JPH11193463A - 化学的気相成長装置 - Google Patents

化学的気相成長装置

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JPH11193463A
JPH11193463A JP36158697A JP36158697A JPH11193463A JP H11193463 A JPH11193463 A JP H11193463A JP 36158697 A JP36158697 A JP 36158697A JP 36158697 A JP36158697 A JP 36158697A JP H11193463 A JPH11193463 A JP H11193463A
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Satoshi Tanimoto
谷本  智
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安定した原料ガスの輸送を達成
し、多原料系の場合は成膜の精密な組成コントロールを
実現することを目的とする。 【解決手段】 溶液原料ガス供給装置4は、溶液原料を
導入する溶液原料噴射バルブ11及び原料ガスを送出す
る気化ガス送出バルブ12を備え、導入した溶液原料を
気化させる気化器10と、溶液原料噴射バルブ11を短
時間開口した後、溶液原料の完全気化を待って気化ガス
送出バルブ12を開口し、気化器10の内圧が所定の圧
力を下回ったとき気化ガス送出バルブ12を閉口する機
能を備えたバルブ制御手段15と、気化器10と反応室
21間の原料ガス輸送管16上に設置したガス流量調節
器18とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学的気相成長
(CVD;Chemical Vapor Deposition )法によって基
板の上に各種薄膜を形成する化学的気相成長装置(以
下、CVD装置とも言う)に関し、この装置の特に気化
器を改良することによって、安定な高飽和蒸気圧を得に
くい固体有機金属原料等を用いた成膜の高速化と安定化
を図るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体集積回路の超集積化(大規
模化と高密度化)の進展は目覚ましく、今日でもとどま
るところを知らない。代表的な半導体集積回路DRAM
(随時書き込み読み出しメモリ)の記憶容量は3年毎に
4倍の割合で増大し、かつパターン寸法はおよそ70%
ずつ縮小されている。超集積化の進行はデバイスの性能
向上や低価格化を促す反面、デバイス構造の縮小化と複
雑化を招くので、全ての加工技術は常に変革を厳しく求
められている。DRAMでは複雑になり過ぎたメモリセ
ルのキャパシタ構造を単純化するために、これまでの材
料SiO2 やSi3 4 に比べて誘電率εの高い誘電体
材料PZT(ジルコンチタン酸鉛)やBST(チタン酸
バリウム・ストロンチウム)の採用が検討されている。
また、電気的書き込み消去可能な不揮発性メモリにおい
ては、書換え回数及び書換え速度を飛躍的に向上させる
ために、PZTやSBT(タンタル酸ストロンチウムビ
スマス)などの強誘電体薄膜を用いた全く新しい概念の
セルが提案され、開発が着々と進行している。
【0003】周知のように半導体集積回路(基板)は一
般には、コンタクトホール、ビアホール、トレンチなど
の陥没や、フィールド段差、配線段差、ゲート段差など
の段差からなる微細な凹凸が小面積に多数密集した表面
構造をしている。これら高誘電率膜や強誘電体膜を集積
回路構造の一部として取り込むためには、基板の微細な
凹部や凸部の側壁や底部にも均一かつ均質に膜が形成で
きる成膜法の実現が重要である。この点、CVDは比較
的付着確率の小さい化学的蒸気を低真空状態(あるいは
常圧)で基板に供給して膜を形成するため、蒸気の影部
位への回り込みが良く、物理的凝集を利用しているPV
D(物理的気相成長法)に比べて、幾何学的な段差にお
いて格段に優れた被覆性を示すことから、これら高誘電
率膜や強誘電体膜の成膜法として最も有望なものの一つ
である。しかしながら、現時点では安定かつ高速な気化
特性を有するCVD原料が存在せず、これが開発の大き
な障害になっていた。例えば、現在多用されているβ−
ジケトン系のジピバリオルメタン(DPM)を配位子に
持つ有機金属原料は室温では固体であり、一般に融点が
高い。融点以下では飽和蒸気圧が低くかつ昇華速度が不
安定になる。このため液化するまで昇温すると今度は分
解変質するといった難問を抱えている。
【0004】この問題を解決するため、例えば、特開平
6−310444号公報や第54回応用物理学学術講演
会講演番号28a−R−5(同講演会予稿集442ペー
ジ)などで図4に示すようなCVD装置の提案が行われ
ている。一例として液体原料TTIP(Ti(O−i−
3 7 4 )と酸素(O2 )及び問題のβ−ジケトン
系固体原料Sr(DPM)2 とを原料としてチタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3 ;以下STOと略す)膜を
CVD成膜する場合についてこの従来技術を説明する
と、まず固体原料Sr(DPM)2 をテトラヒドルフラ
ン(以下、THFと略す)などの溶媒に所定の濃度で溶
かして溶液原料とし、これを図4のようなCVD装置に
適用して成膜する。31は希釈ガス管、32は希釈ガス
流量調整器、33は接続管、34は気化器、35は溶液
原料を充填した溶液原料容器、36は溶液原料供給器、
48は加圧管、37は噴霧ノズル、38は気化器用の加
熱ヒータ、39は絞り部、40は溶液原料ガス輸送管、
41は溶液原料ガス輸送管用の加熱ヒータ、42は原料
ガス供給孔、43は酸素等の反応ガス供給管、44は反
応室用の加熱ヒータ、45は反応室、46は加熱ステー
ジ、47はシリコン等の成膜基板、49は液体原料TT
IPをバブリングによって気化させるバブラ、50はバ
ブラ49で生成したTTIP蒸気を輸送する液体原料ガ
ス輸送管、51は反応室45に接続された排気ラインで
ある。
【0005】このCVD装置の動作を説明すると、気化
器34が加熱ヒータ38により所定の温度(250℃程
度)まで加熱された後、希釈ガス流量調整器32によっ
て一定流量で希釈用不活性ガスを噴霧ノズル37周辺よ
り気化器34内に噴出させる。ここで溶液原料供給器3
6より一定流量で溶液原料(Sr(DPM)2 +TH
F)を供給すると、溶液原料は噴霧ノズル37の先端で
大まかに微硫化され、気化器34の内壁の広い範囲に衝
突して瞬時に気化する。気化ガスは溶液原料ガス輸送管
40を通し、かつバブラ49で気化したTTIP蒸気と
合流して反応室45に輸送され、反応ガス供給管43か
ら供給される酸素が混合される。一定圧力に保たれた反
応室45の加熱ステージ46に置かれた基板47の表面
にはSTO膜が生成される。同時に、薄膜形成に寄与し
ない未反応ガスや老廃ガスなどの排ガスは反応室45に
設けられた排気ライン51より真空ポンプ(図示せず)
を介して外部に排出される。なお、図4では、TTIP
蒸気をバブリングで反応室45に供給する方式を説明し
ているが、TTIP液体原料をSr(DPM)2 +TH
F溶液原料に混合し、Sr(DPM)2 とともに気化器
34で一緒に気化し、反応室45に供給する方式にして
もよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のCVD装置を用いて成膜を行う場合、次に述
べるような複数の問題があった。(a)溶液原料の単位
時間当たりの供給量が非常に少量であるため、現時点で
入手できる最良の溶液原料供給器をもってしてもこのよ
うな微少流量を精密に制御することは困難である。結果
として、溶液原料ガスを正確にかつ安定して反応室に輸
送することができない。(b)さらに溶液原料供給器は
応答性がよくないため成膜の開始時に(溶液原料供給器
に内蔵されている)出口バルブを開けると制御流量が過
渡的にオーバーシュートあるいはアンダーシュートし、
溶液原料ガスの供給量が著しく変動するという問題があ
る。(c)さらに多原料系の場合には、上記2つの問題
が原因となって、膜の原子組成比(STO膜の場合には
Sr:Ti組成比)を厳密に合わせることができない
し、組成再現性も得られない。
【0007】本発明は、このような従来の溶液原料を用
いたCVD装置の溶液原料の供給の不安定に起因した諸
問題を解決するためになされたもので、反応室に安定し
た原料ガスの輸送を達成することができ、多原料系の場
合は成膜の精密な組成コントロールを実現することがで
き、また処理速度及びデバイスの歩留まりを向上させる
ことができる化学的気相成長装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、固体原料を溶媒に溶解させ
てなる溶液原料を加熱し気化させて原料ガスとする溶液
原料ガス供給装置を備えたガス供給系と、該ガス供給系
から供給された原料ガスを得て化学反応させ基板に薄膜
を形成する反応室を備えた反応系と、該反応系の余剰の
原料ガスと化学反応で生成した生成ガスを室外に排出す
るガス排気系とを有する化学的気相成長装置において、
前記溶液原料ガス供給装置は、溶液原料を充填する溶液
原料容器と、該溶液原料容器の溶液原料を導入する溶液
原料噴射バルブ及び原料ガスを送出する気化ガス送出バ
ルブが設けられ、導入した前記溶液原料を加熱して気化
させる気化器と、前記溶液原料噴射バルブを適宜の短時
間開口し前記気化器に溶液原料を噴射した後、当該溶液
原料の完全気化を待って前記気化ガス送出バルブを開口
し、前記気化器の内圧が所定の圧力を下回ったとき前記
気化ガス送出バルブを閉口する制御機能を備えたバルブ
制御手段と、前記気化器と前記反応室をつなぐ原料ガス
輸送管途上に設置されたガス流量調節器とを有すること
を要旨とする。この構成により、気化器に適量導入され
た溶液原料が完全に気化するのを待って気化ガス送出バ
ルブが開けられ、気化した原料ガスの輸送速度がガス流
量調節器で精密に制御されて反応室に供給される。
【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の化学的気相成長装置において、前記溶液原料ガス供給
装置は、同種の溶液原料を気化させる複数の気化器を備
え、前記バルブ制御手段は、成膜中に前記複数の気化器
の気化ガス送出バルブの少なくとも1つが開口するよう
に制御することを要旨とする。この構成により、複数の
気化器が相補的に稼働して原料ガスが反応室に連続的に
安定供給される。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の化学的気相成長装置において、前記溶液原料容
器と前記気化器を結ぶ溶液原料輸送管は、当該溶液原料
容器を出て前記溶液原料噴射バルブの供給側を経由し再
び前記溶液原料容器に戻る循環系として構成し、且つ前
記溶液原料輸送管には溶液原料を循環させる溶液循環装
置を設けてなることを要旨とする。この構成により、溶
液原料が循環型の溶液原料輸送管を介して気化器に供給
されることで、時間の経過とともに緩やかに進行する溶
液原料の濃縮化が起こらず、この濃縮化に起因する原料
ガス濃度の長期的漸次上昇が抑制される。
【0011】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、溶液原料
ガス供給装置は、溶液原料を充填する溶液原料容器と、
該溶液原料容器の溶液原料を導入する溶液原料噴射バル
ブ及び原料ガスを送出する気化ガス送出バルブが設けら
れ、導入した前記溶液原料を加熱して気化させる気化器
と、前記溶液原料噴射バルブを適宜の短時間開口し前記
気化器に溶液原料を噴射した後、当該溶液原料の完全気
化を待って前記気化ガス送出バルブを開口し、前記気化
器の内圧が所定の圧力を下回ったとき前記気化ガス送出
バルブを閉口する制御機能を備えたバルブ制御手段と、
前記気化器と反応室をつなぐ原料ガス輸送管途上に設置
されたガス流量調節器とを具備させたため、完全に気化
した原料ガスの輸送速度がガス流量調節器で精密に制御
されて反応室に導入されるので、極めて安定した原料ガ
スの輸送を達成することができ、また多原料系の場合
は、成膜の精密な組成コントロールを実現することがで
きる。さらに未気化の液滴が基板に付着することがなく
デバイスの歩留まりを向上させることができる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、前記溶液原
料ガス供給装置は、同種の溶液原料を気化させる複数の
気化器を備え、前記バルブ制御手段は、成膜中に前記複
数の気化器の気化ガス送出バルブの少なくとも1つが開
口するように制御するようにしたため、原料ガスを反応
室に連続的に安定供給することができて、短時間で同じ
膜厚の薄膜を形成することができ、処理速度を向上させ
ることができる。
【0013】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の化学的気相成長装置において、前記溶液原料容
器と前記気化器を結ぶ溶液原料輸送管は、当該溶液原料
容器を出て前記溶液原料噴射バルブの供給側を経由し再
び前記溶液原料容器に戻る循環系として構成し、且つ前
記溶液原料輸送管には溶液原料を循環させる溶液循環装
置を設けたため、溶液原料の濃縮化に起因する原料ガス
濃度の漸次上昇が抑制されて、原料ガスを反応室に長期
的に安定供給することができ、またプロセス条件の変動
を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るCVD装置の
各実施の形態を具体的に説明する。前述の従来技術と対
比させるために、各実施の形態ともβ−ジケトン系固体
原料Sr(DPM)2 と液体原料TTIP(Ti(O−
i−C3 7 4 )及び酸素(O2 )を材料としてチタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3 )膜をCVD成膜す
る例を用いて説明するが、これはあくまで便宜上の措置
であって、他の固体原料を用いて他の膜を生成する場合
にも各実施の形態を同様に適用できる。
【0015】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す
図である。同図において、1は1つ以上のガス供給装置
を備えたガス供給系、2は反応室を主要素として含む反
応系、3は反応室の不要ガスを排出するガス排気系であ
る。ガス供給系1において、4は本実施の形態の中心技
術となる溶液原料ガス供給装置、5は周知のバブラ型気
化装置などで構成される液体原料ガス供給装置もしくは
4と同種の溶液原料ガス供給装置、6は気体原料供給装
置である。溶液原料ガス供給装置4の構成を詳細に説明
すると、7は固体原料Sr(DPM)2 をTHFなどの
溶媒に所定の濃度で溶かしてなる溶液原料8を充填した
密封型溶液原料容器、9は密封型溶液原料容器7の内圧
を調整する加圧管、10は密閉容器に1対の溶液原料噴
射バルブ11と気化ガス送出バルブ12とを埋設してな
る気化器、13は気化器の加熱ヒータ、14は密封型溶
液原料容器7と気化器10の溶液原料噴射バルブ11と
を結ぶ溶液原料輸送管、15は溶液原料噴射バルブ11
と気化ガス送出バルブ12の開閉を制御するバルブ制御
装置(バルブ制御手段)、16は気化器10と反応室を
つなぐ原料ガス輸送管、17は原料ガス輸送管16の加
熱ヒータ、18は原料ガス輸送管16途上に設置された
耐熱性のガス流量調節器である。19は液体(又は溶
液)原料ガス供給装置5の原料ガス輸送管、20は気体
原料供給装置6の原料ガス輸送管である。続いて、反応
系2とガス排気系3を説明する。21はCVD反応を司
る密閉構造の反応室、22は反応室21の側壁を加熱す
る加熱ヒータ、23は反応室21に置かれた基板24を
成膜に必要な温度に保持する加熱ステージ、25は真空
ポンプなどで構成される排気装置、26は反応室21と
排気装置25を結ぶ排気配管、27は成膜中、反応室2
1の圧力を所定の値に保持する圧力コントローラであ
る。なお、図1ではTTIP蒸気をバブリングで反応室
21に供給する方式をとっているが、TTIP液体原料
をSr(DPM)2 +THF溶液原料に混合し、Sr
(DPM)2 とともに気化器10で一緒に気化し、反応
室21に供給する方式にしてもよい。
【0016】次に、上述のように構成されたCVD装置
の動作を説明する。加熱ヒータ13により所定の温度
(250℃程度)まで加熱された気化器10の溶液原料
噴射バルブ11をバルブ制御装置15の指令により、開
口させて微少時間(典型例は1秒以下)で閉じる。この
操作で気化器10に噴射された微少溶液原料(Sr(D
PM)2 +THF)は加熱されて短時間の内(典型的に
は約10秒)に完全に気化し、気化器10の内圧は数1
0Torr〜数100Torrに上昇する。気化器10の内圧が
安定したら、バルブ制御装置15は気化器10の気化ガ
ス送出バルブ12を開口し、ガス流量調節器18を介し
て所定の流量の溶液原料ガスを反応室21に供給する。
溶液原料ガスの供給を開始すると同時に液体原料ガス供
給装置5からは所定の流量の液体原料ガスTTIPが、
また気体原料供給装置6からは所定の流量のO2 ガスが
供給され、反応室21の基板24にSrTiO3 薄膜が
析出する。このとき、反応室21の内圧は圧力コントロ
ーラ27の作用により一定の圧力に保持されている。溶
液原料ガスの送出が続いて、気化器10の内圧が概ね成
膜圧力の2倍の値を下回ったとき、バルブ制御装置15
は気化器10の気化ガス送出バルブ12を閉口し、溶液
原料噴射バルブ11を再び短時間開口して、溶液原料を
気化器10に微少量噴射して、同様の気化操作を繰り返
す。ここで、気化ガス送出バルブ12が閉口していると
きは、液体原料TTIPガスとO2 の供給は停止される
ものとする。
【0017】上述のような構成、作用を有するCVD装
置の効果を説明する。図1から一見して明らかなよう
に、本実施の形態においては、溶液原料ガスの輸送量を
決定するのに従来技術のような溶液原料供給器を使用せ
ずに、気化器10と反応室21の間に設けたガス流量調
節器18を用いているので、成膜の初期から微細かつ正
確な流量制御が可能であり、安定で精度の高い溶液原料
ガスの輸送が実現される。また、気化器10の溶液原料
を完全に気化してから気化ガス送出バルブ12を開口し
ガス流量調節器18に送出する構成をとっているので、
未気化の液滴が偶発的に気化器10からガス流量調節器
18に侵入してガス流量調節器18を破損するという危
険が全くなく、原理的に故障が少なく信頼性の高い溶液
原料ガス供給装置を実現している。このように、本実施
の形態のCVD装置は、従来技術が抱えていた溶液原料
ガスの輸送量を精密にコントロールできないという問題
点と成膜初期に供給量が著しく変動するという問題点、
これら問題点が原因となって多原料系の薄膜の原料組成
比がばらつくという問題点を共に解決している。さら
に、本実施の形態は、上記問題点を解決できる他に、次
の点で従来技術に比べ有利である。従来技術の溶液原
料供給器と気化器を結ぶ配管及びノズルは気化器と連通
しているため減圧となっている。このような状況下では
溶液原料のうち、蒸気圧が高い溶媒THFが選択的に気
化しやすく、ノズルに近付くにつれて配管内の原料濃度
が高くなり、飽和濃度を超えると容質(ここではSr
(DPM)2)が析出する。この析出が進行するとノズ
ルや配管が詰まり、回復に手間と費用がかかる。この
点、本実施の形態では気化器10に埋設された溶液原料
噴射バルブ11の2次側が気化器10内部に露出する構
造をしているため、減圧下に晒された溶液原料を滞留さ
せる場所がなく、問題自体がそもそも起こり得ない。
従来技術の気化器では、溶液原料の霧化に多量の不活性
ガスをノズル周辺から噴射させる構成をとっているので
気化器の溶液原料ガス濃度が不活性ガスで不必要に薄め
られる。これに対して、本実施の形態においては気化器
10に導入するのは原料溶液のみであり、不活性ガスを
必要としない。したがって、本実施の形態は従来技術に
比べて高濃度の溶液原料ガスを反応室に供給することが
できる。従来のCVD装置は輸送中の固体原料ガスの
変質を最小限に抑えるために気化器と反応室を比較的太
く短い配管で連通させている。このような構成のCVD
装置においては気化器で発生した原料液滴が気化しない
ままガス流(溶液原料ガスや不活性ガス)に搬送され、
基板に異物として付着することが確率的にあり、基板に
形成された集積回路等の歩留まりを低下させる一つの要
因になっていた。しかし本実施の形態においては、すで
に述べたように、気化器10の溶液原料を完全に気化し
てからガス送出バルブを開口しガス流量調節器18に送
出する構成をとっているので、液滴が基板に付着するお
それはない。
【0018】図2には、本発明の第2の実施の形態を示
す。なお、図2において前記図1の符号と同じ符号のも
のは第1の実施の形態と同一ないし均等のものであり、
重複した説明を省略する。溶液原料ガス供給装置4の内
部構成において、10aは1対の溶液原料噴射バルブ1
1aと気化ガス送出バルブ12aとを埋設してなる第1
の気化器、10bは1対の溶液原料噴射バルブ11bと
気化ガス送出バルブ12bとを埋設してなる第2の気化
器、13a,13bは第1、第2の気化器10a,10
bの加熱ヒータ、14は密封型溶液原料容器7と第1、
第2の気化器10a,10bの溶液原料噴射バルブ11
a,11bとを結ぶ溶液原料輸送管、15は溶液原料噴
射バルブ11a,11bと気化ガス送出バルブ12a,
12bの開閉を制御するバルブ制御装置、16は第1、
第2の気化器10a,10bと反応室21をつなぐ原料
ガス輸送管である。なお、図1ではTTIP蒸気をバブ
リングで反応室21に供給する方式をとっているが、T
TIP液体原料をSr(DPM)2 +THF溶液原料に
混合し、Sr(DPM)2 とともに第1、第2の気化器
10a,10bで一緒に気化し、反応室21に供給する
方式にしてもよい。
【0019】次に、上述のように構成されたCVD装置
の動作を説明する。所定の温度(250℃程度)に加熱
した第1の気化器10aの溶液原料噴射バルブ11aを
バルブ制御装置15の指令により、微少時間(典型例は
1秒以下)開口させて閉じる。この操作で第1の気化器
10aに導入された微少溶液原料(Sr(DPM)2
THF)が完全に気化し内圧が安定したら、バルブ制御
装置15は第1の気化器10aの気化ガス送出バルブ1
2aを開口し、ガス流量調節器18を介して所定の流量
の溶液原料ガスを反応室21に供給する。このとき同時
に液体原料ガス供給装置5から液体原料ガスTTIP
が、また気体原料供給装置6からO2 ガスが反応室21
に供給開始され、以降、成膜が完了するまで連続的に供
給される。反応室21の内圧は圧力コントローラ27の
作用により一定の圧力に保持されている。第1の気化器
10aの気化ガス送出バルブ12aの開口とともに、反
応室21の基板24にSrTiO3 薄膜の析出が開始さ
れる。
【0020】一方、所定の温度(250℃程度)に加熱
された第2の気化器10bは、第1の気化器10aの気
化ガス送出バルブ12aが開口するやバルブ制御装置1
5の指令により、溶液原料噴射バルブ11bを微少時間
(典型例は1秒以下)開口させて閉じ、気化を完了させ
た状態で暫く待機している。溶液原料ガスの送出が続い
て、第1の気化器10aの内圧力が概ね成膜圧力の2倍
の値を下回ったとき、バルブ制御装置15は第1の気化
器10aの気化ガス送出バルブ12aを閉口し、一瞬、
間をおいて気化ガス送出バルブ12bを開け、待機して
いた第2の気化器10bの溶液原料ガスを供給開始させ
るとともに、第1の気化器10aに気化の実行と暫時待
機を指令する。第2の気化器10bの内圧が概ね成膜圧
力の2倍の値を下回ったとき、バルブ制御装置15は第
2の気化器10bの気化ガス送出バルブ12bを閉口
し、一瞬、間をおいて第1の気化器10aに溶液原料ガ
スの供給を指令するとともに、第2の気化器10bに気
化の実行と暫時待機を指令する。以後同様に、バルブ制
御装置15は第1の気化器10aが原料を供給している
ときは、第2の気化器10bに気化の実行と暫時待機を
指令し、第2の気化器10bが原料を供給しているとき
は、第1の気化器10aに気化の実行と暫時待機を指令
し、反応室21に溶液原料ガスを連続的に安定供給させ
る。
【0021】上述のような構成、作用を有するCVD装
置の効果を説明する。本実施の形態のCVD装置は、図
2及び上の説明から明らかなように、前記第1の実施の
形態の構成を全て包含しているので、第1の実施の形態
と全く同じ理由により、従来技術が抱えていた諸問題、
即ち溶液原料ガスの輸送量を精密にコントロールできな
いという問題、成膜初期に供給量が著しく変動するとい
う問題、これら問題が原因となって多原料系の薄膜の原
料組成比がばらつくという問題を共に解決することがで
きる。また、同様に、第1の実施の形態が有していた従
来技術に対する有利な点、前記〜も特長として有し
ている。さらに、本実施の形態が第1の実施の形態と比
べて一層優れている点は、本実施の形態においては、
2つの溶液原料を共有する2つの気化器10a,10b
を相補的に稼働させ、溶液原料ガスの供給を中断せずに
連続的に行えるようにした点である。この効果によって
第1の実施の形態に比べて短時間で同じ膜厚の薄膜を形
成することができる。これは処理速度の向上を意味し、
生産装置として非常に有利な点である。
【0022】図3には、本発明の第3の実施の形態を示
す。図3において、7aは固体原料Sr(DPM)2
THFなどの溶媒に所定の濃度で溶かしてなる溶液原料
8を充填した密封型溶液原料容器、9は溶液原料容器7
aの内圧を調整する加圧管、14aは溶液原料容器7a
を出て第1の気化器10aの溶液原料噴射バルブ11a
の1次側と第2の気化器10bの溶液原料噴射バルブ1
1bの1次側を巡回して再び溶液原料容器7aに還流す
るように配設された溶液原料循環輸送管、28はこの溶
液原料循環輸送管14aの途上に設けられた溶液循環装
置である。その他の部分の構成は第2の実施の形態(図
2)と同じである。
【0023】次に、上述のように構成されたCVD装置
の動作を説明する。溶液循環装置28は溶液原料を常に
循環して、溶液原料循環輸送管14aの内部の溶液原料
と溶液原料容器7aの溶液原料とを同じ濃度に保つ。溶
液原料噴射バルブ11a,11bから第1、第2の気化
器10a,10bに噴射される溶液原料の濃度は常に溶
液原料容器7a中の濃度と同じである。この点を除いた
本実施の形態のCVD装置の成膜に伴う動作は上記第2
の実施の形態の動作と略同じである。
【0024】上述のような構成、作用を有するCVD装
置の効果を説明する。本実施の形態のCVD装置は、図
3及び上の説明から明らかなように、前述の第2の実施
の形態の構成を全て包含しているので、第2の実施の形
態と全く等しい効果が得られる。即ち、従来技術が抱え
ていた溶液原料ガスの輸送量を精密にコントロールでき
ないという問題、成膜初期に供給量が著しく変動すると
いう問題、これら問題が原因となって多原料系の薄膜の
原料組成比がばらつくという問題を共に解決するととも
に、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態が備え
ていた従来技術に対する前記の有利な点〜も同時に
特長として有している。そして、さらに本実施の形態の
CVD装置は、次のような第1、第2の実施の形態には
ない優れた特長を有している。この点を詳しく説明す
る。従来技術や前記第1、第2の実施の形態において
は、溶液原料容器から溶液原料供給器まで、あるいは溶
液原料噴射バルブまでの溶液配管に存在する溶液原料は
機構上撹拌することができないので、この部分では溶媒
THFに比べ比重の重いSr(DPM)2 が溶液原料容
器に向かって沈降する。この現象が起こると溶液原料容
器の溶液原料は時間の経過とともに徐々に濃縮される。
このような溶液原料の経時変化はCVDプロセスの工程
管理を煩雑なものにしている。しかし、本実施の形態の
CVD装置においては、溶液配管の溶液原料を常時循環
させているので、上記のような溶質の沈降現象が起こら
ず、溶液配管の中の溶液原料の濃度は何時も溶液原料容
器の濃度と同じである。このように本実施の形態は溶液
原料の濃縮化によるプロセス条件の変動を回避できると
いう点で第1、第2の実施の形態及び従来技術にない固
有の優れた特長を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化学的気相成長装置の第1の実施
の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図4】従来の化学的気相成長装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ガス供給系 2 反応系 3 ガス排気系 4 溶液原料ガス供給装置 7 溶液原料容器 8 溶液原料 10,10a,10b 気化器 11,11a,11b 溶液原料噴射バルブ 12,12a,12b 気化ガス送出バルブ 14 溶液原料輸送管 15 バルブ制御装置(バルブ制御手段) 16 溶液原料ガス輸送管 18 ガス流量調節器 21 反応室 24 基板 28 溶液循環装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体原料を溶媒に溶解させてなる溶液原
    料を加熱し気化させて原料ガスとする溶液原料ガス供給
    装置を備えたガス供給系と、該ガス供給系から供給され
    た原料ガスを得て化学反応させ基板に薄膜を形成する反
    応室を備えた反応系と、該反応系の余剰の原料ガスと化
    学反応で生成した生成ガスを室外に排出するガス排気系
    とを有する化学的気相成長装置において、前記溶液原料
    ガス供給装置は、溶液原料を充填する溶液原料容器と、
    該溶液原料容器の溶液原料を導入する溶液原料噴射バル
    ブ及び原料ガスを送出する気化ガス送出バルブが設けら
    れ、導入した前記溶液原料を加熱して気化させる気化器
    と、前記溶液原料噴射バルブを適宜の短時間開口し前記
    気化器に溶液原料を噴射した後、当該溶液原料の完全気
    化を待って前記気化ガス送出バルブを開口し、前記気化
    器の内圧が所定の圧力を下回ったとき前記気化ガス送出
    バルブを閉口する制御機能を備えたバルブ制御手段と、
    前記気化器と前記反応室をつなぐ原料ガス輸送管途上に
    設置されたガス流量調節器とを有することを特徴とする
    化学的気相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記溶液原料ガス供給装置は、同種の溶
    液原料を気化させる複数の気化器を備え、前記バルブ制
    御手段は、成膜中に前記複数の気化器の気化ガス送出バ
    ルブの少なくとも1つが開口するように制御することを
    特徴とする請求項1記載の化学的気相成長装置。
  3. 【請求項3】 前記溶液原料容器と前記気化器を結ぶ溶
    液原料輸送管は、当該溶液原料容器を出て前記溶液原料
    噴射バルブの供給側を経由し再び前記溶液原料容器に戻
    る循環系として構成し、且つ前記溶液原料輸送管には溶
    液原料を循環させる溶液循環装置を設けてなることを特
    徴とする請求項1又は2記載の化学的気相成長装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170800A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Tokyo Electron Ltd 気化原料供給装置、成膜装置及び気化原料供給方法
CN104120407A (zh) * 2014-07-31 2014-10-29 沈阳大学 一种用于化学气相沉积液体原料汽化供给装置与使用方法

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