JPH111842A - カバー用難燃性布帛 - Google Patents

カバー用難燃性布帛

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JPH111842A
JPH111842A JP10094303A JP9430398A JPH111842A JP H111842 A JPH111842 A JP H111842A JP 10094303 A JP10094303 A JP 10094303A JP 9430398 A JP9430398 A JP 9430398A JP H111842 A JPH111842 A JP H111842A
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weight
fiber
halogen
flame
fabric
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JP10094303A
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Inventor
Tetsuo Hara
哲郎 原
Akihiro Matsushita
晃弘 松下
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クッション材のウレタンフォームと組み合わ
せた場合の難燃性を満足させつつ、風合を損なうことな
く、通気性もよく、椅子張地やマットレスなどに適用し
た場合に、原型復帰力、座り心地などに優れたカバー用
難燃性布帛を提供する。 【解決手段】 スズ系化合物、またはスズ系化合物とア
ンチモン系化合物との混合物からなる難燃剤を含有する
ハロゲン含有繊維15〜85重量部と、ウール繊維およ
びセルロース系繊維の少なくとも1種の繊維85〜15
重量部との合計100重量部からなる布帛。布帛表面に
炎を接しても自己消化性を示すとともに、燃焼で生じた
炭化部分が炭化膜あるいは炭化層としてバリヤーとな
り、形態を保持するので、カバー用布帛として用いた場
合に、内部にクッション材として使われているウレタン
フォームの燃焼を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椅子張地、マット
レス、クッションなどに適したカバー用布帛に関するも
のであり、さらに詳しくは、このカバー用布帛や、その
内部のクッション材に難燃剤をコーティングしたり、特
殊な耐炎布や難燃性クッション材を用いることなく、優
れた難燃性と布張り家具の諸特性とを有するカバー用難
燃性布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インテリアなどの様々な繊維製品
について難燃化が強く要望されており、椅子張りやマッ
トレスなどのカバー用布帛も例外ではない。ところが、
一般に家具用椅子などにクッション材として使われてい
るウレタンフォームは極めて易燃性である。そこで、ウ
レタンフォームと組み合わせた場合の難燃性を確保する
ため、カバー用布帛として、ウール繊維100%やセル
ロース系繊維100%の織物を難燃加工したものや、こ
れらの織物裏面より難燃剤をバックコーティングしたも
のが用いられていた。しかしながら、これらは、いずれ
も耐久性を向上させるために樹脂剤を併用した加工であ
り、このため風合が硬く、通気性に劣ることから、原型
復帰力や座り心地などの椅子張地等としての性能に問題
があった。また、使用中や洗濯中に難燃剤が脱落するな
ど、難燃効果を持続する耐久性に劣っていたりする。こ
れらの問題を解決するため、カバー用布帛としてアラミ
ド繊維を用いた耐炎布を用いたり、内部のクッション材
として難燃剤を含有する特殊なクッション材、例えば、
難燃ポリウレタンフォームが用いられている。これらの
布帛やクッション材の場合、羊毛布や汎用ウレタンフォ
ームなどの従来素材に比較して難燃性には優れているも
のの、高価であったり、感触や座心地などにおいて実用
的に問題があり、普及が遅れている。
【0003】また、特開平5−106132号公報に
は、アンチモン系化合物を難燃剤として含有するアクリ
ル系繊維と他の可燃性繊維との複合体によりインテリア
繊維製品の難燃性を改良する技術が開示されているが、
更に難燃性改善の余地がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のカバー用布帛の現状に鑑み、クッション材とし
てのウレタンフォームと組み合わせた場合の難燃性を満
足させつつ、風合を損なうことなく、通気性もよく、椅
子張地やマットレスなどに適用した場合には、原型復帰
力、座り心地なども優れたカバー用難燃性布帛を提供せ
んとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、スズ系化合物からなる
難燃剤で高度に難燃強化したハロゲン含有繊維と、ウー
ル繊維やセルロース系繊維とが複合された布帛は、カバ
ー用布帛として用いた場合に、布帛表面に炎を接しても
自己消化性を示すとともに、布帛の燃焼で生じた炭化部
分が炭化膜あるいは炭化層としてバリヤーとなり形態を
保持することで、椅子、マットレス、クッションなどの
内部にクッション材として使われているウレタンフォー
ムなどの可燃物の燃焼を防ぐことができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、布帛を構成する繊維
が、スズ系化合物からなる難燃剤またはスズ系化合物と
アンチモン系化合物との混合物からなる難燃剤を含有す
るハロゲン含有繊維15〜85重量部と、ウール繊維お
よびセルロース系繊維の少なくとも1種の繊維85〜1
5重量部との合計100重量部からなる布帛であるカバ
ー用難燃性布帛である。
【0007】
【作用】前記のように、特開平5−106132号公報
に開示されているアンチモン系化合物を難燃剤として含
有するアクリル系繊維と他の可燃性繊維との複合体によ
る難燃性改良技術によっても難燃性は改善しうるが、前
記のようにスズ系化合物からなる難燃剤を用いた本発明
に係るカバー用難燃性布帛は、前記開示されているアン
チモン系化合物を難燃剤として用いたものより優れた難
燃効果を示す。この理由としては、アンチモン化合物よ
りもスズ系化合物のほうが、燃焼で生じた布帛の炭化部
分が形態を保持し易いためと考えられる。つまり、本発
明のカバー用難燃性布帛では、燃焼で生じた布帛の炭化
部分が形態を保持し、これが断熱材となって、ウレタン
フォームからなるクッション材などの布帛内側の可燃物
が熱分解して易燃性のガスになるのを妨げたり、そのガ
スに炎が接するのを妨げたりすることで、燃焼を防ぐも
のと考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるハロゲン含有
繊維は、難燃剤が含有されて高度に難燃強化されたもの
である。このハロゲン含有繊維としては、ハロゲンを1
7〜70重量%含む重合体に、難燃剤としてスズ系化合
物を単独で、またはスズ系化合物とアンチモン系化合物
との混合物を含有する繊維が好適に使用される。
【0009】前記ハロゲンを17〜70重量%含む重合
体としては、たとえばハロゲン含有単量体の重合物、ハ
ロゲン含有化合物を添加した重合体、または後加工によ
るハロゲン含浸重合体などが挙げられる。前記ハロゲン
含有重合体の具体例としては、たとえば塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどのハロ
ゲン含有ビニル単量体もしくはハロゲン含有ビニリデン
単量体の単独重合体または2種以上の共重合体;アクリ
ロニトリル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化
ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル−臭化ビニル、アクリロニトリル
−塩化ビニリデン−臭化ビニル、アクリロニトリル−塩
化ビニル−臭化ビニルなどハロゲン含有ビニル単量体も
しくはハロゲン含有ビニリデン重合体とアクリロニトリ
ルとの共重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、臭化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル単量体
またはハロゲン含有ビニリデン単量体の1種以上とアク
リロニトリルおよびこれらと共重合可能なビニル単量体
またはビニリデン単量体との共重合体;アクリロニトリ
ル単独重合体にハロゲン含有化合物を添加した重合体;
さらには、ハロゲン含有ポリエステルなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、前記単独
重合体や共重合体を適宜混合して使用してもよい。前記
アクリロニトリルやハロゲン含有ビニル単量体もしくは
ハロゲン含有ビニリデン単量体と共重合可能なビニル単
量体もしくはビニリデン単量体としては、たとえばアク
リル酸、そのエステル、メタクリル酸、そのエステル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、ビニ
ルスルホン酸およびその塩、メタクリルスルホン酸およ
びその塩、スチレンスルホン酸およびその塩などが挙げ
られ、それらの1種あるいは2種以上の混合物が用いら
れうる。
【0010】本発明では、前記ハロゲン含有重合体とし
て、アクリロニトリル30〜70重量%、好ましくは4
5〜60重量%、ハロゲン含有単量体70〜30重量
%、好ましくは55〜40重量%、およびこれらと共重
合可能な単量体0〜10重量%、好ましくは0〜5重量
%から構成される共重合体が好適に用いられる。アクリ
ロニトリルが前記の範囲未満では、重合体の耐熱性が著
しく低下し繊維製品として不適であり、また、前記の範
囲を超えると、ハロゲン含有量が低下し難燃性が低下す
る。また、ハロゲン含有単量体が前記の範囲未満では、
難燃性が低下し、また、前記の範囲を超えると、耐熱性
が低下し繊維製品として不適である。さらに、これらと
共重合可能な単量体は、必要に応じて用いられるが、前
記の範囲を超えると、コストアップや繊維物性の低下を
招く。
【0011】前記のように、ハロゲン含有重合体中のハ
ロゲン含有量は17〜70重量%である。ハロゲン含有
量が17重量%未満では、製造される布帛を難燃化する
ことが困難となり、また70重量%を超えると、布帛の
物性(強度、伸度、耐熱性など)、染色性、風合などの
性能が充分でなくなり、いずれも好ましくない。
【0012】つぎに、上記のようなハロゲン含有繊維中
に含まれる難燃剤は、スズ系化合物単独、あるいはスズ
系化合物とアンチモン化合物との混合物である。前記ス
ズ系化合物としては、スズ酸、メタスズ酸、塩化第一ス
ズ、塩化第二スズ、臭化第二スズ、ジブチルスズエチル
マレエートなどの有機スズ化合物が挙げられ、また、ア
ンチモン系化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化
アンチモン、アンチモン酸、オキシ塩化アンチモンなど
の無機アンチモン化合物などが挙げられる。ハロゲン含
有繊維中のこれら難燃剤の含有量は、スズ系化合物を単
独で使用する場合については0.5〜30重量%、好ま
しく0.5〜10重量%である。また、スズ系化合物と
アンチモン系化合物とを混合した難燃剤の場合には、ス
ズ系化合物が0.5〜30重量%、アンチモン系化合物
が2〜50重量%、好ましくは、スズ系化合物が0.5
〜10重量%、アンチモン系化合物が2〜35重量%で
ある。ハロゲン含有繊維中の難燃剤の含有量が前記の範
囲未満では、製造される布帛を難燃化することが困難と
なり、また前記範囲を超えると、布帛の物性(強度、伸
度)、あるいはハロゲン含有繊維製造時におけるノズル
詰まり、ろ布の目詰りなど、製造工程上の問題が生じ好
ましくない。
【0013】また、本発明で用いられるウール繊維の具
体例としては、羊毛、らくだ毛、山羊毛、絹などが挙げ
られ、また、セルロース系繊維の具体例としては、木
綿、レーヨン、麻などの様なものが挙げられるが、ウー
ル繊維やセルロース系繊維は、これらに限定されるもの
ではない。
【0014】本発明でいうカバー用難燃性布帛とは、例
えばクッション材等を包む布帛を指し、これらは椅子や
ソファーなどの他、マットレス、クッション・ピローな
どに用いられるものである。また、本発明に係るカバー
用難燃性布帛は、上記のようなスズ系化合物、またはス
ズ系化合物とアンチモン系化合物との混合物からなる難
燃剤を含有するハロゲン含有繊維と、ウール繊維および
セルロース系繊維から選択された少なくとも1種の繊維
とからなる。これら各繊維の割合としては、ハロゲン含
有繊維と、ウール繊維またはセルロース系繊維の一方と
からなる布帛の場合には、ハロゲン含有繊維85〜15
重量部と、ウール繊維またはセルロース系繊維18〜8
5重量部の合計100重量部から構成される。また、ハ
ロゲン繊維と、ウール繊維およびセルロース系繊維とか
らなる布帛の場合には、ハロゲン含有繊維15〜50重
量部、ウール繊維40〜70重量部とセルロース系繊維
10〜20重量部の合計100重量部から構成される。
いずれの場合も、ハロゲン含有繊維が前記の範囲未満で
は、製造された布帛を難燃化することが困難となり、ま
た、前記の範囲を超えると、燃焼で生じた布帛の炭化部
分の形態保持が困難となり、バリヤーとなって内部の易
燃物の燃焼を防止することが困難となる。ウール繊維や
セルロース系繊維が前記の範囲未満では、前記炭化部分
の形態保持が困難であり、前記の範囲を超えると、製造
された布帛を難燃化することが困難である。
【0015】本発明に係るカバー用難燃性布帛は、上記
のような難燃剤を含有するハロゲン含有繊維と、ウール
繊維やセルロース系繊維とを複合することで製造され
る。具体的には、原綿の状態で前記各繊維を混ぜたのち
布帛に加工する方法が好ましいが、各繊維を糸状態とし
て混ぜてもよい。糸は、好ましくは、メートル番手で6
0番手以下、さらに好ましくは40番手以下の太い番手
を用い、双糸撚り、または三個撚りとするのが、布帛に
強度や摩耗堅牢度などの物性特性を付与する点で好まし
い。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるも
のではない。なお、実施例の記載に先立ち、本明細書に
おける布帛についての難燃性の判定方法を以下に示す。
【0017】(1)BS−5852−Pt1法 これは英国での防炎性能試験基準であり、ウレタンフォ
ームを布で覆った座部と背部を直角に設定して、その接
触部分に、毎分45mlのブタンガスを供給するバーナ
ーで20秒間接炎したときの残炎秒数を測定した。判定
は、速やかに自己消化するものを「◎」、残炎が2分以
内に自己消化するものを「○」、2分を超えて延焼する
ものを「×」とした。 (2)クレビスバーナー法 これは日本防炎協会の布張家具等完成品の防炎性能試験
基準であり、ウレタンフォームを布で覆った座部と背部
を直角に設置して、その接触部分に、炎の長さ24mm
のエアミックスバーナーで30秒間接炎したときの残炎
秒数を測定した。判定は、同方法の炭化長や炭化部分の
形態も踏まえて、速やかに自己消化するものを「◎」、
残炎が2分以内に自己消化するものを「○」、2分を超
えて延焼するものを「×」とした。
【0018】(実施例1) (1) 難燃剤としてスズ系化合物を含むハロゲン含有繊維
の準備:アクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル、およびスチレンスルホン酸を、それぞれの単量体の
重量比47/20/32/1を用いて重合を行い樹脂を
得た。これをアセトンに溶解し、スズ酸を加え、固形分
にスズ酸が2重量%含まれる原液を作成した。次に湿式
紡糸を行い、単繊度が2デニールの繊維束を得た。続い
て、油剤および捲縮を付与して38mmに切断し当該繊
維を得た。 (2) 上記ハロゲン含有繊維とウール繊維の混用布帛の作
製:上記ハロゲン含有繊維とウール繊維の混用重量比が
70/30の混紡した糸メートル番手12番手双糸を用
いて、経糸26本/インチ、緯糸26本/インチの平織
り布帛を得た。なお、混紡、撚糸、織りは、公知のシス
テムで実施した。
【0019】(実施例2〜4) (1) 難燃剤としてスズ系化合物を含むハロゲン含有繊維
の準備:アクリロニトリルと塩化ビニルとメタリルスル
ホン酸を、それぞれの単量体の重量比49/50.5/
0.5を用いて重合を行い樹脂を得た(実施例2)。ア
クリロニトリルと塩化ビニリデンとメタリルスルホン酸
を、それぞれの単量体の重量比52/47.5/0.5
を用いて重合を行い樹脂を得た(実施例3)。アクリロ
ニトリルと塩化ビニリデンを、それぞれの単量体の重量
比56/44を用いて重合を行い樹脂を得た(実施例
4)。これらの樹脂をアセトンに溶解し、メタスズ酸を
加え、固形分にメタスズ酸が0.5重量%含まれる原液
を作成した。次に湿式紡糸を行い、単繊度が2デニール
の繊維束を得た。続いて、油剤および捲縮を付与して3
8mmに切断し、3種類の当該繊維を得た。 (2) 上記ハロゲン含有繊維とウール繊維の混用布帛の作
製:上記各ハロゲン含有繊維のそれぞれとウール繊維の
混用重量比が80/20の混紡した糸メートル番手14
番手双糸を用いて、経糸32本/インチ、緯糸31本/
インチの紋織り布帛を得た。なお、混紡、撚糸、織り
は、公知のシステムで実施した。
【0020】(実施例5) (1) 難燃剤としてスズ系化合物およびアンチモン化合物
の両方を含むハロゲン含有繊維の準備:アクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン、およびスチレンスルホン酸ソーダ
を、それぞれの単量体の重量比52/47/1を用いて
重合を行い樹脂を得た。これをアセトンに溶解し、メタ
スズ酸と三酸化アンチモンを加え、固形分にメタスズ酸
が0.5重量%、三酸化アンチモンが6重量%含まれる
原液を作成した。次に湿式紡糸を行い、単繊度が2デニ
ールの繊維束を得た。続いて、油剤および捲縮を付与し
て38mmに切断し、当該繊維を得た。 (2) 上記ハロゲン含有繊維と綿繊維の混用布帛の作製:
上記ハロゲン含有繊維と綿番手16番単糸の混用重量比
が60/40の混紡糸を用い、平織り布帛を得た。な
お、混紡、撚糸、織りは、公知のシステムで実施した。
【0021】(実施例6、7) (1) 難燃剤としてスズ系化合物とアンチモン系化合物の
両方を含むハロゲン含有繊維の準備:アクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン、およびスチレンスルホン酸ソーダ
を、それぞれの単量体の重量比52/47/1を用いて
重合を行い樹脂を得た。これをアセトンに溶解し、メタ
スズ酸と三酸化アンチモンを加え、固形分にメタスズ酸
が0.5重量%、三酸化アンチモンが2重量%含まれる
原液(実施例6)と、固形分にメタスズ酸が0.5重量
%、三酸化アンチモンが4重量%含まれる原液(実施例
7)を作成した。次に湿式紡糸を行い、単繊度が2デニ
ールの繊維束を得た。続いて、油剤および捲縮を付与し
て38mmに切断し、2種類の当該繊維を得た。 (2) 上記ハロゲン含有繊維と綿繊維の混用布帛の作製:
縦糸に綿繊維を、横糸に上記の2種類のハロゲン含有繊
維を別々に打ち込み、綿繊維とハロゲン含有繊維の混用
重量比が50/50の布帛を2種類得た。なお、織り
は、公知のシステムで実施した。
【0022】(比較例1) (1) 難燃剤としてスズ系化合物を含むハロゲン含有繊維
の準備:アクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル、およびスチレンスルホン酸ソーダを、それぞれの単
量体の重量比47/20/32/1を用いて重合を行い
樹脂を得た。これをアセトンに溶解し、スズ酸を加え、
固形分にスズ酸が1重量%含まれる原液を作成した。次
に湿式紡糸を行い、単繊度が2デニールの繊維束を得
た。続いて、油剤および捲縮を付与して38mmに切断
し、当該繊維を得た。 (2) 上記ハロゲン含有繊維とウール繊維の混用布帛の作
成:上記ハロゲン含有繊維とウール繊維の混用重量比が
90/10の混紡した糸メートル番手12番手双糸を用
いて、経糸26本/インチ、緯糸26本/インチの平織
り布帛を得た。なお、混紡、撚糸、織りは、公知のシス
テムで実施した。
【0023】以上の実施例および比較例の布帛について
燃焼試験を行った。この場合の燃焼試験方法および結果
を表1にまとめて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上のように、スズ系化合物からなる難
燃剤、またはスズ系化合物とアンチモン系化合物との混
合物からなる難燃剤で高度に難燃強化したハロゲン含有
繊維と、ウール繊維およびセルロース系繊維の少なくと
も一方を複合した本発明に係る布帛は、布帛表面に炎を
接しても自己消化性を示すとともに、燃焼で生じた炭化
部分が炭化膜あるいは炭化層としてバリヤーとなり、形
態を保持することで、カバー用布帛として用いた場合に
は、内部にクッション材として使われているウレタンフ
ォームの燃焼を防ぐことができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛を構成する繊維が、スズ系化合物か
    らなる難燃剤またはスズ系化合物とアンチモン系化合物
    との混合物からなる難燃剤を含有するハロゲン含有繊維
    15〜85重量部と、ウール繊維およびセルロース系繊
    維の少なくとも1種の繊維85〜15重量部との合計1
    00重量部からなる布帛であるカバー用難燃性布帛。
  2. 【請求項2】 布帛を構成する繊維が、前記ハロゲン含
    有繊維15〜85重量部と、ウール繊維85〜15重量
    部との合計100重量部からなる布帛である請求項1記
    載のカバー用難燃性布帛。
  3. 【請求項3】 布帛を構成する繊維が、前記ハロゲン含
    有繊維15〜85重量部と、セルロース系繊維85〜1
    5重量部との合計100重量部からなる布帛である請求
    項1記載のカバー用難燃性布帛。
  4. 【請求項4】 布帛を構成する繊維が、前記ハロゲン含
    有繊維15〜50重量部と、ウール繊維40〜70重量
    部と、セルロース系繊維10〜20重量部との合計10
    0重量部からなる布帛である請求項1記載のカバー用難
    燃性布帛。
  5. 【請求項5】 ハロゲン含有繊維に含まれる難燃剤が、
    スズ系化合物である請求項1記載のカバー用難燃性布
    帛。
  6. 【請求項6】 ハロゲン含有繊維中のスズ系化合物から
    なる難燃剤の含有量が0.5〜30重量%である請求項
    5記載のカバー用難燃性布帛。
  7. 【請求項7】 ハロゲン含有繊維に含まれる難燃剤が、
    スズ系化合物とアンチモン系化合物との混合物である請
    求項1記載のカバー用難燃性布帛。
  8. 【請求項8】 ハロゲン含有繊維中のスズ系化合物の含
    有量が0.5〜30重量%、アンチモン系化合物の含有
    量が2〜50重量%である請求項7記載のカバー用難燃
    性布帛。
  9. 【請求項9】 ハロゲン含有繊維を構成する重合体中の
    ハロゲン含有量が17〜70重量%である請求項1記載
    のカバー用難燃性布帛。
  10. 【請求項10】 ハロゲン含有繊維を構成する重合体
    が、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有
    単量体70〜30重量%、およびこれらと共重合可能な
    単量体0〜10重量%からなる共重合体である請求項9
    記載のカバー用難燃性布帛。
JP10094303A 1997-04-08 1998-04-07 カバー用難燃性布帛 Pending JPH111842A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500623A (ja) * 2003-07-29 2007-01-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 耐火性布複合体、マットレスおよびマットレスセットを防火するための方法、ならびにそれによって防火されたマットレスおよびマットレスセット
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