JPH11192791A - フィルムカートリッジのホルダ - Google Patents

フィルムカートリッジのホルダ

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JPH11192791A
JPH11192791A JP36956797A JP36956797A JPH11192791A JP H11192791 A JPH11192791 A JP H11192791A JP 36956797 A JP36956797 A JP 36956797A JP 36956797 A JP36956797 A JP 36956797A JP H11192791 A JPH11192791 A JP H11192791A
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sheet
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Yutaka Arai
井 裕 新
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本 佳 照 有
Hiroyuki Yamashita
下 洋 行 山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムカートリッジの出し入れをスムーズ
に行え、収納時にはフィルムカートリッジを確実に保持
することのできる、フィルムカートリッジのホルダを提
供する。 【解決手段】 ホルダ14は、第1の壁部20および第
2の壁部22を含む。第2の壁部22の内側面には、カ
ートリッジ1に嵌合させるための突部24が形成され
る。さらに、ガイド部30は、第1の壁部20および第
2の壁部22で囲まれた内側に収納されるカートリッジ
1の側面4に当接されて、カートリッジ1を回動可能に
保持するとともに、カートリッジ1を回転させることに
より対向する第1の壁部と協働してカートリッジ1をス
プール5の凹部6と突部24との嵌合が外れる方向へ移
動させるためのガイド部30が、対向する第1の壁部2
0間にカートリッジ1の側面4の形状にフィットする滑
らかな曲面を有して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はAPS(アドバンス
ト・フォト・システム)のフィルムカートリッジを収納
整理するためのホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、APSの普及に伴い、現像済のフ
ィルムを格納したフィルムカートリッジを収納整理する
ためのホルダが種々提供されており、そのようなものの
一例がたとえば登録実用新案公報3021811号公報
に開示されている。従来のホルダは、マス状に区切られ
た収納部にカートリッジを収納するものであり、カート
リッジを固定するためスプールに嵌合される突部を有す
るものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ホルダは、フィルムカートリッジの形状ないし寸法と突
部の位置および収納部の形状ないし寸法との関係が特に
考慮されていなかったため、カートリッジの出し入れを
スムーズに行えない場合があった。
【0004】それゆえに、本発明の主たる目的は、フィ
ルムカートリッジの出し入れをスムーズに行え、収納時
にはフィルムカートリッジを確実に保持することのでき
る、フィルムカートリッジのホルダを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるフィルム
カートリッジのホルダは、略菱形柱状のフィルムカート
リッジの側面を保持するための第1の壁部と、第1の壁
部に略直交して延びるよう形成され、フィルムカートリ
ッジの両端部をそれぞれ保持するための第2の壁部と、
第1の壁部および第2の壁部で囲まれた内側に収納され
たフィルムカートリッジが勝手に離脱しないようにする
ためスプールの両端部に嵌合される突部と、第1の壁部
および第2の壁部で囲まれた内側に収納されるフィルム
カートリッジの側面を回動可能に保持するとともに、フ
ィルムカートリッジを回転させることにより第1の壁部
と協働してフィルムカートリッジを突部の嵌合が外れる
方向へ移動させるためのガイド部とを含む、フィルムカ
ートリッジのホルダである。このホルダでは、第1およ
び第2の壁部とで囲まれた内側に略菱形柱状フィルムカ
ートリッジが収納され、そのスプールの両端部に突部が
嵌合されることにより、カートリッジが勝手に離脱しな
いように保持される。このときカートリッジの別の側面
はガイド部によって保持される。一方、カートリッジを
取り出す際には、カートリッジを回転させると、第1の
壁部によってカートリッジの側面の位置が規制されつ
つ、略菱形柱状のカートリッジの角部がガイド部に沿っ
て動くので、カートリッジがホルダの底部から離間し
て、カートリッジと突部との嵌合が外れる方向へ移動す
ることとなる。したがって、フィルムカートリッジを取
り出しやすくなる。
【0006】また、本発明において、突部は、フィルム
カートリッジのスプールの軸方向前後へ変位可能に設け
られ、しかもフィルムカートリッジの中心方向へ向かっ
て付勢されることが好ましい。この場合には、突部がフ
ィルムカートリッジの中心方向へ向かって付勢されるの
で、カートリッジがホルダから勝手に離脱することを防
止することができる。一方、カートリッジを取り出した
り収納したりする際に付勢力以上の力が突部に作用する
と、突部は変位可能に設けられているので、フィルムか
ら離間する方向へ押し開かれる。そのため、フィルムカ
ートリッジの出し入れをスムーズに行うことができる。
【0007】また、本発明において、第2の壁部は、比
較的硬質でかつ弾性を有する材質で形成され、突部は当
該第2の壁部の内面に形成され、さらに突部を変位可能
にするための貫通溝が突部の周囲に設けられることが好
ましい。この場合には、第2の壁部が比較的硬質な材質
で形成されるので、フィルムカートリッジの両端部をし
っかりと保持することができる。また、カートリッジを
ホルダ内に出し入れする際に第2の壁部がガイドとして
作用するため、出し入れを確実に行うことができる。ま
た、貫通溝が形成されているので、突部をスプールの軸
方向前後へ変位させることができる。しかも、第2の壁
部は弾性をも有するので、スプールの軸方向前後へ変位
した突部に連続する部分が撓むと弾性力により元の形状
に戻ろうとする力が働き、その結果突部がカートリッジ
の中心方向へ付勢される。
【0008】さらに、本発明において、突部は、略半円
球状に形成されることが好ましい。この場合には、嵌合
の嵌め外しおよびカートリッジの回転を滑らかに行うこ
とができる。そのため、ホルダへのフィルムカートリッ
ジの出し入れがスムーズに行える。
【0009】本発明の上述の目的,その他の目的,特徴
および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の
形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかるフィルムカ
ートリッジのホルダの一例を示す斜視図である。図1に
示す収納具10は、たとえば比較的硬質でしかも弾性を
有する合成樹脂でなる収納具本体12を含む。このよう
な合成樹脂は、たとえばポリプロピレン、ポリアセター
ル、ABS、ポリスチロールなどの公知の材料から適宜
選択される。図2は収納具本体12の内側面を示す平面
図であり、図3は収納具本体12の外側面を示す平面図
である。この収納具本体12は、ケース状のものであ
る。収納具本体12は背表紙部12aを含む。背表紙部
12aの幅方向一方側には、フィルムカートリッジ(以
下、単にカートリッジという。)を着脱可能に保持する
ためのホルダ14がヒンジ部12bを介して折り曲げ自
在に連結される。また、背表紙部12aの幅方向他方側
にはシート状物を収納して保持するためのシート状物保
持部100がヒンジ部12cを介して折り曲げ自在に連
結される。シート状物としては、たとえばAPSのイン
デックスプリントシートがあるがこれに限るものではな
い。
【0011】まず、この収納具10のホルダ14につい
て説明する。このホルダ14は、APSのカートリッジ
1を着脱可能に保持するためのものである。APSのカ
ートリッジ1は、図5,図6および図19に示すよう
に、略菱形柱状のものであり、その内部にフィルムが格
納される。そして、カートリッジ1は、フィルムの出入
口2を有し、さらにその出入口2と端部面の対角線方向
に対向した部分に角部3を有する。出入口2と角部3と
の間は滑らかな曲面を有する側面4で接続される。ま
た、カートリッジ1の略中心部には、スプール5が設け
られる。スプール5はフィルムを巻き取る軸である。ス
プール5の両端部には凹部6が形成されており、その凹
部6がカートリッジ1の両端部に露出している。APS
のカートリッジ1は、その特有の形状のため、図6(I
V)に示すように、側面4とスプール5の中心との間の
長さaに比べて、角部3とスプ−ル5の中心との間の長
さbが長いという特徴を有する。この長さの違いを利用
して、このホルダ14は、後述する作用を得ている。
【0012】本実施形態では、ホルダ14が収納具本体
12と一体に形成されている。このホルダ14は、カー
トリッジ1を収納保持するためのカートリッジ保持手段
としてのカートリッジ収納部16を複数有するものであ
る。ここでは、たとえば16個のカートリッジ収納部1
6を有するホルダ14について説明する。ホルダ14
は、基板18を含む。基板18は、ヒンジ部12bを介
して収納具本体12に接続される。
【0013】基板18には、図4に示すように第1の壁
部20が複数立設される。第1の壁部20は、後述する
ガイド部30と協働してカートリッジ1の側面4を保持
するためのものである。第1の壁部20は、互いに所定
の間隔をおいて図6に示すように互いに平行に複数形成
される。また、第1の壁部20と略直交するようにし
て、図5および図4に示すように、複数の第2の壁部2
2が互いに所定の間隔をおいて略平行に形成される。複
数の第1の壁部20は、複数の第2の壁部22によって
連結され、両者で囲まれた空間がカートリッジ1を収納
するための空間となる。第2の壁部22は、カートリッ
ジ1の両端部を規制し保持するためのものである。第2
の壁部22は、第1の壁部20と一体に設けられる。
【0014】カートリッジ1を間に挟んだ第2の壁部2
2の内側面には、それぞれカートリッジ1のスプール5
の凹部6に嵌合させるための突部24が形成される。こ
の突部24は、図4および図5に示すように、凹部6の
直径と略同じ直径を有する略半円球状の曲面を有する突
起である。突部24をスプール5の凹部6に嵌合するこ
とにより、カートリッジ1がカートリッジ収納部16に
固定され勝手に抜け出して離脱することが防止される。
【0015】また、突部24の周囲には、たとえば略U
字形状の貫通溝26が第2の壁部22を厚み方向に貫通
して形成される。そして、貫通溝26で囲まれた内側が
突部24をカートリッジ1の軸方向中心へ向かって付勢
するための付勢片28として働く。すなわち、第2の壁
部22は、たとえばポリプロピレン、ポリアセタール、
ABS、ポリスチレンなどの比較的硬質で弾性を有する
材質で形成されているので、貫通溝26を図6に示すよ
うに形成すると、貫通溝26が形成されずに第2の壁部
22と繋がっている部分を支点として突部24が内側へ
付勢される。なお、貫通溝26の形状はこれに限るもの
ではなく、たとえば略コの字形状でもよい。
【0016】さらに、互いに所定の間隔をおいて立設さ
れた第1の壁部20間には、カートリッジ1の側面4の
形状にフィットする滑らかな曲面を有するガイド部30
が形成される。ガイド部30は、カートリッジ収納部1
6の底部を構成し、対向する第1の壁部20と協働して
カートリッジ1の側面を保持するものである。図6に示
すように、ガイド部30の一端部は、第1の壁部20の
図6図示上端部に一体に接続され、ガイド部30の他端
部は、別の第1の壁部20の図6図示下端部に一体に接
続される。このガイド部30の他端部の裏面は、略平面
形状を有してその裏面において、シート状物に面接触し
得るよう形成されている。また、このガイド部30は、
図2および図5に示すように、カートリッジ1の両端部
側のみにそれぞれ形成され、それらの中間部の矩形状の
部分は厚み方向に貫通している。なお、図6図示下端部
とは、言い換えればカートリッジ収納部16の底部16
a側であり、図6図示上端部とは、言い換えればカート
リッジ収納部16にカートリッジを出し入れするための
開口部16b側である。
【0017】ガイド部30は、第1の壁部20および第
2の壁部22で囲まれた内側に収納されるカートリッジ
1の側面4に当接されて、カートリッジ1を回動可能に
保持するとともに、カートリッジ1を回転させることに
より対向する第1の壁部と協働してカートリッジ1をス
プール5の凹部6と突部24との嵌合が外れる方向へ移
動させるためのものである。そのため、このカートリッ
ジ収納部16は、図6(II)に示すように、突部24
の中心からガイド部30までの長さcが、カートリッジ
1の中心から角部3までの長さbよりも短くなるよう形
成される。また、図6(III)に示すように、カート
リッジ1を出し入れ状態にセットした際にカートリッジ
1の角部3が当接する部分pと、カートリッジ1を挟ん
で対向する第1の壁部20との間の長さdは、カートリ
ッジ1の中心から側面4までの2倍の長さ2aよりも短
く形成される。そのため、図6(III)に示すよう
に、出し入れ状態のカートリッジ1は、ガイド部30の
p部と対向する第1の壁部20との間にカートリッジ収
納部16の底部から少し浮き上がった状態で保持され
る。このとき、長さbと長さcとの関係により、図7
(B)に示すように、カートリッジ1のスプール5の凹
部6と突部24との嵌合も外れるので、カートリッジ1
を取り出しやすい。また、ガイド部30の一端部とカー
トリッジ1を挟んで対向する第1の壁部20との間の長
さは、略2aとなるよう形成される。そのため、カート
リッジ1を収納状態にしたときには、図6(I)および
図7に示すようにカートリッジ1がカートリッジ収納部
16にすっぽりと嵌まり込む。ここで、カートリッジ1
の出し入れ状態とは、カートリッジ1のフィルムの出入
口2が第1の壁部20の延びる方向と同一方向へ開口す
る向きであり、収納状態とは出入口2が第1の壁部20
と直交する向きに開口する向きである。
【0018】収納操作時には、カートリッジ1は、図6
(IV)の向きでカートリッジ収納部16に嵌め込ま
れ、図6(III)に示す状態にされる。次に、図6図
示反時計回りに90度回転させつつ押し込むことによ
り、図6(II)に示す状態を経て、図6(I)に示す
ように、第1の壁部20と第2の壁部22とガイド部3
0とで囲まれた内側にカートリッジ1がすっぽりと収納
される。このとき図7(B)に示す状態から図7(A)
に示す状態になり、突部24が押し開かれた状態から元
の状態に戻ろうと付勢されてカートリッジ1のスプール
5の凹部6に嵌合される。したがって、カートリッジ1
が勝手に脱落することなく確実に保持される。また、こ
の実施形態のカートリッジ収納部16においては、突部
24と付勢片28の形成された部分以外の第2の壁部2
2が、突部24から見てカートリッジ収納部16の開口
部16b側にも形成されており、その部分がカートリッ
ジ収納部16へカートリッジ1へ差し込む際にカートリ
ッジ1の両端部を規制するガイドとして働くので、収納
操作および取出操作を行いやすい。
【0019】一方、カートリッジ1を取り出す際には、
図6(I)の収納状態のカートリッジ1を図6図示時計
方向へ90度回転させると、第1の壁部20によってカ
ートリッジ1の側面4の位置が規制されつつ、略菱形柱
状のカートリッジ1の角部3がガイド部30に沿って動
き、図6(II)に示す状態を経て、図6(III)に
示す状態になる。このとき、図7(A)に示す状態から
図7(B)に示すようにカートリッジ1の両端部面によ
って、突部24がスプール5の軸方向両外側へ付勢力以
上の力によって押し開かれ、突部24とスプール5の凹
部6との嵌合が外れる。そのため、カートリッジ1を容
易に取り出すことができる。また、このカートリッジ収
納部16は、突部24が略半円球状の曲面を有して形成
されているので、カートリッジ1の回転および嵌合の嵌
め外しを滑らかに行うことができ、収納具10へのカー
トリッジ1の出し入れがスムーズに行える。
【0020】次に、この収納具10のシート状物保持手
段について説明する。シート状物保持手段としてのシー
ト状物保持部100は、基板102を含む。基板102
がヒンジ部12cを介して背表紙部12aに連結され
る。基板102の背表紙部12a側を除く3方には起立
壁104、106、108が立設される。基板102の
内面には、その厚み方向に突き出すようにして、図2お
よび図4に示すように2つの連結具110が幅方向に所
定の間隔をおいて一体的に形成される。この連結具11
0は、図8に示すようにパイプ状のものであるが、外形
を嵌合突部として用いるものである。連結具110の外
口縁部には、略半円形状の第1の係着小突部112が一
体的に形成される。これらの第1の係着小突部112
は、後述する第2の係着小突部122との着脱可能に係
着させるためのものである。製造時の金型の移動を考慮
して、いずれも図2図示左方のみに突き出すよう形成さ
れ、右方には形成されない。
【0021】シート状物保持部100には、シート状物
保持手段としてのシート状物保持具114が着脱可能に
取り付けられる。シート状物保持具114は、図9に示
すように、細長い板状の基材116を含む。基材116
の表面にはたとえば2つのパイプ状部材118が一体に
設けられる。2つのパイプ状部材118は、基板102
上の上述した2つの連結具110の間隔と同じ間隔をお
いて基材116表面上に配置され、それぞれの一端部が
基材116表面に一体に固着される。パイプ状部材11
8の一端部には、第1の連結部120が嵌合凹部として
形成される。この第1の連結部120は、パイプ状部材
118の一端部の開口部の内部を利用したものであり、
基材116の裏面に開口するよう基材116を厚み方向
に貫通して形成される。第1の連結部120の内径は、
その内部に少なくとも連結具110を嵌合し得る大きさ
に形成される。また、第1の連結部120の内周面に
は、図11に示すように、連結具110の第1の係着小
突部112に着脱可能に掛かり合う第2の係着小突部1
22が形成される。この第2の係着小突部122は、第
1の係着小突部112に対応する位置において、第1の
連結部120の内周面に平面略半円形状で断面略半円状
に形成される。また、図11に示すように、第1の連結
部120の開口部は連結具110を嵌入しやすいように
テーパー状に形成される。
【0022】また、パイプ状部材118は、基材116
の表面から離間する方向に突き出し設けられる。そし
て、パイプ状部材118の他端部には、第2の連結部1
24が嵌合凹部として形成される。この第2の連結部1
24は、パイプ状部材118の他端部の開口部の内部を
利用したものである。第2の連結部124の内径は、そ
の内部に少なくとも後述する第3の連結部140を嵌合
し得る大きさに形成される。また、第2の連結部124
の内口縁部には、図11に示すように、断面略三角形状
の第3の係着小突部126が形成される。この第3の係
着小突部126は、第1の連結部120の内周面に平面
略半円形状に形成される。平面略半円形状にするのは、
後述する第4の係着小突部142との掛かり合いを着脱
可能にするためである。なお、この第3の係着小突部1
26の方が第2の係着小突部122よりも大きくかつし
っかりと掛かり合うような形状に形成されているのは、
連結具110と第1の連結部120との着脱の頻度の方
が、第2の連結部124と後述する第3の連結部140
との着脱の頻度よりも多いことを考慮したものである。
【0023】そして、このパイプ状部材118の外周面
がポケット保持部128となる。ポケット保持部128
は、図12に示すように、透明ポケット130に形成さ
れた綴じ穴132に嵌合されるものである。この透明ポ
ケット130は、透明な合成樹脂フィルムで形成された
袋状のものであり、図1に示すように収納されるべきシ
ート状物を出し入れするための開口部134がたとえば
側端縁に形成されている。そして、上端縁近傍にたとえ
ば2つの円形の綴じ穴132が合成樹脂フィルムを厚み
方向に貫通して形成される。ポケット保持部128の大
きさ、すなわちパイプ状部材118の外径寸法は、透明
ポケット130を綴じ込むことができるように綴じ穴1
32の直径よりも若干小さく形成されるが、パイプ状部
材118の外径を利用しているので綴じ穴132の直径
が大きい場合にもそれに対応して比較的大きなポケット
保持部128とすることができる。逆に言えば、パイプ
状部材118の太さに合わせて綴り孔132の直径も大
きくすることができる。そのため、透明ポケット130
が綴じられる部分が損傷しにくい。また、ポケット保持
部128が中空のパイプ状なので使用する樹脂量を節約
でき、製品の軽量化も図られる。また、パイプ状部材1
18に複数の機能を持たせているので、シート状物保持
具114の構造がシンプルになり、製造も容易化され
る。
【0024】また、基材116の幅方向の一端部には、
ヒンジ部136を介して折り曲げ自在に略L字形状の挟
持部材138が一体に接続される。挟持部材138の略
L字形状に折れ曲がっている部分も折り曲げ自在のヒン
ジ部として形成してもよい。挟持部材138をヒンジ部
136で折り曲げた際に基材116と対向する面には、
第2の連結部124に嵌合する嵌合突部としての第3の
連結部140が形成される。この第3の連結部140
は、図10に示すようにパイプ状のものであるが、外形
を嵌合突部として用いるものである。第3の連結部14
0の外径は、嵌合凹部としての第2の連結部124に嵌
合することのできる大きさに形成される。また、第3の
連結部140の外口縁部には、図10に示すように、略
半円形状の第4の係着小突部142が一体的に形成され
る。第4の係着小突部142は、第3の係着小突部12
6と着脱可能に掛かり合うものである。この第4の係着
小突部142は、図10(B)に示すように、第3の連
結部140の外周部に断面略三角形状の切り欠き144
を形成することにより相対的に突き出るように形成され
る。
【0025】複数の透明ポケット130は、図12およ
び図13に示すように、ポケット保持部128によって
保持される。利用者は、各透明ポケット130内に収納
されたインデックスプリントシートを外部から見て、焼
き増ししたい写真を選択したりすることができる。透明
ポケット130にインデックスプリントシートを収納す
る場合には、ホルダ14によって保持されるフィルムカ
ートリッジの個数と同じ枚数の透明ポケット130が設
けられ、それぞれにインデックスプリントシートが収納
される。この場合、ポケット保持部128の基材116
表面からの高さが、透明ポケット130を複数枚積層し
た際の厚みに略対応しており、ポケット保持部128の
高さによって収納できる透明ポケット130の最大枚数
が決まる。
【0026】このシート状物保持具114は、収納具本
体12の連結具110と第1の連結部120と第2の連
結部124と第3の連結部140とがそれぞれ同一の中
心軸上に配列されるよう形成される。使用時には、透明
ポケット130に穿設された綴じ穴132にポケット保
持部128を嵌合し、基材116との間に透明ポケット
130を挟みつつ挟持部材138をヒンジ部136で折
り返し、第2の連結部124と第3の連結部140とが
嵌合される。すると、基材116と挟持部材138とが
第2および第3の連結部124,140によって図13
に示すように閉環されて透明ポケット130が勝手に脱
落しなくなる。そして、第1の連結部120と収納具本
体12の連結具110とを嵌合させることにより、シー
ト状物保持具114が収納具本体12に取り付けられ
る。そのため、透明ポケット130内にシート状物を収
納して確実に保持することができる。一方、連結具11
0と第1の連結部120との嵌合をはずして、シート状
物保持具114を収納具本体12から取り外すことによ
り、シート状物を収納した透明ポケット130を複数保
持した状態のまま持ち運ぶことができる。さらに、第2
の連結部124と第3の連結部140との嵌合をはずす
ことにより、基材116と挟持部材138とが開環され
るので、シート状物保持具114から透明ポケット13
0を取り外したりすることができる。
【0027】次に、図1に示す収納具10の外側面に形
成されるシート状物収納部40について説明する。この
シート状物収納部40は、たとえばハイビジョン写真P
hやパンフレットないし説明書などのシート状物を収納
するためのものである。図17(B)に示すように、ホ
ルダ14の外側面には、略全面にシート状物収納部40
としての四角い凹部が形成される。このシート状物収納
部40の深さ方向の底面は、図3および図4にも示すよ
うにカートリッジ収納部16の裏面である。ホルダ14
の4方には、図4および図5に示すように、起立壁4
2、44、46および48が立設される。このうち起立
壁44は、図4に図示する最も右側に形成された第1の
壁部20と共通し、起立壁48は最も左側に形成された
第1の壁部20と共通するものである。そして、起立壁
42、44、46および48の一端部がそれぞれシート
状物収納部40側に延長されてシート状物収納部40の
4方を囲む側壁となる。そして、シート状物収納部40
の外側には、透明な合成樹脂で形成された平板状の隔壁
50が配置される。隔壁50は、シート状物を保持しつ
つ外部からシート状物収納部40内のシート状物を見る
ためのものである。この隔壁50の幅方向一端側の高さ
方向の上下隅部近傍には、図15に示すように、たとえ
ば半円球状の突部52がそれぞれ高さ方向上下へ突き出
し形成される。これらの突部52は、図16に示すよう
に、収納部本体12に形成された軸受部56に回動自在
に嵌合される。この軸受部56は、図3に示すように、
収納具本体12に高さ方向の上下にそれぞれ形成され
る。また、隔壁50の幅方向他端側の高さ方向の上下隅
部近傍には、図15に示すように、たとえば半円球状の
突部54がそれぞれ高さ方向上下へ突き出し形成され
る。この突部54は、突部52よりも小さく形成され
る。これらの突部54は、図16に示すように、収納部
本体12に形成された突部止部58に嵌合される。この
突部止部58も、図3に示すように、収納具本体12に
高さ方向の上下にそれぞれ形成される。隔壁50は、突
部52を軸受部56に回動自在に軸支することにより、
図17に示すように開閉可能に収納部本体12に取り付
けられる。隔壁50を図17(A)に示すように閉じた
際には、突部56が突部止部58に嵌合して留め付けら
れる。隔壁50を開動させてシート状物を出し入れする
際には、使用者は、収納具本体12に形成された凹部6
0に指を入れ隔壁50の端面に指を引っかけて操作す
る。凹部60は、後述する閉鎖具62の幅方向一端側の
中央部を凹ませて形成される。
【0028】この収納具10は、平面短冊状の端面略弓
形状の閉鎖具62を含む。閉鎖具62は、ホルダ14の
背表紙部12aとは反対側にヒンジ部64を介して折り
曲げ自在に一体に連結される。閉鎖具62は、ホルダ1
4とシート状物保持部100とを図18に示すように閉
じ合わせた際にそれらが勝手に開かないように閉鎖する
ためのものである。閉鎖具62の内面には、線状突部6
6が厚み方向に突出して形成される。線状突部66を、
収納具本体12の起立壁106の外面に突き出し形成さ
れた別の線状突部68に引っ掛けることにより収納具1
0は図18(A)に示すように閉じた状態で固定するこ
とができる。収納具10を開く際には、シート状物保持
部100の基板102の外側面に形成された凹部70に
指を入れ閉鎖具62の端面に指を引っかけて操作する。
【0029】また、この収納具10は全体が透明な合成
樹脂で形成されており、背表紙部12aの外部から内部
を透かし見ることができる。そこで、この収納具10で
は、図1に示すように背表紙部12aの内側に短冊状の
背見出し80が配置される。そして、背見出し80の幅
方向両側は、背表紙部12aの内側面の幅方向両側部に
立設された片部材82によって保持される。また、背見
出し80の高さ方向上下は、背表紙部12aに立設され
た略Tの字形状の係止部84によって保持される。そし
て、背見出し80の背表紙部12aと反対側の面には、
短冊状の押さえ板86が配置される。押さえ板86の幅
方向両側の略中央部には、図14に示すようにそれぞれ
突き出し片88が形成される。突き出し片88に対応す
る箇所の片部材82は切り欠かれており、その切り欠か
れた部分82aに突き出し片88は収納される。押さえ
板86を取り付けたり取り外したりする操作の際には、
突き出し片88を両側から撮み持って操作することがで
きる。また、押さえ板86の長さ方向両端部には、図1
4に示すように係止部84を両側から挟持するようにし
て取り付けるための取付部90が形成される。背見出し
80は、押さえ板86と背表紙部12aとで挟持される
ようにして収納具本体12の内側に固定される。
【0030】図19は、本発明にかかるカートリッジの
ホルダ14の変形例を示す斜視図である。このホルダ1
4は、上述と同じカートリッジ収納部16を8つ有する
ものであるが、収納具本体12と分離した独立のものと
して形成されている点で異なる。また、このホルダ14
は、その周縁部にたとえば略楔形状の連結突部90とそ
れに嵌まり合う連結凹部92とが形成される。連結突部
90と連結突部92とは、図20に示すように、互いに
着脱自在に嵌まり合うものである。連結突部90と連結
突部92とを嵌合させることにより、たとえば図21に
示すものと同様に、複数のホルダ14を連結することが
できる。複数のホルダ14を連結したものは、たとえば
机の引出に入れて使用したりすることもできる。また、
複数のカートリッジ保持部14を連結したものをファイ
ル表紙にたとえば超音波溶接してファイルとして用いる
こともできる。
【0031】なお、上述の実施形態の説明では、カート
リッジ1の両端側の突部24がそれぞれ付勢されている
ものについて説明したが、たとえば図21に示すよう
に、カートリッジ1の一端側の突部24のみを付勢し、
他端側の突部24′を固定するようにしてもよい。ま
た、第2の壁部22のガイド機能を必要としない場合に
は、突部24の上方の第2の壁部22を形成せずに突部
24を有する付勢片28が立設されるようにしてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】上述のように、本発明にかかるフィルム
カートリッジのホルダによれば、フィルムカートリッジ
の出し入れをスムーズに行え、収納時にはフィルムカー
トリッジを確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフィルムカートリッジのホルダ
の一例を示す斜視図である。
【図2】収納具本体の内側面を示す平面図である。
【図3】収納具本体の外側面を示す平面図である。
【図4】図2の線IV−IVにおける断面図である。
【図5】図2の線V−Vにおける断面図解図である。
【図6】カートリッジ収納部を図2の線VI−VIで切
断してみた図解図である。
【図7】(A)はカートリッジ収納部にカートリッジが
収納された状態を示す図解図であり、(B)はカートリ
ッジ収納部からカートリッジが取り出される状態を示す
図解図である。
【図8】(A)は図2の線VIII−VIIIにおける
断面図であり、(B)はその平面図である。
【図9】(A)はシート状物保持具の背面図であり、
(B)はその平面図であり、(C)はその正面図であ
り、(D)はその側面図である。
【図10】(A)は、図9(B)の線Xで囲まれた部分
の要部拡大図であり、(B)はその線XB−XBにおけ
る断面図である。
【図11】(A)は、図9(B)の線XIで囲まれた部
分の要部拡大図であり、(B)はその線XIB−XIB
における断面図である。
【図12】図9に示すシート状物保持具の使用状況を示
す横断面図解図である。
【図13】図9に示すシート状物保持具の使用状況を示
す縦断面図解図である。
【図14】(A)は押さえ板を示す平面図であり、
(B)はその線XIVB−XIVBにおける断面図であ
る。
【図15】(A)は隔壁を示す平面図であり、(B)は
その側面図である。
【図16】(A)は図3の線XVIA−XVIAにおけ
る断面図解図であり、(B)は図3の線XVIB−XV
IBにおける断面図解図である。
【図17】(A)は隔壁を閉じた状態を示す斜視図であ
り、(B)は隔壁を開いた状態を示す斜視図である。
【図18】(A)は収納具を閉じた状態を示す斜視図で
あり、(B)は収納具を開く途中の段階を示す要部斜視
図であり、(C)は収納具を開いた状態を示す要部斜視
図である。
【図19】ホルダの変形例を示す斜視図である。
【図20】図19に示すホルダの要部の作用を示す図解
図である。
【図21】ホルダの変形例を連結した状態を示す斜視図
である。
【符号の説明】
10 収納具 12 収納具本体 14 ホルダ 16 カートリッジ収納部 18 基板 20 第1の壁部 22 第2の壁部 24 突部 26 貫通溝 28 付勢片 30 ガイド部 40 シート状物収納部 50 隔壁 52 突部 54 突部 56 軸受部材 58 突部止部 60 凹部 100 シート状物保持部 102 基板 104、106、108 起立壁 110 連結具 112 第1の係着小突部 114 シート状物保持具 116 基材 118 パイプ状部材 120 第1の連結部 122 第2の係着小突部 124 第2の連結部 126 第3の係着小突部 128 ポケット保持部 130 透明ポケット 132 綴じ穴 134 開口部 136 ヒンジ部 138 挟持部材 140 第3の連結部 142 第4の係着小突部 144 切り欠き
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 フィルムカートリッジのホルダ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はAPS(アドバンス
ト・フォト・システム)のフィルムカートリッジを収納
整理するためのホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、APSの普及に伴い、現像済のフ
ィルムを格納したフィルムカートリッジを収納整理する
ためのホルダが種々提供されており、そのようなものの
一例がたとえば登録実用新案公報3021811号公報
に開示されている。従来のホルダは、マス状に区切られ
た収納部にカートリッジを収納するものであり、カート
リッジを固定するためスプールに嵌合される突部を有す
るものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ホルダは、フィルムカートリッジの形状ないし寸法と突
部の位置および収納部の形状ないし寸法との関係が特に
考慮されていなかったため、カートリッジの出し入れを
スムーズに行えない場合があった。
【0004】それゆえに、本発明の主たる目的は、フィ
ルムカートリッジの出し入れをスムーズに行え、収納時
にはフィルムカートリッジを確実に保持することのでき
る、フィルムカートリッジのホルダを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるフィルム
カートリッジのホルダは、略菱形柱状のフィルムカート
リッジの一方側面を保持するための第1の壁部と、第1
の壁部に略直交して延びるよう形成され、フィルムカー
トリッジの両端部をそれぞれ保持するための第2の壁部
と、フィルムカートリッジの他方側面をその曲面に沿っ
保持するイド部と、第1の壁部と第2の壁部とガイ
ド部とで囲まれた内側にフィルムカートリッジを収納す
る収納部と、収納部内に収納されたフィルムカートリッ
ジが勝手に離脱しないようにするためスプールの両端部
に嵌合される突部とを含む、フィルムカートリッジのホ
ルダであって、ガイド部は、フィルムカートリッジを収
納状態から略90°回転させて出し入れ状態にするとき
に、スプールと突部との嵌合が外れるようフィルムカー
トリッジを収納部の底部から離間する方向へ押し上げ
て、出し入れ状態のフィルムカ−トリッジを第1の壁部
とで挟持するよう形成された、フィルムカートリッジの
ホルダである。このホルダでは、収納部内に略菱形柱状
フィルムカートリッジが収納され、そのスプールの両端
部に突部が嵌合されることにより、カートリッジが勝手
に離脱しないように保持される。方、カートリッジを
取り出す際には、カートリッジを収納状態から略90°
回転させると、第1の壁部によってカートリッジの側面
の位置が規制されつつ、略菱形柱状のカートリッジの角
部がガイド部に沿って動くので、カートリッジがホルダ
の底部から離間して、カートリッジと突部との嵌合が外
れる方向へ押し上げられて、出し入れ状態になる。この
とき、押し上げられたフィルムカートリッジは、ガイド
部と第1の壁部との間で挟持される。したがって、フィ
ルムカートリッジを取り出しやすい。また、本発明にか
かるフィルムカートリッジのホルダにおいて、収納状態
からフィルムカートリッジ(1)を略90°回転させて
フィルムカートリッジ(1)の角部(3)をガイド部
(30)表面に摺接させることによって、フィルムカー
トリッジを収納部(16)の底部から離間する方向へ押
し上げてスプール両端の凹部(6)と突部(24)との
嵌合が外れるようにするために、収納部(16)の底か
ら突部(24)の中心までの高さcがフィルムカートリ
ッジ(1)の中心から角部(3)までの最短長さbより
も短く形成され、しかもフィルムカートリッジ(1)を
収納状態から略90°回転させて出し入れ状態にした際
に、収納部(16)の底から浮き上がった状態でフィル
ムカートリッジ(1)を挟持するため、フィルムカート
リッジ(1)の角部(3)が当接する部分pと、フィル
ムカートリッジ(1)を挟んで対向する第1の壁部(2
0)との間の最短長さdは、フィルムカートリッジ
(1)の中心から側面(4)までの最短長さaの2倍の
長さ2aよりも短く形成されることが好ましい。この場
合には、収納部(16)の底から突部(24)の中心ま
での高さcがフィルムカートリッジ(1)の中心から角
部(3)までの最短長さbよりも短く形成され、しかも
出し入れ状態のときにフィルムカートリッジ(1)の角
部(3)が当接する部分pと、フィルムカートリッジ
(1)を挟んで対向する第1の壁部(20)との間の最
短長さdがフィルムカートリッジ(1)の中心から側面
(4)までの最短長さaの2倍の長さ2aよりも短く形
成されているので、収納状態からフィルムカートリッジ
(1)を略90°回転させると、フィルムカートリッジ
(1)の角部(3)がガイド部(30)表面に摺接し、
フィルムカートリッジが収納部(16)の底部から離間
する方向へ押し上げられて、スプール両端の凹部(6)
と突部(24)との嵌合が外れる。そして、フィルムカ
ートリッジ(1)が収納部(16)の底から浮き上がっ
た状態でフィルムカートリッジ(1)の角部(3)が当
接する部分pと、フィルムカートリッジ(1)を挟んで
対向する第1の壁部(20)との間に挟持される。
【0006】また、本発明において、突部は、フィルム
カートリッジのスプールの軸方向前後へ変位可能に設け
られ、しかもフィルムカートリッジの中心方向へ向かっ
て付勢されることが好ましい。この場合には、突部がフ
ィルムカートリッジの中心方向へ向かって付勢されるの
で、カートリッジがホルダから勝手に離脱することを防
止することができる。一方、カートリッジを取り出した
り収納したりする際に付勢力以上の力が突部に作用する
と、突部は変位可能に設けられているので、フィルムか
ら離間する方向へ押し開かれる。そのため、フィルムカ
ートリッジの出し入れをスムーズに行うことができる。
【0007】また、本発明において、第2の壁部は、比
較的硬質でかつ弾性を有する材質で形成され、突部は当
該第2の壁部の内面に形成され、さらに突部を変位可能
にするための貫通溝が突部の周囲を取り囲むようにして
設けられることが好ましい。この場合には、第2の壁部
が比較的硬質な材質で形成されるので、フィルムカート
リッジの両端部をしっかりと保持することができる。ま
た、カートリッジをホルダ内に出し入れする際に第2の
壁部がガイドとして作用するため、出し入れを確実に行
うことができる。また、貫通溝が突部の周囲を取り囲む
ようにして形成されているので、突部をスプールの軸方
向前後へ変位させることができる。しかも、第2の壁部
は弾性をも有するので、スプールの軸方向前後へ変位し
た突部に連続する部分が撓むと弾性力により元の形状に
戻ろうとする力が働き、その結果突部がカートリッジの
中心方向へ付勢される。
【0008】さらに、本発明において、突部は、略半円
球状に形成されることが好ましい。この場合には、嵌合
の嵌め外しおよびカートリッジの回転を滑らかに行うこ
とができる。そのため、ホルダへのフィルムカートリッ
ジの出し入れがスムーズに行える。
【0009】本発明の上述の目的,その他の目的,特徴
および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の
形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかるフィルムカ
ートリッジのホルダの一例を示す斜視図である。図1に
示す収納具10は、たとえば比較的硬質でしかも弾性を
有する合成樹脂でなる収納具本体12を含む。このよう
な合成樹脂は、たとえばポリプロピレン、ポリアセター
ル、ABS、ポリスチロールなどの公知の材料から適宜
選択される。図2は収納具本体12の内側面を示す平面
図であり、図3は収納具本体12の外側面を示す平面図
である。この収納具本体12は、ケース状のものであ
る。収納具本体12は背表紙部12aを含む。背表紙部
12aの幅方向一方側には、フィルムカートリッジ(以
下、単にカートリッジという。)を着脱可能に保持する
ためのホルダ14がヒンジ部12bを介して折り曲げ自
在に連結される。また、背表紙部12aの幅方向他方側
にはシート状物を収納して保持するためのシート状物保
持部100がヒンジ部12cを介して折り曲げ自在に連
結される。シート状物としては、たとえばAPSのイン
デックスプリントシートがあるがこれに限るものではな
い。
【0011】まず、この収納具10のホルダ14につい
て説明する。このホルダ14は、APSのカートリッジ
1を着脱可能に保持するためのものである。APSのカ
ートリッジ1は、図5,図6および図19に示すよう
に、略菱形柱状のものであり、その内部にフィルムが格
納される。そして、カートリッジ1は、フィルムの出入
口2を有し、さらにその出入口2と端部面の対角線方向
に対向した部分に角部3を有する。出入口2と角部3と
の間は滑らかな曲面を有する側面4で接続される。ま
た、カートリッジ1の略中心部には、スプール5が設け
られる。スプール5はフィルムを巻き取る軸である。ス
プール5の両端部には凹部6が形成されており、その凹
部6がカートリッジ1の両端部に露出している。APS
のカートリッジ1は、その特有の形状のため、図6(I
V)に示すように、側面4とスプール5の中心との間の
長さaに比べて、角部3とスプ−ル5の中心との間の長
さbが長いという特徴を有する。この長さの違いを利用
して、このホルダ14は、後述する作用を得ている。
【0012】本実施形態では、ホルダ14が収納具本体
12と一体に形成されている。このホルダ14は、カー
トリッジ1を収納保持するためのカートリッジ保持手段
としてのカートリッジ収納部16を複数有するものであ
る。ここでは、たとえば16個のカートリッジ収納部1
6を有するホルダ14について説明する。ホルダ14
は、基板18を含む。基板18は、ヒンジ部12bを介
して収納具本体12に接続される。
【0013】基板18には、図4に示すように第1の壁
部20が複数立設される。第1の壁部20は、後述する
ガイド部30と協働してカートリッジ1の一方側面4を
保持するためのものである。第1の壁部20は、互いに
所定の間隔をおいて図6に示すように互いに平行に複数
形成される。また、第1の壁部20と略直交するように
して、図5および図4に示すように、複数の第2の壁部
22が互いに所定の間隔をおいて略平行に形成される。
複数の第1の壁部20は、複数の第2の壁部22によっ
て連結され、両者で囲まれた空間がカートリッジ1を収
納するための空間となる。第2の壁部22は、カートリ
ッジ1の両端部を規制し保持するためのものである。第
2の壁部22は、第1の壁部20と一体に設けられる。
【0014】カートリッジ1を間に挟んだ第2の壁部2
2の内側面には、それぞれカートリッジ1のスプール5
の凹部6に嵌合させるための突部24が形成される。こ
の突部24は、図4および図5に示すように、凹部6の
直径と略同じ直径を有する略半円球状の曲面を有する突
起である。突部24をスプール5の凹部6に嵌合するこ
とにより、カートリッジ1がカートリッジ収納部16に
固定され勝手に抜け出して離脱することが防止される。
【0015】また、突部24の周囲には、突部24を取
り囲むようにしてたとえば略U字形状の貫通溝26が第
2の壁部22を厚み方向に貫通して形成される。そし
て、貫通溝26で囲まれた内側が突部24をカートリッ
ジ1の軸方向中心へ向かって付勢するための付勢片28
として働く。すなわち、第2の壁部22は、たとえばポ
リプロピレン、ポリアセタール、ABS、ポリスチレン
などの比較的硬質で弾性を有する材質で形成されている
ので、貫通溝26を図6に示すように形成すると、貫通
溝26が形成されずに第2の壁部22と繋がっている部
分を支点として突部24が内側へ付勢される。なお、貫
通溝26の形状はこれに限るものではなく、たとえば略
コの字形状でもよい。
【0016】さらに、互いに所定の間隔をおいて立設さ
れた第1の壁部20間には、カートリッジ1の側面4の
形状にフィットする滑らかな曲面を有するガイド部30
が形成される。ガイド部30は、カートリッジ収納部1
6の底部を構成し、対向する第1の壁部20と協働して
カートリッジ1の他方側面を保持するものである。図6
に示すように、ガイド部30の一端部は、第1の壁部2
0の図6図示上端部に一体に接続され、ガイド部30の
他端部は、別の第1の壁部20の図6図示下端部に一体
に接続される。このガイド部30の他端部の裏面は、略
平面形状を有してその裏面において、シート状物に面接
触し得るよう形成されている。また、このガイド部30
は、図2および図5に示すように、カートリッジ1の両
端部側のみにそれぞれ形成され、それらの中間部の矩形
状の部分は厚み方向に貫通している。なお、図6図示下
端部とは、言い換えればカートリッジ収納部16の底部
16a側であり、図6図示上端部とは、言い換えればカ
ートリッジ収納部16にカートリッジを出し入れするた
めの開口部16b側である。
【0017】ガイド部30は、第1の壁部20および第
2の壁部22で囲まれた内側に収納されるカートリッジ
1の側面4に当接されて、カートリッジ1を回動可能に
保持するとともに、カートリッジ1を回転させることに
より対向する第1の壁部と協働してカートリッジ1をス
プール5の凹部6と突部24との嵌合が外れる方向へ移
動させるためのものである。そのため、このカートリッ
ジ収納部16は、図6(II)に示すように、突部24
の中心からガイド部30の底までの長さc、すなわちガ
イド部30の底から突部24の中心までの高さが、カー
トリッジ1の中心から角部3までの長さbよりも短くな
るよう形成される。また、図6(III)に示すよう
に、カートリッジ1を出し入れ状態にセットした際にカ
ートリッジ1の角部3が当接する部分pと、カートリッ
ジ1を挟んで対向する第1の壁部20との間の長さd
は、カートリッジ1の中心から側面4までの2倍の長さ
2aよりも短く形成される。そのため、図6(III)
に示すように、出し入れ状態のカートリッジ1は、ガイ
ド部30のp部と対向する第1の壁部20との間にカー
トリッジ収納部16の底部から少し浮き上がった状態で
保持される。このとき、長さbと長さcとの関係によ
り、図7(B)に示すように、カートリッジ1のスプー
ル5の凹部6と突部24との嵌合も外れているので、カ
ートリッジ1を取り出しやすい。また、カートリッジ収
納部16の開口部16b側のガイド部30の一端部とカ
ートリッジ1を挟んで対向する第1の壁部20との間の
長さは、略2aとなるよう形成される。また、ガイド部
30は、カートリッジ1の側面4にフィットする形状に
形成される。そのため、カートリッジ1を収納状態にし
たときには、図6(I)および図7に示すようにカート
リッジ1がカートリッジ収納部16にすっぽりと嵌まり
込む。ここで、カートリッジ1の出し入れ状態とは、カ
ートリッジ1のフィルムの出入口2が第1の壁部20の
延びる方向と同一方向へ開口する向きであり、収納状態
とは出入口2が第1の壁部20と直交する向きに開口す
る向きである。
【0018】収納操作時には、カートリッジ1は、図6
(IV)の向きでカートリッジ収納部16に嵌め込ま
れ、図6(III)に示す状態にされる。次に、図6図
示反時計回りに90度回転させつつ押し込むことによ
り、図6(II)に示す状態を経て、図6(I)に示す
ように、第1の壁部20と第2の壁部22とガイド部3
0とで囲まれた内側にカートリッジ1がすっぽりと収納
される。このとき図7(B)に示す状態から図7(A)
に示す状態になり、突部24が押し開かれた状態から元
の状態に戻ろうと付勢されてカートリッジ1のスプール
5の凹部6に嵌合される。したがって、カートリッジ1
が勝手に脱落することなく確実に保持される。また、こ
の実施形態のカートリッジ収納部16においては、突部
24と付勢片28の形成された部分以外の第2の壁部2
2が、突部24から見てカートリッジ収納部16の開口
部16b側にも形成されており、その部分がカートリッ
ジ収納部16へカートリッジ1へ差し込む際にカートリ
ッジ1の両端部を規制するガイドとして働くので、収納
操作および取出操作を行いやすい。
【0019】一方、カートリッジ1を取り出す際には、
図6(I)の収納状態のカートリッジ1を図6図示時計
方向へ90度回転させると、第1の壁部20によってカ
ートリッジ1の側面4の位置が規制されつつ、略菱形柱
状のカートリッジ1の角部3がガイド部30に沿って動
き、図6(II)に示す状態を経て、図6(III)に
示す状態になる。このとき、図7(A)に示す状態から
図7(B)に示すようにカートリッジ1の両端部面によ
って、突部24がスプール5の軸方向両外側へ付勢力以
上の力によって押し開かれ、突部24とスプール5の凹
部6との嵌合が外れる。そのため、カートリッジ1を容
易に取り出すことができる。また、このカートリッジ収
納部16は、突部24が略半円球状の曲面を有して形成
されているので、カートリッジ1の回転および嵌合の嵌
め外しを滑らかに行うことができ、収納具10へのカー
トリッジ1の出し入れがスムーズに行える。
【0020】次に、この収納具10のシート状物保持手
段について説明する。シート状物保持手段としてのシー
ト状物保持部100は、基板102を含む。基板102
がヒンジ部12cを介して背表紙部12aに連結され
る。基板102の背表紙部12a側を除く3方には起立
壁104、106、108が立設される。基板102の
内面には、その厚み方向に突き出すようにして、図2お
よび図4に示すように2つの連結具110が幅方向に所
定の間隔をおいて一体的に形成される。この連結具11
0は、図8に示すようにパイプ状のものであるが、外形
を嵌合突部として用いるものである。連結具110の外
口縁部には、略半円形状の第1の係着小突部112が一
体的に形成される。これらの第1の係着小突部112
は、後述する第2の係着小突部122との着脱可能に係
着させるためのものである。製造時の金型の移動を考慮
して、いずれも図2図示左方のみに突き出すよう形成さ
れ、右方には形成されない。
【0021】シート状物保持部100には、シート状物
保持手段としてのシート状物保持具114が着脱可能に
取り付けられる。シート状物保持具114は、図9に示
すように、細長い板状の基材116を含む。基材116
の表面にはたとえば2つのパイプ状部材118が一体に
設けられる。2つのパイプ状部材118は、基板102
上の上述した2つの連結具110の間隔と同じ間隔をお
いて基材116表面上に配置され、それぞれの一端部が
基材116表面に一体に固着される。パイプ状部材11
8の一端部には、第1の連結部120が嵌合凹部として
形成される。この第1の連結部120は、パイプ状部材
118の一端部の開口部の内部を利用したものであり、
基材116の裏面に開口するよう基材116を厚み方向
に貫通して形成される。第1の連結部120の内径は、
その内部に少なくとも連結具110を嵌合し得る大きさ
に形成される。また、第1の連結部120の内周面に
は、図11に示すように、連結具110の第1の係着小
突部112に着脱可能に掛かり合う第2の係着小突部1
22が形成される。この第2の係着小突部122は、第
1の係着小突部112に対応する位置において、第1の
連結部120の内周面に平面略半円形状で断面略半円状
に形成される。また、図11に示すように、第1の連結
部120の開口部は連結具110を嵌入しやすいように
テーパー状に形成される。
【0022】また、パイプ状部材118は、基材116
の表面から離間する方向に突き出し設けられる。そし
て、パイプ状部材118の他端部には、第2の連結部1
24が嵌合凹部として形成される。この第2の連結部1
24は、パイプ状部材118の他端部の開口部の内部を
利用したものである。第2の連結部124の内径は、そ
の内部に少なくとも後述する第3の連結部140を嵌合
し得る大きさに形成される。また、第2の連結部124
の内口縁部には、図11に示すように、断面略三角形状
の第3の係着小突部126が形成される。この第3の係
着小突部126は、第1の連結部120の内周面に平面
略半円形状に形成される。平面略半円形状にするのは、
後述する第4の係着小突部142との掛かり合いを着脱
可能にするためである。なお、この第3の係着小突部1
26の方が第2の係着小突部122よりも大きくかつし
っかりと掛かり合うような形状に形成されているのは、
連結具110と第1の連結部120との着脱の頻度の方
が、第2の連結部124と後述する第3の連結部140
との着脱の頻度よりも多いことを考慮したものである。
【0023】そして、このパイプ状部材118の外周面
がポケット保持部128となる。ポケット保持部128
は、図12に示すように、透明ポケット130に形成さ
れた綴じ穴132に嵌合されるものである。この透明ポ
ケット130は、透明な合成樹脂フィルムで形成された
袋状のものであり、図1に示すように収納されるべきシ
ート状物を出し入れするための開口部134がたとえば
側端縁に形成されている。そして、上端縁近傍にたとえ
ば2つの円形の綴じ穴132が合成樹脂フィルムを厚み
方向に貫通して形成される。ポケット保持部128の大
きさ、すなわちパイプ状部材118の外径寸法は、透明
ポケット130を綴じ込むことができるように綴じ穴1
32の直径よりも若干小さく形成されるが、パイプ状部
材118の外径を利用しているので綴じ穴132の直径
が大きい場合にもそれに対応して比較的大きなポケット
保持部128とすることができる。逆に言えば、パイプ
状部材118の太さに合わせて綴り孔132の直径も大
きくすることができる。そのため、透明ポケット130
が綴じられる部分が損傷しにくい。また、ポケット保持
部128が中空のパイプ状なので使用する樹脂量を節約
でき、製品の軽量化も図られる。また、パイプ状部材1
18に複数の機能を持たせているので、シート状物保持
具114の構造がシンプルになり、製造も容易化され
る。
【0024】また、基材116の幅方向の一端部には、
ヒンジ部136を介して折り曲げ自在に略L字形状の挟
持部材138が一体に接続される。挟持部材138の略
L字形状に折れ曲がっている部分も折り曲げ自在のヒン
ジ部として形成してもよい。挟持部材138をヒンジ部
136で折り曲げた際に基材116と対向する面には、
第2の連結部124に嵌合する嵌合突部としての第3の
連結部140が形成される。この第3の連結部140
は、図10に示すようにパイプ状のものであるが、外形
を嵌合突部として用いるものである。第3の連結部14
0の外径は、嵌合凹部としての第2の連結部124に嵌
合することのできる大きさに形成される。また、第3の
連結部140の外口縁部には、図10に示すように、略
半円形状の第4の係着小突部142が一体的に形成され
る。第4の係着小突部142は、第3の係着小突部12
6と着脱可能に掛かり合うものである。この第4の係着
小突部142は、図10(B)に示すように、第3の連
結部140の外周部に断面略三角形状の切り欠き144
を形成することにより相対的に突き出るように形成され
る。
【0025】複数の透明ポケット130は、図12およ
び図13に示すように、ポケット保持部128によって
保持される。利用者は、各透明ポケット130内に収納
されたインデックスプリントシートを外部から見て、焼
き増ししたい写真を選択したりすることができる。透明
ポケット130にインデックスプリントシートを収納す
る場合には、ホルダ14によって保持されるフィルムカ
ートリッジの個数と同じ枚数の透明ポケット130が設
けられ、それぞれにインデックスプリントシートが収納
される。この場合、ポケット保持部128の基材116
表面からの高さが、透明ポケット130を複数枚積層し
た際の厚みに略対応しており、ポケット保持部128の
高さによって収納できる透明ポケット130の最大枚数
が決まる。
【0026】このシート状物保持具114は、収納具本
体12の連結具110と第1の連結部120と第2の連
結部124と第3の連結部140とがそれぞれ同一の中
心軸上に配列されるよう形成される。使用時には、透明
ポケット130に穿設された綴じ穴132にポケット保
持部128を嵌合し、基材116との間に透明ポケット
130を挟みつつ挟持部材138をヒンジ部136で折
り返し、第2の連結部124と第3の連結部140とが
嵌合される。すると、基材116と挟持部材138とが
第2および第3の連結部124,140によって図13
に示すように閉環されて透明ポケット130が勝手に脱
落しなくなる。そして、第1の連結部120と収納具本
体12の連結具110とを嵌合させることにより、シー
ト状物保持具114が収納具本体12に取り付けられ
る。そのため、透明ポケット130内にシート状物を収
納して確実に保持することができる。一方、連結具11
0と第1の連結部120との嵌合をはずして、シート状
物保持具114を収納具本体12から取り外すことによ
り、シート状物を収納した透明ポケット130を複数保
持した状態のまま持ち運ぶことができる。さらに、第2
の連結部124と第3の連結部140との嵌合をはずす
ことにより、基材116と挟持部材138とが開環され
るので、シート状物保持具114から透明ポケット13
0を取り外したりすることができる。
【0027】次に、図1に示す収納具10の外側面に形
成されるシート状物収納部40について説明する。この
シート状物収納部40は、たとえばハイビジョン写真P
hやパンフレットないし説明書などのシート状物を収納
するためのものである。図17(B)に示すように、ホ
ルダ14の外側面には、略全面にシート状物収納部40
としての四角い凹部が形成される。このシート状物収納
部40の深さ方向の底面は、図3および図4にも示すよ
うにカートリッジ収納部16の裏面である。ホルダ14
の4方には、図4および図5に示すように、起立壁4
2、44、46および48が立設される。このうち起立
壁44は、図4に図示する最も右側に形成された第1の
壁部20と共通し、起立壁48は最も左側に形成された
第1の壁部20と共通するものである。そして、起立壁
42、44、46および48の一端部がそれぞれシート
状物収納部40側に延長されてシート状物収納部40の
4方を囲む側壁となる。そして、シート状物収納部40
の外側には、透明な合成樹脂で形成された平板状の隔壁
50が配置される。隔壁50は、シート状物を保持しつ
つ外部からシート状物収納部40内のシート状物を見る
ためのものである。この隔壁50の幅方向一端側の高さ
方向の上下隅部近傍には、図15に示すように、たとえ
ば半円球状の突部52がそれぞれ高さ方向上下へ突き出
し形成される。これらの突部52は、図16に示すよう
に、収納部本体12に形成された軸受部56に回動自在
に嵌合される。この軸受部56は、図3に示すように、
収納具本体12に高さ方向の上下にそれぞれ形成され
る。また、隔壁50の幅方向他端側の高さ方向の上下隅
部近傍には、図15に示すように、たとえば半円球状の
突部54がそれぞれ高さ方向上下へ突き出し形成され
る。この突部54は、突部52よりも小さく形成され
る。これらの突部54は、図16に示すように、収納部
本体12に形成された突部止部58に嵌合される。この
突部止部58も、図3に示すように、収納具本体12に
高さ方向の上下にそれぞれ形成される。隔壁50は、突
部52を軸受部56に回動自在に軸支することにより、
図17に示すように開閉可能に収納部本体12に取り付
けられる。隔壁50を図17(A)に示すように閉じた
際には、突部56が突部止部58に嵌合して留め付けら
れる。隔壁50を開動させてシート状物を出し入れする
際には、使用者は、収納具本体12に形成された凹部6
0に指を入れ隔壁50の端面に指を引っかけて操作す
る。凹部60は、後述する閉鎖具62の幅方向一端側の
中央部を凹ませて形成される。
【0028】この収納具10は、平面短冊状の端面略弓
形状の閉鎖具62を含む。閉鎖具62は、ホルダ14の
背表紙部12aとは反対側にヒンジ部64を介して折り
曲げ自在に一体に連結される。閉鎖具62は、ホルダ1
4とシート状物保持部100とを図18に示すように閉
じ合わせた際にそれらが勝手に開かないように閉鎖する
ためのものである。閉鎖具62の内面には、線状突部6
6が厚み方向に突出して形成される。線状突部66を、
収納具本体12の起立壁106の外面に突き出し形成さ
れた別の線状突部68に引っ掛けることにより収納具1
0は図18(A)に示すように閉じた状態で固定するこ
とができる。収納具10を開く際には、シート状物保持
部100の基板102の外側面に形成された凹部70に
指を入れ閉鎖具62の端面に指を引っかけて操作する。
【0029】また、この収納具10は全体が透明な合成
樹脂で形成されており、背表紙部12aの外部から内部
を透かし見ることができる。そこで、この収納具10で
は、図1に示すように背表紙部12aの内側に短冊状の
背見出し80が配置される。そして、背見出し80の幅
方向両側は、背表紙部12aの内側面の幅方向両側部に
立設された片部材82によって保持される。また、背見
出し80の高さ方向上下は、背表紙部12aに立設され
た略Tの字形状の係止部84によって保持される。そし
て、背見出し80の背表紙部12aと反対側の面には、
短冊状の押さえ板86が配置される。押さえ板86の幅
方向両側の略中央部には、図14に示すようにそれぞれ
突き出し片88が形成される。突き出し片88に対応す
る箇所の片部材82は切り欠かれており、その切り欠か
れた部分82aに突き出し片88は収納される。押さえ
板86を取り付けたり取り外したりする操作の際には、
突き出し片88を両側から撮み持って操作することがで
きる。また、押さえ板86の長さ方向両端部には、図1
4に示すように係止部84を両側から挟持するようにし
て取り付けるための取付部90が形成される。背見出し
80は、押さえ板86と背表紙部12aとで挟持される
ようにして収納具本体12の内側に固定される。
【0030】図19は、本発明にかかるカートリッジの
ホルダ14の変形例を示す斜視図である。このホルダ1
4は、上述と同じカートリッジ収納部16を8つ有する
ものであるが、収納具本体12と分離した独立のものと
して形成されている点で異なる。また、このホルダ14
は、その周縁部にたとえば略楔形状の連結突部90とそ
れに嵌まり合う連結凹部92とが形成される。連結突部
90と連結突部92とは、図20に示すように、互いに
着脱自在に嵌まり合うものである。連結突部90と連結
突部92とを嵌合させることにより、たとえば図21に
示すものと同様に、複数のホルダ14を連結することが
できる。複数のホルダ14を連結したものは、たとえば
机の引出に入れて使用したりすることもできる。また、
複数のホルダ14を連結したものをファイル表紙にたと
えば超音波溶接してファイルとして用いることもでき
る。
【0031】なお、上述の実施形態の説明では、カート
リッジ1の両端側の突部24がそれぞれ付勢されている
ものについて説明したが、たとえば図21に示すよう
に、カートリッジ1の一端側の突部24のみを付勢し、
他端側の突部24′を固定するようにしてもよい。ま
た、第2の壁部22のガイド機能を必要としない場合に
は、突部24の上方の第2の壁部22を形成せずに突部
24を有する付勢片28が立設されるようにしてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】上述のように、本発明にかかるフィルム
カートリッジのホルダによれば、フィルムカートリッジ
の出し入れをスムーズに行え、収納時にはフィルムカー
トリッジを確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフィルムカートリッジのホルダ
の一例を示す斜視図である。
【図2】収納具本体の内側面を示す平面図である。
【図3】収納具本体の外側面を示す平面図である。
【図4】図2の線IV−IVにおける断面図である。
【図5】図2の線V−Vにおける断面図解図である。
【図6】カートリッジ収納部を図2の線VI−VIで切
断してみた図解図である。
【図7】(A)はカートリッジ収納部にカートリッジが
収納された状態を示す図解図であり、(B)はカートリ
ッジ収納部からカートリッジが取り出される状態を示す
図解図である。
【図8】(A)は図2の線VIII−VIIIにおける
断面図であり、(B)はその平面図である。
【図9】(A)はシート状物保持具の背面図であり、
(B)はその平面図であり、(C)はその正面図であ
り、(D)はその側面図である。
【図10】(A)は、図9(B)の線Xで囲まれた部分
の要部拡大図であり、(B)はその線XB−XBにおけ
る断面図である。
【図11】(A)は、図9(B)の線XIで囲まれた部
分の要部拡大図であり、(B)はその線XIB−XIB
における断面図である。
【図12】図9に示すシート状物保持具の使用状況を示
す横断面図解図である。
【図13】図9に示すシート状物保持具の使用状況を示
す縦断面図解図である。
【図14】(A)は押さえ板を示す平面図であり、
(B)はその線XIVB−XIVBにおける断面図であ
る。
【図15】(A)は隔壁を示す平面図であり、(B)は
その側面図である。
【図16】(A)は図3の線XVIA−XVIAにおけ
る断面図解図であり、(B)は図3の線XVIB−XV
IBにおける断面図解図である。
【図17】(A)は隔壁を閉じた状態を示す斜視図であ
り、(B)は隔壁を開いた状態を示す斜視図である。
【図18】(A)は収納具を閉じた状態を示す斜視図で
あり、(B)は収納具を開く途中の段階を示す要部斜視
図であり、(C)は収納具を開いた状態を示す要部斜視
図である。
【図19】ホルダの変形例を示す斜視図である。
【図20】図19に示すホルダの要部の作用を示す図解
図である。
【図21】ホルダの変形例を連結した状態を示す斜視図
である。
【符号の説明】 10 収納具 12 収納具本体 14 ホルダ 16 カートリッジ収納部 18 基板 20 第1の壁部 22 第2の壁部 24 突部 26 貫通溝 28 付勢片 30 ガイド部 40 シート状物収納部 50 隔壁 52 突部 54 突部 56 軸受部材 58 突部止部 60 凹部 100 シート状物保持部 102 基板 104、106、108 起立壁 110 連結具 112 第1の係着小突部 114 シート状物保持具 116 基材 118 パイプ状部材 120 第1の連結部 122 第2の係着小突部 124 第2の連結部 126 第3の係着小突部 128 ポケット保持部 130 透明ポケット 132 綴じ穴 134 開口部 136 ヒンジ部 138 挟持部材 140 第3の連結部 142 第4の係着小突部 144 切り欠き

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略菱形柱状のフィルムカートリッジの側
    面を保持するための第1の壁部と、 前記第1の壁部に略直交して延びるよう形成され、前記
    フィルムカートリッジの両端部をそれぞれ保持するため
    の第2の壁部と、 前記第1の壁部および第2の壁部で囲まれた内側に収納
    された前記フィルムカートリッジが勝手に離脱しないよ
    うにするためスプールの両端部に嵌合される突部と、 前記第1の壁部および第2の壁部で囲まれた内側に収納
    される前記フィルムカートリッジの側面を回動可能に保
    持するとともに、前記フィルムカートリッジを回転させ
    ることにより前記第1の壁部と協働して前記フィルムカ
    ートリッジを前記突部の嵌合が外れる方向へ移動させる
    ためのガイド部とを含む、フィルムカートリッジのホル
    ダ。
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