JPH11188392A - 高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法 - Google Patents

高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法

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JPH11188392A
JPH11188392A JP36040997A JP36040997A JPH11188392A JP H11188392 A JPH11188392 A JP H11188392A JP 36040997 A JP36040997 A JP 36040997A JP 36040997 A JP36040997 A JP 36040997A JP H11188392 A JPH11188392 A JP H11188392A
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文昭 戸沢
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義男 百束
Kunihiro Takahashi
邦広 高橋
Michio Ikematsu
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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高含水率泥土、泥水又は汚泥を、処理土の容積
増加が少ない状態で、短時間でその流動性を失わせ、強
度が大きく再利用又は廃棄の容易な処理土とすることが
できる高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法を提
供する。 【解決手段】高含水率泥土、泥水又は汚泥に、含水率が
50重量%以下の土又は砂を添加して調泥、前処理する
ことを特徴とする高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固
化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高含水率泥土、泥
水又は汚泥の改質固化方法に関する。さらに詳しくは、
本発明は、浚渫工事、建設工事、トンネル工事などの工
事現場で発生する高含水率泥土、泥水や、ヘドロ、スラ
ッジ類、あるいは上・下水処理場などで発生する高含水
率汚泥を、処理土の容積増加が少ない状態で、短時間で
再利用又は廃棄が容易な形態の処理土に改質することが
できる高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】石油井、ガス井、地熱井、トンネル工事
や、ダム、湖沼、河川、海底などの浚渫工事、建設工
事、その他の工事現場で発生する泥土、泥水や、ヘド
ロ、スラッジ類、あるいは上・下水処理場などで発生す
る汚泥は、含水量が多く流動性に富むために、通常のダ
ンプカーやトラックなどによる運搬作業を困難なものと
している。このため、従来はこれらの泥土、泥水又は汚
泥に、石灰あるいはセメント系の固化剤を混合して処理
したり、水溶性高分子化合物又は高吸水性樹脂を混合し
て処理したり、天日乾燥による圧密、自然乾燥処理を行
ったり、脱水処理機械により泥土を強制脱水する処理な
どが行われてきた。しかし、これらの方法には、含水率
が極めて高い泥土、泥水、汚泥を改質することができな
い、処理に長時間を要する、処理土がアルカリ性となっ
て再利用が制限される、処理土の強度が低い、特殊な設
備を要するなど、さまざまな問題があった。このため、
含水率が99重量%に達するような高含水率の泥土、泥
水や、汚泥も、短時間で移送可能な形態とし、処理土の
容積増加も少ない状態で、再利用又は廃棄が容易な形態
の処理土とすることができる改質固化方法が求められて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高含水率泥
土、泥水又は汚泥を、処理土の容積増加が少ない状態
で、短時間でその流動性を失わせ、強度が大きく再利用
又は廃棄の容易な処理土とすることができる高含水率泥
土、泥水又は汚泥の改質固化方法を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高含水率泥土、
泥水又は汚泥に、含水率が50重量%以下の土又は砂を
添加して調泥、前処理することにより、改質固化が容易
になり、さらに高分子系改質剤、セメント系改質剤又は
石灰系改質剤を添加することにより、短時間で移送可能
な、再利用又は廃棄が容易な形態の処理土となし得るこ
とを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)高含水率泥土、泥
水又は汚泥に、含水率が50重量%以下の土又は砂を添
加して調泥、前処理することを特徴とする高含水率泥
土、泥水又は汚泥の改質固化方法、(2)含水率が50
重量%以下の土又は砂の添加量が、高含水率泥土、泥水
又は汚泥1m3に対し、100〜5,000kgである第
(1)項記載の高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方
法、(3)高分子系改質剤、セメント系改質剤又は石灰
系改質剤を添加する第(1)項又は第(2)項記載の高含水
率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法、及び、(4)植
物由来の吸水性物質、繊維状物質、無機多孔性物質及び
膨潤性粘土鉱物の中から選ばれた1種又は2種以上の物
質を添加する第(1)項、第(2)項又は第(3)項記載の高
含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法、を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の高含水率泥土、泥水又は
汚泥の改質固化方法は、石油井、ガス井、地熱井、トン
ネル工事や、ダム、湖沼、河川、海底などの浚渫工事、
建設工事、その他の工事現場で発生する泥土、泥水や、
ヘドロ、スラッジ類、あるいは上・下水処理場などで発
生する汚泥に適用することができる。泥土などの粒径が
大きいほど、水分がとりこまれにくく、処理しにくくな
るが、本発明方法において、高含水率泥土、泥水又は汚
泥とは、含水率が50重量%程度以上である泥土、泥水
又は汚泥をいう。本発明方法によって処理することので
きる泥土、泥水又は汚泥の含水率の上限は特に問わず、
例えば、含水率が99重量%以上に達するような、極め
て含水率の高い泥土、泥水又は汚泥も処理することがで
きる。なお、含水率とは、泥土、泥水又は汚泥の全重量
に占める水分の重量比であり、土木分野で一般に含水量
を表すために使われる含水比では、含水率50重量%が
含水比100%に相当する。本発明の高含水率泥土、泥
水又は汚泥の改質固化方法においては、高含水率泥土、
泥水又は汚泥に、含水率が50重量%以下の土又は砂を
添加して調泥、前処理する。本発明方法に使用する含水
率が50重量%以下の土又は砂には特に制限はなく、例
えば、建設発生土、採取土、山砂などを挙げることがで
きる。建設発生土としては、「建設発生土利用技術マニ
ュアル」(建設省大臣官房技術調査室監修、財団法人土
木研究センター発行)に規定される第一種建設発生土か
ら第四種建設発生土までのいずれの性状の建設発生土も
使用することができる。また、建設発生土に該当しない
土であっても、含水率が50重量%以下の土であれば、
本発明方法に使用することができる。本発明方法に使用
する土又は砂には特に制限はなく、砂利、砂、山砂、シ
ルト、粘土など通常の地盤を形成している土や砂や砕石
などを使用することができる。これらの中で、含水率が
25重量%以下の建設発生土、採取土及び山砂を特に好
適に使用することができる。本発明方法においては、含
水率が50重量%以下の土又は砂は、1種を単独で使用
することができ、あるいは2種類以上を組み合わせて使
用することもできる。
【0006】本発明方法において、含水率が50重量%
以下の土又は砂の添加量は、高含水率泥土、泥水又は汚
泥1m3に対して、100〜5,000kgであることが好
ましく、500〜1,500kgであることがより好まし
い。含水率が50重量%以下の土又は砂の添加量が、高
含水率泥土、泥水又は汚泥1m3に対し100kg未満で
あると、高含水率泥土、泥水又は汚泥に対する調泥、前
処理効果が不十分となり、固化処理が困難となるおそれ
がある。含水率が50重量%以下の土又は砂の添加量
は、通常は高含水率泥土、泥水又は汚泥1m3に対し5,
000kg以下で、高含水率泥土、泥水又は汚泥を十分に
調泥、前処理することができる。また、含水率が50重
量%以下の土又は砂の添加量が、高含水率泥土、泥水又
は汚泥1m 3に対して1,500kg以下であれば、処理土
の体積増加を1.2倍ないし1.3倍以下に抑えることが
できる。本発明方法においては、必要に応じて、調泥、
前処理後の高含水率泥土、泥水又は汚泥に、高分子系改
質剤、セメント系改質剤又は石灰系改質剤を添加するこ
とができる。高分子系改質剤、セメント系改質剤又は石
灰系改質剤を添加し、混練することにより、改質固化効
果を高め、処理土の強度を増大することができる。
【0007】本発明方法に使用する高分子系改質剤には
特に制限はなく、例えば、合成高分子系化合物の例とし
ては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸又は
そのナトリウム塩、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルメチルエーテルなどを挙げること
ができる。半合成高分子系化合物の例としては、ビスコ
ース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カチオン化セルロース、α化デンプン、カルボキシルデ
ンプン、ジアルデヒドデンプン、カチオン化デンプン、
デキストリン、ブリティシュゴム、カチオン化グアーガ
ム、アニオン化グアーガム、メチルグリコールキトサン
などを挙げることができる。また、天然高分子系化合物
としては、デンプン、マンナン、アルギン酸ナトリウ
ム、ローカストビーンガム、グアーガム、ペクチン、キ
タンサンガム、デキストラン、ゼラチン、ラムザンガ
ム、ジェランガムなどを挙げることができる。高吸水性
樹脂系の高分子化合物の例としては、ポリアクリル酸
塩、イソブチレン/マレイン酸塩共重合物、デンプン/
アクリル酸グラフト重合物、ビニルアルコール/アクリ
ル酸塩共重合物、アクリル繊維の表層加水分解物、ポリ
ビニルアルコール、デンプン/アクリロニトリルの加水
分解物などを挙げることができる。これらの高分子系改
質剤および高分子物質は、1種を単独で使用することが
でき、あるいは2種以上を組み合わせて使用することも
できる。
【0008】本発明方法において使用するセメント系改
質剤には特に制限はなく、例えば、ポルトランドセメン
ト、アルミナセメント、高炉セメントなどの各種のセメ
ントや、ポルトランドセメント系、アルミナセメント
系、高炉セメント系などの各種のセメント系改質剤など
を挙げることができる。これらのセメント系改質剤は、
1種を単独で使用することができ、あるいは2種以上を
組み合わせて使用することもできる。本発明方法におい
て使用する石灰系改質剤には特に制限はなく、例えば、
生石灰、消石灰などの各種の石灰や、生石灰系、消石灰
系などの各種の石灰系改質剤などを挙げることができ
る。これらの石灰系改質剤は、1種を単独で使用するこ
とができ、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
ともできる。また、高分子系改質剤、セメント系改質剤
及び石灰系改質剤は、それぞれ1種を単独で使用するこ
とができ、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0009】本発明方法においては、必要に応じて、植
物由来の吸水性物質、繊維状物質、無機多孔性物質及び
膨潤性粘土鉱物から選ばれた1種又は2種以上の物質を
添加することができる。本発明方法に用いる植物由来の
吸水性物質としては、例えば、パルプ、麻、綿、椰子屑
(Coir Pith)、藁、おがくず、ピートモス、
バークなどを挙げることができる。植物由来の吸水物質
は、その特性として吸水効果を有し、また繊維構造によ
って補強効果を発揮する。高含水率泥土、泥水又は汚泥
に植物由来の吸水物質を添加することにより、急速に高
含水率泥土、泥水又は汚泥中の水分が吸収され、処理土
は繊維によって補強されるので、強度の大きい、取り扱
いやすい固化した処理土が得られる。本発明方法に用い
る繊維状物質としては、アクリル、ポリエステルなどの
合成繊維、ウール、綿、絹、麻などの天然繊維、カーボ
ンファイバーなどの化学繊維、アセテートなどの半合成
繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど
の再生繊維、アスベスト、アタパルジャイトなどの繊維
状鉱物、パルプ、粉砕した古紙などを挙げることができ
る。これらの中で、粉砕した古紙を好適に使用すること
ができる。新聞古紙や雑誌古紙などの低密度の古紙粉砕
物が、効果上有利であるが、上質紙、中質紙、未晒系古
紙などその種類を問わず使用することができる。本発明
方法に用いる無機多孔性物質としては、例えば、ゼオラ
イト、パーライト、珪藻土焼成物、粘土鉱物多孔質焼成
物、ケイ酸カルシウム焼成物などを挙げることができ
る。無機多孔性物質は、空孔による吸水効果、粒径によ
る補強効果などにより、高含水率泥土、泥水又は汚泥の
固化に効果を発揮する。
【0010】本発明方法に用いる膨潤性粘土鉱物として
は、例えば、モンモリロナイト、バーミキュライト、ク
ロライト、カオリナイト、蛇紋岩、パテライト、ノント
ロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、
スチーブンサイト、膨潤性雲母などを挙げることができ
る。膨潤性粘土鉱物は、膨潤力による吸水効果、粘土質
による増粘効果などにより、高含水率泥土、泥水又は汚
泥を固化し、適度の強度を与える。含水率が50重量%
以下の土又は砂と、高含水率泥土、泥水又は汚泥を混
練、調泥する方法、及び、調泥後の泥土、泥水又は汚泥
に、高分子系改質剤、セメント系改質剤又は石灰系改質
剤や、その他の添加物を混練する方法には特に制限はな
く、処理すべき泥土、泥水又は汚泥の性状及び量に応じ
て、適当な建設機械などを選択することができる。この
ような建設機械としては、例えば、パワーショベル、ド
ラグショベル、バックホウ、二軸混練機などや、バケッ
トスタビライザーのようなバケット内に混合装置を有す
る掘削機械、撹拌機構を有する重機、混練機などを挙げ
ることができる。これらの中で、バケット内に混合装置
を有する掘削機械、例えば、バケットスタビライザー
は、撹拌効率が高く、時間あたりの処理能力も高いた
め、特に好適に使用することができる。本発明方法によ
れば、建設発生土、採取土、山砂などの安価な材料を用
いて、従来の方法によっては改質が困難であった含水率
が90重量%を超えるような高含水率泥土、泥水、汚泥
の改質固化が可能となる。本発明方法により改質固化し
た処理土は、元来土壌を構成しているさまざまな鉱物か
らなるため、雨などの自然の変化に対する対応力が高
く、雨水を吸収して再泥化することがない。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 下水汚泥処理現場より採取した高含水率下水汚泥(含水
率94重量%)10m 3に、山砂[礫分(粒径2〜75m
mの粒子)8重量%、砂分(粒径75μm〜2mmの粒
子)27重量%、シルト・粘土分(粒径75μm未満の
粒子)65重量%、含水率15重量%]10トンを添加
し、油圧式ショベルで10分間混練し、調泥した。調泥
した下水汚泥に、高分子系改質剤クリサットC−101
[栗田工業(株)製]50kgを添加し、さらに油圧ショベ
ルで10分間混練した。処理土の強度を、混練終了10
分後に、「建設発生土利用技術マニュアル」に規定され
る静的貫入抵抗(コーン指数:qc)の測定方法に従っ
て、コーンペネトロメータを用いて測定したところ、静
的貫入抵抗(qc)は0.8kgf/cm2であった。 実施例2 実施例1と同様に調泥した下水汚泥に、高分子系改質剤
クリサットC−101[栗田工業(株)製]50kgと椰子
屑(Coir Pith)150kgを添加し、油圧ショ
ベルで10分間混練した。処理土の強度を、混練終了1
0分後に、実施例1と同様にしてコーンペネトロメータ
ーを用いて測定したところ、静的貫入抵抗(qc)は2.
3kgf/cm2であった。 実施例3 実施例1と同様に調泥した下水汚泥に、高分子系改質剤
クリサットC−101[栗田工業(株)製]50kgと椰子
屑(Coir Pith)150kgを添加し、油圧ショ
ベルで10分間混練した。混練後さらに、セメント系改
質剤ジオライト−10[秩父小野田(株)製]1トンを添
加し、油圧ショベルでさらに10分間混練した。処理土
の強度を、混練終了10分後に、実施例1と同様にして
コーンペネトロメーターを用いて測定したところ、静的
貫入抵抗(qc)は8.9kgf/cm2であった。 比較例1 実施例1と同じ下水汚泥10m3に、山砂を加えて調泥
することなく、セメント系改質剤ジオライト−10[秩
父小野田(株)製]4トンを添加し、油圧ショベルで10
分間混練した。処理土は、混練後も流動性を示し、改質
後の強度を測定することはできなかった。 比較例2 実施例1と同じ下水汚泥10m3に、山砂を加えて調泥
することなく、高分子系改質剤クリサットC−101
[栗田工業(株)製]50kgと椰子屑(CoirPit
h)150kgを添加し、油圧ショベルで10分間混練し
た。混練後さらにセメント系改質剤ジオライト−10
[秩父小野田(株)製]1トンを添加し、油圧ショベルで
10分間混練した。処理土は、混練後も流動性を示し、
改質後の強度を測定することはできなかった。実施例1
〜3及び比較例1〜2の結果を第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】第1表の結果から、実施例1〜3の下水汚
泥に山砂を添加して調泥した処理土は、いずれもコーン
ペネトロメーターを用いた強度の測定が可能であり、高
分子系改質剤のみの添加、高分子系改質剤と椰子屑の2
種の添加、高分子系改質剤と椰子屑とセメント系改質剤
の3種の添加の順に、添加物の種類が増加するにつれて
静的貫入抵抗(qc)の値が増加し、処理土の強度が向
上していることが分かる。これに対して、下水汚泥に山
砂を添加して調泥しない場合は、比較例1のようにセメ
ント系改質剤を多量に添加しても、また、比較例2のよ
うに実施例で最もよい結果が得られた組み合わせの添加
物を添加しても、静的貫入抵抗(qc)の測定が可能と
なるほどには処理土の強度は向上しない。 実施例4 基礎工事現場より発生した排泥水(含水率99重量%)
10m3に、場内工事で発生した掘削土[礫分(粒径2
〜75mmの粒子)5重量%、砂分(粒径75μm〜2mm
の粒子)21重量%、シルト・粘土分(粒径75μm未
満の粒子)74重量%、含水率40重量%]30トンを
添加し、油圧ショベルで10分間混練し、調泥した。調
泥した排泥水に、高分子系改質剤クリサットC−333
L[栗田工業(株)製]30kgを添加し、さらに油圧ショ
ベルで10分間混練した。処理土の強度を、混練終了1
0分後に、実施例1と同様にしてコーンペネトロメータ
ーを用いて測定したところ、静的貫入抵抗(qc)は0.
2kgf/cm2であった。 実施例5 実施例4と同様に調泥した排泥水に、高分子系改質剤ク
リサットC−333L[栗田工業(株)製]30kgと古紙
粉砕物150kgを添加し、油圧ショベルで10分間混練
した。処理土の強度を、混練終了10分後に、実施例1
と同様にしてコーンペネトロメーターを用いて測定した
ところ、静的貫入抵抗(qc)は2.1kgf/cm2であっ
た。 実施例6 実施例4と同様に調泥した排泥水に、高分子系改質剤ク
リサットC−333L[栗田工業(株)製]30kgと古紙
粉砕物150kgを添加し、油圧ショベルで10分間混練
した。混練後さらに消石灰1トンを添加し、油圧ショベ
ルで10分間混練した。処理土の強度を、混練終了10
分後に、実施例1と同様にしてコーンペネトロメータを
用いて測定したところ、静的貫入抵抗(qc)は5.5kg
f/cm2であった。 比較例3 実施例4と同じ排泥水10m3に、掘削土を加えて調泥
することなく、消石灰5トンを添加し、油圧ショベルで
10分間混練した。処理土は、混練後も流動性を示し、
改質後の強度を測定することはできなかった。 比較例4 実施例4と同じ排泥水10m3に、掘削土を加えて調泥
することなく、高分子系改質剤クリサットC−333L
[栗田工業(株)製]30kgと古紙粉砕物150kgを添加
し、油圧ショベルで10分間混練した。混練後さらに消
石灰1トンを添加し、油圧ショベルで10分間混練し
た。処理土は、混練後も流動性を示し、改質後の強度を
測定することはできなかった。実施例4〜6及び比較例
3〜4の結果を第2表に示す。
【0014】
【表2】
【0015】第2表の結果から、実施例4〜6の排泥水
に掘削土を添加して調泥した処理土は、いずれもコーン
ペネトロメーターを用いた強度の測定が可能であり、高
分子系改質剤のみの添加、高分子系改質剤と古紙粉砕物
の2種の添加、高分子系改質剤と古紙粉砕物と消石灰の
3種の添加の順に、添加物の種類が増加するにつれて静
的貫入抵抗(qc)の値が増加し、処理土の強度が向上
していることが分かる。これに対して、排泥水に掘削土
を添加して調泥しない場合は、比較例3のように消石灰
を多量に添加しても、また、比較例4のように実施例で
最もよい結果が得られた組み合わせの添加物を添加して
も、静的貫入抵抗(qc)の測定が可能となるほどには
処理土の強度は向上しない。
【0016】
【発明の効果】本発明の高含水率泥土、泥水又は汚泥の
改質固化方法によれば、石油井、ガス井、地熱井、トン
ネル工事や、ダム、湖沼、河川、海底などの浚渫工事、
建設工事、その他の工事現場で発生する泥土、泥水や、
ヘドロ、スラッジ類、あるいは上・下水処理場などで発
生する汚泥を、短時間で移送可能な形態とし、処理土の
容積増加も少ない状態で、再利用又は廃棄が容易な形態
の処理土とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 103:00 (72)発明者 池松 道雄 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高含水率泥土、泥水又は汚泥に、含水率が
    50重量%以下の土又は砂を添加して調泥、前処理する
    ことを特徴とする高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固
    化方法。
  2. 【請求項2】含水率が50重量%以下の土又は砂の添加
    量が、高含水率泥土、泥水又は汚泥1m3に対し、10
    0〜5,000kgである請求項1記載の高含水率泥土、
    泥水又は汚泥の改質固化方法。
  3. 【請求項3】高分子系改質剤、セメント系改質剤又は石
    灰系改質剤を添加する請求項1又は請求項2記載の高含
    水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法。
  4. 【請求項4】植物由来の吸水性物質、繊維状物質、無機
    多孔性物質及び膨潤性粘土鉱物の中から選ばれた1種又
    は2種以上の物質を添加する請求項1、請求項2又は請
    求項3記載の高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方
    法。
JP36040997A 1997-12-26 1997-12-26 高含水率泥土、泥水又は汚泥の改質固化方法 Expired - Fee Related JP3783388B2 (ja)

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