JPH11191245A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH11191245A
JPH11191245A JP29194098A JP29194098A JPH11191245A JP H11191245 A JPH11191245 A JP H11191245A JP 29194098 A JP29194098 A JP 29194098A JP 29194098 A JP29194098 A JP 29194098A JP H11191245 A JPH11191245 A JP H11191245A
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layer
magnetic
magneto
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JP29194098A
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Morimi Hashimoto
母理美 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な安定性をもって磁壁の移動が再現され
る、磁壁移動を利用した超高密度光磁気記録媒体を提供
する。 【解決手段】 透明基板11上に、第1の誘電体層1
2、第1の磁性層131、第2の磁性層132、第3の
磁性層133及び第2の誘電体層14が順次積層されて
いる。第1の磁性層131は周囲温度近傍の温度におい
て第3の磁性層133に比べて相対的に磁壁抗磁力が小
さく磁壁移動度の大きな磁性層からなる。第2の磁性層
132は第1の磁性層131及び第3の磁性層133よ
りキュリー温度の低い磁性層からなる。第1の磁性層1
31は再生に関与する磁壁移動層として機能し、第2の
磁性層132はスイッチング層として機能し、第3の磁
性層133はメモリ層として機能する。第1の磁性層1
31の表面粗さRaは1.2nm以下、好ましくは0.
6nm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気情報記録再
生の技術に属するものであり、特に、温度分布を形成す
ることにより磁壁を移動させた上で情報を再生する超高
密度な光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録媒体として光
磁気ディスクが近年注目されているが、さらに光磁気デ
ィスクの記録密度を高めて大容量の記録媒体とする要求
が高まっている。光ディスクの線記録密度は、再生光学
系のレーザー波長λ及び対物レンズの開口数NAに大き
く依存し、信号再生時の空間周波数は、NA/λ程度が
検出可能な限界である。従って、従来の光ディスクで高
密度化を実現するためには、再生光学系のレーザー波長
λを短くし、対物レンズの開口数NAを大きくする必要
がある。しかしながら、レーザー波長や対物レンズの開
口数の改善にも限界がある。このため、記録媒体の構成
や読み取り方法を工夫して記録密度を改善する技術がい
くつか提案されている。
【0003】例えば、特開平6−290496号公報に
は、再生信号振幅を低下させることなく光の回折限界以
下の周期の信号を高速で再生可能とした光磁気記録媒体
及びその再生方式及びその再生装置が提案されている。
すなわち、光磁気記録媒体の再生磁性層に光ビーム等の
加熱手段によって温度分布を形成すると、磁壁エネルギ
ー密度に分布が生じるために、磁壁エネルギーの低い方
に磁壁を移動させることができる。この結果、再生信号
振幅は記録されている磁壁の間隔(すなわち、記録ピッ
ト長)によらず、常に一定かつ最大の振幅となる。すな
わち、記録密度向上に伴う再生出力の必然的な低下が大
幅に改善され、さらなる高密度化が実現される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような磁壁移動を利用した従来の光磁気記録媒体におい
ては、磁壁移動現象が良好な安定性をもって再現されな
いという問題があった。
【0005】そこで、本発明は、良好な安定性をもって
磁壁の移動が再現される、磁壁移動を利用した超高密度
光磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、磁壁移動
を利用した超高密度光磁気記録媒体の磁壁移動について
鋭意検討した結果、該光磁気記録媒体の再生に関与する
磁性層の表面性(表面粗さ)が磁壁の移動し易さと関係
していることを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明によれば、以上の如き目的を
達成するものとして、再生磁性層の磁壁を移動させるこ
とによって見かけ上磁区を拡大させて該磁区の記録情報
を再生する光磁気記録媒体において、前記再生磁性層の
表面粗さRaが1.2nm以下であることを特徴とする
光磁気記録媒体、が提供される。
【0008】本発明の一態様においては、前記再生磁性
層の表面粗さRaが0.6nm以下である。
【0009】本発明の一態様においては、前記再生磁性
層が各情報トラック間で互いに磁気的に分離されてい
る。
【0010】特に、本発明によれば、以上の如き目的を
達成するものとして、少なくとも第1の磁性層、第2の
磁性層及び第3の磁性層が順次積層されている光磁気記
録媒体であって、前記第1の磁性層は周囲温度近傍の温
度において前記第3の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁
力が小さく磁壁移動度の大きな磁性層からなり、前記第
2の磁性層は前記第1の磁性層及び前記第3の磁性層よ
りキュリー温度の低い磁性層からなり、前記第1の磁性
層の表面粗さRaが1.2nm以下であることを特徴と
する光磁気記録媒体、が提供される。ここで、第1の磁
性層は移動層かつ再生層であり、第2の磁性層はスイッ
チング層であり、第3の磁性層はメモリ層である。
【0011】本発明の一態様においては、前記第1の磁
性層の表面粗さRaが0.6nm以下である。
【0012】本発明の一態様においては、前記第1の磁
性層が各情報トラック間で互いに磁気的に分離されてい
る。
【0013】表面粗さRaは中心線平均粗さであり、走
査型プローブ顕微鏡等を用いて測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光磁気記録媒体の
実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、本発明の光磁気記録媒体の第1の
実施形態を示す断面構成図である。透明基板11上に、
第1の誘電体層12、記録層(磁性層)13及び第2の
誘電体層14が順に積層形成されている。
【0016】透明基板11としては、例えば、ガラス、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂等を用いることができる。
【0017】記録層13は、単層であっても積層であっ
ても良く、特に限定されないが、再生時に磁壁を移動さ
せて、見かけ上、磁区を拡大して再生するタイプの光磁
気情報記録層であり、例えば、特開平6−290496
号公報で開示されているような、第1の磁性層131、
第2の磁性層132及び第3の磁性層133の3層構成
のものである。ここで、第1の磁性層131は周囲温度
近傍において第3の磁性層133に比べて相対的に磁壁
抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな磁性層(移動層かつ
再生層)であり、第2の磁性層132は第1の磁性層1
31及び第3の磁性層133よりキュリー温度の低い磁
性層(スイッチング層)であり、第3の磁性層133は
磁区の保存安定性に優れた通常の磁気記録層(メモリ
層)である。この場合、各磁性層はスパッタリングや真
空蒸着等の物理蒸着法で連続成膜することにより、互い
に交換結合あるいは静磁結合をしている。
【0018】第1の磁性層131としては、例えば、G
dCo系、GdFe系、GdFeCo系、TbCo系な
どの磁気異方性の比較的小さな希土類−鉄族非晶質合金
やガーネット等のバブルメモリ用の材料が好ましい。
【0019】第2の磁性層132としては、例えば、C
o系あるいはFe系合金磁性層で、キュリー温度が第1
の磁性層131及び第3の磁性層133より小さく、飽
和磁化の値が第3の磁性層133より小さいものが好ま
しい。また、Co、Cr、Ti等の添加量でキュリー温
度が調整可能である。
【0020】第3の磁性層133としては、例えば、T
bFeCo、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希
土類−鉄族非晶質合金やPt/Co、Pd/Coなどの
白金族−鉄族周期構造膜等、飽和磁化と磁気異方性の値
が大きく、磁化状態(磁区)が安定に保持できるものが
好ましい。
【0021】第1及び第2の誘電体層12,14は、特
に限定されないが、例えば、SiN、SiO2 、ZnS
等が好ましい。
【0022】また、必要に応じてAl合金等の放熱層を
形成しても良い。
【0023】再生に関与する第1の磁性層131の表面
粗さは、ほぼ基板11の表面粗さが直接反映される。従
って、磁性層の表面粗さを制御する手法としては、基板
11の磁性層が形成される面の表面粗さを制御するのが
直接的かつ簡便である。
【0024】ここで、基板11の表面粗さは、射出成形
による基板の場合、スタンパの表面粗さが反映される。
スタンパの製造手順は、まず、ガラス原盤を研磨し、そ
の上にレジストを塗布し、所望の仕様に露光してカッテ
ィングした後、現像を行なう。次にNiをスパッタ成膜
した後Ni電鋳を行ない、剥離して洗浄したものがスタ
ンパである。従って、通常は、レジスト面の表面粗さが
スタンパの表面粗さに反映される。しかし、ランド&グ
ルーブ記録用基板で、カッティングをガラス原盤まで抜
いた場合、グルーブ面の表面粗さはガラス原盤の表面粗
さとなる。この時、ランド面の表面粗さはレジスト面の
表面粗さである。また、このグルーブ面をランド面とし
て使いたい時には、作成したスタンパをマザーにして逆
性のスタンパを作成すれば良い。いずれにしても、スタ
ンパの表面粗さは、レジスト面あるいはガラス原盤の表
面粗さによって制御することが可能である。
【0025】この様に、プラスチック基板の射出成形に
おいては、基板成形に使用するスタンパの表面粗さを制
御することが効果的であり、スタンパの表面粗さを制御
する手法としては、スタンパの作製に用いるガラス原盤
の表面粗さを研磨等の手法で制御する方法やレジスト面
の表面粗さをレジストの材料や工程等の条件出しで制御
することが可能である。
【0026】再生に関与する第1の磁性層131の表面
粗さ及びその他の表面の表面粗さは、走査型プローブ顕
微鏡により測定されるRa(平均中心線粗さ)をもって
示す。基板11の表面粗さRaを1.2nm以下、好ま
しくは0.6nm以下に制御することによって、第1の
磁性層131及びその他の磁性層さらには磁性層13の
Raも1.2nm以下、好ましくは0.6nm以下にす
ることが可能となる。
【0027】このような表面粗さを具備した光磁気記録
媒体を用いることによって、特開平6−290496号
公報で開示されている磁壁の移動現象を良好な安定性を
もって再現することが可能となった。このことは、光磁
気記録媒体の表面粗さ(表面凹凸)が大きいと磁壁の移
動が妨げられることを示すものと考えられる。
【0028】図2は、本発明の光磁気記録媒体の第2の
実施形態を示す断面構成図である。本実施形態の光磁気
記録媒体は、例えばAppl.Phys.Lett.,
Vol.69,No.27(1996)に示されている
ような、再生磁性層に転写された磁区を外部磁界を印加
することによって拡大/縮小するタイプのものである。
【0029】透明基板61上に、第1の誘電体層62、
第1の磁性層631、第2の誘電体層64、反射層6
5、第2の磁性層632及び第3の誘電体層66が順に
積層形成されている。
【0030】基板61は上記基板11と同様な材質から
なり、第1、第2及び第3の誘電体層62,64,66
は上記第1及び第2の誘電体層12,14と同様な材質
からなり、第1の磁性層631は上記第1の磁性層13
1と同様な材質からなり、第2の磁性層632は上記第
3の磁性層133と同様な材質からなる。第1、第2及
び第3の誘電体層62,64,66は、それぞれ第1の
干渉層、第2の干渉層及び保護層として機能する。ま
た、第1の磁性層631は磁区拡大層として機能し再生
に関与する。第2の磁性層632は記録層として機能す
る。
【0031】反射層65としては、例えばAlTi層を
用いることができる。この放熱層65は、再生感度を向
上させるために再生パワーを上げる際に、光磁気記録媒
体の昇温によるダメージを防止するための放熱調整層と
して機能する。
【0032】再生に関与する第1の磁性層631の表面
粗さRaを1.2nm以下とすることによって、磁壁の
移動による孤立磁区の拡大を良好な安定性をもって再現
することが可能となった。このことは、光磁気記録媒体
の表面粗さ(表面凹凸)が大きすぎると磁壁の移動が妨
げられることを示すものと考えられる。また、第1の磁
性層631の表面粗さRaを1.2nm以下とすること
によって、外部磁界の印加なしで、磁壁の移動による孤
立磁区の拡大を良好な安定性をもって再現することが可
能となった。
【0033】以下に具体的な実施例をもって本発明を更
に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。尚、これらの実施例において、表面粗
さRaは、走査型プローブ顕微鏡(SPM)NanoS
copeIII (米国デジタルインスツルメンツ社製)の
タッピングモードAFMを用い、探針には通常のブレー
ドチップを用いて、測定した。
【0034】(実施例1)図1に示される光磁気記録媒
体(光磁気ディスク)を製造した。
【0035】基板11としてはポリカーボネートを用い
た。該ポリカーボネート基板11はトラックピッチ0.
5μm間隔のランド&グルーブ記録用の基板である。
【0036】本ポリカーボネート基板11を作成するガ
ラス原盤を研磨して、その表面粗さRaを約0.5nm
にした。このガラス原盤を用いて作成したスタンパの凸
部(基板に対してはグルーブ部として転写される)の表
面粗さRaは約0.5nmであった。このスタンパを用
いて射出成形したポリカーボネート基板11のグルーブ
面の表面粗さの測定結果を図3に示す(Ra0.53n
m)。
【0037】該ポリカーボネート基板11上に干渉層で
あるSiN層12を厚さ80nm形成し、次に第1の磁
性層(磁壁移動層)としてGdFeCo層131を厚さ
30nm、第2の磁性層(スイッチング層)としてDy
Fe層132を厚さ10nm、第3の磁性層(メモリ
層)としてTbFeCo層133を厚さ40nm、順次
スパッタリングにより形成した。最後に、保護層として
SiN層14を厚さ80nm形成した。
【0038】次に、磁性層13を情報トラック間で磁気
的に互いに分離させることを目的に、ランド面全面をレ
ーザー照射によりアニールした。
【0039】この様にして得られた光磁気記録媒体のグ
ルーブ面の表面(実際には保護層14の上面)の表面粗
さを測定したところ、基板11のグルーブ面の表面粗さ
とほぼ同等であった。従って、磁壁移動層(再生層)1
31の表面粗さもほぼ同等であるといえる。
【0040】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でトラック方向にピット長0.10μ
mの連続磁区を記録し、発明者らが既に提案している
『温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平
6−290496号公報参照)』を用いて再生したとこ
ろ、波長635nm、NA0.6の光学系(相対速度2
m/s)においてC/N39.5dBが安定して再現性
良く得られた。
【0041】(比較例1)ポリカーボネート基板として
通常の光磁気ディスク(3.5インチ、230MB)の
基板を用いた他は、実施例1と同じようにした。ポリカ
ーボネート基板の表面粗さは、Raで1.513nmで
あった。その結果を図4に示した。尚、磁性層は、実施
例1と同様に情報トラック間で磁気的に互いに分離させ
ることを目的に、グルーブにあたる部分をレーザー照射
によりアニールした。
【0042】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でトラック方向にピット長0.10μ
mの連続磁区を記録し、発明者らが既に提案している
『温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平
6−290496号公報参照)』を用いて再生したとこ
ろ、波長635nm、NA0.6の光学系(相対速度2
m/s)では再生信号が得られなかった。すなわち、本
比較例の基板(Ra1.513nm)では、磁壁の移動
による微小ピット(0.10μm)の再生は不可能であ
った。
【0043】(実施例2)ポリカーボネート基板11の
グルーブ面の表面粗さRaを0.825nmとした他
は、実施例1と同じようにした。表面粗さの測定結果を
図5に示した。
【0044】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でトラック方向にピット長0.10μ
mの連続磁区を記録し、発明者らが既に提案している
『温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平
6−290496号公報参照)』を用いて再生したとこ
ろ、波長635nm、NA0.6の光学系(相対速度2
m/s)においてC/N38.0dBが得られた。ただ
し、実施例1と比較すると、ごく稀に磁壁の移動現象が
生じない(再生信号が得られない)ことがあり、また、
実施例1と比較するとC/Nも1.5dB低下してい
る。しかし、実用には支障がない。
【0045】(実施例3)ポリカーボネート基板11の
グルーブ面の表面粗さをRaで0.428nmとした他
は、実施例1と同じようにした。表面粗さの測定結果を
図6に示した。
【0046】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でトラック方向にピット長0.10μ
mの連続磁区を記録し、発明者らが既に提案している
『温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平
6−290496号公報参照)』を用いて再生したとこ
ろ、波長635nm、NA0.6の光学系(相対速度2
m/s)においてC/N40.0dBが安定して再現良
く得られた。また、実施例1と比較すると、C/Nが
0.5dB向上している。
【0047】(実施例4)ポリカーボネート基板11の
ランド面の表面粗さをRaで1.104nmとして、グ
ルーブ面全面をレーザー照射によりアニールした他は、
実施例1と同じようにした。表面粗さの測定結果を図7
に示した。
【0048】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でトラック方向にピット長0.10μ
mの連続磁区を記録し、発明者らが既に提案している
『温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平
6−290496号公報参照)』を用いて再生したとこ
ろ、波長635nm、NA0.6の光学系(相対速度2
m/s)においてC/N36.5dBが得られた。ただ
し、実施例1と比較すると、ときどき磁壁の移動現象が
生じない(再生信号が得られない)ことがあり、また、
実施例1と比較すると、C/Nも3.0dB低下してい
る。しかし、実用には支障がない。
【0049】(実施例5)図2に示される光磁気記録媒
体(光磁気ディスク)を製造した。
【0050】基板61としてはポリカーボネートを用い
た。該ポリカーボネート基板61はトラックピッチ0.
5μm間隔のランド&グルーブ記録用の基板である。
【0051】ポリカーボネート基板61の表面粗さをR
aで0.767nmとした基板の上に、第1の干渉層で
あるSiN層62を厚さ70nm形成し、次に第1の磁
性層(磁気増幅層)としてGdFeCo層631を厚さ
20nm、第2の干渉層としてSiN層64を厚さ15
nm、次に反射層としてAlTi層65を厚さ10n
m、次に第2の磁性層(記録層)としてTbFeCo層
632を厚さ200nm、最後に、保護層としてSiN
層66を厚さ70nm、順次スパッタリングにより形成
した。ここで、トラック間分断を目的としたトラックの
アニール処理は行なっていない。表面粗さの測定結果は
図8に示した。
【0052】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.30μmの孤立磁区を2.0μ
m間隔で記録し、約50エルステッドの外部補助磁界を
かけて転写/拡大し再生したところ、波長680nm、
NA0.55の光学系において実用レベルの再生信号が
得られた。
【0053】(比較例2)ポリカーボネート基板として
比較例1と同様の通常の光磁気ディスク(3.5イン
チ、230MB)の基板を用いた他は、実施例5と同じ
ようにした。ポリカーボネート基板の表面粗さは、Ra
で1.513nmであった。
【0054】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.30μmの孤立磁区を2.0μ
m間隔で記録し、約300エルステッドの外部補助磁界
をかけて転写/拡大し再生したところ、波長680n
m、NA0.55の光学系において実用レベルの再生信
号が得られた。しかし、約50エルステッドの外部補助
磁界をかけた場合には、実用レベルの再生信号は得られ
なかった。すなわち、本比較例の基板(Ra1.513
nm)では、強い外部補助磁界が必須である。
【0055】(実施例6)ポリカーボネート基板として
実施例3と同様な表面粗さRa0.428nmのものを
使用した他は、実施例5と同じようにした。
【0056】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.30μmの孤立磁区を2.0μ
m間隔で記録し、外部補助磁界を印加せずに転写/拡大
し再生したところ、波長680nm、NA0.55の光
学系において実用レベルの再生信号が得られた。即ち、
本実施例のRa0.428nmの表面粗さの基板の場合
には、外部補助磁界の印加なしで良好な磁区拡大/再生
を行うことができる。
【0057】(比較例3)ポリカーボネート基板のラン
ド面の表面粗さをRaで1.315nmとして、グルー
ブ面全面をレーザー照射によりアニールした他は、実施
例1と同じようにした。
【0058】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式でピット長0.10μmの連続磁区を
記録し、発明者らが既に提案している『温度勾配を利用
した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−290496
号公報参照)』を用いて再生したところ、波長635n
m、NA0.6の光学系(相対速度2m/s)において
C/N35.0dBであった。ただし、再生信号は極め
て小さく、しばしば磁壁の移動現象が生じない(再生信
号が得られない)ことがあり、実施例1と比較すると安
定性に欠けていた。
【0059】以上のように、ポリカーボネート基板の表
面粗さRaが1.315nmの場合、磁壁移動に基づく
実用的なレベルの再生信号は得られなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気記
録媒体によれば、温度勾配を利用した磁壁移動型磁区拡
大再生方式による光磁気記録媒体を良好な安定性をもっ
て再現することが可能となると同時に再生信号(C/
N)を向上させることができる。
【0061】また、本発明の光磁気記録媒体によれば、
磁区を拡大させて再生する光磁気記録媒体において、再
生時に大きな外部補助磁界が不要となるか或は外部補助
磁界が全く不要となる。
【0062】また、従来使用されているものと同種の光
磁気記録媒体の基板を用いて、その表面粗さを制御する
のみといった簡便な方法で「磁壁の移動し易さ」をコン
トロールすることが可能なため、磁壁移動型(磁壁移動
により孤立磁区面積を拡大させるものを含む)の高密度
な光磁気記録媒体をローコストで提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の第1の実施形態の層
構成を示す模式的断面図。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の第2の実施形態の層
構成を示す模式的断面図。
【図3】本発明の光磁気記録媒体(実施例1)の基板の
表面粗さの測定結果。
【図4】比較例1,2の光磁気記録媒体の基板の表面粗
さの測定結果。
【図5】本発明の光磁気記録媒体(実施例2)の基板の
表面粗さの測定結果。
【図6】本発明の光磁気記録媒体(実施例3)の基板の
表面粗さの測定結果。
【図7】本発明の光磁気記録媒体(実施例4)の基板の
表面粗さの測定結果。
【図8】本発明の光磁気記録媒体(実施例5)の基板の
表面粗さの測定結果。
【符号の説明】
11 ポリカーボネート基板 12,14 誘電体層 13 磁性層 131 第1の磁性層 132 第2の磁性層 133 第3の磁性層 61 ポリカーボネート基板 62,64,66 誘電体層 631 第1の磁性層 632 第2の磁性層 65 反射層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生磁性層の磁壁を移動させることによ
    って見かけ上磁区を拡大させて該磁区の記録情報を再生
    する光磁気記録媒体において、前記再生磁性層の表面粗
    さRaが1.2nm以下であることを特徴とする光磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記再生磁性層の表面粗さRaが0.6
    nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記再生磁性層が各情報トラック間で互
    いに磁気的に分離されていることを特徴とする、請求項
    1〜2のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも第1の磁性層、第2の磁性層
    及び第3の磁性層が順次積層されている光磁気記録媒体
    であって、前記第1の磁性層は周囲温度近傍の温度にお
    いて前記第3の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小
    さく磁壁移動度の大きな磁性層からなり、前記第2の磁
    性層は前記第1の磁性層及び前記第3の磁性層よりキュ
    リー温度の低い磁性層からなり、前記第1の磁性層の表
    面粗さRaが1.2nm以下であることを特徴とする光
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記第1の磁性層の表面粗さRaが0.
    6nm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の
    光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第1の磁性層が各情報トラック間で
    互いに磁気的に分離されていることを特徴とする、請求
    項4〜5のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
JP29194098A 1997-10-16 1998-10-14 光磁気記録媒体 Pending JPH11191245A (ja)

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JP29194098A JPH11191245A (ja) 1997-10-22 1998-10-14 光磁気記録媒体
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6221219B1 (en) * 1998-09-28 2001-04-24 Canon Kabushiki Kaisha Magneto-optical medium and process for production thereof
KR100677205B1 (ko) * 2000-12-14 2007-02-05 엘지전자 주식회사 근접장 기록용 광 디스크
KR100745948B1 (ko) * 2006-06-09 2007-08-02 후지쯔 가부시끼가이샤 광자기 기록 매체 및 그 제조 방법, 광자기 기록 매체용기판, 및 모형 스탬퍼 및 그 제조 방법

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