JPH11194410A - 写真撮影用背景板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単且つ迅速に証明用写真と合成用写真に適
した背景色に任意切り換えられる写真撮影用背景板を提
供する。 【解決手段】 背景板を、電圧非印加時はほぼ白色で、
電圧印加時には青色に発光するエレクトロルミネセンス
から構成すると共に、該エレクトロルミネセンスの発光
面に多数の黒点から構成されたドットマトリクスを設け
て、エレクトロルミネセンスの電圧非印加時、発光面か
ら所定間隔離間した位置より該発光面が灰色に見えるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として証明用写
真並びに合成用写真を自動撮影する撮影装置において被
写体の背景に用いる背景板に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、街中に設置されている自動写真撮
影装置は、箱状の自立型ボックスに、照明器と、ＣＣＤ
カメラと、カラープリンターと、制御コンピューター等
を搭載して、ボックス内の所定の位置に座った利用者の
画像をＣＣＤカメラで取り込み、調整されたプリント条
件に従ってカラープリントするようにしている。

【０００３】このような写真撮影装置により、パスポー
トや運転免許等に使用する証明用写真を撮影する場合
は、被写体の背景の色は灰色が好ましいのに対して、合
成用写真を撮影する場合においてクロマキー処理により
被写体を撮影画面より切り取るためには、背景色を例え
ば青色若しくは緑色とするのが好ましい。

【０００４】そのため、一台の写真撮影装置により証明
用写真と合成用写真の両方を選択的に撮影しようとする
場合には、灰色の背景板と青色若しくは緑色の背景板と
を、撮影する写真の種別により、交換する必要が生じ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、一台の写真撮
影装置で証明用写真と合成用写真の両方を撮影するため
に、例えば、青色の背景板のみを使用して、証明用写真
の撮影に際しては、撮影した後の撮影データから背景の
青色部分を灰色に変換処理する方法が考えられるが、以
上の方法では、被写体の輪郭部分の処理にギザが目立っ
て、写真が不自然な仕上がりとなり、証明用写真として
の品質を損なう。本発明は以上の実情に鑑みて開発した
ものであって、目的とするところは、証明用写真と合成
用写真に適した背景色に簡単に切り換えられる写真撮影
用背景板を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに請求項１記載の発明は、証明用写真とクロマキー処
理により合成する合成用写真を撮影するための写真撮影
用背景板であって、背景板の背景色を、証明用写真の背
景に適する色と、合成用写真の背景に適する色とに切り
換え可能としたのである。

【０００７】また請求項２記載の発明は、請求項１記載
の写真撮影用背景板において、証明用写真の背景に適し
た色を灰色とし、合成用写真の背景に適した色を青色ま
たは緑色としたのである。

【０００８】また請求項３記載の発明は、背景板の背景
色を、証明用写真の背景に適する色と、合成用写真の背
景に適する色とに電気的に切り換え可能としたのであ
る。

【０００９】また請求項４記載の発明は、請求項３記載
の写真撮影用背景板において、背景板を、電圧印加時に
は青色または緑色に発光し、電圧非印加時にはその発光
面が略白色であるエレクトロルミネセンスから構成する
と共に、該エレクトロルミネセンスの発光面側に多数の
黒点から構成されたドットマトリクスを設けて、エレク
トロルミネセンスの電圧非印加時、発光面から所定間隔
離間した位置より該発光面が灰色に見えるようにしたの
である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１１】先ず図１及び図２は、屋外に設置可能とす
る自動写真撮影装置を概略的に示したものである。

【００１２】この自動写真撮影装置１は、パスポートや
免許証に用いる証明写真とクロマキー処理により合成し
た合成写真とを利用者が選択的に撮影し得るようにした
ものであって、基本的には、箱状に形成した自立型のボ
ックス２に、照明器（図示せず）と、ＣＣＤカメラ３
と、熱昇華型のカラープリンター４と、画像処理ソフト
や合成処理ソフト等を備えた制御コンピューター５と、
料金徴収器２０を搭載して成り、ボックス２内の座席２
１に座った利用者が、ボックス２内に設置した制御操作
部２２の操作ボタンを操作して、所望の写真を自動撮影
するようにしたものである。

【００１３】本発明にかかる背景板は、以上の自動写真
撮影装置における前記ボックス２内の座席２１の後方内
壁面に配設して、照明用写真若しくは合成用写真を撮影
する際の背景として用いるものであって、次にこの背景
板６を詳説する。

【００１４】図３〜図４に示す実施形態では、この背景
板６を、電圧印加時には青色に発光し、電圧非印加時は
その発光面が乳白色となるエレクトロルミネセンス７か
ら構成している。

【００１５】このエレクトロルミネセンス７は、既知の
通り、樹脂製の透明膜７１の裏面に、透明電極７２、蛍
光物質層７３、背面電極７４を順次積層して成り、また
このエレクトロルミネセンス７は、自動写真撮影装置１
の利用者の上半身がカバー出来る幅約６０ｃｍ、高さ約
８０ｃｍとした正面視長方形の大きさのものを用いてい
る。

【００１６】そしてこのエレクロルミネセンス７を前記
制御コンピューター５に接続して、利用者が制御操作部
２２の操作ボタンの操作により選択した写真の種類に応
じて、制御コンピューター５を介してエレクトロルミネ
センス７の発光を任意制御するようにしているのであっ
て、具体的には、利用者が合成写真の撮影を選択した場
合にのみ、制御コンピューター５を介してエレクトロル
ミネセンス７に所定の電圧を印加して、青色に発光させ
るようにしている。

【００１７】また図に示す実施形態では、多数の黒点か
ら構成されるドットマトリクス８１を印刷してなる透明
シート８を別途形成して、この透明シート８をエレクト
ロルミネセンス７の発光面側、具体的には前記透明膜７
１の表面に貼り付けることで、エレクトロルミネセンス
７の電圧非印加時には、発光面から所定間隔離間した位
置より該発光面が灰色に見えるようにしている。

【００１８】透明シート８に印刷するドットマトリック
ス８１は、直径１３〜１４μの円形の黒点を１平方セン
チメートル当たり２４万個配列している。以上の構造の
背景板６を備えた写真撮影装置１により、利用者が証明
写真を撮影すべく制御操作部２２の操作ボタンを操作し
た場合には、エレクトロルミネセンス７に電圧が印加さ
れず、そのためエレクトロルミネセンス７の発光面は乳
白色となったままである。

【００１９】従って、該発光面に貼り付けている透明シ
ート８のドットマトリクス８１の作用により、発光面か
ら所定間隔離間した位置からでは該発光面が灰色に見
え、灰色の背景でもって証明用写真が撮影されるのであ
る。

【００２０】一方、利用者が合成写真を撮影すべく制御
操作部２２の操作ボタンを操作した場合には、制御コン
ピュータ５を介してエレクトロルミネセンス７に所定の
電圧が印加されて、該エレクトロルミネセンス７が青色
に発光し、被写体の背景が青色となり、従ってクロマキ
ー処理により合成する合成用写真の撮影に適する背景と
なる。以上の実施形態では、ドットマトリクス８１を印
刷した透明シート８を別途形成して、この透明シート８
をエレクトロルミネセンス７の透明膜７１の表面に貼り
付けるようにしたが、ドットマトリクス８１を前記透明
膜７１の表面に直接印刷するようにしてもよい。

【００２１】また以上の実施形態では、背景板６を、電
圧印加時には青色に発光するエレクトロルミネセンス７
から構成したが、電圧印加時には緑色に発光するエレク
トロルミネセンスから構成してもよい。

【００２２】また以上の実施形態では背景板６を、エレ
クトロルミネセンス７から構成したが、これに限定され
るものではなく、例えば灰色と青色とに点灯する液晶パ
ネルやプラズマ表示パネルを用いてもよいし、あるいは
図５又は図６に示すように構成してもよい。

【００２３】即ち図５に示す実施形態では、前面が開口
する薄いケーシング９内に、青色に点灯するランプ９１
を内装して、ケーシング９の開口を白色のすりガラス９
２で覆うと共に、このすりガラス９２の表面に、前述の
多数の黒点から構成されるドットマトリクス８１を印刷
してなる透明シート８を貼り付けているのであって、以
上の背景板にあっても、ランプ９１の点灯時には、すり
ガラス９２を透して青色の背景となる一方、ランプ９１
の消灯時には灰色の背景となるのである。

【００２４】また図６に示す実施形態では、前面が開口
するケーシング９３内の両側に、モーター（図示せず）
の駆動により回転する一対のローラー９４ａ・９４ｂを
支持すると共に、これらローラー９４ａ・９４ｂ間に、
その表面を灰色と青色に塗り分けたシート９５を無端状
に架け渡している。

【００２５】尚、モーターの駆動は制御コンピュータ５
により制御するようにしている。

【００２６】斯くして以上の背景板では、制御コンピュ
ータ５からの指示に伴うモータの駆動により、ローラ９
４ａ・９４ｂが回転して、シート９５の灰色に着色した
部分若しくは青色に着色した部分が、ケーシング９３の
前面開口に位置し、撮影する写真の仕様により、背景の
色を灰色若しくは青色に切り換えることが出来るのであ
る。

【００２７】

【発明の効果】以上のごとく請求項１記載の発明によれ
ば、証明用写真とクロマキー処理により合成する合成用
写真を撮影するための写真撮影用背景板の背景色を、証
明用写真の背景に適する色と、合成用写真の背景に適す
る色とに切り換え可能としたことにより、一つの背景板
でもって証明用写真と合成用写真に適した背景色に簡単
に切り換えることが出来、無人の写真撮影装置に適する
のである。

【００２８】また請求項２記載の発明によれば、請求項
１記載の背景板において、証明用写真の背景に適した色
を灰色とし、合成用写真の背景に適した色を青色または
緑色としたことにより、請求項１記載の発明の作用効果
に加え、証明用写真と合成用写真の撮影に最も適した背
景色に迅速且つ容易に切り換えることが出来る。

【００２９】また請求項３記載の発明によれば、背景板
の背景色を、証明用写真の背景に適する色と、合成用写
真の背景に適する色とに電気的に切り換え可能としたこ
とにより、メカニカルな作動を伴うことなく、一つの背
景板でもって証明用写真と合成用写真に適した背景色に
簡単且つ迅速に切り換えることが出来る。

【００３０】また請求項４記載の発明によれば、背景板
を、電圧印加時には青色または緑色に発光し、電圧非印
加時にはその発光面が略白色であるエレクトロルミネセ
ンスから構成すると共に、該エレクトロルミネセンスの
発光面に多数の黒点から構成されたドットマトリクスを
設けて、エレクトロルミネセンスの電圧非印加時、発光
面から所定間隔離間した位置より該発光面が灰色に見え
るようにしたことにより、既存のエレクトロルミネセン
スを利用して、証明用写真の撮影に適した灰色と合成用
写真の撮影に適した青色または緑色の背景色に簡単且つ
即時に切り換えることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる背景板を適用する自動写真撮
影装置の概略正面図。

【図２】 同、構成図。

【図３】 背景板の分解斜視図。

【図４】 背景板の拡大断面図。

【図５】 背景板の別の実施形態を示す概略断面図。

【図６】 背景板の別の実施形態を示す概略説明図。

【符号の説明】

６ 背景板 ７ エレクトロルミネセンス ８１ ドットマトリクス

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】証明用写真とクロマキー処理により合成す
   る合成用写真を撮影するための写真撮影用背景板であっ
   て、背景板の背景色を、証明用写真の背景に適する色
   と、合成用写真の背景に適する色とに切り換え可能とし
   ていることを特徴とする写真撮影用背景板。
2. 【請求項２】証明用写真の背景に適した色を灰色とし、
   合成用写真の背景に適した色を青色または緑色としてい
   る請求項１または２記載の写真撮影用背景板。
3. 【請求項３】背景板の背景色を、証明用写真の背景に適
   する色と、合成用写真の背景に適する色とに電気的に切
   り換え可能としている請求項１記載の写真撮影用背景
   板。
4. 【請求項４】背景板を、電圧印加時には青色または緑色
   に発光し、電圧非印加時にはその発光面が略白色である
   エレクトロルミネセンスから構成すると共に、該エレク
   トロルミネセンスの発光面側に多数の黒点から構成され
   たドットマトリクスを設けて、エレクトロルミネセンス
   の電圧非印加時、発光面から所定間隔離間した位置より
   該発光面が灰色に見えるようにしている請求項３記載の
   写真撮影用背景板。