JPH1119361A - 縫製用ミシンの糸寄せ装置 - Google Patents

縫製用ミシンの糸寄せ装置

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JPH1119361A
JPH1119361A JP18385997A JP18385997A JPH1119361A JP H1119361 A JPH1119361 A JP H1119361A JP 18385997 A JP18385997 A JP 18385997A JP 18385997 A JP18385997 A JP 18385997A JP H1119361 A JPH1119361 A JP H1119361A
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JP
Japan
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sewing
thread
needle
threads
puller
Prior art date
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Application number
JP18385997A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sakamoto
眞一 坂本
Hiroshi Oda
洋 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目飛びのない、良好な縫製を行うことができ
る縫製用ミシンの糸寄せ装置を提供すること。 【解決手段】 糸寄せ具10のV字状に開口する糸寄せ
部11の中央部に、縫い糸5a,5bを挿入可能とする
挿入部12を形成し、この挿入部12に縫い糸5a,5
bを挿入することで、前記糸寄せ具10より上方に位置
する前記2本の縫い糸5a,5bを、上下に密接させる
ことで、上方から視た場合に、前記2本の縫い糸5a,
5bの間には隙間が形成されることはなく、しかも、前
記挿入部12に縫い糸5a,5bが挿入されることか
ら、糸寄せ部11の縫い糸5a,5bが外側に広がるの
が防止されるので、下降してくる縫針1が前記2本の縫
い糸5a,5bの間に進入することがなく、よって目飛
び不良の発生を確実に防止して、良好な縫製を行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紳士・婦人服上衣
等の生地にボタンを単糸環縫によって縫製するミシンに
おける糸寄せ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のボタン縫製用ミシンの糸
寄せ装置として、例えば図13に示すものが知られてい
る。すなわち、図13において、符号1はミシンアーム
内に設けた昇降手段を介して一定経路を上下に往復動す
る縫針、2はボタンを縫い付けるための生地で、この生
地2は図示しない生地ガイドとともに横方向への移動が
可能となっている。
【0003】符号4は、縫針1が下死点に達したとき、
縫い糸5a,5bを拾い取るルーパ、6は糸寄せ具であ
り、6bは糸寄せ具におけるV字状の糸寄せ部6aの最
深部の稜線である。そして、縫針1が下死点に達する直
前において、詳しくは縫針1の先端部が糸寄せ具6の上
面と略面一になったタイミングで、糸寄せ具6が正面か
ら視て左方に移動することにより、その先端の糸寄せ部
6aで2本の縫い糸をひっかけ、糸寄せ部6aの最深部
の稜線6bに寄せ集める。
【0004】このとき、寄せ集められた2本の縫い糸5
a,5bは縫針1の上下動経路に対して傾斜した姿勢
で、その上下動経路の側方に退避することになる。それ
ゆえに、2本の縫い糸5a,5bの上方部分が互に寄せ
られた状態で、縫針1の上下動経路の側方側に変位し、
これによって、縫針1が2本の縫い糸5a,5bの間に
落ち込むのを防止するようにしている(図13(a)参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の糸寄せ装置では、糸寄せ部6aがV字形状になって
いるため、この糸寄せ部6aに縫い糸5a,5bを寄せ
ると、該縫い糸5a,5bは、図13(a)に示すよう
に平面視において、V字の中心部に横方向に並んだ状態
となる。また、前記糸寄せ部6aに寄せ集められた2本
の縫い糸5a,5bの前記糸寄せ部6aより下方では、
図13(c)に示すように、該2本の縫い糸5a,5b
が略三角形を形成するが、このとき、縫い糸5a,5b
にある程度のテンションがかかっているので、糸寄せ部
6aの縫い糸5a,5bが外側に広がる傾向にある。し
たがって、前記糸寄せ部6aより上方にある前記2本の
縫い糸5a,5bの間には、隙間が形成され易く、しか
も、例えばボタン穴が複数ある場合に、ボタンの縫い形
状によっては、図14に示すように、縫い糸5a,5b
の位置が変わることがあり、この場合に、縫い糸5a,
5bの間に、下降してくる縫針が進入して、目飛び不良
が発生する可能性があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、縫針が下降する際に、前記2本の縫い糸の間に進入
することを防止して、目飛びのない、良好な縫製を行う
ことができる縫製用ミシンの糸寄せ装置を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の縫製用ミシンの糸寄せ装置は、
一定経路を上下に往復動する縫針と、当該縫針が下死点
に達し上昇し始めた時点で縫い糸のループを拾い取るル
ーパと、前記縫針が下死点に達する直前において、生地
と前記ルーパとの間に掛け渡しされた2本の縫い糸の途
中部分を寄せ集めて前記縫針の往復動経路から退避させ
るように運動する糸寄せ具とを備えた縫製用ミシンにお
いて、前記糸寄せ具を、前記2本の縫い糸の途中部分を
寄せ集めた際に、該糸寄せ具より上方に位置する前記2
本の縫い糸を、上下に密接させるように構成したもので
ある。
【0008】請求項1の縫製用ミシンの糸寄せ装置にあ
っては、生地とルーパとの間に掛け渡しされた2本の縫
い糸の途中部分を糸寄せ具によって寄せ集めて縫針の往
復動経路から退避させた際に、前記糸寄せ具より上方に
位置する前記2本の縫い糸は上下に密接するので、上方
から視た場合に、前記2本の縫い糸の間には隙間が形成
されることはない。したがって、前記2本の縫い糸の間
に、下降してくる縫針が進入して目飛び不良が発生する
ことはない。
【0009】なお、前記糸寄せ具を、前記2本の縫い糸
の途中部分を寄せ集めた際に、該糸寄せ具より上方に位
置する前記2本の縫い糸を、上下に密接させるように構
成するには、例えば、横方向に並んで寄せ集められた2
本の縫い糸を、縦方向から押さえ付けることで、縦方向
(上下方向)に寄せ集めなおすことができるように糸寄
せ具を構成してもよいし、請求項2における糸寄せ具の
ように構成してもよい。
【0010】請求項2の縫製用ミシンの糸寄せ装置は、
請求項1において、前記糸寄せ具を、縫い糸を寄せ集め
る方向にV字状に開口する糸寄せ部を有した構成とし、
この糸寄せ部の中央部に、前記縫い糸を挿入可能とする
挿入部を形成し、この挿入部が、縫い糸の直径とほぼ等
しいか、若干大きい幅を有し、かつ、縫い糸を少なくと
も1本挿入可能な深さを有することで、前記糸寄せ具よ
り上方に位置する前記2本の縫い糸を、上下に密接させ
るようにしたものである。
【0011】請求項2の縫製用ミシンの糸寄せ装置にあ
っては、生地とルーパとの間に掛け渡しされた2本の縫
い糸の途中部分を糸寄せ具によって寄せ集めた際に、こ
れら2本の縫い糸の1本または2本が挿入部に挿入され
る。したがって、2本の縫い糸は糸寄せ部において横方
向に並ぶことなく縦方向に重なり、よって、糸寄せ具よ
り上方に位置する前記2本の縫い糸は上下に密接するの
で、上方から視た場合に、前記2本の縫い糸の間には隙
間が形成されることはなく、しかも、前記挿入部に縫い
糸が挿入されることから、糸寄せ部の縫い糸が外側に広
がるのが防止される。したがって、前記2本の縫い糸の
間に、下降してくる縫針が進入して目飛び不良が発生す
ることはない。
【0012】なお、前記糸寄せ部の中央部に形成される
挿入部は、例えば、糸寄せ部の中央部に形成された溝で
あるが、この溝の幅は縫い糸の直径とほぼ等しいか若干
大きく形成しておく。また、溝の深さは、縫い糸の直径
以上であればよい。さらに、前記溝は、糸寄せ部の厚さ
全体に形成してもよいし、厚さの一部に形成してもよ
い。
【0013】また、挿入部の幅と深さが上記のように設
定されているので、該挿入部には、少なくとも1本の縫
い糸が確実に挿入されるので、糸寄せ部において、2本
の縫い糸を確実に縦方向に重ねることができる。なお、
前記挿入部の深さが縫い糸の直径とほぼ等しい場合、該
挿入部には1本の縫い糸が挿入され、この縫い糸の外側
に他の縫い糸が縦方向に重なり、また、挿入部の深さが
縫い糸の直径のほぼ2倍またはそれ以上である場合、該
挿入部に2本の縫い糸が縦方向に重ねられて挿入され
る。
【0014】請求項3の縫製用ミシンの糸寄せ装置は、
一定経路を上下に往復動する縫針と、当該縫針が下死点
に達した時点で縫い糸のループを拾い取るルーパと、前
記縫針が下死点に達する直前において、生地と前記ルー
パとの間に掛け渡しされた2本の縫い糸の途中部分を寄
せ集めて前記縫針の往復動経路から退避させるように運
動する糸寄せ具とを備えた縫製用ミシンにおいて、前記
糸寄せ具によって2本の縫い糸を引っ掛ける位置P1と
縫針が下降してその先端が前記2本の縫い糸の側方を略
通過する時の糸寄せ具の平面視におけるP5とを結んだ
線Lと、前記位置P5とルーパで縫い糸のループを拾い
取る時の糸寄せ具の平面視における位置P2とを結んだ
線Mとが、縫針の上下位置P4から前記線Lが離れるよ
うに曲がった軌跡で糸寄せ具を駆動する駆動手段を備え
たものである。
【0015】したがって、請求項3の縫製用ミシンの糸
寄せ装置にあっては、糸寄せ具によって2本の縫い糸を
引っ掛けてから、縫針の先端部が前記2本の縫い糸の側
方を略通過するまでの糸寄せ具の移動軌跡が、縫針の位
置から十分離間するので、糸寄せ具より上方にある2本
の縫い糸は、前記縫針の下降点から離れた位置を通るこ
とになり、よって、前記2本の縫い糸の間に、下降して
くる縫針が進入して目飛び不良が発生することはない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の縫
製用ミシンの糸寄せ装置の実施の形態例について説明す
る。 (第1実施形態例)図1は、本発明に係る糸寄せ装置を
備えた縫製用ミシンの要部を示す斜視図、図2(a)は
同平面図、図2(b)は同正面図、図2(c)は同側面
図である。なお、図1においては生地2を省略してあ
り、図2においてはボタンを省略してある。
【0017】図1および図2に示す縫製用ミシンは、一
定経路を上下に往復動する縫針1と、当該縫針1が下死
点に達した時点で縫い糸5a,5bのループを拾い取る
ルーパ4と、前記縫針1が下死点に達する直前におい
て、生地2と前記ルーパ4との間に掛け渡しされた2本
の縫い糸5a,5bの途中部分を寄せ集めて前記縫針1
の往復動経路から退避させるように運動する糸寄せ具1
0とを備えている。
【0018】前記ルーパ4は、先端部が爪状に形成され
た第1糸掛け部4aと、外周面が曲面状に形成された第
2糸掛け部4bと、軸部4cとを備えており、ミシンベ
ッドの内部で、ルーパ軸の前端部に軸部4cを介して取
付けられ、ミシンの作動時にルーパ軸の回転によって、
反時計方向に回転運動し、前記縫針1と共働して縫い目
を形成するものである。
【0019】前記糸寄せ具10は、図示しないミシンの
針板と前記ルーパ4との間に介装されて、矢印A−B方
向への左進・右退運動を行うもので、縫針1の下降時に
は、矢印A方向へ進んで、生地と前記ルーパ4との間に
掛け渡しされた2本の縫い糸(ループ部)の途中部分を
引っ掛けて縫針1の下降位置の側方に寄せるように作用
し、また、前記縫針1の上昇時には、矢印B方向へ退く
ように構成されている。
【0020】ここで、前記構成の縫製用ミシンによって
生地2にボタンを縫い付ける方法について説明する。ま
ず、ボタンの一方の穴に入っていた縫針1が、その下死
点位置より僅かに上昇運動を始めたときに、縫針1の先
端部の裏側に縫い糸のループ部が作られ、このループ部
にルーパ4の第1糸掛け部4aの先端が進入する。この
とき、第1糸掛け部4aと第2糸掛け部4bとの間に前
工程での縫い糸5a,5bのループ部を掛けた状態とな
っており、また、糸寄せ具10は、前工程のループ部を
寄せるように左進している。
【0021】次いで、縫針3がボタンの一方の穴から上
昇していくときに、前記ルーパ4は第1糸掛け部4aで
縫い糸5a,5bのループ部を広げながら前工程でのル
ープ部を糸掛け部4aの後側から外していく。このと
き、糸寄せ具10は縫針1の上昇に伴って右退してい
く。
【0022】続いて、上死点位置から下降するときに、
ボタンと生地2が、ミシン内部に備えれている送り機構
によって送られて、ボタンの他方の穴が縫針1の直下部
に位置することになる。このとき、ルーパ4は反時計方
向に回転して縫い糸5a,5bのループ部を第1糸掛け
部4aから第2糸掛け部4b側へ移動させる。このと
き、先に外した前工程のループ部は上方に引き上げられ
て締められていく。また、これと同時に、糸寄せ具10
は、ループ部の途中部分を引っ掛けて縫針1の下降に支
障とならない位置に寄せるように左進する。
【0023】次に、縫針1が下降してボタンの他方の穴
に進入するにしたがって、前工程での縫い糸5a,5b
のループが締められて結び目(縫い目)が形成される。
また、これと同時に、縫い糸5a,5bのループ部が、
ルーパ4の第1糸掛け部から第2糸掛け部4b側へ移動
していき、生地2の下面から糸寄せ具10にかけて斜め
に張られた状態となっている。次いで、ボタンの他方の
穴に入っていた縫針1が、その下死点より僅かに上昇運
動を始めたときに、該縫針1の先端部の裏側に新たに次
のループ部が形成され、これ以降は、上記と同様にして
縫い付けを行う。
【0024】このようにしてボタンの縫い付けを行う際
において、前記糸寄せ具10は、生地2と前記ルーパ4
との間に掛け渡しされた2本の縫い糸(ループ部)5
a,5bの途中部分を引っ掛けて縫針1の下降位置の側
方に寄せるように作用するが、該2本の縫い糸5a,5
bの途中部分を引っ掛けて寄せ集めた際に、該糸寄せ具
10より上方に位置する前記2本の縫い糸5a,5b
を、上下に密接させるように構成されている。
【0025】すなわち、前記糸寄せ具10の先端部に
は、縫い糸5a,5bを寄せ集める方向に略V字状に開
口した糸寄せ部11が形成されており、この糸寄せ部1
1の中央部、言い換えれば糸寄せ部11の最深部には、
縫い糸5a,5bを挿入可能とする挿入部12が形成さ
れている。前記挿入部12は溝であり、該溝12の幅
は、縫い糸5a,5bの直径とほぼ等しいか、若干大き
く設定されており、溝12の深さは、縫い糸5a,5b
の直径の約2倍程度に設定されている。
【0026】上記のように糸寄せ具10を構成すれば、
生地2とルーパ4との間に掛け渡しされた2本の縫い糸
5a,5bの途中部分を糸寄せ具10によって寄せ集め
た際に、これら2本の縫い糸5a,5bが糸寄せ具10
の挿入部12に挿入される。したがって、2本の縫い糸
5a,5bは挿入部12中において、横方向に並ぶこと
なく縦方向に重なるので、該糸寄せ具10より上方に位
置する前記2本の縫い糸5a,5bは上下に密接するこ
とになる。よって、上方から視た場合に、前記2本の縫
い糸5a,5bの間には隙間が形成されることはなく、
しかも、前記挿入部12に2本の縫い糸5a,5bが挿
入されることから、糸寄せ部11において縫い糸5a,
5bが外側に広がるのを防止することができる。したが
って、下降してくる縫針1が前記2本の縫い糸5a,5
bの間に進入して目飛び不良が発生するのを防止して、
確実な縫い付けを行うことができる。
【0027】なお、上記の例では、前記挿入部(溝)1
2を、糸寄せ部11の厚さ全体に形成したが、これに限
ることなく、例えば、図3に示すように、糸寄せ部11
の下面から上面に向かうほど、溝12の底部に向けて傾
斜するように形成してもよいし、図4に示すように、糸
寄せ部11の上面側の厚さの一部に形成してもよいし、
さらには、図5に示すように、挿入部12を平面視にお
いて、略円状に形成してもよい。
【0028】(第2実施形態例)図6〜図8は、本発明
の縫製用ミシンの糸寄せ装置の第2例を示すものであ
る。この第2例が前記第1例と異なる点は、前記糸寄せ
具10の糸寄せ部11の構成であるので、この点につい
てのみ説明し、他の構成の説明は省略する。すなわち、
本例では、糸寄せ部11が、糸寄せ部本体15と、この
糸寄せ部本体15の上面に回転自在に取付けられた回転
アーム16とを備えた構成となっている。
【0029】前記回転アーム16は、鎌形状をなすもの
で、その中央部が前記糸寄せ部本体15に軸17によっ
て回転自在に支持され、回転アーム16が開いた状態で
は、該回転アーム16の鎌部16aが糸寄せ部本体15
の先端面から突出して、該先端面と鎌部16aとの間
に、縫い糸5a,5bを寄せ集める開口を形成し、一
方、回転アーム16が閉じた状態では、鎌部16aが糸
寄せ部本体15の先端面に当接して、縫い糸5a,5b
を縦方向に並べ直すようになっている。前記回転アーム
16の基端部には、ピン16bが立設されており、この
ピン16bは、固定ブロック18に形成された案内溝1
8aに摺動自在に挿入されている。なお、前記固定ブロ
ック18は、図示しないミシンのベッドに固定されてい
る。
【0030】そして、上記構成の糸寄せ具10では、こ
れを縫い糸を寄せ集める方向に移動させると、図7に示
すように、糸寄せ部本体15の先端面と鎌部16aとの
間に、2本の縫い糸5a,5bを横方向に並んだ状態で
寄せ集め、さらに、糸寄せ具10が進むことで、図8に
示すように、前記ピン16bが相対的に矢印方向に押さ
れることで、鎌部16aが前記軸17を支点として、閉
じる方向に回転して、寄せ部本体15の先端面に当接す
る。これにより、前記横方向に並んだ状態で寄せ集めら
れた2本の縫い糸5a,5bは、鎌部16aによって縦
方向に並べ直される。したがって、上記第1例の場合と
同様に、糸寄せ具10より上方に位置する前記2本の縫
い糸5a,5bは上下に密接することになるので、上方
から視た場合に、前記2本の縫い糸5a,5bの間には
隙間が形成されることはなく、しかも、2本の縫い糸5
a,5bは鎌部16aと糸寄せ部本体15の先端面によ
って挟まれるので、縫い糸5a,5bが外側に広がるの
を防止することができる。よって、下降してくる縫針1
が前記2本の縫い糸5a,5bの間に進入して目飛び不
良が発生するのを防止して、確実な縫い付けを行うこと
ができる。
【0031】(第3実施形態例)図9〜図12は本発明
の縫製用ミシンの糸寄せ装置の第3例を説明するための
ものである。本例は、糸寄せ具10(正確には、糸寄せ
部11の最深部)の移動軌跡を、従来と変更すること
で、糸寄せ部11より上方にある2本の縫い糸5a,5
bの間に、縫針1が進入するのを防止するようにしたも
のであるので、まず、従来の糸寄せ部11の移動軌跡に
ついて説明する。
【0032】すなわち、図9は、糸寄せ部11の最深部
(以下、最深部Aと略称する)の移動軌跡を示すもの
で、該最深部Aは、平面視略三角形状を描くようにして
移動する。図9においてP1で示す点は、糸寄せ具10
で縫い糸5a,5bを引っ掛けた際における最深部Aの
位置、P2で示す点はルーパ4で縫い糸5a,5bを拾
い取った際における最深部Aの位置(言い換えると、糸
寄せ具10で縫い糸を寄せ集めて縫針1の往復動経路か
ら退避させた際における最深部Aの位置)、P3で示す
点は糸寄せ具10の最深部Aが縫針1と干渉しない位置
であり、従来はP1とP2間は略直線状の移動軌跡であ
った。
【0033】そして、糸寄せ具10はその最深部Aが上
記のような移動軌跡を描くようにして移動するが、前記
最深部Aが縫針1の下降点P4近傍を通るとき、糸寄せ
部11より上方にある2本の縫い糸5a,5bが、前記
下降点P4の近傍を通るので、このときに、前記2本の
縫い糸5a,5bの間に、縫針1が進入する可能性があ
るのである。特に、学生服に付けるシャンクボタンの縫
製は、縫製時のボタン穴の位置及び縫い目の結接位置が
図1に示す平ボタンより高い位置となるため、縫い糸5
a,5bを糸寄せする前に縫針1が縫い目位置に達する
ので、両糸5a,5bの間に縫針1が進入して目飛びが
生じ易い。
【0034】そこで、本例では、図10に示すように、
まず、前記P3からP1までの最深部Aの移動軌跡を短
く設定するとともに、P1からP5までの最深部Aの移
動軌跡Lを、縫針1の下降点P4から十分離間させてい
る。前記P5で示す点は、縫針1の先端部が前記2本の
縫い糸5a,5bの側方を下方に略通過する際における
最深部Aの位置である。したがって、最深部Aによって
2本の縫い糸5a,5bを引っ掛けてから、縫針1の先
端部が前記2本の縫い糸5a,5bより側方を通過する
際の最深部Aの移動軌跡Lが、縫針1の位置から十分離
間するので、最深部Aより上方にある2本の縫い糸5
a,5bは、前記下降点P4から離れた位置を通ること
になり、よって、該2本の縫い糸5a,5bの間に、縫
針1が進入することがないので、目飛び不良が発生する
のを防止して、確実な縫い付けを行うことができる。
【0035】前記最深部AがP5で示す点に達した後、
移動方向を曲げて該最深部Aを従来と同じP2点で示す
位置まで移動させる必要があるので、該最深部Aの移動
軌跡をP5からP2まで線Mを移動することで、最深部
Aを縫針1側に近付け、ルーパ4で縫い糸5a,5bの
ループを拾い取れるようにする。さらに、P2からP3
までは従来と同様な移動軌跡を描かせる。前記最深部A
に上記のような軌跡を描かせるには、糸寄せ具10を、
例えば図11および図12に示すような機構によって移
動させることで行う。なお、点P1は糸寄せ部11の設
計長さにより移動することがあり、線Lの傾きが変化す
ることもあるが、点P5で線LとMが曲がる点は変わら
ない。
【0036】前記機構について説明すると、まず、糸寄
せ具10は、その先端部に略V字状の糸寄せ部11を有
するような平板状に形成され、該糸寄せ具10の基端部
には長円状のガイド溝20が形成されている。前記糸寄
せ具10の両側端面および下面は、ガイド板21によっ
て支持されている。このガイド板21、矢印Y−Y1方
向には固定であり、矢印X−X1方向には移動可能とな
っている。また、糸寄せ具10はガイド板21に矢印Y
方向に摺動自在に取付けられている。
【0037】さらに、前記糸寄せ具10の下方には、回
転軸22が矢印Y−Y1方向と平行にかつ軸回りに回転
自在に配設されており、この回転軸22は図示しない駆
動源によって回転されるようになっている。また、前記
回転軸22の先端部には、三角カム23が偏心状態で取
付けられている。したがって、回転軸22によって三角
カム23が回転すると、前記ガイド板21が矢印X1方
向に移動し、これによって、前記最深部Aが前記P1か
らP5に移動するようになっている。
【0038】また、前記回転軸22の基端部には、カム
溝25aを有する前後カム25が取付けられている。一
方、前後カム25と前記糸寄せ具10の基端部との間に
は、アーム板26がその基端部26aを支点として回動
自在に設けられており、このアーム板26の先端部に
は、ガイドピン26bがアーム板25の上下面から突出
するようにして設けられている。そして、アーム板25
の下面から突出するガイドピン26bが前記カム溝25
aに挿入されており、上面から突出するガイドピン26
bが糸寄せ具10の基端部に形成されたガイド溝20に
挿入されている。
【0039】そして、前記回転軸22を回転させると、
前記下側のガイドピン26bがカム溝25aを相対的に
移動してY1方向に移動し、これによって上側のガイド
ピン26bがガイド溝20を移動しながらY1方向に移
動し、ガイド板21がX1方向に移動することで、糸寄
せ具10の最深部Aが前記P5からP2に移動するよう
になっている。また、前記回転軸22を回転させること
で、前記ガイド板21がX方向に移動するとともに、上
側のガイドピン26bがY方向に移動することで、糸寄
せ具10の最深部Aが前記P2からP3に移動し、さら
に、回転軸22を回転させることで、上側のガイドピン
26bがY1方向に移動することで、糸寄せ具10の最
深部Aが前記P3からP1に移動するようになってい
る。つまり、前記回転軸22を回転させると、前記最深
部Aが図10に示すような軌跡を描くようになってお
り、これによって、前記2本の縫い糸の間に、縫針1が
進入することを防止して、目飛び不良のない確実な縫い
付けを行うことができるようになっている。
【0040】なお、上記の例では、糸寄せ具10の糸寄
せ部11は、V字形状にしたが、前記第1例で示したよ
うに、糸寄せ部11の最深部に挿入部(溝)12を形成
してもよい。また、上記第1〜第3例においては、本発
明に係る糸寄せ装置をボタン縫製用のミシンに適用した
場合について説明したが、本発明はこれに限ることな
く、通常の縫製用ミシンに適用することができるのは勿
論のことである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の縫製用ミシンの糸寄せ装置によれば、糸寄せ具を、生
地とルーパとの間に掛け渡しされた2本の縫い糸を寄せ
集めた際に、該糸寄せ具より上方に位置する前記2本の
縫い糸を、上下に密接させるように構成したものである
から、上方から視た場合に、前記2本の縫い糸の間には
隙間が形成されることはない。したがって、下降してく
る縫針が前記2本の縫い糸の間に進入することがないの
で、目飛び不良の発生を確実に防止して、良好な縫製を
行うことができる。
【0042】請求項2の縫製用ミシンの糸寄せ装置によ
れば、請求項1において、前記糸寄せ具のV字状に開口
する糸寄せ部の中央部に、前記縫い糸を挿入可能とする
挿入部を形成し、この挿入部が、縫い糸の直径とほぼ等
しいか、若干大きい幅を有し、かつ、縫い糸を少なくと
も1本挿入可能な深さを有しているものであるから、こ
の挿入部には、少なくとも1本の縫い糸が確実に挿入さ
れる。したがって、前記糸寄せ具より上方に位置する前
記2本の縫い糸は、上下に密接して縦方向に重なるの
で、上方から視た場合に、前記2本の縫い糸の間には隙
間が形成されることはなく、しかも、前記挿入部に縫い
糸が挿入されることから、糸寄せ部の縫い糸が外側に広
がるのが防止される。したがって、下降してくる縫針が
前記2本の縫い糸の間に進入することがないので、目飛
び不良の発生を確実に防止して、良好な縫製を行うこと
ができる。
【0043】請求項3の縫製用ミシンの糸寄せ装置によ
れば、糸寄せ具によって2本の縫い糸を引っ掛けてか
ら、縫針の先端部が前記2本の縫い糸の側方を略通過す
るまでの糸寄せ具の移動軌跡が、縫針の位置から十分離
間することになるので、糸寄せ具より上方にある2本の
縫い糸は、前記縫針の下降点から離れた位置を通ること
になり、下降してくる縫針が前記2本の縫い糸の間に進
入することがないので、目飛び不良の発生を確実に防止
して、良好な縫製を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係る糸寄せ装置を備えた縫製用ミシン
の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す縫製用ミシンを示すもので、(a)
は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】糸寄せ具の第1変形例を示すもので、(a)は
平面図、(b)は正面図である。
【図4】糸寄せ具の第2変形例を示すもので、(a)は
平面図、(b)は正面図である。
【図5】糸寄せ具の第3変形例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る糸寄せ装置の第2例を示すもの
で、糸寄せ具の斜視図である。
【図7】図6に示す糸寄せ具の開いた状態を示すもの
で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】図6に示す糸寄せ具の閉じた状態を示すもの
で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】従来の糸寄せ具の最深部の移動軌跡を示す平面
図である。
【図10】本発明に係る糸寄せ装置における糸寄せ具の
最深部の移動軌跡を示す平面図である。
【図11】糸寄せ具を移動させる機構を示す斜視図であ
る。
【図12】図11に示す機構の要部の断面図である。
【図13】従来の縫製用ミシンの一例を示すもので、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図であ
る。
【図14】従来において、縫い糸の間に縫針が進入した
状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 縫針 2 生地 4 ルーパ 5a,5b 縫い糸 10 糸寄せ具 11 糸寄せ部 12 挿入部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定経路を上下に往復動する縫針と、当
    該縫針が下死点に達し上昇し始めた時点で縫い糸のルー
    プを拾い取るルーパと、前記縫針が下死点に達する直前
    において、生地と前記ルーパとの間に掛け渡しされた2
    本の縫い糸の途中部分を寄せ集めて前記縫針の往復動経
    路から退避させるように運動する糸寄せ具とを備えた縫
    製用ミシンにおいて、 前記糸寄せ具は、前記2本の縫い糸の途中部分を寄せ集
    めた際に、該糸寄せ具より上方に位置する前記2本の縫
    い糸を、上下に密接させるように構成されていることを
    特徴とする縫製用ミシンの糸寄せ装置。
  2. 【請求項2】 糸寄せ具は、縫い糸を寄せ集める方向に
    V字状に開口する糸寄せ部を有し、この糸寄せ部の中央
    部に、前記縫い糸を挿入可能とする挿入部を形成し、こ
    の挿入部は、縫い糸の直径とほぼ等しいか、若干大きい
    幅を有し、かつ、縫い糸を少なくとも1本挿入可能な深
    さを有することで、前記糸寄せ具より上方に位置する前
    記2本の縫い糸を、上下に密接させるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の縫製用ミシンの糸寄せ装置。
  3. 【請求項3】 一定経路を上下に往復動する縫針と、当
    該縫針が下死点に達した時点で縫い糸のループを拾い取
    るルーパと、前記縫針が下死点に達する直前において、
    生地と前記ルーパとの間に掛け渡しされた2本の縫い糸
    の途中部分を寄せ集めて前記縫針の往復動経路から退避
    させるように運動する糸寄せ具とを備えた縫製用ミシン
    において、 前記糸寄せ具によって2本の縫い糸を引っ掛ける位置P
    1と縫針が下降してその先端が前記2本の縫い糸の側方
    を略通過する時の糸寄せ具の平面視におけるP5とを結
    んだ線Lと、前記位置P5とルーパで縫い糸のループを
    拾い取る時の糸寄せ具の平面視における位置P2とを結
    んだ線Mとが、縫針の上下位置P4から前記線Lが離れ
    るように曲がった軌跡で糸寄せ具を駆動する駆動手段を
    備えたことを特徴とする縫製用ミシンの糸寄せ装置。
JP18385997A 1997-07-09 1997-07-09 縫製用ミシンの糸寄せ装置 Pending JPH1119361A (ja)

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