JPH11191101A - ルビを含む文章の組版方法 - Google Patents

ルビを含む文章の組版方法

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JPH11191101A
JPH11191101A JP9358353A JP35835397A JPH11191101A JP H11191101 A JPH11191101 A JP H11191101A JP 9358353 A JP9358353 A JP 9358353A JP 35835397 A JP35835397 A JP 35835397A JP H11191101 A JPH11191101 A JP H11191101A
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point
line
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JP9358353A
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English (en)
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Kiyotaka Miyai
清孝 宮井
Hideki Shibata
英樹 柴田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グループルビ形式のルビ付き文字列を含んだ
文章の組版品質を向上させる。 【解決手段】 文書編集段階で、グループルビ形式のル
ビ付き文字列の親文字列及びルビ文字列に対し、編集者
が分割に適すると考えた字間に分割予約点を設定する。
例えば、『妙義山(みょうぎさん)』において、親文字
列「妙義山」及びルビ文字列「みょうぎさん」に対し、
それぞれ矢印1及び2で示される位置を分割予約点とし
て設定する。そして、自動組版における行分割処理にお
いて、ルビ付き文字列が行末に位置し、しかもそのルビ
付き文字列をその行内に追い込んでも次行に追い出して
も良好な組版結果が得られない場合は、親文字列及びル
ビ文字列を各々の分割予約点で分割することにより、そ
のルビ付き文字列を2分割して、そのときの分割点で行
分割を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータを利
用した組版方法に関し、特にグループルビを有する文書
の行分割処理に関する。
【0002】
【従来の技術】日本語文書には、ルビが付される場合が
ある。ルビが付される文字は、親文字と呼ばれる。ルビ
には、複数の親文字からなる文字列(「親文字列」とい
う)全体に対して付されるグループルビと、親文字1文
字に対して付されるモノルビとがある。例えば、『妙義
山』という文字列に対して「みょうぎさん」と一括して
ルビを振った場合がグループルビであるのに対し、
『妙』に対して「みょう」、『義』に対して「ぎ」、
『山』に対して「さん」といった具合に、『妙義山』の
各文字ごとにそれぞれルビを振ったものがモノルビであ
る。
【0003】一般に、コンピュータを利用した組版シス
テムは、組版データの入力を受け、その組版データを処
理して組版処理を行う。組版データは、組版対象の文書
の内容を示すデータ(テキストデータなど)と、その文
書に対する組版スタイル(文字サイズや書体、レイアウ
トなど)を記述したデータとから構成される。ルビは、
親文字(又は親文字列)とルビとの対応関係を示す組版
スタイル情報により記述される。この場合において、モ
ノルビでは、親文字1文字ごとにルビが対応づけられ
る。これに対し、グループルビでは、親文字列全体に対
してルビの文字列全体が対応づけられる。したがって、
グループルビでは、各々のルビ文字がどの親文字にかか
っているかという情報は記述されない。
【0004】組版システムは、互いに対応する親文字
(又は親文字列)とルビの組合せごとにルビかけ処理を
行う。すなわち、モノルビの場合は親文字1文字ごとに
ルビかけ処理が行われ、グループルビの場合は親文字列
全体に対してまとめてルビかけ処理が行われる。したが
って、同じ文字列に対してルビかけを行う場合でも、モ
ノルビとするかグループルビとするかで組版結果が異な
ってくる。
【0005】図15(a)は『妙義山』に対してルビを
モノルビとして付した場合の組版結果、図15(b)は
ルビをグループルビとして付した場合の組版結果を示
す。モノルビの例である(a)では、『妙』に対するル
ビが3文字なので、ルビ文字列が親文字の幅からはみ出
している。組版処理では、親文字(又は親文字列)にル
ビをかけた状態で、1つの組版単位として扱われるの
で、(a)の例では『妙』と『義』の間が空いている。
これに対し、グループルビの例である(b)では、『妙
義山』という親文字列全体に対して「みょうぎさん」と
いうルビ文字列がかけられているので、『妙』と『義』
の間は通常の字間となっている。
【0006】このようにグループルビは単なるモノルビ
の組合せではなく、グループルビとモノルビの組合せと
は、データの上でも組版結果の上でも全く異なる。編集
者や組版デザイナーは、必要に応じてこれらを使い分け
ている。
【0007】文字組版における重要な処理の一つに行分
割処理がある。行分割処理は、文書を構成する文字の並
びを予め定められた指定行長ごとに区切り、文書の各行
を構成する処理である。行分割処理では、文書の各文字
を、行頭から順に組版スタイルに従って配置していき、
基本的には行末(すなわち行頭から見て指定行長の距離
の位置)に達した文字のところで行分割を行う。このと
き、その文字の後端が行末と完全に等しくなる場合はそ
のまま行分割を行えばよいが、行末の文字が正確な行末
位置からはみ出してしまうこともある。このような場合
は、行末の文字をその行内に追い込んで字間を詰めた
り、行末の文字を次行に追い出して字間を広げたりし
て、行長を指定行長に合わせる処理を行う。実際の行分
割処理は、禁則条件など様々な組版規則を満足するよう
に行われるが、ここでは繁雑さを避けるため、単純な手
順の例を示した。
【0008】組版システムの中には行分割点を自動的に
決定できるものがあり、このようなシステムでは、一般
に、行分割点の決定のために評価関数を用いている。評
価関数は、行分割により生成した行において、文字同士
の間隔が詰まり過ぎたり空き過ぎたりすると、関数値が
悪くなるように定められる。すなわち、追込みや追出し
による字間の調整量が少ないほど良い評価となる。組版
システムは、評価関数の値が最良となる点を行分割点に
決定する。このような行分割アルゴリズム及び評価関数
の例が、JIS X 4051『日本語文書の行組版方
法』の中に示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】組版システムは、ルビ
を含む文章を組版する場合、まず親文字又は親文字列に
対しルビをかけ、このルビがかけられた状態を単位とし
て行分割処理を行う。
【0010】したがって、従来の組版システムでは、グ
ループルビがかけられた親文字列(グループルビがかけ
られた親文字列を「ルビ付き文字列」と呼ぶ)は行分割
処理において一体として扱われ、途中の文字で行分割が
行われることはなかった。すなわち、従来は、ルビ付き
文字列が行末に来た場合、その文字列全体をその行の中
に追い込むか、そのルビ付き文字列全体を次行に追い出
すかのいずれかの処理が行われていた。ところが、長い
ルビ付き文字列をまとめて追い込んだり追い出したりす
ると、行の文字数が多くなって字間が詰まりすぎたり、
逆に行の文字数が少なくなって字間が空きすぎたりする
可能性があった。
【0011】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、コンピュータを利用した組版システム
において、グループルビを含む文章を字間の詰まりすぎ
や空きすぎを抑えて組版することができる組版方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る方法は、ル
ビ付き文字列を構成する親文字列及びルビ文字列に対し
てそれぞれ分割予約点を設定し、行分割処理において、
ルビ付き文字列が行末に位置し、かつそのルビ付き文字
列の直前及び直後の点の行分割評価値が共に所定の評価
基準を満足しないときは、そのルビ付き文字列の親文字
列及びルビ文字列を各々の分割予約点で2分割すること
によりそのルビ付き文字列を2分割し、このときのルビ
付き文字列の分割点の行分割評価値を求め、この分割点
と前記ルビ付き文字列の直前及び直後の点のうち最良の
行分割評価値を有する点で行分割を行うことを特徴とす
る。
【0013】ルビ付き文字列とは、親文字列に対してグ
ループルビをかけて構成した文字列である。本発明で
も、従来と同様基本的にはルビ付き文字列を一体として
組版処理する。ただし、行分割処理においては、行末に
位置するルビ付き文字列を一体として追出しや追込みを
行ったのでは字間の空き過ぎ・詰まり過ぎが生じ組版品
質が悪くなる場合がある。そこで、本発明では、このよ
うな場合には、ルビ付き文字列を予め設定しておいた分
割予約点により2分割し、このときのルビ付き文字列の
分割点で行分割を試みる。
【0014】組版品質は、評価関数により求められる行
分割評価値により判定する。用いる評価関数は特に限定
されない。本発明では、行分割評価値について「所定の
しきい値より良好」などの評価基準を設ける。そして、
行末に位置するルビ付き文字列の直前及び直後の点の行
分割評価値が共にその評価基準を満足しない場合、ルビ
付き文字列を一体として扱ったのでは所定の組版品質が
得られないと判断し、親文字列及びルビ文字列を、各々
について設定された分割予約点により2分割することに
よりそのルビ付き文字列を2分割する。これにより、ル
ビ付き文字列は、ルビ文字列の前半が親文字列の前半に
ルビかけされて構成された前半部と、ルビ文字列の後半
が親文字列の後半にルビかけされて構成された後半部と
の2つの部分に分割される。そして、このときの分割点
(すなわち前半部と後半部の境界点)について行分割評
価値を求め、その行分割評価値が元のルビ付き文字列の
直前及び直後の点の行分割評価値より良好な場合に、そ
の分割点にて行分割処理を行う。なお、この方法におけ
るルビ付き文字列の分割は、いわば仮想的なものであ
り、そのルビ付き文字列の分割点で行分割を行うと決定
されたときに始めてそのルビ付き文字列は実際に分割さ
れる。逆に言えば、ルビ付き文字列の分割点で行分割を
行わない場合には、そのルビ付き文字列の分割は解除さ
れる。
【0015】この方法によれば、グループルビを含んだ
ルビ付き文字列を一体として扱ったのでは良好な組版結
果が得られない場合には、そのルビ付き文字列を分割し
たときの分割点の行分割評価値を調べ、その分割点の行
分割評価値がルビ付き文字列を一体として扱った場合の
行分割評価値よりも良い場合にはその分割点により行分
割を行うので、グループルビを含む文章の自動組版の品
質を向上させることができる。
【0016】本発明の好適な態様では、親文字列及びル
ビ文字列に分割予約点を設定する際に、ルビ付き文字列
を2分割するときにペアで用いる親文字列の分割予約点
とルビ文字列の分割予約点とを互いに対応付けておく。
行末に位置するルビ付き文字列を分割する際には、互い
に対応づけられた親文字列の分割予約点とルビ付き文字
列の分割予約点とのペアで分割を行う。そして、このと
きのルビ付き文字列の分割点の行分割評価値を求める。
ペアが複数ある場合には、この分割及び行分割点評価値
の算出を各ペア毎に行う。そして、各ペアに係る分割点
及び元のルビ付き文字列の直前及び直後の点の行分割評
価値を比較して、最良の行分割評価値を有する点で行分
割を行う。この方法によれば、複数の分割点のうち行分
割評価値が最も良好となる分割点で行分割することがで
きるので、組版結果の品質を向上させることができる。
【0017】また、本発明の好適な態様では、親文字列
の分割予約点とルビ文字列の分割予約点とのペアに対し
重みを設定する。そして、ルビ付き文字列を2分割して
そのときの分割点についての行分割評価値を算出する際
に、その分割に用いる分割予約点のペアに設定された重
みを反映させる。この方法では、重みの重いペアに係る
分割点ほど行分割評価値が良くなるので、行分割点とし
て採用される可能性が高くなる。したがって、この方法
によれば、編集者等から見てルビ付き文字列の分割点と
して好適な分割予約点ペアほど重い重みを設定すること
により、編集者等の意図によりマッチした点でルビ付き
文字列を分割し、行分割を行うことができる。
【0018】また、本発明の更に好適な態様では、上記
各方法において、ルビ付き文字列を分割してその分割点
で行分割を行うと所定の組版品質が得られる(すなわち
評価基準を満足する)場合にのみ、そのルビ付き文字列
の分割点で行分割を行う。ルビ付き文字列は一体として
扱うのが原則であり、それを分割するのはいわば例外的
な手法である。その意味で、ルビ付き文字列を分割して
その分割点で行分割を行っても組版品質があまり改善さ
れない場合には、ルビ付き文字列を分割するに見合う効
果が得られないと言える。このような場合には、本方法
では、ルビ付き文字列の分割点で行分割を行うを取りや
めることにより、ルビ付き文字列の一体性を確保するこ
とができる。
【0019】また、本発明は、ルビ付き文字列を構成す
る親文字列及びルビ文字列に対してそれぞれ1以上の分
割予約点を設定すると共に、それら親文字列の分割予約
点とルビ文字列の分割予約点との間に対応付けを行い、
対応づけた親文字列の分割予約点とルビ文字列の分割予
約点とのペアに対し優先順位を設定し、行分割処理にお
いて、ルビ付き文字列が行末に位置し、かつそのルビ付
き文字列の直前及び直後の点の行分割評価値が共に所定
の評価基準を満足しないときは、前記優先順位の高いペ
アから順に、そのペアの分割予約点により前記ルビ付き
文字列を2分割してそのルビ付き文字列の分割点につい
て行分割評価値を算出し、最初に前記評価基準を満足す
る行分割評価値が得られたペアによる前記ルビ付き文字
列の分割点を行分割点として行分割を行う。
【0020】この方法では、予め設定された優先順位の
高いペアから順に、そのペアによるルビ付き文字列の分
割点が行分割に適するか(この場合は評価基準を満足す
るか)検査し、この検査に最初に合格したペアによりル
ビ付き文字列を分割して行分割を行う。この方法によれ
ば、編集者等からみてルビ付き文字列を分割するペアと
して好適な順に優先順位を設定しておくことにより、評
価基準を満足するもので、できるだけ好適な(優先順位
の高い)ペアによりルビ付き文字列を分割することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以
下、実施形態という)について、図面に基づいて説明す
る。
【0022】本実施形態の組版方法は、文書作成・編集
段階の処理と自動組版段階の処理から構成される。以
下、それぞれの段階について説明する。
【0023】[文書作成・編集段階]本実施形態では、
文書作成・編集の段階で、ルビ付き文字列の親文字列及
びルビ文字列に、それぞれ分割予約点を設定する。後述
する自動組版段階では、ルビ付き文字列を一体として組
版すると良好な組版品質が得られない場合に、そのルビ
付き文字列を2分割することになるが、その時に親文字
列及びルビ文字列を分割する点の候補を、この段階で分
割予約点として設定するわけである。
【0024】ここで、分割予約点の設定処理の説明に先
立ち、分割予約点の設定の仕方及び用い方について説明
する。まず、分割予約点の設定例を図1を参照して説明
する。例えば、図1の(イ)のルビ付き文字列では、親
文字列『妙義山』に対しルビ文字列『みょうぎさん』が
グループルビとしてかけられている。矢印で示した位置
(文字と文字の間の点)が分割予約点である。矢印に付
された数字は、親文字列の分割予約点とルビ文字列の分
割予約点の対応づけのための識別番号である。ルビ付き
文字列を分割する際に同時に使用する親文字列の分割予
約点とルビ文字列の分割予約点に、同じ識別番号が与え
られている。以下、繁雑さを避けるため、親文字列の分
割予約点のことを「親分割予約点」、ルビ文字列の分割
予約点のことを「ルビ分割予約点」と呼ぶ。例えば、識
別番号1の親分割予約点で親文字列を分割する場合は、
ルビ文字列も識別番号1のルビ分割予約点で分割する。
分割されたルビ文字列の前半を親文字列の前半にルビか
けし、ルビ文字列の後半を親文字列の後半にルビかけす
ることにより、元のルビ付き文字列が2つのルビ付き文
字列に分割される。例えば、ルビ付き文字列『妙義山』
は、識別番号1の親分割予約点とルビ分割予約点のペア
を使用すれば図2の(a)に示すように2分割され、識
別番号2のペアを使用すれば図2の(b)に示すように
2分割される。
【0025】図1の(ロ)は、親文字列とルビ文字列に
それぞれ1つずつ分割予約点を設定した最も単純な例で
ある。
【0026】親分割予約点とルビ分割予約点は必ずしも
一対一対応である必要はない。一対多対応であっても良
いし、多対多対応も考えられる。図1の(ハ)は、一対
多対応の例であり、親文字列の識別番号1の1つの分割
予約点に対し、ルビ文字列には同じ識別番号1の分割予
約点が2つ設定されている。この例では、識別番号1の
分割予約点を用いた場合、親文字列の分割の仕方は1通
りだが、これに対応するルビ文字列の分割の仕方は2通
りある。したがって、ルビ付き文字列は、これらの組合
せで、図3の(a)、(b)に示すように2(=1×
2)通りの仕方で分割できる。多対多対応は、同一の識
別番号を持つ分割予約点が親文字列、ルビ文字列のいず
れにも複数個設定された場合であり、この場合も同様で
ある。いずれにしても、同じ識別番号を有する親分割予
約点とルビ分割予約点との間でペアを考えたときに、で
きるペアの数だけルビ付き文字列の分割の仕方がある。
【0027】次に、図4を参照して、本実施形態におけ
る親文字列及びルビ文字列の分割予約点の設定処理手順
の一例を説明する。以下に説明するのは、コンピュータ
を利用した文書編集システムや組版システムにおいて、
ルビ設定の際に同時にインタラクティブに分割予約点を
設定する方式である。
【0028】まず、ユーザは、システムのディスプレイ
に表示された文書編集画面において、マウスのドラッグ
等の操作により、ルビかけ対象の親文字列を選択する
(S10)。すると、ディスプレイには、例えば図5に
示すようなルビ設定操作画面100(ウインドウ)が表
示される。このとき、親文字列表示枠102には、S1
0で選択された親文字列が表示される。これに対し、ユ
ーザは、その親文字列に付すべきルビをキーボード等か
ら入力し、ルビ文字列の設定を行う(S12)。入力さ
れたルビ文字列は、ルビ文字列表示枠104に表示され
る。ルビの入力が終わると、ユーザは、分割予約点を設
定するか否かを判断する(S14)。分割予約点を設定
しない場合には、例えばマウス等でOKボタン112を
選択することにより、ルビ設定処理が終了する。分割予
約点を設定する場合は、マウス等で分割予約点設定ボタ
ン106を押下することにより、分割予約点設定モード
に入り、親文字列及びルビ文字列の双方に分割予約点を
設定する(S16)。このモードでは、親文字列表示枠
102あるいはルビ文字列表示枠104に表示された各
文字列の所望の字間にマウス等でカーソルを移動させ、
その位置でマウスボタンをクリックすることにより、そ
の字間の位置が分割予約点として選択される。このよう
な操作で親文字列及びルビ文字列に必要なだけ分割予約
点を選択したあと、確定ボタン108を押下することに
より、それまでに選択された分割予約点が正式に設定さ
れる。ここで、一度分割予約点設定ボタン106を押し
てから次に確定ボタン108を押すまでの間に選択され
た分割予約点には、すべて同一の識別番号が付与され
る。これが一つのサイクルであり、このサイクルを繰り
返すことにより、識別番号の異なる分割予約点群を設定
することができる。すなわち、分割予約点設定ボタン1
06を押して分割予約点を選択した場合、その時の分割
予約点には、前回までに確定した分割予約点とは異なる
識別番号が付されるのである。図5の表示例では、分割
予約点は、所定のマーカー120により示されている。
マーカー120に含まれる数字が、分割予約点の識別番
号である。なお、分割予約点の設定を取り消すには、解
除ボタン110を押下して、取り消したい分割予約点を
マウス等で選択すればよい。以上のような操作で、所望
の通りルビ及び分割予約点が設定できると、OKボタン
112を押下することにより、ルビ設定及び分割予約点
設定の処理が完了する。このような処理の結果、システ
ムにより、親文字列に対してルビ文字列及び分割予約点
の情報が関連づけられた組版データが作成される。
【0029】図6は、分割予約点が設定されたルビ付き
文字列を示す組版データのデータ構造の例を示す図であ
り、(イ)、(ロ)、(ハ)はそれぞれ図1のルビ付き
文字列(イ)、(ロ)、(ハ)に対応している。このデ
ータ構造は、組版スタイルの情報を文書の本文テキスト
に対してタグ形式で埋め込むタイプの組版スタイル管理
手法に適用されるものである。ここで用いられるタグ形
式は、SGMLやHTMLなどで用いられているのと類
似のものであり、“<***>”(*は予約文字(例え
ば“<”)を除く任意の文字)がタグである。
【0030】図6では、開始タグ<親文字列>と終了タ
グ</親文字列>との間に挟まれた文字列でタグを除い
たものが親文字列である。同様に、開始タグ<ルビ文字
列>と終了タグ</ルビ文字列>との間に挟まれた文字
列でタグを除いたものがルビ文字列である。そして、親
文字列とその直後に続くルビ文字列とが一組となって、
ルビ付き文字列を構成する。分割予約点の情報も、タグ
によって表される。すなわち、分割予約点となる字間
に、識別番号を内容として含んだタグ(例えば<1>な
ど)を挿入することにより、分割予約点が表現される。
例えば、(イ)の例では、「妙」と「義」の間のタグ<
1>が、その字間が親文字列『妙義山』の識別番号1の
分割予約点であることを示す。なお、このデータ構造は
あくまで一例であり、分割予約点の情報は、システムが
採用している組版スタイルのデータ形式に応じて表現す
ればよい。なお、本実施形態はルビに関するものなの
で、ルビ及び分割予約点以外の組版スタイル情報(例え
ば文字サイズ)については省略している。
【0031】以上、文書編集システム等におけるインタ
ラクティブな分割予約点の設定手順の一例を説明した。
なお、分割予約点の情報を含んだ組版データは、このよ
うなインタラクティブな方式で作成されるものとは限ら
ない。例えば、従来の編集原稿手順と同様、編集者等が
紙の原稿に対してルビや分割予約点を書き込み、専門の
データ入力作業者が、その原稿を解釈しながら、図6に
示したようなデータをテキストとして入力するような方
法でも、同様の組版データは作成できる。
【0032】[自動組版段階]次に、自動組版段階の処
理について説明する。以下で説明する処理は、典型的に
は、コンピュータを利用した組版システムで実行され
る。自動組版段階における様々な処理のうち、本実施形
態と関係があるのは行分割処理であり、以下では行分割
処理について説明していく。
【0033】図7は、本実施形態における行分割処理の
処理手順を示すフローチャートである。行分割処理の基
本的な考え方は前述のJIS X 4051『日本語文
書の行組版方法』に示されており、本実施形態の手順も
基本的にはその考え方に沿ったものである。すなわち、
本実施形態では、ルビ付き文字列の扱い以外の点では、
従来公知の行分割処理手順をそのまま利用することがで
きる。
【0034】この段階の処理において、入力となるの
は、前述した文書作成・編集段階で作成された分割予約
点の情報を含んだ組版データである。組版データが入力
された場合、組版システムは、図7に示す手順で行分割
処理を行う。なお、図7に示す手順は、行分割により1
つの行を形成する手順を示したものであり、1行形成す
るごとにその手順を繰り返すことにより、1文書の行分
割が達成される。
【0035】図7において、システムは、まず行頭から
順に組版スタイルに従って文字を配置していく(S2
0)。このとき、基本的には1文字ずつ配置して行く。
ただし、ルビ付き文字列は通常は一体不可分として扱う
べきものなので、ルビ付き文字列は不可分文字列として
1単位にまとめられ、これを単位として配置される。シ
ステムは、1単位配置するごとに、行長(行頭から配置
した文字の後端までの長さ)が、予め定められた設定行
長を超えたか否かを判定する(S22)。超えていない
場合は、S20に戻り、更に次の1単位が配置される。
行長が設定行長を超えると、行分割点の候補となる点を
いくつか選び、所定の評価関数を用いてそれら各点の行
分割評価値を計算する(S24)。候補点としては、例
えば行末(行頭から設定行長だけ離れた位置)の前後所
定距離内にある分割可能な字間が考えられる。図9は、
ルビ付き文字列『妙義山(みょうぎさん)』の途中が行
末となった場合の例を示している。この場合、例えば行
末の前後の矢印で示した点(字間)a,b,c,dが行
分割の候補点として選択される。『妙義山(みょうぎさ
ん)』は、ルビ付き文字列なので、この段階では不可分
文字列として扱われ、文字列内部の字間は候補点にはな
らない。各候補点の行分割評価値が計算されると(S2
4)、次に行末に位置するのがルビ付き文字列か否かを
判定する(S26)。行末がルビ付き文字列でない場合
は、従来公知の方法により行分割を行う(S32)。す
なわち、例えば、候補点のうち行分割評価値が最も良い
点で行分割を行うなどの方法である。一方、図9に示し
たようにルビ付き文字列が行末に位置する場合は、各候
補点の行分割評価値を予め定められたしきい値と比較す
る(S28)。このしきい値は、分割によってできる行
の組版品質の評価の基準となる値であり、予め組版シス
テムに設定しておく。いずれかの候補点の行分割評価値
がこのしきい値より良ければ、その候補点で行分割を行
えば良い(S32)。
【0036】一方、行末にルビ付き文字列が来る場合、
ルビ付き文字列の長さや行末に対する位置関係によって
は、ルビ付き文字列の直前及び直後のどちらの点(図9
では点b及び点c)も行末からかなり離れてしまう場合
がある。従来の行分割処理では、このような場合には、
ルビ付き文字列を、一体としてその行内に追い込むか、
あるいは次行に追い出すかのいずれかであった。前者に
よればその行の字間が詰まりすぎることになり、後者に
よれば空きすぎることになり、いずれにしても良好な組
版品質が得られなかった。このような場合には、S28
において、すべての候補点の行分割評価値がしきい値よ
り悪くなる。この場合、本実施形態では、ルビ付き文字
列を分割予約点を用いて分割したと仮定し、行分割処理
を行う(S30)。
【0037】このS30の更に詳細な手順を、図8を参
照して説明する。まず、システムは、組版データを調
べ、行末に位置するルビ付き文字列に分割予約点が設定
されているか否かを判定する(S302)。分割予約点
が設定されていない場合は、そのルビ付き文字列は原則
通り一体として扱う他ないので、既に求められている行
分割の候補点のうち最良の行分割評価値を有する点で行
分割を行う(S312)。
【0038】一方、分割予約点が設定されている場合
は、同一の識別番号を有する親分割予約点とルビ分割予
約点のペアを1つ選択する(S304)。そして、その
ペアによりルビ付き文字列を仮想的に2分割する(S3
06)。すなわち、選択した親分割予約点により親文字
を2分割し、ルビ分割予約点によりルビ文字列を2分割
するとともに、2分割されたルビ文字列の前半を親文字
列の前半に、ルビ文字列の後半を親文字列の後半に、そ
れぞれグループルビ形式でルビかけする。この結果、元
のルビ付き文字列が、2つのルビ付き文字列に分割され
ることになる(例えば前述の図2参照)。システムは、
このときのルビ付き文字列の分割点について評価関数を
適用し、その分割点の行分割評価値を算出する(S30
8)。すなわち、ルビ付き文字列を分割した状態で、行
頭から順に文字を配置しなおし、そのときのルビ付き文
字列の分割点の行分割評価値を算出する。
【0039】例えば、図9の例において、ルビ付き文字
列『妙義山(みょうぎさん)』を識別番号1の親分割予
約点及びルビ分割予約点(図1(a)及び図2(a)参
照)で2分割した場合には、行の組版状態及びルビ付き
文字列の分割点xの位置は図10(a)に示すようにな
る。S308では、このような組版状態における分割点
xの行分割評価値を算出する。
【0040】以上のS304〜S308の処理を、行末
のルビ付き文字列に設定された親分割予約点とルビ分割
予約点のすべてのペアについて繰り返す(S310)。
図9の例では、『妙義山』には、さらに識別番号2の分
割予約点のペアが設定されているので、このペアによっ
てルビ付き文字列を2分割し、その分割点(図10
(b)参照)での行分割評価値を求める。なお、S30
6の段階でのルビ付き文字列の分割を「仮想的」と表現
したのは、その分割は分割点での行分割評価値を求める
といういわばサブルーチンの中での処理であり、メイン
ルーチンの処理結果である実際の組版結果に反映される
かどうかはこの段階では決まらないからである。
【0041】このようにして、行末のルビ付き文字列に
設定されたすべての分割予約点のペアについてのルビ付
き文字列の分割点の行分割評価値が求められると(S3
10がYes)、これら分割点の行分割評価値、及びル
ビ付き文字列を一体として扱った場合のそのルビ付き文
字列の直前及び直後の点の行分割評価値を比較し、それ
らの点のうち最良の行分割評価値をもつ点を行分割点
(改行点)として行分割を行う(S312)。仮にルビ
付き文字列の直前又は直後の点の行分割評価値が最良と
いうことになれば、ルビ付き文字列を分割しても組版品
質(行分割評価値)の向上は見られないということなの
で、ルビ付き文字列は一体のまま、その直前又は直後の
点(行分割評価値が最良の方)で行分割を行う。最良の
行分割評価値を有するのがルビ付き文字列の分割点であ
る場合は、その分割点で行分割を行う。すなわち、最良
の行分割評価値を有する分割点に対応する親分割予約点
とルビ分割予約点でルビ付き文字列を実際に2分割して
組版し、その際の分割点を行分割点として行分割を行
う。例えば、図9の文例では、『妙義山』の直前・直後
の候補点b、cと、図10に示す分割点x、yの行分割
評価値の比較となる。このうち分割点yの行分割評価値
が最良であれば、その分割点yで行分割が行われる。こ
の例では、『妙義(みょうぎ)』の末尾が行末からはみ
出るので、その行の各字間が少しずつ詰められ、追い込
み処理が行われる。この場合の組版結果を示すのが図1
1である。
【0042】なお、いったん行末のルビ付き文字列を分
割して行分割を行った後でも、更に編集が行われ、その
ルビ付き文字列が行末の位置から外れる場合がある。そ
のような場合には、ルビ付き文字列を分割していたとき
の組版結果は廃棄され、もう一度組版データに戻って前
述の行分割処理が行われる。したがって、そのルビ付き
文字列は元の一体の状態で組版される。本実施形態で
は、組版データに変更が加えられる度に前述の行分割処
理をやり直す。
【0043】[実施形態の効果]このように、本実施形
態の行分割処理によれば、行末に位置するルビ付き文字
列をその行内に追い込んでも次行に追い出しても所望の
組版品質が得られない場合に、そのルビ付き文字列を分
割して行分割を行うことができ、組版品質を向上させる
ことができる。また、本実施形態では、ルビ付き文字列
を分割して行分割しても組版品質が向上しない場合に
は、ルビ付き文字列を一体性を保ったまま行分割するこ
とができる。また、本実施形態では、ルビ付き文字列の
分割の仕方が複数ある場合(すなわち親分割予約点とル
ビ分割予約点のペアが複数考えられる場合)には、組版
品質が最も良くなる(行分割評価値が最良となる)分割
の仕方が採用される。
【0044】なお、以上説明した手順では、最良の行分
割評価値を有するのがルビ付き文字列の分割点の場合、
無条件でその分割点を行分割点に採用したが、次のよう
な変形例も考えられる。すなわち、最良の行分割評価値
を有するのがルビ付き文字列の分割点の場合、その行分
割評価値がS28で用いたしきい値より良いか悪いかを
調べ、良い場合にのみその分割点を行分割点に採用する
という方法である。この方法では、ルビ付き文字列を分
割しても組版品質があまり改善されないような場合に
は、ルビ付き文字列の分割は行われない。この方法によ
れば、原則一体として扱われるべきルビ付き文字列を分
割するのに見合った組版品質の向上が見られる場合にの
み、ルビ付き文字列の分割が行われる。
【0045】[変形例1]次に、上記実施形態の変形例
を説明する。この変形例では、ルビ付き文字列に設定す
る親分割予約点とルビ分割予約点のペアに重みを設定
し、その重みを、そのペアでルビ付き文字列を分割した
ときの分割点の行分割評価値の値に反映させる。
【0046】ルビ付き文字列の分割の仕方は、それらペ
アの数だけあるが、その中でも編集者等から見て好適な
もの、できれば採用したくないものなど、順位付けがで
きる場合も多い。この変形例では、それら各分割の仕方
(すなわち分割予約点のペア)に対し、編集者等が好適
と考える順位を反映した重みを与えることにより、好適
な分割の仕方が採用されやすくなるようにする。重みの
値は、分割予約点を設定する際に、各ペアごとに設定す
ればよい。
【0047】図12は、この変形例におけるルビ付き文
字列の組版データのデータ構造の一例である。上記実施
形態では、分割予約点はタグ(<1>等)により表され
ていたが、この変形例では、それとは異なった表現形式
を取っている。すなわち、ルビ文字列の後に続く“{・
・・}”の部分が分割予約点の情報を表している。{}
内においては、各々の“(・・・)”の記述が1つの分
割予約点のペアの定義である。()内には3つの数の組
が記述される。最初の数は親分割予約点の位置を表し、
2番目の数はルビ分割予約点の位置を表す。そして、最
後の数が、その分割予約点のペアに設定された重みの値
である。例えば、(1,3,1.5)という記述は、親
分割予約点が親文字列の左から見て(横書きの場合)1
番目の字間に、ルビ分割予約点がルビ文字列の左から見
て3番目の字間に設定され、それらペアに対して重み
1.5が設定されていることを表す。なお、このような
データ構造はあくまで一例に過ぎず、親分割予約点とル
ビ分割予約点のペアに対して重みが対応づけられるよう
な形式であれば、どのようなデータ形式でもよい。
【0048】この変形例における行分割処理の手順は、
基本的に図7及び図8に示した上記実施形態での行分割
処理手順と同様である。異なるのは、S308(図8)
において、ルビ付き文字列の分割点の行分割評価値に、
その分割点に対応する分割予約点のペアの重みを反映さ
せる点のみである。重みの反映のさせ方は、例えば評価
関数により求めた行分割評価値に重みの値を乗じる等の
方法でもよい。なお、この変形例では重みの与え方は特
に限定されないが、ルビ付き文字列の分割は例外的な処
理であるという観点に立てば、分割予約点のペアに与え
る重みは行分割評価値を悪くするような値とすることも
好適である。
【0049】この変形例では、ルビ付き文字列の分割点
については重みを反映させた行分割評価値を求め、ルビ
付き文字列の直前・直後の点も加えた中で最良の行分割
評価値を有する点で行分割を行う。この変形例によれ
ば、編集者等が好適と考える分割の仕方が採用される可
能性が高まる。
【0050】なお、この変形例でも、上記実施形態と同
様、ルビ付き文字列の分割点の行分割評価値がS28で
用いたしきい値より良いか悪いかを調べ、良い場合にの
みその分割点を行分割点に採用するという方法を取るこ
とができる。これによれば、原則一体として扱われるべ
きルビ付き文字列を分割するのに見合った組版品質の向
上が見られる場合にのみ、ルビ付き文字列の分割が行わ
れる。
【0051】[変形例2]別の変形例を説明する。この
変形例では、ルビ付き文字列に設定する親分割予約点と
ルビ分割予約点のペアに優先順位を設定する。そして、
行分割処理時には、その優先順位の順に、それらペアに
よるルビ付き文字列の分割を行い、最初に所望の組版品
質が得られた分割点で行分割を行う。前述の変形例1で
は、ルビ付き文字列の分割の仕方の好適さの度合いを重
みとして表現したが、この変形例では、その好適さの度
合いを直接優先順位として表現する。
【0052】図13は、この変形例におけるルビ付き文
字列の組版データのデータ構造の一例である。このデー
タ構造でも、変形例1と同様、ルビ文字列の後に続く
“{・・・}”の部分が分割予約点の情報を表してい
る。{}内においては、各々の“(・・・)”の記述が
1つの分割予約点のペアの定義であり、変形例1と同
様、()内の2つの数字のうち前の数字が親分割予約点
の位置、後の数字がルビ分割予約点の位置を表してい
る。そして、{}内での各分割予約点のペア(a,b)
の並びの順が、そのままそれらペアの優先順位の順序を
示している。すなわち、行分割処理では、{}内の各ペ
アを先頭から順に取り出して処理していく。
【0053】この変形例における行分割処理は、上記実
施形態と同様図7の処理手順に従って行われるが、S3
0における処理の内容は上記実施形態と異なる。
【0054】図14は、この変形例におけるS30の詳
細な処理内容を示すフローチャートである。この変形例
では、S30の処理においては、まず行末のルビ付き文
字列に分割予約点が設定されているか否かを調べる(S
302)。分割予約点が設定されていない場合は、その
ルビ付き文字列を一体として組版し、行分割を行う(S
332)。分割予約点が設定されている場合は、親分割
予約点とルビ分割予約点のペアを、優先順位の高いもの
から順に一つ取り出す(S320)。そして、取り出し
たペアによりそのルビ付き文字列を仮想的に分割し(S
322)、その時の分割点の行分割評価値を求める(S
324)。そして、求めた行分割評価値がS28で用い
た組版品質判定用のしきい値より悪いか否か判定し(S
326)、もしその行分割評価値がしきい値より良い場
合は、そのときのルビ付き文字列の分割点で行分割を行
う(S328)。一方、S326において、行分割評価
値がしきい値より悪い場合は、未処理の分割予約点のペ
アがあるか調べ(S330)、もしあればS320に戻
って次の優先順位のペアを取り出し、同様の処理を繰り
返す。そして、S330において、未処理のペアがない
場合は、どの分割予約点のペアでルビ付き文字列を分割
しても所望の組版品質が得られないと言うことなので、
原則に戻りルビ付き文字列を一体として行分割する(S
332)。このような手順によれば、優先順位の順序で
処理して行く中で最初に所望の組版品質が達成されたと
ころで行分割が行われることになる。
【0055】この変形例によれば、所望の組版品質を達
成することができるルビ付き文字列の分割の仕方の中で
も、編集者等から見て最も好ましい分割の仕方でルビ付
き文字列を分割し、この分割結果を用いて行分割を行う
ことができる。
【0056】以上、本発明の好適な実施の形態及びその
変形例について説明した。以上に説明した方法は、典型
的にはコンピュータを利用したシステムにおいて実現さ
れる。すなわち、上記実施形態又は変形例は、上記各手
順を記述したプログラムをコンピュータに実行させるこ
とによって実現することができる。この場合、プログラ
ムは、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記
録された状態で顧客に提供される。この記録媒体を、例
えばコンピュータに付属する固定ディスク装置にインス
トールすることにより、上記実施形態又は変形例のシス
テムを実現することができる。記録媒体に記録されたプ
ログラムは、コンピュータのメインメモリ上にロードさ
れ、CPU(中央処理装置)にて実行されることによ
り、上記各機能を達成する。コンピュータ読み取り可能
な記録媒体には、フロッピーディスク、CD−ROM
(コンパクトディスク−リード・オンリー・メモリ)、
ハードディスク、ROM(リード・オンリー・メモリ)
など、プログラムをコンピュータ読み取り可能な形態・
方式で記録するすべての情報記録媒体が含まれる。な
お、上記プログラムを通信媒体を経由して、コンピュー
タに付属した固定ディスク装置にインストール又はメイ
ンメモリにロードして実行するような形態も本発明の態
様に含まれる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
グループルビを含んだルビ付き文字列を一体として扱っ
たのでは良好な組版結果が得られない場合に、そのルビ
付き文字列を分割してその分割点により行分割を行うこ
とができるので、グループルビを含む文章の組版品質を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分割予約点の設定例を示す図である。
【図2】 分割予約点によりルビ付き文字列を2分割し
た結果の例を示す図である。
【図3】 分割予約点によりルビ付き文字列を2分割し
た結果の例を示す図である。
【図4】 分割予約点の設定処理を含むルビ設定処理の
手順を示すフローチャートである。
【図5】 分割予約点の設定のためのユーザインタフェ
ース画面の表示例を示す図である。
【図6】 分割予約点の情報を含むルビ付き文字列のデ
ータ構造の一例を示す図である。
【図7】 実施形態における行分割処理の全体的な流れ
を示すフローチャートである。
【図8】 実施形態においてルビ付き文字列を分割する
際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】 行分割処理においてルビ付き文字列が行末に
来る場合の例を示す図である。
【図10】 図9の例において、ルビ付き文字列を2分
割した状態を示す図である。
【図11】 ルビ付き文字列の分割点で行分割を行った
結果を示す図である。
【図12】 変形例1において分割予約点のペアに重み
を設定する場合のルビ付き文字列のデータ構造の一例を
示す図である。
【図13】 変形例2において分割予約点のペアに優先
順位を設定する場合のルビ付き文字列のデータ構造の一
例を示す図である。
【図14】 変形例2においてルビ付き文字列を分割す
る際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】 モノルビとグループルビの相違を説明する
ための図である。
【符号の説明】
100 ルビ設定操作画面、102 親文字列表示枠、
104 ルビ文字列表示枠、106 分割予約点設定ボ
タン、108 確定ボタン、110 解除ボタン、11
2 OKボタン、120 マーカー。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親文字列に対しルビ文字列をグループル
    ビとしてルビかけすることにより構成されたルビ付き文
    字列を含む文章の組版方法であって、 ルビ付き文字列を構成する親文字列及びルビ文字列に対
    してそれぞれ分割予約点を設定し、 行分割処理において、ルビ付き文字列が行末に位置し、
    かつそのルビ付き文字列の直前及び直後の点の行分割評
    価値が共に所定の評価基準を満足しないときは、そのル
    ビ付き文字列の親文字列及びルビ文字列を各々の分割予
    約点で2分割することによりそのルビ付き文字列を2分
    割し、このときのルビ付き文字列の分割点の行分割評価
    値を求め、この分割点と前記ルビ付き文字列の直前及び
    直後の点のうち最良の行分割評価値を有する点で行分割
    を行うことを特徴とする組版方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 ルビ付き文字列について設定した親文字列の分割予約点
    とルビ文字列の分割予約点との間に対応づけを行い、 行分割処理においてルビ付き文字列を分割する場合に
    は、互いに対応づけされた親文字列の分割予約点とルビ
    文字列の分割予約点とのペアごとに、そのペアの分割予
    約点により前記ルビ付き文字列を2分割してそのルビ付
    き文字列の分割点の行分割評価値を算出し、前記各ペア
    に係る前記分割点及び前記ルビ付き文字列の直前及び直
    後の点のうち最良の行分割評価値を有する点で行分割を
    行うことを特徴とする組版方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法において、 対応づけた親文字列の分割予約点とルビ文字列の分割予
    約点とのペアに対し重みを設定し、 ルビ付き文字列を2分割してそのときの分割点について
    の行分割評価値を算出する際に、その行分割評価値に対
    し、当該ルビ付き文字列の分割に用いた分割予約点のペ
    アに設定された前記重みを反映させることを特徴とする
    組版方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載の組版方法において、 前記ルビ付き文字列の分割点、直前及び直後の点のうち
    最良の行分割評価値を有する点が前記分割点である場
    合、その分割点の行分割評価値が前記評価基準を満足す
    る場合にのみ、その分割点で行分割を行うことを特徴と
    する組版方法。
  5. 【請求項5】 親文字列に対しルビ文字列をグループル
    ビとしてルビかけすることにより構成されたルビ付き文
    字列を含む文章の組版方法であって、 ルビ付き文字列を構成する親文字列及びルビ文字列に対
    してそれぞれ1以上の分割予約点を設定すると共に、そ
    れら親文字列の分割予約点とルビ文字列の分割予約点と
    の間に対応付けを行い、対応づけた親文字列の分割予約
    点とルビ文字列の分割予約点とのペアに対し優先順位を
    設定し、 行分割処理において、ルビ付き文字列が行末に位置し、
    かつそのルビ付き文字列の直前及び直後の点の行分割評
    価値が共に所定の評価基準を満足しないときは、前記優
    先順位の高いペアから順に、そのペアの分割予約点によ
    り前記ルビ付き文字列を2分割してそのルビ付き文字列
    の分割点について行分割評価値を算出し、最初に前記評
    価基準を満足する行分割評価値が得られたペアによる前
    記ルビ付き文字列の分割点を行分割点として行分割を行
    うことを特徴とする組版方法。
  6. 【請求項6】 組版対象文書の組版データに基づき、親
    文字列に対しルビ文字列をグループルビとしてルビかけ
    して構成されたルビ付き文字列を一体として行分割処理
    を行う第1ステップと、 前記第1ステップにおいて、ルビ付き文字列が行末に位
    置し、かつそのルビ付き文字列の直前及び直後の点につ
    いての行分割評価値が共に所定の評価基準を満足しない
    場合に、前記組版データからそのルビ付き文字列の親文
    字列及びルビ文字列に設定されている分割予約点の情報
    を取得し、取得した分割予約点の情報に基づき当該親文
    字列及びルビ文字列を各々の分割予約点で2分割するこ
    とにより当該ルビ付き文字列を2分割し、そのルビ付き
    文字列の分割点の行分割評価値を求め、その分割点及び
    前記ルビ付き文字列の直前及び直後の点のうち最良の行
    分割評価値を有する点で行分割を行う第2ステップと、 をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】 組版対象文書の組版データに基づき、親
    文字列に対しルビ文字列をグループルビとしてルビかけ
    して構成されたルビ付き文字列を一体として行分割処理
    を行う第1ステップと、 前記第1ステップにおいて、ルビ付き文字列が行末に位
    置し、かつそのルビ付き文字列の直前及び直後の点につ
    いての行分割評価値が共に所定の評価基準を満足しない
    場合に、前記組版データからそのルビ付き文字列の親文
    字列及びルビ文字列に設定されている分割予約点の情報
    を取得し、取得した分割予約点の情報に基づき当該親文
    字列及びルビ文字列を各々の分割予約点で2分割するこ
    とにより当該ルビ付き文字列を2分割し、そのルビ付き
    文字列の分割点の行分割評価値を求め、この行分割評価
    値が前記評価基準を満足する場合に、その分割点で行分
    割を行う第2ステップと、 をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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