JPH11189810A - 金属磁性粉末の製造方法 - Google Patents
金属磁性粉末の製造方法Info
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- JPH11189810A JPH11189810A JP36066197A JP36066197A JPH11189810A JP H11189810 A JPH11189810 A JP H11189810A JP 36066197 A JP36066197 A JP 36066197A JP 36066197 A JP36066197 A JP 36066197A JP H11189810 A JPH11189810 A JP H11189810A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】静磁気特性に優れる金属磁性粉末の製造方法を
提供すること。 【解決手段】工程(A):含水酸化鉄を含むスラリーに
水可溶性コバルト塩を添加してこれらを混合し、次い
で、得られる混合物のpHをアンモニアを用いて9〜1
1に調整してさらに混合を行い、該含水酸化鉄の表面に
コバルト化合物を含有する被膜を形成させる工程、及び
工程(B):工程(A)の後に、該スラリーのpHの値
を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した値より
も1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸化性雰
囲気下にて該スラリーの分散処理を行う工程、を含むこ
とを特徴とする、表面処理された含水酸化鉄の製造方法
によって得られる含水酸化鉄を、不活性ガス雰囲気にて
加熱脱水し、次いで還元性ガスで還元して金属磁性粉末
を得る金属磁性粉末の製造方法。
提供すること。 【解決手段】工程(A):含水酸化鉄を含むスラリーに
水可溶性コバルト塩を添加してこれらを混合し、次い
で、得られる混合物のpHをアンモニアを用いて9〜1
1に調整してさらに混合を行い、該含水酸化鉄の表面に
コバルト化合物を含有する被膜を形成させる工程、及び
工程(B):工程(A)の後に、該スラリーのpHの値
を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した値より
も1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸化性雰
囲気下にて該スラリーの分散処理を行う工程、を含むこ
とを特徴とする、表面処理された含水酸化鉄の製造方法
によって得られる含水酸化鉄を、不活性ガス雰囲気にて
加熱脱水し、次いで還元性ガスで還元して金属磁性粉末
を得る金属磁性粉末の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理された含
水酸化鉄の製造方法に関する。さらに本発明は、該製造
方法によって得られる、表面処理された含水酸化鉄を用
いる金属磁性粉末の製造方法に関する。
水酸化鉄の製造方法に関する。さらに本発明は、該製造
方法によって得られる、表面処理された含水酸化鉄を用
いる金属磁性粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の記録方式の発展は著しいも
のがあるが、中でも磁気記録再生装置の小型軽量化の進
歩は顕著である。これにつれて、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に対する高性能化の要求が大きく
なってきている。磁気記録媒体に、このような要求を満
足させるためには、高い保磁力と高い飽和磁化を有する
磁性粉末が必要である。
のがあるが、中でも磁気記録再生装置の小型軽量化の進
歩は顕著である。これにつれて、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に対する高性能化の要求が大きく
なってきている。磁気記録媒体に、このような要求を満
足させるためには、高い保磁力と高い飽和磁化を有する
磁性粉末が必要である。
【0003】そこで、従来、磁気記録媒体用の磁性粉末
には、一般に針状のマグネタイト、マグヘマイト又はこ
れらの粉末をコバルトで変性させた、いわゆるコバルト
含有酸化鉄が用いられているが、近年、より高出力を有
する磁気記録媒体を得るために、より高い保磁力及び飽
和磁化を持つ強磁性の金属磁性粉末(メタル磁性粉)が
開発されており、前記金属磁性粉末は、オーディオ用メ
タルテープ、8mmVTR用メタルテープ、デジタルオ
ーディオテープ(DAT)、デジタルデータストレージ
テープ(DDS)、業務用磁気記録テープ等に広く用い
られている。
には、一般に針状のマグネタイト、マグヘマイト又はこ
れらの粉末をコバルトで変性させた、いわゆるコバルト
含有酸化鉄が用いられているが、近年、より高出力を有
する磁気記録媒体を得るために、より高い保磁力及び飽
和磁化を持つ強磁性の金属磁性粉末(メタル磁性粉)が
開発されており、前記金属磁性粉末は、オーディオ用メ
タルテープ、8mmVTR用メタルテープ、デジタルオ
ーディオテープ(DAT)、デジタルデータストレージ
テープ(DDS)、業務用磁気記録テープ等に広く用い
られている。
【0004】最近では、小型軽量化、長時間記録化及び
高画質化が図られた磁気記録装置の開発が盛んに行われ
ており、かかる装置に対応した磁気テープにも、高性能
化及び高密度記録化、換言すれば高出力化及び低ノイズ
化、特に短波長領域での高出力化及び低ノイズ化が求め
られている。
高画質化が図られた磁気記録装置の開発が盛んに行われ
ており、かかる装置に対応した磁気テープにも、高性能
化及び高密度記録化、換言すれば高出力化及び低ノイズ
化、特に短波長領域での高出力化及び低ノイズ化が求め
られている。
【0005】磁気記録媒体の高出力化を図るためには、
一般に、用いられる金属磁性粉末の保磁力及び飽和磁化
を高くする必要がある。
一般に、用いられる金属磁性粉末の保磁力及び飽和磁化
を高くする必要がある。
【0006】前記保磁力を高くするためには、金属磁性
粉末の粒子サイズを小さくさせるとともに、軸比(長軸
径/短軸径)を増大させ、形状異方性を高くし、更に該
金属磁性粉末の粒子内部の結晶子サイズを短軸径に近づ
けるように大きく成長させる必要がある。
粉末の粒子サイズを小さくさせるとともに、軸比(長軸
径/短軸径)を増大させ、形状異方性を高くし、更に該
金属磁性粉末の粒子内部の結晶子サイズを短軸径に近づ
けるように大きく成長させる必要がある。
【0007】また、前記飽和磁化を高くするためには、
一般に、金属磁性粉末の粒子内部になるべく非磁性の成
分を含有させずに、粒子の酸化を防止させる必要があ
り、そのためには、粒子表層の酸化被膜の緻密さ、厚さ
等に工夫を施す必要がある。
一般に、金属磁性粉末の粒子内部になるべく非磁性の成
分を含有させずに、粒子の酸化を防止させる必要があ
り、そのためには、粒子表層の酸化被膜の緻密さ、厚さ
等に工夫を施す必要がある。
【0008】一方、磁気記録媒体の低ノイズ化を図るた
めには、金属磁性粉末の粒子径を微細化することが有効
である。すなわち、磁気記録媒体の単位体積当たりの粒
子数を多くすることにより、ノイズの低減化を図ること
ができることが一般的に知られている。また、金属磁性
粉末の粒子の分散性は、テープの表面性に大きな影響を
与えるため、凝集や融着が無い単分散粒子は、磁気記録
媒体の低ノイズ化を図るための重要な因子の一つであ
る。
めには、金属磁性粉末の粒子径を微細化することが有効
である。すなわち、磁気記録媒体の単位体積当たりの粒
子数を多くすることにより、ノイズの低減化を図ること
ができることが一般的に知られている。また、金属磁性
粉末の粒子の分散性は、テープの表面性に大きな影響を
与えるため、凝集や融着が無い単分散粒子は、磁気記録
媒体の低ノイズ化を図るための重要な因子の一つであ
る。
【0009】また、粒子の磁気特性のなかでは狭保磁力
分布特性が重要であるため、磁気特性が均質な金属磁性
粉末の開発が、磁気記録媒体の高出力及び低ノイズ化の
観点から待ち望まれている。
分布特性が重要であるため、磁気特性が均質な金属磁性
粉末の開発が、磁気記録媒体の高出力及び低ノイズ化の
観点から待ち望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
に鑑みてなされたものであり、したがって本発明の目的
は、粒子径が非常に小さく、高保磁力、高飽和磁化及び
狭磁化反転磁界分布(狭保磁力分布)を有し、耐酸化性
に優れ、粒子同士の凝集や融着がみられず、分散性が良
好で、しかも高充填が可能な金属磁性粉末の製造のため
の含水酸化鉄の製造方法を提供することにある。さらに
本発明の目的は、該含水酸化鉄を用いる、かかる特性を
有する金属磁性粉末の製造方法を提供することにある。
に鑑みてなされたものであり、したがって本発明の目的
は、粒子径が非常に小さく、高保磁力、高飽和磁化及び
狭磁化反転磁界分布(狭保磁力分布)を有し、耐酸化性
に優れ、粒子同士の凝集や融着がみられず、分散性が良
好で、しかも高充填が可能な金属磁性粉末の製造のため
の含水酸化鉄の製造方法を提供することにある。さらに
本発明の目的は、該含水酸化鉄を用いる、かかる特性を
有する金属磁性粉末の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 含水酸化鉄を原料とする、表面処理された含水
酸化鉄の製造方法において、 工程(A):含水酸化鉄を含むスラリーに水可溶性コバ
ルト塩を添加してこれらを混合し、次いで、得られる混
合物のpHをアンモニアを用いて9〜11に調整してさ
らに混合を行い、該含水酸化鉄の表面にコバルト化合物
を含有する被膜を形成させる工程、及び 工程(B):工程(A)の後に、該スラリーのpHの値
を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した値より
も1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸化性雰
囲気下にて該スラリーの分散処理を行う工程、を含むこ
とを特徴とする、表面処理された含水酸化鉄の製造方
法、〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法によって得られ
る、表面処理された含水酸化鉄を、不活性ガス雰囲気に
て加熱脱水し、次いで還元性ガスで還元して金属磁性粉
末を得る金属磁性粉末の製造方法、に関するものであ
る。
〔1〕 含水酸化鉄を原料とする、表面処理された含水
酸化鉄の製造方法において、 工程(A):含水酸化鉄を含むスラリーに水可溶性コバ
ルト塩を添加してこれらを混合し、次いで、得られる混
合物のpHをアンモニアを用いて9〜11に調整してさ
らに混合を行い、該含水酸化鉄の表面にコバルト化合物
を含有する被膜を形成させる工程、及び 工程(B):工程(A)の後に、該スラリーのpHの値
を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した値より
も1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸化性雰
囲気下にて該スラリーの分散処理を行う工程、を含むこ
とを特徴とする、表面処理された含水酸化鉄の製造方
法、〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法によって得られ
る、表面処理された含水酸化鉄を、不活性ガス雰囲気に
て加熱脱水し、次いで還元性ガスで還元して金属磁性粉
末を得る金属磁性粉末の製造方法、に関するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)表面処理された含水酸化鉄
の製造方法 ・工程(A) 本工程においては、含水酸化鉄を含むスラリーに水可溶
性コバルト塩を添加してこれらを混合し、次いで、得ら
れる混合物のpHをアンモニアを用いて9〜11に調整
してさらに混合を行い、該含水酸化鉄の表面にコバルト
化合物を含有する被膜を形成させる。
の製造方法 ・工程(A) 本工程においては、含水酸化鉄を含むスラリーに水可溶
性コバルト塩を添加してこれらを混合し、次いで、得ら
れる混合物のpHをアンモニアを用いて9〜11に調整
してさらに混合を行い、該含水酸化鉄の表面にコバルト
化合物を含有する被膜を形成させる。
【0013】原料である含水酸化鉄としては、通常用い
られる公知の方法により得られるものを使用することが
できる。そしてかかる含水酸化鉄を水性スラリーとして
工程(A)に供することが好ましい。
られる公知の方法により得られるものを使用することが
できる。そしてかかる含水酸化鉄を水性スラリーとして
工程(A)に供することが好ましい。
【0014】例えば、炭酸アルカリ及び第一鉄塩を水の
存在下で混合してアルカリ性の第一鉄懸濁液を得、得ら
れるアルカリ性の第一鉄懸濁液を酸化させた後、水洗、
ろ過、さらに水に分散させることにより、含水酸化鉄の
略中性のスラリーを得る。
存在下で混合してアルカリ性の第一鉄懸濁液を得、得ら
れるアルカリ性の第一鉄懸濁液を酸化させた後、水洗、
ろ過、さらに水に分散させることにより、含水酸化鉄の
略中性のスラリーを得る。
【0015】また、アルカリ性の第一鉄懸濁液の調製時
に水可溶性コバルト塩等のコバルト化合物を炭酸アルカ
リ等と混合しても良い。かかる含水酸化鉄はFe100
重量部に対して最高40重量部のCoを含有するもので
あり、かかる含水酸化鉄を原料とする場合、得られる金
属磁性粉末の磁気特性及び耐酸化性がより向上するとい
う利点がある。
に水可溶性コバルト塩等のコバルト化合物を炭酸アルカ
リ等と混合しても良い。かかる含水酸化鉄はFe100
重量部に対して最高40重量部のCoを含有するもので
あり、かかる含水酸化鉄を原料とする場合、得られる金
属磁性粉末の磁気特性及び耐酸化性がより向上するとい
う利点がある。
【0016】更に、得られる含水酸化鉄の形状制御のた
めに、アルカリ性の第一鉄懸濁液の調製時に、公知のS
n、Zn、Si、Al等の水可溶性塩をさらに添加して
も良い。
めに、アルカリ性の第一鉄懸濁液の調製時に、公知のS
n、Zn、Si、Al等の水可溶性塩をさらに添加して
も良い。
【0017】上記のようにして得られる含水酸化鉄は、
炭酸アルカリを用いてそれを得ていることから、その形
状は紡錘状であり、その形状が、例えば、透過型電子顕
微鏡(TEM)などで観察した場合、長軸径が0.06
〜0.25μmであり、軸比(長軸径/短軸径)が4〜
12の紡錘状のものが好ましい。このように、本工程で
得られる含水酸化鉄は特定の形状及び大きさを有し、そ
して該含水酸化鉄は、従来の針状形状を有する含水酸化
鉄が多数有するデンドライト構造をほとんど持っていな
いため、本発明で得られる含水酸化鉄を原料とする金属
磁性粉末は均質な磁気特性を有する。
炭酸アルカリを用いてそれを得ていることから、その形
状は紡錘状であり、その形状が、例えば、透過型電子顕
微鏡(TEM)などで観察した場合、長軸径が0.06
〜0.25μmであり、軸比(長軸径/短軸径)が4〜
12の紡錘状のものが好ましい。このように、本工程で
得られる含水酸化鉄は特定の形状及び大きさを有し、そ
して該含水酸化鉄は、従来の針状形状を有する含水酸化
鉄が多数有するデンドライト構造をほとんど持っていな
いため、本発明で得られる含水酸化鉄を原料とする金属
磁性粉末は均質な磁気特性を有する。
【0018】前記「紡錘状」とは、一般に使用されてい
る「針状」と対比される用語であり、その長軸方向の中
央部が大きく、その端部に向かうにしたがって細くなる
形状をいう。具体的には、その粒子の長軸に沿う面上へ
の投影図形がほほ楕円形状であることをいう。
る「針状」と対比される用語であり、その長軸方向の中
央部が大きく、その端部に向かうにしたがって細くなる
形状をいう。具体的には、その粒子の長軸に沿う面上へ
の投影図形がほほ楕円形状であることをいう。
【0019】また、前記「針状」とは、短軸の長さが長
軸方向に対してほぼ一定である形状をいう。具体的に
は、その粒子の長軸に沿う面上への投影図形がほほ長方
形であり、その角が丸められた形状を有するものをい
う。
軸方向に対してほぼ一定である形状をいう。具体的に
は、その粒子の長軸に沿う面上への投影図形がほほ長方
形であり、その角が丸められた形状を有するものをい
う。
【0020】なお、金属磁性粉末は、高温で熱処理され
たり、還元条件下で粒子内焼結された場合には、多少変
形し、先端部の形状が丸くなることがあるが、紡錘状及
び針状の定義は前記と同様である。
たり、還元条件下で粒子内焼結された場合には、多少変
形し、先端部の形状が丸くなることがあるが、紡錘状及
び針状の定義は前記と同様である。
【0021】上記の含水酸化鉄の略中性のスラリーに水
可溶性コバルト塩を添加してこれらを混合する。
可溶性コバルト塩を添加してこれらを混合する。
【0022】本発明で用いることのできる水可溶性コバ
ルト塩としては特に限定されるものではなく、通常用い
られる公知のものが挙げられる。例えば、硫酸コバル
ト、塩化コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルトなどの
コバルト化合物があげられる。これらの水可溶性コバル
ト塩は単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。かかるコバルト化合物は、通常、水溶液で用いるこ
とができる。
ルト塩としては特に限定されるものではなく、通常用い
られる公知のものが挙げられる。例えば、硫酸コバル
ト、塩化コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルトなどの
コバルト化合物があげられる。これらの水可溶性コバル
ト塩は単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。かかるコバルト化合物は、通常、水溶液で用いるこ
とができる。
【0023】含水酸化鉄スラリーと水可溶性コバルト塩
との混合割合は特に限定されないが、所望の保磁力及び
飽和磁化を得ると同時に耐酸化性を高めるために、含水
酸化鉄のFe100重量部に対して、Coとして0.1
重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。
また粒子同士が凝集し難くし、分散性を向上させると同
時に、保磁力、保磁力分布などの磁気特性を向上させる
ために、含水酸化鉄のFe100重量部に対して、Co
として45重量部以下が好ましく、30重量部以下がよ
り好ましい。
との混合割合は特に限定されないが、所望の保磁力及び
飽和磁化を得ると同時に耐酸化性を高めるために、含水
酸化鉄のFe100重量部に対して、Coとして0.1
重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。
また粒子同士が凝集し難くし、分散性を向上させると同
時に、保磁力、保磁力分布などの磁気特性を向上させる
ために、含水酸化鉄のFe100重量部に対して、Co
として45重量部以下が好ましく、30重量部以下がよ
り好ましい。
【0024】次いで、得られる混合物のpHをアンモニ
アを用いて9〜11に調整して、さらに混合を行うこと
により、該含水酸化鉄の表面にコバルト化合物を含有す
る被膜を形成させる。ここで調整される混合物のpHは
9.5〜10.5がより好ましく、9.8〜10.2が
特に好ましい。また、アンモニア以外の他のアルカリを
少量併用しても良い。
アを用いて9〜11に調整して、さらに混合を行うこと
により、該含水酸化鉄の表面にコバルト化合物を含有す
る被膜を形成させる。ここで調整される混合物のpHは
9.5〜10.5がより好ましく、9.8〜10.2が
特に好ましい。また、アンモニア以外の他のアルカリを
少量併用しても良い。
【0025】本工程において混合に使用する装置として
は特に限定されるものではなく、通常用いられる公知の
ものが挙げられる。例えば、通常の気泡塔反応器、攪拌
気泡塔反応器等の気液接触反応器、外部循環分散機、分
散機を経由する外部循環分散機が設置された反応器など
が挙げられる。取り分け、得られる含水酸化鉄粒子の均
質性及び分散性を高める観点から、反応槽内に超音波分
散機を設置した攪拌気泡塔反応器、超音波分散機及び/
又は超音波分散機かつ分散機を経由する外部循環分散機
が設置された攪拌気泡塔反応器等の気液接触反応器が好
適である。
は特に限定されるものではなく、通常用いられる公知の
ものが挙げられる。例えば、通常の気泡塔反応器、攪拌
気泡塔反応器等の気液接触反応器、外部循環分散機、分
散機を経由する外部循環分散機が設置された反応器など
が挙げられる。取り分け、得られる含水酸化鉄粒子の均
質性及び分散性を高める観点から、反応槽内に超音波分
散機を設置した攪拌気泡塔反応器、超音波分散機及び/
又は超音波分散機かつ分散機を経由する外部循環分散機
が設置された攪拌気泡塔反応器等の気液接触反応器が好
適である。
【0026】本工程における混合温度、混合時間等の混
合条件は特に限定されない。混合温度としては、温度制
御が容易に行える観点から、20〜70℃が好ましく、
40±5℃がより好ましい。
合条件は特に限定されない。混合温度としては、温度制
御が容易に行える観点から、20〜70℃が好ましく、
40±5℃がより好ましい。
【0027】また、混合時間としては、pHを所定の値
に調整した後の混合時間として、10〜60分間が好ま
しく、15〜30分間がより好ましい。均質な被着処理
を達成させる観点から10分間以上が好ましく、作業時
間を短縮化させる観点から60分間以下が好ましい。
に調整した後の混合時間として、10〜60分間が好ま
しく、15〜30分間がより好ましい。均質な被着処理
を達成させる観点から10分間以上が好ましく、作業時
間を短縮化させる観点から60分間以下が好ましい。
【0028】このようにして、含水酸化鉄の表面にコバ
ルト化合物を含有被膜が形成される。本工程のpH条件
では、形成された被膜の強度は比較的小さいものと考え
られる。
ルト化合物を含有被膜が形成される。本工程のpH条件
では、形成された被膜の強度は比較的小さいものと考え
られる。
【0029】・工程(B) 本工程においては、工程(A)の後に、該スラリーのp
Hの値を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した
値よりも1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸
化性雰囲気下にて該スラリーの分散処理を行う。
Hの値を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した
値よりも1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸
化性雰囲気下にて該スラリーの分散処理を行う。
【0030】本工程において、工程(A)の後に得られ
るスラリーのpHの値を工程(A)で調整した値よりも
1〜3、好ましくは1.5〜3、より好ましくは2〜3
高くする。この後の酸化性雰囲気下にて分散処理を行う
工程の効果を発現させる観点から、pHの上昇値は1以
上が好ましく、経済性の観点から、pHの上昇値は3以
下が好ましい。
るスラリーのpHの値を工程(A)で調整した値よりも
1〜3、好ましくは1.5〜3、より好ましくは2〜3
高くする。この後の酸化性雰囲気下にて分散処理を行う
工程の効果を発現させる観点から、pHの上昇値は1以
上が好ましく、経済性の観点から、pHの上昇値は3以
下が好ましい。
【0031】上記のように、スラリーのpHを所定の値
に調整するためには、該スラリーに水酸化アルカリ、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いる。
また、水酸化アルカリ以外の他のアルカリを併用しても
良い。
に調整するためには、該スラリーに水酸化アルカリ、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いる。
また、水酸化アルカリ以外の他のアルカリを併用しても
良い。
【0032】そして、かかるpH条件下で該スラリーの
分散処理を酸化性雰囲気下で行う。酸化性雰囲気にての
分散処理は、公知の方法により、例えば、空気などをス
ラリーに通気しながらスラリーを攪拌することにより実
施できる。また、スラリーの攪拌に用いる装置としては
特に限定されるものではなく、工程(A)の説明中で挙
げた装置が例示できる。得られる含水酸化鉄粒子の均質
性及び分散性を高める観点から、取り分け、反応槽内に
超音波分散機を設置した攪拌気泡塔反応器、超音波分散
機及び/又は超音波分散機かつ分散機を経由する外部循
環分散機が設置された攪拌気泡塔反応器等の気液接触反
応器が好適である。このように、スラリーを外部循環さ
せることにより、及び/又はスラリーを超音波処理に付
すことにより、該スラリーの分散処理を好適に行うこと
ができる。
分散処理を酸化性雰囲気下で行う。酸化性雰囲気にての
分散処理は、公知の方法により、例えば、空気などをス
ラリーに通気しながらスラリーを攪拌することにより実
施できる。また、スラリーの攪拌に用いる装置としては
特に限定されるものではなく、工程(A)の説明中で挙
げた装置が例示できる。得られる含水酸化鉄粒子の均質
性及び分散性を高める観点から、取り分け、反応槽内に
超音波分散機を設置した攪拌気泡塔反応器、超音波分散
機及び/又は超音波分散機かつ分散機を経由する外部循
環分散機が設置された攪拌気泡塔反応器等の気液接触反
応器が好適である。このように、スラリーを外部循環さ
せることにより、及び/又はスラリーを超音波処理に付
すことにより、該スラリーの分散処理を好適に行うこと
ができる。
【0033】また、分散処理の温度、分散処理の時間等
の分散処理条件は特に限定されない。分散処理の温度と
しては、温度制御が容易に行える観点から20〜70℃
が好ましく、40±5℃がより好ましい。
の分散処理条件は特に限定されない。分散処理の温度と
しては、温度制御が容易に行える観点から20〜70℃
が好ましく、40±5℃がより好ましい。
【0034】分散処理の時間としては、3〜10時間が
好ましく、4〜7時間がより好ましい。酸化性雰囲気下
にて分散処理を行う工程の効果を発現させる観点から3
時間以上が好ましく、作業時間短縮化の観点から10時
間以下が好ましい。
好ましく、4〜7時間がより好ましい。酸化性雰囲気下
にて分散処理を行う工程の効果を発現させる観点から3
時間以上が好ましく、作業時間短縮化の観点から10時
間以下が好ましい。
【0035】工程(A)で得られたスラリーを上記のよ
うな工程に付すことにより、工程(A)で形成されたコ
バルト化合物含有被膜を凝集させずに各含水酸化鉄粒子
表面に均質に形成することができるものと思われる。上
記のように、コバルト化合物含有被膜の形成を、異なる
pH条件での二段階に分けて行うことにより、得られる
金属磁粉末の静磁気特性を向上させるという本発明の効
果に影響を与えるものと考えられる。
うな工程に付すことにより、工程(A)で形成されたコ
バルト化合物含有被膜を凝集させずに各含水酸化鉄粒子
表面に均質に形成することができるものと思われる。上
記のように、コバルト化合物含有被膜の形成を、異なる
pH条件での二段階に分けて行うことにより、得られる
金属磁粉末の静磁気特性を向上させるという本発明の効
果に影響を与えるものと考えられる。
【0036】このようにして得られる、上記被膜が形成
された含水酸化鉄スラリーを、さらに公知の後処理工程
に付すことにより、表面処理された含水酸化物を製造す
ることができる。
された含水酸化鉄スラリーを、さらに公知の後処理工程
に付すことにより、表面処理された含水酸化物を製造す
ることができる。
【0037】公知の後処理工程としては、例えば、含水
酸化鉄表面へ、Al、Si及び希土類からなる群より選
ばれる少なくとも1種を含有する被膜を形成させる工程
(工程(C))等が挙げられる。
酸化鉄表面へ、Al、Si及び希土類からなる群より選
ばれる少なくとも1種を含有する被膜を形成させる工程
(工程(C))等が挙げられる。
【0038】・工程(C) 本工程では、工程(B)の後に、Al、Si及び希土類
からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水溶
液を工程(B)のスラリーに添加して、コバルト化合物
を含有する被膜の表面にさらにAl、Si及び希土類か
らなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する被膜を
形成させる。
からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水溶
液を工程(B)のスラリーに添加して、コバルト化合物
を含有する被膜の表面にさらにAl、Si及び希土類か
らなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する被膜を
形成させる。
【0039】Alを含有する水溶液としては、例えば、
硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウムなどの無機酸アルミニウム塩など
の水溶液があげられる。
硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウムなどの無機酸アルミニウム塩など
の水溶液があげられる。
【0040】Siを含有する水溶液としては、例えば、
水ガラスなどのケイ素化合物の水溶液があげられる。
水ガラスなどのケイ素化合物の水溶液があげられる。
【0041】希土類としては、例えば、Y、La、C
e、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy等が挙げられる。こ
れらのなかでは、安価であり、かつ得られる金属磁性粉
末の結晶子サイズを大きくし、磁気特性を良好にすると
ともに、該金属磁性粉末を用いて形成された塗膜の磁気
特性も良好にするという優れた性質を有することから、
Laが特に好ましい。
e、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy等が挙げられる。こ
れらのなかでは、安価であり、かつ得られる金属磁性粉
末の結晶子サイズを大きくし、磁気特性を良好にすると
ともに、該金属磁性粉末を用いて形成された塗膜の磁気
特性も良好にするという優れた性質を有することから、
Laが特に好ましい。
【0042】含水酸化鉄表面への、Al、Si及び希土
類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する被
膜の形成は、公知の方法により、例えば、該被膜を形成
させる原料化合物の水溶液を含水酸化鉄スラリーに添加
し、分散させたのち、得られた混合液をpH7.5〜1
0程度のアルカリ性に調整することにより実施できる。
類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する被
膜の形成は、公知の方法により、例えば、該被膜を形成
させる原料化合物の水溶液を含水酸化鉄スラリーに添加
し、分散させたのち、得られた混合液をpH7.5〜1
0程度のアルカリ性に調整することにより実施できる。
【0043】さらに、上記の工程を経て得られる、A
l、Si及び希土類からなる群より選ばれる少なくとも
1種を含有する被膜が形成された含水酸化鉄を、さら
に、公知の工程である炭素化合物の被膜を形成させる工
程に付しても良い。かかる工程に付すことにより、該含
水酸化鉄の嵩密度を低下させることができるため、金属
磁性粉末の原料としての表面処理された含水酸化鉄の熱
処理/還元/安定化において、該鉄粒子の凝集/融着等
を防止することができる。
l、Si及び希土類からなる群より選ばれる少なくとも
1種を含有する被膜が形成された含水酸化鉄を、さら
に、公知の工程である炭素化合物の被膜を形成させる工
程に付しても良い。かかる工程に付すことにより、該含
水酸化鉄の嵩密度を低下させることができるため、金属
磁性粉末の原料としての表面処理された含水酸化鉄の熱
処理/還元/安定化において、該鉄粒子の凝集/融着等
を防止することができる。
【0044】(2)金属磁性粉末の製造方法 本発明の金属磁性粉末の製造方法は、本発明の、表面処
理された含水酸化鉄の製造方法により得られる金属磁性
粉末を、不活性ガス雰囲気にて加熱脱水し、次いで還元
性ガスで還元して金属磁性粉末を得る方法である。加熱
脱水操作や還元操作は通常用いられる公知の方法を採用
することができる。
理された含水酸化鉄の製造方法により得られる金属磁性
粉末を、不活性ガス雰囲気にて加熱脱水し、次いで還元
性ガスで還元して金属磁性粉末を得る方法である。加熱
脱水操作や還元操作は通常用いられる公知の方法を採用
することができる。
【0045】加熱脱水の際に用いることのできる不活性
ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アル
ゴンガスなどの不活性ガスがあげられる。また、加熱脱
水の際の加熱温度等の条件、使用する装置は、通常採用
される公知の条件、装置で良い。かくして、含水酸化鉄
を加熱脱水して酸化鉄とし、この酸化鉄を還元性ガスで
還元する。
ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アル
ゴンガスなどの不活性ガスがあげられる。また、加熱脱
水の際の加熱温度等の条件、使用する装置は、通常採用
される公知の条件、装置で良い。かくして、含水酸化鉄
を加熱脱水して酸化鉄とし、この酸化鉄を還元性ガスで
還元する。
【0046】還元の際に用いることのできる還元性ガス
としては、通常、還元の際に用いられるものであればよ
く、その代表例としては、水素ガス、COガスなどがあ
げられる。還元性ガスは、例えば、窒素ガス、ヘリウム
ガス、アルゴンガス等の不活性ガスに代表される不活性
希釈ガスで適宜希釈されたものであってもよい。還元性
ガスの圧力、還元時の温度等の条件は、通常採用される
公知の条件で良い。
としては、通常、還元の際に用いられるものであればよ
く、その代表例としては、水素ガス、COガスなどがあ
げられる。還元性ガスは、例えば、窒素ガス、ヘリウム
ガス、アルゴンガス等の不活性ガスに代表される不活性
希釈ガスで適宜希釈されたものであってもよい。還元性
ガスの圧力、還元時の温度等の条件は、通常採用される
公知の条件で良い。
【0047】かくして、酸化鉄を還元させた後には、公
知の方法により、金属磁性粉末の表層を酸素含有ガス雰
囲気中で酸化させても良い。酸素含有ガスとしては、例
えば、酸素ガス含有窒素ガス、酸素ガス含有ヘリウムガ
ス、酸素ガス含有CO2 ガスなどがあげられる。また、
金属磁性粉末の表層を酸化させる際の温度等の条件は、
通常用いられる公知の条件で良い。
知の方法により、金属磁性粉末の表層を酸素含有ガス雰
囲気中で酸化させても良い。酸素含有ガスとしては、例
えば、酸素ガス含有窒素ガス、酸素ガス含有ヘリウムガ
ス、酸素ガス含有CO2 ガスなどがあげられる。また、
金属磁性粉末の表層を酸化させる際の温度等の条件は、
通常用いられる公知の条件で良い。
【0048】かくして得られる金属磁性粉末は、表面に
酸化層を有するので、耐酸化性及び磁気特性に優れたも
のである。
酸化層を有するので、耐酸化性及び磁気特性に優れたも
のである。
【0049】本発明の製造方法によって得られる金属磁
性粉末は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)などで
観察した場合、長軸径が0.05〜0.25μmであ
り、軸比が4〜12である紡錘状を有する。また、該金
属磁性粉末は、粒子内部の結晶子サイズが14.0〜1
8.0nmであり、保磁力(Hc)150kA/m以
上、SFD0.7〜1.3及び飽和磁化(σs)140
〜190μwb・m/kgを有する。
性粉末は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)などで
観察した場合、長軸径が0.05〜0.25μmであ
り、軸比が4〜12である紡錘状を有する。また、該金
属磁性粉末は、粒子内部の結晶子サイズが14.0〜1
8.0nmであり、保磁力(Hc)150kA/m以
上、SFD0.7〜1.3及び飽和磁化(σs)140
〜190μwb・m/kgを有する。
【0050】このように、上記金属磁性粉末は、特定の
形状及び大きさを有することから、従来の針状形状を有
する金属磁性粉末と対比してより均質な磁気特性を有す
る。また、上記金属磁性粉末は、温度60℃、相対湿度
(RH)90%の雰囲気中に7日間放置した後の飽和磁
化の低下が15%以内であるという優れた性質を有す
る。従って、上記金属磁性粉末は、磁気記録媒体に好適
に使用しうるものである。
形状及び大きさを有することから、従来の針状形状を有
する金属磁性粉末と対比してより均質な磁気特性を有す
る。また、上記金属磁性粉末は、温度60℃、相対湿度
(RH)90%の雰囲気中に7日間放置した後の飽和磁
化の低下が15%以内であるという優れた性質を有す
る。従って、上記金属磁性粉末は、磁気記録媒体に好適
に使用しうるものである。
【0051】(3)磁気記録媒体 本発明に係る磁気記録媒体は、例えば、本発明の製造方
法により得られる金属磁性粉末と樹脂結合剤とを混合
し、得られた磁性塗料を基体上に塗布する公知の方法に
より、製造することができる。本発明に係る磁気記録媒
体の具体例としては、例えば、オーディオ用メタルテー
プ、8mmVTR用メタルテープ、デジタルオーディオ
テープ(DAT)、デジタルデータストレージテープ
(DDS)、業務用磁気記録テープ等が挙げられる。
法により得られる金属磁性粉末と樹脂結合剤とを混合
し、得られた磁性塗料を基体上に塗布する公知の方法に
より、製造することができる。本発明に係る磁気記録媒
体の具体例としては、例えば、オーディオ用メタルテー
プ、8mmVTR用メタルテープ、デジタルオーディオ
テープ(DAT)、デジタルデータストレージテープ
(DDS)、業務用磁気記録テープ等が挙げられる。
【0052】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限される
ものではない。
明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限される
ものではない。
【0053】実施例1 (含水酸化鉄の製造)外部循環分散機((株)荏製作所
製、商品名:荏原マイルダー、回転数15000rp
m)を配設した気泡攪拌槽内に、炭酸ナトリウム282
g、水酸化ナトリウム80gを溶解させたアルカリ水溶
液3090mLを投入した。該攪拌槽の攪拌羽根の回転
速度を300rpmとし、毎分5Lの窒素ガスを通気し
ながら、硫酸第一鉄七水和物556g及び硫酸コバルト
七水和物160g(Co/Fe(重量比)=0.3)を
溶解させた水溶液1910mLを該攪拌槽に添加した。
そして、300分間、温度40℃において攪拌を続け、
コバルト含有第一鉄懸濁液を生成させた。この懸濁液の
pHは9.7であった。
製、商品名:荏原マイルダー、回転数15000rp
m)を配設した気泡攪拌槽内に、炭酸ナトリウム282
g、水酸化ナトリウム80gを溶解させたアルカリ水溶
液3090mLを投入した。該攪拌槽の攪拌羽根の回転
速度を300rpmとし、毎分5Lの窒素ガスを通気し
ながら、硫酸第一鉄七水和物556g及び硫酸コバルト
七水和物160g(Co/Fe(重量比)=0.3)を
溶解させた水溶液1910mLを該攪拌槽に添加した。
そして、300分間、温度40℃において攪拌を続け、
コバルト含有第一鉄懸濁液を生成させた。この懸濁液の
pHは9.7であった。
【0054】次に、該懸濁液中に温度40℃において毎
分5Lの空気を340分間通気させ、紡錘状コバルト含
有含水酸化鉄スラリーを得た。この後、該スラリーをイ
オン交換水にて水洗、ろ過し、紡錘状コバルト含有含水
酸化鉄を得た。得られた紡錘状コバルト含有含水酸化鉄
を透過型電子顕微鏡(TEM、20000倍)で観察し
たところ、該紡錘状コバルト含有含水酸化鉄は、長軸径
0.13μm及び軸比5.0の紡錘状を示すことが確認
された。
分5Lの空気を340分間通気させ、紡錘状コバルト含
有含水酸化鉄スラリーを得た。この後、該スラリーをイ
オン交換水にて水洗、ろ過し、紡錘状コバルト含有含水
酸化鉄を得た。得られた紡錘状コバルト含有含水酸化鉄
を透過型電子顕微鏡(TEM、20000倍)で観察し
たところ、該紡錘状コバルト含有含水酸化鉄は、長軸径
0.13μm及び軸比5.0の紡錘状を示すことが確認
された。
【0055】次に、紡錘状コバルト含有含水酸化鉄20
0gを、イオン交換水10リットルに添加して約2時間
分散処理を行い、紡錘状コバルト含有含水酸化鉄スラリ
ーを得た。この分散処理に用いた装置は、反応層の外部
にパイプライン型分散機マイルダー(荏原製作所製)を
配設した循環ラインを設けた装置である。
0gを、イオン交換水10リットルに添加して約2時間
分散処理を行い、紡錘状コバルト含有含水酸化鉄スラリ
ーを得た。この分散処理に用いた装置は、反応層の外部
にパイプライン型分散機マイルダー(荏原製作所製)を
配設した循環ラインを設けた装置である。
【0056】(金属磁性粉末の製造)上記の紡錘状コバ
ルト含有含水酸化鉄スラリー10L(200gの紡錘状
コバルト含有含水酸化鉄を含む。)に、硝酸コバルト六
水和塩62.2g(Co/Fe(重量比)=0.1)を
イオン交換水1000mLに溶解させた水溶液を添加
し、15分間混合処理を行った。次いで、得られた混合
物に8%アンモニア水溶液を滴下して該混合物のpHを
10に調整した。続いて、40℃にて0.5時間該混合
物の混合を行って、含水酸化鉄の表面に水酸化コバルト
を主成分とする被膜を形成させた。
ルト含有含水酸化鉄スラリー10L(200gの紡錘状
コバルト含有含水酸化鉄を含む。)に、硝酸コバルト六
水和塩62.2g(Co/Fe(重量比)=0.1)を
イオン交換水1000mLに溶解させた水溶液を添加
し、15分間混合処理を行った。次いで、得られた混合
物に8%アンモニア水溶液を滴下して該混合物のpHを
10に調整した。続いて、40℃にて0.5時間該混合
物の混合を行って、含水酸化鉄の表面に水酸化コバルト
を主成分とする被膜を形成させた。
【0057】次に、このようにして得られた、水酸化コ
バルトを主成分とする被膜が形成された含水酸化鉄スラ
リーに、8%水酸化ナトリウム水溶液700gを添加し
て該スラリーのpHを12.5に調整した。ついで酢酸
カルシウム一水和物4.4g(Ca/Fe(重量比)=
0.005)をイオン交換水20gに溶解させた水溶液
をこのスラリーに添加した。次いで、このスラリーに空
気を流量1L/分で吹き込みながら、40℃にて5時間
分散処理を行った。
バルトを主成分とする被膜が形成された含水酸化鉄スラ
リーに、8%水酸化ナトリウム水溶液700gを添加し
て該スラリーのpHを12.5に調整した。ついで酢酸
カルシウム一水和物4.4g(Ca/Fe(重量比)=
0.005)をイオン交換水20gに溶解させた水溶液
をこのスラリーに添加した。次いで、このスラリーに空
気を流量1L/分で吹き込みながら、40℃にて5時間
分散処理を行った。
【0058】その後、酸化ランタン14.7g(La/
Fe(重量比)=0.1)を硝酸に溶解させた11%硝
酸ランタン水溶液134gを前記混合液中に滴下し、更
に硝酸アルミニウム九水和物35g(Al/Fe(重量
比)=0.02)をイオン交換水300gに溶解させた
硝酸アルミニウム水溶液を滴下した後、15%硝酸水溶
液を滴下し、得られたスラリーのpHを9.0に調整し
た。このようにして、ランタン及びアルミニウムの水酸
化物を主成分とする被膜を前記水酸化コバルトを主成分
とする被膜上に形成させた。なお、上記の混合処理、分
散処理、La等の膜の形成処理は、すべて同一の装置内
で行った。この装置は紡錘状コバルト含有含水酸化鉄ス
ラリーを得た際に用いた、反応層の外部にパイプライン
型分散機マイルダー(荏原製作所製)を配設した循環ラ
インを設けた装置であった。
Fe(重量比)=0.1)を硝酸に溶解させた11%硝
酸ランタン水溶液134gを前記混合液中に滴下し、更
に硝酸アルミニウム九水和物35g(Al/Fe(重量
比)=0.02)をイオン交換水300gに溶解させた
硝酸アルミニウム水溶液を滴下した後、15%硝酸水溶
液を滴下し、得られたスラリーのpHを9.0に調整し
た。このようにして、ランタン及びアルミニウムの水酸
化物を主成分とする被膜を前記水酸化コバルトを主成分
とする被膜上に形成させた。なお、上記の混合処理、分
散処理、La等の膜の形成処理は、すべて同一の装置内
で行った。この装置は紡錘状コバルト含有含水酸化鉄ス
ラリーを得た際に用いた、反応層の外部にパイプライン
型分散機マイルダー(荏原製作所製)を配設した循環ラ
インを設けた装置であった。
【0059】その後、イオン交換水にて前記スラリーを
洗浄し、洗浄液の電気電導度が100μS/cm以下に
なるまで洗浄した。
洗浄し、洗浄液の電気電導度が100μS/cm以下に
なるまで洗浄した。
【0060】洗浄完了後、スラリーの上澄み液を取り除
き、スラリーの総量を15リットル程度にして更に分散
を行った。続いて、8%アンモニア溶液を12g添加
し、次いでオクタン酸(花王(株)製、商品名:ルナッ
ク8−98)8g(含水酸化鉄100重量部あたり4重
量部)を添加し、分散を10分間程度続けた後、スラリ
ーをろ過、乾燥させた。
き、スラリーの総量を15リットル程度にして更に分散
を行った。続いて、8%アンモニア溶液を12g添加
し、次いでオクタン酸(花王(株)製、商品名:ルナッ
ク8−98)8g(含水酸化鉄100重量部あたり4重
量部)を添加し、分散を10分間程度続けた後、スラリ
ーをろ過、乾燥させた。
【0061】かくして得られた粉体を、篩目の目開きが
5.0mmのメッシュを透過するが、篩目の目開きが
2.0mmのメッシュを透過しない大きさに整粒した。
整粒後の粉体100gを、内径62mmの固定床型炉内
でガス線速度10cm/秒の窒素ガス気流中で500℃
で1時間加熱処理を行った。
5.0mmのメッシュを透過するが、篩目の目開きが
2.0mmのメッシュを透過しない大きさに整粒した。
整粒後の粉体100gを、内径62mmの固定床型炉内
でガス線速度10cm/秒の窒素ガス気流中で500℃
で1時間加熱処理を行った。
【0062】次に、引き続いて、ガス線速度80cm/
秒の水素ガス気流(1気圧)中で前記粉体を500℃で
1時間還元させた。
秒の水素ガス気流(1気圧)中で前記粉体を500℃で
1時間還元させた。
【0063】還元終了後、窒素ガス気流中で40℃にま
で冷却し、酸素ガス濃度が100ppmの窒素ガスを1
0cm/秒のガス線速度で12時間通気し、粉体の表面
を酸化させて金属磁性粉末を得た。表1に、本実施例及
び以下の実施例、比較例における、Coの添加割合、A
l、Si、希土類(「添加元素」とする。)の添加割
合、使用するアルカリの濃度・種類、超音波分散処理の
適用の有無について示す。
で冷却し、酸素ガス濃度が100ppmの窒素ガスを1
0cm/秒のガス線速度で12時間通気し、粉体の表面
を酸化させて金属磁性粉末を得た。表1に、本実施例及
び以下の実施例、比較例における、Coの添加割合、A
l、Si、希土類(「添加元素」とする。)の添加割
合、使用するアルカリの濃度・種類、超音波分散処理の
適用の有無について示す。
【0064】
【表1】
【0065】得られた金属磁性粉末の静磁気特性とし
て、Hc(保磁力)、σs(飽和磁化)、σr/σs
(角型比)、SFD(保磁力分布)、CS(メタル結晶
子サイズ)、Δσs(飽和磁化の減衰率)、及び粒子形
状を以下の方法に従って調べた。表2に、本実施例及び
以下の実施例、比較例における、得られた金属磁性粉末
の静磁気特性及び粒子形状について示す。
て、Hc(保磁力)、σs(飽和磁化)、σr/σs
(角型比)、SFD(保磁力分布)、CS(メタル結晶
子サイズ)、Δσs(飽和磁化の減衰率)、及び粒子形
状を以下の方法に従って調べた。表2に、本実施例及び
以下の実施例、比較例における、得られた金属磁性粉末
の静磁気特性及び粒子形状について示す。
【0066】
【表2】
【0067】1)Hc、σs、σr/σs、SFDの測
定方法 試料振動型磁力計(VSM)により、最大印加磁場10
kOeで測定した。なお、金属磁性粉末は、試料ホルダ
ーに入れて測定した。
定方法 試料振動型磁力計(VSM)により、最大印加磁場10
kOeで測定した。なお、金属磁性粉末は、試料ホルダ
ーに入れて測定した。
【0068】2)CSの算出方法 X線回折により得られるα−Feの(110)ピークの
半値幅より、Scherrer式(Scherrer定数:0.9)を用
いることで求めた。
半値幅より、Scherrer式(Scherrer定数:0.9)を用
いることで求めた。
【0069】3)Δσsの測定方法 金属磁性粉末を温度60℃、相対湿度90%の環境下で
7日間放置した後の飽和磁化σs’を、前記飽和磁化の
測定法にしたがって測定した。放置前の金属磁性粉末の
飽和磁化σs(初期値)との値から、 減衰率(Δσs)=(1−σs’/σs)x100 を求めた。
7日間放置した後の飽和磁化σs’を、前記飽和磁化の
測定法にしたがって測定した。放置前の金属磁性粉末の
飽和磁化σs(初期値)との値から、 減衰率(Δσs)=(1−σs’/σs)x100 を求めた。
【0070】4)粒子形状 得られた金属磁性粉末を透過型電子顕微鏡で撮影した写
真の中から任意に300個の粒子を抽出し、それぞれの
長軸径及び短軸径を測定し、それらの平均値を求めた。
軸比は長軸径の平均値/短軸径の平均値から求めた。
真の中から任意に300個の粒子を抽出し、それぞれの
長軸径及び短軸径を測定し、それらの平均値を求めた。
軸比は長軸径の平均値/短軸径の平均値から求めた。
【0071】(塗布媒体の製造)金属磁性粉末100重
量部、レシチン2重量部、カーボンブラック3重量部、
γ−アルミナ5重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ポリ
ビニルアルコール共重合体(ユニオンカーバイド社製、
商品名:VAGH)15重量部、ポリウレタン(日本ポ
リウレタン工業(株)製、商品名:ニッポラン230
4)10重量部、メチルエチルケトン150重量部、ト
ルエン50重量部及びシクロヘキサノン75重量部を混
合して配合物を調製した。
量部、レシチン2重量部、カーボンブラック3重量部、
γ−アルミナ5重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ポリ
ビニルアルコール共重合体(ユニオンカーバイド社製、
商品名:VAGH)15重量部、ポリウレタン(日本ポ
リウレタン工業(株)製、商品名:ニッポラン230
4)10重量部、メチルエチルケトン150重量部、ト
ルエン50重量部及びシクロヘキサノン75重量部を混
合して配合物を調製した。
【0072】得られた配合物にガラスビーズを添加して
バッチ式サンドミルで6時間混合した後、得られた混合
物に硬化剤としてポリウレタン塗料用イソシアナート
(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネート
L)2.5重量部を添加し、さらに15分間混合した。
次いで、ろ過してガラスビーズを分離し、磁性塗料を得
た。
バッチ式サンドミルで6時間混合した後、得られた混合
物に硬化剤としてポリウレタン塗料用イソシアナート
(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネート
L)2.5重量部を添加し、さらに15分間混合した。
次いで、ろ過してガラスビーズを分離し、磁性塗料を得
た。
【0073】得られた磁性塗料を10μm厚のポリエチ
レンテレフタレート(以下、PETという。)フィルム
上に、乾燥膜厚が3μmになるように塗布した。磁場配
向処理後、乾燥させて磁性層が形成されたPETフィル
ムを得た。
レンテレフタレート(以下、PETという。)フィルム
上に、乾燥膜厚が3μmになるように塗布した。磁場配
向処理後、乾燥させて磁性層が形成されたPETフィル
ムを得た。
【0074】次に、磁性層が形成されたPETフィルム
にカレンダー処理を施し、さらに鏡面加工を施して、塗
膜が形成された塗布媒体を得た。
にカレンダー処理を施し、さらに鏡面加工を施して、塗
膜が形成された塗布媒体を得た。
【0075】得られた塗布媒体における塗膜の静磁気特
性として、Hc(保磁力)及びSFDを前記金属磁性粉
末と同様にして測定し、またBs(飽和磁束密度)、B
r/Bs(角型比)及びΔBsを以下の方法に従って調
べた。表3に、本実施例及び以下の実施例、比較例にお
ける、得られた塗布媒体における塗膜の静磁気特性につ
いて示す。
性として、Hc(保磁力)及びSFDを前記金属磁性粉
末と同様にして測定し、またBs(飽和磁束密度)、B
r/Bs(角型比)及びΔBsを以下の方法に従って調
べた。表3に、本実施例及び以下の実施例、比較例にお
ける、得られた塗布媒体における塗膜の静磁気特性につ
いて示す。
【0076】
【表3】
【0077】5)Bs(飽和磁束密度)、Br/Bs
(角型比)の測定方法 試料振動型磁力計(VSM)により、最大印加磁場10
kOeで測定した。なお、塗布媒体は、6mm角に切っ
たものを使用した。 6)ΔBsの測定方法 塗布媒体を温度60℃、相対湿度90%の環境下で30
日間放置した後の飽和磁化Bs’を、前記飽和磁化の測
定法にしたがって測定した。放置前の塗布媒体の飽和磁
化Bs(初期値)との値から、 減衰率(ΔBs)=(1−Bs’/Bs)x100 を求めた。
(角型比)の測定方法 試料振動型磁力計(VSM)により、最大印加磁場10
kOeで測定した。なお、塗布媒体は、6mm角に切っ
たものを使用した。 6)ΔBsの測定方法 塗布媒体を温度60℃、相対湿度90%の環境下で30
日間放置した後の飽和磁化Bs’を、前記飽和磁化の測
定法にしたがって測定した。放置前の塗布媒体の飽和磁
化Bs(初期値)との値から、 減衰率(ΔBs)=(1−Bs’/Bs)x100 を求めた。
【0078】実施例2 実施例1における(含水酸化鉄の製造)工程及び(金属
磁性粉末の製造)工程において、外部循環分散機(回転
数15000rpm)の配設を外部循環分散機(回転数
15000rpm)及び超音波分散機(ALEX Corporati
on、UltrasonicGenerator、周波数25kHz、600
W)の配設に変更した以外は、実施例1と同様にして金
属磁性粉末、さらに塗布媒体を得た。その結果を表2及
び表3に示す。
磁性粉末の製造)工程において、外部循環分散機(回転
数15000rpm)の配設を外部循環分散機(回転数
15000rpm)及び超音波分散機(ALEX Corporati
on、UltrasonicGenerator、周波数25kHz、600
W)の配設に変更した以外は、実施例1と同様にして金
属磁性粉末、さらに塗布媒体を得た。その結果を表2及
び表3に示す。
【0079】実施例3〜5 実施例1において(含水酸化鉄の製造)工程時に添加す
る硫酸コバルト七水和物の量を、表1に示したCo/F
e(重量比)に相当する量に変更し、更に(金属磁性粉
末の製造)工程時に添加する硫酸コバルト七水和物の量
を、表1に示したCo/Fe(重量比)に相当する量に
変更し、その他の添加元素として表1に示した元素を利
用すること以外は、実施例1と同様にして金属磁性粉末
3〜5及び塗布媒体3〜5を得た。その結果を表2及び
表3に示す。
る硫酸コバルト七水和物の量を、表1に示したCo/F
e(重量比)に相当する量に変更し、更に(金属磁性粉
末の製造)工程時に添加する硫酸コバルト七水和物の量
を、表1に示したCo/Fe(重量比)に相当する量に
変更し、その他の添加元素として表1に示した元素を利
用すること以外は、実施例1と同様にして金属磁性粉末
3〜5及び塗布媒体3〜5を得た。その結果を表2及び
表3に示す。
【0080】比較例1 実施例1における(金属磁性粉末の製造)工程におい
て、含水酸化鉄の表面に水酸化コバルトを主成分とする
被膜を形成させる際に使用する8%アンモニア水溶液を
8%水酸化ナトリウム水溶液に変更し、混合物のpHを
10とすること以外は、実施例1と同様にして金属磁性
粉末さらに塗布媒体を得た。その結果を表2及び表3に
示す。
て、含水酸化鉄の表面に水酸化コバルトを主成分とする
被膜を形成させる際に使用する8%アンモニア水溶液を
8%水酸化ナトリウム水溶液に変更し、混合物のpHを
10とすること以外は、実施例1と同様にして金属磁性
粉末さらに塗布媒体を得た。その結果を表2及び表3に
示す。
【0081】比較例2 実施例1における(金属磁性粉末の製造)工程の含水酸
化鉄の表面に水酸化コバルトを主成分とする被膜を形成
させた後、酸化雰囲気にて分散する前に添加する8%水
酸化ナトリウム水溶液を8%アンモニア水溶液に変更
し、pH12.5をpH11にすること以外は、実施例
1と同様にして金属磁性粉末さらに塗布媒体を得た。そ
の結果を表2及び表3に示す。
化鉄の表面に水酸化コバルトを主成分とする被膜を形成
させた後、酸化雰囲気にて分散する前に添加する8%水
酸化ナトリウム水溶液を8%アンモニア水溶液に変更
し、pH12.5をpH11にすること以外は、実施例
1と同様にして金属磁性粉末さらに塗布媒体を得た。そ
の結果を表2及び表3に示す。
【0082】
【発明の効果】本発明により、静磁気特性に優れた金属
磁性粉末を製造することができる。
磁性粉末を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 滋夫 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内
Claims (3)
- 【請求項1】 含水酸化鉄を原料とする、表面処理され
た含水酸化鉄の製造方法において、 工程(A):含水酸化鉄を含むスラリーに水可溶性コバ
ルト塩を添加してこれらを混合し、次いで、得られる混
合物のpHをアンモニアを用いて9〜11に調整してさ
らに混合を行い、該含水酸化鉄の表面にコバルト化合物
を含有する被膜を形成させる工程、及び 工程(B):工程(A)の後に、該スラリーのpHの値
を水酸化アルカリを用いて工程(A)で調整した値より
も1〜3高い値に調整し、かかるpHの条件で酸化性雰
囲気下にて該スラリーの分散処理を行う工程、を含むこ
とを特徴とする、表面処理された含水酸化鉄の製造方
法。 - 【請求項2】 工程(B)の後に、 工程(C):Al、Si及び希土類からなる群より選ば
れる少なくとも1種を含有する水溶液を工程(B)のス
ラリーに添加して、コバルト化合物を含有する被膜の表
面にさらにAl、Si及び希土類からなる群より選ばれ
る少なくとも1種を含有する被膜を形成させる工程、を
設ける請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法によって
得られる、表面処理された含水酸化鉄を、不活性ガス雰
囲気にて加熱脱水し、次いで還元性ガスで還元して金属
磁性粉末を得る金属磁性粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36066197A JPH11189810A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 金属磁性粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36066197A JPH11189810A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 金属磁性粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11189810A true JPH11189810A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18470374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36066197A Pending JPH11189810A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 金属磁性粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11189810A (ja) |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36066197A patent/JPH11189810A/ja active Pending
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