JPH11188967A - インクジェット印刷用材料 - Google Patents

インクジェット印刷用材料

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JPH11188967A
JPH11188967A JP9366883A JP36688397A JPH11188967A JP H11188967 A JPH11188967 A JP H11188967A JP 9366883 A JP9366883 A JP 9366883A JP 36688397 A JP36688397 A JP 36688397A JP H11188967 A JPH11188967 A JP H11188967A
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JP
Japan
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ink
polyvinyl alcohol
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printing
alcohol resin
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Hirosuke Fukuhara
博資 福原
Yoshisuke Onodera
義資 小野寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】折れ跡や、外観品位、強度、耐水性等を改善
し、プリンターの機種に関係なく適用可能なインクジェ
ット印刷用材料。 【解決手段】アセタール化度5mol%以上、PH9以
下の部分ベンザール化ポリビニルアルコール樹脂を配合
した塗料による塗膜を基材上に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット印刷
方式による印刷用材料に関し、特に屋内広告品や垂れ
幕、装飾品、絵や版画などの高級美術品の複製などに適
用可能なインクジェット印刷方式による印刷用材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】宣伝用、装飾用等の分野で使用されるプ
リント加工法としては、スクリーン印刷、グラビア印
刷、オフセット印刷等の方法を取ることが一般的であ
る。しかし近年コンピュータグラフィックを用いたシス
テムが多用される様になり、この出力装置としてインパ
クト方式、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、レーザ
ー方式、静電方式、インクジェット方式等の方法が用い
られる。しかし、最近のカラー化に対応する物として、
画像品位、コスト、発色性などでインクジェット方式が
注目されて久しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にインクジェット
印刷用素材には紙やフィルムが使用されていて、これら
の素材では、 1.外観の品位が一定のものしか得られず、宣伝用に用
いる時などはインパクトの強い物を得る為に、特別な工
夫をする必要がある。 2.折れ跡や傷が付きやすく、耐久性が無い。 3.その素材を使用できるプリンターの機種が限定され
るなど、汎用性に欠けるものが有る。 4.耐水性が悪い。 等の問題点があった。
【0004】これらの欠点を解消する試みとして種々の
方法が提案されている。本発明と似かよった目的で提案
されたものとしては、例えば特公平4-15746号や特公平5
-23597号が有る。前者ではバインダー成分としてアセト
アセチル化ポリビニールアルコールを用いることが提案
されている。これはアセトアセチル基の含有率が0.1
〜20mol%(好ましくは0.5%〜10mol%)
のものを使用する提案である。また後者はポリビニルア
セタール樹脂のアセタール化度が、2〜40mol%の
ものを使用する提案である。
【0005】前者はインクドットの拡がりが比較的大き
く、色の沈みが無く、重ね打ちした時のインクの吸収性
が良く、塗膜の耐水性やインク定着性及び耐光性を備え
る提案である。一方後者は、インクの吸着性に優れ耐水
性が良好で且つ透明な層を形成するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】そこで本発明は強度と折
れ跡などの解消の為に鋭意研究を重ねた結果、驚くべき
ことに、基材の表面に付与する塗膜が前記提案では排除
されている範囲に有るアセタール化度のアセタール化ポ
リビニルアルコール樹脂を用いて、これらの課題を完全
に解決するに至ったものである。
【0007】即ち本発明は、綿、麻等の天然繊維や、ポ
リエステル、ナイロン等の合成繊維を単独で用いた織布
や不織布、或いはこれらを綿、麻等の天然繊維や、ポリ
エステル、ナイロン等の合成繊維を単独で用いたり、或
いは混織または混紡した織布等を基材に使用し、この上
にアセタール化度が特定の範囲にあるアセタール化ポリ
ビニルアルコール樹脂を用いて塗膜を形成するものであ
る。
【0008】また、本発明に使用するアセタール化ポリ
ビニルアルコール樹脂は、アセタール化度47mol%
以上、PHが8以下である。アセタール化度47mol
%以下だとインクのにじみ及び鮮明性が悪くなる。又P
Hが8以上だと、塗工適性が著しく悪くなり必要とする
付着量が得られず、インクの滲みが出て印刷性が悪くな
る。又、耐水性も低下する。
【0009】インクの滲みを防止し又耐水性をより効果
的にするために、アセタール化ポリビニルアルコール樹
脂にカチオン性化合物、例えばポリアミン型や錯塩型の
化合物を加えることは非常に有効である。特に効果的な
カチオン性化合物は、分子量が10,000以上、より
好ましくは20,000〜500,000のものを、ア
セタール化ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対
して1〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部混合
することで好結果を得た。
【0010】またインクの発色性や吸収性を高めるため
に、シリカ、ホワイトカーボンなどの無機粉末を1種類
以上混合して使用することも有効である。使用できる粉
末の平均粒径は10〜20μmのもの、より好ましくは
12〜17μmのものであって、効果的な配合量は、ア
セタール化ポリビニルアルコール樹脂100重量部に対
して5〜50重量部、より好ましくは15〜25重量部
混合することで好結果を得た。
【0011】
【実施例1】ポリエステルスパンボンド(目付50g/
)に対して、下記配合の塗料を100g/mにな
るようにナイフコート方式にて、塗布後乾燥した。 アセタール化ポリビニルアルコール(アセタール化度50mol) 50部 粉末シリカ(平均粒径12μm) 10部 第4級アンモニウム塩型高分子化合物(分子量 30,000) 3部 水 40部 (以上全て重量部にて表示) 得られた印刷用素材に、オンデマンド方式のインクジェ
ットプリンタ(印字速度170cps、使用インクは水
性染料インク)を用いてフルカラー印刷を行い、その品
位を確認した。
【0012】
【実施例2】縦密度120本/インチ、横密度80本/
インチ、糸使い40番手の綿織物に対して、実施例1と
同じ配合の塗料を100g/m2になるようにナイフコ
ート方式にて、塗布、乾燥した。得られた印刷用素材
に、オンデマンド方式のインクジェットプリンタ(印字
速度170cps、使用インクは水性染料インク)を用
いてフルカラー印刷を行い、その品位を確認した。
【0013】
【実施例3】ポリエステルスパンボンド(目付50g/
2)に対して、下記配合の塗料を100g/mにな
るようにナイフコート方式にて、塗布後乾燥した。 アセタール化ポリビニルアルコール(アセタール化度50mol) 50部 粉末シリカ(平均粒径12μm) 10部 第4級アンモニウム塩型高分子化合物 (分子量 200,000) 3部 水 40部 (以上全て重量部にて表示) 得られた印刷用素材に、オンデマンド方式のインクジェ
ットプリンタ(印字速度170cps、使用インクは水
性染料インク)を用いてフルカラー印刷を行い、その品
位を確認した。
【0014】
【比較例1】ポリエステルスパンボンド(目付50g/
2)に対して、下記配合の塗料を100g/mにな
るようにナイフコート方式にて、塗布後乾燥した。 ポリビニルアルコール(固形分18%) 50部 粉末シリカ(平均粒径12μm) 10部 第4級アンモニウム塩型高分子化合物 (分子量 30,000) 3部 水 40部 (以上全て重量部にて表示) 得られた印刷用素材に、オンデマンド方式のインクジェ
ットプリンタ(印字速度170cps、使用インクは水
性染料インク)を用いてフルカラー印刷を行い、その品
位を確認した。
【0015】
【比較例2】ポリエステルスパンボンド(目付50g/
2)に対して、下記配合の塗料を100g/mにな
るようにナイフコート方式にて、塗布後乾燥した。 アセタール化ポリビニルアルコール(アセタール化度46mol) 50部 粉末シリカ(平均粒径12μm) 10部 第4級アンモニウム塩型高分子化合物 (分子量 30,000) 3部 水 40部 (以上全て重量部にて表示) 得られた印刷用素材に、オンデマンド方式のインクジェ
ットプリンタ(印字速度170cps、使用インクは水
性染料インク)を用いてフルカラー印刷を行い、その品
位を確認した。
【0016】
【比較例3】ポリエステルスパンボンド(目付50g/
2)に対して、下記配合の塗料を100g/mにな
るようにナイフコート方式にて、塗布後乾燥した。 アセタール化ポリビニルアルコール(アセタール化度50mol) 50部 粉末シリカ(平均粒径30μm) 10部 第4級アンモニウム塩型高分子化合物 (分子量 30,000) 3部 水 40部 (以上全て重量部にて表示)
【0017】得られた印刷用素材に、オンデマンド方式
のインクジェットプリンタ(印字速度170cps、使
用インクは水性染料インク)を用いてフルカラー印刷を
行い、その品位を確認した。判定結果は下記の通り。
【表1】
【0018】但し、各項目の判定基準は以下による。 1.印刷適性は、インクの吸収乾燥性を目視で判定し、
さらにインクの発色性をマクベス濃度計で表2による判
定基準を適用して判定して、総合評価を◎,○、△、
×、××の5段階で評価した。
【表2】
【0019】2.耐水性は、印刷物を水中に24時間浸
漬した後の色の変化をマクベス濃度計で判定。判定基準
は表3による。
【表3】
【0020】3.耐湿性は、印刷物を環境温度40℃、
湿度90%の雰囲気中に24時間放置した後、インクの
にじみレベルを目視で判定し、色の変化をマクベス濃度
計で判定基準を前記表3によって総合的に判定した。
【0021】4.耐摩擦性は、JIS-L-0849に基づき、20
0g×100回 乾式にて実施。判定基準は表4による。
【表4】
【0022】
【発明の効果】表1より明らかな如く、織物や不織布な
どからなる基材を使用した時に、紙やフィルムを使用し
た時の欠点である、折れ跡や外観品位、強度、耐水性等
が改善されており、また特殊な塗膜を付与している為
に、インクジェット方式の機種による限定を受けること
なく殆どの機種に適用可能となった。
【0023】さらに基材を選定することにより防燃性等
の他の機能をも容易に付与することを可能にした優れた
印刷用素材を提供する。また適度な硬さを有するので、
大判サイズの印刷が可能であり、また耐久性をも兼備え
ている。通常の織物などとは異なりホツレないための、
裏貼りやホツレ止め加工が不要である。基材となる織物
の種類や不織布、編物等を選定することによって多種多
様の外観のものを得ることが出来るため、用途の拡大を
図れる等の優れた印刷用素材を提供するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織物、或いは不織布などからなる基材上
    に、アセタール化ポリビニルアルコール樹脂からなる塗
    膜を付与したインクジェット記録用材料で有って、使用
    するアセタール化ポリビニルアルコール樹脂が、アセタ
    ール化度47mol%以上、PHが8以下であることを
    特徴とするインクジェット印刷用材料。
  2. 【請求項2】請求項1において、平均粒径が10〜20
    μmである無機粉体を塗料中に混合することを特徴とす
    る、インクジェット印刷用材料。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、平均分子量が1
    0,000以上の第4級アンモニウム塩型高分子化合物を添
    加した塗料を用いることを特徴とするインクジェット印
    刷用材料。
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