶部94に保存され
ている指紋情報を読み出し(ステップS171)、登録
指紋と入力指紋のそれぞれにおいて、指紋中心に近い特
徴点を1つずつ選ぶ。そして、選んだ特徴点の位置を一
致させることにより、指紋の位置合わせを行う(ステッ
プS172)。ここで、指紋の位置合わせに特徴点を用
いるのは、指紋中心は測定の度にずれる場合があるから
である。
【0237】次に、登録指紋と入力指紋との特徴点の全
ての組み合わせの中から、特徴点間の距離が所定値以下
の特徴点を選択する。そして、選択した特徴点の全ての
組み合わせについて、隆線接続関係一致度を計算する
(ステップS173)。
【0238】次に、図32において、隆線接続関係一致
度が所定値を超える特徴点対の数を数える(ステップS
174)。次に、隆線接続関係一致度が所定値を超えな
かった特徴点対に対し、特徴点間の距離が所定値(上記
の特徴点間距離による隆線接続関係一致度の計算対象の
削減に用いた所定値より小さな値)以下、かつ、特徴点
の種類が同じ、かつ、方向の差が所定値以下の条件を満
たす特徴点対の数を数える(ステップS175)。次
に、登録指紋と入力指紋の共有領域内に存在する全特徴
点の数を数える。そして、同一特徴点数と共有領域内の
全特徴点数により、登録指紋と入力指紋との指紋一致度
を計算する(ステップS176)。
【0239】指紋一致率が所定値を超えた場合(ステッ
プS177)、登録指紋と入力指紋とは、同一指紋であ
ると判断する(ステップS178)。指紋一致率が所定
値を超えない場合、位置合わせの再調整の回数が所定の
回数を超えたかどうかを判断する(ステップS17
9)。そして、位置合わせの再調整の回数が所定の回数
を超えた場合、登録指紋と入力指紋は異指紋と判断する
(ステップS180)。
【0240】一方、位置合わせの再調整の回数が所定の
回数以下の場合、登録指紋と入力指紋とにおいて、指紋
中心に近い特徴点の組を新たに選択することにより、位
置合わせに用いる特徴点の組み合わせを変更し、位置合
わせを再度行う(ステップS181)。そして、ステッ
プS173に戻り、指紋一致率を再び計算する。
【0241】なお、隆線接続関係情報の副距離の代わり
に、第n次投影特徴点数を用いてもよい。投影特徴点数
を用いれば、登録指紋データの容量を小さくすることが
できる。
【0242】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上述した実施例に限定されることなく、本
発明の技術的思想の範囲内で他の様々の変更が可能であ
る。例えば、上述した実施例では、指紋照合を例にとっ
て説明したが、血管分布の照合や文字認識などを行う場
合に適用してもよい。
【0243】また、特徴点の種類として、端点と分岐点
を例に取って説明したが、隆線が途中で折れ曲がった屈
曲点などを特徴点として抽出するようにしてもよい。ま
た、上述した実施例では、隆線に沿った道のりを特徴点
情報として用いる場合について説明したが、道のりを距
離に置き換えるようにしてもよい。このことにより、隆
線に沿った道のりの計測が直線距離の計測になり、簡単
に隆線接続関係情報を作成することができる。
【0244】また、上述した実施例では、特徴点で区切
られた隆線上の一つの区間について、一つの主距離また
は副距離を記録する場合について説明したが、特徴点で
区切られた隆線上の一つの区間に対し、複数の主距離ま
たは副距離を記録するようにしてもよい。
【0245】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隆線に対する特徴点の配置状態に基づいて、指紋照合を
行うことにより、指の皮膚の部分的な伸び縮みや回転な
どにより指紋に歪みが発生した場合においても、高精度
な指紋照合を安定して行うことが可能となる。
【0246】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
設定された仮想的な特徴点の指紋情報に基づいて、指紋
照合を行うことにより、採取された指紋の隆線構造を変
化させることなく、指紋を特定する手がかりとなる情報
を増やすことが可能となり、高精度な指紋照合を安定し
て行うことが可能となる。
【0247】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
実在する特徴点を他の隆線上に投影することにより、2
次元的な隆線構造を、隆線上で1次元的に表現するする
ことが可能となり、隆線上を1次元的にたどるだけで、
2次元的な隆線構造の特徴を把握することがが可能とな
ることから、高精度な指紋照合を高速に行うことが可能
となる。
【0248】また、本発明の一態様によれば、特徴点あ
るい仮想的な特徴点の位置で隆線を区切った時の隆線の
長さに基づいて指紋照合を行うことにより、指紋に歪み
が発生した場合においても、元の指紋の特徴を保存する
ことが可能となり、高精度な指紋照合を安定して行うこ
とが可能となる。
【0249】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点あるい仮想的な特徴点の間の距離に基づいて、指
紋照合を行うことにより、隆線に沿った道のりの計測が
直線距離の計測になり、指紋情報を生成する際の演算を
簡単にすることが可能となる。
【0250】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点あるいは仮想的な特徴点への接続方向に基づい
て、指紋照合を行うことにより、特徴点あるいは仮想的
な特徴点を基準とした複数方向への接続状態を考慮しな
がら、指紋照合を行うことが可能となり、指紋照合を精
度よく行うことが可能となる。
【0251】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
存在している特徴点及び仮想的な特徴点の個数に基づい
て、指紋照合を行うことにより、指紋照合を安定して高
速に行うことが可能となる。
【0252】また、本発明の一態様によれば、隆線上に
存在している特徴点の種類に基づいて、指紋照合を行う
ことにより、指紋照合を安定して行うことが可能となる
とともに、特徴点及び仮想的な特徴点の個数だけを用い
て指紋照合を行う場合に比べて、照合精度をより向上さ
せることが可能となる。
【0253】また、本発明の一態様によれば、隆線の接
続先の投影特徴点に対する投影元特徴点の種類を、投影
特徴点の種類情報とすることにより、仮想的な特徴点の
種類情報も考慮した指紋照合を行うことが可能となる。
【0254】また、本発明の一態様によれば、特徴点及
び仮想的な特徴点の隆線上への配列順序に基づいて指紋
照合を行うことにより、照合精度をより向上させること
が可能となる。
【0255】また、本発明の一態様によれば、隆線上の
特徴点の種類を仮想的に変更することにより、特徴点の
種類の検出が不安定な場合においても、指紋照合を正確
に行うことが可能となる。
【0256】また、本発明の一態様によれば、隆線の端
点と投影点とを統合して分岐点を生成することにより、
分岐点を端点と間違えて検出した場合においても、元の
隆線構造を考慮した指紋照合を行うことが可能となり、
指紋照合を安定して行うことが可能となる。
【0257】また、本発明の一態様によれば、特徴点と
特徴点との間の道のりと、特徴点と仮想的な特徴点との
間の道のりとを比較することにより、接続先の特徴点ま
たは仮想的な特徴点の種類が誤って検出された場合にお
いても、道のりを比較することが可能となり、指紋照合
を安定して行うことが可能となる。
【0258】また、本発明の一態様によれば、隆線を分
岐点で分離して端点と投影点とを生成することにより、
端点を分岐点と間違えて検出した場合においても、元の
隆線構造を考慮した指紋照合を行うことが可能となり、
指紋照合を安定して行うことが可能となる。
【0259】また、本発明の一態様によれば、仮想的な
特徴点と特徴点との間の道のりと、仮想的な特徴点と他
の仮想的な特徴点との間の道のりを比較することによ
り、接続先の特徴点または仮想的な特徴点の種類が誤っ
て検出された場合においても、道のりを比較することが
可能となり、指紋照合を安定して行うことが可能とな
る。
【0260】また、本発明の一態様によれば、異なる隆
線上の特徴点の指紋情報を比較することにより、道のり
を算出する起点となる特徴点の種類が誤って検出された
場合においても、指紋情報を比較することが可能とな
り、指紋照合を精度良く行うことが可能となる。
【0261】また、本発明の一態様によれば、同一隆線
上の道のりを比較することで特徴点が一致するかどうか
を判定することにより、指紋が歪んだ場合においても、
特徴点の照合を安定して行うことが可能となる。 ま
た、本発明の一態様によれば、異なる隆線上の道のり情
報を指紋情報に付加することにより、未接続の隆線構造
も考慮して1つの特徴点の照合を行うことが可能とな
り、特徴点の照合を精度良く行うことが可能となる。
【0262】また、本発明の一態様によれば、1つの特
徴点の照合を行う際に、照合対象となる特徴点と関係す
る他の特徴点または投影元特徴点の指紋情報を考慮する
ことにより、広範囲の隆線構造を考慮することが可能と
なり、特徴点の照合を精度良く行うことが可能となる。
【0263】また、本発明の一態様によれば、特徴点の
隆線接続状態が求められない理由を隆線接続状態に含め
ることにより、後の照合で隆線接続状態が求められた
時、その正当性を考慮した特徴点の照合を行うことが可
能となる。
【0264】また、本発明の一態様によれば、複数の評
価基準を設けることにより、皮膚の伸び縮みや回転によ
る照合困難性と隆線の亀裂・癒着による照合困難性の両
方の照合困難性に対応することができる。
【0265】また、本発明の一態様によれば、隆線の谷
線部と山線部とを反転させることにより、端点と分岐点
の位置を逆転することができ、例えば、端点についての
画像処理機能を備えるだけで、分岐点の画像処理を実行
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる指紋照合装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例に係わる指紋照合装置の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係わる指紋の特徴点の分布
を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の一実施例に係わる投影特徴
点の生成方法を説明する図、(b)は、投影特徴点の生
成方向を示す図である。
【図5】(a)は、隆線上の第0次距離の例を示す図、
(b)は、隆線上の第1次距離の例を示す図、(c)は
道のりの算出方法を説明する図である。
【図6】指紋に歪みが発生した時に、道のりがどのよう
に変化するかを説明する図である。
【図7】本発明の一実施例に係わる指紋照合装置のシス
テム構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施例に係わる指紋照合装置の構
成を示すブロック図である。
【図9】端点を基準とした時の主距離の算出方法を説明
する図である。
【図10】分岐点を基準とした時の主距離の算出方法を
説明する図である。
【図11】図8の指紋照合装置の指紋登録処理を示すフ
ローチャートである。
【図12】図8の指紋照合装置の特徴点を計測起点とし
た時の道のり算出処理を示すフローチャートである。
【図13】図8の指紋照合装置の投影特徴点を計測起点
とした時の道のり算出処理を示すフローチャートであ
る。
【図14】図8の指紋照合装置の指紋照合処理を示すフ
ローチャートである。
【図15】本発明の第4実施例に係わる指紋照合装置の
構成を示すブロック図である。
【図16】端点を基準とした時の副距離の算出方法を説
明する図である。
【図17】分岐点を基準とした時の副距離の算出方法を
説明する図である。
【図18】図15の指紋照合装置の指紋登録処理を示す
フローチャートである。
【図19】図15の指紋照合装置の特徴点を計測起点と
した時の道のり算出処理を示すフローチャートである。
【図20】図15の指紋照合装置の投影特徴点を計測起
点とした時の道のり算出処理を示すフローチャートであ
る。
【図21】図15の指紋照合装置の指紋照合処理を示す
フローチャートである。
【図22】特徴点の種類が変化した時の主距離と副距離
の変化を説明する図である。
【図23】接続先特徴点の種類の誤検出を考慮した指紋
照合処理を示すフローチャートである。
【図24】端点を分岐点と間違えて検出した時の次数の
変化を説明する図である。
【図25】接続元特徴点の種類の誤検出を考慮した指紋
照合処理を示すフローチャートである。
【図26】主距離に方向情報を付加した例を説明する図
である。
【図27】副距離に方向情報を付加した例を説明する図
である。
【図28】本発明の第7実施例に係わる指紋照合装置の
構成を示すブロック図である。
【図29】(a)は登録指紋画像を示す図、(b)は入
力指紋画像を示す図である。
【図30】図28の指紋照合装置の指紋登録処理を示す
フローチャートである。
【図31】図28の指紋照合装置の指紋照合処理を示す
フローチャートである。
【図32】図28の指紋照合装置の指紋照合処理を示す
フローチャートである(図31の続き)。
【図33】従来の指紋登録処理及び指紋照合処理を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1、11 指紋データ入力手段 2 隆線抽出手段 3 特徴点抽出手段 4 配置状態検出手段 5、14 照合手段 12 仮想特徴点設定手段 13 指紋情報算出手段 21 CPU 22 ROM 23 RAM 24 入出力インターフェイス 25 ディスプレイ 26 プリンタ 27 メモリ 28 スキャナ 29 通信インターフェイス 30 通信ネットワーク 31 ドライバ 32 ハードディスク 33 ICメモリカード 34 磁気テープ 35 フロッピーディスク 36 光ディスク 37 バス 38 キーボード 41、61、81 指紋センサ 42、62、82 画像記憶部 43、63、83 画像二値化部 44、64、84 画像細線化部 45、65、85 特徴点抽出部 46 特徴点位置記憶部 47、67、87 誤特徴点除去部 48、68、88 指紋細線画像修正部 49 主距離情報抽出部 50、71、93 指紋情報記憶部 51、72、94 登録指紋情報記憶部 52、73、95 指紋照合部 53、74、96 照合結果表示部 66、86 特徴点・投影特徴点位置記憶部 69、89 投影特徴点生成部 70、90 主距離・副距離情報抽出部 91 指紋中心位置検出部 92 特徴点情報検出部

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指紋データを入力する指紋データ入力手
    段と、 前記指紋データに基づいて、指紋の隆線を抽出する隆線
    抽出手段と、 前記指紋データに基づいて、前記隆線上の特徴点を抽出
    する特徴点抽出手段と、 前記特徴点の前記隆線上への配置状態を検出する配置状
    態検出手段と、 前記配置状態を個人情報として登録する登録手段とを備
    えることを特徴とする指紋登録装置。
  2. 【請求項2】 前記配置状態は、前記隆線上に存在して
    いる特徴点の個数、前記隆線上に存在している特徴点の
    種類、前記特徴点の前記隆線上への配列順序、前記隆線
    上に設定された基準点から前記特徴点への距離あるいは
    道のり、または前記基準点から前記特徴点への接続方向
    のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    1に記載の指紋登録装置。
  3. 【請求項3】 前記特徴点の種類は、端点または分岐点
    であることを特徴とする請求項2または3に記載の指紋
    登録装置。
  4. 【請求項4】 指紋データを入力する指紋データ入力手
    段と、 前記指紋データに基づいて、指紋の特徴点を抽出する特
    徴点抽出手段と、 前記特徴点抽出手段により抽出された特徴点に対応させ
    て、隆線上に仮想的な特徴点を設定する仮想特徴点設定
    手段と、 前記仮想的な特徴点についての指紋情報を算出する指紋
    情報算出手段と、 前記指紋情報算出手段により算出された指紋情報を個人
    情報として登録する登録手段とを備えることを特徴とす
    る指紋登録装置。
  5. 【請求項5】 前記仮想的な特徴点は、隆線上に実在す
    る特徴点を他の隆線上に投影した投影点であることを特
    徴とする請求項4に記載の指紋登録装置。
  6. 【請求項6】 前記指紋情報は、前記隆線上に存在して
    いる特徴点及び仮想的な特徴点の個数、前記隆線上に存
    在している特徴点の種類、前記特徴点及び仮想的な特徴
    点の前記隆線上への配列順序、前記隆線上の特徴点ある
    い仮想的な特徴点の間の距離あるいは道のり、または前
    記隆線上の特徴点あるいは仮想的な特徴点への接続方向
    のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    4または5に記載の指紋登録装置。
  7. 【請求項7】 指紋データを入力する指紋データ入力手
    段と、 前記指紋データに基づいて、指紋の隆線を抽出する隆線
    抽出手段と、 前記指紋データに基づいて、前記隆線上の特徴点を抽出
    する特徴点抽出手段と、 前記特徴点の前記隆線上での配置状態を検出する配置状
    態検出手段と、 前記配置状態に基づいて、指紋照合を行う照合手段とを
    備えることを特徴とする指紋照合装置。
  8. 【請求項8】 前記配置状態は、前記隆線上に存在して
    いる特徴点の個数、前記隆線上に存在している特徴点の
    種類、前記特徴点の前記隆線上への配列順序、前記隆線
    上に設定された基準点から前記特徴点への距離あるいは
    道のり、または前記基準点から前記特徴点への接続方向
    のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    7に記載の指紋照合装置。
  9. 【請求項9】 前記特徴点の種類は、端点または分岐点
    であることを特徴とする請求項7または8に記載の指紋
    照合装置。
  10. 【請求項10】 指紋データを入力する指紋データ入力
    手段と、 前記指紋データに基づいて、隆線上に仮想的な特徴点を
    設定する仮想特徴点設定手段と、 前記仮想特徴点設定手段により設定された仮想的な特徴
    点の指紋情報を算出する指紋情報算出手段と、 前記指紋情報に基づいて、指紋照合を行う照合手段とを
    備えることを特徴とする指紋照合装置。
  11. 【請求項11】 前記仮想特徴点設定手段は、 前記隆線上に実在する特徴点を他の隆線上に投影した投
    影点を生成する投影点生成手段を備えることを特徴とす
    る請求項10に記載の指紋照合装置。
  12. 【請求項12】 前記仮想特徴点設定手段は、 前記隆線の端点と前記端点に対応する投影点とを統合す
    ることにより、前記隆線上に仮想的な分岐点を生成する
    仮想分岐点生成手段を備えることを特徴とする請求項1
    1に記載の指紋照合装置。
  13. 【請求項13】 前記仮想特徴点設定手段は、 前記隆線を分岐点で分離することにより、仮想的な端点
    と前記端点に対応する投影点とを生成する仮想端点生成
    手段を備えることを特徴とする請求項11または12に
    記載の指紋照合装置。
  14. 【請求項14】 前記照合手段は、 異なる隆線上の特徴点の指紋情報を比較する第1の比較
    手段を備えることを特徴とする請求項10〜13のいず
    れか1項に記載の指紋照合装置。
  15. 【請求項15】 前記照合手段は、 特徴点から他の特徴点へ至る道のりと、前記特徴点から
    仮想的な特徴点へ至る道のりとを比較する第2の比較手
    段を備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれ
    か1項に記載の指紋照合装置。
  16. 【請求項16】 前記照合手段は、 仮想的な特徴点から他の特徴点へ至る道のりと、前記仮
    想的な特徴点から他の仮想的な特徴点へ至る道のりとを
    比較する第3の比較手段を備えることを特徴とする請求
    項10〜15のいずれか1項に記載の指紋照合装置。
  17. 【請求項17】 指紋データを入力する指紋データ入力
    手段と、 前記指紋データに基づいて、第1の特徴点を抽出する第
    1の特徴点抽出手段と、 前記指紋データに基づいて、第2の特徴点を抽出する第
    2の特徴点抽出手段と、 前記第1の特徴点及び前記第2の特徴点の隆線による接
    続状態を検出する接続状態検出手段と、 前記接続状態に基づいて、指紋照合を行う照合手段とを
    備えることを特徴とする指紋照合装置。
  18. 【請求項18】 指紋データを入力する指紋データ入力
    手段と、 前記指紋データに基づいて、第1の特徴点を抽出する第
    1の特徴点抽出手段と、 前記指紋データに基づいて、第2の特徴点を抽出する第
    2の特徴点抽出手段と、 前記第1の特徴点に対応させて、仮想的な特徴点を生成
    する仮想特徴点生成手段と、 前記第2の特徴点及び前記仮想的な特徴点の隆線による
    接続状態を検出する接続状態検出手段と、 前記接続状態に基づいて、指紋照合を行う照合手段とを
    備えることを特徴とする指紋照合装置。
  19. 【請求項19】 指紋データを入力する指紋データ入力
    手段と、 前記指紋データに基づいて、第1の特徴点を抽出する第
    1の特徴点抽出手段と、 前記指紋データに基づいて、第2の特徴点を抽出する第
    2の特徴点抽出手段と、 前記第1の特徴点に対応させて、第1の仮想的な特徴点
    を生成する第1の仮想特徴点生成手段と、 前記第2の特徴点に対応させて、第2の仮想的な特徴点
    を生成する第2の仮想特徴点生成手段と、 前記第1の仮想的な特徴点及び前記第2の仮想的な特徴
    点の隆線による接続状態を検出する接続状態検出手段
    と、 前記接続状態に基づいて、指紋照合を行う照合手段とを
    備えることを特徴とする指紋照合装置。
  20. 【請求項20】 指紋画像を入力する指紋画像入力手段
    と、 前記指紋画像を二値化する二値化手段と、 二値化された指紋画像を細線化する細線化手段と、 細線化された指紋画像から隆線を抽出する隆線抽出手段
    と、 前記隆線上の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、 前記特徴点の前記隆線による接続状態を抽出する特徴点
    接続情報抽出手段と、 前記隆線による前記特徴点の接続状態に基づいて、前記
    指紋画像を照合する照合手段とを備えることを特徴とす
    る指紋照合装置。
  21. 【請求項21】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    特徴点間の隆線上の道のりまたは距離を算出する第1の
    算出手段を備え、 前記照合手段は、前記特徴点間の隆線上の道のりまたは
    距離が所定値以内で一致している場合、隆線構造が一致
    しているとみなす第1の判定手段を備えることを特徴と
    する請求項20に記載の指紋照合装置。
  22. 【請求項22】 前記特徴点を周辺の隆線に投影した投
    影特徴点を生成する投影特徴点生成手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項20または21に記載の指紋照
    合装置。
  23. 【請求項23】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    特徴点と前記投影特徴点との間の隆線上の道のりまたは
    距離を算出する第2の算出手段を備え、 前記照合手段は、前記特徴点と前記投影特徴点との間の
    隆線上の道のりまたは距離が、他の指紋画像と所定値以
    内で一致している場合、隆線構造が一致しているとみな
    す第2の判定手段を備えることを特徴とする請求項22
    に記載の指紋照合装置。
  24. 【請求項24】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    特徴点を近辺の隆線へ投影した投影特徴点を計測起点に
    設定する計測起点設定手段と、 前記計測起点に接続する隆線上の他の特徴点あるいは他
    の投影特徴点までの道のりまたは距離を算出する第3の
    算出手段を備え、 前記照合手段は、前記計測起点に接続する隆線上の他の
    特徴点あるいは他の投影特徴点までの道のりまたは距離
    が、所定値以内で一致している場合、隆線構造が一致し
    ているとみなす第3の判定手段を備えることを特徴とす
    る請求項22または23に記載の指紋照合装置。
  25. 【請求項25】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    隆線上に存在する特徴点及び投影特徴点の数を算出する
    第4の算出手段を備え、 前記照合手段は、前記隆線上に存在する特徴点及び投影
    特徴点の数が、所定値以内で一致している場合、隆線構
    造が一致しているとみなす第4の判定手段を備えること
    を特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の
    指紋照合装置。
  26. 【請求項26】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    特徴点と関係する他の特徴点または投影元特徴点の指紋
    情報を抽出する指紋情報抽出手段を備え、 前記照合手段は、前記指紋情報に基づいて、隆線構造が
    一致しているかどうかを判定する第5の判定手段を備え
    ることを特徴とする請求項22〜25のいずれか1項に
    記載の指紋照合装置。
  27. 【請求項27】 前記特徴点接続情報抽出手段は、特徴
    点の隆線接続状態が求められない場合、その求められな
    い理由を抽出する理由抽出手段を備え、 前記照合手段は、前記理由抽出手段で抽出された理由に
    基づいて、隆線構造が一致しているかどうかを判定する
    第6の判定手段を備えることを特徴とする請求項20〜
    26のいずれか1項に記載の指紋照合装置。
  28. 【請求項28】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    隆線の接続先の特徴点の種類情報を抽出する第1の種類
    情報抽出手段を備えることを特徴とする請求項20〜2
    7のいずれか1項に記載の指紋照合装置。
  29. 【請求項29】 前記特徴点接続情報抽出手段は、前記
    隆線の接続先の投影特徴点に対する投影元特徴点の種類
    情報を抽出する第2の種類情報抽出手段を備えることを
    特徴とする請求項22〜27のいずれか1項に記載の指
    紋照合装置。
  30. 【請求項30】 前記特徴点接続情報抽出手段は、接続
    元の特徴点または投影特徴点から、接続先の特徴点また
    は投影特徴点への方向情報を抽出する方向情報抽出手段
    を備えることを特徴とする請求項22〜29のいずれか
    1項に記載の指紋照合装置。
  31. 【請求項31】 前記隆線上の特徴点の種類を仮想的に
    変更する特徴点仮想変更手段をさらに備えることを特徴
    とする請求項20〜30のいずれか1項に記載の指紋照
    合装置。
  32. 【請求項32】 前記照合手段は、照合対象の特徴点と
    前記特徴点を投影した投影特徴点との間に存在する隆線
    の本数を増減する隆線増減手段と、 前記隆線増減手段により増減された隆線構造が一致して
    いるかどうかを判定する第7の判定手段とを備えること
    を特徴とする請求項22〜31のいずれか1項に記載の
    指紋照合装置。
  33. 【請求項33】 前記照合手段は、特徴点から他の特徴
    点へ至る道のりと、前記特徴点から投影特徴点へ至る道
    のりとを比較する第1の比較手段を備えることを特徴と
    する請求項22〜32のいずれか1項に記載の指紋照合
    装置。
  34. 【請求項34】 前記照合手段は、投影特徴点から他の
    特徴点へ至る道のりと、前記の投影特徴点から他の投影
    特徴点へ至る道のりとを比較する第2の比較手段を備え
    ることを特徴とする請求項22〜33のいずれか1項に
    記載の指紋照合装置。
  35. 【請求項35】 前記照合手段は、各指紋情報の重み付
    けを行う重み付け手段と、 特徴点の接続状態の照合に重点を置く評価方式と、特徴
    点の位置、種類または方向の照合に重点を置く評価方式
    とを切り換える評価基準切り替え手段とを備えることを
    特徴とする請求項20〜34のいずれか1項に記載の指
    紋照合装置。
  36. 【請求項36】 前記指紋画像の隆線は、谷線部と山線
    部とを反転させたものであることを特徴とする請求項1
    〜35のいずれか1項に記載の指紋照合装置。
  37. 【請求項37】 入力パターンから特徴点を抽出する特
    徴点抽出手段と、 前記特徴点抽出手段により抽出された特徴点に対応させ
    て、前記入力パターンに仮想的な特徴点を設定する仮想
    特徴点設定手段と、 前記仮想的な特徴点の特徴情報に基づいて、前記入力パ
    ターンの照合を行うパターン照合手段とを備えることを
    特徴とするパターン照合装置。
  38. 【請求項38】 前記特徴情報は、前記特徴点と前記仮
    想的な特徴点との間を前記入力パターンに沿って進んだ
    時の道のりであることを特徴とする請求項37に記載の
    パターン照合装置。
  39. 【請求項39】 指紋データを入力するステップと、 前記指紋データに基づいて、指紋の隆線を抽出するステ
    ップと、 前記指紋データに基づいて、前記隆線上の特徴点を抽出
    するステップと、 前記隆線による前記特徴点の接続状態を算出するステッ
    プと、 前記特徴点の接続状態に基づいて、指紋照合を行うステ
    ップとを備えることを特徴とする指紋照合方法。
  40. 【請求項40】 指紋データを入力するステップと、 前記指紋データに基づいて、指紋の隆線を抽出するステ
    ップと、 前記指紋データに基づいて、前記隆線上の特徴点を抽出
    するステップと、 前記特徴点を接続点とした前記隆線の接続状態を算出す
    るステップと、 前記隆線の接続状態に基づいて、指紋照合を行うステッ
    プとを備えることを特徴とする指紋照合方法。
  41. 【請求項41】 指紋データを入力するステップと、 前記指紋データから指紋の隆線構造を抽出するステップ
    と、 前記隆線構造を特定の隆線上に写像するテップと、 前記写像結果を比較することにより、指紋照合を行うス
    テップとを備えることを特徴とする指紋照合方法。
  42. 【請求項42】 指紋から抽出された特徴点を記述した
    データ構造と、 前記特徴点の隆線による接続状態を記述したデータ構造
    とを備えることを特徴とする記憶媒体。
  43. 【請求項43】 指紋から抽出された特徴点の指紋情報
    を記述したデータ構造と、 前記特徴点に対応させて隆線上に仮想的に設定された仮
    想特徴点の指紋情報を記述したデータ構造とを備えるこ
    とを特徴とする記憶媒体。
  44. 【請求項44】 指紋データを入力する機能と、 前記指紋データに基づいて、指紋の隆線を抽出する機能
    と、 前記指紋データに基づいて、前記隆線上の特徴点を抽出
    する機能と、 前記特徴点の前記隆線上への配置状態を検出する機能
    と、 前記配置状態に基づいて、指紋照合を行う機能とをコン
    ピュータに実現させるプログラムを格納したコンピュー
    タ読み取り可能な記憶媒体。
  45. 【請求項45】 指紋データを入力する機能と、 前記指紋データに基づいて、隆線上に仮想的な特徴点を
    設定する機能と、 前記仮想的な特徴点の指紋情報を算出する機能と、 前記指紋情報に基づいて、指紋照合を行う機能とをコン
    ピュータに実現させるプログラムを格納したコンピュー
    タ読み取り可能な記憶媒体。
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