JPH11192734A - 画像形成装置および画像形成システム - Google Patents

画像形成装置および画像形成システム

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JPH11192734A
JPH11192734A JP36889797A JP36889797A JPH11192734A JP H11192734 A JPH11192734 A JP H11192734A JP 36889797 A JP36889797 A JP 36889797A JP 36889797 A JP36889797 A JP 36889797A JP H11192734 A JPH11192734 A JP H11192734A
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image forming
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forming apparatus
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Masayuki Hirose
正幸 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント素子を有したプリント手段を複数配
置し、その配置の方向とは異なる方向にプリント媒体に
対し走査することによりプリントを行う装置において、
当該走査を行うための立ち上げおよび立ち上げに要する
区間を短縮し、以て装置の小型化およびプリント速度の
向上を図る。 【解決手段】 走査の方向における複数のプリント手段
のそれぞれの位置を検出する手段(スケール61および
エンコーダ62)と、当該検出された情報に基づいて前
記複数のプリント手段のそれぞれに対してプリント素子
の駆動タイミングを独立に制御する手段とを設ける。こ
れにより、走査開始時および終了時の加減速期間にもプ
リント動作を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報、例えば
原稿を読み取って得られた画像情報に基づいてプリント
媒体に画像を形成(記録)する画像形成装置および画像
形成システムに関し、例えばシアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)などの
プリント剤を用いてカラー画像を形成する装置に適用し
て好適ななものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、例えばシ
アン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを吐出す
る独立のヘッドを4本並置して一つのキャリッジ搭載
し、キャリッジを複数回相対移動させてプリント媒体上
にインクを吐出することにより画像を形成するカラーイ
ンクジェットプリンタがある。
【0003】プリント媒体上の目的の位置にインクを吐
出するためには、プリント媒体上を移動するキャリッジ
の速度を常に一定にするため、キャリッジの負荷を一定
に保つように装置が設計されていたり、キャリッジを移
動させるモータの回転数を一定に保つ制御が実施されて
いた。さらに、等間隔の情報が形成されたスケールを準
備し、スケールを読み取ることでキャリッジが一定間隔
移動する毎にパルス信号を発生させ、パルス信号に基づ
いてインクの吐出タイミングを制御する方法を用いてい
る装置もあった。
【0004】いずれの構成にしても、キャリッジを停止
時から目的の速度に立ち上げ、かつ一定速度を得るため
の助走距離が必要とされ、またキャリッジがプリント範
囲外に移動するまで、当該移動速度を一定に保つととも
に、その後キャリッジの速度を減速させ停止するまでの
距離が必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、画像形成装置
においては、キャリッジの移動する範囲としてプリント
範囲に加え、キャリッジの立ち上げおよび立ち下げに所
定の距離が必要となり、これが装置を小型化する上で制
約となっていた。また、実際のプリント動作時間以外
に、当該立ち上げおよび立ち下げの区間を移動するため
の時間がかかるので、プリントのスループットを向上す
る上での制約ともなっていた。
【0006】本発明は、複数のプリント手段ないしはこ
れを搭載する部材をプリント媒体に対し相対的に走査す
ることによって画像を形成する装置にあって、当該走査
を行うための立ち上げおよび立ち上げに要する区間を短
縮し、以て装置の小型化およびプリント速度の向上を図
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
プリント素子を有したプリント手段を複数用い、該複数
のプリント手段を配置した方向とは異なる方向にプリン
ト媒体に対し相対的に走査することにより画像形成を行
う装置であって、前記走査の方向における前記複数のプ
リント手段のそれぞれの相対位置を検出する手段と、当
該検出された情報に基づいて前記複数のプリント手段の
それぞれに対して前記プリント素子の駆動タイミングを
独立に制御する手段と、を具えたことを特徴とする。
【0008】ここで、前記検出手段は、前記走査の方向
に延在し所定間隔で情報が形成されたスケールと、前記
プリント手段とともに相対走査されて前記スケール上の
形成情報を検知するエンコーダとを有し、前記スケール
および前記エンコーダの組が前記複数のプリント手段に
対応して複数設けることができる。
【0009】または、前記検出手段は、前記走査の方向
に延在し所定間隔で情報が形成された単一のスケール
と、前記プリント手段とともに相対走査されて前記スケ
ール上の形成情報を検知するエンコーダであって前記複
数のプリント手段に対応して複数設けられた当該エンコ
ーダとを有するものとすることもできる。
【0010】以上において、前記相対走査の開始後の加
速中および/または前記相対走査を終了するための減速
中においても、前記プリント素子の駆動を許可する手段
を具えることができる。
【0011】前記プリント手段は、色調を異にするプリ
ント剤に対応して前記複数個数を用いることができる。
【0012】前記プリント手段は、前記プリント素子と
して、前記プリント媒体に付与するプリント剤としての
インクを吐出する吐出口と、前記インクを吐出するため
に利用されるエネルギを発生する手段とを有するものと
することができる。
【0013】ここで、前記インクを吐出するために利用
されるエネルギを発生する手段は、通電に応じ熱エネル
ギを発生する電気熱変換体を有するものとすることがで
き、さらに前記電気熱変換体より印加される熱エネルギ
によってインクに生じる膜沸騰を利用して、前記吐出口
からインクをプリント媒体に向けて吐出させるものとす
ることができる。
【0014】また、本発明画像形成システムは、上記い
ずれかの形態の画像形成装置と、該画像形成装置に対し
て画像情報を供給する手段と、を具えたことを特徴とす
る。
【0015】ここで、前記画像情報供給手段は、原稿画
像を読み取る読み取り手段と、当該読み取った画像情報
を処理して前記画像形成装置に供給する手段とを有する
ものとすることができる。
【0016】なお、本明細書において、「プリント」お
よび「記録」とは、文字,図形等有意の情報を形成する
場合のみならず、広く画像,模様,パターン等を媒体上
に形成(プリント)する場合も言うものとする。また、
「プリント媒体」とは、一般的な記録装置で用いられて
いる紙のみならず、広く布,プラスチックフィルム,金
属板等、ヘッドによって吐出されるインクや加工剤その
他のプリント剤を受容可能なものも言うものとする。
【0017】
【発明の実施形態】以下、図面を参照して本発明を詳細
に説明する。
【0018】なお、以下においては、原稿画像の読み取
り部を一体に具えた複写装置形態の画像形成システムに
本発明を適用したいくつかの実施形態について説明する
が、本発明はそれらに限られない。例えば、画像形成シ
ステムの形態としてはプリントヘッドと並置または置換
されて走査部材としてのキャリッジに搭載される読み取
りセンサを用いるものでもよいし、画像形成装置の形態
としては読み取り部とは別体にまたは独立して設けら
れ、読み取り部やコンピュータその他の画像情報供給手
段から画像データを受容してプリント動作を実行するも
のでもよい。
【0019】(第1例) (1)画像形成システム 図1は画像形成装置に対して画像情報の供給源をなす読
み取り部の構成の一例を示す模式図、図2は当該読み取
り部および画像形成装置を含む複写装置形態の画像形成
システムの信号処理系の構成例を示すブロック図であ
り、これら図を用いて複写装置における画像処理の流れ
について説明する。
【0020】原稿台ガラス52上には、原稿をセットす
るための読み取り領域とシェーディング補正に用いる白
色板53の領域とが設けられる。原稿台ガラス52に置
かれた原稿や白色板53の情報は、原稿照明ランプ54
を点灯させてその光を原稿台ガラス52を介して原稿や
白色板53に照射し、反射された光をロッドレンズアレ
ーないしは集束性光ファイバアレー(日本板硝子社製の
セルフォックレンズなど)55を通過させてCCD(画
像読み取りセンサ)1に導き、光信号から電気信号に変
換されることによって読み取られる。
【0021】本例においては、CCD1、ロッドレンズ
アレー55、および原稿照明ランプ54は、主走査キャ
リッジ51に配置され、主走査キャリッジが読み取り領
域を走査することにより画像を読み取る構成になってい
る。
【0022】CCD1により電気信号に変換された画像
信号は、次段のアナログ信号処理回路2に入力される。
アナログ信号処理回路2は、入力された信号を次段のA
/D変換器3の入力ダイナミックレンジに適合するよう
に増幅する。一般に、アナログ信号処理回路2は、複数
のOPアンプ等を使用した回路や専用のICを使用した
回路が用いられ、任意の増幅率が選択できるように構成
されている。
【0023】A/D変換器3は、入力されたアナログ量
の画像信号をデジタル量の画像信号に変換する。デジタ
ル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正回
路4により原稿照明ランプ54の光量分布ムラやCCD
1の各読み取り画素の感度差による画像信号のバラツキ
を補正する。当該シェーディング補正された画像信号
は、入力マスキング回路5によりCCD1のカラーフィ
ルタ(レッド(R),グリーン(G),ブルー(B))
による色空間をカラーの標準色空間に変換する。
【0024】カラーの標準色空間に変換された画像信号
は、変倍回路6により目的とする画像サイズに変倍され
る。変倍された画像信号は、対数変換回路7によりR,
G,Bの輝度信号からC,M,Yの濃度信号に変換され
る。C,M,Yの濃度信号に変換された画像信号は、出
力マスキング/UCR回路8により、カラーの標準色空
間からプリンタの特性を考慮した色空間、すなわちC,
M,Y信号からC,M,Y,Kの信号に変換される。
【0025】そして、当該C,M,Y,Kの画像信号
は、γ変換回路9により目的とする濃度に変換され、さ
らに2値化処理回路10により例えば8ビットの多値信
号から2値信号に変換された後、画像形成装置の主要部
をなすプリンタ11によりプリント媒体上に画像形成さ
れる。
【0026】(2)プリント手段および読み取り手段 次に、プリンタ11において使用されているプリント手
段と、プリントに先立つ画像読み取り手段の動作とにつ
いて説明する。本例において使用したプリンタ11は、
複数の吐出口を直線状に配列し、プリントする画像に応
じて吐出口よりインクを吐出して画像の形成を行なうオ
ンデマンド方式のインクジェットプリントヘッドを用い
るものである。
【0027】図3はインクジェットプリントヘッドの構
成例を示す。本例のヘッド22は、図に示すように、例
えば一端部の第1ノズルから他端部の第512ノズルま
で、512個の吐出口を直線状に配した吐出部202を
有し、当該配列の方向とは異なる方向に走査されてライ
ンプリントを行なう。すなわち、ヘッド22ないしその
搭載部材であるキャリッジを不図示の駆動制御手段によ
り図3の矢印A方向に移動(主走査)させ、1回の主走
査が終了するとプリント媒体をA方向とは異なる方向に
所定量搬送し、これらの走査を交互に行って行くことで
プリント媒体に順次バンド幅(吐出口配列範囲に対応)
分のラインプリントが行なわれる。
【0028】インクジェットプリンタのプリント解像度
は、プリントヘッドのノズルの配列ピッチおよび図3の
矢印A方向への移動精度によって定まる。例えばプリン
トヘッドの吐出口の配列ピッチが0.0635mmであ
れば基本的に400dpiの解像度を有するプリンタを
構成できる。ここで、矢印Aの方向には0.0635m
mピッチの移動精度が要求される。このインクジェット
プリンタのプリントヘッドのノズル数が前述の如く51
2個であるとすると、1バンドのプリント幅は0.06
35×512=32.512mmとなる。従って、副走
査方向についても上記解像度を得る場合、1回の主走査
による1バンドのプリントが終了したら、不図示の紙送
り機構により、矢印Aと直交する矢印Bの方向にプリン
ト媒体を32.512mmだけ紙送りし、次のバンドプ
リントを行なうことができる。インクジェットプリンタ
は、以上の走査およびプリント制御を繰り返すことによ
って所望の量のプリントを行なうことができる。
【0029】このようなインクジェットプリンタに対す
る画像読み取り装置(以下スキャナという)の適切な読
み取り方式は、プリンタのバンドプリントに対応したバ
ンド読み取り方式である。すなわち、図4に示すよう
に、一端部の第1画素から他端部の第512画素まで、
直線状に読み取り素子を配した512画素の画像読み取
りセンサ1を有した読み取り部212を具備するスキャ
ナを用いることにより、所望の読み取り画像の読み取り
をプリントヘッドの構成にあわせて行なうことができ
る。本例では、図3の吐出部202と同様に、画素の配
列ピッチを0.0635mm、矢印A方向ヘの移動ピッ
チを0.0635mmとすることにより、400dpi
のスキャナが構成されている。
【0030】(3)本例のプリントヘッドおよびプリン
ト動作の前提技術 ここで、本実施形態の主要部の説明をする前に、その前
提となる技術を説明する。
【0031】まず、図5を用いてプリント媒体上に吐出
されるインクドットの位置関係を説明する。ここで、説
明の簡略化のため、同図(A)に示すように、ヘッドは
4個のインク吐出口を有したものとする。
【0032】ヘッドが矢印で示す方向に移動する過程
で、吐出口は、、、、、・・・の順にイン
クを吐出する。その結果、〜の駆動時間に遅延が発
生し、その遅延時間にもキャリッジが移動するので、同
図(B)に示すように、〜の駆動期間で移動方向に
対し斜めに傾いたインクドットがプリント媒体上に形成
される。
【0033】吐出口〜から同時吐出を行うようにす
れば、インクドットは移動方向に対して傾かず垂直とな
るが、実際のヘッドにおいては、多数(本例では各色毎
に512個)の吐出口が存在するため、同時吐出を行う
べくインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子の
すべてを同時駆動すると、瞬間的に大電流が流れること
になる。このため、ヘッド内のエネルギ発生素子群をを
いくつかのブロックに分割し、ブロック単位で時分割駆
動を行い、ブロック間のインク吐出タイミングをずらす
ことでヘッドに流れる電流が瞬間的に集中しないように
している。
【0034】簡略のために4個本の吐出口から時分割に
吐出が行われるものとして説明すると、図5(B)に示
すように、キャリッジの移動方向に対してプリント結果
が傾き、例えば本来直線であるべき画像部分に段差が発
生してしまうので、実際の装置においては、図6(A)
に示すように、矢印方向に進むヘッドの速度と各吐出口
に対応したエネルギ発生素子を駆動する時間の遅延を考
慮して、ヘッド内の吐出口の配列方向をヘッドの移動方
向に対して傾けることで対応している。
【0035】すなわち、図6(A)に示すように吐出口
配列方向を傾けてヘッドを取り付けることにより、同図
(B)に示すようにヘッドの移動方向に対して垂直方向
にインクドットが整列したプリント結果が得られるよう
に構成されている。
【0036】次に、図7を用いて、C,M,Y,Kの4
色のヘッドを独立にキャリッジ60に搭載し、キャリッ
ジ60を移動させながらインクを吐出させてプリントを
行っている過程で、位置Aにおいてキャリッジ60の移
動速度低下が生じた場合の問題点を説明する。
【0037】C色のインクを吐出するヘッドは、キャリ
ッジ60が位置Aに到達するまでは一定速度で移動して
いるため、C色についてのプリント結果が示すように、
垂直な線を等間隔にてプリントする。しかしキャリッジ
60が位置Aの直前において何らかの理由により移動速
度が遅くなった場合、本来垂直な線をプリントするはず
の破線で示した位置よりも手前に垂直な線をプリントす
ることになる。K色のインクを吐出するヘッドは、キャ
リッジ60が位置Aに到達するまでは一定速度で移動し
ているため、K色についてのプリント結果が示すよう
に、垂直な線を等間隔にてプリントする。しかし、キャ
リッジ60が位置Aの直前において、何らかの理由によ
り移動速度が遅くなった場合、本来垂直な線をプリント
するはずの破線で示した位置よりも手前に垂直な線をプ
リントすることになる。
【0038】実際のプリント動作においては、Cのプリ
ント結果とKのプリント結果がプリント媒体上で合成さ
れるため、CとKについてのプリント結果が示すよう
に、キャリッジ60が一定速度で移動している限りにお
いては、CとKのインクが重なり合う。しかし、キャリ
ッジ60の移動速度が遅くなることにより、CとKのプ
リント結果に示すように、矢印で示すズレbおよびズレ
cの位置において、CとKのインクが重なり合わなくな
り、図の最下段に示すプリントデータ(本来のプリント
例)と異なる結果になってしまう。このように位置Aに
おいてキャリッジ60の移動速度が低下した場合のみな
らず、位置Aにおいて、何らかの理由でキャリッジ60
の移動速度が目的の速度より速くなってしまった場合に
おいては本来垂直な線をプリントするはずの破線で示さ
れる位置よりも先に垂直な線をプリントすることになる
ので、同様にCとKのプリント位置がずれることは明ら
かである。また、図7には示していないが、MおよびY
色のインクを吐出するヘッドによるプリント結果も位置
Aにおいてキャリッジ60の移動速度変動により影響を
受けることは明白である。
【0039】すなわち、キャリッジ60を移動させるだ
けの制御系においては、プリント範囲においてキャリッ
ジ60の移動速度に変動が発生すると、インクの吐出位
置がずれてしまうので、従来、図8に示すように、スケ
ール61と光学式エンコーダ62(以下、特にことわら
ない限り、この光学式エンコーダを単にエンコーダと言
う)との組み合わせを使用することにより、キャリッジ
60の移動速度が変動した場合において、その影響を受
けないようにする手法が用いられていた。例えば、キャ
リッジ60のC色用ヘッドの位置にエンコーダ62を搭
載し、スケール61に予め書き込まれている位置情報を
エンコーダ62によって読み取り、当該読み取られた位
置情報を元にヘッドのインク吐出タイミングを制御する
ことにより、キャリッジ60の移動速度が目的の速度に
対して変動してもその影響を受けずにインクをプリント
媒体63上の目的の位置に吐出するようにする制御が行
われていた。
【0040】図9はスケール60の構成を示す。スケー
ル60は、透明のテープ上に、黒色の線群を平行に描い
たものであって、各線は一定間隔αで並んでいる。エン
コーダ62はスケール61の上を移動し、黒の線を横切
る毎に信号を出力するようになっている。すなわち、キ
ャリッジ60がスケール61に示す黒線の間隔α(本例
に対応させれば0.0635mm)を移動する毎にエン
コーダ62が信号を発生することになり、エンコーダ6
2の出力する信号のタイミングを基準にしてヘッドのイ
ンクを吐出することにより、キャリッジ60の速度に変
動があっても、インクを目的の位置に吐出することを可
能にしている。
【0041】次に、エンコーダ62を1個用いた上記制
御において生じる不都合について説明する。
【0042】図10は、キャリッジ60が停止している
位置から矢印方向に移動を開始してプリントを行う例に
ついて示している。同図(A)はキャリッジ60の移動
開始直後からプリントを開始した場合のC色のプリント
結果とK色のプリント結果とを示したもので、キャリッ
ジ60が移動を開始した場合、キャリッジ60は徐々に
移動速度を上げていくが(広い意味での速度変動)、エ
ンコーダ62を使用しているので、CとKのインクの吐
出位置はずれないようにも考えられる。しかし実際に
は、CとKのインクドットの形成位置にはずれが生じて
しまう。これは次の理由による。
【0043】図10(B)は、キャリッジ60が矢印の
方向に移動を開始した直後、ヘッドCが位置dに至った
時点におけるインクの吐出結果を示したものである。ヘ
ッドCが位置dにある時点で、キャリッジ60の移動速
度は目的の速度より遅いため、目的の速度において最適
な画像が得られるように吐出口配列方向をヘッドの移動
方向に対して傾けた上記図6の手法が影響し、本図に示
すように、移動方向に対して本来垂直であるべき線が斜
めにプリントされてしまうことになる。
【0044】図10(C)は、キャリッジ60が矢印の
方向に移動を開始し、ヘッドKが位置dに至った時点に
おけるインクの吐出結果を示したものである。ヘッドK
が位置dにある時点では、キャリッジ60の移動速度が
同図(B)に示した場合よりは目的の速度に近づいてい
るため、上記図6の手法の影響が少なくなる。この結
果、移動方向に対して本来垂直であるべき線が斜めにプ
リントされてしまう影響が軽減される。
【0045】図10(D)は、位置dにおけるCインク
とKインクのプリント結果を合成した状態を示してい
る。の位置において、CインクとKインクのプリント
ドットは、同じ位置に形成されているが、の位置にお
いてはCインクとKインクのプリント位置がずれている
ことがわかる。すなわち、エンコーダ62を使用しない
でインクを吐出する方法に比ベ、エンコーダ62を1個
使用してインクの吐出位置制御を実施した場合の方が、
キャリッジ60に速度変動が発生した場合の影響は少な
いが、影響を完全に排除することができない。このた
め、エンコーダ62を使用してインクの吐出位置を制御
する場合においても、キャリッジ60に極力速度変動が
発生しないような装置構成を採用することが必須であっ
た。
【0046】すなわち、図11に示すように、プリント
媒体63上に画像を形成する場合、キャリッジ60が位
置eから位置fまで移動する間は、キャリッジ60を一
定速度にて移動させることが必要になってくる。また、
キャリッジ60を移動させるには、一般に駆動源にモー
タが使用されているが、キャリッジ60の移動開始から
一定の目標速度に到達させるためには助走距離が必要に
なる。また、1ラインプリントの終了後にキャリッジ6
0を停止する場合、キャリッジ60ないしヘッドの慣性
により瞬時の停止を行うことはできず、停止距離が必要
になる。
【0047】従って、図13に示すようなキャリッジ6
0の速度制御が要求され、図12に示すようにプリント
媒体63の存在空間の側部にキャリッジ60の助走距離
および停止距離に見合った制御を行うための空間が必要
であったのである。
【0048】さらに、キャリッジ60に対して単一のエ
ンコーダ62のみが設けられているために、図11に示
したように、例えばエンコーダ62とCヘッドの位置と
を整合させた場合、キャリッジ60の移動方向における
Cのプリント結果に対してY,M,Kのプリント結果を
合わせるため、Cヘッドを基準にしたY,M,Kの各ヘ
ッドまでの距離は、図9のスケール61に示す間隔αの
正数倍にする必要もあった。
【0049】(4)第1の実施形態の主要部 次に本発明の第1の実施形態の主要部図の内容を説明す
る。
【0050】図14は本実施形態の基本的構成例を示し
たものである。本例においては、キャリッジ60にC,
M,Y,Kの各色インクをそれぞれ吐出するヘッドを搭
載し、各ヘッド毎にそれぞれ専用のエンコーダ62を搭
載し、かつ各ヘッド専用のスケール61を用いること
で、各ヘッド毎に独立したエンコーダ出力を得られるよ
うに構成している。また、図17に示すヘッド駆動ブロ
ックを各色毎に使用することにより、キャリッジ60の
移動に速度変動が生じたとしても、インクの吐出位置に
影響を与えないような構成を採用している。
【0051】図17のヘッド駆動ブロックの構成および
動作について、図18および図19を参照しつつ説明す
る。
【0052】クロック発生部64は、エンコーダ62信
号の間隔を測定するための基準クロックを生成するため
のものである。クロック発生部64の出力は、カウンタ
65に入力される。カウンタ65は、クロック発生部6
4から供給されるクロック数をカウントし、エンコーダ
信号の立ち上がり時において、カウント値をゼロクリア
するように構成されている。そして、カウンタ65の出
力はフリップフロップ66とROM67とにそれぞれ加
えられている。
【0053】フリップフロップ66はエンコーダ信号の
立ち上り時の値を記憶する。すなわち、エンコーダ信号
の立ち上がりから次のエンコーダ信号の立ち上がりまで
の区間に対応するクロック発生部64のクロック数を記
憶することにより、エンコーダ信号の間隔を測定する。
【0054】また、ROM67には、様々なエンコーダ
信号の間隔に対応する各エネルギ発生素子の駆動信号の
タイミング情報が前もって記憶されている。ROM67
の上位アドレスにはフリップフロップ66の出力(エン
コーダの間隔情報)信号線が接続されており、下位アド
レスには、カウンタ65の出力(エンコーダ信号の1区
間(A〜C)のどの位置にあたるかの情報)信号線が接
続されている。
【0055】ROM67からは、吐出口〜に対応し
たエネルギ発生素子の駆動タイミング信号Q1〜Q4が
出力され、ANDゲート68に加えられる。また、各A
NDゲート68の他の入力端には、各色プリントデータ
が供給され、プリントデータがある場合のみ各吐出口に
対応したエネルギ発生素子(以下、吐出口およびこれに
対応した吐出のためのエネルギ発生素子を含むプリント
素子を「ノズル」とも称する)に向けてノズルの駆動信
号を通過させるようになっている。図19にはROM6
7の出力例が示されている。
【0056】図20および図21を用いてキャリッジ6
0の移動速度が異なった場合のROM67から読み出さ
れたノズル駆動信号の出力例を説明する。
【0057】図20に示す駆動信号例は、キャリッジ6
0が所定の目標速度で移動している状態のものである。
エンコーダ62の出力信号は時間t毎に出力され、時間
tに対応するエネルギ発生素子の駆動信号がROM67
より出力されている。このとき全プリントデータがイン
クを吐出する条件になっていれば、吐出されたインク
は、図10(C)に示したようにプリントドットがキャ
リッジ60の移動方向に対して垂直方向に並ぶ。
【0058】一方図21に示す駆動信号例は、キャリッ
ジ60が目標速度の半分の速度で移動しているとした状
態のものである。エンコーダ62の出力信号は時間2t
毎に出力され、時間2tに対応するノズルの駆動信号が
ROM67より出力されている。すなわち、図20に示
すノズル の駆動信号の立ち上がりからノズル の駆動
信号の立ち上がりまでの時間をZとすると、図21に示
すノズルの駆動信号の立ち上がりからノズルの駆動
信号の立ち上がりまでの時間が2Zとなる。
【0059】この結果、キャリッジ60が一定の距離を
移動する時間が速度が半減したため2倍になっても、ノ
ズルから吐出されるインクの吐出間隔を2倍にすること
により、キャリッジ60の速度変動によるインクの吐出
位置への影響をキャンセルすることができ、各色インク
による形成ドットの位置ずれを防止することが可能にな
る。また、キャリッジ60の移動方向における各色イン
クによる形成ドットのレジストレーション調整を行うた
めに、C、M、Y、Kの各色専用のスケール61上のプ
リント吐出タイミング情報を合わせる調整を行うことが
可能となり、キャリッジ60やヘッドの寸法精度、ある
いは配置ないし組み立て精度を厳格に行う条件が緩和さ
れる。
【0060】この結果、図15に示すように、プリント
媒体63の主走査方向上のプリント開始位置の先端にキ
ャリッジ60のCヘッドが位置するようにキャリッジ6
0を停止させておき、キャリッジ60をそのプリント開
始位置の先端から移動を開始させ、目標速度まで加速す
る過程でも、一方、プリント媒体63のプリント終了位
置にキャリッジ60のKヘッドが停止するようにキャリ
ッジ60の速度を目標速度から減速させる過程でも、色
ずれのない高品位の画像形成を行うことが可能となる。
【0061】すなわち、図16に示すように、プリント
範囲に加減速の期間を重畳させたキャリッジ60の速度
制御を実施しても、所期のプリント結果が得られるので
ある。
【0062】以上のように、本実施形態によれば、各色
ヘッド毎にスケールを準備し、各色ヘッド毎にスケール
を読み取り、各色毎にインクの吐出タイミングを独立に
制御するようにしたので、キャリッジ60を停止状態か
ら目標速度に立ち上げ、かつ速度を一定にするための助
走距離や、すべてのプリントヘッドがプリント範囲外に
相対移動するまで移動速度を一定に保ち、その後キャリ
ッジの速度を減速させ停止させるまでの距離が不要にな
る。また、キャリッジの立ち上げ立ち下げに必要な距離
を移動するための時間が不要になったため、プリントを
行うのに必要な時間が短縮でき、単位時間内のプリント
量を増加できる。すなわち、ほぼプリント範囲とキャリ
ッジ60の寸法とを加算した幅で装置を構成することが
可能になり、装置の小型化およびプリント速度の向上に
資することができるのである。
【0063】なお、上記エネルギ発生素子の駆動タイミ
ングを定めるための情報は、ヘッドの交換や装置毎の取
付精度のばらつき等を考慮して調整に応じ更新可能なよ
うにしてもよく、この場合にはデバイス67として書き
換え可能なものを用いればよい。また、そのような調整
を容易とするために、所定のテストパターン等を形成
し、これを上述のような画像読み取り手段で読み取って
その結果に応じて上記情報の更新を行うようにすること
もできる。
【0064】また、以上ではC、M、Y、Kの4色のイ
ンクを吐出するヘッドを用いた画像形成装置について説
明したが、ヘッドに使用されるインク色はそれらにのみ
限定されるものではなく、所望の色調(濃度を含む)の
ものを所望の数だけ用いることができる。例えば、4個
のヘッドについてすべてK色のインクを吐出するものを
用意した場合でも同様の効果が得られるし、また同じ色
のインクについて濃淡2種以上のものを用意した構成、
例えばC、M、Y、Kのうちの少なくとも一部の色につ
いて濃淡2種のインクを用いて多値のカラープリントを
行う構成に対しても、同様に本実施形態で述べたような
技術を適用することが可能である。
【0065】また、キャリッジ60上に搭載されるプリ
ントヘッドないしはヘッドに対するインク供給源をなす
インクタンクの形態については、両者を完全に一体とし
たカートリッジとなしてインクタンクのインク残量が無
くなったとき等にカートリッジごと交換できるようにす
ることもできるし、両者を分離可能としてインクタンク
のみを取り外して交換できるようにしてもよい。あるい
はこれらのように両者を一体とするほか、これらを別体
としてインクタンクを装置の他の部位に設け、両者間を
チューブ等で連通してプリントヘッドへのインク供給が
なされるようなものでもよい。
【0066】(第2例)図22は本発明の第2の実施形
態の構成例を示す。
【0067】本例においては、上記第1例と同様C、
M,Y,K各ヘッド毎にエンコーダ62を設けている
が、スケール61を各色共通で使用するように構成され
ている。すなわち、共通のスケール61を各色のヘッド
に対応したエンコーダ62で読み取り、読み取ったエン
コーダ信号をもとに、各色毎に用意されている図17に
示したヘッド駆動ブロックを用いることでプリントを行
うように構成した例である。
【0068】本例においても速度変動(加減速を含む)
の影響をキャンセルすることが可能であるが、エンコー
ダ62を各色共通で使用しているため、C、M、Y、K
のキャリッジ60の移動方向におけるプリント結果を合
わせる目的で、Cヘッドを基準にしてY,M、Kヘッド
の間隔を図9のスケール61に示す間隔αの正数倍にな
るようにキャリッジ60やヘッドの寸法精度等を精密に
定めるのが好ましい。 (第3例)図23は本発明の第3の実施形態の構成例を
示す。
【0069】本例においては、C、M、Yの3色につい
て一体型としたヘッドとK色用ヘッドとを用いる構成に
あって、これら2つのヘッドに対し各別にスケールおよ
びエンコーダ62を使用するように構成したものであ
る。すなわち本例は、3色(C、M、Y)一体型ヘッド
はキャリッジ60の移動方向に対して垂直にCインク吐
出部、Mインク吐出部、およびYインク吐出部を同一ラ
イン上に設けたものであり、かかるヘッドに取り付けら
れたエンコーダ62によって読み取られた信号をもと
に、各色毎に用意されている図17に示すヘッド駆動ブ
ロックを用いることでプリントを行うように構成してい
る。同様に、Kヘッドに取り付けられたエンコーダ62
によって読み取られた信号をもとKヘッド用に用意され
ている図17に示すヘッド駆動ブロックを用いることで
K色についてのプリントを行うように構成している。
【0070】かかる構成にあっても第1例と同様の効果
を得ることができる。
【0071】(第4例)図24は本発明の第4の実施形
態の構成例を示す。
【0072】本例においては、C、M、YおよびKの吐
出部を一体型ヘッドに設けた構成にあって各色の吐出部
に対し各別にスケールとエンコーダ62とを使用するよ
うにしている。本例の動作は第1例と同様であり、同様
の効果を得ることができる。
【0073】(第5例)本発明に関するさらに他の実施
形態では、スケール61としてオーディオテープやビデ
オテープ等で使用されている磁気テープを用いる。磁気
テープには、図9のスケールの構成例で示したのと同様
に一定間隔毎に磁化された情報が書き込まれている。そ
して、磁気テープに書き込まれた情報は、ホール素子等
を用いて磁気を読み取ることが可能なエンコーダ62に
よって読み取られ、読み取られたた結果をもとに、上記
諸例と同様の方式にてプリントを行うように構成するこ
とが可能である。すなわち、このように、本発明に適用
されるスケールおよびエンコーダには光学式に限らず適
宜のものを用いることができるのである。
【0074】(制御系の構成)図25は上記各実施形態
を適用可能な画像形成装置の制御系の構成例を示す。図
において、500および501は、それぞれ、プリント
制御部およびヘッド部である。また、400は画像読み
取り手段その他のホスト装置との間でプリントデータ等
の送受信を行うためのインターフェース、401は装置
の主制御部をなすMPU、402はMPUが実行する制
御手順に対応したプログラムその他の固定データを格納
したROM、403は各種データ(プリント動作の制御
信号やプリントヘッド201に供給すべきプリントデー
タ等)を保存するためのダイナミックRAM(DRA
M)である。
【0075】404はプリントヘッドに対するプリント
データの供給制御を行うゲートアレイであり、インター
フェース400、MPU401、DRAM403間のデ
ータ転送制御も行う。405は副走査方向に紙を搬送す
るための駆動源をなす紙送りモータである。407およ
び408は、それぞれ、、キャリッジモータ8および紙
送りモータ405を駆動するためのモータドライバであ
る。409はプリントヘッド1駆動するためのヘッドド
ライバであり、図17に示したような制御回路をここに
設けておくこともできる。
【0076】(その他)なお、本発明は、プリント素子
を有したプリントヘッド部を複数並置し、その配置の方
向とは異なる方向にプリント媒体に対し相対的に走査す
ることによりプリントを行う装置であれば、上述のよう
なインクジェットプリント方式に限らず、熱転写方式、
ワイヤドット方式その他の種々の方式を採用した装置に
適用できるのは勿論である。
【0077】また、インクジェット記録(プリント)装
置としては種々のものがあるが、インク吐出を行わせる
ために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する
手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記
熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の
記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすも
のである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細
化が達成できるからである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても、プリント媒体の相対搬送方向に対し
て複数の記録ヘッドが並置されるのであれば、当該搬送
速度の変動を打ち消す上で本発明は有効に適用できる。
そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合
せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成され
た1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】さらに、上例のようなシルアルタイプの装
置において、装置本体に固定された記録ヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体
に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイ
プの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明に適用できる記録装置の構成
として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段
を挙げることができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、上述のように記録色や濃度を異にする
複数のインクに対応して複数個数設けられるものであっ
てよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとして
は黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによる
かいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混
色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施形
態においては、インクを液体として説明しているが、室
温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化も
しくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明に適用できるインク
ジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情
報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、
リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プリント素子を有したプリント手段を複数配置し、その
配置の方向とは異なる方向にプリント媒体に対し相対的
に走査することによりプリントを行う装置において、各
プリント手段毎にプリント素子の駆動タイミングを独立
に制御するようにしたので、走査の停止時から目標速度
に立ち上げ、かつ速度を一定にするための助走距離や、
すべてのプリント手段がプリント範囲外に相対移動する
まで移動速度を一定に保ち、その後キャリッジの速度を
減速させ停止させるまでの距離が不要になる。すなわ
ち、走査を行うための立ち上げおよび立ち上げに要する
区間を短縮したことにより、以て装置の小型化およびプ
リント速度ないしスループットの向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置に対して画像情報の供給源をなす
読み取り部の構成の一例を示す模式図である。
【図2】読み取り部および画像形成装置を含む複写装置
形態の画像形成システムの信号処理系の構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】インクジェットプリントヘッドの構成例および
プリント動作を説明するための説明図である。
【図4】画像読み取りセンサの構成例および読み取り動
作を説明するための説明図である。
【図5】(A)および(B)は、それぞれ、従来のイン
ク吐出口の配列および当該配列によるプリントドットの
形成状態を説明するための説明図である。
【図6】(A)および(B)は、それぞれ、本発明の一
実施形態で用いたインク吐出口の配列および当該配列に
よるプリントドットの形成状態を説明するための説明図
である。
【図7】キャリッジに速度変動が生じた場合のプリント
例を説明するための説明図である。
【図8】本発明の前提となるプリントヘッド走査系の説
明図である。
【図9】図8の走査系で採用可能なスケールの構成例を
示す図である。
【図10】(A)〜(D)は、図8の走査系を用いてキ
ャリッジ立ち上げ時にプリント動作を行った場合のプリ
ント例を説明するための説明図である。
【図11】図8の走査系を用いた場合のプリント範囲を
説明するための説明図である。
【図12】図8の走査系を用いた場合のキャリッジ移動
範囲を説明するための説明図である。
【図13】図8の走査系を用いた場合のキャリッジ位置
と移動速度との関係を示す線図である。
【図14】本発明の一実施形態によるプリントヘッド走
査系の説明図である。
【図15】図14の走査系を用いた場合のプリント範囲
およびキャリッジ移動範囲を説明するための説明図であ
る。
【図16】図14の走査系を用いた場合のキャリッジ位
置と移動速度との関係を示す線図である。
【図17】図14の走査系に対応したプリントヘッド駆
動ブロックの構成例を示すブロック回路図である。
【図18】図17の回路の動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図19】図17の回路で生成されるノズル駆動信号の
例を示すタイミングチャートである。
【図20】キャリッジ移動速度変動に応じたノズル駆動
信号の出力例を示すタイミングチャートである。
【図21】キャリッジ移動速度変動に応じたノズル駆動
信号の出力例を示すタイミングチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態によるプリントヘッ
ド走査系の説明図である。
【図23】本発明の第3の実施形態によるプリントヘッ
ド走査系の説明図である。
【図24】本発明の第4の実施形態によるプリントヘッ
ド走査系の説明図である。
【図25】本発明の各実施形態を適用可能な画像形成装
置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 CCD 11 プリンタ 22 プリントヘッド 60 キャリッジ 61 スケール 62 エンコーダ 63 プリント媒体 64 クロック発生部 65 カウンタ 66 フリップフロップ 67 ROM 68 ANDゲート 202 吐出部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント素子を有したプリント手段を複
    数用い、該複数のプリント手段を配置した方向とは異な
    る方向にプリント媒体に対し相対的に走査することによ
    り画像形成を行う装置であって、 前記走査の方向における前記複数のプリント手段のそれ
    ぞれの相対位置を検出する手段と、 当該検出された情報に基づいて前記複数のプリント手段
    のそれぞれに対して前記プリント素子の駆動タイミング
    を独立に制御する手段と、を具えたことを特徴とする画
    像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記走査の方向に延在
    し所定間隔で情報が形成されたスケールと、前記プリン
    ト手段とともに相対走査されて前記スケール上の形成情
    報を検知するエンコーダとを有し、前記スケールおよび
    前記エンコーダの組が前記複数のプリント手段に対応し
    て複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記走査の方向に延在
    し所定間隔で情報が形成された単一のスケールと、前記
    プリント手段とともに相対走査されて前記スケール上の
    形成情報を検知するエンコーダであって前記複数のプリ
    ント手段に対応して複数設けられた当該エンコーダとを
    有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記相対走査の開始後の加速中および/
    または前記相対走査を終了するための減速中において
    も、前記プリント素子の駆動を許可する手段を具えたこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記プリント手段は、色調を異にするプ
    リント剤に対応して前記複数個数が用いられることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成
    装置。
  6. 【請求項6】 前記プリント手段は、前記プリント素子
    として、前記プリント媒体に付与するプリント剤として
    のインクを吐出する吐出口と、前記インクを吐出するた
    めに利用されるエネルギを発生する手段とを有すること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像
    形成装置。
  7. 【請求項7】 前記インクを吐出するために利用される
    エネルギを発生する手段は、通電に応じ熱エネルギを発
    生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項6
    に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記電気熱変換体より印加される熱エネ
    ルギによってインクに生じる膜沸騰を利用して、前記吐
    出口からインクをプリント媒体に向けて吐出させること
    を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の画
    像形成装置と、 該画像形成装置に対して画像情報を供給する手段と、を
    具えたことを特徴とする画像形成システム。
  10. 【請求項10】 前記画像情報供給手段は、原稿画像を
    読み取る読み取り手段と、当該読み取った画像情報を処
    理して前記画像形成装置に供給する手段とを有すること
    を特徴とする請求項9に記載の画像形成システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008012874A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2008143031A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Nisca Corp 印刷装置

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JP2008012874A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
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