JPH11185746A - アルカリ蓄電池用正極材 - Google Patents
アルカリ蓄電池用正極材Info
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- JPH11185746A JPH11185746A JP9349798A JP34979897A JPH11185746A JP H11185746 A JPH11185746 A JP H11185746A JP 9349798 A JP9349798 A JP 9349798A JP 34979897 A JP34979897 A JP 34979897A JP H11185746 A JPH11185746 A JP H11185746A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 利用率を向上させたアルカリ蓄電池用正極材
及び該正極材を用いたアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2であって、X線回折図
における(003)のピークのd値が8.2Å未満であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極材。
及び該正極材を用いたアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2であって、X線回折図
における(003)のピークのd値が8.2Å未満であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
正極材及び該正極材を用いたアルカリ蓄電池に関するも
のである。
正極材及び該正極材を用いたアルカリ蓄電池に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ニッケ
ル・カドミウム蓄電池やニッケル・金属水素化物蓄電池
等のアルカリ蓄電池に共通的に使用される水酸化ニッケ
ル正極は、電池の高エネルギー密度化の要望が高まる中
で、従来の焼結式に代えて、高容量密度化が可能なペー
スト式が主体となりつつある。このペースト式ニッケル
正極は、95%程度の高い多孔度を有する発泡ニッケル
基板やニッケル繊維基板に、水酸化ニッケル粉末をコバ
ルト化合粉末等と共に、充填、加圧成形して得られてい
る。このような発泡ニッケル基板は、ウレタン等の発泡
プラスチックにニッケルをメッキした後に加熱し、発泡
プラスチックを熱分解して発泡金属を得るものである。
ル・カドミウム蓄電池やニッケル・金属水素化物蓄電池
等のアルカリ蓄電池に共通的に使用される水酸化ニッケ
ル正極は、電池の高エネルギー密度化の要望が高まる中
で、従来の焼結式に代えて、高容量密度化が可能なペー
スト式が主体となりつつある。このペースト式ニッケル
正極は、95%程度の高い多孔度を有する発泡ニッケル
基板やニッケル繊維基板に、水酸化ニッケル粉末をコバ
ルト化合粉末等と共に、充填、加圧成形して得られてい
る。このような発泡ニッケル基板は、ウレタン等の発泡
プラスチックにニッケルをメッキした後に加熱し、発泡
プラスチックを熱分解して発泡金属を得るものである。
【0003】アルカリ蓄電池用正極材である水酸化ニッ
ケルの充放電中の反応は、一般的には、β−Ni(O
H)2とβ−NiOOHの間の反応を利用しており、これ
は一電子反応であるが、最も安定な反応であり、汎用さ
れている。
ケルの充放電中の反応は、一般的には、β−Ni(O
H)2とβ−NiOOHの間の反応を利用しており、これ
は一電子反応であるが、最も安定な反応であり、汎用さ
れている。
【0004】これをβ−Ni(OH)2とγ−NiOOH
の間の反応を利用することにより多電子反応とすると、
容量が増加するという利点がある。しかし、β−Ni
(OH)2 とγ−NiOOHの格子定数差により充放電
時の体積変化が大きいという問題がある。
の間の反応を利用することにより多電子反応とすると、
容量が増加するという利点がある。しかし、β−Ni
(OH)2 とγ−NiOOHの格子定数差により充放電
時の体積変化が大きいという問題がある。
【0005】一方、α−Ni(OH)2とγ−NiOOH
の間の反応を利用すると、これも多電子反応であるので
容量が増加するという利点があり、かつα−Ni(O
H)2とγ−NiOOHでは格子定数差が小さいので充
放電時の体積変化も小さく、好ましいものである。
の間の反応を利用すると、これも多電子反応であるので
容量が増加するという利点があり、かつα−Ni(O
H)2とγ−NiOOHでは格子定数差が小さいので充
放電時の体積変化も小さく、好ましいものである。
【0006】しかし、α−Ni(OH)2はアルカリ液中
で不安定であり、容易にβ−Ni(OH)2に変化してし
まうという問題があり、実用化できない原因となってい
た。。図1に代表的なα−Ni(OH)2のX線回折図と
そのピークの面指数を示す。
で不安定であり、容易にβ−Ni(OH)2に変化してし
まうという問題があり、実用化できない原因となってい
た。。図1に代表的なα−Ni(OH)2のX線回折図と
そのピークの面指数を示す。
【0007】このようなα−Ni(OH)2を安定化する
試みとして、Al、Fe、Cr等でNiの一部を置換し
た報告があり、その中でもAlについては、Al濃度と
電池特性(放電電位)の相関についての報告がなされて
いる(特開昭49−109842号公報)。しかし、同
公報においても、同一Al濃度における水酸化ニッケル
の結晶性と電池特性との相関については何等の報告もな
されていない。
試みとして、Al、Fe、Cr等でNiの一部を置換し
た報告があり、その中でもAlについては、Al濃度と
電池特性(放電電位)の相関についての報告がなされて
いる(特開昭49−109842号公報)。しかし、同
公報においても、同一Al濃度における水酸化ニッケル
の結晶性と電池特性との相関については何等の報告もな
されていない。
【0008】従って、本発明の目的は、電位を向上させ
たアルカリ蓄電池用正極材及び該正極材を用いたアルカ
リ蓄電池を提供することを目的とする。
たアルカリ蓄電池用正極材及び該正極材を用いたアルカ
リ蓄電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、アルカリ蓄電池用正極材として用いられるアル
ミニウムを含有した水酸化ニッケルとして、そのX線回
折図における(003)のピークのd値を制御すること
で、アルミニウム濃度を変えずに最大限の電位の向上が
得られることを知見した。
の結果、アルカリ蓄電池用正極材として用いられるアル
ミニウムを含有した水酸化ニッケルとして、そのX線回
折図における(003)のピークのd値を制御すること
で、アルミニウム濃度を変えずに最大限の電位の向上が
得られることを知見した。
【0010】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2であって、X線回折図
における(003)のピークのd値が8.2Å未満であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極材を提供する
ものである。
ので、下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2であって、X線回折図
における(003)のピークのd値が8.2Å未満であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極材を提供する
ものである。
【0011】また、本発明は、上記正極材を用いたアル
カリ蓄電池を提供するものである。
カリ蓄電池を提供するものである。
【0012】
【作用】水酸化物中ではNiは2価として存在するのに
対し、Alは3価で取り込まれていると考えられるの
で、その電荷補償のために、c面の層間にNO3 - 、C
O3 2- 等の陰イオンが取り込まれる。しかし現実には、
OH欠陥も多く存在するので、その分の電荷補償のため
にも同様に陰イオンが取り込まれ、層間にはAlの電荷
補償に必要な分よりも多量の陰イオンが存在すると考え
られる。合成条件を変え結晶性が向上するとc面の面間
隔が狭まるのは、OH欠損が減少しこれを補償していた
陰イオンが減ってAlの電荷補償に必要な量に近づいた
結果と考えられる。層間の陰イオンは充放電中のH+ の
出入りの障害となりやすいので、これが減少すれば、正
極材内の固相反応速度が上がり分極が小さくなった結
果、電位が上昇すると考えられる。
対し、Alは3価で取り込まれていると考えられるの
で、その電荷補償のために、c面の層間にNO3 - 、C
O3 2- 等の陰イオンが取り込まれる。しかし現実には、
OH欠陥も多く存在するので、その分の電荷補償のため
にも同様に陰イオンが取り込まれ、層間にはAlの電荷
補償に必要な分よりも多量の陰イオンが存在すると考え
られる。合成条件を変え結晶性が向上するとc面の面間
隔が狭まるのは、OH欠損が減少しこれを補償していた
陰イオンが減ってAlの電荷補償に必要な量に近づいた
結果と考えられる。層間の陰イオンは充放電中のH+ の
出入りの障害となりやすいので、これが減少すれば、正
極材内の固相反応速度が上がり分極が小さくなった結
果、電位が上昇すると考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルカリ蓄電池用正極材として用いられる水酸
化ニッケルは、下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2である。ここにおい
て、xが0.15以下では水酸化ニッケルのα相が安定
でなく、0.3以上では充放電に直接関与するニッケル
が減少することによる容量低下が、アルミニウム添加に
よる容量増加を上回ってしまう。また、Yは陰イオンを
示し、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン等である。
本発明のアルカリ蓄電池用正極材として用いられる水酸
化ニッケルは、下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2である。ここにおい
て、xが0.15以下では水酸化ニッケルのα相が安定
でなく、0.3以上では充放電に直接関与するニッケル
が減少することによる容量低下が、アルミニウム添加に
よる容量増加を上回ってしまう。また、Yは陰イオンを
示し、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン等である。
【0014】また、上記水酸化ニッケルのX線回折図に
おける(003)ピークのd値が8.2Å未満であるこ
とが必要である。(003)のピークのd値が8.2Å
以上では既存品に対して十分有意な電位の向上が認めら
れない。
おける(003)ピークのd値が8.2Å未満であるこ
とが必要である。(003)のピークのd値が8.2Å
以上では既存品に対して十分有意な電位の向上が認めら
れない。
【0015】更に、上記水酸化ニッケルのX線回折図に
おける(003)のピークの半値全幅は任意であるが、
好ましくは1.5deg未満、さらに好ましくは0.5
deg未満であることが望ましい。
おける(003)のピークの半値全幅は任意であるが、
好ましくは1.5deg未満、さらに好ましくは0.5
deg未満であることが望ましい。
【0016】上述したアルミニウム置換α−水酸化ニッ
ケルは、以下の方法によって製造される。先ず、水酸化
ニッケル製造原料としての金属塩水溶液及びアルカリ水
溶液は、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ニ
ッケル、硝酸ニッケル、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等が通常使用されるが、その他、
塩化アルミニウム、塩化ニッケル、アンモニア等も使用
できる。その中でも、同一合成条件下では硝酸塩と水酸
化リチウムの組み合わせから得られるアルミニウム置換
α−水酸化ニッケルの結晶性が最も良好である。
ケルは、以下の方法によって製造される。先ず、水酸化
ニッケル製造原料としての金属塩水溶液及びアルカリ水
溶液は、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ニ
ッケル、硝酸ニッケル、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等が通常使用されるが、その他、
塩化アルミニウム、塩化ニッケル、アンモニア等も使用
できる。その中でも、同一合成条件下では硝酸塩と水酸
化リチウムの組み合わせから得られるアルミニウム置換
α−水酸化ニッケルの結晶性が最も良好である。
【0017】これらアルミニウム/ニッケルを上記範囲
内で所定割合とした金属塩水溶液とアルカリ水溶液とを
混合する。混合時において、アルカリ/金属比を一定と
し均一に反応させるには、スタティックミキサーを使用
するとよい。その後、熟成、洗浄、濾過、乾燥してアル
ミニウム置換α−水酸化ニッケルを得る。
内で所定割合とした金属塩水溶液とアルカリ水溶液とを
混合する。混合時において、アルカリ/金属比を一定と
し均一に反応させるには、スタティックミキサーを使用
するとよい。その後、熟成、洗浄、濾過、乾燥してアル
ミニウム置換α−水酸化ニッケルを得る。
【0018】ここで、(1)アルカリ/金属比は大きい
ほど、得られるアルミニウム置換α−水酸化ニッケルの
結晶性は向上し、(2)熟成時の時間及び温度は、長い
ほどまた高いほど、アルミニウム置換α−水酸化ニッケ
ルの結晶性は向上する。しかし、α相の結晶性の向上過
程は、α→β転移反応との競合反応でもあるので、β転
移させずに高結晶なα相を得るためには、上記(1)及
び(2)の範囲に制限があり、それはAl濃度によって
異なる。
ほど、得られるアルミニウム置換α−水酸化ニッケルの
結晶性は向上し、(2)熟成時の時間及び温度は、長い
ほどまた高いほど、アルミニウム置換α−水酸化ニッケ
ルの結晶性は向上する。しかし、α相の結晶性の向上過
程は、α→β転移反応との競合反応でもあるので、β転
移させずに高結晶なα相を得るためには、上記(1)及
び(2)の範囲に制限があり、それはAl濃度によって
異なる。
【0019】すなわち、Al濃度が高いと、アルカリ/
メタル≧2(当量以上)の条件下でも、α相が維持され
結晶化が進む。また、Al濃度が低いと、当量では室温
熟成でもβ化がおこるのでアルカリ/メタル<2に設定
する必要がある。
メタル≧2(当量以上)の条件下でも、α相が維持され
結晶化が進む。また、Al濃度が低いと、当量では室温
熟成でもβ化がおこるのでアルカリ/メタル<2に設定
する必要がある。
【0020】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に
説明する。
説明する。
【0021】〔試験例1〕α−Ni(OH)2 中に置換
するAl濃度のみを変えて、放電電位を評価した。その
結果を図2に示す。また、利用率を評価した。その結果
を図3に示す。この図2〜3から明らかなように、Al
25%までは濃度の増加に応じて放電中間電位も利用率
も増加することが判る。
するAl濃度のみを変えて、放電電位を評価した。その
結果を図2に示す。また、利用率を評価した。その結果
を図3に示す。この図2〜3から明らかなように、Al
25%までは濃度の増加に応じて放電中間電位も利用率
も増加することが判る。
【0022】ここで利用率は、正極材の単位重量あたり
の放電容量をその材料に含有されるNiが2価から3価
に完全に酸化される時に得られる単位重量あたりの放電
容量で割った値とした。また、放電中間電位とは、3サ
イクル目の容量の半分の時点の電位を示す。
の放電容量をその材料に含有されるNiが2価から3価
に完全に酸化される時に得られる単位重量あたりの放電
容量で割った値とした。また、放電中間電位とは、3サ
イクル目の容量の半分の時点の電位を示す。
【0023】〔試験例2〕Al置換Ni(OH)2 の合
成において、熟成温度とアルカリ/金属比を変えた場合
に得られる相の分布を図4に示す。図4において、それ
ぞれ(a)はアルミニウム含有量20モル%(x=0.
2)、(b)はアルミニウム含有量10モル%(x=
0.1)、(c)はアルミニウム含有量5モル%(x=
0.05)である。また、●はα相単相、○はβ相単相
あるいはα+β混合相である。図4から、Al10モル
%及び5モル%では、当量条件ですでにβ相が生成する
のでα相が不安定なことが判る。
成において、熟成温度とアルカリ/金属比を変えた場合
に得られる相の分布を図4に示す。図4において、それ
ぞれ(a)はアルミニウム含有量20モル%(x=0.
2)、(b)はアルミニウム含有量10モル%(x=
0.1)、(c)はアルミニウム含有量5モル%(x=
0.05)である。また、●はα相単相、○はβ相単相
あるいはα+β混合相である。図4から、Al10モル
%及び5モル%では、当量条件ですでにβ相が生成する
のでα相が不安定なことが判る。
【0024】〔実施例1〕濃度1.5mol/lのNi
SO4 又はNi(NO3)2 +Al2(SO4)3 又はAl
(NO3)3 (但し、Ni:Al=8:2)の混合溶液1
リットルを、NaOH、LiOH又はNH3 の溶液1リ
ットルとスタティックミキサーを用いて混合した。
SO4 又はNi(NO3)2 +Al2(SO4)3 又はAl
(NO3)3 (但し、Ni:Al=8:2)の混合溶液1
リットルを、NaOH、LiOH又はNH3 の溶液1リ
ットルとスタティックミキサーを用いて混合した。
【0025】アルカリ/金属比は1〜3、熟成にはオー
トクレーブを使用し、温度は30〜150℃の間でα相
が生成するよう適当に設定した。熟成時間は16時間で
ある。得られた沈殿は純水で洗浄し、濾過し50℃で大
気乾燥した。この粉末を適当な手段で粉砕し、X線回折
を測定した。代表的なサンプル4種のX線回折図を図5
(a)〜(b)及び図6(a)〜(b)に、その合成条
件を表1に示す。なお、図5(a)は表1(a)の化合
物、図5(b)は表1(b)の化合物、図6(a)は表
1(c)の化合物及び図6(b)は表1(d)の化合物
のX線回折図である。
トクレーブを使用し、温度は30〜150℃の間でα相
が生成するよう適当に設定した。熟成時間は16時間で
ある。得られた沈殿は純水で洗浄し、濾過し50℃で大
気乾燥した。この粉末を適当な手段で粉砕し、X線回折
を測定した。代表的なサンプル4種のX線回折図を図5
(a)〜(b)及び図6(a)〜(b)に、その合成条
件を表1に示す。なお、図5(a)は表1(a)の化合
物、図5(b)は表1(b)の化合物、図6(a)は表
1(c)の化合物及び図6(b)は表1(d)の化合物
のX線回折図である。
【0026】
【表1】
【0027】電池試験は、これらの水酸化ニッケルを正
極材(正極活物質)として用い、正極材料:Co(O
H)2 :Co:PTFEバインダー=5:2:3:1の
重量比となるように混合した正極合剤を0.1g秤取
し、発泡ニッケルとニッケルメッシュで挟み込んだ構造
とした。対極にはニッケルメッシュを使用した。電解液
は0.1NLiOHを含有した7NKOHとした。充放
電共に0.2Cで行い、充電は7.5時間、放電のカッ
トオフ電位はHg/HgO参照電極に対して0.1Vと
した。
極材(正極活物質)として用い、正極材料:Co(O
H)2 :Co:PTFEバインダー=5:2:3:1の
重量比となるように混合した正極合剤を0.1g秤取
し、発泡ニッケルとニッケルメッシュで挟み込んだ構造
とした。対極にはニッケルメッシュを使用した。電解液
は0.1NLiOHを含有した7NKOHとした。充放
電共に0.2Cで行い、充電は7.5時間、放電のカッ
トオフ電位はHg/HgO参照電極に対して0.1Vと
した。
【0028】この結果、同一条件下で電池試験を行った
標準サンプル(CoとZnを含有し、Ni分は55.8
重量%)の利用率は140%であった。
標準サンプル(CoとZnを含有し、Ni分は55.8
重量%)の利用率は140%であった。
【0029】図7にX線回折図における(003)のピ
ークの半値全幅に対する利用率を、図8にX線回折図に
おける(003)のピークのd値に対する放電中間電位
を示す。この実施例1から同一Al濃度でも、結晶性が
向上すれば、Niに対する利用率も上るので、十分にγ
化し多電子反応が起こっていることが判る。また、同一
Al濃度でも、c面の面間隔が狭まれば放電電位が上が
ることが判る。単位重量あたりの放電容量も結晶性が向
上すると増大するが、最もよいものでは標準サンプルに
対し110%となった。
ークの半値全幅に対する利用率を、図8にX線回折図に
おける(003)のピークのd値に対する放電中間電位
を示す。この実施例1から同一Al濃度でも、結晶性が
向上すれば、Niに対する利用率も上るので、十分にγ
化し多電子反応が起こっていることが判る。また、同一
Al濃度でも、c面の面間隔が狭まれば放電電位が上が
ることが判る。単位重量あたりの放電容量も結晶性が向
上すると増大するが、最もよいものでは標準サンプルに
対し110%となった。
【0030】図9に表1(d)に示したサンプルと標準
サンプルの充放電図を示す。表1(d)のサンプルでは
Niの充電部分と酸素発生部が明確に分離されているこ
とが分かる。これにより、従来アルカリ蓄電池の正極に
必要不可欠とされていた過充電の必要がなくなり、充電
効率が向上することが期待できる。
サンプルの充放電図を示す。表1(d)のサンプルでは
Niの充電部分と酸素発生部が明確に分離されているこ
とが分かる。これにより、従来アルカリ蓄電池の正極に
必要不可欠とされていた過充電の必要がなくなり、充電
効率が向上することが期待できる。
【0031】〔比較例1〕濃度1.5mol/lのNi
SO4 +Al2(SO4)3 の混合溶液(Ni/Al=8/
2)1リットルを、アルカリ/メタル=4.36となる
ように調製したNaOH溶液1リットルとスタティック
ミキサーを用いて混合し、オートクレーブ中100℃で
熟成した他は、実施例1と同様にして処理し、実施例1
と同様に電池試験を行った。このアルミニウム含有水酸
化ニッケルのX線回折図を図10に示す。
SO4 +Al2(SO4)3 の混合溶液(Ni/Al=8/
2)1リットルを、アルカリ/メタル=4.36となる
ように調製したNaOH溶液1リットルとスタティック
ミキサーを用いて混合し、オートクレーブ中100℃で
熟成した他は、実施例1と同様にして処理し、実施例1
と同様に電池試験を行った。このアルミニウム含有水酸
化ニッケルのX線回折図を図10に示す。
【0032】図10からこのサンプルはα相単相でな
く、β相が混入していることが判る。このサンプルのα
相のピークについて注目すると、図5(b)のサンプル
より結晶性が良く、図6(a)に近いにも拘わらず、利
用率は141%と図5(b)のサンプルより21%も低
かった。また放電電位も図5(b)のサンプルよりも低
い。このことは、結晶性の良いα相の方がβ相よりも放
電電位も利用率も大きいと考えると説明がつく。このよ
うに、β−(Al,Ni)(OH)2よりも、α−(Al,
Ni)(OH)2の方が放電電位も高く利用率も大きい。
く、β相が混入していることが判る。このサンプルのα
相のピークについて注目すると、図5(b)のサンプル
より結晶性が良く、図6(a)に近いにも拘わらず、利
用率は141%と図5(b)のサンプルより21%も低
かった。また放電電位も図5(b)のサンプルよりも低
い。このことは、結晶性の良いα相の方がβ相よりも放
電電位も利用率も大きいと考えると説明がつく。このよ
うに、β−(Al,Ni)(OH)2よりも、α−(Al,
Ni)(OH)2の方が放電電位も高く利用率も大きい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルカリ
蓄電池用正極材によって、電位を向上させることができ
る。
蓄電池用正極材によって、電位を向上させることができ
る。
【図1】図1は、代表的なα−Ni(OH)2のX線回折
図。
図。
【図2】図2は、試験例1におけるAl濃度と放電中間
電位との関係を示すグラフ。
電位との関係を示すグラフ。
【図3】図3は、試験例1におけるAl濃度と利用率と
の関係を示すグラフ。
の関係を示すグラフ。
【図4】図4は、(Alx Ni1-x )(OH)2の合成にお
いて、熟成温度とアルカリ/メタルを変えた場合に得ら
れる相を示すグラフ。
いて、熟成温度とアルカリ/メタルを変えた場合に得ら
れる相を示すグラフ。
【図5】図5は、実施例1で得られたサンプルの代表例
のX線回折図。
のX線回折図。
【図6】図6は、実施例1で得られたサンプルの代表例
のX線回折図。
のX線回折図。
【図7】図7は、実施例1における(003)のピーク
の半値全幅に対する利用率を示すグラフ。
の半値全幅に対する利用率を示すグラフ。
【図8】図8は、実施例1における(003)のピーク
のd値に対する放電中間電位を示すグラフ。
のd値に対する放電中間電位を示すグラフ。
【図9】図9は、表1に示したサンプル(d)と標準サ
ンプルの充放電図。
ンプルの充放電図。
【図10】図10は、比較例1で得られたサンプルのX
線回折図。
線回折図。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記組成式 (Alx Ni1-x )(OH)2Y (但し、0.15<x<0.3、Yは陰イオン)で表さ
れるα型のAl置換Ni(OH)2であって、X線回折図
における(003)のピークのd値が8.2Å未満であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極材。 - 【請求項2】 X線回折図における(003)のピーク
の半値全幅が1.5deg未満である請求項1に記載の
アルカリ蓄電池用正極材。 - 【請求項3】 請求項1〜2に記載の正極材を用いたア
ルカリ蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9349798A JPH11185746A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | アルカリ蓄電池用正極材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9349798A JPH11185746A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | アルカリ蓄電池用正極材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11185746A true JPH11185746A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18406194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9349798A Pending JPH11185746A (ja) | 1997-12-18 | 1997-12-18 | アルカリ蓄電池用正極材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11185746A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010033909A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Gs Yuasa Corporation | アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 |
JP2015187052A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | 株式会社Gsユアサ | 水酸化ニッケル及びアルカリ蓄電池 |
JP2015187051A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | 株式会社Gsユアサ | 水酸化ニッケル及びアルカリ蓄電池 |
KR20180063220A (ko) | 2015-11-06 | 2018-06-11 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 정극 활물질 및 알칼리 전지 |
-
1997
- 1997-12-18 JP JP9349798A patent/JPH11185746A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010033909A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Gs Yuasa Corporation | アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 |
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KR20180063220A (ko) | 2015-11-06 | 2018-06-11 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 정극 활물질 및 알칼리 전지 |
US10644311B2 (en) | 2015-11-06 | 2020-05-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Positive electrode active material and alkaline battery |
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