JPH11188666A - 液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置 - Google Patents

液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置

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JPH11188666A
JPH11188666A JP35498097A JP35498097A JPH11188666A JP H11188666 A JPH11188666 A JP H11188666A JP 35498097 A JP35498097 A JP 35498097A JP 35498097 A JP35498097 A JP 35498097A JP H11188666 A JPH11188666 A JP H11188666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度変化があってもマイクロツール先端が動く
ことのない液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置
とする。 【解決手段】ピストン36と螺合部材31の間に、バイ
メタル式補償装置32を設けた。バイメタル式補償装置
32は、操作部側の油圧シリンダ39と作動部側の油圧
シリンダの間における作動液の温度変化に伴う体積変化
により、微動移動部材が移動する量と実質的に同じ量だ
け、微動移動部材が移動する方向と逆の方向に、ピスト
ン36と螺合部材31を遠ざけ、又は近づける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡下でマイク
ロツール(例えば微小電極、マイクロピペット)を油圧
等の液圧により微動的に遠隔操作できるようにした液圧
遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】生物学や医学、あるいはバイオテクノロ
ジー等の分野では、生物の器官や生体組織、細胞などの
試料を保持または移動し、吸引、液の注入、切断等の処
理を行うために操作するマイクロマニピュレーション
(顕微操作技術)があり、これら試料に対して顕微鏡の
視野内でマイクロマニピュレータを微動操作して各種の
操作を行っている。ところで、オペレータがマイクロマ
ニピュレータの操作ハンドルに直接手を触れて微動操作
すると、操作によって生じる震えが機枠を通じて伝達さ
れる恐れがあり、この震えを極力抑えて静かにマイクロ
マニピュレータを操作しなければならず、細心の注意と
相当の熟練とを必要としている。その点、油圧等の液圧
により微動的に遠隔操作できるようにした液圧式マイク
ロマニピュレータは、液圧を介して操作部の動きが作動
部に伝えられるための操作による振動が作動部に伝達さ
れない利点がある。
【0003】図14は、従来のマイクロマニピュレーシ
ョン装置の構成を概略的に説明する説明図である。図1
4において、このマイクロマニピュレーション装置は、
試料111を培養液112とともに入れた透明な容器1
13を顕微鏡のステージ114にのせ、この試料111
を固定保持する固定保持部115と、マイクロマニピュ
レーションを実際に遂行するマイクロマニピュレータ1
16と、試料111に照明を当て映像を観察するための
顕微鏡光学系117とからなり、これら各部を防振台1
18上に置いて操作をするようになっている。このマイ
クロマニピュレータ116は、マイクロマニピュレーシ
ョンの用途に合わせた各種のマイクロツール119を装
着し、その先端を3次元的に移動させる3次元移動機構
を備えており、オペレータが微動操作をするジョイステ
ィック装置120により、この3次元移動機構を油圧等
で作動させるようになっている。
【0004】ジョイスティック装置120は、先端が庇
状に形成された支持枠121の先端を支点として操作杆
122を垂下し、操作杆122による直交する水平の2
方向(矢印)123の動きを油圧等により前記した3次
元移動機構に伝達する伝達部124を設けたものであ
る。操作杆122は、直交する水平2方向(矢印)12
3の揺動を水平面内の機械的な変位に変換する変換部1
25を有し、該変換部125を支持枠121と連結する
部位に設けている。なお、操作杆122の下部つまみ1
26を回転させることにより、ジョイスティック装置1
20に内蔵した図示しない油圧装置を動かして垂直方向
の微動操作を行うことができる。このようにして、操作
杆122を操作して3次元的な移動ができるようにされ
ている。また、操作杆122の操作に伴うジョイスティ
ック装置120の振動が防振台118上の機器に伝わら
ないように、ジョイスティック装置120は、防振台1
18と離して、机上に置かれている。
【0005】また、操作杆122を垂下して設ける他
に、変換部125に直接立てて設けるものも従来から一
般的に使用されていた。しかし、オペレータが腕を引き
上げること無く低い位置で楽に操作できることから、こ
の垂下して設けるものが最近ではよく使用されるように
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロマニピュレータを油圧等の液圧により微動的に遠隔操
作する液圧式マイクロマニピュレータでは、温度変化が
あると、その温度変化により作動液に体積変化が発生す
る。この作動液の体積変化に伴い、マイクロマニピュレ
ータのマイクロツール先端がドリフトしてしまい、的確
な観察や操作の妨げになるという問題があった。また、
液圧の代わりにマイクロマニピュレータを電気的に作動
させる方式もあるが、モーターの振動による培養液11
2の液面に起こる波などの障害などにより、容易にマイ
クロマニピュレータのマイクロツール先端が動いてしま
うため、ドリフト現象を生じる問題は同様に解決されな
いものであった。特に、長時間にわたって試料をマイク
ロツール先端に当接させて、観察や操作を行う場合に、
ドリフト現象が生じると、マイクロツールの先端が試料
から離れてしまい、観察や操作を継続できないという問
題がある。
【0007】そこで、本発明の課題は、液圧式の遠隔操
作型マイクロマニピュレータ装置において、温度変化が
あった場合でも、その温度変化による作動液の体積変化
に伴うマイクロツールのドリフト現象を防止することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置
は、基台に固定された操作部側液圧シリンダと、この操
作部側液圧シリンダ内に進退可能に嵌合した操作部側ピ
ストンと、この操作部側ピストンを微動移動させる操作
部側ピストン微動移動操作手段とを有するマイクロマニ
ピュレータ微動操作装置と、作動部側液圧シリンダと、
この作動部側液圧シリンダ内に進退可能に嵌合した作動
部側ピストンと、この作動部側ピストンに取り付けられ
た微動移動部材と、前記操作部側液圧シリンダと前記作
動部側液圧シリンダを連結するホースとを有する液圧マ
イクロマニピュレータとを備えるとともに、前記操作部
側ピストン微動移動操作手段と前記微動移動部材との間
に介在され、前記操作部側液圧シリンダと前記作動部側
液圧シリンダの間における作動液の温度変化に伴う体積
変化により、前記微動移動部材が移動しようとする量と
実質的に同じ移動量を補償するバイメタル式補償装置を
備え、このバイメタル式補償装置が介在される間の距離
を、前記微動移動部材が移動しようとする量と実質的に
同じ量だけ、前記微動移動部材が移動しようとする方向
と逆の方向に遠ざけ、または近づけるようにされている
ことを特徴とするものである。
【0009】また、前記バイメタル式補償装置に代え
て、固体式補償装置を備えることができ、あるいは、前
記バイメタル式補償装置に代えて、電気式補償装置を備
えることもできる。さらには、前記マイクロマニピュレ
ータ微動操作装置が前後方向、左右方向及び上下方向の
3次元方向に微動操作が可能で、前記液圧マイクロマニ
ピュレータが前後方向、左右方向及び上下方向の3次元
方向に微動移動可能なことを特徴とする液圧遠隔操作型
マイクロマニピュレータ装置とすることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明に係
る液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置の実施の
形態について説明する。なお、本発明に係る液圧遠隔操
作型マイクロマニピュレータ装置においては、液圧とし
て、油圧、水圧等適宜の液圧手段を用いることができる
のは勿論であるが、本実施形態では、主に油圧を用いる
ものとして説明する。図1は、本発明に係る液圧遠隔操
作型マイクロマニピュレータ装置を示す斜視図であり、
図1に示すように、液圧遠隔操作型マイクロマニピュレ
ータ装置1は三方向ハンドルタイプのマイクロマニピュ
レータ微動操作装置2と3次元液圧マイクロマニピュレ
ータ(以下、単にマイクロマニピュレータと称す)3と
から構成されている。このマイクロマニピュレータ微動
操作装置2は後述するホース56,57,58を介して
マイクロマニピュレータ3に接続され、マイクロマニピ
ュレータ3は支柱5に把持された取付バー6に固定され
ている。更に、マイクロマニピュレータ3には締着具
7、ホルダー8を介してマイクロツール9が保持されて
いる。
【0011】また、マイクロマニピュレータ微動操作装
置2はベース板11を有しており、このベース板11に
は側板13,14,15,16が立設され、側板13,
14,15,16の上端は上板17で覆われている。ベ
ース板11、側板13,14,15,16、及び上板1
7は相互に固定され、ベース板11、側板13,14,
15,16、及び上板17から、基台であるケース18
が形成されている。
【0012】図2は、図1に示すマイクロマニピュレー
タ微動操作装置2のX軸微動操作機構部分を示す分解斜
視図、図3は、作動部側におけるマイクロマニピュレー
タ3のX軸微動機構部分を示す分解斜視図である。操作
部側のX軸微動操作機構50においては、図2に示すよ
うに、側板13には貫通孔13aが開けられ、この貫通
孔13aには軸受メタル21の先端が挿通・嵌着されて
いる。この軸受メタル21はリング22の中心孔に嵌着
され、リング22はボルト23,23により側板13に
固定されている。
【0013】また、軸受メタル21の中心の貫通孔には
X軸微動螺子軸25の小径軸25bが挿通されている。
X軸微動螺子軸25は微動用雄螺子25aと、微動用雄
螺子25aより小径の小径軸25bと、小径軸25bの
後端に設けられたX軸微動ハンドル固定用雄螺子25c
とから形成されている。
【0014】また、リング22の外周には、一側が開放
され、閉塞された側の外周にはローレットが刻設された
円筒状のX軸微動ハンドル26が回転自在に嵌合されて
いる。X軸微動螺子軸25のX軸微動ハンドル固定用雄
螺子25cにはX軸微動ハンドル26の中心に貫設され
た雌螺子が螺合し、更に固定用ナット27が螺合し、こ
の固定用ナット27を締め付けることにより、X軸微動
ハンドル26がX軸微動螺子軸25に回転不能に固定さ
れるようになっている。これらX軸微動螺子軸25、X
軸微動ハンドル26等により、本発明の操作部側ピスト
ン微動移動操作手段が構成される。
【0015】X軸微動ハンドル26の中心に貫設された
雌螺子に一端側が螺合するX軸微動螺子軸25のX軸微
動ハンドル固定用雄螺子25cの他端側においては、こ
れに螺合する雌螺子が刻設された螺合部材31がバイメ
タル受32Aに固定されている。このバイメタル受32
Aは、ボルト33,33により側板13に固定された回
り止め板34によって、その回動を抑制されている。ま
た、バイメタル受32Aには、上下方向に延在する板状
のバイメタル32Bの上端部が、ボルト32C,32C
により固定されており、このバイメタル32Bの下方位
置には、操作部側ピストンであるピストン36の先端に
固設されたボール37が点接触している。これらバイメ
タル受32Aおよびバイメタル32B等によって、本発
明のバイメタル式補償装置32が構成される。ピストン
36は、ベース板11に固定された支持プレート38に
嵌着する操作部側液圧シリンダである油圧シリンダ39
に進退可能に嵌合している。油圧シリンダ39は、一側
が開放された円筒状で、外周に鍔部39a、円筒の閉塞
された側の近傍にホース接続口39bを有している。鍔
部39aは支持プレート38に当接し、ホース接続口3
9bにはホース56の一端が接続されている。そして、
ピストン36と油圧シリンダ39との間で油室39′が
形成される。バイメタル32Bは、温度変化に基づいて
ピストン36の進退方向に下方位置が湾曲し、その湾曲
量(ボール37との接触点における移動量)は、補償装
置を設けなかった際に、作動油の温度変化に伴う体積変
化により、後述するX軸内スライダー42が移動する量
と実質的に同じとなるようにされている。
【0016】また、図1に示される、前後方向であるY
軸微動操作機構51及び上下方向であるZ軸微動操作機
構52もX軸微動操作機構50と同様に構成されてい
る。
【0017】一方、作動部側に位置するX軸微動機構8
0の構成を説明する。図3に示すように、X軸微動機構
80はX軸外スライダー41を有し、このX軸外スライ
ダー41には溝41aが刻設され、この溝41aには図
示せぬリニアウエーベアリングを介して、微動移動部材
であるX軸内スライダー42が移動自在に装着されてい
る。そして、X軸外スライダー41は固定され、X軸内
スライダー42が溝41aに沿って、移動可能に構成さ
れている。
【0018】また、X軸外スライダー41の一端には、
X軸内スライダー42に取り付けられた作動部側ピスト
ンであるピストン43が貫通する貫通孔44aが開けら
れた側板44がボルト45,45により固定され、X軸
外スライダー41の他端には側板46がボルト47,4
7により固定されている。そして、X軸内スライダー4
2と側板46の間には、図示せぬスプリングが介在さ
れ、X軸内スライダー42を、側板44方向に常時付勢
している。
【0019】さらに、側板44には、貫通孔44aから
突出するピストン43が進退可能に嵌合する作動部側液
圧シリンダであるX軸油圧シリンダ48が固定されてい
る。X軸油圧シリンダ48は、一側が開放された円筒状
で、外周に鍔部48a、円筒の閉塞された側近傍にホー
ス接続口48bを有しており、鍔部48aは側板44の
側面に当接し、ホース接続口48bにはホース56の一
端が接続されている。
【0020】そして、ピストン43とX軸油圧シリンダ
48との間で油室48′が形成される。このX軸油圧シ
リンダ48の油室48′の横断面積は、図2に示すX軸
微動操作機構50における油圧シリンダ39の油室3
9′の横断面積と同じ大きさに形成されている。
【0021】また、図1に示される、前後方向のY軸微
動機構81、及び上下方向のZ軸微動機構82も、X軸
微動機構80と同様に構成されている。そして、Y軸微
動操作機構51における図示せぬ油圧シリンダとY軸微
動機構81における図示せぬY軸油圧シリンダとがホー
ス57で連結され、Z軸微動操作機構52における図示
せぬ油圧シリンダとZ軸微動機構82における図示せぬ
Z軸油圧シリンダとがホース58で連結されている。さ
らに、X軸外スライダー41には、図1に示す締着具取
付台84が固定され、締着具取付台84の図示せぬV溝
に締着具7の基部を挿入し、締着具7をL字型押え板8
5、締付ボルト86により締着具用取付台84に固定す
るようになっている。そして、締着具7、ホルダー8、
及びマイクロツール9はX軸微動機構80、Y軸微動機
構81、及びZ軸微動機構82により3次元方向に微動
移動可能となっている。
【0022】次に、本発明に係る液圧遠隔操作型マイク
ロマニピュレータ装置において、マイクロツール9を微
動移動させる原理について、図2及び図3を用いて説明
する。オペレータがマイクロマニピュレータ微動操作装
置2のX軸微動ハンドル26の外周のローレットを握っ
て回転させ、X軸微動螺子軸25の微動用雄螺子25a
に螺合した螺合部材31を支持プレート38方向に微動
移動させると、バイメタル式補償装置32を介して、ピ
ストン36が同方向に微動移動し、それに伴い油圧シリ
ンダ39の油室39′が狭まる。油室39′が狭まる
と、油圧シリンダ39内の作動油が圧迫され、直ちにホ
ース56を介してX軸微動機構80のX軸油圧シリンダ
48内に流入して、X軸油圧シリンダ48とピストン4
3との間の油室48′が広がるので、ピストン43が側
板46方向に移動し、ピストン43が固定されるX軸内
スライダー42も側板46方向に移動する。
【0023】一方、X軸微動ハンドル26を操作して、
螺合部材31を側板13方向に移動させると、油圧シリ
ンダ39の油室39′に掛かる圧力が減少し、X軸油圧
シリンダ48の油室48′内よりも圧力が低くなる。こ
のとき、X軸微動機構80のX軸内スライダー42は、
図示せぬスプリングによってX軸油圧シリンダ48方向
に付勢されていることから、X軸油圧シリンダ48の油
室48′内の作動油が油圧シリンダ39の油室39′内
に流入して、油室39′が広がる。このようにして、X
軸内スライダー42が、X軸油圧シリンダ48方向に移
動する。
【0024】図1に示す、操作部側におけるマイクロマ
ニピュレータ微動操作装置2のY軸微動操作機構51に
おいても、X軸微動操作機構50と同様の原理により、
マイクロマニピュレータ微動操作装置2のY軸微動ハン
ドル54を回転操作することにより、マイクロマニピュ
レータ3をY軸方向(前後方向)に微動操作することが
できる。また、Z軸微動操作機構52も同様に、Z軸微
動ハンドル55を回転操作することにより、マイクロマ
ニピュレータ3をZ軸方向(上下方向)に微動操作する
ことができる。
【0025】また、X軸微動ハンドル26の回転操作を
停止し、この状態で温度変化が起こると、作動油に体積
変化が起こる。このとき、従来の液圧遠隔操作型マイク
ロマニピュレータでは、操作部側のシリンダは移動せ
ず、作動部側のシリンダが移動することになってしま
う。そのため、作動部側のシリンダが移動することによ
り、微動移動部材等を介して、マイクロツールがドリフ
トするという心配があった。かかる点に鑑み、本発明に
おいては、温度変化に伴う作動油の体積変化により移動
しようとするX軸内スライダー42の移動量と実質的に
同一量だけ逆方向に移動するバイメタル式補償装置32
を取り付けて、X軸内スライダー42の移動、ひいては
マイクロツール9のドリフトを防止しようとするのであ
る。
【0026】ここで、図4を用いてバイメタル式補償装
置32の機能について説明する。常温時のバイメタル3
2Bは、実線で示すように、ほぼ垂直な状態を維持して
いる。そして、周囲の温度が変化、たとえば上昇して、
油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリンダ48(図3参
照)の油室39′,48′内の作動油が膨張した場合、
バイメタル式補償装置32を設けない場合は、その作動
油の膨張により、X軸内スライダー42が側板46方向
に移動することになる。このとき、本発明におけるバイ
メタル式補償装置32のバイメタル32Bを、温度が上
昇したときに、X軸内スライダー42が移動しようとす
る方向と逆の方向、すなわちバイメタル受32A方向
(図面左方向)に湾曲するようにしておき、かつ、その
湾曲量を、X軸内スライダー42が移動しようとする量
と実質的に同じ量(湾曲の前後におけるボール37の移
動量に相当する。)となるようにしておく。その結果、
ピストン36と操作部側ピストン微動移動操作手段との
間の距離を、X軸内スライダー42が移動しようとする
方向と逆の方向に遠ざけることになる。したがって、X
軸内スライダー42が動かないようにすることができ
る。一方、バイメタル式補償装置32を設けずに、温度
が下降した場合には、X軸内スライダー42は、側板4
4方向に移動することになるので、バイメタル式補償装
置32におけるバイメタル32Bは、ピストン36方向
(図面右方向)に湾曲するようにする。すると、ピスト
ン36と操作部側ピストン微動移動操作手段との間をX
軸内スライダー42が移動しようとする方向と逆の方向
に近づけることになり、やはりX軸内スライダー42が
動かないようにすることができる。なお、バイメタル3
2Bの湾曲量は、使用する作動油の膨張率や、油室3
9′,48′の容量等に基づいて適宜決定され、バイメ
タル32Bの素材やその長手方向の長さ等を勘案して調
整することができる。従って、温度変化に伴う作動油の
体積変化があった場合でも、マイクロマニピュレータ3
に取り付けられたマイクロツール9(図1参照)はドリ
フトしない。そのため、例えば長時間にわたって観察を
行う際等、周囲の温度が変化する状況にあったとして
も、マイクロツール9の先端位置をドリフトさせること
なく、正確に保持することができる。
【0027】ここで、本発明の効果を示すために行った
実験について述べる。図5は、比較例及び本発明例の実
験に用いた装置の概要を示す図である。比較例に係る実
験装置60は、第1シリンダ61の開口部に進退可能に
ピストン62を嵌合させ、この開口部にキャップ63を
かぶせて水槽R内の水中に沈める一方、スライダー64
の突片64aに先端が固定されたピストン65を嵌合す
る第2シリンダ66を載置台67に固定した。第1シリ
ンダ61及び第2シリンダ66には、それぞれ閉塞部近
傍にホース接続口61a,66aが設けられており、こ
れらホース接続口61a,66aにホース68が接続さ
れ、このホース68を介して、第1シリンダ61の内部
と第2シリンダ66の内部が連結され、作動油が充填さ
れている。また、第2シリンダ66に嵌合するピストン
65は、スライダー64の突片64aを介して、載置台
67に固定されたスプリングSにより第2シリンダ66
方向に付勢されている。スライダー64には、微小針6
9が載置されている。
【0028】これに対して、本発明例に係る実験装置7
0は、第1シリンダ71の開口部に進退可能にピストン
72を嵌合させ、この開口部にキャップ73をかぶせて
水槽R内の水中に沈め、ビニール袋Vに入れている。ピ
ストン72とキャップ73との間には、キャップ73の
内面に固定したバイメタル受32A及びバイメタル32
Bを備えるバイメタル式補償装置32を介在させてい
る。一方、スライダー74の突片74aに先端が固定さ
れたピストン75を嵌合する第2シリンダ76を載置台
77に固定した。第1シリンダ71及び第2シリンダ7
6には、それぞれ閉塞部近傍にホース接続口71a,7
6aが設けられており、これらホース接続口71a,7
6aにホース78が接続され、このホース78を介し
て、第1シリンダ71の内部と第2シリンダ76の内部
が連結され、作動油が充填されている。また、第2シリ
ンダ76に嵌合するピストン75は、スライダー74の
突片74aを介して、載置台77に固定されたスプリン
グSにより第2シリンダ76方向に付勢されている。ス
ライダー74には、微小針79が載置されている。
【0029】かかる実験装置を用いて、水槽R内の水の
温度を、図6に示すように変化させて、その温度変化に
伴う比較例に係る実験装置60の微小針69及び本発明
例に係る実験装置70の微小針79の先端を、図示しな
い顕微鏡で、観察・測定した。この顕微鏡の接眼レンズ
には、目盛り(マイクロメーター)を入れておき、比較
例に係る実験装置60の微小針69、本発明例に係る実
験装置70の微小針79のそれぞれが指す目盛りを測定
し、水槽R内の水の温度と、微小針69,79の移動距
離との関係を調べた。図7に、比較例に係る実験装置に
おける微小針69が指した目盛りを白丸で示し、本発明
例に係る実験装置における微小針79が指した目盛りを
黒丸で示す。この図7に示すグラフより、比較例に係る
実験装置における微小針69は、水槽R内の水の温度変
化に伴い移動しているのに対して、本発明に係る実験装
置における微小針79は、水槽R内の水の温度変化があ
っても、常に目盛りとして100μmを指しており、そ
の移動量は0であることが判る。
【0030】他方、上記実施形態においては、作動油の
温度変化に伴う体積変化により微動移動部材が移動しよ
うとする量と実質的に同じ移動量を補償する補償装置と
して、バイメタル式補償装置を用いたが、その他の補償
装置として、例えば、固体式補償装置や電気式補償装置
などを用いることができる。
【0031】これらのうち、固体式補償装置を用いた場
合について説明すると、図8に示すように、図2に示す
バイメタル式補償装置32の代わりに、固定アングル材
90、平行ばね式微動移動装置91、揺動アングル材9
2、及び固体式補償装置93等が設けられる。この固体
式補償装置93の先端にボール94が固持されており、
このボール94は、揺動アングル材92に接している。
油圧シリンダ39は、ベース板11に立設したブラケッ
ト95に固持されている。この固体式補償装置93は、
温度変化による体積変化の大きい固体、たとえばポリテ
トラフルオロエチレン樹脂や高密度ポリエチレン樹脂な
どを主要な素材として、柱状に形成されている。固体式
補償装置93は、ピストン36の進退方向に伸長・収縮
するように体積変化する。この固体式補償装置93の構
成の一例について説明すると、図9(a)に示すよう
に、固体式補償装置93においては、板状の金属板93
Aと、やはり板状のたとえばポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂板(以下、単に「樹脂板」という。)93Bが交
互に複数層に重なって形成されている。これらの金属板
93A、樹脂板93Bのうち、最上層の金属板93A1
の一端面と、その直下の層を形成する樹脂板93B1の
一端面とが接着され、接着部93C1とされている。こ
の樹脂板93B1の他端面と、その直下の金属板93A
2の他端面とが接着され、接着部93C2とされてい
る。以下、同様に金属板93Aと樹脂板93Bの一端面
同士と、金属板93Aと樹脂板93Bの他端面同士とが
交互に接着されて、接着部93Cが形成され、複数の層
が形成される。本実施形態では、13の層が形成されて
おり、箱状体93Dに収納されている。この固体式補償
装置93のうち、金属板93Aはほとんど伸縮せず、樹
脂板93Bが伸縮する。このように構成することによ
り、温度変化があった場合には、図9(b)に示すよう
に、層の中央にいくにしたがって、樹脂板93Bの伸長
量が加算されて、固体式補償装置93の中央部分の移動
量を大きくすることができるとともに、その伸縮方向の
直線性が担保される。
【0032】この固体式補償装置93の作用について説
明すれば、油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリンダ4
8(図3参照)の油室39′,48′内の作動油が温度
変化により、体積変化を起こした場合、固体式補償装置
93も同様に体積変化を起こす。この固体式補償装置9
3では、油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリンダ48
の油室39′,48′内の作動油が膨張してピストン3
6が側板13方向(図面左方向)に移動すると、固体式
補償装置93も膨張して、それぞれボール37,94を
介して揺動アングル材92を側板13方向に押圧する。
従って、油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリンダ48
の油室39′,48′内における作動油の体積が増加し
た場合に、油室39′,48′内の圧力は変化すること
はないので、X軸内スライダー42を動かないようにす
ることができる。油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリ
ンダ48の油室39′,48′内における作動油の体積
が減少した場合は、固体式補償装置93が収縮して、X
軸スライダー42を動かないようにすることができる。
【0033】なお、揺動アングル材92は、平行ばね式
微動移動装置91を介して固定アングル材90に取り付
けられており、この平行ばね式微動移動装置91によ
り、ピストン36は油圧シリンダ39方向に付勢されて
いるため、X軸微動ハンドル26を操作することによ
り、X軸内スライダー42を微動移動することができ
る。
【0034】また、上記の固体式補償装置93において
は、平行ばね式微動移動装置91を用いているが、これ
に代えて、スライダー等を適宜用いることもできる。
【0035】さらに、電気式補償装置を用いることもで
きる。この電気式補償装置は、ドリフトをもたらす液圧
の変化またはその原因である環境温度の変化を電気的手
段を介して補償する装置であり、電気信号変換には当業
者の技術水準にある装置を利用することができる。その
一例である圧電式の例により説明する。この補償装置
は、図10に示すように、図2に示すバイメタル式補償
装置32の代わりに、圧電素子板96A、圧電素子板受
96B、これらを固定するボルト96C,96C、配線
96D、及びコントロールボックス96Eからなる電気
式補償装置96を配し、それ以外はバイメタル式補償装
置32を用いた場合の実施形態と同一の構成とされてい
る。
【0036】圧電素子板96Aは、バイメタル32B同
様、上下方向に延在し、ピストン36の進退方向に湾曲
可能な板状体からなり、その下方位置にボール37が点
接触しており、その上端は、ボルト96C,96Cによ
って、圧電素子板受96Bに固定されている。圧電素子
板受96Bには、螺合部材31が固定されており、その
上下方向中央部は、回り止め板34により挟持され、回
動不能とされている。
【0037】また、圧電素子板96Aは、配線96Dを
介してコントロールボックス96Eに接続されている。
コントロールボックス96Eにおいては、温度変化に伴
う作動油の体積変化に基づいた圧電素子板96Aの湾曲
量(ボール37との接触部におけるピストン36の進退
方向移動量)を算出して、圧電素子板96Aを湾曲させ
る。具体的な例としては、図11に示すような回路が挙
げられる。この回路について説明すると、操作部及び作
動部の油圧シリンダ39、及びX軸油圧シリンダ48近
傍に、温度検出器、例えばサーミスタ97を配置し、温
度を検出する。このサーミスタ97を含むブリッジ回路
を構成し、増幅回路98を介してポテンショメーター9
9に接続する。このポテンショメーター99により、ア
クチュエーターたる圧電素子板96Aが湾曲する量を調
整するのである。このとき、温度検出器としては、上述
したサーミスタの他、熱電対などを用いることができ、
アクチュエーターとしては、圧電式のものや、電磁式な
どを使用でき、その種類は特に限定されない。また、例
えば、液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置の使
用時の温度変化を予測できるような場合には、予めアク
チュエーターの移動量を算出しておき、この算出値に基
づいて、アクチュエーターの移動量を調整するようにす
ることもできる。
【0038】また、上述したバイメタル式補償装置など
の補償装置は、ダイアル式の操作部に用いる他、いわゆ
るジョイスティックタイプの操作部に用いることもでき
る。その概要について、図12を用いて説明する。図1
2は、いわゆるジョイスティックタイプの操作部の一部
切欠き側面図である。この操作部は、ジョイスティック
Jの把持部101を把持し、矢印に示す方向に回転させ
ると、固定部材102が上下方向に移動し、Z軸ピスト
ン103を上下動させると、シリンダ104の油室10
4′からホース58に作動油が流出し、または油室10
4′に作動油が流入して、作動部のマイクロツール9
(図1参照)を上下動させる。ここで、固定部材102
とピストン103の間には、バイメタル受及びバイメタ
ルを備えるバイメタル式補償装置105が介在されてい
るため、上述した実施形態と同様の作用から、Z軸方向
のマイクロツール9のドリフトを防止することができ
る。また、ジョイスティックJを前後左右に動かすと、
固定球106に把持される可動球107が前後左右に微
動移動する。この可動球107が微動移動すると、図面
左右方向に延在する図示せぬX軸シリンダに嵌合するピ
ストン及び図面前後方向に延在する図示せぬY軸シリン
ダに嵌合するピストンが微動移動して、ホース56,5
7に作動油が流入・流出して、作動部側のマイクロツー
ル9が前後左右に微動移動する。このとき、Z軸ピスト
ン103同様、図示せぬX軸ピストン、Y軸ピストンに
も、それぞれバイメタル式補償装置装置108,109
が介在するため、作動油の温度変化に伴う体積変化によ
るマイクロツール9のドリフトを防止することができ
る。
【0039】なお、上記固体式、電気式のいずれの補償
装置を用いた場合においても、作動部側は、上記のマイ
クロマニピュレータ3を用いることができる。また、バ
イメタル式、固体式、電気式のいずれの補償装置も、螺
合部材31とピストン36との間に設けたが、X軸微動
機構80におけるピストン43とX軸油圧シリンダ48
との間に介在させる構成としてもよいし、あるいは、螺
合部材31とピストン36との間及びX軸微動機構80
におけるピストン43とX軸油圧シリンダ48との間の
双方に介在させる構成とすることもできる。すなわち、
本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装
置では、操作部と、作動油を送油して、操作部側ピスト
ン微動移動手段の操作量を作動部に伝達する部分(以
下、「伝達部」という)の間および/または伝達部と作
動部の間に、上記各補償装置を挿入して、温度による伝
達部の伸縮を補償する。これらの補償装置は、伝達部の
温度上昇による伸びと等しい量だけ収縮し、伝達部の温
度下降による収縮と等しい量だけ伸長する。かくして、
マイクロツールのドリフトが防止されるのである。
【0040】上記の補償装置を設ける各実施形態におい
ては、操作部側と作動部側の温度が等しい場合には、別
段の考慮をすることなく、温度変化に伴う作動油の体積
変化を補償することができる。その一方で、例えば実験
材料として哺乳類の細胞を使用するときなど、作動部側
の温度をほぼ一定に保っておきたい場合には、操作部の
温度と作動部の温度が異なることが想定される。そこ
で、操作部側及び作動部側の温度を温度検出手段によっ
て検出し、その温度差をなくすように、操作部側の温度
を調節することもできる。また、ホース内の作動油の量
は、油室内の作動油の量と比べて少なく、一般的に使用
されるホースは、温度の上昇により若干膨張し、温度の
下降により収縮し、作動液の膨張・収縮を吸収するよう
に作用するので、温度変化に伴う作動油の体積変化を補
償するにあたり、ホース内の作動油の量は、無視して考
えることもできる場合が多い。
【0041】なお、バイメタル式などの補償装置を設け
る位置は、上記実施形態においては、操作部側ピストン
微動移動手段と操作部側ピストンとの間とされている
が、この位置に限定されるものではなく、たとえば、微
動移動部材と作動部側ピストンの間、あるいは操作部側
シリンダと作動部側シリンダの間におけるホースにつけ
る等、操作部側ピストン微動移動操作手段と微動移動部
材との間の適宜の位置に直接的または間接的に取り付け
ることができる。この操作部側シリンダと作動部側シリ
ンダの間にホースを取り付ける態様について簡単に説明
すると、図13に模式的に示すように、操作部側におけ
る油圧シリンダ39と作動部側におけるX軸油圧シリン
ダ48の間におけるホース56から分岐する分岐ホース
56′の先端に、補償用シリンダ59Aを連通する。こ
の補償用シリンダ59Aに嵌合する補償用ピストン59
Bの先端に固定されたボール59Cを介して、図示しな
い基板に固定されたバイメタル受32Aとバイメタル3
2Bを備えるバイメタル式補償装置32を接続する。こ
のバイメタル式補償装置32により、周囲の温度が上昇
して作動油が膨張したときにはバイメタル32Bが遠ざ
かり、逆に周囲の温度が下降して作動油が収縮した場合
にはバイメタル32Bが近づいて、マイクロツールのド
リフトを防止することができる。
【0042】さらに、上記の各実施形態では、マイクロ
マニピュレータ微動操作装置の油圧シリンダとマイクロ
マニピュレータの油圧シリンダの横断面積の大きさを同
じ、すなわち1対1としたが、この比率に限定されるわ
けではなく、1対5等、他の比率でもよいことは勿論で
ある。このように、マイクロマニピュレータ微動操作装
置の油圧シリンダとマイクロマニピュレータの油圧シリ
ンダの横断面積の大きさを1対5にした場合には、一層
の微動操作ができるという利点がある。また、上記の各
実施形態では、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向の液圧遠隔
操作型マイクロマニピュレータ装置について説明した
が、本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュレー
タ装置は、これらのうちのいずれか1軸方向、または2
軸方向に移動するものにも適用できることはいうまでも
ない。
【0043】他方、上記の補償手段は、マイクロマニピ
ュレータ装置に限らず、液圧回路を有する装置であっ
て、作動液の体積変化に伴うドリフトの問題を生じうる
ような装置であれば、適宜応用的に用いることができ
る。たとえば、温度の変動する空間で、物理的・化学的
に危険な場所(放射能、有毒物質などのある場所)での
リモートコントロールによるミクロまたはサブミクロの
作業や、入口や空間全体が小さくて手が入らない場所で
の作業(将来的には、リモートコントロールによる人体
内に手術のように、体温の変動下での作業も考えられ
る。)に用いられる液圧回路を有する装置にも役立つも
のである。さらには、機械の中にボルトを落としたのを
拾ったり、古墳の中の遺物の採取などへの応用も考えら
れる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明によれば、
操作部側ピストンと操作部側ピストン微動移動操作手段
の間又は作動部側ピストンと微動移動部材の間などに、
操作部側液圧シリンダと作動部側液圧シリンダの間にお
ける作動液の温度変化に伴う体積変化により、微動移動
部材が移動しようとする量と実質的に同じ移動量を補償
する補償装置を備えるので、温度変化があった場合で
も、液圧マイクロマニピュレータに取付けられたマイク
ロツール先端はドリフトすることなく、正確にその先端
位置を保持することができる。従って、本発明によれ
ば、液圧による操作性の良さを保持しながら、しかも生
理学等で細胞等の試料に液圧マイクロマニピュレータの
マイクロツール先端を当接させたまま長時間にわたる観
察や操作をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュ
レータ装置を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるマイクロマニピュレータ微動操
作装置のX軸微動操作機構部分を示す分解斜視図であ
る。
【図3】本発明におけるマイクロマニピュレータのX軸
微動機構部分を示す分解斜視図である。
【図4】本発明におけるマイクロマニピュレータ微動操
作装置のX軸微動操作機構部分の作用を示す側面図であ
る。
【図5】本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュ
レータ装置の効果を示す実験に用いた装置の概略図であ
る。
【図6】本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュ
レータ装置の効果を示す実験における水槽内の水温の時
間変化を示すグラフである。
【図7】本発明に係る液圧遠隔操作型マイクロマニピュ
レータ装置の効果を示す実験における水槽内の水温と微
小針の移動量の関係を示すグラフである。
【図8】本発明において、固体式補償装置を用いたマイ
クロマニピュレータ微動操作装置のX軸微動操作機構部
分を示す側面図である。
【図9】(a)は、本発明における固体式補償装置の摸
式的断面図、(b)は、その伸長状態を示す摸式的断面
図である。
【図10】本発明において、電気式補償装置を用いたマ
イクロマニピュレータ微動操作装置のX軸微動操作機構
部分を示す分解斜視図である。
【図11】本発明における電気式補償装置のコントロー
ルボックス内の電気回路図である。
【図12】本発明において、X軸微動操作機構部分とし
て用いたジョイスティックの一部切欠き側面図である。
【図13】バイメタル式補償装置をホースに設けた場合
の摸式図である。
【図14】従来のマイクロマニピュレーション装置の構
成を概略的に説明する説明図である。
【符号の説明】
1 液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置 2 マイクロマニピュレータ微動操作装置 3 3次元液圧マイクロマニピュレータ(マイクロマ
ニピュレータ) 5 支柱 6 取付バー 7 締着具 8 ホルダー 9 マイクロツール 11 ベース板 13,14,15,16 側板 17 上板 18 ケース 25 X軸微動螺子軸 26 X軸微動ハンドル 31 螺合部材 32 バイメタル式補償装置 32A バイメタル受 32B バイメタル 34 回り止め板 36 ピストン 37 ボール 38 支持プレート 39 油圧シリンダ 39′ 油室 41 X軸外スライダー 42 X軸内スライダー 43 ピストン 44,46 側板 48 X軸油圧シリンダ 48′ 油室 50 X軸微動操作機構 51 Y軸微動操作機構 52 Z軸微動操作機構 54 Y軸微動ハンドル 55 Z軸微動ハンドル 56,57,58 ホース 80 X軸微動機構 81 Y軸微動機構 82 Z軸微動機構 84 締着具取付台 85 L字型押え板 86 締付ボルト 90,90′ 固定アングル材 91 平行ばね式微動移動装置 92 揺動アングル材 93 固体式補償装置 93A 金属板 93B 樹脂板 93C 接着部 93D 箱状体 94 ボール 95 ブラケット 96 電気式補償装置 96A 圧電素子板 96B 圧電素子板受 96C ボルト 96D 配線 96E コントロールボックス 105,108,109 バイメタル式補償装置 J ジョイスティック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台に固定された操作部側液圧シリンダ
    と、この操作部側液圧シリンダ内に進退可能に嵌合した
    操作部側ピストンと、この操作部側ピストンを微動移動
    させる操作部側ピストン微動移動操作手段とを有するマ
    イクロマニピュレータ微動操作装置と、 作動部側液圧シリンダと、この作動部側液圧シリンダ内
    に進退可能に嵌合した作動部側ピストンと、この作動部
    側ピストンに取り付けられた微動移動部材と、前記操作
    部側液圧シリンダと前記作動部側液圧シリンダを連結す
    るホースとを有する液圧マイクロマニピュレータとを備
    えるとともに、 前記操作部側ピストン微動移動操作手段と前記微動移動
    部材との間に介在され、前記操作部側液圧シリンダと前
    記作動部側液圧シリンダの間における作動液の温度変化
    に伴う体積変化により、前記微動移動部材が移動しよう
    とする量と実質的に同じ移動量を補償するバイメタル式
    補償装置を備え、 このバイメタル式補償装置が介在される間の距離を、前
    記微動移動部材が移動しようとする量と実質的に同じ量
    だけ、前記微動移動部材が移動しようとする方向と逆の
    方向に遠ざけ、または近づけるようにされていることを
    特徴とする液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記バイメタル式補償装置に代えて、固
    体式補償装置を備えることを特徴とする請求項1記載の
    液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置。
  3. 【請求項3】 前記バイメタル式補償装置に代えて、電
    気式補償装置を備えることを特徴とする請求項1記載の
    液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ装置。
  4. 【請求項4】 前記マイクロマニピュレータ微動操作装
    置が前後方向、左右方向及び上下方向の3次元方向に微
    動操作が可能で、前記液圧マイクロマニピュレータが前
    後方向、左右方向及び上下方向の3次元方向に微動移動
    可能なことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    か一つに記載の液圧遠隔操作型マイクロマニピュレータ
    装置。
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