JPH11194331A - 空間光変調装置 - Google Patents

空間光変調装置

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JPH11194331A
JPH11194331A JP36825097A JP36825097A JPH11194331A JP H11194331 A JPH11194331 A JP H11194331A JP 36825097 A JP36825097 A JP 36825097A JP 36825097 A JP36825097 A JP 36825097A JP H11194331 A JPH11194331 A JP H11194331A
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JP
Japan
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holographic lens
lens array
light
color
holographic
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JP36825097A
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English (en)
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Hirofumi Imaoka
裕文 今岡
Shintaro Nakagaki
新太郎 中垣
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3原色に係る各ホログラフィレンズアレイ層
を3層積層し、各層のホログラフィレンズの回折・分光・
集光機能によって読出し光に含まれている対応色に係る
一方の直線偏光成分のみを回折させて液晶パネルの対応
色の色画素に照射させるカラーフィルタを用いた空間光
変調装置において、各色の照射光が隣接画素へオーバー
ラップして照射されることに起因した投写画像の色純度
の低下を防止する。 【解決手段】 各ホログラフィレンズアレイ層3r',3g',
3b'のホログラフィレンズ3re',3ge',3be'の焦点距離L
r,Lg,Lbを、ホログラフィレンズ3re',3ge',3be'の光
心相当位置と液晶パネルの画素電極層8との距離として
個別に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投写型ディスプレイ
やプロジェクタ等に適用される空間光変調装置に係り、
3原色に対応したホログラムレンズアレイ層を積層した
カラーフィルタで読出し光を回折・分光・集光する場合に
おいて、投写画像の色純度の低下を防止するための改善
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、空間光変調装置に液晶パネルを用
いた投写型ディスプレイの開発が行われており、特に、
反射型液晶パネルを適用したものは、従来の透過型液晶
パネルによる場合の開口率が50%程度であったのに対
してそれを90%以上にできることから注目されてお
り、既に一部で実施化される状況にある。
【0003】そして、本願出願人は、先の出願(特願平8
-294453号)において、回折効率に波長依存性があり、主
に一方の偏光成分のみを回折させる偏光選択性を有し、
且つ回折させた偏光を集光させる機能を備えたホログラ
ムカラーフィルタを提案し、併せてそのカラーフィルタ
を用いた反射方式の投射型カラー画像表示装置(空間光
変調装置)の提案を行なっている。図3はその空間光変
調装置の全体的構造を模式的に表した断面図であり、1
は液晶パネル、2は薄板ガラス層、3はカラーフィルタ、
5はカップリングプリズムを示す。但し、同図ではカッ
プリングプリズム5や薄板ガラス2の厚みに対してカラー
フィルタ3や液晶パネル1の光変調層部分の厚みが相対的
に大きく表現されているが、実際の構造では前者の厚み
が後者の厚みより遥かに大きくなっている。
【0004】ここに、液晶パネル1は、Si基板6上に形
成されたアクティブマトリクス駆動回路7と、そのアク
ティブマトリクス駆動回路7によって選択的に制御駆動
される画素電極8r,8g,8bを規則的に配列せしめた画素電
極層8と、誘電体ミラー膜9と、配向膜10と、スペーサで
液晶を封止した光変調層11と、配向膜12と、透明な共通
電極膜13とを順に積層させた構造を有している。尚、画
素電極8r,8g,8bはそれぞれR(赤色),G(緑色),B(青色)
の各色に対応したものであり、それらサブ画素が一組と
なって一画素を構成するものであるが、この装置ではそ
の平面的配列態様としてはストライプ配列方式が採用さ
れている。尚、各色に対応した画素電極の平面的配列態
様に関しては、前記のストライプ配列方式以外にモザイ
ク配列やデルタ配列等の方式が採用されることもある。
【0005】一方、カラーフィルタ3はR光用のホログ
ラフィレンズアレイ層3rとG光用のホログラフィレンズ
アレイ層3gとB光用のホログラフィレンズアレイ層3bの
3層構成からなり、各ホログラフィレンズアレイ層3r,3
g,3bの各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beは斜め方向か
らの入射光の内の各色に対応した波長のS偏光成分のみ
を回折して液晶パネル1の対応した各画素電極8r,8g,8b
の位置へ略垂直に集光させる機能を有している。ここ
で、各ホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bは、R,G,
Bの分光色毎に用意した各ホログラム感材に対して回折
効率に波長依存性があるホログラフィレンズ3re,3ge,3b
eを各分光色毎に記録したものであり、3枚のホログラ
フィレンズアレイ層3r,3g,3bを接合・積層させることで
カラーフィルタ3を構成しているが、各層3r,3g,3bの各
ホログラフィレンズ3re,3ge,3beの光軸はそれぞれの液
晶パネル1側の対応した各画素電極8r,8g,8bの略中央を
通過するように位置決めされており、ホログラフィレン
ズ3re,3ge,3beがそれぞれの対応色に係る画素電極の縦
横のピッチと同一ピッチで配設されている。従って、3
層を積層させた状態で平面的にみると、各色に係るホロ
グラフィレンズ3re,3ge,3beは相互間で部分的に重複し
合い、1色の画素電極のピッチに対して3色のホログラ
フィレンズ3re,3ge,3beが1/3のピッチで配設された
位置関係になっている。
【0006】そして、前記の各ホログラフィレンズ3re,
3ge,3beの機能は図4及び図5を用いて説明される。図
4は、一例として、入射光の波長を540nm、ホログラ
ム感材に対する屈折率の変調量Δnを0.03とし、読
出し光と回折光のなす角度(ベンドアングル)に対してS
偏光成分の回折効率が100%となるようにホログラム
の厚みtを設定した条件下で、P偏光成分の回折効率を
計算によって求めたものである。この図から明らかなよ
うに、ベンドアングルが大きいとS偏光成分とP偏向成
分の両方をほぼ100%回折する特性が得られ、ベンド
アングルを120°以下にするとP偏光成分の回折効率
を50%以下にすることができ、90°に近づけること
で0%にすることができる。また、その回折効率の特性
は入射光の波長に対して大きな依存性を示すが、逆にそ
の波長依存性を利用することにより、所望の波長帯域に
対してS偏光成分が100%に近い回折効率で回折さ
れ、P偏光成分の回折効率が極めて小さくなるような最
適設計を行うことができる。従って、前記のカラーフィ
ルタ3の各ホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bを、R,
G,Bの各波長帯域のS偏光成分だけを高い回折効率で
回折させると共に、その波長帯域のP偏光成分をそのま
ま透過させるような光学的機能層として構成することが
できる。
【0007】更に、入射角と回折角との関係について
は、カラーフィルタ3の製作に際してホログラム感材に
対する物体光と参照光の光軸の角度を適宜設定すること
により所望の条件を得ることができ、また各ホログラフ
ィレンズ3re,3ge,3beの集光機能についても、集光光束
とした物体光の発光点位置を適宜設定することで所望の
焦点距離を得ることができる。
【0008】ここで、図3に戻って空間光変調装置の概
略的機能を説明する。先ず、カップリングプリズム5
は、平板状のガラス板で構成されているが、その一方の
側部面が読出し光の光軸に対して垂直な入射面5aとして
形成されており、液晶パネル1側と平行な上側面が変調
された投射光の出射面5bになっている。そして、カップ
リングプリズム5の入射面5aに入射した読出し光は斜め
方向からカラーフィルタ3へ入射するが、カラーフィル
タ3の前記機能に基づいて各色のS偏光成分が液晶パネ
ル1側の対応色に係る画素電極8r,8g,8bへ集光せしめら
れ、各画素電極8r,8g,8bに印加されている信号に基づい
た光変調層11の変調動作(液晶分子の配向の変化)によっ
て変調され、変調度に応じて偏光方向が変化したP偏光
成分とS偏光成分が反射光としてカラーフィルタ3へ再
入射する。一方、カラーフィルタ3で回折されないP偏
光成分は、カラーフィルタ3をそのまま透過して画素電
極層8へ元の入射角で入射するが、画素電極層8で反射さ
れて結果的に系外へ放出される。尚、カラーフィルタ3
の集光機能について、前記には「画素電極8r,8g,8bへ集
光せしめ」としているが、この装置では誘電体ミラー膜9
が施されているために厳密にはその表面となる。しか
し、誘電体ミラー膜9は極めて薄く、実質的には画素電
極8r,8g,8bの表面と同等とみなし得るため、以降、誘電
体ミラー膜9が施されていても前記の表現を用いること
とする。
【0009】次に、カラーフィルタ3へ再入射した変調
後の反射光は、カラーフィルタ3がS偏光成分のみを回
折させる特性を有しているため、変調を受けたP偏光成
分はそのまま透過してカップリングプリズム5の出射面5
bから出射され、S偏光成分は光逆進の法則に基づいて
読出し光の入射方向へ回折される。そして、出射された
P偏光成分は変調投射光として投射光学系でスクリーン
上へ導かれてカラー画像を構成し、回折せしめられたS
偏光成分は光源側への戻り光となる。
【0010】尚、図3の空間光変調装置の構造では、カ
ップリングプリズム5がカラーフィルタ3の入射面に対し
てそのまま接合されているが、カラーフィルタ3の保護
層としてBK-7等のガラス層が介装されることがあ
る。その場合、ガラス層とカップリングプリズム5の屈
折率が異なっていると、両者の間での入出射光が屈折す
ることになるが、それに対応させて光源側からの読出し
光の入射角やカップリングプリズム5の入射面5aの角度
を適宜設定すれば、結果的にカラーフィルタ3の機能を
前記と同様の条件で発揮させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のカラ
ーフィルタ3は回折機能と分光機能と集光機能を併有し
ているが、特願平8-294453号ではその集光機能について
単に「画素電極8r,8g,8bへ集光させる」とだけ説明してお
り、各ホログラフィレンズ3re,3ge,3beの焦点距離につ
いては言及していなかった。そして、実際の装置におい
ても、薄板ガラス層2の厚みがカラーフィルタ3の厚みに
対して遥かに大きいために各ホログラフィレンズアレイ
層3r,3g,3bに記録されるホログラフィレンズ3re,3ge,3b
eの焦点距離を同一に設定しても大差がないと考え、そ
の条件で各ホログラフィレンズアレイ層3r,3g,3bを作成
していた。
【0012】しかし、そのようにホログラフィレンズ3r
e,3ge,3beの焦点距離を同一にしたカラーフィルタ3を構
成すると、当然に各層3r,3g,3bで回折・集光せしめられ
るS偏光成分の結像位置が相違することになる。図5は
その状態の模式的に示したものであり、一例として、各
ホログラフィレンズ3re,3ge,3beの焦点距離を一律のL
に設定し、最下層に相当するホログラフィレンズアレイ
層3bのホログラフィレンズ3beがS偏光成分を画素電極
層8の表面に正規な状態で結像させる条件にすると、他
層3g,3rのホログラフィレンズ3ge,3reによる結像位置は
それぞれホログラフィレンズアレイ層の厚み分及びその
2倍分だけ画素電極層8の表面より手前側へずれること
になる。
【0013】その場合、ホログラフィレンズ3beが回折
させたS偏光成分は画素電極8bの領域内に結像される
が、ホログラフィレンズ3ge,3reが回折させたS偏光成
分は一旦集束した後に発散光束となって画素電極層8に
達することになり、且つ各ホログラフィレンズ3re,3ge,
3beのサイズは各画素電極8r,8g,8bのサイズに対して3
倍になっているため、各ホログラフィレンズアレイ層3
r,3g,3bの厚みや焦点距離Lの設定条件によっては、図
5に示されるように、前記の各発散光束による照射領域
が画素電極8g,8rの領域より大きくなって隣接した画素
電極にオーバーラップしてしまう。そして、その具体的
な照射状態を画素電極層8の平面図で見ると図6のよう
になり、ホログラフィレンズ3beが回折させたS偏光成
分の照射領域(散点領域)は画素電極8bの配設領域内にな
っているのに対し、ホログラフィレンズ3geが回折させ
たS偏光成分の照射領域(右下がり斜線領域)は隣接した
画素電極8r,8bの配設領域へ僅にオーバーラップし、ホ
ログラフィレンズ3reが回折させたS偏光成分の照射領
域(左下がり斜線領域)は隣接した画素電極8b,8gの配設
領域へ相当に大きくオーバーラップした状態になってい
る。
【0014】従って、各ホログラフィレンズ3re,3ge,3b
eが回折・分光したR,G,B色に係るS偏光成分は必ず対
応色に係る各画素電極8r,8g,8bに照射されねばならない
のであるが、その一部が他色の画素電極に照射されてい
ることになり、各色画素において変調された後のP偏光
成分には他色のP偏光成分が混在するため、結果的に投
写画像の色純度が低下して色再現性の劣化を招く。そこ
で、本発明は、カラーフィルタ3における各ホログラフ
ィレンズアレイ層のホログラフィレンズ3re,3ge,3beの
焦点距離を厳密に設定し、前記の問題点を解消した空間
光変調装置を提供することを目的として創作された。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、3原色に係る
色画素を所定順序で平面的に配設し、入射光を前記画素
単位で変調する液晶パネルと、入射する不定偏光におけ
る1原色光の波長帯域にある一方の直線偏光成分のみを
主に回折・分光して集光させるホログラフィレンズが前
記液晶パネルの対応色に係る色画素と同一ピッチで記録
されたホログラフィレンズアレイ層を3原色分について
作成し、その3枚のホログラフィレンズアレイ層を各層
のホログラフィレンズが前記液晶パネルの対応色に係る
色画素の配設態様と一致する条件で積層されたカラーフ
ィルタとを具備し、前記液晶パネルと前記カラーフィル
タを各原色に係る画素とホログラフィレンズが対向する
ように一定の光学距離を隔てて平行に配置させた空間光
変調装置において、前記カラーフィルタの各ホログラフ
ィレンズアレイ層に記録されているホログラフィレンズ
の焦点距離が、個々のホログラフィレンズアレイ層にお
けるホログラフィレンズの光心相当位置と前記液晶パネ
ルの画素配設表面との距離に設定されていることを特徴
とした空間光変調装置に係る。
【0016】この発明によれば、カラーフィルタの各ホ
ログラフィレンズアレイ層に記録されているホログラフ
ィレンズの焦点距離を個別に設定し、3枚のホログラフ
ィレンズアレイ層のホログラフィレンズから出射される
直線偏光成分がそれぞれ正規の条件で液晶パネルの対応
色に係る画素表面に結像するようにしているため、各画
素表面の領域内に対応色に係る直線偏光成分が照射され
る。従って、全てのホログラフィレンズが回折させた直
線偏光成分は、従来技術のように対応する画素表面に隣
接した画素にオーバーラップして照射されることがな
く、投写画像の色純度の低下を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空間光変調装置の
実施形態を図1及び図2を用いて説明する。先ず、図1
はこの実施形態が適用するカラーフィルタ3'によるS偏
光成分の回折・分光・集光機能を模式的に示したものであ
り、従来技術の説明で用いた図5に対応する図である。
従って、本発明の空間光変調装置の全体的構造は図3と
同様であるが、そのカラーフィルタ3が前記のカラーフ
ィルタ3'に置き換えられる。
【0018】この実施形態の特徴は、図1に示されるよ
うに、カラーフィルタ3'の各ホログラフィレンズアレイ
層3r',3g',3b'に記録されているホログラフィレンズ3r
e',3ge',3be'の焦点距離が各層毎に個別に設定されてい
る点にある。具体的には、ホログラフィレンズ3re'の焦
点距離はLrに、ホログラフィレンズ3ge'の焦点距離は
Lgに、ホログラフィレンズ3be'の焦点距離はLbにそれ
ぞれ設定されており、各焦点距離Lr,Lg,Lbはそれぞ
れホログラフィレンズ3re',3ge',3be'の光心相当位置と
画素電極層8の表面との間の距離に設定されている。従
って、各ホログラフィレンズ3re',3ge',3be'の光心相当
位置がホログラフィレンズアレイ層3r',3g',3b'の厚み
の中心にあり、各ホログラフィレンズアレイ層3r',3g',
3b'が同一の厚みtになっていると仮定した場合におい
て、薄板ガラス層2の厚みをTとすれば、Lr=T+(5
t/2),Lg=T+(3t/2),Lb=T+(t/2)と
なり、Lr=Lb+2t,Lg=Lb+tの関係になってい
る。
【0019】また、そのようにホログラフィレンズ3r
e',3ge',3be'に異なる焦点距離Lr,Lg,Lbを具有させ
たホログラフィレンズアレイ層3r',3g',3b'は、各層3
r',3g',3b'の素材となるホログラム感材に対してホログ
ラフィレンズ3re',3ge',3be'を記録する際に、参照光の
発光点位置を焦点距離Lr,Lg,Lbに対応させて適宜設
定することで実現できる。
【0020】この実施形態のカラーフィルタ3'によれ
ば、図1に示すように、各ホログラフィレンズアレイ層
3r',3g',3b'の各ホログラフィレンズ3re',3ge',3be'が
それぞれR,G,Bの波長帯域にあるS偏光成分を回折さ
せ、画素電極層8の対応色に係る画素電極8r,8g,8bの表
面に対して正規な状態で集光結像させることができ、そ
の結像による照射条件は全ての画素電極で同一となる。
そして、その照射状態を画素電極層8の平面図で見ると
図2のようになり、各原色のS偏光成分は対応色に係る
画素電極8r,8g,8bの配設領域内に照射され、従来技術
(図6)で示したようにR,GのS偏光成分が隣接した他
色の画素電極にオーバーラップして照射されてしまうこ
とはない。
【0021】その結果、各色画素において変調された後
のP偏光成分には他色のP偏光成分が混在することがな
く、従来技術の問題点を解消して、投写画像の色再現特
性を高く保った空間光変調装置を実現できる。尚、この
実施形態では、液晶パネル1が透過型である図3の空間
光変調装置に対してカラーフィルタ3'を適用した場合に
ついて説明したが、液晶パネル側が透過型として構成さ
れた透過式の空間光変調装置にも適用できる。また、こ
の実施形態で用いたカラーフィルタ3'は読出し光のS偏
光成分を回折してP偏光成分を透過させる偏光選択特性
を有しているが、その特徴は各ホログラフィレンズアレ
イ層3r',3g',3b'に記録されるホログラフィレンズ3re',
3ge',3be'の焦点距離の設定条件に限られており、逆の
偏光選択特性を有しているものについても適用できる。
更に、この実施形態では、図3の空間光変調装置と同様
に画素電極8r,8g,8bの平面的配列態様をストライプ配列
方式とした場合について説明しているが、その原理から
モザイク配列やデルタ配列等の方式の場合にも適用でき
ることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】本発明の空間光変調装置は、以上の構成
を有していることにより、次のような効果を奏する。カ
ラーフィルタと液晶パネルを具備した空間光変調装置
で、カラーフィルタが3原色に係る3層のホログラフィ
レンズアレイ層を積層させたものであって、各ホログラ
フィレンズアレイ層に記録されたホログラフィレンズが
読出し光に含まれている対応色に係る一方の直線偏光成
分のみを回折させて液晶パネルの対応色の色画素に集光
させるものである場合ににおいて、各ホログラフィレン
ズアレイ層のホログラフィレンズの焦点距離を個別に設
定し、各層で回折された各原色光の直線偏光成分が液晶
パネル側の対応色に係る色画素の領域内に正確に結像す
るようにしたため、投写画像の色純度の低下をなくして
色再現性に優れた空間光変調装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空間光変調装置の実施形態に係るカラ
ーフィルタの機能を模式的に示した図である。
【図2】実施形態の装置において、液晶パネルの各画素
電極に対する各原色光のS偏光成分の照射状態を平面的
に示した図である。
【図3】従来技術における空間光変調装置(特願平8-294
453号)の全体的構造を模式的に表した断面図である。
【図4】ホログラムについて、入射光の波長λ=540
nm,屈折率の変調量Δn=0.03とし、厚みtを変化
させてS偏向成分の回折効率ηsを100%に保ちなが
ら、ベンドアングルを変化させた場合のP偏向成分の回
折効率ηsの変化を示すグラフである。
【図5】従来技術におけるカラーフィルタの機能を模式
的に示した図である。
【図6】従来技術において、液晶パネルの各画素電極に
対する各原色光のS偏光成分の照射状態を平面的に示し
た図である。
【符号の説明】
1…液晶パネル、2…薄板ガラス層、3,3'…カラーフィル
タ、3r,3g,3b,3r',3g',3b'…ホログラフィレンズアレイ
層、3re,3ge,3be,3re',3ge',3be'…ホログラフィレン
ズ、5…カップリングプリズム、5a…入射面、5b…出射
面、6…Si基板、7…アクティブマトリクス駆動回路、8
…画素電極層、8r,8g,8b…画素電極、9…誘電体ミラー
膜、10,12…配向膜、11…光変調層(液晶層)、13…共通
電極膜、L,Lr,Lg,Lb…ホログラフィレンズの焦点距
離、T…薄板ガラス層の厚み、t…ホログラフィレンズ
アレイ層の厚み。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3原色に係る色画素を所定順序で平面的
    に配設し、入射光を前記画素単位で変調する液晶パネル
    と、入射する不定偏光における1原色光の波長帯域にあ
    る一方の直線偏光成分のみを主に回折・分光して集光さ
    せるホログラフィレンズが前記液晶パネルの対応色に係
    る色画素と同一ピッチで記録されたホログラフィレンズ
    アレイ層を3原色分について作成し、その3枚のホログ
    ラフィレンズアレイ層を各層のホログラフィレンズが前
    記液晶パネルの対応色に係る色画素の配設態様と一致す
    る条件で積層されたカラーフィルタとを具備し、前記液
    晶パネルと前記カラーフィルタを各原色に係る画素とホ
    ログラフィレンズが対向するように一定の光学距離を隔
    てて平行に配置させた空間光変調装置において、前記カ
    ラーフィルタの各ホログラフィレンズアレイ層に記録さ
    れているホログラフィレンズの焦点距離が、個々のホロ
    グラフィレンズアレイ層におけるホログラフィレンズの
    光心相当位置と前記液晶パネルの画素配設表面との距離
    に設定されていることを特徴とした空間光変調装置。
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