JPH11193236A - 皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤 - Google Patents

皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤

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JPH11193236A
JPH11193236A JP28622198A JP28622198A JPH11193236A JP H11193236 A JPH11193236 A JP H11193236A JP 28622198 A JP28622198 A JP 28622198A JP 28622198 A JP28622198 A JP 28622198A JP H11193236 A JPH11193236 A JP H11193236A
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JP
Japan
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skin
hyaluronic acid
acid content
aging
agent
Prior art date
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Pending
Application number
JP28622198A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Nishina
博道 仁科
Yasuko Ishikawa
康子 石川
Koji Matsushita
浩司 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ADVANCED SKIN Research KENKYUSH
ADVANCED SKIN Research KENKYUSHO KK
Original Assignee
ADVANCED SKIN Research KENKYUSH
ADVANCED SKIN Research KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加齢に伴い老化症状を呈した皮膚、及び創傷
治癒時の瘢痕形成を示す皮膚はヒアルロン酸含量が低下
しているので、これら症状を改善するため皮膚のヒアル
ロン酸の減少を抑制し又はヒアルロン酸を増加させるの
に有効で、かつ安全性の高い薬剤を提供すること。 【解決手段】 デヒドロエピアンドロステロン及びデヒ
ドロエピアンドロステロン硫酸等のデヒドロエピアンド
ロステロン誘導体、及び該誘導体の薬理学上許容される
塩からなる群から選ばれる物質を皮膚ヒアルロン酸含量
増加促進剤の有効成分として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚のヒアルロン酸含
量の増加を促進するのに有効な薬剤に関する。さらに詳
細には、本発明は皮膚の老化症状を呈する原因であり、
また皮膚創傷治療時における瘢痕形成の原因である皮膚
中のヒアルロン酸量の減少を抑制し、又は皮膚中のヒア
ルロン酸含量を増加させる作用を示し、しかも副作用の
低い薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の老化症状は老化(加齢)に伴い現
れてくる。老化した皮膚の外観の特徴は乾燥し、はりが
なくなり、しわが認められる状態である。しかしなが
ら、このような外観の変化を表す原因となる物質の、皮
膚内部での存在が検索されてきたが、長い間同定出来な
いでいた。
【0003】現在までに、これらの皮膚老化症状を治療
し改善する対症療法剤として、レチノイン酸やエストロ
ジェンが効果的であることが知られている。しかしなが
ら、どちらの治療薬も重篤な副作用を待つことが、臨床
応用上の大きな障害であった。すなわち、前者は再奇形
性を示し、後者は女性ホルモン作用を示し、しかも心血
管障害を助長するため、高齢者への投与は特に危険であ
る。従って、原因療法薬として用いられる安全性の高い
治療薬が望まれている。
【0004】エストロジェンは皮下注射又は皮膚への塗
布によって、若齢マウス皮膚のヒアルロン酸を増加させ
る事が知られていおり、さらにヒトで閉経後の皮膚の老
化予防にエストロジェンが効果を持つ事が知られている
が、エストロジェンが本来持つ女性ホルモンとしての副
作用が問題となっている。従って、女性ホルモン作用を
持たずにエストロジェンと同様な作用を持ち、外用剤と
して投与可能な薬物が望まれていた。
【0005】また、皮膚の創傷治癒の際、成人の皮膚で
は瘢痕化し易いが、胎児の場合にはそのような事は起こ
らない。また、幼児、小児の場合にも瘢痕化の程度は非
常に低い。したがって、成人での皮膚の創傷治癒の際
に、瘢痕をなるべく形成しないように治療することが、
特に美容上の観点から望まれていた。
【0006】これらの点から、皮膚中のヒアルロン酸含
量の低下を防止し、又はその含量を高めることにより、
皮膚の老化を防止し、しかも創傷治癒時の瘢痕化を防止
してきれいな皮膚を維持することができる安全な薬剤の
開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
の老化症状の治療や予防に有用な医薬を提供することに
ある。また、成人での皮膚における創傷治癒の際に、瘢
痕をなるべく形成しないようにするための薬剤の開発が
望まれている。本発明の別の目的は、副作用が少ない皮
膚老化の治療薬や予防薬を提供することにある。さらに
本発明は、皮膚老化症状の原因・病態に基づいた原因治
療を可能にする皮膚老化症状を改善し、また瘢痕の形成
を防止できる治療薬や予防薬を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく、老化皮膚の病態生理に関する細胞外基質
の研究を鋭意進めた結果、デヒドロエピアンドロステロ
ン(DHEA)がその目的に有効であることを見いだし
て本発明を完成した。
【0009】デヒドロエピアンドロステロンは、副腎皮
質から分泌されるステロイドホルモンであり、老化と共
に血中濃度が減少していくことが知られている。これを
老化マウスの皮膚に局所投与すると、老化によって減少
していく細胞外基質であるヒアルロン酸の含量を増加さ
せることを見出した。
【0010】デヒドロエピアンドロステロンはアロマタ
ーゼの作用により最終的にエストロジェンに転化する
が、アロマターゼの阻害剤であるアリミデックスの併用
によってもヒアルロン酸含量の増加作用は低下しないこ
とから、デヒドロエピアンドロステロンそのものがヒア
ルロン酸を増加させていることを確認した。
【0011】実際にヒアルロン酸は老化皮膚やしわの部
位において減少している。しわを電気磁場的方法で直す
と、その部位のヒアルロン酸が増加する。さらに、皮膚
は老化するに従い、はりを失い、60才までにヒアルロ
ン酸はほぼ失われてしまう。
【0012】一方、レチノイン酸の局所投与はしわをの
ばすのに有効であり、この作用が皮膚のヒアルロン酸を
増加させることによることが知られている。また、老化
皮膚を張りのある若い皮膚に戻すためにエストロジェン
を用いることは公知であり、また、エストロジェンの投
与により、マウス皮膚のヒアルロン醸を増加させて若返
らせることも知られている。
【0013】このような点から、皮膚の老化を予防した
り、若返らせたりするには、皮膚のヒアルロン醜含量を
増加させることが重要であることが分かってきた。
【0014】また、本発明者等は、胎児又は幼児の皮膚
における創傷の治癒時に瘢痕を形成しないか又は瘢痕の
形成が極めて少ないのは、皮膚のヒアルロン酸含量が高
いことが1つの原因であろうと推測し、皮膚中のヒアル
ロン酸の減少を防止し、または積極的の増加させること
によって、創傷治癒時の瘢痕化を防止し、きれいな皮膚
を維持できることを見いだした。
【0015】本発明で有効成分として使用するデヒドロ
エピアンドロステロン(DHEA)は、皮膚のヒアルロ
ン酸含量を増加させ、皮膚の老化症状の防止および治療
に有効であることを確認した。また、創傷治癒の際の瘢
痕形成阻止にも有効であることも確認した。しかも、D
HEAは、再奇形性を持つレチノイン酸や心血管障害を
誘発するエストロジェンとは異なり、その硫酸体が分娩
過程を改善する薬剤として既に上市され、臨床応用され
ている。マウスを用いた急性毒性試験によりLD50値
が10g/kg以上(経口)、899mg/kg(皮下
注)、274mg/kg(静注)であり、極めて安全な
薬剤であることが確認されている。
【0016】本発明の有効成分であるDHEAは、公知
の方法により、外用剤又は経口剤として処方、製剤化で
きる。好ましい剤形としては、外用剤としては、ワセリ
ン軟膏、乳液、クリーム、ローション剤、パップ剤及び
入浴剤であり、経口剤としては、粉末、顆粒剤、細粒
剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、乳化剤等である。創傷
治癒の瘢痕化防止に使用する場合には、通常の創傷治療
用外用薬にDHEAを配合して局部に配合することもで
きる。
【0017】本発明のDHEAの投与量は、投与する部
位、老化症状の程度、創傷治癒の場合は創傷の程度等に
より異なるが、副作用が極めて低いため、比較的高投与
量が可能である。ヒト成人で1日当たり好ましくは18
〜0.01g、特に好ましくは0.5〜0.01gであ
る。
【0018】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0019】実施例1:DHEA皮膚塗布による老齢マ
ウスの皮膚ヒアルロン酸増加 デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を老齢マウ
ス(Balb/c,48W、各群n=6)の背部皮膚に
10ー1M濃度でエタノール溶液として背部皮膚に5週
間塗布すると、公知のエストラジオール(10-4M)と
同様に、対照群に比較して皮膚ヒアルロン酸含量が統計
的に有意差をもって増加した。これに対して、同時に行
ったレチノイン酸ではは効果は見られなかった(図1参
照)。
【0020】次に、再現性を見るため老齢マウス(Ba
lb/c,53W、各群n=8)を用いてDHEAを1
-1、10-2、10-3Mの濃度で塗布した。また、DH
EAがエストラジオールまでに代謝して効果を発揮して
いるか否かを見るため、エストロジェンへの変換酵素で
あるアロマターゼを阻害するアリミデックスをDHEA
と同時に投与した。その結果、DHEAでは、10-1
及び10-2Mでヒアルロン酸含量の統計的に有意な増加
を示し、再現性が見られた。この結果、濃度を1/10
に下げることができる事が分かった。一方、アロマター
ゼ阻害剤であるアリミデックスそのものについては、ヒ
アルロン酸増加作用は見られず、DHEAにアリミデッ
クスを併用してもDHEAの効果は抑制されなかった。
従って、DHEAのヒアルロン酸増加作用はエストロジ
ェンへの変換によってもたらされるものではないことが
示唆された(図2参照)。
【0021】ヒトへの経口投与又は外用剤として副作用
の極めて低いことが知られており、DHEAは上記の実
験結果から、ヒアルロン酸含量増加作用を示す薬剤とし
て有用であることが確認された。
【0022】実施例2: 処方例(軟膏) 下記処方の親水軟膏基剤に本発明のDHEA 6.2gを
混和し、軟膏を調製した。 白色ワセリン 250g ステアリルアルコール 220g プロピレングリコール 120g ラウリン酸ナトリウム 15g パラオキシ安息香酸エチル 0.25g パラオキシ安息香酸プロピル 0.15g
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のDHEA、及び比較のための薬剤を
老齢マウスの皮膚に塗布した場合の、皮膚ヒアルロン酸
含量の増加を示すグラフである。
【図2】 本発明のDHEA及びアロマターゼ阻害剤の
単独、及びDHEAとの併用で老齢マウス皮膚に塗布し
た場合の、皮膚ヒアルロン酸含量の変動を示すグラフで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デヒドロエピアンドロステロン及びデヒ
    ドロエピアンドロステロン誘導体、及び該誘導体の薬理
    学上許容される塩からなる群から選ばれる物質を有効成
    分とする皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤。
  2. 【請求項2】 剤形が、外用剤である請求項1記載の皮
    膚のヒアルロン酸含量増加促進剤。
  3. 【請求項3】 剤形が、経口投与用製剤である請求頃1
    記載の皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤。
  4. 【請求項4】 皮膚のヒアルロン酸含量の増加を促進す
    ることにより、皮膚の老化防止又は皮膚の瘢痕形成防止
    に有効である請求項1、2又は3記載の皮膚のヒアルロ
    ン含量増加促進剤。
JP28622198A 1997-10-08 1998-10-08 皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤 Pending JPH11193236A (ja)

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JP28622198A JPH11193236A (ja) 1997-10-08 1998-10-08 皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤

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JP27587097 1997-10-08
JP9-275870 1997-10-08
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JP28622198A Pending JPH11193236A (ja) 1997-10-08 1998-10-08 皮膚のヒアルロン酸含量増加促進剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6488969B1 (en) 1999-03-17 2002-12-03 Morinaga & Co., Ltd. Method for reducing blood ammonia concentration

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6488969B1 (en) 1999-03-17 2002-12-03 Morinaga & Co., Ltd. Method for reducing blood ammonia concentration

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