JPH11192561A - スポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方法およびそのための治具 - Google Patents

スポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方法およびそのための治具

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JPH11192561A
JPH11192561A JP51398A JP51398A JPH11192561A JP H11192561 A JPH11192561 A JP H11192561A JP 51398 A JP51398 A JP 51398A JP 51398 A JP51398 A JP 51398A JP H11192561 A JPH11192561 A JP H11192561A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポット溶接ガンにおいて、未使用時と使用
後でそれぞれ1回、の開閉動作で電極チップの磨耗量を
検出することができるチップ磨耗量検出方法を提供す
る。 【解決手段】 可動電極チップを、移動可能な可動ブロ
ックに当接させて(S2,S3)、当接時の可動電極チ
ップ移動量を可動電極位置として記憶し(S4)、さら
に可動電極チップを、可動ブロックが固定電極チップと
当接するまで動作させて(S5,S6)、そのときの可
動電極チップ移動量を合計電極位置として記憶し(S
7)、この動作を電極チップ未使用時と使用後において
実施し、未使用時に記憶した可動電極位置と、使用後に
記憶した可動電極位置とから可動電極チップ磨耗量を求
め、未使用時に記憶した合計電極位置、使用後に記憶し
た合計電極位置、および可動電極チップ磨耗量から固定
電極チップ磨耗量を求めることを特徴とするスポット溶
接ガンにおけるチップ磨耗量検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポット溶接ガン
におけるチップの磨耗量を検出するための方法およびそ
のための治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スポット溶接ガンにおけるチップ
磨耗量を検出するための方法としては、例えば特開平7
−284957号公報には、C形やX形溶接ガンなどの
対となる2個の電極を有する溶接ガンにおいて、未使用
の対となる2個の電極を合致させ、このときの現在位置
データを合計基準位置として記憶し、さらに、可動側電
極を固定されたブロックに当接し、このときの可動側電
極の現在位置データを可動側基準位置として記憶し、こ
れ以降対となる2個の電極を合致した位置を検出し、前
記合計基準位置との差から対となる2個の電極の磨耗量
の合計を算出して、さらに、可動側の電極を固定ブロッ
クに当接させて、そのときの可動側電極の位置データと
前記可動側基準位置との差から可動側電極のみの磨耗量
を求めて、先に求めたの磨耗量の合計から、この可動側
電極の磨耗量を引くことにより固定側電極の磨耗量を求
めるという方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
方法では、溶接ガンのチップ磨耗量を検出するために、
2回の溶接ガンの開閉動作、すなわち、2個の電極を合
致させるための開閉動作と、固定ブロックに可動側電極
を当接させるための開閉動作が必要となっている。した
がって、未使用時に2回の開閉動作と、使用後実際に電
極チップの磨耗量を検出する際に2回の、合わせて4回
の開閉動作が必要となる。このため、磨耗量検出のため
の動作時間が長く、サイクルタイムが延びるという問題
がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、C形やX形など
の対になった2個の電極チップを有するスポット溶接ガ
ンにおいて、未使用時と使用後でそれぞれ1回、合わせ
ても2回の開閉動作で、電極チップの磨耗量を検出する
ことができるチップ磨耗量検出方法およびチップ磨耗量
の検出に用いられる治具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0006】(1)移動可能な可動電極チップと、該可
動電極チップと対になる固定された固定電極チップとを
有するスポット溶接ガンのチップ磨耗量検出方法であっ
て、前記可動電極チップを、移動可能な可動ブロックに
当接させて、該当接時の前記可動電極チップ移動量を可
動電極位置として記憶し、さらに前記可動電極チップ
を、前記可動ブロックが前記固定電極チップと当接する
まで動作させて、そのときの前記可動電極チップ移動量
を合計電極位置として記憶し、この動作を電極チップ未
使用時と使用後において実施して、未使用時に記憶した
可動電極位置と、使用後において記憶した可動電極位置
とから可動電極チップの磨耗量を求め、未使用時に記憶
した合計電極位置、使用後において記憶した合計電極位
置、および前記可動電極チップの磨耗量から固定電極チ
ップの磨耗量を求めることを特徴とするスポット溶接ガ
ンにおけるチップ磨耗量検出方法。
【0007】(2)移動可能な可動電極チップと、該可
動電極チップと対になる固定された固定電極チップとを
有するスポット溶接ガンのチップ磨耗量検出方法であっ
て、電極チップ未使用時において、前記可動電極チップ
を動作させて、予め定められた支持圧力により支持され
ている移動可能な可動ブロックに前記可動電極チップを
当接させる段階と、該当接時の前記可動電極チップ移動
量を可動電極基準位置として記憶する段階と、前記可動
電極チップを前記可動ブロックを支持している支持圧力
より大きな加圧力により動作させて、前記可動ブロック
が前記固定電極チップと当接するまで前記可動電極チッ
プを動作させる段階と、該可動ブロックと固定電極チッ
プとの当接時の前記可動電極チップ移動量を合計電極基
準位置として記憶する段階と、電極チップ使用後におい
て、前記可動電極チップを動作させて、前記可動ブロッ
クに前記可動電極チップを当接させる段階と、該当接時
の前記可動電極チップ移動量を可動電極位置として記憶
する段階と、前記可動電極チップを前記可動ブロックを
支持している支持圧力より大きな加圧力により動作させ
て、前記可動ブロックが前記固定電極チップと当接する
まで前記可動電極チップを動作させる段階と、該可動ブ
ロックと固定電極チップとの当接時の前記可動電極チッ
プ移動量を合計電極位置として記憶する段階と、前記可
動電極基準位置と前記可動電極位置から前記可動電極チ
ップの磨耗量を算出する段階と、前記合計電極基準位置
と前記合計電極位置から2個の電極チップの合計磨耗量
を算出する段階と、該合計磨耗量と前記可動電極チップ
磨耗量から固定電極チップの磨耗量を算出する段階と、
を有することを特徴とするスポット溶接ガンにおけるチ
ップ磨耗量検出方法。
【0008】(3)前記可動電極チップを動作させて、
前記可動ブロックに前記可動電極チップを当接させる段
階は、前記可動電極チップの加圧力を検出し、該検出し
た加圧力が、前記支持圧力未満の予め定められた第1加
圧力を越えたときに、前記可動電極チップが前記可動ブ
ロックに当接したと判断する段階を有することを特徴と
するスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方法。
【0009】(4)前記可動電極チップを前記可動ブロ
ックを支持している支持圧力より大きな加圧力により動
作させて、前記可動ブロックが前記固定電極チップと当
接するまで前記可動電極チップを動作させる段階は、前
記可動電極チップの加圧力を検出し、該検出した加圧力
が、前記支持圧力以上の予め定められた第2加圧力を越
えたときに、前記可動ブロックが前記固定電極チップに
当接したと判断する段階を有することを特徴とするスポ
ット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方法。
【0010】(5)移動可能な可動電極チップと、該可
動電極チップと対になる固定された固定電極チップとを
有するスポット溶接ガンのチップ磨耗量を検出するため
に用いられる治具であって、一定の支持圧力により定位
置に支持され、該支持圧力より大きな加圧力で前記可動
電極チップにより押されたときには移動して、前記可動
電極チップと固定電極チップにより把持される可動ブロ
ックを有することを特徴とするスポット溶接ガンにおけ
るチップ磨耗量検出用治具。
【0011】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ご
とに以下のような効果を奏する。
【0012】請求項1記載の本発明によれば、可動電極
チップを可動ブロックに当接し、そのときの可動電極チ
ップ移動量を記憶し、さらに可動電極チップを移動させ
て可動ブロックが固定電極チップに当接したときの可動
電極チップ移動量を記憶する動作を未使用時と使用後に
おいて実施し、それぞれ記憶された可動電極チップの移
動量から電極チップの磨耗量を求めることとしたので、
可動電極チップを移動させて、可動電極チップのみの移
動量を求める段階と、可動電極チップと固定電極チップ
が可動ブロックを挾んで合致させてそのときの可動電極
チップ移動量を求める段階を1回の開閉動作により実施
することができるため、チップ磨耗量検出に掛かる作業
時間を短縮することができる。
【0013】請求項2記載の本発明によれば、まず、未
使用時において、可動電極チップを可動ブロックに当接
し、そのときの可動電極チップ移動量を記憶し、さらに
可動電極チップを移動させて可動ブロックが固定電極チ
ップに当接したときの可動電極チップ移動量を記憶する
動作を実施し、さらに使用後において同様の動作を実施
することで、未使用時の基準となる電極チップ位置と、
使用後の電極チップ位置を各々記憶して、それらをもと
に、電極チップの磨耗量を求めることとしたので、可動
電極チップを移動させて、可動電極チップのみの移動量
を求める段階と、可動電極チップと固定電極チップが可
動ブロックを挾んで合致させてそのときの可動電極チッ
プ移動量を求める段階を1回の開閉動作により実施する
ことができるようになり、チップ磨耗量検出に掛かる作
業時間を短縮することができる。
【0014】請求項3記載の本発明によれば、可動電極
チップに加わる加圧力を検出し、検出した加圧力が、可
動ブロックを支持している支持圧力未満の予め定められ
た第1加圧力を越えたときに、可動電極チップが可動ブ
ロックに当接したと判断することとしたので、可動電極
チップの加圧力の検出により、可動電極チップと可動ブ
ロックとの当接を容易に検出することが可能となる。ま
た、この判断に用いる第1加圧力は、前記のとおり可動
ブロックを支持している支持圧力未満としているので、
可動電極チップが可動ブロックと当接した時点で、可動
ブロックが可動電極チップの加圧力により移動してしま
うことなく、正確に可動電極チップと可動ブロックとの
当接時の可動電極チップの移動量を検出することができ
る。
【0015】請求項4記載の本発明によれば、可動電極
チップに加わる加圧力を検出し、検出した加圧力が、可
動ブロックを支持している支持圧力以上の予め定められ
た第2加圧力を越えたときに、固定電極チップが可動ブ
ロックに当接したと判断することとしたので、可動電極
チップの加圧力の検出により、固定電極チップと可動ブ
ロックとの当接を容易に検出することが可能となる。
【0016】請求項5記載の本発明によれば、一定の支
持圧力により定位置に支持され、該支持圧力より大きな
加圧力で可動電極チップにより押されたときには移動し
て、可動電極チップと固定電極チップにより把持される
可動ブロックを有する治具であるので、この治具を用い
てチップ磨耗量を測定する際には、スポット溶接ガンの
可動電極チップを支持圧力より小さな加圧力で動作させ
ることにより、可動電極チップを定位置にある可動ブロ
ックと当接させても、可動ブロックは移動せず、したが
って、この状態で正確に可動電極チップが定位置にある
可動ブロックと当接したときの移動量を検知することが
でき、さらに続けて支持圧力より大きな加圧力で可動電
極チップを動作させることにより、可動電極チップと固
定電極チップが可動ブロックを把持した状態の可動電極
チップの移動量を検知することができるようになり、定
位置にある可動ブロックに可動電極チップが当接したと
きの移動量と、可動ブロックを挾んで可動電極チップと
固定電極が合致したときの移動量の2つを1回のスポッ
ト溶接ガンの開閉動作により計測することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の一実施の形態を説明する。
【0018】図1は、本発明によるスポット溶接ガンの
チップ磨耗量検出用治具を示す斜視図であり、図2は、
チップ磨耗量検出の際の動作の流れを示すフローチャー
トであり、図3〜図5は、チップ磨耗量検出の際のスポ
ット溶接ガンの動作を示す図面である。
【0019】まず、図1を参照して、スポット溶接ガン
のチップ磨耗量検出用治具(以下、単に治具と称する)
について説明する。
【0020】図示するように、この治具7は、治具7を
固定しておくためのブラケット1と、ブラケット1に設
けられたリニアガイド3と、リニアガイドに沿って上下
動(図中矢印A)自在に設けられている可動ブロック4
と、可動ブロック4を後述するような一定の支持圧力で
支えるバランスシリンダ5とからなる。
【0021】ここで、バランスシリンダ5は、可動ブロ
ック4を一定の支持圧力Fで支えることにより、この支
持圧力Fを越えるような加圧力が加えられるまで、常に
可動ブロック4の位置を定位置に保持しておくものであ
る。このバランスシリンダ5としては、例えばエアシリ
ンダやオイルシリンダなどが好ましい。
【0022】次に、図2を参照して、この治具を用いた
チップ磨耗量検出方法について説明する。
【0023】まず、未使用、すなわち新品の電極チップ
を取り付けた直後、あるいはチップドレス後の電極チッ
プにより、磨耗量検出のための基準位置を求める動作を
行う。
【0024】これには、まず、図3に示すように、ロボ
ットアーム20先端に取り付けられたスポット溶接ガン
10を、治具7の可動ブロック4を挾むことができる位
置へ移動する(準備動作、S1)。
【0025】ここで、スポット溶接ガン10は、C形や
X形などのスポット溶接ガンと同様であり、図3に示し
たように、スポット溶接ガン10をロボットアーム20
先端に取り付けるための接続部材11と、この接続部材
11に固定された固定アーム12に取り付けられている
固定電極チップ13と、サーボモータ14の回転により
回転する送り捩子15によって、リニアガイド16に沿
って上下動(図中矢印)する可動アーム17に取り付け
られた可動電極チップ18と、サーボモータ14の回転
数を検出するためのパルスエンコーダ19よりなる。
【0026】前記ステップS1の準備動作が終了した
後、続いて、図4に示すように、可動電極チップ18を
可動ブロック4の支持圧力Fより小さな加圧力により移
動させる(S2)。そして、サーボモータ14からのフ
ィードバック電流を検出することによりモータのトルク
fを検出し、検出したトルクfが予め定められた第1加
圧力f1を越えたか否かを判断する(S3)。
【0027】この第1加圧力f1は、前述した治具7の
可動ブロック4を支持している支持圧力Fより小さな値
であり、かつ可動アーム17自体を移動させるのに十分
な値とする。これにより、検出されるトルクfは、可動
ブロック4に可動電極チップ18が当接するまでは、モ
ータ自体の回転や可動アーム17を動作させるために必
要なトルクで回転しているが、可動電極チップ18が可
動ブロック4に当接することにより、フィードバックさ
れる電流量が大きくなり、したがって、検出されるトル
クfも大きくなるので、ある一定のしきい値として前記
第1加圧力f1を設定し、検出されるトルクfがこのf
1を越えたことにより可動電極チップ18と可動ブロッ
ク4とが当接したと判断される。そして、この判断に用
いる第1加圧力は、前記のとおり可動ブロックを支持し
ている支持圧力未満としているので、可動電極チップ1
8が可動ブロック4と当接したときに、可動ブロック4
が可動電極チップ18の加圧力により移動してしまうこ
となく、正確に可動電極チップ18と、定位置にある可
動ブロック4との当接時の可動電極チップ18の移動量
を検出することができる。したがって、サーボモータ1
4のトルクを検出することにより容易に可動電極チップ
18と可動ブロック4とが当接したことを検出すること
ができる。
【0028】続いて、可動電極チップ18と可動ブロッ
ク4とが当接した時点で、パルスエンコーダ19のこれ
までのカウント数から、可動電極チップ18の移動量を
検出し、可動電極基準位置X1として記憶する(S
4)。ここで、パルスエンコーダ19は、サーボモータ
14に設けられているパルス円盤がモータの回転により
回転することで発生するパルス数を検出しており、その
パルスの数を常にカウントすることで、可動電極チップ
18の位置をカウント数から算出することができるもの
である。これには、例えばある一定の基準位置に可動電
極チップ18がある時のカウント数を「0」として、可
動電極チップ18の送り出し方向を「+」、可動電極チ
ップ18の戻し方向を「−」としてパルス数を加減算す
ることで、常に可動電極チップ18の位置(移動量)が
分かる。
【0029】なお、可動電極チップ18の動作は、可動
電極チップ18と可動ブロック4とが当接したことを検
知した時点で、一旦停止させてもよいが、可動電極チッ
プ18と可動ブロック4とが当接したことが検知され、
かつそのときの移動量を記憶することができれば、可動
電極チップ18を停止させることなく、後述のステップ
S5以降の動作に移行してもよい。
【0030】次に、図5に示すように、可動ブロック4
の支持圧力よりも大きな加圧力を可動電極チップ18に
加えて、可動電極チップ18を移動させる(S5)。こ
れにより可動ブロックは、その支持圧力Fよりも大きな
加圧力が加わるため下方に移動する。そして、そのとき
のサーボモータ14からのフィードバック電流を検出す
ることによりモータのトルクfを検出し、検出したトル
クfが予め定められた第2加圧力f2を越えたか否かを
判断する(S6)。
【0031】この第2加圧力f2は、支持圧力Fより大
きな値とする(ただし、当然に、治具、その他電極チッ
プやモータなどのスポット溶接ガンの構成部材が破損し
ない程度の加圧力とする。好ましくは、後述するように
可動ブロック4と固定電極13が当接したと判断できる
程度でよい)。これにより、可動ブロック4が移動し
て、固定電極チップ13に当接すると、検出されるモー
タ14のトルクfは大きくなり、第2加圧力f2を越え
たことを検出した時点で、可動ブロック4と固定電極1
3が当接したと判断される。
【0032】続いて、固定電極チップ13と可動ブロッ
ク4とが当接した時点で、パルスエンコーダ19のこれ
までのカウント数から、可動電極チップ18の移動量を
検出し、合計電極基準位置Y1として記憶する(S
7)。
【0033】以上により、基準位置を求めるための動作
を終了する。
【0034】その後、スポット溶接ガンを使用した後、
電極チップ13および18の磨耗量を知りたくなったと
きには、前述したステップS1〜7までの動作を実行す
る。ただし、このときには、前記ステップS4において
記憶されるパルスエンコーダ19による可動電極チップ
18の移動量は、可動電極位置X2として記憶し、ま
た、前記ステップS7において記憶される可動電極チッ
プ18の移動量は、合計電極位置Y2として記憶する。
【0035】そして、未使用時に得られた可動電極基準
位置X1から使用後に得られた可動電極位置X2を引く
ことにより、可動電極チップ18の磨耗量を算出する。
また、合計電極基準位置Y1から合計電極位置Y2を引
くことにより可動電極チップ18と固定電極チップの合
計した磨耗量が得られ、さらに、この合計磨耗量から先
に算出した可動電極チップ18の磨耗量を引くことで、
固定電極チップ13の磨耗量が得られる。
【0036】以上のように本発明を適用することによっ
て、スポット溶接ガンの電極チップ位置を計測のための
スポット溶接ガンの開閉動作は1回で済み、したがっ
て、チップ磨耗量を求めるための合計(未使用時と使用
後)のスポット溶接ガンの開閉動作は2回で済むため、
従来と比較して半分のサイクルタイムによりスポット溶
接ガンのチップ磨耗量を検出することができる。
【0037】また、位置計測のための開閉動作が1回で
済むため、従来のように、電極チップ同士を合致させる
ための動作に続いて、固定ブロックに可動側電極チップ
を当接させるためにロボットアームを動かすための動作
がなくなるので、このロボットアームを動作される時間
も省くことができ、単に開閉動作回数を減らした以上
に、チップ磨耗量の検出に掛かる作業時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したチップ磨耗量検出用治具を
示す斜視図である。
【図2】 本発明を適用したチップ磨耗量検出方法の流
れを示すフローチャートである。
【図3】 前記チップ磨耗量検出用治具を用いたチップ
磨耗量検出の際のスポット溶接ガンの動作を示す図面で
ある。
【図4】 上記図3に続く、チップ磨耗量検出用治具を
用いたチップ磨耗量検出の際のスポット溶接ガンの動作
を示す図面である。
【図5】 上記図3に続く、チップ磨耗量検出用治具を
用いたチップ磨耗量検出の際のスポット溶接ガンの動作
を示す図面である。
【符号の説明】
1…ブラケット、 3…リニアガイド、 4…可動ブロック、 5…バランスシリンダ、 7…ブラケット、 13…固定電極チップ、 18…可動電極チップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 勲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動可能な可動電極チップと、該可動電
    極チップと対になる固定された固定電極チップとを有す
    るスポット溶接ガンのチップ磨耗量検出方法であって、 前記可動電極チップを、移動可能な可動ブロックに当接
    させて、該当接時の前記可動電極チップ移動量を可動電
    極位置として記憶し、 さらに前記可動電極チップを、前記可動ブロックが前記
    固定電極チップと当接するまで動作させて、そのときの
    前記可動電極チップ移動量を合計電極位置として記憶
    し、 この動作を電極チップ未使用時と使用後において実施し
    て、未使用時に記憶した可動電極位置と、使用後におい
    て記憶した可動電極位置とから可動電極チップの磨耗量
    を求め、未使用時に記憶した合計電極位置、使用後にお
    いて記憶した合計電極位置、および前記可動電極チップ
    の磨耗量から固定電極チップの磨耗量を求めることを特
    徴とするスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方
    法。
  2. 【請求項2】 移動可能な可動電極チップと、該可動電
    極チップと対になる固定された固定電極チップとを有す
    るスポット溶接ガンのチップ磨耗量検出方法であって、 電極チップ未使用時において、 前記可動電極チップを動作させて、予め定められた支持
    圧力により支持されている移動可能な可動ブロックに前
    記可動電極チップを当接させる段階と、 該当接時の前記可動電極チップ移動量を可動電極基準位
    置として記憶する段階と、 前記可動電極チップを前記可動ブロックを支持している
    支持圧力より大きな加圧力により動作させて、前記可動
    ブロックが前記固定電極チップと当接するまで前記可動
    電極チップを動作させる段階と、 該可動ブロックと固定電極チップとの当接時の前記可動
    電極チップ移動量を合計電極基準位置として記憶する段
    階と、 電極チップ使用後において、 前記可動電極チップを動作させて、前記可動ブロックに
    前記可動電極チップを当接させる段階と、 該当接時の前記可動電極チップ移動量を可動電極位置と
    して記憶する段階と、 前記可動電極チップを前記可動ブロックを支持している
    支持圧力より大きな加圧力により動作させて、前記可動
    ブロックが前記固定電極チップと当接するまで前記可動
    電極チップを動作させる段階と、 該可動ブロックと固定電極チップとの当接時の前記可動
    電極チップ移動量を合計電極位置として記憶する段階
    と、 前記可動電極基準位置と前記可動電極位置から前記可動
    電極チップの磨耗量を算出する段階と、 前記合計電極基準位置と前記合計電極位置から2個の電
    極チップの合計磨耗量を算出する段階と、 該合計磨耗量と前記可動電極チップ磨耗量から固定電極
    チップの磨耗量を算出する段階と、を有することを特徴
    とするスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記可動電極チップを動作させて、前記
    可動ブロックに前記可動電極チップを当接させる段階
    は、 前記可動電極チップの加圧力を検出し、該検出した加圧
    力が、前記支持圧力未満の予め定められた第1加圧力を
    越えたときに、前記可動電極チップが前記可動ブロック
    に当接したと判断する段階を有することを特徴とする請
    求項1記載のスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検
    出方法。
  4. 【請求項4】 前記可動電極チップを前記可動ブロック
    を支持している支持圧力より大きな加圧力により動作さ
    せて、前記可動ブロックが前記固定電極チップと当接す
    るまで前記可動電極チップを動作させる段階は、 前記可動電極チップの加圧力を検出し、該検出した加圧
    力が、前記支持圧力以上の予め定められた第2加圧力を
    越えたときに、前記可動ブロックが前記固定電極チップ
    に当接したと判断する段階を有することを特徴とする請
    求項1記載のスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検
    出方法。
  5. 【請求項5】 移動可能な可動電極チップと、該可動電
    極チップと対になる固定された固定電極チップとを有す
    るスポット溶接ガンのチップ磨耗量を検出するために用
    いられる治具であって、 一定の支持圧力により定位置に支持され、該支持圧力よ
    り大きな加圧力で前記可動電極チップにより押されたと
    きには移動して、前記可動電極チップと固定電極チップ
    により把持される可動ブロックを有することを特徴とす
    るスポット溶接ガンにおけるチップ磨耗量検出用治具。
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