JPH11188490A - レーザ穴明け加工装置 - Google Patents

レーザ穴明け加工装置

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JPH11188490A
JPH11188490A JP9360433A JP36043397A JPH11188490A JP H11188490 A JPH11188490 A JP H11188490A JP 9360433 A JP9360433 A JP 9360433A JP 36043397 A JP36043397 A JP 36043397A JP H11188490 A JPH11188490 A JP H11188490A
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尚 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ発振器を発振させた状態で、加工対象
物へのレーザビームの照射開始及び照射停止を行うこと
ができるレーザ穴明け加工装置を提供する。 【解決手段】 レーザビーム12を発するレーザ発振器
11とレーザビームを加工対象物13の表面で走査させ
るガルバノミラー15との間に音響光学素子17を設け
る。音響光学素子は、ドライバー18から信号に応じて
レーザビームを加工対象物へ向けて出射するか、ビーム
ダンパー19へ出射する。レーザビームの加工対象物へ
の照射開始、照射停止は音響光学素子により実現できる
ので、レーザ発振器を停止させる必要はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ穴明け加工
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工装置は、レーザ発振器からの
レーザビームを、適当な光学系を介して加工対象物に照
射し、その切断や溶接等の加工を行う装置である。
【0003】従来、この種のレーザ加工装置では、レー
ザビームを加工対象物の所望の位置に照射するために、
レーザビームの進行方向を変更するガルバノミラーまた
はポリゴンミラーか、加工対象物を移動させるX−Yス
テージが用いられている。
【0004】レーザ加工装置で使用されるレーザ発振器
としては、紫外光を発するエキシマレーザから遠赤外光
を発する炭酸ガスレーザまで様々なものが利用可能であ
る。通常、加工には大きな光強度を要するので、これら
のレーザのうちパルス発振レーザが使用される。
【0005】レーザ発振器からのレーザビームは、光フ
ァイバやミラーを介して、あるいは直接ガルバノミラー
等に導かれ、光学レンズを介して、あるいはその逆の構
成(光学レンズを介してガルバノミラーに導く構成)
で、もしくはそのまま加工対象物に照射される。実際の
加工では、まず、ガルバノミラー等を駆動して、レーザ
ビームが加工対象物の所望の位置に照射されるように光
路を調整し、必要なパルス数のレーザビームを照射する
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ加工装置
では、ガルバノミラー等を機械的に駆動して光路を変更
するため、光路調整に時間がかかり、レーザ発振器のパ
ルス発振周波数に同期させて光路変更を行うことができ
ない。つまり、従来のレーザ加工装置には、レーザ発振
器を発振させた状態、つまりレーザ発振(パルス強度)
が安定した状態で、加工を開始することができないとい
う問題点がある。
【0007】特に、単一の加工対象物に対して複数の所
望位置の加工を連続的に行う場合は、光路変更に要する
時間が、各位置間の距離に依存するので、これらの距離
が均一でなければ、レーザ発振器の停止から再発振まで
の時間はランダムとなり、再発振時におけるレーザ発振
器の状態が均一でなく、加工品質を一定に保つことがで
きなくなる。
【0008】本発明は、レーザ発振器を発振させた状態
で、加工対象物へのレーザビームの照射開始及び照射停
止を行うことができるレーザ加工装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、レーザ
発振器からのレーザビームを加工対象物に照射して、該
加工対象物の加工を行うレーザ穴明け加工装置におい
て、前記レーザビームの光路上に偏向光学素子を配し、
前記加工対象物への前記レーザビームの照射を制御する
ようにしたことを特徴とするレーザ穴空け加工装置が得
られる。
【0010】前記偏向光学素子としては、前記レーザビ
ームの強度変調を行う光変調素子が使用できる。
【0011】また、前記偏向光学素子としては、前記レ
ーザビームの進行方向を変える光偏向素子も使用でき
る。この場合、前記光偏向素子から出射される2方向の
レーザビームのうち、一方のレーザビームを吸収するダ
ンパーを設けることが必要となる。
【0012】さらにまた、前記偏向光学素子は、電気光
学素子であってもよいし、音響光学素子であってもよ
い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0014】図1に本発明の一実施の形態を示す。図1
のレーザ穴空け加工装置は、レーザ発振器11と、レー
ザ発振器11から出射するレーザビーム12を加工対象
物13へと導くための複数のミラー14と、レーザビー
ム12を加工対象物13上で走査するためのガルバノミ
ラー15と、ガルバノミラー15からのレーザビームを
加工対象物13上に集光する加工レンズ16と、レーザ
ビーム12の光路上であって、ガルバノミラー15より
もレーザ発振器11側に配された音響光学素子17と、
音響光学素子17を駆動するドライバー18と、音響光
学素子17から加工対象物へ向かう光路を外れて出射す
るレーザビームを吸収するビームダンパー19とを有し
ている。
【0015】レーザ発振器11から出射したレーザビー
ム12は、2つのミラー14で順次反射され、音響光学
素子17に入射する。
【0016】音響光学素子17は、二酸化テルル(Te
2 )、モリブデン酸鉛(PbMoO4 )などの単結晶
または石英(SiO2 )からなる音響光学媒体に圧電素
子を接着し、圧電素子に電気信号を印加することにより
超音波を発生させて、音響光学媒体内に伝搬させること
で、その結晶の屈折率を変化させ、そこを通過する光に
回折を生じさせる素子である。本実施の形態では、この
ような音響光学素子17のうち、レーザビームを角度変
調する光偏向素子を用いている。この音響光学素子は、
ドライバ18から駆動信号が入力されていないときは、
レーザビーム12を加工対象物へ向かう光路上に出射
し、駆動信号が入力されているときは、レーザビーム1
2をビームダンパー19へ出射する。
【0017】音響光学素子17から加工対象物へ向かう
光路上に出射されたレーザビーム12は、ミラー14で
反射され、ガルバノミラー15に入射する。また、ビー
ムダンパー19に入射したレーザビーム12は、ビーム
ダンパー19に吸収される。
【0018】ガルバノミラー15は、加工対象物の所望
の位置にレーザビーム12が入射するようにレーザビー
ムの進行方向を調整して出射させる。
【0019】加工レンズ16は、ガルバノミラー15か
らのレーザビーム12を加工対象物の表面に集光する。
【0020】以上のような構成において、加工対象物の
加工を行う場合、ガルバノミラー15を駆動して光路調
整を行い、その後、レーザビームを加工対象物に照射す
る、という点では、従来と同様である。しかしながら、
本実施の形態では、ガルバノミラー15による光路調整
を行っている間は、音響光学素子17にドライバ18か
ら駆動信号を印加して、レーザビーム12が、ビームダ
ンパー19に向かうようにする。そして、ガルバノミラ
ー15による光路調整が終了した後、ドライバ18から
音響光学素子17への駆動信号の供給を停止する。そし
て、所定パルス数のレーザビームが照射された(所定時
間が経過した)ならば、再び、ドライバ18から音響光
学素子17へ駆動信号の供給してレーザビームの加工対
象物への照射を停止する。
【0021】ここで、音響光学素子17を用いて光のパ
ルス変調を行った場合、その立上がり時間はnsオーダー
から10μsec 程度であるので、一般のキロヘルツオー
ダーのパルス発振周波数を有するレーザ発振器に対して
は、十分な応答速度である。従って、この後、上記の動
作を繰り返せば、レーザ発振を停止させることなく、複
数の加工位置に対して連続的な加工が可能となる。
【0022】なお、レーザ発振器11としては、例え
ば、YLFレーザやYAGレーザ(いずれも第3高調
波)が使用できる。これらのレーザ発振器のパルス周波
数は、〜5kHzと、従来利用されていたTEA−CO
2 レーザ(<1kHz)よりも非常に高く、高速加工が
期待できる。これは、レーザ発振器を停止させる必要が
なくなったことから、発振時のパルス強度安定性を考慮
する必要がなくなったので可能となった。
【0023】また、上記実施の形態では、音響光学素子
として、光偏向素子を用いた場合について説明したが、
レーザビームの強度変調を行う光変調素子を用いること
もできる。光変調素子を用いた場合は、ビームダンパー
19は不要になると共に、加工対象物の材質に応じて、
加工対象物に照射されるレーザビーム12の光強度を細
かく調整することができる。また、加工対象物の加工閾
値を利用して、選択的加工が可能になる。
【0024】さらに、上記実施の形態では、偏向光学素
子として音響光学素子17を用いる場合について説明し
たが、他の偏向光学素子、即ち、電気光学素子を用いて
もよい。電気光学素子は、KDP(KD2 PO4 )や、
LiTaO3 等の結晶を用い、外部から電界を加えたと
きに結晶の複屈折性が生じ、その結晶中を通過する光の
偏光面が変化する、ポッケルス効果あるいはカー効果と
呼ばれる電気光学効果を利用するものである。
【0025】さらに、上記実施の形態では、音響光学素
子17に駆動信号を印加したときに、レーザビーム12
がビームダンパー19へ向かうようにしたが、図2に示
すように、駆動信号を印加したときに加工対象物へと向
かい、駆動信号を印加しないときにビームダンパーへ向
かうようにしても良い。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ加工装置の光路
上に偏向光学素子を配して、レーザビームの変調を行う
ようにしたことで、レーザ発振器を停止させることな
く、複数の加工位置に対して連続的に加工を施すことが
できる。また、加工品質を一定に保つことができる。
【0027】さらに本発明によれば、発振周波数の高い
レーザ発振器を使用することができるので、安定した加
工を高速で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
11 レーザ発振器 12 レーザビーム 13 加工対象物 14 ミラー 15 ガルバノミラー 16 加工レンズ 17 音響光学素子 18 ドライバー 19 ビームダンパー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器からのレーザビームを加工
    対象物に照射して、該加工対象物の加工を行うレーザ穴
    明け加工装置において、前記レーザビームの光路上に偏
    向光学素子を配し、前記加工対象物への前記レーザビー
    ムの照射を制御するようにしたことを特徴とするレーザ
    穴明け加工装置。
  2. 【請求項2】 前記偏向光学素子が、前記レーザビーム
    の強度変調を行う光変調素子であることを特徴とする請
    求項1のレーザ穴明け加工装置。
  3. 【請求項3】 前記偏向光学素子が、前記レーザビーム
    の角度変調を行う光偏向素子であることを特徴とする請
    求項1のレーザ穴明け加工装置。
  4. 【請求項4】 前記光偏向素子から出射される2方向の
    レーザビームのうち、一方のレーザビームを吸収するダ
    ンパーを備えたことを特徴とする請求項3のレーザ穴明
    け加工装置。
  5. 【請求項5】 前記偏向光学素子が電気光学素子である
    ことを特徴とする請求項1のレーザ穴明け加工装置。
  6. 【請求項6】 前記偏向光学素子が音響光学素子である
    ことを特徴とする請求項1のレーザ穴明け加工装置。
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