JPH11186215A - ウェットエッチングのエッチング量検出方法 - Google Patents

ウェットエッチングのエッチング量検出方法

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JPH11186215A
JPH11186215A JP35095897A JP35095897A JPH11186215A JP H11186215 A JPH11186215 A JP H11186215A JP 35095897 A JP35095897 A JP 35095897A JP 35095897 A JP35095897 A JP 35095897A JP H11186215 A JPH11186215 A JP H11186215A
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JP
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etching
temperature
solution
etching solution
rate
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JP35095897A
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English (en)
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Yoshitsugu Abe
▲よし▼次 阿部
Hiroshi Tanaka
浩 田中
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正確にエッチングの進行を把握して高精度なエ
ッチング量検出を行うことができるウェットエッチング
のエッチング量検出方法を提供する。 【解決手段】メインコントローラは予めエッチング液の
温度とシリコン基板のエッチングレートとの関係を求め
ておき、シリコン基板の所定領域を所定量ウェットエッ
チングする際に、所定時間毎にエッチング液の温度を測
定し、前記関係から当該液温でのエッチングレートを求
め、このエッチングレートを積算していきエッチング量
を検出する。そして、メインコントローラは積算値が所
定値になったときにエッチングが終了したとして水洗を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウェットエッチ
ングのエッチング量検出方法に関し、高温下で繰り返し
精度のよいエッチングを行う際に特に有効なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体圧力センサや加速度センサ等を製
造する際において、シリコン基板に凹部を形成して凹部
の底面部に薄肉部(ダイヤフラム)を形成している。こ
のとき、高温下で繰り返し精度のよい薄肉部を形成する
必要がある。そのために、特開平3−105920号公
報に開示されているように、基板の温度または基板ホル
ダの温度をモニタすることによりエッチングの終点を検
出することが考えられる。
【0003】ところが、単に基板の温度または基板ホル
ダの温度をモニタするだけでは正確にエッチングの進行
状態を把握することができず、高精度なエッチングを行
うという観点から更なる改良が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこのような
背景の元になされたものであり、その目的とするところ
は正確にエッチングの進行を把握して高精度なエッチン
グ量検出を行うことができるウェットエッチングのエッ
チング量検出方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、予めエッチング液の温度とシリコン基板のエッ
チングレートとの関係が求められ、シリコン基板の所定
領域を所定量ウェットエッチングする際に、所定時間毎
にエッチング液の温度が測定され、前記関係から当該液
温でのエッチングレートが求められ、このエッチングレ
ートを積算していきエッチング量が検出される。このよ
うにして、正確にエッチングの進行を把握して高精度な
エッチング量検出を行うことができる。
【0006】この手法に基づく適用例として、前記積算
値が所定値になった時、エッチングの終点であると判定
してエッチング終了のための水洗処理等を行うようにす
ると、所望の肉厚となったシリコン基板を得ることがで
きる。
【0007】ここで、請求項2に記載のように、エッチ
ング液を攪拌しながらエッチングを行うと、実用上好ま
しいものとなる。また、請求項3に記載のように、エッ
チング液の中におけるシリコン基板の上方にエッチング
液加熱用ヒータを配置するとともに、シリコン基板とエ
ッチング液加熱用ヒータとの間に攪拌翼を配置し、この
攪拌翼によりシリコン基板の全面にわたりエッチング液
を攪拌すると、エッチング液加熱用ヒータからの熱をシ
リコン基板の全面にわたり均一に伝えることができる。
【0008】また、請求項4に記載のように、エッチン
グに先立ち、予備加熱槽にてエッチング液を処理温度と
同等またはそれ以上の温度に調整するようにすると、エ
ッチング開始時の液温低下を最小限に抑えることができ
る。
【0009】ここで、請求項5に記載のように、予備加
熱槽にてエッチング液が所定温度になると、直ちにエッ
チング液をエッチング処理槽に移し替えるようにする
と、エッチング液の蒸発による濃度変動を抑制すること
ができる。
【0010】また、請求項6に記載のように、前記エッ
チング量が所定値となった時、処理槽の中に定流量の純
水を注入してエッチング液を希釈・冷却するとともに、
この間のエッチング進行量も加味してエッチングの終点
を検出すると、結果的に狙いのエッチング量を精度よく
確保できる。
【0011】また、請求項7に記載のように、前記エッ
チング液の温度とシリコン基板のエッチングレートとの
関係において、エッチングレートの変動要素としてエッ
チング前にエッチング液の濃度とエッチング液中の不純
物濃度の少なくともいずれか一方を取り込むようにする
と、これらの要素を加味したより正確なるエッチングレ
ートの算出を行うことができる。
【0012】ここで、請求項8に記載のように、前記エ
ッチング前のエッチング液の濃度は、それに代わる要素
を用いることができる。例えば、請求項9に記載のよう
に、前記エッチング液の濃度に代わる要素として、エッ
チング液の比重を用いると、実用上好ましいものとな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
の形態を図面に従って説明する。本実施形態は、ピエゾ
抵抗層を用いた半導体圧力センサを製造するエッチング
装置に具体化している。
【0014】図1には半導体圧力センサの断面を示す。 (110)面方位のP型シリコン基板1にはその一面に
厚さ10μmのN型エピタキシャル層2が形成され、こ
の積層体により半導体基板3が構成されている。P型シ
リコン基板1には一面に開口する凹部4が形成され、こ
の凹部4の底面4aにて薄肉部5が構成されている。こ
の薄肉部5がセンサダイヤフラムとなる。また、この凹
部4はウェットエッチングにより形成したものである。
【0015】N型エピタキシャル層2にはP+ 型不純物
拡散層6が形成され、このP+ 型不純物拡散層6が歪み
を感知するためのピエゾ抵抗となる。N型エピタキシャ
ル層2の表面にはシリコン酸化膜7が形成されている。
+ 型不純物拡散層6がアルミ配線8にてシリコン酸化
膜7の表面側に電気的に引き出されている。
【0016】図2には、ウエハ状態での半導体基板(シ
リコン基板)3に薄肉部(ダイヤフラム)5を形成する
ためのウェットエッチング装置の概略図を示す。ウェッ
トエッチング装置は、基台14と筒状の枠体15と蓋体
16とを備え、これら部材はテフロンが用いられ、高絶
縁性で、かつ断熱性と耐腐食性に優れている。基台14
の上には枠体15が開口部を下にした状態で配置され、
基台14と枠体15との間には気密用Oリング17が介
在されている。また、枠体15の上面開口部には蓋体1
6が取り付けられ、Oリング18により液密状態となっ
ている。この基台14と枠体15と蓋体16とにより密
閉容器(エッチングポット)40が構成され、この容器
40内にアルカリ異方性エッチング液としての32wt
%KOH水溶液19が配置できるようになっている。
【0017】基台14の上面14aは平滑なるウエハ載
置面となっており、この上面14aにエッチングを行お
うとするウエハ状態の半導体基板3(以下、シリコンウ
エハという)が配置される。このとき、シリコンウエハ
3のP型シリコン基板1(図1参照)が上を向きP型シ
リコン基板1の表面が32wt%KOH水溶液19と接
することとなる。
【0018】基台14における上面(ウエハ載置面)1
4aの外周部には負圧室形成用凹部20が環状に形成さ
れている。枠体15の下面にはリング状のパッキン21
が固着され、このパッキン21はシリコンウエハ3の外
周縁を挟んだ状態で負圧室形成用凹部20の開口部を塞
いでいる。そして、図示しない真空ポンプ等により負圧
室形成用凹部20内を排気(真空引き)することによ
り、パッキン21が吸引されてシリコンウエハ3が移動
不能に固定されるようになっている。このように、シリ
コンウエハ3の外周縁でのエッチング面に対するマスキ
ングはパッキン21により行われる。また、この排気
(真空引き)により基台14と枠体15とが吸引固定さ
れる。
【0019】図2において、蓋体16には密閉容器40
内に至る供給通路22が設けられ、この供給通路22に
てバルブ23を通して密閉容器40内に32wt%KO
H水溶液19が、バルブ24を通して純水が、バルブ2
5を通して窒素ガスが、それぞれ供給できるようになっ
ている。ここで、32wt%KOH水溶液19の密閉容
器40への供給系は、図3に示すように、タンク51と
ポンプ52と予備加熱槽53を具備している。KOH原
料はメーカーから搬入され、このKOH原料に対し所定
の濃度(32wt%)に調合されたエッチング液50が
タンク51に所定量入れられる。このエッチング液50
がポンプ52によりウエハ1枚をエッチングするのに必
要な量だけ汲み上げられて予備加熱槽53に供給され
る。予備加熱槽53において液の温度が調整され、この
温度調整後のKOH水溶液が図2の密閉容器40内に供
給されるようになっている。このように密閉容器40内
においてエッチングのために使用される32wt%KO
H水溶液19は、原料を原料メーカーから定期的に搬入
し(一回の搬入分を1ロットとし)、これを所定の濃度
に調合しタンク51に入れて(一回分を1建浴バッチと
して)使用される。
【0020】また、図2において、蓋体16には密閉容
器40の内外を連通する排出通路26が設けられ、この
排出通路26の一端はパイプ27にて密閉容器40内の
底部に開口している。そして、このパイプ27および排
出通路26を通して密閉容器40内の32wt%KOH
水溶液19や純水等が排出できるようになっている。
【0021】ヒータ28が蓋体16を貫通する状態で配
置され、かつ、Oリング29にて気密が保持されてい
る。このヒータ28を通電することによりヒータ28が
発熱して32wt%KOH水溶液19を昇温することが
できる。また、温度センサ30が蓋体16を貫通する状
態で配置され、かつ、Oリング31にて気密が保持され
ている。この温度センサ30によりKOH水溶液19の
温度が検出される。温度コントローラ32は温度センサ
30による32wt%KOH水溶液19の温度を監視し
つつヒータ28を通電制御して32wt%KOH水溶液
19の温度を110℃に保持する。
【0022】密閉容器40内には攪拌翼33が配置さ
れ、蓋体16に取り付けられたモータ34によりカップ
リング35を介して攪拌翼33が回転して32wt%K
OH水溶液19を攪拌する。攪拌翼33はOリング36
にて気密が保持されている。そして、32wt%KOH
水溶液19の中におけるシリコンウエハ3の上方にエッ
チング液加熱用ヒータ28を配置するとともに、シリコ
ンウエハ3とエッチング液加熱用ヒータ28との間に攪
拌翼33を配置し、この攪拌翼33によりシリコンウエ
ハ3の全面にわたり32wt%KOH水溶液19を攪拌
する。すると、エッチング液加熱用ヒータ28からの熱
をシリコンウエハ3の全面にわたり均一に伝えることが
できる。このように本装置は32wt%KOH水溶液1
9を攪拌しながらエッチングを行うようになっている。
【0023】メインコントローラ37は開始スイッチ3
8からの信号によりエッチングの開始を検知するととも
にモータ34、温度コントローラ32、バルブ23,2
4,25を駆動制御するようになっている。また、メイ
ンコントローラ37は温度コントローラ32から密閉容
器40内の32wt%KOH水溶液19の温度データを
入力して液温Tを取り込むことができるようになってい
る。さらに、メインコントローラ37には入力装置(例
えばキーボード)39が接続され、この入力装置39に
より各種のデータ入力を行うことができるようになって
いる。メインコントローラ37はマイコンを中心に構成
されている。
【0024】メインコントローラ37はメモリ37aを
備え、このメモリ37aには、次式が記憶されている。
つまり、所定時間内の32wt%KOH水溶液19の温
度T(単位;℃)とシリコンウエハ3のエッチングレー
トRn(単位;μm/sec)との関係式が記憶されて
いる。
【0025】 Rn=k1・b・{1+0.5682(1.325−a)}・exp{−58 13.9/(T+273)} ・・・(1) ただし、aはKOH水溶液の比重、bはKOH水溶液中
の不純物濃度に関する補正係数、k1は定数(t秒毎に
液温を計測する場合、k1=593300・tにて表さ
れる)。
【0026】ここで、この式(1)について言及する。
本発明者らが行った実験によると、KOH水溶液19の
温度Tが変化すると、図4に示すようにエッチングレー
トが変動することが分かった。ここで本例においてはウ
エハ毎に少量の新鮮なエッチング液(KOH水溶液)を
用い、また、密閉容器40にはテフロン等の耐腐食性材
料が使用されているため、エッチング処理時の汚染およ
び濃度変動はほとんど無い。また、予備加熱槽53にて
エッチング液が所定温度になると、直ちにエッチング液
をエッチング処理槽に移し替える。このようにすると、
エッチング液の蒸発による濃度変動はほとんど無い(濃
度変動を抑制することができる)。従って、液温T以外
のエッチングレートの変動要因として、KOH建浴時の
調整量バラツキによる濃度変動とメーカーから搬入した
原料中の微量不純物濃度(Pb)の変動がある。即ち、
本発明者らが行った実験によると、図5に示すようにK
OH水溶液19の濃度によりエッチングレートが変動す
るとともに、図6に示すようにPb濃度によりエッチン
グレートが変動することが分かった。そこで、これらの
変動要素(液濃度とPb濃度)を所定範囲内に入るよう
に管理するとともに、その中でのエッチングレートへの
影響を把握すべく前述したように式(1)でのa値とb
値をエッチング前に作業者が図2の入力装置39を用い
てデータ入力することによりメインコントローラ37内
に取り込んでいる。つまり、KOH水溶液の濃度につい
ては、図7に示すように、調整時の管理範囲の32±1
wt%の領域では比重とほぼ比例関係にあり、建浴時に
比重aを測定し、エッチング前のKOH水溶液の濃度に
代わる要素(代替パラメータ)として記憶させている。
一方、原料中の微量不純物濃度(Pb)については、バ
ッチ毎に濃度の測定を行うことが困難なため、製造ロッ
トが変わった段階で、標準エッチング量が得られたとき
をb=1とした場合の比較値b(=d’/dO 、ここで
d’は先行評価したエッチング量、dO は標準エッチン
グ量)をKOH水溶液中の不純物濃度として記憶させて
いる。
【0027】このように液の比重aは建浴バッチ毎に計
測してメインコントローラ37に記憶されるとともに、
KOH中の微量金属不純物により変動する係数bはKO
H原料メーカーの製造ロットが変わる毎(半年〜1年に
1回)に評価して、メインコントローラ37に記憶され
ることになる。
【0028】次に、図2のウェットエッチング装置を用
いたウェットエッチング方法(半導体圧力センサの製造
方法)を説明する。図8は、メインコントローラ37が
実行する処理を示すフローチャートである。以下、この
フローチャートに従って説明していく。
【0029】まず、図1の(110)面のP型シリコン
基板(シリコンウエハ)1を用意する。このウエハは比
抵抗が10〜20Ω・cmである。このP型シリコン基
板(シリコンウエハ)1の一面にN型エピタキシャル層
2を成長させる。
【0030】さらに、P型シリコン基板1の表面におけ
る所定領域にマスク材10(図1参照)を配置する。マ
スク材10としてはシリコン窒化膜(SiN)が用いら
れる。このようにして、エッチング前のシリコンウエハ
3を用意する。このシリコンウエハ3に対し以後の処理
により各チップ形成領域毎の多数の凹部4が形成され
る。
【0031】図2に示すウェットエッチング装置に、シ
リコンウエハ3をセットする。この際、ウエハ裏面(被
エッチング面) を上向きにする。つまり、図2に示すよ
うに、シリコンウエハ3を基台14の上面14aに配置
し、負圧室形成用凹部20内を真空引きしてパッキン2
1にてシリコンウエハ3を固定する。
【0032】一方、メインコントローラ37は、図8の
ステップ101において32wt%KOH水溶液19の
原料ロットの変更に伴うb値データの入力操作が行われ
たか否か判定し、b値データの入力操作が行われると、
ステップ102で前述の式(1)中でのb値の更新処理
を行う。
【0033】また、メインコントローラ37は、ステッ
プ103において図3のタンク51内のKOH水溶液5
0の変更に伴うa値データの入力操作が行われたか否か
判定し、a値データの入力操作が行われると、ステップ
104で前述の式(1)中でのa値の更新処理を行う。
【0034】その後、メインコントローラ37はステッ
プ105で開始スイッチ38のオン操作に伴いエッチン
グを開始する。具体的には、図2のバルブ23を開け、
予め所定温度に加熱された32wt%KOH水溶液19
を密閉容器40に移し替える。つまり、図3に示すよう
に、所定の濃度に調合されたエッチング液50を所定量
タンク51に入れておき、ウエハ1枚をエッチングする
のに必要な量だけポンプ52で精度良く汲み上げ(例え
ば、250±10cc)、予備加熱槽53にて温度調整
し、この温度調整後のKOH水溶液を図2の密閉容器4
0内に入れる。
【0035】ここで、エッチングに先立ち、予備加熱槽
53にてエッチング液を処理温度と同等またはそれ以上
の温度に調整する。すると、エッチング開始時の液温低
下を最小限に抑えることができる。また、予備加熱槽5
3にてエッチング液が所定温度になると、直ちにエッチ
ング液をエッチング処理槽に移し替える。すると、エッ
チング液の蒸発による濃度変動を抑制することができ
る。
【0036】また、図3に示すように、予備加熱槽53
にも攪拌翼33が設けられ、エッチング液を攪拌するよ
うになっている。よって、予備加熱槽53内でのエッチ
ング液の温度を均一化することができる。
【0037】その後、メインコントローラ37は図8の
ステップ106での所定時間(1〜20秒程度、望まし
くは10秒以下)が経過したかのチェックを行いつつ、
ステップ107で32wt%KOH水溶液19を密閉容
器40内に移し替えた時点から所定時間(1〜20秒程
度、望ましくは10秒以下)毎にKOH水溶液19の温
度Tを測定し、ステップ108で前述の式(1)による
エッチングレートRnを算出する。
【0038】そして、メインコントローラ37はステッ
プ109で前回までのエッチングレート積算値ΣRnに
対し今回のエッチングレートRnを加算して積算値ΣR
nの更新を行う。メインコントローラ37はステップ1
10でエッチングレート積算値ΣRnが所定値(ねらい
値)になったか否か判定し、所定値になっていないとス
テップ106に戻る。このステップ106〜110の処
理が所定時間毎に行われ、エッチングレート積算値ΣR
nが増加していく。つまり、図9に示すように、エッチ
ングの進行とともに液温度が変化していき、図10に示
すように、各温度におけるエッチングレートを求めると
ともに、これを積算していく(図10での棒グラフの面
積計算を行う)。
【0039】そして、メインコントローラ37は図8の
ステップ110においてエッチングレート積算値ΣRn
が所定値になると、ステップ111に移行して、エッチ
ングの終点であるとして、図2のバルブ24を開け、純
水を密閉容器40内に注入する。つまり、密閉容器40
内に純水を注入して、32wt%KOH水溶液19を希
釈・冷却する。なお、この間にも若干量エッチングが進
行するため、この分を事前に考慮しておく。
【0040】そして、水洗が終了すると、密閉容器40
からシリコンウエハ3を取り出す。これにより、ウエハ
面内の各ダイヤフラム厚が所望の値となったシリコンウ
エハ3を得る。
【0041】以下、効果確認等のために各種の実験等を
行ったので、それを説明する。前述の式(1)の導出に
ついて言及する。シリコンのアルカリ液中でのエッチン
グレートRは一般的に R=k・exp(−Q/R・T’)・・・(2) にて表される。ただし、kは定数、Qは活性化エネルギ
ー、Rは気体定数、T’は絶対温度。
【0042】ここで、32wt%KOH水溶液19で
は、活性化エネルギーQ=48340J/molであ
り、気体定数R=8.3145J/mol・Kであるか
ら、この(2)式における()内の定数が決まる。これ
らに、図4〜6および図7のエッチングレートに関する
データから、定数項kを求めることにより、液の比重a
および補正係数bに対する所定時間内での液温Tとエッ
チングレートRnの関係式(1)が求められる。
【0043】実際にエッチングを行ったときのエッチン
グ量の繰り返しバラツキを調査した。処理条件は、液温
110℃、液濃度32%とした。液温の計測は5秒毎に
行った。エッチング量のねらい値270μmに対し、純
水注入後のエッチング量約1.5μmを考慮し、図8の
ステップ109での積算値ΣRnが268.5μm相当
量になった時点でエッチング終了の信号をメインコント
ローラ37から出力した。
【0044】図12には、時間管理にてエッチングを終
了する従来方式による測定結果(エッチング量とねらい
値の差)を示し、図11において●にて本方式による測
定結果を示す。図11に示すように、同一建浴バッチ内
での測定結果(エッチング量とねらい値の差)のバラツ
キは従来と本例とでほぼ同等であり、バッチ間について
は本例の方がバラツキが減少し、トータルとして本例の
方がエッチング量の繰り返し精度を向上することができ
た。
【0045】図13には、本例を用いた場合におけるエ
ッチング計算値とエッチング量の実際値の関係を示す
が、両者はほぼ一致していることが確認できている。以
上により、本方式を用いることにより、エッチングレー
トの変動パラメータを考慮したエッチングが可能であ
り、ウエハ間のエッチング量をより精度に制御し、繰り
返し精度のよいダイヤフラムを形成することができる。
【0046】以下、これまでの説明と重複するが、他の
技術との比較を行いつつ本方式の特徴について説明す
る。前述の式(2)において、拡散律速ではなくエッチ
ング反応が反応律速のため、液温T’の寄与度が大き
い。このため、エッチング中の温度を精密に制御する必
要がある。しかし、実際のエッチングにおいては、液温
が高い領域(70〜120℃)にて処理するため、例え
ばウエハをエッチング液に浸漬しただけでも一時的に液
温が低下してしまう。これは、少量のエッチング液にて
処理する場合より顕著になる。このため、本願出願人に
よる特開平8−264504号公報のごとく、図14に
示すように、液温が不安定なエッチング初期T1や終了
時T3にエッチング面に電圧を印加し、シリコンを陽極
酸化させ、この段階でのエッチング量の不安定要因(バ
ラツキ要因)を取り除く方法がある。この場合、陽極酸
化時のエッチングレートはエッチング時の1/50以下
になるため、エッチング中の温度を精密に制御(±0.
1℃)することにより、エッチングの繰り返し精度は大
幅に向上する。液温不安定領域で電圧印加をやめるに
は、この間のエッチング量を何らかの方法で推定する必
要がある。例えば、上述した式(2)を利用すると各液
温T’に対するエッチングレートRは推定できる。従っ
て、液温を短時間毎に細かくモニターし、その時々のエ
ッチングレートを計算すればよい。
【0047】しかし、図4〜図6に示すように、液温の
他、液濃度や液中微量不純物の影響により、液バッチ間
でエッチングレートが若干変動する。これらは液特有の
パラメータであり、エッチング中にモニタリングするの
は困難である。そこで、特開平8−264504号公報
による手法を用いてエッチング量の変動状況を液バッチ
毎にみたところ、同一建浴バッチ内ではバラツキが小さ
く(図12参照)、建浴バッチが異なると多少変動する
ことが分かった。更に、KOHメーカーの製造ロットが
変わるとよりバラツキが大きくなるという傾向があるこ
とが分かった(図12参照)。同一バッチ内では液の濃
度は同じであるが、建浴バッチが異なる水との調合量バ
ラツキにより、KOH濃度が変動する可能性がある(管
理範囲±1%)。また、KOHメーカーの製造ロットが
異なる場合、KOHの濃度の他、液中微量不純物の濃度
等も変化する。これらについては、管理範囲を行ってい
るが(例えばPbの場合、50ppb以下)、図6のよ
うに、その範囲内でもエッチングレートは変動する。し
かし、本実施形態においては事前にエッチングレートへ
の影響を調査しておきエッチングレート算出の際に反映
するので、バッチ間のバラツキを低減することができ
る。
【0048】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)メインコントローラ37のメモリ37aに予め3
2wt%KOH水溶液19(エッチング液)の温度Tと
シリコンウエハ3のエッチングレートRnとの関係を記
憶しておき、シリコンウエハ3の所定領域を所定量ウェ
ットエッチングする際に、メインコントローラ37は図
8のステップ107で所定時間毎にエッチング液の温度
Tを測定し、ステップ108でメモリ37aに記憶した
関係式から当該液温TでのエッチングレートRnを求
め、ステップ109でこのエッチングレートRnを積算
していき、ステップ110で積算値ΣRnが所定値にな
った時、エッチングの終点であると判定して、ステップ
111で水洗してエッチングを終了させる。このように
して、正確にエッチングの進行を把握して高精度なエッ
チング量検出を行うことができる。
【0049】また、特開平8−264504号公報にお
いては、(i)シリコンウエハに給電するための電極を新
たに設けなければならない、(ii)エッチングするウエハ
および処理槽を予め加熱しておかないと液温が設定温度
に安定するまでに時間を要する、(iii) 液濃度の僅かな
バラツキによってもエッチングレートが微妙に変動する
といった問題があるが、これに対し、本実施形態におい
ては、電圧を印加しなくても所望のエッチングを行い得
るとともに、液温の変化に対処でき時間の短縮化が可能
となる。また、液濃度の僅かなバラツキによるエッチン
グレートの変動の影響を軽減し得るものとなる。 (ロ)エッチング液を攪拌しながらエッチングを行うよ
うにしたので、実用上好ましいものとなる。 (ハ)エッチング液の温度Tとシリコンウエハ3のエッ
チングレートRnとの関係において、エッチングレート
の変動要素としてエッチング前にエッチング液の濃度お
よびエッチング液中の不純物濃度を取り込むようにした
ので、これらの要素を加味したより正確なるエッチング
レートの算出を行うことができ、実用上好ましいものと
なる。 (ニ)エッチング前のエッチング液の濃度はそれに代わ
る要素としてエッチング液の比重を用いているので、実
用上好ましいものとなる。 (ホ)エッチング量が所定値となった時、処理槽の中に
定流量の純水を注入してエッチング液を希釈・冷却する
とともに、この間のエッチング進行量も加味してエッチ
ングの終点を検出するようにした。よって、結果的に狙
いのエッチング量を精度よく確保できる。
【0050】これまでの説明においてはエッチング液の
温度とシリコン基板のエッチングレートとの関係におい
て、エッチングレートの変動要素としてエッチング前に
エッチング液の濃度とエッチング液中の不純物濃度を取
り込むようにしたが、エッチング液の濃度とエッチング
液中の不純物濃度のいずれか一方のみを取り込むように
してもよい。
【0051】また、これまでの説明においては、半導体
圧力センサにおけるダイヤフラム形成のためのエッチン
グについて述べたが、半導体加速度センサにおける薄肉
部形成のためのエッチング等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における半導体圧力センサの断面
図。
【図2】実施の形態におけるウェットエッチング装置の
概略図。
【図3】実施の形態におけるウェットエッチング装置の
説明図。
【図4】液温度とエッチングレートとの関係を示す図。
【図5】液濃度とエッチングレートとの関係を示す図。
【図6】Pb濃度とエッチングレートとの関係を示す
図。
【図7】KOH濃度と液比重との関係を示す図。
【図8】エッチング動作を説明するためのフローチャー
ト。
【図9】エッチングの際の液温の推移を示す図。
【図10】エッチングの際のエッチングレートの推移を
示す図。
【図11】エッチング量とねらい値の差の測定結果を示
す図。
【図12】エッチング量とねらい値の差の測定結果を示
す図。
【図13】エッチング量計算値とエッチング量実験値と
の関係を示す図。
【図14】エッチングを説明するためのタイムチャー
ト。
【符号の説明】
1…P型シリコン基板、2…N型エピタキシャル層、4
…凹部、19…32wt%KOH水溶液、30…温度セ
ンサ、37…メインコントローラ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めエッチング液の温度とシリコン基板
    のエッチングレートとの関係を求めておき、シリコン基
    板の所定領域を所定量ウェットエッチングする際に、所
    定時間毎にエッチング液の温度を測定し、前記関係から
    当該液温でのエッチングレートを求め、このエッチング
    レートを積算していきエッチング量を検出するようにし
    たことを特徴とするウェットエッチングのエッチング量
    検出方法。
  2. 【請求項2】 エッチング液を攪拌しながらエッチング
    を行うようにした請求項1に記載のウェットエッチング
    のエッチング量検出方法。
  3. 【請求項3】 エッチング液の中におけるシリコン基板
    の上方にエッチング液加熱用ヒータを配置するととも
    に、シリコン基板とエッチング液加熱用ヒータとの間に
    攪拌翼を配置し、この攪拌翼によりシリコン基板の全面
    にわたりエッチング液を攪拌するようにした請求項2に
    記載のウェットエッチングのエッチング量検出方法。
  4. 【請求項4】 エッチングに先立ち、予備加熱槽にてエ
    ッチング液を処理温度と同等またはそれ以上の温度に調
    整するようにした請求項1に記載のウェットエッチング
    のエッチング量検出方法。
  5. 【請求項5】 予備加熱槽にてエッチング液が所定温度
    になると、直ちにエッチング液をエッチング処理槽に移
    し替えるようにした請求項4に記載のウェットエッチン
    グのエッチング量検出方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチング量が所定値となった時、
    処理槽の中に定流量の純水を注入してエッチング液を希
    釈・冷却するとともに、この間のエッチング進行量も加
    味してエッチングの終点を検出するようにした請求項1
    に記載のウェットエッチングのエッチング量検出方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング液の温度とシリコン基板
    のエッチングレートとの関係において、エッチングレー
    トの変動要素としてエッチング前にエッチング液の濃度
    とエッチング液中の不純物濃度の少なくともいずれか一
    方を取り込むようにした請求項1に記載のウェットエッ
    チングのエッチング量検出方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチング前のエッチング液の濃度
    は、それに代わる要素を用いた請求項7に記載のウェッ
    トエッチングのエッチング量検出方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチング液の濃度に代わる要素と
    して、エッチング液の比重を用いた請求項8に記載のウ
    ェットエッチングのエッチング量検出方法。
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