JPH11194462A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料用の発色現像剤組成物及び現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料用の発色現像剤組成物及び現像処理方法

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JPH11194462A
JPH11194462A JP36124997A JP36124997A JPH11194462A JP H11194462 A JPH11194462 A JP H11194462A JP 36124997 A JP36124997 A JP 36124997A JP 36124997 A JP36124997 A JP 36124997A JP H11194462 A JPH11194462 A JP H11194462A
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JP36124997A
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Atsushi Noguchi
淳 野口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色現像主薬を高濃度に含有しているにも
かかわらず保存中に不溶解物の析出がなく、経時しても
空気酸化による処理液や処理剤容器の着色がなく、かつ
写真性能の劣化もないカラー写真感光材料用の液体濃厚
現像剤組成物を提供する。また、充填された現像剤組成
物が長期間にわたって安定に保存されるように収納され
たプラスチック容器入り液体濃厚現像剤組成物を提供す
る。 【解決手段】 炭酸塩の濃度が0.5〜2Mの範囲にあ
り、カリウムイオンのナトリウムイオンに対する比率が
1〜4の範囲にあり、かつpHが12.5以上である濃
厚液剤により構成されたことを特徴とするハロゲン化銀
カラー写真感光材料用の発色現像剤組成物。とりわけベ
ンゼンスルホン酸類、特定構造のアルカノ−ルアミン、
アルキルヒドロキシルアミン誘導体、アルキレングリコ
ール系界面活性剤から選ばれる1種以上を含む上記の発
色現像剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理に用いる発色現像剤及びそれを用い
る現像処理方法に関するものであり、更に詳しくは、カ
ラー写真感光材料用の取扱い性、輸送適性及び保存安定
性の高い濃縮現像剤組成物とそれを用いる自動現像機に
よる現像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料の処
理、例えばハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理は、
一般に基本工程として発色現像工程、脱銀工程及び水洗
などの画像安定化工程からなる。発色現像工程では、発
色現像主薬と銀塩の反応によって画像状の色素と現像銀
が生成する。脱銀工程では、発色現像工程で生じた現像
銀が酸化作用を有する漂白剤により銀塩に酸化(漂白)
され、さらに未使用のハロゲン化銀とともに可溶性銀を
形成する定着剤によって感光層から除去される。あるい
は、漂白定着液によって一段階で銀塩への酸化とその除
去が行われる。画像安定化工程は、生成した画像の長期
間にわたる安定性を確保するために画像層の雰囲気の調
節がなされる工程で、水洗、又は水洗と画像安定浴、或
いは水洗に代わる安定浴などのいずれかが行われる。各
処理工程は、水洗を除いては1種類以上の処理薬品を含
んだ水溶液(処理液と呼んでいる)を用いて行われる。
各処理液は比較的低濃度であるので、そのまま使用でき
る状態の処理液を処理薬品メ−カ−が製造し、現像所へ
輸送し、保管することは一般に経済面、保管スペ−ス
面、あるいは作業面の観点から不適当である。
【0003】従来、この問題の解決には二通りの方法が
行われていた。一つは処理液を構成する処理薬品を処理
液構成に応じた比率で混合した粉末薬品混合物を調製し
てそれを包装したいわゆる固体処理剤の形でを現像所へ
供給し、現像所でそれを水に溶解して適当な濃度に希釈
して処理液として使用する方式であり、もう一つは構成
処理薬品を高濃度に溶解して液状濃厚状態にして容器に
充填した濃厚液体処理剤の形で現像所へ供給し、現像所
でそれを定められた濃度に水などで希釈して処理液とし
て使用する方式である。前者は具体的には米国特許第2
843484号、同第2846308号、カナダ特許第
831、928号などに記されており、後者は、カラ−
現像用濃厚液体処理剤については米国特許第35746
19号、同第3647461号、同第3814606号
及び公開英国特許明細書第2016723号に記されて
いる。
【0004】固体処理剤は、輸送コストや保管スペ−ス
の面で有利であるが、現像所における溶解作業、薬剤の
粉塵の飛散、混合薬品の組成の均一性などの面では不都
合であり、また常温で液体状の薬品は別個の処理剤容器
に入れて別包装の粉剤と組み合わせなければならないな
どの点で不利である。一方、濃厚液体処理剤は、現像所
における溶解作業が省けるという大きな利点があるが、
輸送、保管の面における利便性では固体処理剤には及ば
ない。このように固体処理剤、液体処理剤は、それぞれ
一長一短があって、処理剤容積の減容、廃容器の減量、
貯蔵スペースの節約、輸送コストの削減などの経済的、
環境的側面と処理液調製作業の省力化などの作業面の簡
易性、安全性の側面のいずれにおいても優れている処理
剤は得られていない。
【0005】しかしながら、カラー処理剤に関しては、
処理液調製作業の省力化などの作業面の簡易性、安全性
の側面から液体処理剤の利便性が特に重視されており、
とりわけ、現像処理の生産性や取り扱い性が重要なので
濃厚液体処理剤の方が有利である。そのため液体処理剤
が選択されるとともに、その弱点の解決のために液体処
理剤に固体処理剤なみのコンパクトさが望まれ、現像剤
組成物の濃度を一層高くすることが要望されている。し
かし、液体濃厚処理剤が、安定に保存され、使用に際し
て支障がないためには基本的には飽和溶解度以下の均一
溶液であるべきであるとされ、更なる減容濃厚化の余地
はきわめて乏しい状況にある。
【0006】液体濃厚処理剤では、例えばイタリ−特許
第427967号、米国特許第2735774号などに
黒白現像処理液のペ−スト化が古くから知られている。
また、カラ−現像剤においてもペースト化は濃厚化やそ
の他の色々の目的から行われてきた。米国特許第278
4086号では、粘性付与剤つまり増粘剤としてアルギ
ン酸誘導体を用いてペースト化を試みている。また、日
本公表特許公報昭57−500485号には、カラ−用
濃厚液体現像剤のペースト化技術が開示されている。し
かし、液体処理剤をペースト化することは、処理薬品の
溶解度を増して濃縮度を高めるものではなく、析出を遅
くするだけ、あるいは析出が始まっても不溶解物の凝集
固化が遅くなって耐用期間が多少延びるという効果はあ
っても減容化の本質的な解決にならず、液体処理剤の利
点が発揮されない。
【0007】カラ−写真感光材料用の液体現像剤は、発
色現像剤、漂白剤及び定着剤又は漂白定着剤、安定液剤
などから構成されている。それらの処理剤の中で発色現
像剤は、p−フェニレンジアミン誘導体を現像主薬とし
て含んでおり、この主薬は溶解性が比較的低いので、濃
厚化の制約が大きい。それに加えて現像主薬が空気酸化
を受け易いために処理剤の保管中の経時劣化が進行し、
空気酸化された現像主薬がタール状となって容器の器壁
に付着し、使用できなくなる。このように濃厚液体現像
剤は、溶解度の制約から発色現像主薬の析出、処理剤の
保存中の発色現像主薬の空気酸化による液の着色、それ
に伴う容器の着色や現像処理される感光材料の汚染とい
う問題点を持っている。
【0008】発色現像主薬の沈殿析出防止に関しては、
特開平6−194797号、同7−043873号、同
7−043874号、同7−043875号、同7−1
14163号、同7−239541号、同7−3114
53号にN,N−ジ置換アニリン誘導体を添加する方
法、この化合物とアルキルジフェニルエーテルジスルフ
ォン酸類、陰イオン界面活性剤、芳香族スルフォン酸
類、パラトルエンスルフォン酸やアルカノールアミン類
の添加などとを組み合わせて添加する方法などが開示さ
れている。それらの沈殿防止効果は認められるが、実質
的な問題解決にはなお不十分である。
【0009】一方、発色現像液の空気酸化を防止するた
めには、従来から保恒剤として用いられているヒドロキ
シルアミン塩よりも一層有効な保恒剤の開発が進められ
てきている。特開平4−443号、同2−64632
号、同2−50157号には、保恒効果の大きいジアル
キルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアルキルヒドラ
ジン類が開示されている。これらによる進歩はあるもの
の、なお一層の保恒性の向上が望まれている。以上のよ
うに濃厚液体状の現像剤組成物中の発色現像主薬の析出
防止つまり溶解度の向上と組成物の保存安定性は、強く
望まれている課題であるが、十分に要請に応えられる手
段が見いだされていない状況にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、発色現像主薬を高濃度に含有しているにもかかわら
ず保存中に不溶解物の析出がなく、経時しても空気酸化
による処理液や処理剤容器の着色がなく、かつ写真性能
の劣化もないカラー写真感光材料用の液体濃厚現像剤組
成物を提供することである。本発明の第2の目的は、充
填された現像剤組成物が長期間にわたって安定に保存さ
れるように収納されたプラスチック容器入り液体濃厚現
像剤組成物を提供することである。本発明の第3の目的
は、上記のプラスチック容器入り液体濃厚現像剤組成物
を用いた操作が簡単でかつ品質を安定に維持できるカラ
ー現像処理方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して鋭意検討を重ねた結果、液体現像剤組成物の
塩濃度、陽イオン組成及びpHが特定の範囲内にある
と、発色現像主薬の溶解度が向上し、沈殿析出が防止さ
れることを見いだし、この発見に基づいてさらに発色現
像主薬が安定に存在する組成領域について研究を進めて
本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、以下の
発色現像用液体濃厚処理剤組成物によって達せられる。
【0012】1.炭酸塩の濃度が0.5〜2Mの範囲に
あり、カリウムイオンのナトリウムイオンに対するモル
比率(K/Na比)が1〜4の範囲にあり、かつpHが
12.5以上である1パートの濃厚液剤により構成され
たことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用
の発色現像剤組成物。
【0013】2.アルキル置換してもよいベンゼンスル
ホン酸又はその塩を含有することを特徴とする上記1に
記載の発色現像剤組成物。
【0014】3.組成物中にさらに下記一般式〔A〕の
群から選ばれるアルカノ−ルアミンの少なくも一つを含
むことを特徴とする上記1又は2に記載の発色現像剤組
成物。
【0015】 〔H(R’O)m R〕n NH(3-n) 〔A〕 一般式〔A〕において、mは0又は1、nは1〜3の整
数であり、Rは炭素数が2から4のヒドロキシ置換アル
キレン基、R’は炭素数が1〜4のアルキレン基あるい
はヒドロキシ置換アルキレン基である。ただし、mが0
の場合は,Rの炭素数が2であればnは2であり、Rの
炭素数が3〜4であればnは1、2又は3である。ま
た、mが1の場合は、Rの種類によらずnは1、2又は
3である。
【0016】4.組成物中に下記一般式〔I〕で示され
るヒドロキシルアミン誘導体を含有することを特徴とす
る上記1〜3のいずれかに記載の発色現像剤組成物。
【0017】
【化2】
【0018】一般式〔I〕において、Lは置換してもよ
いアルキレン基を表わし、Aはカルボキシル基、スルホ
基、ホスホノ基、ホスフィン酸残基、ヒドロキシル基、
アルキル置換してもよいアミノ基、アルキル置換しても
よいアンモニオ基、アルキル置換してもよいカルバモイ
ル基、アルキル置換してもよいスルファモイル基又は置
換してもよいアルキルスルホニル基を表わし、Ra は水
素原子又は置換してもよいアルキル基を表わす。また、
LとRa が連結して環を形成してもよい。
【0019】5.組成物中に置換基の炭素数の合計が1
〜8であるN−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩
の少なくとも1種を含有することを特徴とする上記1〜
4に記載の発色現像剤組成物。
【0020】6.組成物中に上記4の一般式〔I〕で示
されるヒドロキシルアミン誘導体の少なくとも1種と上
記5に記したN−アルキルヒドロキシルアミン又はその
塩の少なくとも1種とを含有することを特徴とする上記
1〜5に記載の発色現像剤組成物。
【0021】7.組成物中にアニオン界面活性剤を含有
することを特徴とする上記1〜6に記載の発色現像剤組
成物。
【0022】8.アニオン界面活性剤が下記一般式〔I
I〕で示されるることを特徴とする上記7に記載の発色
現像剤組成物。 R10O(CH2CH2O) p [CH2CH(OH)CH2O] q (CH2) r V 〔II〕 一般式〔II〕において、R10はアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルキルカルボニル基を表し、p及び
qは0又は1〜100の整数を表す。但し、p+qは1
以上を表す。rは0又は1〜50の整数を表す。Vはr
が0の場合、スルホン酸基、リン酸基を表す。また、r
が1以上の場合は、スルホン酸基、リン酸基基、スルホ
ン酸エステル基、リン酸エステル基を表す。
【0023】9.シアンカプラーとしてピロロトリアゾ
ール誘導体を含有しているハロゲン化銀カラー写真感光
材料を上記1〜8のいずれかに記載の発色現像剤組成物
を用いて発色現像処理を行うことを特徴とするハロゲン
化銀カラー写真感光材料の現像処理方法。
【0024】上記1〜8のいずれかに記載した発色現像
剤組成物は、既知の任意のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の現像処理方法に広く適用できるが、好ましい態様
としては、自動洗浄機構を有する自動現像機に装着して
使用する現像処理方法への適用が挙げられる。
【0025】とりわけ、自動現像機に発色現像剤組成物
を充填した容器を装着し、該容器の内容物を現像補充槽
中へ注入したのち、容器内を一定量の水で洗浄するとと
もに、洗浄に用いた水を補充槽内に導入して補充液の調
製用水として使用し、得られた補充液を用いて現像処理
を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料の現像処理方法
は、本発明の長所を発揮する態様であり、その詳細はの
ちに記述する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、カラー写真感光材料用の
液体濃厚現像剤組成物の構成に関して、(1)炭酸塩の
濃度の合計が0.5〜2Mの範囲で(2)カリウムイオ
ンのナトリウムイオンに対するモル比率が1〜4の範囲
にあり、(3)pHが12.5以上(その上限は実質的
に14)であるときに発色現像主薬の溶解度が増加して
沈殿析出が防止され安定に保つことが可能な事実に基づ
いている。発色現像液の一般的なpH領域例えばpH1
0〜11の領域では、炭酸塩の濃度の合計が0.5Mを
超えると、通常塩類効果によって発色現像主薬の溶解度
の限界を超えて沈殿析出がおこる。また、多くの場合同
時に現像液が着色し、それが現像処理される感光材料を
汚染することもある。しかしながら、本発明のpHと陽
イオン組成のもとでは、炭酸塩濃度が0.5Mを超えて
も沈殿析出は起こらず、0.5〜2Mの範囲にわたって
発色現像主薬を安定な状態で高濃度に溶解させることが
でき、かつ現像液の着色もないことが見出された。しか
し、このpHと陽イオン組成でも、炭酸塩の濃度が2M
よりも高くなると発色現像主薬の着色と沈殿析出が起こ
りやすくなる。これは、塩類効果によるものと推定でき
ることである。
【0027】炭酸塩の濃度が上記の規定範囲内にあって
もカリウムイオンとナトリウムイオンの存在比率が上記
の範囲つまりカリウムイオンがナトリウムイオンと等モ
ル濃度から4倍までの濃度範囲を高い方又は低い方のい
ずれに外れても、発色現像主薬の着色又は沈殿析出ある
いはその両方が起こりやすくなる。カリウムイオンが多
いと水和水が減少して現像主薬を溶解させる自由な水分
子が増加するという一般的な認識からはカリウムイオン
が多いほど溶解度が増加するということは理解できる
が、カリウムイオン濃度がナトリウムイオン濃度の4倍
を超えると却って現像液の着色や現像主薬の析出が起こ
りやすいことは意外なことである。したがって、炭酸塩
濃度だけでなく、カリウムイオンとナトリウムイオンの
比率も上記の範囲内に設定することが現像剤組成物の経
時による組成物やその容器の着色、及びその着色物の感
光材料への付着による汚染も防止あるいは軽減に有効で
ある。カリウムイオン濃度がナトリウムイオン濃度の4
倍を超えると析出も起こるが、組成物や容器の着色も起
こる。また、カリウムイオン濃度がナトリウムイオン濃
度より低い場合には析出が起こる。
【0028】上記した発色現像主薬の溶解度の高い条件
の範囲は、炭酸塩濃度、陽イオンの組成比の範囲のほか
に、pHも12.5以上の場合であって、例えば通常現
像処理が行われる場合のカラー現像液にとってもっとも
一般的なpHである10.05では、一般的な認識通り
カリウムイオンが多いほど溶解度が増加する。またこの
pHが保たれる限り炭酸塩濃度が低い方が発色現像主薬
濃度を高くすることができる。しかし、pHがこのよう
な従来レベルであると、炭酸塩の濃度や陽イオン組成比
を変えても本発明で得られるような高濃度に発色現像主
薬を含有させることはできない。したがって、上記した
組成条件は現像剤組成物中の発色現像主薬を高濃度化し
て組成物容積を減少させるのに不可欠の範囲である。
【0029】本発明において、アルキル置換してもよい
ベンゼンスルホン酸又はその塩を現像剤組成物に添加す
ることによって高濃度の発色現像主薬を一層安定に保つ
ことができる。とくに、前記のカリウムイオン・ナトリ
ウムイオンのモル比率の選択の場合と同様、現像剤組成
物の経時による組成物やその容器の着色、及びその着色
物の感光材料への付着による汚染を防止あるいは軽減で
きる。ここで「アルキル置換してもよい」とは、ベンゼ
ンスルホン酸又はアルキル置換されたベンゼンスルホン
酸もしくはこれらの塩をいう。また、アルキル基、スル
ホン酸基以外の置換基を有しないことが好ましい。ベン
ゼン環への好ましい置換基は、メチル基、エチル基、i
−プロピル基、n−プロピル基など炭素数1〜3の低級
アルキル基で置換基の数は1〜3個である。特に好まし
いベンゼンスルホン酸はp−トルエンスルホン酸であ
る。また、これらのベンゼンスルホン酸類は、ナトリウ
ム塩又はカリウム塩であってもよい。これらのベンゼン
スルホン酸類の添加量は、現像剤組成物1リットル当た
り0.02〜3モルであり、好ましくは0.05〜2モ
ル、さらに好ましくは0.1〜1モルである。
【0030】上記のベンゼンスルホン酸類によって現像
剤組成物の安定性は向上するが、アルカノールアミン類
を添加することによっても本発明の現像剤組成物の安定
性は同様に向上する。ベンゼンスルホン酸類の添加がお
もに現像剤の着色防止に効果があるのに対してアルカノ
ールアミン類の添加は、沈殿析出と着色の両方を抑止す
る効果がある。したがって、アルカノールアミン類は、
単独で添加しても、ベンゼンスルホン酸類を加えたうえ
にさらに添加してもよい。効果のあるアルカノールアミ
ン類は、一般式(A)においてmは0又は1、nは1〜
3であり、Rは炭素原子数が2から4の直鎖又は分岐の
ヒドロキシ置換アルキレン基、R’は炭素原子数が1〜
4の直鎖又は分岐アルキレン基あるいはヒドロキシ置換
アルキレン基である。ただし、mが0の場合は,Rの炭
素原子数2であればnは2であり、Rの炭素原子数が3
〜4であればnは1、2又は3である。また、mが1の
場合は、Rの種類によらずnは1、2又は3である。
【0031】その中でも特に有効なアルカノ−ルアミン
類を以下に示す。 A−1 トリイソプロパノ−ルアミン、 A−2 ジイソプロパノ−ルアミン、 A−3 モノイソプロパノ−ルアミン、 A−4 ジエタノ−ルアミン、 A−5 2,3−ジヒドロキシルプロピルアミン、 A−6 ジ(2,3−ジヒドロキシルプロピル)アミ
ン、 A−7 ジ(4−ブタノール)アミン、 とりわけ有効なアルカノ−ルアミンは、トリイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノー
ルアミンである。本発明の目的に対して有効なアルカノ
−ルアミン類は、親水性基と疎水性基との適当なバラン
スがあるようで、アルキル部分が過大となって疎水性が
増加しても逆に親水性部分が過大でも効果が少ない。た
とえば、従来公知の現像液添加用の有機溶剤であるトリ
エタノールアミンは、本発明の目的には効果が認められ
ない。
【0032】上記のアルカノールアミン類の添加量は、
処理剤組成物1リットル当たり0.02〜3モルであ
り、好ましくは0.05〜2モル、さらに好ましくは
0.1〜1モルである。
【0033】本発明においては、上記した塩類濃度、陽
イオン組成比、pH領域においてさらに一般式〔I〕で
示されるヒドロキシルアミン誘導体を添加すると、現像
剤組成物の安定性が増大して組成物の着色、容器の着色
及び感光材料の汚染を軽減できる。一般式〔I〕の化合
物について説明する。式〔I〕中、Lは炭素数1〜10
の直鎖または分岐鎖の置換してもよいアルキレン基を表
わし、その中で炭素数1〜5のものが好ましい。具体的
には、メチレン、エチレン、トリメチレン、n−プロピ
レン、i−プロピレンが好ましい例として挙げられる。
置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ホスフィン酸残基、ヒドロキシル基、アルキル(好
ましくは炭素数1〜5)置換してもよいアミノ基を表わ
し、その中でカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、
ヒドロキシル基が好ましい例として挙げられる。
【0034】Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ホスフィン酸残基、ヒドロキシル基、アルキル置換
してもよいアミノ基、アルキル置換してもよいアンモニ
オ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基、アルキ
ル置換してもよいスルファモイル基、置換してもよいア
ルキルスルホニル基を表わし、カルボキシル基、スルホ
基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、アルキル置換しても
よいカルバモイル基が好ましい例として挙げられる。上
記の各基がアルキル置換基を有する場合、その好ましい
アルキル基は、炭素数1〜5であり、中でもメチル基及
びエチル基が好ましい。Aがアンモニオ基を表す場合、
一般式〔I〕の化合物は、アンモニオ基の対イオンとし
て硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、塩素イ
オン、亜硫酸イオンなどを伴ってもよい。また、L及び
Aがカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィ
ン酸残基、ヒドロキシル基などの酸根を有する置換基を
伴う場合は、その酸根の水素は、アルカリ金属原子、ア
ンモニウム原子団と置き代わってもよい。−L−Aの例
として、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カ
ルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル
基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチ
ル基、ヒドロキシエチル基が好ましい例として挙げるこ
とができ、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、
スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル
基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げるこ
とができる。
【0035】Ra は水素原子、炭素数1〜10の直鎖ま
たは分岐鎖の置換してもよいアルキル基を表わし、炭素
数1〜5が好ましい。置換基としては、カルボキシル
基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸残基、ヒドロ
キシル基、アルキル置換してもよいアミノ基、アルキル
置換してもよいカルバモイル基、アルキル置換してもよ
いスルファモイル基、置換してもよいアルキルスルホニ
ル基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、
アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニル
基、アルキル置換してもよいアミノ基、アリールスルホ
ニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を表わす。
これらの置換基に含まれるあるいはさらに置換したアル
キル基は、炭素数1〜5であり、とくに1〜3が好まし
い。置換基は二つ以上あってもよい。中でも好ましいR
a として水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエ
チル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スル
ホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホ
スホノエチル基、ヒドロキシエチル基を挙げることがで
き、特に好ましい例として水素原子、カルボキシメチル
基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロ
ピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基を挙げる
ことができる。
【0036】LとRa が連結して環を形成してもよい。
LとRa が環形成する場合は、LとRa が直接環形成し
てAを置換基として有するか、あるいはAがアルキル置
換してもよいアミノ基を表わし、該アミノ基の窒素原子
を介してLとRa が環形成(例えばピペラジン環形成)
することもできる。特に好ましいヒドロキシルアミン誘
導体は、総炭素数が1〜8のモノ−又はジ−アルキルヒ
ドロキシルアミンである。次に一般式〔I〕の具体的化
合物を記すが、これらに限られるものではない。
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】一般式〔I〕で表わされる化合物は、市販
されているヒドロキシルアミン類をアルキル化反応(求
核置換反応、付加反応、マンニッヒ反応等)することに
より合成することができる。西ドイツ特許1159634 号公
報、「インオルガニカ・ケミカ・アクタ」(Inorganica
Chimica Acta) 、93、(1984) 101-108、などの合成法に
準じて合成できる。また、より具体的な化合物について
の合成法は、特開平3−266837に記載されてい。
【0041】本発明において、置換基の炭素数が1〜8
のN−アルキルヒドロキシルアミンを添加することは、
現像組成物の経時着色を防止する上で極めて効果が大き
く、したがってこのヒドロキシルアミン誘導体の添加に
よって現像組成物を容器に充填した形態での保存ライフ
も使用を開始して補充槽での貯留期間中や現像タンクに
入れて現像処理を行っている間の安定性も向上する。モ
ノアルキル置換、ジアルキル置換のいずれのヒドロキシ
ルアミンも効果がある。炭素数の合計が8を超えると溶
解性が減少して効果が低下する。好ましいN−置換アル
キル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基、t−ペンチル基、n−オクチル基、t−オクチル基
である。好ましいN−アルキルヒドロキシルアミンは、
ジエチルヒドロキシルアミン、イソプロピルヒドロキシ
ルアミン、ジイソプロピルヒドロキシルアミン、ジ−n
−プロピルヒドロキシルアミン、t−ペンチルヒドロキ
シルアミンである。
【0042】上記の置換基の炭素数が1〜8のN−アル
キルヒドロキシルアミンは単独で添加してもよいが、上
記した一般式〔I〕で表わされるヒドロキシルアミン誘
導体と併用するとさらに効果が大きい。一般式〔I〕の
化合物は、組成物の着色の防止にも効果があるが、写真
性の安定性に効果が大きい。併用した場合にはそれぞれ
単独でその添加量を増量して使用した場合よりも、着色
防止効果と写真性の安定化効果の両方において一層効果
が大きくなる。
【0043】本発明の現像剤組成物への一般式〔I〕の
ヒドロキシルアミン誘導体及びN−アルキルヒドロキシ
ルアミンの添加量は、濃縮度によって異なるが、いずれ
も現像剤組成物1リットル当たり0.2g〜100g、
好ましくは0.5g〜20gである。両者を併用した場
合の添加量は、単独で使用する場合よりも少なくてよい
が、使用範囲は、上述の範囲である。一般式〔I〕で示
されるヒドロキシルアミン類と置換基の炭素数が1〜8
のN−アルキルヒドロキシルアミン類を併用する場合に
は、前者を多量に存在させるのがよく、その添加量の割
合は、モル比で5〜100、好ましくは10〜30であ
る。
【0044】本発明の現像剤組成物は、上記に加えてさ
らに界面活性剤を含有させることによって一層発色現像
主薬の溶解度を高めることができ、したがって、空気参
加に対する安定性、タール状の着色物の生成の抑止効果
を高めることができる。公知のアニオン界面活性剤の多
くがこのような効果を有するが、とりわけ前記一般式
〔II〕に示すようなアルキレンオキシド基の繰り返し構
造を含んだアニオン界面活性剤がとくに有効である。
【0045】前記一般式〔II〕において、R10のアルキ
ル基は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基であ
り、好ましい単素数は3〜12である。とくに好ましい
アルキル基は、直鎖又は分岐したブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基及びドデシル基
である。R10がアルケニル基を表す場合は、直鎖でも分
岐していてもよく、炭素数1〜20であり、好ましい単
素数は3〜16である。とくに好ましいアルケニル基
は、アリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基である。R
10がアリール基を表す場合は、フェニル基及び置換フェ
ニル基であり、置換基は、1〜3個、好ましくは1〜2
個、より好ましくは1個の炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基であり、好ましい単素数は、3〜12個で
ある。とくに好ましいアリール基は、4−ノニルフェニ
ル基、4−オクチルフェニル基、4−ドデシルフェニル
基、2,5−ジ−t−アミルフェニル基、2,5−ジ−
t−オクチルフェニル基である。R10がアルキルカルボ
ニル基を表す場合、好ましいアルキルカルボニル基は、
そのアルキル基の単素数が4〜16が好ましく、とくに
オクチルカルボニル基、ノニルカルボニル基、ドデシル
カルボニル基、アミルカルボニル基が好ましい。pとq
の和は1以上であり、rは0又は1〜50の整数を表
す。Vはrが0の場合、スルホン酸基、リン酸基を表
す。また、rが1以上の場合は、スルホン酸基、リン酸
基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基を表す。
10がアリール基の場合が特に好ましく、又、p+qが
2〜30の範囲が最も好ましい。また、rは0〜10が
最も好ましい。
【0046】一般式〔II〕で示されるアニオン界面活性
剤の具体例を以下に示すが、本発明に用いることができ
るアニオン界面活性剤はこれに限定されない。
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】これらの化合物を、水洗水や安定浴に添加
する量は、大略0.002g〜1.0g/リットル、好まし
くは0.005g〜0.2g/リットル程度である。これら
の化合物は市販品にて容易に入手可能である。
【0050】本発明の濃厚現像剤組成物は、特別に高度
に濃厚化されていることがその組成的特徴であり、また
濃厚化の制約を克服したことがその技術的特徴であるこ
とはすでに説明した。その濃厚化の度合いは実際の使用
状態の液つまり現像補充液あるいは母液(タンク液)に
対する濃縮倍率が1.5〜10倍の程度であり、好まし
くは2乃至8倍、さらに好ましくは3〜5倍である。
【0051】本発明の濃厚現像剤組成物は、使用液に含
まれる全成分を一つの組成物に含ませた形態すなわちい
わゆる一剤構成である。一般に構成成分同士を長期間接
触させておくことが望ましくないなどのため、構成成分
を2つ以上の液剤に分離して2剤あるいは3剤構成の現
像剤組成物とすることが多い(通常国際規格 ISO 5989
の呼称に従って、1、2、3パート構成などと呼んでい
る)。1パート構成とすることは、使用上の簡便性のた
めに実用価値が高いが、技術的な難度も高い。本発明
は、これを解決して1パート構成でしかも高濃度の現像
剤組成物を実現させたものである。
【0052】1パート構成の現像剤組成物は、水で希釈
して現像補充液あるいは現像液にするが、pHについて
は、水で希釈するだけで目的のpHが得られず、アルカ
リ剤の添加によってpHを調節することもある。この場
合も、アルカリ剤が別のパーツとして構成されていない
限り、1パート構成と呼んでいる。
【0053】次に本発明の濃厚液体現像剤の容器につい
て述べる。本発明では、現像剤をポリエチレン容器に収
納して供給できることが特徴であり、利点である。通常
液体現像剤組成物は、それに適した容器に入れた形態で
輸送され、貯蔵され、使用される。現像剤容器の材質に
ついての第1の必要条件は、現像剤組成物に対して不活
性で十分に安定でなければならないこと(要件1)はい
うまでもない。これと並んで重要な必要条件は、現像剤
組成物の製造から使用までの期間にわたって空気酸化が
起こらない十分の酸素バリア−性であり(要件2)、さ
らに付加したい望ましい条件は、廃容器のリサイクル適
性を具備していること(要件3)である。また、濃厚液
体現像処理剤は、保管中にpHが低下すると現像活性を
低下させてしまうので、空気中の二酸化炭素の接触は避
けるのがよい。そのため容器の材質は上記酸素バリア性
とともに二酸化炭素が器壁を透過しにくいものでなけれ
ばならない(要件4)。要件2を満たす材料の多くは、
要件4をも満たしている。
【0054】要件2及び要件4の観点から、現像剤組成
物を酸素及び炭酸ガスバリアー性容器に充填して保存、
保管、輸送するのが有効である。現像剤組成物の実用的
な耐用期間から容器の材料と厚みは、常温、常圧の空気
中において、単位面積当たり単位時間の空気透過速度が
2.5x10-7 cm3/cm2 /sec/atm以下,好
ましくは2.5x10-8 cm3/cm2 /sec/atm
以下となるように設計することが望まれる。 一方、要
件4の観点から、器壁の二酸化炭素に対する透過速度
は、7x10-7 cm3/cm2 /sec/atm以下の材
料で構成された容器が望ましいとされてきた。そのため
に材料面の制約は大きかった。
【0055】気体非透過性という点から、液体現像処理
剤の実用当初はガラスビンに収納して密閉状態で供給す
ることが多かった。しかしながら、重量が大きいことや
破損しやすいことなどの欠点もあるので、最近ではガス
バリア性の高いプラスチックとアルカリ性の現像剤に対
して安定なプラスチック類との積層材料によって作られ
たボトルが一般的に使用されるようになってきている。
この公知の複合プラスチック材料は、空気を効果的に遮
断して空気(酸素)酸化を防止して液体現像剤の保存安
定性を高くしているが、複合材料であるためにその再生
使用は困難で使用ごとに廃棄されており、環境負荷を大
きくしていることが難点である。本発明の発色現像剤組
成物は、すでに述べたように空気酸化を受けにくい利点
を有しているので、このような複合材料容器を使用しな
くても実用的な保存安定性が得られることが判明した。
本発明に適したプラスチック容器の材料は、空気透過速
度が上記の値より10倍高くてもよく、許容レベルがこ
のようであれば単品プラスチックでも上記の要件2及び
要件4を満たすものがあり、選択の対象となる。単品と
することで要件3を容易に満たすことが出来ることが本
発明の特徴的利点である。とりわけ大きな利点は、リサ
イクルが容易であるのに従来空気バリア性が不十分のた
め使用できなかったポリエチレンが、本発明の液体現像
剤では、容器として実用可能な保護性を持っていること
である。
【0056】本発明の発色現像剤用として好ましい容器
材料は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹
脂、エポキシ樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカ−ボネ−ト
樹脂、PVA,ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニチデン、
ポリオレフィン樹脂であり、その中でもポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−トなどのポリエ
ステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂を単一素材として構成された容器が好ま
しい。その中でも、ポリエチレンが好ましく、ポリエチ
レンのなかでも高密度型、いわゆるHDPEが容器材料
として好ましい。
【0057】本発明の濃厚液体現像材組成物の容器に用
いるポリエチレンは、カーボンブラックやチタンホワイ
トなどアルカリ性現像組成物に悪影響しない顔料、炭酸
カルシウム、ポリエチレンに相溶性のある可塑剤などを
必要によって添加してもよい。好ましくはポリエチレン
の比率が85%以上で可塑剤を含まないものがよく、よ
り好ましくはポリエチレンの比率が95%以上で可塑剤
を含まないものがよい。
【0058】プラスチックボトルの成型は、射出、中空
(ブロー)、射出吹き込み、射出→中空、圧空、押出
し、真空等の成型方式があり、目的に応じた成型方式を
採用する。最も一般的に使用されているのが中空成型で
ある。本発明に係わるボトルは多くの場合、キャップは
射出成型で、またボトルは中空成型で行われ、また、P
ETボトルのように延伸によって強度を出すような場合
は、射出→中空成型によって製造する。
【0059】本発明の濃厚液体現像材組成物を充填する
容器の形状と構造は、目的に応じて任意に設計できる
が、一般的な定型ボトル構造のほかに、特開昭58−9
7046号、同63−50839号、特開平1−235
950号、特開昭63−45555号などに記載の伸縮
自在型、特開昭58−52065号、同62−2460
61号、同62−134626号などに記載のフレキシ
ブル隔壁つきのものでも使用することが可能である。
【0060】現像剤組成物を容器に充填するに際して
は、空気酸化に対する安全性をさらに高めるために、出
来るかぎり容器の口元まで満たすようにして上部空間を
最小限とするか、あるいは上部空間を窒素置換して空気
中の酸素との接触を絶つように充填するのがよいが、本
発明は必ずしもこのような充填方式に限定されない。
【0061】本発明の現像剤組成物を自動現像機で使用
する際には、現像剤組成物を充填した容器を現像機に装
着して容器内部の組成物を現像補充槽あるいは直接現像
槽に注入したのち、容器内を一定量の水で洗浄するとと
もに洗浄に用いた水を補充槽に導入して補充液の調製用
水として使用し、そのようにして得た補充液を用いて現
像する現像操作方式は、本発明の利点をとくに有効に利
用している方式である。容器内を一定量の水で洗浄する
にはスプレー方式の洗浄がとくに好ましいが、必ずしも
これに限定されない。この補充液調製方式によって洗浄
水が有効に利用され、現像所の廃水の排出量を減量でき
る。本発明の安定で析出物を生じない均一に溶解した、
かつ濃厚で容積をコンパクト化した現像剤組成物は、内
容物が流出し易く、かつそのあとの容器の水洗も少量の
水で済むので、容器洗浄機構を備えた自動現像基用の現
像処理剤として好適である。
【0062】したがって、本発明のとくに有利な実施態
様としては、上記した現像剤組成物の組み込みによって
簡易で環境上や作業上の安全性も大きい現像処理システ
ムである。例えば、自動現像機を使用し、本発明の現像
現像剤組成物を充填した容器を現像機に装着し、その内
容物を現像補充槽中へ移したのち、容器内部をスプレ−
洗浄して器壁に付着している薬品成分を洗い流し、洗浄
に使用した水は補充液の調製用に使用する方法等によっ
てハロゲン化銀カラ−感光材料の現像処理ができる。こ
の場合、現像剤組成物の容器を自動現像機に装填する
と、自動的に容器の蓋が開栓され、流動性の内容物が円
滑に排出される仕組みが備えられる。また、特開平6−
82988号、特開平8−220722号などに開示さ
れた方法によって容器内部は洗浄水のスプレ−によって
人手をかけずに清浄になり、クリ−ンに扱えて廃容器の
リサイクルも簡単となる。しかも洗浄水は現像剤の溶解
水の一部として利用されるので、廃液とはならない。こ
のようなシステムの構想は、本発明に具現された高度に
濃縮された小容量の、しかもハンドリング容易な十分な
流動性が長期間にわたって保たれている上記した現像剤
組成物によってはじめて実現できることである。このよ
うな現像剤と現像装置との組み合わせシステムの具体例
は、後にさらに詳しく説明する。
【0063】次に、先に述べた本発明の構成要件に直接
係わる要因以外の本発明の現像剤組成物の構成成分につ
いて説明する。現像剤組成物は、通常の発色現像剤に含
まれる構成成分を溶解状態で含んだアルカリ性の連続相
の液体である。その中には、カラー現像主薬を含有する
が、好ましい例は公知の芳香族第1級アミンカラー現像
主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代
表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
また、近年黒白感光材料の中には、カプラ−を黒色に発
色するように添加しておき、汎用の一般の発色現像液を
用いて黒白画像を形成するものもあるが、本発明のカラ
−現像液は、この種の感光材料の処理にも適用される。
【0064】1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジ
アミン 2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリ
ン 3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−
メチルアニリン 4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)アニリン 5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)−3−メチルアニリン 6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプ
ロピル)−3−メチルアニリン 7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブ
チル)−3−メチルアニリン 8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホ
ンアミドエチル)−3−メチルアニリン 9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロ
キシエチル)アニリン 10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエ
チル)−3メチル−アニリン 11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−
エチル−3−メチルアニリン 12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−
N−n−プロピル−3−メチルアニリン 13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N
−n−プロピル−3−メチルアニリン 15)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
ヒドロキシピロリジン 16)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
(ヒドロキシメチル)ピロリジン 17)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
ピロリジンカルボキサミド
【0065】上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち
特に好ましくは例示化合物5),6),7),8)及び
12)であり、その中でも化合物5)と8)が好まし
い。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、
固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、
ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
の塩の形である。処理剤組成物は、使用に際して水と定
められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希
釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中
の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リッ
トル当たり好ましくは2ミリモル〜200ミリモル、よ
り好ましくは12ミリモル〜200ミリモル、更に好ま
しくは12ミリモル〜150ミリモルになるように希釈
される。
【0066】本発明の処理剤組成物は、対象とする感光
材料の種類によって少量の亜硫酸イオンを含んだり、あ
るいは実質的に含まない場合もある。亜硫酸イオンは顕
著な保恒作用を持つ反面、対象感光材料によっては発色
現像過程では写真的性能に好ましくない影響をあたえる
こともあるためである。本発明では、上記したように一
般式〔I〕のヒドロキシルアミン誘導体又はその塩ある
いは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加
えるのが好ましく、とくに両者を併用することが好まし
い。
【0067】本発明の濃厚処理剤組成物は、前記ヒドロ
キシルアミンや亜硫酸イオンのような無機保恒剤や、有
機保恒剤を含有することが好ましい。有機保恒剤とは、
感光材料の処理液へ含ませることで、芳香族第一級アミ
ンカラー現像主薬の劣化速度を減じる有機化合物全般を
指している。即ち、カラー現像主薬の空気酸化などを防
止する機能を有する有機化合物類であるが、中でも、ヒ
ドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジ
ド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−ア
ミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリ
アミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル
類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮
環式アミン類などが特に有効な有機保恒剤である。これ
らは、特開昭63−4235号、同63-30845号、同63-21647
号、同63-44655号、同63-53551号、同63-43140号、同63
-56654号、同63-58346号、同63-43138号、同63−146041
号、同63-44657号、同63-44656号、米国特許第3,615,50
3 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48
-30496号などの各公報又は明細書に開示されている。
【0068】その他保恒剤として、特開昭57-44148号及
び同57-53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59−18
0588号公報に記載のサリチル酸類、前記したアルカノー
ルアミン類をはじめとする特開昭54−3532号公報に記載
のアルカノールアミン類、特開昭56-94349号公報に記載
のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,544 号明細
書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応
じて含有しても良い。また、一般式(A)として前記し
たアルカノ−ルアミン類以外の例えばトリエタノールア
ミンのようなアルカノールアミン類を加えてもよい。さ
らに、ジスルホエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒ
ドロキシルアミンのような置換又は無置換のジアルキル
ヒドロキシルアミンなど前記した一般式〔I〕のヒドロ
キシルアミン誘導体、N−アルキルヒドロキシルアミ
ン、あるいは芳香族ポリヒドロキシ化合物の添加が好ま
しい。前記のヒドロキシルアミン誘導体が特に好ましい
が、さらに、特開平1-97953号、同1-186939号、同1-186
940号、同1-187557号公報などに記載されているヒドロ
キシルアミン誘導体を添加してもよい。その他のアミン
類としては、特開昭63−239447号公報に記載されたよう
な環状アミン類や特開昭63−128340号公報に記載された
ようなアミン類やその他特開平1-186939号や同1-187557
号公報に記載されたようなアミン類を含有することもで
きる。
【0069】本発明の濃厚処理剤組成物には必要に応じ
て塩素イオンを添加してもよい。カラー現像液(とくに
カラ−プリント材料用現像液)は、通常塩素イオンを3.
5 ×10-2〜1.5 ×10-1モル/リットル含有することが多
いが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液
に放出されるので補充液には添加不要のことも多い。ラ
ンニング平衡組成に達したときの現像槽中の塩素イオン
濃度が上記した濃度レベルになるように補充液中の、し
たがってそのもとになる処理剤組成物中の塩素イオン量
が設定される。塩素イオン濃度が 1.5×10-1モル/リッ
トルより多いと、現像を遅らせるという欠点を有し、迅
速性と発色濃度が損なわれるので好ましくない。また、
3.5×10-2モル/リットル未満では、カブリを防止する
上で多くの場合好ましくない。
【0070】処理剤組成物に関しては、臭素イオンの含
有に関しても塩素イオンの場合と同じ事情にある。カラ
ー現像液中の臭素イオンは、撮影用材料の処理では1〜
5x10-3モル/リットル程度、プリント材料の処理で
は、 1.0×10-3モル/リットル以下であることが好まし
い。臭素イオン濃度がこの範囲になるように必要に応じ
て処理剤組成物中に臭素イオンを加えることもある。処
理剤組成物に含ませる場合、塩素イオン供給物質とし
て、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウ
ム、塩化リチウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化マンガン、塩化カルシウム、が挙げられるが、その
うち好ましいものは塩化ナトリウム、塩化カリウムであ
る。臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭
化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カ
ルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン、臭化ニッ
ケル、臭化セリウム、臭化タリウムが挙げられるが、そ
のうち好ましいものは臭化カリウム、臭化ナトリウムで
ある。
【0071】現像処理される感光材料がカラ−印画紙の
場合は、画面の背景の白地が白いことが重要な画質特性
なので、蛍光増白剤によってみかけ上白く仕上げること
は重要である。蛍光増白剤はその性質によって感光材料
中に含ませるが、また現像処理の際に処理液から感光材
料中に浸透させる場合もある。その場合、高い増白効果
が得られるように蛍光増白剤の性質に応じて適当な添加
対象処理液が選ばれる。したがってpHの高い発色現像
液に添加されることもある。一般にスチルベン系蛍光増
白剤が多用され、その中でも、ジ(トリアジルアミノ)
スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジス
ルホスチルベン系の蛍光増白剤が好ましい。とくに、好
ましいスチルベン系蛍光増白剤は、4、4′−ジトリア
ジニルアミノ−2,2′−ジスルホスチルベンである
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】使用されるスチルベン系蛍光増白剤は、公
知のものであって、容易に入手することができるか、若
しくは公知の方法で容易に合成することができる。この
スチルベン系蛍光増白剤は、発色現像液のほか、脱銀液
あるいは感光材料のいずれにも添加できる。発色現像液
中に含ませる場合は、その好適濃度は1×10-4〜5×
10-2モル/リットルであり、より好ましくは2×10
-4〜1×10-2モル/リットルである。本発明の処理剤
組成物は、使用状態の現像が蛍光増白剤をこの濃度レベ
ルで含むように添加量が決められる。
【0073】本発明の濃厚液体処理剤組成物のpHは前
記した範囲にある。それから調製されるカラー現像液や
現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0
〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するために
は、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤として
は、上記の炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ
酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジ
メチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グア
ニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、ア
ラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−
1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、
トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用い
ることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、
ヒドロキシ安息香酸塩は、pH 9.0以上の高pH領域での緩
衝能に優れ、カラー現像液に添加しても写真性能面への
悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点
を有し、これらの緩衝剤を用いることが好ましい。
【0074】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、
四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カ
リウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウ
ム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル
酸カリウム)などを挙げることができる。しかしながら
本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
該緩衝剤の量は、希釈調製したカラー現像補充液中の濃
度が、0.01〜2モル/リットル以上、特に 0.1モル
/リットル〜 0.5モル/リットルとなるように組成物中
に添加される。
【0075】本発明の処理剤組成物には、その他のカラ
ー現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱
防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤で
もある各種キレート剤を添加することもできる。例え
ば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テト
ラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥
珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラ
ギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサン
ジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グ
リコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオ
ルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒド
ロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢
酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホ
ン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じ
て2種以上併用しても良い。これらのキレート剤の量は
カラー現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量で
あれば良い。例えば1リットル当り 0.1g〜10g程度に
なるように添加する。
【0076】本発明の処理剤組成物は、必要により任意
の現像促進剤を添加できる。現像促進剤としては、特公
昭37-16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44-123
80号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247 号等の各
公報又は明細書に表わされるチオエーテル系化合物、特
開昭52-49829号及び同50-15554号公報に表わされるp−
フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特
公昭44-30074号、特開昭56−156826号及び同52-43429号
公報等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国特許第
2,494,903 号、同3,128,182 号、同4,230,796 号、同3,
253,919 号、特公昭41-11431号、米国特許第2,482,546
号、同2,596,926 号及び同3,582,346 号等の各公報又は
明細書に記載のアミン系化合物、特公昭37-16088号、同
42-25201号、米国特許第3,128,183 号、特公昭41-11431
号、同42-23883号及び米国特許第3,532,501 号等の各公
報又は明細書に表わされるポリアルキレンオキサイド、
その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾー
ル類、等を必要に応じて添加することができる。
【0077】本発明の処理剤組成物は、必要に応じて、
任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤として
は、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使
用できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾト
リアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニト
ロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、
5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾト
リアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2
−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾー
ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒
素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることができる。
又、本発明における界面活性剤以外に、必要に応じてア
ルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボ
ン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加して
も良い。以上に本発明の発色現像組成物及びそれから調
製される発色現像補充液又は現像液について説明した。
【0078】本発明に適用される発色現像の処理温度
は、現像処理される感光材料がカラープリント材料の場
合、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であ
り、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間
は、5〜90秒であり、好ましくは、15〜60秒であ
る。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2
たり15〜600mlが適当であり、好ましくは15〜
120ミリリットル、特に好ましくは30〜60ミリリ
ットルである。一方、カラ−ネガ、カラ−レバ−サルフ
ィルムの発色現像処理の場合は、現像温度は20〜55
であり、好ましくは30〜55℃であり、より好ましく
は38〜45℃である。現像処理時間は、20秒〜6分
であり、好ましくは、30〜200秒である。また、と
くにカラ−レバ−サルでは1〜4分が好ましい。補充量
は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり100
〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500
ミリリットル、特に好ましくは250〜400ミリリッ
トルである。
【0079】本発明の実施に当たっては、本発明の現像
処理剤組成物を用いて調製された発色現像液による現像
工程に続いて脱銀処理工程に入り、漂白液及び漂白定着
液による処理がなされる。カラ−プリントが対象の感光
材料の場合、この処理液にも、上記した蛍光増白剤の適
当な化合物、好ましくはスチルベン系蛍光増白剤が含ま
れることが多い。漂白液又は漂白定着液において用いら
れる漂白剤としては、公知の漂白剤も用いることができ
るが、特に鉄(III) の有機錯塩(例えばアミノポリカル
ボン酸類の錯塩)もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸
などの有機酸、過硫酸塩、過酸化水素などが好ましい。
【0080】これらのうち、鉄(III) の有機錯塩は迅速
処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)
の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン
酸、またはそれらの塩を列挙すると、生分解性のあるエ
チレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボ
キシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターア
ラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレン
ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3
−ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、
イミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、な
どを挙げることができる。これらの化合物はナトリウ
ム、カリウム、チリウム又はアンモニウム塩のいずれで
もよい。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジ琥
珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)
−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、エチ
レンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸はその鉄(III) 錯塩が写真性の
良好なことから好ましい。これらの第2鉄イオン錯塩は
錯塩の形で使用しても良いし、第2鉄塩、例えば硫酸第
2鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウ
ム、燐酸第2鉄などとアミノポリカルボン酸などのキレ
ート剤とを用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させ
てもよい。また、キレート剤を第2鉄イオン錯塩を形成
する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体のなかでもアミ
ノポリカルボン酸鉄錯体が好ましく、その添加量は0.
01〜1.0モル/リットル、好ましくは0.05〜
0.50モル/リットル、更に好ましくは0.10〜
0.50モル/リットルである。
【0081】漂白時間は、通常30秒〜6分30秒、好
ましくは1〜4分30秒、カラ−プリント材料用の漂白
処理では、30秒から2分である。
【0082】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号公報に記載された定
着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組
み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることがで
きる。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アン
モニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の量は、0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは
0.5〜1.0モルの範囲である。
【0083】本発明に使用される漂白定着液又は定着液
のpH領域は、3〜8が好ましく、更には4〜7が特に好
ましい。pHがこれより低いと脱銀性は向上するが、液
の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にp
Hがこれより高いと脱銀が遅れ、かつステインが発生し
易くなる。本発明に使用される漂白液のpH領域は8以
下であり、2〜7が好ましく、2〜6が特に好ましい。
pHがこれより低いと液の劣化及びシアン色素のロイコ
化が促進され、逆にpHがこれより高いと脱銀が遅れ、
ステインが発生し易くなる。pHを調整するためには、
必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニ
ア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等を添加することができる。
【0084】また、漂白定着液には、その他各種の蛍光
増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができ
る。漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫酸塩(例
えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アン
モニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アン
モニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、な
ど)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム、など)等の亜硫酸イオン放出化合物や、p−トルエ
ンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸
などのアリ−ルスルフィン酸などを含有するのが好まし
い。これらの化合物は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオ
ンに換算して約0.02〜1.0 モル/リットル含有させるこ
とが好ましい。
【0085】保恒剤としては、上記のほか、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、あるいはカルボニル
化合物等を添加しても良い。更には緩衝剤、蛍光増白
剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添
加しても良い。本発明による漂白定着処理は処理時間5
〜240秒、好ましくは10〜60秒である。処理温度
は25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
また、補充量は感光材料1m2当たり20ml〜250
ml、好ましくは30ml〜100ml、特に好ましく
は15ml〜60mlである。
【0086】定着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗及
び/又は安定化処理をするのが一般的である。水洗工程
での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使
用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段
数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モ
ーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エン
ジニアズ (Journal of the Society of Motion Picture
and Television Engineers)第64巻、p.248 〜253 (1955
年5月号)に記載の方法で、求めることができる。通
常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特
に3〜10が好ましい。
【0087】多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に
減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。この様な問題の解決策として、特開
昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウム
を低減させる方法を極めて有効に用いることができる。
また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化
合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記
載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌
剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾー
ル、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(19
86年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺
菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学
会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用
いることもできる。
【0088】また、残存するマゼンタカプラーを不活性
化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなど
のアルデヒド類、米国特許第4786583号に記載の
メチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平
2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン
類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデ
ヒド重亜硫酸付加物、押収特許公開公報第504609
号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミ
ン類などが添加される。
【0089】更に、水洗水には、水切り剤として界面活
性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレー
ト剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、
又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来
る。安定液には、画像安定化機能を有する化合物が添加
され、例えばホルマリンに代表されるアルデヒド化合物
や、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤
や、アンモニウム化合物があげられる。又、液中でのバ
クテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与
するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることが
できる。
【0090】更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を
加えることもできる。本発明の感光材料の処理におい
て、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場
合、特開昭57−8543号、同58-14834号、同60−220345号
公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができ
る。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等の
キレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いるこ
とも好ましい態様である。
【0091】脱銀処理後に用いられる水洗液又は安定化
液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗工
程又は安定化工程の好ましいpHは4〜10であり、更
に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特
性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好
ましくは25℃〜45℃である。水洗及び/又は安定化
工程に続いて乾燥が行われる。画像膜への水分の持込み
量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズロ
ーラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも
可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然の
ことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズル
の形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早め
ることが可能である。更に、特開平3−157650号
公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送
風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早
めることができる。
【0092】本発明の発色現像材組成物が濃厚化された
コンパクトでかつ多くの場合1パート構成という単純な
構成であることから、特に有利な実施態様として、現像
処理装置と組み合わせて水を感じさせない作業性のよい
現像処理システムを構成することができる。以下にその
具体例として本発明の現像補充剤組成物のボトルを装着
して、自動開栓して補充液の自動調合を行う現像処理シ
ステムを説明するが、本発明の適用はこれに限定されな
い。図1には本発明が適用されたプリンタプロセッサ1
0の概略が示されており、図2にはプリンタプロセッサ
10の斜視図が示されている。このプリンタプロセッサ
10のプリンタ部を構成する写真焼付部12は、印画紙
Pが収納されたペーパマガジン14を装填できるような
構造となっている。
【0093】このペーパマガジン14の図1上、左上側
には、印画紙Pの先端部付近が巻き掛けられる駆動ロー
ラ16が回転自在に支持されており、写真焼付部12内
の図示しないモータの駆動力をこの駆動ローラ16が受
けて回転する。また、駆動ローラ16に対向した位置に
は、印画紙Pを介して一対のニップローラ18が配置さ
れている。この為、駆動ローラ16がこれらニップロー
ラ18との間で印画紙Pを挟持して、印画紙Pを写真焼
付部12内へ送り出すことになる。
【0094】他方、写真焼付部12内には、上下一対の
刃からなると共にモータ20によりこの刃が移動される
カッタ22が設置されており、ペーパマガジン14から
出て来た印画紙Pをこのカッタ22が即座に切断するこ
とになる。
【0095】図1上、カッタ22に対して右側である印
画紙Pの搬送方向下流側には、上面が水平方向(図1
上、左右方向)に沿うように形成された支持台46が配
置されている。この支持台46とカッタ22との間に
は、無端ベルト44が巻き掛けられる巻掛ローラ52が
水平方向(図1上、紙面に対して直交する方向)に配置
されている。また、この巻掛ローラ52の上側には、巻
掛ローラ52との間で無端ベルト44を挟持するニップ
ローラ54が配置されている。
【0096】この支持台46に対して印画紙Pの搬送方
向下流側には、無端ベルト44が巻き掛けられる案内ロ
ーラ56が位置している。この案内ローラ56に隣接し
た位置には、下面側が巻掛ローラ52上面側とほぼ同一
の高さとなるような押さえローラ58が配置されてお
り、この押さえローラ58が無端ベルト44の外周を押
圧している。
【0097】すなわち、図1に示すように、この部分の
無端ベルト44をS字状としている。さらに、無端ベル
ト44は、案内ローラ56の下側でテンションローラ6
2へ巻き掛けられて、逆三角形の移動軌跡が形成されて
いる。そして、案内ローラ56は、図示しないモータの
駆動力によって駆動回転され、無端ベルト44を図1
上、時計回転方向に回転させる。
【0098】一方、無端ベルト44にはその全域に亘っ
て多数の小孔(図示せず)が形成されており、この無端
ベルト44の一部が載置される支持台46の上面には、
無端ベルト44の小孔に対応して多数の孔部(図示せ
ず)が形成されている。さらに、この支持台46の内部
は空洞状に形成されており、無端ベルト44の幅方向両
端に対応して形成された一対の連通ダクト66(図上、
一方のみ示す)がこの支持台46に接続されている。こ
れらの連通ダクト66は、支持台46の下側を通過する
無端ベルト44の部分を迂回して無端ベルト44の下方
へと至り、吸引ファン68が設けられたファンボックス
70へと接続されている。
【0099】他方、図1に示される如く、支持台46上
を移動する無端ベルト44の上部には、イーゼル装置6
4が設けられており、縁有画像を印画紙P上に焼付露光
する場合に、このイーゼル装置64内の図示しない可動
片で印画紙Pの周囲を覆うようになっている。
【0100】また、プリンタプロセッサ10の外枠を構
成するケーシング10A外であってイーゼル装置64の
直上の位置には、光を拡散する拡散ボックス28が配置
されており、その右隣に、それぞれ光路への挿入フィル
タ量を変え得るよう移動可能なC、M、Yの3組のフィ
ルタから構成されるCCフィルタ24が配置されてい
る。従って、このCCフィルタ24に隣合って位置する
光源26から照射された光線がCCフィルタ24を通過
した後、拡散ボックス28により拡散されつつ屈曲され
て、直下に送られることになる。そして、このケーシン
グ10Aの上面に載置されているネガキャリア30上の
ネガフィルムNをこの光線が透過する。
【0101】さらに、写真焼付部12内に設置されたガ
イドレール32に、支持板34が水平方向(図1上、紙
面に対して直交する方向)に移動可能に支持されてお
り、前記光線の光軸線S上にそれぞれ配置されるように
プリズム36及びズームレンズ38がこの支持板34に
取り付けられている。
【0102】従って、ネガフィルムNを透過して露光光
線となった光線は、プリズム36を通過した後、さらに
拡大倍率を変更可能なズームレンズ38を通過してイー
ゼル装置64の下に位置する印画紙P上に、ネガフィル
ムNの画像を結像させる。
【0103】また、写真焼付部12内には、ネガフィル
ムNの濃度を測定する例えば色フィルタとCCD等の光
センサにより構成される濃度測定器40が配置されてお
り、プリズム36により水平方向に屈曲された光線がこ
の濃度測定器40に送られるようになっている。この濃
度測定器40は、図示しないコントローラに接続されて
おり、濃度測定器40によって測定されたデータ及び、
作業者によりキー入力されたデータに基づいて、焼付露
光時の露光補正値が設定される。
【0104】さらに、ズームレンズ38とイーゼル装置
64の間の光路には、CCフィルタ24で色と強度が調
光されネガフィルムNを透過した光を、所定時間の間焼
付露光するブラックシャッタ41が設けられている。
【0105】以上のような構造に写真焼付部12がなっ
ている為、ペーパマガジン14から送り出された印画紙
Pは、カッター22で所望長さに切断された後に、無端
ベルト44に乗せられて露光光線の光軸線S上の位置で
ある画像焼付位置へと搬送される。そして、光源26側
からの露光用の光線がプリズム36及びズームレンズ3
8等を介して印画紙Pに到達し、ブラックシャッタ41
が所定時間開くことにより、ネガフィルムNに記録され
た画像が印画紙P上に焼付露光され、この画像が焼き付
けられた部分が画像部分となる。
【0106】この際、支持台46内の空気は、連通ダク
ト66を介して無端ベルト44のループ内から幅方向両
端へ抜け出し、吸引ファン68で吸引されて外部へ吹き
出されるので、支持台46内が負圧となる。この負圧は
支持台46の孔部、無端ベルト44の小孔を介して無端
ベルト44上の印画紙Pへと伝達され、印画紙Pが矢印
Aで示すように、無端ベルト44へ吸引される。この
為、印画紙Pが単に無端ベルト44に乗せられるだけで
なく、無端ベルト44側に吸引されるので、印画紙P
が、確実に無端ベルト44により搬送されると共に、画
像焼付位置上で水平状態に配置されることになる。
【0107】さらに、画像の焼付露光が終了した印画紙
Pは、案内ローラ56と押さえローラ58との間に挟持
されて、その搬送方向が水平方向から垂直方向へと変更
されて垂直方向に送り出される。この後、印画紙Pの搬
送経路を表す経路Kで示されるように、印画紙Pは、複
数対のローラによって構成される搬送路60を介して、
現像、漂白、定着、水洗及び乾燥の各処理を行うプロセ
ッサ部72へ搬送される。
【0108】以上でネガフィルムNの画像1コマ分の焼
付露光処理が終了するが、これを繰り返すことにより、
焼付露光処理された印画紙Pが1枚づつ順次プロセッサ
部72に搬送される。
【0109】このプロセッサ部72の内の現像槽74に
は現像液が溜められていて、印画紙Pをこの現像液に浸
して現像処理を行う。現像処理された印画紙Pは現像槽
74と隣接する漂白槽76へ搬送される。漂白槽76に
は漂白液が溜められていて、印画紙Pをこの漂白液に浸
して漂白処理を行う。
【0110】漂白処理された印画紙Pは漂白槽76と隣
接する定着槽78へ搬送される。定着槽78には定着液
が溜められていて、印画紙Pをこの定着液に浸して定着
処理を行う。
【0111】定着処理された印画紙Pは、定着槽78に
隣接すると共にそれぞれ水洗水が溜められた複数の水洗
槽79へ搬送され、印画紙Pを水洗槽内の水洗水に浸し
て水洗処理を行う。
【0112】水洗処理された印画紙Pは水洗槽79の上
部に位置する乾燥部80へ搬送される。乾燥部80は、
印画紙Pの搬送経路の下側に配置されたチャンバ82側
より矢印B方向に沿って送風される熱風に印画紙Pをさ
らして、印画紙Pを乾燥させる。
【0113】乾燥部80に対して印画紙Pの搬送方向下
流側には複数対のローラによって構成される搬送路84
が配設されており、乾燥処理が終了して乾燥部80から
排出された印画紙Pは、これら複数対のローラにそれぞ
れ挟持されてプリンタプロセッサ10の外部へ排出さ
れ、積み重ねられる。
【0114】また、プロセッサ部72には、補充部が設
けられている。補充部には、処理剤キット(後述する)
が装填される装填部300と、補充液が管理される補充
槽部とがあり、装填部300では主に処理剤キットの管
理、処理剤キットの自動開栓、自動洗浄、乾燥を行い、
補充槽部では主に補充槽(後述する)の液面レベルと補
充ポンプ動作と循環攪拌ポンプ(後述する)の管理を行
う。
【0115】尚、上記の現像槽74、漂白槽76、定着
槽78へは、プロセッサ部72内に設置された補充槽よ
り補充液が補充されるシステムとなっている。また、現
像槽74の入口には、印画紙Pの処理量を検出するため
のセンサ73が設けられている。
【0116】(処理剤キット)本実施形態では、補充槽
内の補充液が不足した際に、図3に示す処理剤キット2
02をケーシング10Aの上部正面側に設けた装填部3
00(図2参照)にセットして処理剤(本実施形態で
は、濃縮された水溶液)を注ぎ込むシステムとなってい
る。
【0117】図3に示すように、本実施形態の処理剤キ
ット202は、段ボール箱204に、現像処理剤の貯留
された容器203、漂白処理剤の貯留された容器205
及び定着処理剤の貯留された容器207を収容してい
る。
【0118】なお、容器203、205、207は、各
々同一構造であるので、以下に容器203を代表して構
造を説明する。図5に示すように、容器203は段ボー
ル箱204から突出するネジ蓋208を備えており、ネ
ジ蓋208にはフランジ212が形成されている。容器
203の開口は、ネジ蓋208との間に挟まれた樹脂フ
ィルムのシール210で閉塞されている。また、ネジ蓋
208の中央には孔209が形成されており、洗浄ノズ
ル346でシール210を押し破けるように構成されて
いる。
【0119】本実施形態では、容器203に現像処理剤
が1300ミリリットル、容器207に漂白処理剤が1
300ミリリットル、容器209に定着処理剤が130
0ミリリットル充填されている。
【0120】また、現像処理剤1300ミリリットルに
対して希釈水3700ミリリットルが加えられて現像槽
74に補充する補充液(完成液として5000ミリリッ
トル)となり、漂白処理剤1300ミリリットルに対し
て希釈水700ミリリットルが加えられて漂白槽76に
補充する補充液(完成液として2000ミリリットル)
となり、定着処理剤1300ミリリットルに対して希釈
水700ミリリットルが加えられて定着槽78に補充す
る補充液(完成液として2000ミリリットル)とな
る。
【0121】(装填部)図2及び図3に示すように、装
填部300は、開閉可能な装填部カバー302で覆われ
ている。なお、装填部カバー302を閉めた状態は、図
3に実線で示す状態であり、装填部カバー302を完全
に開けた状態は、図3に想像線(2点鎖線)に示す状態
である。装填部カバー302の内面には先端が三角形状
とされた第1ロックレバー304が設けられている。
【0122】一方、ケーシング10A側には、第1ロッ
クレバー304の先端と引っ掛かるように先端が三角形
状とされた第2ロックレバー306が設けられている。
第2ロックレバー306はほぼ水平に配置され、所定角
度揺動可能となっている。第2ロックレバー306には
ソレノイドである装填部カバー電磁ロック(S743)
308が連結されており、装填部カバー電磁ロック30
8に電流が流されると第2ロックレバー306の先端が
上方に持ち上がるようになっている。
【0123】装填部カバー302が閉められた状態で装
填部カバー電磁ロック308に電流が流されていない場
合は、第1ロックレバー304の先端が第2ロックレバ
ー306の先端に引っ掛かり、装填部カバー302が外
部から開けられないようになっている。また、装填部カ
バー電磁ロック308に電流が流されて第2ロックレバ
ー306の先端が上方に持ち上げられた状態では、第1
ロックレバー304の先端が第2ロックレバー306の
先端に引っ掛からなくなり、装填部カバー302を開け
ることが可能な状態となる。
【0124】第1ロックレバー304の上側には、L字
形状のストッパーレバー310が配置されている。この
ストッパーレバー310は、所定角度揺動可能となって
おり、先端にはローラー312が取り付けられている。
【0125】このストッパーレバー310は、図示しな
いスプリングによってローラー312が第1ロックレバ
ー304側へ付勢されており、装填部カバー302を開
ける際に、ローラ312に第1ロックレバー304の先
端が当接して引っ掛かり、さらに装填部カバー302を
開けようとしたときに、ローラー312が第1ロックレ
バー304の三角形状部分を乗り越えて装填部カバー3
02を完全に開くようになっている。
【0126】また、ケーシング10Aには、装填部カバ
ー302の開閉を検出するカバー開閉検出スイッチ31
4が取付られており、ケーシング10Aの外面には、装
填部カバー302を開けるときに押すカバー開スイッチ
315が取付られている。装填部300には、処理剤キ
ット202を搭載するホルダー316が設けられてい
る。
【0127】図3及び図5に示すように、ホルダー31
6には、容器203、205、207の首部分が挿入さ
れる奥行き方向に長い切欠318が形成されている。図
5に示すように、装填部300の一方の下隅部には、三
角形の誤装填防止突起320が設けられている。段ボー
ル箱204の一方の角部には、誤装填防止突起320と
係合する凹部204Aが形成されており、段ボール箱2
04を正規の向きでしか挿入できないようになってい
る。
【0128】装填部300には、上下方向に延びる一対
の長孔322が、それぞれ側面(図5参照)及び奥面
(図3参照)に形成されている。これらの長孔322に
は、ケーシング10Aに固定されたピン324が挿入さ
れており、装填部300はこれによって上下方向にのみ
スライド可能となっている。
【0129】図3に示すように、装填部300には水平
方向に延びる長孔326が形成されている。図3及び図
4に示すように、この長孔326には、開栓駆動モータ
328で回転されるリング330の先端に取付られたロ
ーラ332か挿入されている。したがって、開栓駆動モ
ータ328を回転させるとローラ332が偏心回転し、
ホルダー316が上下移動する。
【0130】なお、ケーシング10Aには、装填部30
0を上限位置(処理剤キット202の装填位置)で停止
させるための装填部上限検出スイッチ334及び装填部
300を下限位置(容器203、205、207の開栓
位置)で停止させるための装填部下限検出スイッチ33
6が設けられている。
【0131】図4に示すように、装填部300の奥に
は、所定角度揺動可能とされたキット検出レバー338
が水平に配置されている。キット検出レバー338は、
スプリング339によって図4の矢印A方向に付勢され
ており、処理剤キット202が装填部300に押し込ま
れると、処理剤キット202がキット検出レバー338
の先端に当接してキット検出レバー338が矢印A方向
と逆方向に回転し、正規の位置まで押し込まれるとキッ
ト検出レバー338によってキット検出スイッチ340
が入るようになっている。
【0132】また、キット検出レバー338の奥面には
ストライカー342が取付られており、キット検出レバ
ー338の奥側のケーシング10Aにはストライカー3
42と係合可能なラッチ344が取付られている。ここ
で、処理剤キット202を正規の位置まで押し込むとス
トライカー342がラッチ344に係合し、再び処理剤
キット202を押し込むとストライカー342とラッチ
344との係合が解除されてラッチ344が所定量突出
するようになっている。
【0133】図3及び図5に示すように、ホルダー31
6の下方には、容器203、205、207の開口と対
応した位置に、洗浄ノズル346、348、350が立
設しており、容器203、205、207が下方に移動
されると、洗浄ノズル346が容器203のシール21
0を、洗浄ノズル348が容器205のシール210
を、洗浄ノズル350が容器207のシール210を押
し破って容器内に進入し開栓を行う。
【0134】図3及び図6に示すように、洗浄ノズル3
46の下方には下端をP1R補充槽347に挿入した漏
斗352が配置されており、洗浄ノズル348の下方に
は下端をP2RA補充槽349に挿入した漏斗354が
配置されており、洗浄ノズル350の下方には下端をP
2RB補充槽351に挿入した漏斗356が配置されて
いる。
【0135】(処理剤キット及びその容器の構成)次に
本発明の一実施の形態に係る写真処理剤キット202用
の容器203、205、207としてのボトル1300
の構成を図7及び図8と9に基づいて説明する。
【0136】図7に示されるように、ボトル1300は
容器本体1302を備えている。容器本体1302は、
樹脂材によって中空の箱状に形成されている。また、容
器本体1302の上端部は漸次縮径されたテーパ状とさ
れており、外周部に雄ネジ1304がきられた円筒状の
首部1306が形成されている。この首部1306の上
端部は開口されており、この開口部を介して上述した補
充液の出し入れができる。また、首部1306の上端部
には、シール部材としてのポリエチレンシート1308
が配置されている。このポリエチレンシート1308
は、十字型の裂け目が刻まれており、後に示す窄孔ノズ
ルによって突き破られ易い形に形成されている。
【0137】また、ボトル1300は、固定部材として
のキャップ1310を備えている。このキャップ131
0は、首部1306へ向けて開口した有底筒状に形成さ
れており、その内周部には首部1306へ形成された雄
ネジ1304に対応した雌ネジ1318がきられ、首部
1306へ螺合可能であり、首部へ螺合することによ
り、キャップ1310の底部1312でポリエチレンシ
ート1308を押さえ、ポリエチレンシート1308を
首部1306へ固定できる。また、キャップ1310の
底部1312には円形の開口部1314が形成されてお
り、キャップ1310を嵌めた状態でポリエチレンシー
ト1308を穿孔できる。
【0138】(本実施の形態の作用)次に、本実施の形
態の作用にについて説明する。例えば、現像槽74内で
印画紙Pが現像処理されると、これに合わせて補充ポン
プ116が作動して、補充タンク112に一旦貯められ
た現像補充液を現像槽74側に送って、現像槽74内で
の処理に使用されて劣化した量の現像補充液を補充す
る。なお、これらは漂白定着液、安定浴液においても同
様である。補充タンク347内での液面が所定量以下に
なると、これをフロートスイッチ118が検出し、補充
液の補充タンク347への供給の指示がモニタ122に
表示される。
【0139】次に、補充タンク347へ補充液を補充す
る際の手順を説明する。先ず、補充部300の開閉扉3
02を開け(図3の二点鎖線状態を参照)、ホールド部
168の孔170へボトル1300の首部1306を挿
入しながら容器本体1302を押し込み、載置部の上へ
ボトル1300を載置する。この状態で、開閉扉302
を閉め(図3の実線状態)、図10に示される制御装置
120を操作すると、三方弁180が作動して、パイプ
182側を閉止してパイプ178とパイプ158を連通
させ、さらにモータ190を駆動させる。これにより、
パイプ158を上方へ移動され、穿孔ノズル188がボ
トル1300へ接近する方向へ移動し、図8及び図9に
示されるように、キャップ1310の開口部1314を
貫通してポリエチレンシート1308へ当接する。
【0140】この状態から、モータ328の駆動力によ
って更に穿孔ノズル188が上方へ移動すると、図8及
び図9に示されるように、穿孔ノズル188がポリエチ
レンシート1308を突き破ってポリエチレンシート1
308を開口し、容器本体1302の内部の補充液(例
えば、現像補充液や漂白定着補充液、或いは安定補充液
等)が流れ落ちる。但し、この状態では、穿孔ノズル1
88とポリエチレンシート1308との間の隙間が小さ
いため、流れ落ちる補充液の量は少ない。また、穿孔ノ
ズル188は略円錐形状とされているため、穿孔ノズル
188が上方へ移動するにつれてポリエチレンシート1
308に形成された開口が漸次大きくなる。さらに、穿
孔ノズル188の底部の直径はパイプ186の直径より
も大きいため、図9に示される状態まで穿孔ノズル18
8が移動すると、穿孔ノズル188の上昇によって形成
されたポリエチレンシート1308とパイプ158の外
周部との間に隙間が形成されるため、図5に図示された
状態以上に補充液が容器本体1302の内部から流れ落
ちる。
【0141】このようにして、ボトル1300(容器本
体1302)から流れ落ちた補充液は、底部168に形
成された孔170、パイプ178、及び図10に示され
る三方弁190、及びパイプ158を介して補充タンク
347へ送給される。ここで、本実施の形態に係るボト
ル1300を適用すると、作業者は開閉扉302を開け
てボトル1300をセットし、開閉扉302を閉め、モ
ータ328を作動させるだけであり、開封作業及び補充
作業、すなわち、ポリエチレンシート308を穿孔して
補充液を補充タンク347へ補充する作業は閉じられた
補充部300(すなわち、各部屋172)の内側で行わ
れる。このため、作業者がボトル1300を手で持って
補充するという面倒な作業が要らず、しかも、補充の際
に補充液が飛散して作業者の手や服を汚すようなことも
ない。
【0142】次に、図9の状態で、容器本体1302内
が完全に流れ落ちた後にはボトル1300の洗浄、乾燥
作業が行われる。洗浄作業では、先ず、図10に示され
る制御装置120を操作して三方弁180、図示しない
三方弁194を操作する。これにより、三方弁180の
パイプ158側が閉止されてパイプ178とパイプ18
2を連通されると共に、三方弁194のパイプが閉止さ
れてパイプ186とパイプ196とが連通される。三方
弁180の操作が終了すると、図示しない洗浄水貯水タ
ンクからの給水管部の洗浄水送水ポンプ198が作動し
て洗浄水貯水タンク内の洗浄水がパイプ200を介して
ポンプ198へ送りこまれ、更に、ポンプ198からパ
イプ、三方弁194、パイプ186を介して穿孔ノズル
188へ所定の水圧で送給される。これにより、穿孔ノ
ズル188の小孔214から洗浄水が噴射され、ボトル
1300の内部が洗浄される。洗浄後の洗浄水はボトル
1300から流れ落ちるが、この状態では、パイプ17
8が三方弁180及びパイプ182を介して廃水タンク
2へ接続されているため、洗浄後の洗浄水が補充タンク
347へ流れ込むことはない。
【0143】次いで、所定条件(例えば、所定時間)の
洗浄が終了すると、ポンプ198が停止されると共に、
三方弁194が切り換えられ、パイプ196側が閉止さ
れてパイプ204とホース192とが連通する。さら
に、この状態で、図示しない乾燥部とファンが作動し
て、乾燥部からファンへ乾燥風が誘導され、更に、ファ
ンからパイプ、三方弁194及びパイプ186を介して
穿孔ノズル188へ乾燥風が送り込まれる。これによ
り、穿孔ノズル188の小孔214から乾燥風が吹き出
し、ボトル1300の内部が乾燥される。
【0144】これらの洗浄、乾燥作業が終了した後に、
開閉扉302を開けて空になったボトル1300が取り
出され、別の新しいボトル1300と交換されるが、こ
の状態では、ボトル1300の内部が洗浄され、しか
も、乾燥されているため、空のボトル1300を取り出
す際に、余剰の補充液等によって手や服が汚れることは
ない。
【0145】さらに、取り出した空のボトル1300は
リサイクルされるが、この場合には、キャップ1310
が容器本体1302の首部1306から外され、更に、
ポリエチレンシート1308やパッキン1316が取り
外されて材質毎に分別回収される。ここで、容器本体1
302、キャップ1310、ポリエチレンシート130
8、及びパッキン1316は各々が独立した別体部品と
されており、これらを組付けるポリエチレンシート13
08がパッキン1316を介して容器本体1302の首
部1306へ密着される。したがって、容器本体130
2からキャップ1310を取り外すことにより、ポリエ
チレンシート1308、及びパッキン1316の各部品
を容易に取り外して分離できる。しかも、ポリエチレン
シート1308を首部1306へ直接固着している場合
のように、ポリエチレンシート1308を取り外す際
に、破れて残ったりすることはないため、作業工数を軽
減できる。
【0146】なお、本実施の形態では、ボトル1300
をプリンタプロセッサ10用の現像補充液、漂白定着補
充液、及び安定液の補充用としたが、プリンタプロセッ
サ10以外の他の現像システムの液補充用に使用しても
よい。
【0147】また、本実施の形態では、シール部材とし
ての十字型裂け目付きポリエチレンシート1308は、
ボトルの保存時間中に空気の透過による処理剤組成物の
劣化を引き起こさない厚みを有するが、ノズルによって
十字型裂け目が容易に破られるように形成されている。
【0148】また、本発明の処理剤組成物は、現像剤で
あるが、このボトルを用いる実施の態様では、補充液の
種類が現像補充液、漂白定着補充液、安定液の3種類で
あり、例えば、補充時に2種類以上の薬液を混合して各
補充液を形成するタイプのプリンタプロセッサに本発明
を適用してもよい。すなわち、この場合には、各補充液
を構成する薬液毎に本発明の係るボトル1300を適用
することにより、補充部347内の閉じられた空間内で
各薬液が放出されるため、薬液によって作業者の手や服
が汚れることはなく、しかも、プリンタプロセッサ10
の部にて調液タンク等の混合調液用の用具を用いて混合
調液するという煩雑な作業を廃止することができる。
【0149】本発明の現像剤組成物を使用する現像処理
方法の適用対象であるカラー写真感光材料について説明
する。本発明の方法は、撮影用、プリント用を問わずカ
ラー写真感光材料一般に適用することができる。すなわ
ちカラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、カ
ラー印画紙の何れの現像処理にも適でき、また一般用、
映画用、プロフェッショナル用のいずれにも適用でき
る。とくに白地の白さが重視されるカラー印画紙の現像
処理への適用の効果が大きい。また、ピロロトリアゾー
ル誘導体をシアンカプラーとして含有するハロゲン化銀
カラー写真感光材料の現像処理への適用が有効である。
ピロロトリアゾール誘導体から得られるシアン色素は優
れた色相を有しているが、その反面混色やステインを生
じ易い欠点を有しており、現像剤の経時安定性の影響を
被り易い。本発明の発色現像剤組成物は、ピロロトリア
ゾール誘導体をシアンカプラーとするカラー写真感光材
料の現像処理に適用したときに混色やステインを起こし
にくいという利点がある。好ましいピロロトリアゾール
誘導体は、下記一般式(C)で表される。
【0150】
【化8】
【0151】式(C)中、Za 、Zb はそれぞれ−C
(R3)=または、−N=を表す。ただしZa 、Zb のい
ずれかは、−N=であり、他方は−C(R3)=である。
1 およびR2 は、それぞれハメットの置換基定数σp
値が0.20以上の電子吸引基を表し、且つR1 とR2
のσp 値の和は0.65以上である。R3は水素原子ま
たは置換基を表す。Xは水素原子、またはカラー現像主
薬の酸化体とのカップリング反応において離脱しうる基
を表す。R1 、R2 、R3または、Xの基が2価の基に
なり、2量体以上の多量体や高分子鎖と結合して単重合
体もしくは共重合体を形成しても良い。
【0152】一般式(C)で表されるシアンカプラーに
ついてさらに詳しく述べる。R3は水素原子又は置換基
を表し、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニト
ロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミ
ノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スル
フィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル
基、アシル基等を挙げることができる。これらの基はR
3で例示したような置換基で更に置換されていてもよ
い。
【0153】R3として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミ
ド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を挙げるこ
とができる。
【0154】R1 とR2 は、いずれも0.20以上の電
子吸引性基であり、且つR1 とR2のσp 値の和が0.
65以上にすることでシアン画像として発色するもので
ある。R1 とR2 のσp 値の和としては、好ましくは
0.70以上であり、上限としては2.0程度である。
1 及びR2 はハメットの置換基定数σp 値が0.20
以上の電子吸引性基である。好ましくは、0.30以上
の電子吸引性基である。上限としては1.0以下の電子
吸引性基である。
【0155】σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
るR1 及びR2 の具体例としては、アシル基、アシルオ
キシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジア
ルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリール
ホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスル
フィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモ
イル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲ
ン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化
アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロ
ゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電
子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲ
ン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられ
る。これらの置換基のうち更に置換基を有することが可
能な基は、R3で挙げたような置換基を更に有してもよ
い。
【0156】R1 及びR2 の好ましいものとしては、ア
シル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ
基、ニトロ基、アルキルスルフイニル基、アリールスル
フイニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、スルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、
ハロゲン化アリールオキシ基、2つ以上のσp 0.20
以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、及び
複素環基を挙げることができる。更に好ましくは、アル
コキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アリールス
ルホニル基、カルバモイル基及びハロゲン化アルキル基
である。R1 として最も好ましいものは、シアノ基であ
る。R2 として特に好ましいものは、アルコキシカルボ
ニル基であり、最も好ましいのは、分岐したアルコキシ
カルボニル基(特にシクロアルコキシカルボニル基)で
ある。
【0157】Xは水素原子またはカラー現像主薬の酸化
体とのカップリング反応において離脱しうる基を表す
が、離脱しうる基を詳しく述べればハロゲン原子、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキ
ルもしくはアリールスルホニルオキシ基、アシルアミノ
基、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基、アル
コキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニル
オキシ基、アルキル、アリールもしくはヘテロ環チオ
基、カルバモイルアミノ基、カルバモイルオキシ基、ヘ
テロ環カルボニルオキシ基、5員もしくは6員環の含窒
素ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基などがあり、
これらの基は更にR3の置換基として許容された基で置
換されていてもよい。ここでカラー現像主薬の酸化体と
しては、公知の芳香族第1級アミンカラー現像主薬のほ
かに、カルバモイルヒドラジン系現像主薬、スルファモ
イルヒドラジン系現像主薬などのヒドラジン系現像主薬
も挙げることができる。好ましくは、芳香族第1級アミ
ンカラー現像主薬である。
【0158】好ましいXは、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルもしくはアリールチオ
基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキ
シカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ
環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子
で結合する5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基であ
る。より好ましいXは、ハロゲン原子、アルキルもしく
はアリールチオ基、アルキルオキシカルボニルオキシ
基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基であり、特に好
ましいのはカルバモイルオキシ基、ヘテロ環カルボニル
オキシ基である。
【0159】本発明のシアンカプラーをハロゲン化銀感
光材料中、好ましくは赤感光性ハロゲン化銀乳剤層に含
有させるには、いわゆる内型カプラーにすることが好ま
しく、そのためには、R1 、R2 、R3、Xの少なくと
も1つの基が所謂バラスト基(好ましくは、総炭素数1
0以上)であることが好ましく、炭素数10〜50であ
ることがより好ましい。特にR3においてバラスト基を
有することが好ましい。以下に本発明に特に好都合な感
光材料中のシアンカプラーの具体例を示すが、これらに
限定されるものではない。
【0160】
【化9】
【0161】
【化10】
【0162】
【化11】
【0163】
【化12】
【0164】
【化13】
【0165】一般式(C)で表わされる化合物は、公知
の方法、例えば、特開平5−150423号、同5−2
55333号、同5−202004号、同7−4837
6号、同9−189988号に記載の方法にて合成する
ことができる。
【0166】つぎに上記のピラゾロトリアゾール型シア
ンカプラー以外の感光材料の構成について説明する。カ
ラーペーパーなどのポジ材料としての感光材料中の感光
性ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀含有率が少なくとも95
モル%で残りが臭化銀であり、実質的に沃化銀を含まな
いハロゲン化銀粒子からなることが好ましい。ここで
「実質的に沃化銀を含まない」とは、沃化銀含有率が1
モル%以下、好ましくは0.2モル%以下、更に好まし
くは0モル%を意味する。また上記のハロゲン化銀乳剤
は迅速処理性の観点から、特に塩化銀含有率が98モル
%以上のハロゲン化銀乳剤が好ましい。このようなハロ
ゲン化銀のなかでも塩化銀粒子の表面に臭化銀局在相を
有するものが、高感度が得られ、しかも写真性能の安定
化が図れることから特に好ましい。少なくとも一層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層に含有されるハロゲン化銀乳剤
は、粒子サイズ分布の変動係数(粒子サイズ分布の標準
偏差を平均粒子サイズで除したもの)が15%以下であ
るものが好ましく、10%以下の単分散乳剤がより好ま
しい。また広いラチチュードを得る目的で上記の単分散
乳剤を2種以上同一層中に混合して使用するのが好まし
い。このとき、各々の単分散乳剤はその平均粒子サイズ
が15%以上異なるのが好ましく、20〜60%異なる
のがより好ましく、更には25〜50%異なるのが特に
好ましい。また各々の単分散乳剤の感度差は0.15〜
0.50logEであることが好ましく、0.20〜0.
40logEであることがより好ましく、0.25〜0.
35logEであることが更に好ましい。
【0167】本発明の目的のポジ画像を得るには、実質
的に沃化銀を含有しない塩化銀含有率95モル%以上の
塩臭化銀に鉄および/またはルテニウムおよび/または
オスミウム化合物をハロゲン化銀1モル当たり1×10
-5〜1×10-3モル含有させ、かつ臭化銀局在相中にハ
ロゲン化銀1モル当たり1×10-7〜1×10-5モルの
イリジウム化合物を含有するハロゲン化銀乳剤を用いる
ことが有効である。
【0168】撮影目的のカラ−感光材料、例えば多層カ
ラ−ネガフィルムやカラーリバーサルフィルムは、主と
して沃臭化銀の内部構造を持つ平板粒子や非平板型多重
構造粒子が用いられる。好ましいハロゲン化銀は約30
モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化
銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約
2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭
化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロゲ
ン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則
的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結
晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が
約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散
乳剤でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロ
ゲン化銀写真乳剤は例えばリサーチ・ディスクロージャ
ー(以下、RDと略す)No.17643(1978年
12月),22〜23頁,“I.乳剤製造(Emulsion p
reparation and types)”、および同No.18716
(1979年11月),648頁、同No.30710
5(1989年ll月),863〜865頁、およびグ
ラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊
(P.Glafkides, Chemie et Phisique Photographique,
Paul Montel、1967)、ダフィン著「写真乳剤化
学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographi
c Emulsion Chemistry, Focal Press,1966)、ゼ
リグマンら著「写真乳剤の製造と塗布」フォーカルプレ
ス社刊(V.L.Zelikman,et al., Making and Coating Ph
otographic Emulsion, Focal Press,1964)などに
記載された方法を用いて調製することができる。
【0169】US3,574,628、同3,655,
394およびGB1,413,748に記載された単分
散乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上であ
るような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子
はガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド
・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Sciencean
d Engineering)、第14巻248〜257頁(197
0年);US4,434,226、同4,414,31
0、同4,433,048、同4,439,520およ
びGB2,112,157に記載の方法により簡単に調
製することができる。結晶構造は一様なものでも、内部
と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、
層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によ
って組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。上記の乳剤は潜像を主とし
て表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する
内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型
のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要で
ある。内部潜像型のうち、特開昭63−264740に
記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、
この調製方法は特開昭59−133542に記載されて
いる。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異
なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ま
しい。
【0170】ハロゲン化銀乳剤は通常、物理熟成、化学
熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよう
な工程で使用される添加剤はRD No.17643、
同No.18716および同No.307105に記載
されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発
明の感光材料には感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度
の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、
同一層中に混合して使用することができる。US4,0
82,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、US4,626,498、特開昭59−214
852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒
子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用するこ
とが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは感光材料の未露光部および露光部を問わ
ず一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒
子のことをいい、その調製法はUS4,626,49
8、特開昭59−214852に記載されている。粒子
内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の
内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異な
っていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロ
ゲン化銀としては塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭
化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶら
されたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.
01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ま
しい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散
乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒子の重量ま
たは粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%
以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0171】本発明の対象となるプリント用及び撮影用
のハロゲン化銀写真感光材料には、従来公和の写真用素
材や添加剤を使用できる。例えば写真用支持体として
は、透過型支持体や反射型支持体を用いることができ
る。透過型支持体としては、セルロースナイトレートフ
ィルムやポリエチレンテレフタレートなどの透明フィル
ム、更には2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDC
A)とエチレングリコール(EG)とのポリエステルや
NDCAとテレフタル酸とEGとのポリエステル等に磁
性層などの情報記録層を設けたものが好ましく用いられ
る。本発明の目的にとっては、反射型支持体が好まし
く、特に複数のポリエチレン層やポリエステル層でラミ
ネートされ、このような耐水性樹脂層(ラミネート層)
の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔料を含有する
反射支持体が好ましい。
【0172】更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感材の親
水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤とし
て、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、
ピラゾリン系が用いる事ができ、更に好ましくは、ベン
ゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルス
チルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定さ
れないが、好ましくは1〜100mg/m2である。耐水性
樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対し
て0.0005〜3重量%であり、更に好ましくは0.
001〜0.5重量%である。体上に、白色顔料を含有
する親水性コロイド層を塗設したものでもよい。また、
反射型支持体は、鏡面反射性または第2種拡散反射性の
金属表面をもつ支持体であってもよい。本発明に係わる
感光材料には、画像のシャープネス等を向上させる目的
で親水性コロイド層に、欧州特許EP0,337,490A2 号明細
書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染
料(なかでもオキソノール系染料)を該感光材料の68
0nmに於ける光学反射濃度が0.70以上になるよう
に添加したり、支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のア
ルコール類(例えばトリメチロールエタン)等で表面処
理された酸化チタンを12重量%以上(より好ましくは
14重量%以上)含有させるのが好ましい。
【0173】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63-271247 号公報に記載のよ
うな防黴剤を添加するのが好ましい。
【0174】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当たりの露光時間が10-4秒より短いレー
ザー走査露光方式が好ましい。
【0175】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感光材料を処理する
ために適用される処理法や処理用添加剤としては、欧州
特許EP0,355,660A2 号、特開平2-33144 号及び特開昭62
-215272 号の明細書に記載されているものあるいは次の
表1に挙げたものが好ましく用いられる。
【0176】
【表1】
【0177】また、本発明の対象となる感光材料は、上
記したピロロトリアゾール型カプラーを含む場合に白地
の白さの改善などの発明の効果が大きいが、このカプラ
ー以外のシアンカプラーを含んだ感光材料も本発明の方
法の適用対象である。シアン、マゼンタまたはイエロー
カプラーは前出表中記載の高沸点有機溶媒の存在下で
(または不存在下で)ローダブルラテックスポリマー
(例えば米国特許第4,203,716号)に含浸させ
て、または水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーとと
もに溶かして親水性コロイド水溶液に乳化分散させるこ
とが好ましい。好ましい水不溶性かつ有機溶媒可溶性の
ポリマーは、米国特許第4,857,449号明細書の
第7欄〜15欄及び国際公開WO88/00723号明
細書の第12頁〜30頁に記載の単独重合体または共重
合体が挙げられる。とくにメタクリレート系あるいはア
クリルアミド系ポリマーが色像安定性等の上で特に好ま
しい。
【0178】本発明の適用対象の感光材料には、欧州特
許EP0,277,589A2号明細書に記載のような
色像保存性改良化合物をピラゾロアゾールカプラーや、
上記ピロロトリアゾールカプラー、アシルアセトアミド
型イエローカプラーと併用するのが好ましい。
【0179】またシアンカプラーとしては、前記の表の
公知文献に記載されていたようなフェノール型カプラー
やナフトール型カプラーの他に、特開平2−33144
号公報、欧州特許EP0333185A2号、特開昭6
4−32260号、欧州特許EP0456226A1号
明細書、欧州特許EP0484909号、欧州特許EP
0488248号明細書及びEP0491197A1号
に記載のシアンカプラーの使用してもよい。
【0180】本発明に用いられるマゼンタカプラーとし
ては、前記の表の公知文献に記載されたような5−ピラ
ゾロン系マゼンタカプラーのほかに、国際公開WO92
/18901号、同WO92/18902号や同WO9
2/18903号に記載のものも好ましい。これらの5
−ピラゾロンマゼンタカプラーの他にも、公知のピラゾ
ロアゾール型カプラーが本発明に用いられるが、中でも
色相や画像安定性、発色性等の点で特開昭61−652
45号公報、特開昭61−65246号、特開昭61−
14254号、欧州特許第226,849A号や同第2
94,785A号に記載のピラゾロアゾールカプラーの
使用が好ましい。
【0181】イエローカプラーとしては、公知のアシル
アセトアニリド型カプラーが好ましく使用されるが、中
でも、欧州特許EP0447969A号、特開平5−1
07701号、特開平5−113642号、欧州特許E
P−0482552A号、同EP−0524540A号
等に記載のカプラーが好ましく用いられる。
【0182】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,125,
570、EP96,873B、DE3,234,533
に記載のものが好好ましい。発色色素の不要吸収を補正
するためのカプラーはEP456,257A1の5頁に
記載の式(CI), (CII), (CIII), (CIV)で表わさ
れるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のY
C−86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタ
カプラーExM−7(202頁)、EX−1(249
頁)、EX−7(251頁)、US4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC−9(カ
ラム8)、CC−13(カラム10)、US4,83
7,136の(2)(カラム8)、WO92/1157
5のクレーム1の式(A)で表わされる無色のマスキン
グカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好まし
い。
【0183】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)として
は以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:E
P378,236A1の11頁に記載の式(I), (II),
(III), (IV)で表わされる化合物(特にT−101
(30頁),T−104(31頁),T−113(36
頁),T−131(45頁),T−144(51頁),
T−158(58頁)),EP436,938A2の7
頁に記載の式(I)で表わされる化合物(特にD−49
(51頁))、EP568,037Aの式(1)で表わ
される化合物(特に(23)(11頁))、EP44
0,195A2の5〜6頁に記載の式(I),(II), (II
I)で表わされる化合物(特に29頁のI−(1));
【0184】漂白促進剤放出化合物:EP310,12
5A2の5頁の式(I), (I′)で表わされる化合物
(特に61頁の(60), (61))及び特開平6−59
411の請求項1の式(C)で表わされる化合物(特に
(7)(7頁);リガンド放出化合物:US4,55
5,478のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされ
る化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合
物);ロイコ色素放出化合物:US4,749,641
のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:
US4,774,181のクレーム1のC0UP−DY
Eで表わされる化合物(特にカラム7−10の化合物1
−11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1)、(2)、
(3)で表わされる化合物(特にカラム25の(I−2
2))及びEP450,637A2の75頁36〜38
行目のExZK−2;離脱して初めて色素となる基を放
出する化合物:US4,857,447のクレーム1の
式(I)で表わされる化合物(特にカラム25〜36の
Y−1〜Y−19)。
【0185】カプラー以外の添加剤としては以下のもの
が好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−215272
のP−3,5,16,19,25,30,42,49,
54,55,66,81,85,86,93(140〜
144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:U
S4,199,363に記載のラテックス;現像主薬酸
化体スカベンジャー:US4,978,606のカラム
2の54〜62行の式(I)で表わされる化合物(特に
I−,(1), (2), (6), (12)(カラム4〜5)、
US4,923,787のカラム2の5〜10行の式
(特に化合物1(カラム3);ステイン防止剤:EP2
98321Aの4頁30〜33行の式(I)〜(II
I),特にI−47,72,III−l,27(24〜48
頁);褪色防止剤:EP298321AのA−6,7,
20,21,23,24,25,26,30,37,4
0,42,48,63,90,92,94,164(6
9〜118頁),US5,122,444のカラム25
〜38のII−1〜III−23,特にIII−10,EP47
1347Aの8〜12頁のI−1〜III−4,特にII−
2,US5,139,931のカラム32〜40のA−
1〜48,特にA−39,42;発色増強剤または混色
防止剤の使用量を低減させる素材:EP411324A
の5〜24頁のI−1〜II−15,特にI−46;ホル
マリンスカベンジャー:EP477932Aの24〜2
9頁のSCV−1〜28,特にSCV−8;
【0186】硬膜剤:特開平1−214845の17頁
のH−1,4,6,8,14,US4,618,573
のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる
化合物(H−1〜54),特開平2−214852の8
頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜7
6),特にH−14,US3,325,287のクレー
ム1に記載の化合物;現像抑制剤プレカーサー:特開昭
62−168139のP−24,37,39(6〜7
頁);US5,019,492のクレーム1に記載の化
合物,特にカラム7の28,29;防腐剤、防黴剤:U
S4,923,790のカラム3〜15のI−1〜III
−43,特にII−1,9,10,18,III−25;安
定剤、かぶり防止剤:US4,923,793のカラム
6〜16のI−1〜(14),特にI−1,60,
(2), (13),US4,952,483のカラム25
〜32の化合物1〜65,特に36:化学増感剤:トリ
フェニルホスフィン セレニド,特開平5−40324
の化合物50;
【0187】染料:特開平3−156450の15〜1
8頁のa−1〜b−20,特にa−1,12,18,2
7,35,36,b−5,27〜29頁のV−1〜2
3,特にV−1,EP445627Aの33〜55頁の
F−I−1〜F−II−43,特にF−I−11,F−II
−8,EP457153Aの17〜28頁のIII−1〜
36,特にIII−1,3,WO88/04794の8〜
26のDye−1〜124の微結晶分散体,EP319
999Aの6〜11頁の化合物1〜22,特に化合物
l,EP519306Aの式(1)ないし(3)で表わ
される化合物D−1〜87(3〜28頁),US4,2
68,622の式(I)で表わされる化合物1〜22
(カラム3〜10),US4,923,788の式
(I)で表わされる化合物(1)〜(31)(カラム2
〜9);UV吸収剤:特開昭46−3335の式(1)
で表わされる化合物(18b)〜(18r),101〜
427(6〜9頁),EP520938Aの式(I)で
表わされる化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及
び式(III)で表わされる化合物HBT−1〜10(1
4頁),EP521823Aの式(1)で表わされる化
合物(1)〜(31)(カラム2−9)。
【0188】本発明は一般用もしくは映画用の汎用のカ
ラーネガフイルムに適用することができる。また、特公
平2−32615、実公平3−39784に記載されて
いるレンズ付きフィルムユニット用に好適である。本発
明に使用できる適当な支持体は、例えば前述のRD.N
o.17643の28頁、同No.18716の647
頁右欄から648頁左欄、および同No.307105
の879頁に記載されているが、ポリエステル支持体を
用いるのが好ましい。
【0189】本発明に使用されるカラーネガフィルム
は、磁気記録層を有する場合が好ましい。本発明に用い
られる磁気記録層について説明する。本発明に用いられ
る磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散し
た水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設した
ものである。本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe
23などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe23、Co被
着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化
クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェ
ライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェラ
イトなどを使用できる。Co被着γFe23などのCo
被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒
状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積
ではSBETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が
特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好まし
くは3.0×104〜3.0×105A/mであり、特に
好ましくは4.0×104〜2.5×105A/mであ
る。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや
有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性
体粒子は特開平6−161032に記載された如くその
表面にシランカップリング剤又はチタンカップリング剤
で処理されてもよい。又特開平4−259911、同5
−81652号に記載の表面に無機、有機物を被覆した
磁性体粒子も使用できる。
【0190】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては酸化アルミニウム、酸化ク
ロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト
等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイア
モンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤はその表
面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で
処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加し
てもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば
保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバ
インダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録
層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する
感材についてはUS5,336,589、同5,25
0,404、同5,229,259、同5,215,8
74、EP466,130に記載されている。
【0191】本発明に用いられるポリエステル支持体に
ついて記すが、後述する感材、処理、カートリッジ及び
実施例なども含め詳細については公開技報、公技番号9
4−6023(発明協会;1994.3.15.)に記
載されている。本発明に用いられるポリエステルはジオ
ールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、
芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4
−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが
挙げられる。この重合ポリマーとしてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマー
を挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を50モル%〜100モル%含むポ
リエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレ
ン 2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は
約5,000ないし200,000である。本発明のポ
リエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以
上が好ましい。
【0192】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は
0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは
0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処理
はロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しな
がら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSn
2やSb25等の導電性無機微粒子を塗布する)、面
状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端
部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止す
るなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は
支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止
剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施して
もよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。このポ
リエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ラ
イトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日
本化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販されて
いる染料または顔料を練り込むことにより目的を達成す
ることが可能である。
【0193】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。T1/2は発色現像液で30℃、3
分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を
飽和膜厚としたとき、膜厚そのものが1/2に到達する
までの時間と定義する。膜厚は25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー
・グリーン(A.Green)らのフォトグラフィック・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.En
g.),19巻、2,124〜129頁に記載の型のスエ
ロメーター(膨潤計)を使用することにより測定でき
る。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を
加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることに
よって調整することができる。また、膨潤率は150〜
400%が好ましい。膨潤率とはさきに述べた条件下で
の最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜
厚により計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層を有
する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μm
の親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが
好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フィル
ター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、
バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を
含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は1
50〜500%が好ましい。
【0194】
【実施例】以下、実施例によって本発明の態様と効果を
さらに説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0195】実施例−1 沈殿析出に対する安定性 沈殿析出に対する安定性を試験するために、下記及び表
2に示した14種類の発色現像剤組成物を調製した。共
通成分とその添加量を下記に示し、表2には添加量や添
加化合物など変更した要因を示す。また、試験結果も表
2に示した。 発色現像剤組成物の試験処方 (1)共通成分 ジメチルポリシロキサン系界面活性剤 0.1 g (シリコーンKF351A/信越化学工業社製) ジエチレントリアミン5 酢酸 0.5 g 蛍光増白剤 (WHITEX-4、住友化学社製) 2.0 g エチレンジアミン四酢酸 4.0 g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) 11.1 g ヒドロキシルアミン 臭化カリウム 0.01 g 亜硫酸ナトリウム 0.2 g N−エチル−N(β−メタンスルホンアミドエチル) 15.7 g −3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 (2)変更要因 表2に記載
【0196】調製した発色現像剤組成物をガラスボトル
に入れて5、0、−5°Cで各4週間保存した。液状を
視覚によって判定し、5°Cの保存でも沈殿を生じたも
のをx、0°Cの保存で沈殿を生じたものを○、−5°
Cで保存しても沈殿を生じないものを◎◎とし、濁りの
生じたものを◎とする5段階評価を行った。その結果も
表2に併せて示す。比較例1は濃縮度が1、つまり濃縮
していない標準試料である。本発明で規定した範囲に対
してカリウム/ナトリウム比が高い方へ超えている比較
試料2、3、pHが低い比較試料4、カリウム/ナトリ
ウム比が低い比較試料16、炭酸塩濃度が高い比較試料
17はいずれも沈殿の析出が見られた。一方、本発明の
試料4〜15はいずれも少なくとも○のランク以上であ
り、炭酸塩濃度、カリウム/ナトリウム比及びpHが請
求項に規定した範囲内にあると効果があることが判る。
また、イソプロピルヒドロキシルアミン(試料10)、
トリイソプロパノールアミン(試料9)及び界面活性剤
(化合物 II-1)の添加効果は顕著であり、p−トルエ
ンスルホン酸(試料8)も有効であった。
【0197】
【表2】
【0198】
【表3】
【0199】実施例−2 経時保存安定性 経時保存安定性試験は、組成物の経時着色の程度と経時
した組成物から調製した現像液を用いて現像処理を行っ
たときの感光材料試料のステインの程度によって評価を
行った。
【0200】(1)組成物の着色 実施例1の17種類の濃厚現像剤組成物をポリエチレン
(HDPE)ボトルに口許まで入れて密栓した。これを
40°Cでそれぞれ8週間保存した。加熱経時を行う前
後でそれぞれの試料の490nmにおける分光吸収濃度
(セル厚み1cm)を測定し、加熱経時を行う前後の分
光濃度測定値の差(△490nm)を組成物の着色の評
価尺度とした。
【0201】(2)現像処理した感光材料のステイン 上記の感光材料試料Bを未露光のまま使用した。上記
(1)組成物の着色試験と同じ17種の組成物試料につ
いて40°Cで8週間加熱経時させたものと新たに調製
したものとについて、各組成物を希釈して表2の処方量
のものが全量1リットルになるように水で希釈して現像
補充液を調製した。また、それをさらに水で25%希釈
した上、それぞれ臭化カリウムと沃化カリウムを次の実
施例4に示した処方値となるように添加して発色現像液
を調製した。なお、濃縮していない標準試料である比較
試料1は、希釈を行わなかった。発色現像液を現像槽に
入れて補充液を添加しながら試料Bを処理し、得られた
現像済み試料の青フィルター光濃度(Dmin−b)を
測定した。加熱経時した組成物から調製した現像液で処
理した感光材料試料と新たに調製した組成物から調製し
た現像液で処理した感光材料試料の青フィルター光濃度
(Dmin−b)の差(△Dmin−b)をステインの
評価尺度とした。この結果も表2に示した。各比較試料
のステインが増大したのに対して、本発明例の各試料
は、いずれも標準試料と大差なく、とくにイソプロピル
ヒドロキシルアミン(試料10)、トリイソプロパノー
ルアミン(試料9)及び界面活性剤(化合物 II-1)の
ステイン抑止効果は顕著であり、p−トルエンスルホン
酸(試料8)は液の着色防止に有効であった。
【0202】実施例−3.容器洗浄性 上記した各濃縮した現像組成物をそれぞれ図7に示した
1300ミリリットルのポリエチレン(HDPE)ボト
ルに充填して図1〜10に示した処理剤簡易装着方式の
自動現像機に装着し、補充液を調製した。1つの実施態
様として前記した方法に従って各試料のボトルの排出口
部分のポリエチレンシートを窄孔ノズルで破り、内容物
を排出したのち1回当たり300ミリリットルの洗浄水
をボトル内部に噴霧して目視上清浄になるまで噴霧洗浄
を繰り返した。洗浄回数が2回のものを◎◎、3回のも
のを◎、4回のものを○、5回以上のものを×と評価し
て結果も表2に示した。本発明の濃厚現像剤組成物は、
いずれも少ない洗浄水で効果的に洗浄されており、とり
わけアニオン界面活性剤の添加効果が顕著であることが
示された。
【0203】実施例−4 写真特性 〔感光材料試料の調製〕紙の両面をポリエチレン樹脂で
被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した
後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラ
チン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層
を順次塗設して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の2通りの試料(試料A及び試料B)を
作製した。各写真構成層用の塗布液は、以下のようにし
て調製した。以下に示す乳剤の平均粒子サイズとは、い
わゆるプロジェクションエリア法によって測定された粒
子の面積の換算直径の平均値である。
【0204】(塗布液の調整) 第五層塗布液調製 シアンカプラー(それぞれ下記のアシルアミノフェノー
ルカプラーA又はピロロトリアゾールカプラーBを使
用)300g、色像安定剤(Cpd−1)250g、色
像安定剤(Cpd−9)10g、色像安定剤(Cpd−
10)10g、色像安定剤(Cpd−12)20g、紫
外線吸収剤(UV−1)14g、紫外線吸収剤(UV−
2)50g、紫外線吸収剤(UV−3)40gおよび紫
外線吸収剤(UV−4)60gを、溶媒(Solv−
6)230gおよび酢酸エチル350mlに溶解し、こ
の液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
00mlを含む10%ゼラチン水溶液6500gに乳化
分散させて乳化分散物Cを調製した。
【0205】
【化14】
【0206】一方、塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子
サイズ0.50μmの大サイズ乳剤Cと0.41μmの
小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(銀モル比)。粒子サ
イズ分布の変動係数は、それぞれ0.09と0.11で
あり、各サイズ乳剤とも臭化銀0.5モル%を、塩化銀
を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた)を調製
した。この乳剤には下記に示す赤感性増感色素Gおよび
Hが、銀1モル当り、大サイズ乳剤Cに対してはそれぞ
れ6.0×10-5モル、また小サイズ乳剤Cに対しては
それぞれ9.0×10-5モル添加されている。また、こ
の乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加して最
適に行われた。前記乳化分散物Cとこの塩臭化銀乳剤C
とを混合溶解し、後記組成となるように第五層塗布液を
調製した。乳剤塗布量は銀量換算塗布量を示す。
【0207】第一層〜第四層および第六層〜第七層用の
塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層の
ゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジクロ
ロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また、各層
にAb−1、Ab−2、Ab−3およびAb−4をそれ
ぞれ全量が15.0mg/m2 、60.0mg/m2
5.0mg/m2 および10.0mg/m2 となるよう
に添加した。
【0208】
【化15】
【0209】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の
分光増感色素をそれぞれ用いた。 青感性乳剤層
【0210】
【化16】
【0211】(増感色素A、BおよびCをハロゲン化銀
1モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.4×
10-4モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ1.7×
10-4モル添加した。) 緑感性乳剤層
【0212】
【化17】
【0213】(増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、
大サイズ乳剤に対しては3.0×10 -4モル、小サイズ
乳剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素E
をハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては
4.0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×
10-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当
たり、大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小
サイズ乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。) 赤感性乳剤層
【0214】
【化18】
【0215】(増感色素GおよびHを、ハロゲン化銀1
モル当り、大サイズ乳剤に対してはそれぞれ6.0×1
-5モル、小サイズ乳剤に対してはそれぞれ9.0×1
-5モル添加した。) さらに、下記の化合物Iを赤感性乳剤層にハロゲン化銀
1モル当たり2.6×10-3モル添加した。
【0216】
【化19】
【0217】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層および
赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールを、それぞれハロゲ
ン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3
モルおよび5.9×10-4モル添加した。さらに、第二
層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2
mg/m 2 、0.2mg/m2 、0.6mg/m2
0.1mg/m2 となるように添加した。また、青感性
乳剤層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、そ
れぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2
×10-4モル添加した。また、赤感性乳剤層にメタクリ
ル酸とアクリル酸ブチルの共重合体(重量比1:1、平
均分子量200000〜400000)を0.05g/
m2を添加した。また、第二層、第四層および第六層に
カテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれ
ぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2となる
ように添加した。また、イラジエーション防止のため
に、乳剤層に以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を
添加した。
【0218】
【化20】
【0219】(層構成)以下に、各層の構成を示す。数
字は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は、
銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2
含有率16重量%、ZnO;含有率4重量%)と蛍光増
白剤(4,4’−ビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベ
ンと4,4−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)ス
チルベンの8/2(重量比)混合物:含有率0.05重
量%)、青味染料(群青)を含む]
【0220】 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.72μmの大サイズ乳剤Aと0. 60μmの小サイズ乳剤Aとの3:7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変 動係数はそれぞれ0.08と0.10。各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル%を 、塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた) 0.26 ゼラチン 1.35 イエローカプラー(ExY) 0.62 色像安定剤(Cpd−1) 0.08 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.23
【0221】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−4) 0.09 色像安定剤(Cpd−5) 0.018 色像安定剤(Cpd−6) 0.13 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.06 溶媒(Solv−2) 0.22
【0222】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤B(立方体、平均粒子サイズ0.45μmの大サイズ乳剤Bと0 .35μmの小サイズ乳剤Bとの1:3混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.10と0.08。各サイズ乳剤とも臭化銀0.4モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた) 0.14 ゼラチン 1.36 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.05 紫外線吸収剤(UV−2) 0.03 紫外線吸収剤(UV−3) 0.02 紫外線吸収剤(UV−4) 0.04 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 色像安定剤(Cpd−4) 0.002 色像安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.11 溶媒(Solv−4) 0.22 溶媒(Solv−5) 0.20
【0223】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.71 混色防止剤(Cpd−4) 0.06 色像安定剤(Cpd−5) 0.013 色像安定剤(Cpd−6) 0.10 色像安定剤(Cpd−7) 0.007 溶媒(Solv−1) 0.04 溶媒(Solv−2) 0.16
【0224】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤C(立方体、平均粒子サイズ0.50μmの大サイズ乳剤Cと0 .41μmの小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の 変動係数はそれぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも臭化銀0.5モル% を塩化銀を基体とする粒子表面の一部に局在含有させた) 0.20 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(A又はB) 0.30 紫外線吸収剤(UV−1) 0.14 紫外線吸収剤(UV−2) 0.05 紫外線吸収剤(UV−3) 0.04 紫外線吸収剤(UV−4) 0.06 色像安定剤(Cpd−1) 0.25 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−12) 0.02 溶媒(Solv−6) 0.23
【0225】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.66 紫外線吸収剤(UV−1) 0.19 紫外線吸収剤(UV−2) 0.06 紫外線吸収剤(UV−3) 0.06 紫外線吸収剤(UV−4) 0.05 紫外線吸収剤(UV−5) 0.09 溶媒(Solv−7) 0.25
【0226】 第七層(保護層) ゼラチン 1.00 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−13) 0.01
【0227】
【化21】
【0228】
【化22】
【0229】
【化23】
【0230】
【化24】
【0231】
【化25】
【0232】
【化26】
【0233】
【化27】
【0234】〔現像処理〕 (現像処理用ランニング液の調整)上記の感光材料試料
A及びBを127mm巾のロール状に加工し、富士写真
フイルルム(株)製ミニラボプリンタープロセッサー
PP1258ARを用いて像様露光を行い、下記処理工
程にてカラー現像タンク容量の2倍の補充量となるま
で、試料A及びBを等量用いて連続処理(ランニングテ
ストテスト)を行った。
【0235】 処理工程 温 度 時 間 補充量* カラー現像 38.5℃ 45秒 45ミリリットル 漂白定着 38.0℃ 45秒 35ミリリットル リンス(1) 38.0℃ 20秒 − リンス(2) 38.0℃ 20秒 − リンス(3)**38.0℃ 20秒 − リンス(4)**38.0℃ 20秒 121ミリリットル 乾燥 80 ℃ 30秒 (注) * 感光材料1m2 当たりの補充量 **富士写真フイルム社製リンスクリーニングシステム
RC50Dをリンス(3)に装着し、リンス(3)から
リンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジュール
(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス
(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透
モジュールへの透過水量は50〜300ミリリットル /分を維持
するようにポンプ圧を調製し、1日10時間温調循環さ
せた。リンスは(1)から(4)への4タンク向流方式
とした。
【0236】比較用の標準処理の処理液の組成は以下の
通りである。 [カラー現像液] [タンク液] [補充液] 水 800ミリリットル 800ミリリットル ジメチルポリシロキサン系界面活性剤 (シリコ-ン KF351A、信越化学工業製) 0.1g 0.1g トリエタノールアミン 11.6g 11.6g エチレンジアミン四酢酸 4.0g 4.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸 ナトリウム 0.5g 0.5g 塩化カリウム 10.0g − 臭化カリウム 0.04g 0.01g 蛍光増白剤(WHITEX-4 (住友化学社製)0.5g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 11.1g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−ア ミノ−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 5.0g 15.7g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.15 12.50
【0237】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 800ミリリットル 800ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 107.0ミリリットル 214.0ミリリットル m−カルボキシメチルベンゼンスルフィン酸 8.3g 16.5g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン四酢酸 1.4g 2.8g 硝酸(67%) 16.5g 33.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/酢酸およびアンモニアにて調整) 6.5 6.5
【0238】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(導電度5μs/cm以下) 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 6.5 6.5
【0239】本発明のランニングテスト処理には、次の
処方を選択した。すなわち、上記各評価試験における1
7種類の試料の中で各評価特性とも優れた結果を示した
試料10と漂白定着液の補充剤A及びBを調製し、それ
ぞれを1300ミリリットルのポリエチレンボトルに充
填して前記発明の一つの実施態様として説明した自動現
像機に装着した。感光材料としては感光材料A,Bを使
用した。また、発色現像剤組成物試料10、漂白定着液
の補充剤A及びBを自動現像機に装着して洗浄水などに
よる希釈によって補充液処方を調製した。漂白定着液の
補充剤A及びBは、1.5倍希釈したものを補充液とし
て補充槽に入れた。また、発色現像液(現像液10)
は、その補充液をさらに水で希釈し、臭化カリウムと沃
化カリウムを上記比較用の処方値と同濃度になるように
加えて現像液を調製し、これを現像槽に満たした。 一
方、漂白定着槽には、上記比較例の漂白定着液をそのま
ま使用して補充には上で説明したボトル詰めの濃縮処理
剤から希釈して調製したものを使用した。現像補充液を
感光材料1m2 当たり45ミリリットルの割合で現像槽
に、漂白定着補充液をA、B各17.5ミリリットルの
割合で漂白定着槽にそれぞれ補充を行いながら、感光材
料試料A,Bのセンシトメトリー用光楔露光試料片を現
像処理して写真性を試験期間を通じて継続的に試験し
た。その際、感光材料試料A,Bにそれぞれ標準C光源
と中性色連続光楔(濃度勾配0.2△D/cm,濃度域
0.02〜2.4)を通してセンシトメトリー露光を行
った。以下の現像処理には、この露光試料を使用して写
真特性(感度、階調及びかぶり)を求めた。
【0240】 [漂白定着液] 補充剤A(漂白液成分) 水 600ミリリットル 硝酸(67%) 66.0g イミダゾール 58.0g エチレンジアミン四酢酸 1.7g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 184.0g m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 33.0g 水を加えて 670 ミリリットル pH(25℃/酢酸およびアンモニアにて調整) 5.7 補充剤B(定着液成分) 水 600ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 430ミリリットル エチレンジアミン四酢酸 4.0g 亜硫酸アンモニウム・1水塩 62.0g 重亜硫酸アンモニウム 81.0g 水を加えて 670ミリリットル pH(25℃/酢酸およびアンモニアにて調整) 5.7
【0241】試料A,Bとも本発明の現像剤組成物を用
いて処理した結果は、上記の標準処理条件で処理した場
合と実質的に同じ写真性を示し、処理品質と処理安定性
の上でも良好であることが判った。また、3色分解フィ
ルター露光したシアン発色部分の赤フィルター光濃度が
1.0の部分の青フィルター光濃度を測定して混色度を
求めたところ、ランニング処理試験を通して試料A,B
がそれぞれ0.3及び0.2であり、ピロロトリアゾー
ルカプラーを用いた試料Bが優れた色相を有しているこ
とが示された。一方、標準処理の場合は、ランニング処
理試験の当初は、試料A,Bがそれぞれ0.3及び0.
2であったが、ランニング後期は、試料A,Bがそれぞ
れ0.3及び0.3となり、ランニング後期はピロロト
リアゾールカプラーを用いた試料Bの優位性は認められ
なかった。
【0242】
【発明の効果】請求項1に記載の特定のpH,炭酸塩濃
度、陽イオン比の範囲内にある発色現像組成物は、現像
主薬の析出がなく、また組成物や容器の経時着色もな
く、したがって現像処理される感光材料を汚染すること
もない。また、この組成物にアルカノールアミン類、ア
ニオン界面活性剤、ベンゼンスルホン酸類の一つあるい
は組み合わせて添加するとさらに効果が大きくなる。し
たがって現像剤組成物の減容が可能であり、自動現像機
システムに組み込むこともできる。また、従来発色現像
剤組成物用には使用できなかったポリエチレン性容器を
使用することが可能となる。さらに、本発明の現像剤組
成物は、ピラゾロトリアゾールカプラーを含有する写真
感光材料に対して特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤組成物を用いる現像処理方法の
一実施例が採用されたプリンタプロセッサを示す概略構
成図である。
【図2】本発明の現像剤組成物を用いる現像処理方法の
一実施例が採用されたプリンタプロセッサを示す斜視で
ある。
【図3】装填部近傍の側面図である。
【図4】装填部近傍の平面図である。
【図5】装填部近傍の正面図である。
【図6】補充部の現像補充液系統の構成図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる現像剤組成物用容
器の分解斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わる現像剤組成物用容
器と穿孔ノズルの初期状態を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係わる現像剤組成物用容
器のシール部材を穿孔ノズルが完全に貫通した状態を示
す図3に対応した断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係わる現像剤組成物
用容器を適用したプリンタプロセッサの補充タンク及び
その周辺の概略を示す図である。
【符号の説明】
73 感光材料処理量検出手段 122 表示装置(警報手段) 300 充填部 347 P1R補充槽 349 P2RA補充槽 351 P2RB補充槽 360 下限レベルセンサ(FS745)(補充液量検
出手段) 370 P1R補充ポンプ(PU741)(補充手段) 384 下限レベルセンサ(FS746)(補充液量検
出手段) 392 P2RA補充ポンプ(PU742)(補充手
段) 406 下限レベルセンサ(FS747)(補充液量検
出手段) 414 P2RB補充ポンプ(PU743)(補充手
段) 460 制御手段 1300 ボトル(写真処理剤用容器) 1302 容器本体 1304 雄ネジ(ネジ部) 1308 アルミニウムシート(シート部材) 1310 キャップ(固定部材) 1312 底部 1314 開口部 N 現像済みカラーネガフィルム P カラーペーパー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸塩の濃度が0.5〜2Mの範囲にあ
    り、カリウムイオンのナトリウムイオンに対するモル比
    率が1〜4の範囲にあり、かつpHが12.5以上であ
    る1パートの濃厚液剤により構成されたことを特徴とす
    るハロゲン化銀カラー写真感光材料用の発色現像剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 アルキル置換してもよいベンゼンスルホ
    ン酸又はその塩を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の発色現像剤組成物。
  3. 【請求項3】 組成物中にさらに下記一般式〔A〕の群
    から選ばれるアルカノ−ルアミンの少なくも一つを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発色現像剤組
    成物。一般式〔A〕 〔H(R’O)m R〕n NH(3-n) (式〔A〕中、mは0又は1、nは1〜3の整数であ
    り、Rは炭素数が2から4のヒドロキシ置換アルキレン
    基、R’は炭素数が1〜4のアルキレン基あるいはヒド
    ロキシ置換アルキレン基である。ただし、mが0の場合
    は,Rの炭素数が2であればnは2であり、Rの炭素数
    が3〜4であればnは1、2又は3である。また、mが
    1の場合は、Rの種類によらずnは1、2又は3であ
    る)。
  4. 【請求項4】 組成物中に下記一般式〔I〕で示される
    ヒドロキシルアミン誘導体の少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の発色現像剤組成
    物。 【化1】 (式〔I〕中、Lは置換してもよいアルキレン基を表わ
    し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホス
    フィン酸残基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよ
    いアミノ基、アルキル置換してもよいアンモニオ基、ア
    ルキル置換してもよいカルバモイル基、アルキル置換し
    てもよいスルファモイル基又は置換してもよいアルキル
    スルホニル基を表わし、Ra は水素原子又は置換しても
    よいアルキル基を表わす。また、LとRa が連結して環
    を形成してもよい)。
  5. 【請求項5】 組成物中に置換基の炭素数の合計が1〜
    8であるN−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜
    4に記載の発色現像剤組成物。
  6. 【請求項6】 組成物中に請求項4の一般式〔I〕で示
    されるヒドロキシルアミン誘導体の少なくとも1種と請
    求項5に記したN−アルキルヒドロキシルアミン又はそ
    の塩の少なくとも1種とを含有することを特徴とする請
    求項1〜5に記載の発色現像剤組成物。
  7. 【請求項7】 組成物中にアニオン界面活性剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜6に記載の発色現像剤組
    成物。
  8. 【請求項8】 アニオン界面活性剤が下記一般式〔II〕
    で示されるることを特徴とする請求項7に記載の発色現
    像剤組成物。 R10O(CH2CH2O) p [CH2CH(OH)CH2O] q (CH2) r V 〔II〕 (式中、R10はアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、アルキルカルボニル基を表し、p及びqは0又は1
    〜100の整数を表す。但し、p+qは1以上を表す。
    rは0又は1〜50の整数を表す。Vはrが0の場合、
    スルホン酸基、リン酸基を表す。また、rが1以上の場
    合は、スルホン酸基、リン酸基、スルホン酸エステル
    基、リン酸エステル基を表す)。
  9. 【請求項9】 シアンカプラーとしてピロロトリアゾー
    ル誘導体を含有しているハロゲン化銀カラー写真感光材
    料を請求項1〜8のいずれかに記載の発色現像剤組成物
    を用いて現像処理することを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料の現像処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156365A1 (en) * 2000-05-17 2001-11-21 Agfa-Gevaert A concentrate comprising a p-phenylenediamine derivative
US7118850B2 (en) 2002-07-22 2006-10-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Color developer replenisher and concentrated composition for color photographic material

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EP1156365A1 (en) * 2000-05-17 2001-11-21 Agfa-Gevaert A concentrate comprising a p-phenylenediamine derivative
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