JP2693129B2 - 難燃繊維複合体およびそれを用いて製造した布帛 - Google Patents

難燃繊維複合体およびそれを用いて製造した布帛

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JP2693129B2 JP7028130A JP2813095A JP2693129B2 JP 2693129 B2 JP2693129 B2 JP 2693129B2 JP 7028130 A JP7028130 A JP 7028130A JP 2813095 A JP2813095 A JP 2813095A JP 2693129 B2 JP2693129 B2 JP 2693129B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度に難燃化したハロ
ゲン含有重合体よりなる繊維、有機耐熱繊維およびその
他の繊維を混合した、風合や吸湿性に優れ、高度な難燃
性を有する繊維複合体およびそれを用いて製造した布帛
に関する。
【0002】
【従来の技術】火災が発生する可能性のある作業場で
は、作業者は難燃性の作業服を着用することが好まし
い。
【0003】難燃性の作業服は、燃え広がらない、自己
消化するといった難燃性に優れているだけでなく、通常
の衣服と同様に快適な着心地や色柄といった一般的な衣
料や繊維の特性をも兼備していることが必要である。
【0004】過去様々な難燃繊維や防災薬剤が検討され
てきたが、この難燃性と一般的衣料・繊維特性を兼備す
るものは未だ現れていない。
【0005】たとえば、綿布に防災薬剤を塗布する、い
わゆる後加工防災という手法があるが、防災薬剤の付着
の均一化、付着による布の硬化、洗濯による脱離、安全
性などの問題があり、また、有機耐熱繊維からの布は、
難燃性は優れているが、吸湿性や触感がわるく、快適な
着心地とはいえず、意匠性の高い色柄をうるのが難し
く、また他の難燃化されていない天然繊維や化学繊維を
難燃化する力に乏しく、それらを複合した布帛は全焼を
避けられないため、必然的に有機耐熱繊維のみで作られ
た、極めて高価な布帛となる。
【0006】これらの作業服素材の欠点を改良し、一般
的な衣料や繊維の特性として要求される優れた風合、吸
湿性、触感を有し、かつ、安定した難燃性を有する新し
い作業服素材として、難燃剤を大量に添加した高度に難
燃化した含ハロゲン繊維と、難燃化していない他の繊維
とを組み合わせた難燃繊維複合体(特開昭61−893
39号公報)が、提案されている。しかし、この難燃繊
維複合体においてすら、鉄鋼、石油、森林消防などの分
野で要求される高度な難燃性を充分うることができてい
なない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の難燃
繊維複合体では解決が困難であった課題、すなわち作業
服の難燃性を一段と向上させ、風合、触感などの着心
地、色柄などの意匠性を損ねることなく、より高度な難
燃性が要求される分野への使用が可能な難燃繊維複合体
をうるためになされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決するため鋭意検討を重ね結果、Sb化合物を多量
に含有したハロゲン含有重合体よりなる繊維と、他の可
燃性繊維との難燃繊維複合体に対して、本来、他の可燃
性繊維を難燃化する力の乏しい有機耐熱繊維を少量混合
して新たな難燃繊維複合体にすると、風合に優れ、かつ
予期せぬほどの難燃性向上が図られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ハロゲンを17%
(重量%、以下同様)以上含む重合体に対してSb化合
物6〜50%を含有させた繊維(A)84〜15部(重
量部、以下同様)と、天然繊維および化学繊維のうちの
少なくとも1種の繊維(B)15〜84部と、有機耐熱
繊維(C)1〜40部との合計が100部になるように
複合してなる難燃繊維複合体(請求項1)、前記ハロゲ
ンを含む重合体が、アクリロニトリル30〜70%、ハ
ロゲン含有ビニル系単量体70〜30%およびこれらと
共重合可能なビニル系単量体0〜10%よりなる共重合
体である請求項1記載の難燃繊維複合体(請求項2)お
よび請求項1または2記載の難燃繊維複合体を用いて製
造した布帛(請求項3)に関する。
【0010】
【実施例】本発明の難燃繊維複合体においては、ハロゲ
ンを17%以上含む重合体に対して、Sb化合物6〜5
0%を含有させた繊維(A)が使用される。
【0011】前記ハロゲンを17%以上含む重合体にお
ける好ましいハロゲン含量の下限としては20%、さら
には26%、上限としては86%、さらには73%、と
くには48%である。
【0012】前記ハロゲン含有量が17%未満のばあ
い、繊維を難燃化することが困難になり、好ましくな
い。
【0013】前記のごときハロゲンを17%以上含む重
合体としては、たとえばハロゲンを含有する単量体の重
合体、前記ハロゲンを含有する単量体とハロゲンを含有
しない単量体との共重合体、ハロゲンを含有する重合体
とハロゲンを含有しない重合体とを混合したもの、また
はハロゲンを含有しない単量体もしくは重合体を重合中
〜重合後に、ハロゲンを導入したハロゲン含有重合体な
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】このようなハロゲンを17%以上含む重合
体の具体例としては、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどのハロゲン含有
ビニル系単量体の単独重合体または2種以上の共重合
体;アクリロニトリル−塩化ビニル、アクリロニトリル
−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−臭化ビニル、ア
クリロニトリル−塩化ビニル−塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル−塩化ビニル−臭化ビニル、アクリロニトリ
ル−塩化ビニリデン−臭化ビニルなどのハロゲン含有ビ
ニル系単量体とアクリロニトリルとの共重合体;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンな
どのハロゲン含有ビニル単量体の1種以上とアクリロニ
トリルおよびこれらと共重合可能なビニル系単量体との
共重合体;アクリロニトリル単独重合体にハロゲン含有
化合物を添加・重合させた重合体;ハロゲン含有ポリエ
ステルなどがあげられるが、これらに限定されるもので
はない。また、前記単独重合体や共重合体を適宜混合し
て使用してもよい。
【0015】前記共重合可能なビニル系単量体として
は、たとえばアクリル酸、そのエステル、メタクリル
酸、そのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸、その塩、メタクリ
ルスルホン酸、その塩、スチレンスルホン酸、その塩な
どがあげられ、それらの1種または2種以上が用いられ
うる。
【0016】前記ハロゲンを17%以上含む重合体が、
アクリロニトリル30〜70%、ハロゲン含有ビニル系
単量体70〜30%およびそれらと共重合可能なビニル
系単量体0〜10%、好ましくはアクリロニトリル40
〜60%、ハロゲン含有ビニル系単量体60〜40%お
よびそれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10%か
らなる重合体のばあいには、えられる繊維が所望の性能
(強度、難燃性、染色性など)を有しつつアクリル繊維
の風合を有するためとくに好ましい。また、共重合可能
なビニル系単量体の少なくとも1種がスルホン酸基含有
ビニル系単量体のばあいには、染色性が向上するため好
ましい。
【0017】前記ハロゲン含有ビニル系単量体およびア
クリロニトリルからの単位を含む共重合体の具体例とし
ては、たとえば塩化ビニル50部、アクリロニトリル4
9部、スチレンスルホン酸ソーダ1部よりなる共重合
体、塩化ビニリデン43.5部、アクリロニトリル55
部、スチレンスルホン酸ソーダ1.5部よりなる共重合
体などがあげられる。
【0018】本発明に用いるSb化合物は難燃剤として
用いられるものであり、その具体例としては酸化アンチ
モン(Sb2 3 、Sb2 4 、Sb2 5 など)、ア
ンチモン酸やその塩類、オキシ塩化アンチモンなどの無
機アンチモン化合物があげられるが、これらに限定され
るものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以
上組み合わせて用いてもよい。
【0019】また、前記Sb化合物の粒子径としては、
2μm以下に揃えたものが、ハロゲン含有重合体にSb
化合物を添加してなる繊維の製造工程上のノズル詰りな
どのトラブル回避、繊維の強度向上などの点から好まし
い。
【0020】ハロゲンを17%以上含む重合体に対する
Sb化合物の割合は6〜50%、好ましくは8〜40
%、さらに好ましくは10〜30%である。該量が6%
未満では難燃繊維複合体として必要な難燃性をうるため
に、ハロゲンを17%以上含む重合体にSb化合物を含
有させた繊維(A)(以下、ハロゲンSb含有繊維とい
う)の難燃繊維複合体中における混合率を高める必要が
あるが、難燃繊維複合体の難燃性以外の特徴、たとえば
風合、吸湿性、触感などの高い性能がえられにくくな
る。一方、該量が50%をこえると、繊維製造時のノズ
ル詰まりや繊維物性(強度、伸度など)の低下がおこ
り、高度に難燃化した繊維の製造面や品質面などで問題
が生じ、好ましくない。
【0021】本発明においては、ハロゲンを17%以上
含む重合体に対するSb化合物の量が6〜50%に維持
される限り、他の難燃剤と組み合わせて用いてもよい。
【0022】前記Sb化合物と組み合わせて用いること
ができる他の難燃剤としては、たとえばヘキサブロモベ
ンゼンなどの芳香族ハロゲン化合物、塩化パラフィンな
どの脂肪族ハロゲン化合物、トリス(2,3−ジクロロ
プロピル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン化合物、
ポリリン酸アンモニウムなどの無機リン化合物、Mg
O、Mg(OH)2 、MgCO3 などの無機マグネシウ
ム化合物、酸化第2スズ、オキシハロゲン化第2スズ、
水酸化第1スズなどの無機スズ化合物などがあげられ
る。該他の難燃剤の使用量は、ハロゲンを17%以上含
む重合体に対して1%以上、10%以下であることが好
ましい。また、難燃剤の合計量としては、ハロゲンを1
7%以上含む重合体に対して50%以下、さらには40
%以下であるのが繊維の製造工程上のトラブルおよび繊
維の強度低下などの物性低下回避の点から好ましい。
【0023】前記ハロゲンを17%以上含む重合体に対
して、Sb化合物6〜50%を含有させた繊維(A)
は、短繊維でも長繊維でもよいが、綿を混ぜた作業服な
どとして使用するばあいには1.5〜2d、カット長3
8〜51mm程度の短繊維が好ましい。また、ウールと
混ぜた丹前などとして使用するばあいには3d、カット
長72〜102mm程度の短繊維が好ましい。
【0024】本発明に用いる有機耐熱繊維(C)は、難
燃繊維複合体が難燃性向上、布帛の強度維持のために使
用される成分であり、融点があるばあいには融点が35
0℃以上、融点がないばあいには分解開始温度が350
℃以上の耐熱性を有する繊維であり、通常、1〜5d程
度の繊度を有する。
【0025】前記有機耐熱繊維(C)としては、たとえ
ば芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイ
ミダゾールなどからの前記のごとき繊維があげられる
が、パラ系芳香族ポリアミド繊維(ポリ−p−フェニレ
ンテレフタルアミドを骨格に持つ繊維のことで、分解温
度500℃程度、強度20g/d程度と高い耐熱性と強
力を有し、通常、1〜5dの繊度を有する)が耐熱性、
強力の面で望ましい。これらの有機耐熱繊維(C)は単
独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0026】前記芳香族ポリアミド繊維の具体例として
は、たとえば分解開始温度が480℃以上であるパラ系
芳香族ポリアミド繊維(たとえばデュポン(DuPon
t)社製のケブラー(Kevlar)、帝人(株)製の
テクノーラ(Technora)、エンカ社製のトワロ
ンなど)、分解開始温度が約400℃のメタ系芳香族ポ
リアミド繊維(たとえばデュポン社製のノーメックス
(Nomex)、帝人(株)製のコーネックス(Con
ex)、ユニチカ(株)製のアピエイル(Apyeil
など)があげられる。また、前記ポリアミドイミド繊維
の具体例としては、分解開始温度が約380℃のポリア
ミドイミド繊維(たとえばローヌ プーラン(Rhon
e Poulenc)社製のカーメル(Kermel)
など)があげられる。さらに、前記ポリベンゾイミダゾ
ール繊維の具体例としては、分解開始温度が約450℃
のポリベンゾイミダゾール繊維(たとえばセラニーズ
(Celanese)社製のPBIなど)があげられ
る。
【0027】本発明に用いる天然繊維および化学繊維の
うちの少なくとも1種の繊維(B)とは、ハロゲンSb
含有繊維(A)および有機耐熱繊維(C)以外の繊維で
あって、本発明の難燃繊維複合体に優れた風合や吸湿性
などの快適性を与えるための成分である。
【0028】前記天然繊維および化学繊維のうちの少な
くとも1種の繊維(B)の具体例としては、木綿、絹、
羊毛などの天然繊維、アセテート繊維、プロミックスな
どの半合成繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、
ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの
合成繊維から選ばれた少なくとも1種の難燃化されてい
ない繊維があげられる。これらのうちでは、木綿、麻、
レーヨンなどのセルロース系繊維が、優れた風合や吸湿
性などを与えるという点から好ましい。
【0029】本発明においてはハロゲンSb含有繊維
(A)84〜15部と天然繊維および化学繊維のうちの
少なくとも1種の繊維(B)15〜84部と有機耐熱繊
維(C)1〜40部とから、本発明の難燃繊維複合体1
00部が製造されるが、それらの混合割合は、えられる
難燃繊維複合体から製造される最終製品に要求される難
燃性とともに、吸水性、風合、吸湿性、触感、意匠性、
製品強力、耐洗濯性、耐久性などの品質に応じて決定さ
れる。一般に、ハロゲンSb含有繊維(A)84〜15
部、好ましくは67〜25部、天然繊維および化学繊維
のうちの少なくとも1種の繊維(B)15〜84部、好
ましくは25〜67部および有機耐熱繊維(C)1〜4
0部、好ましくは3〜20部、さらに好ましくは5部を
こえ20部以下の合計が100部になるように複合せし
められる。
【0030】ハロゲンSb含有繊維(A)の量が15部
未満のばあい、えられる難燃繊維複合体の難燃性が不足
し、一方、84部を超えるばあい、難燃性に優れるが、
その他の風合、吸湿性などが充分でなくなる。
【0031】また、天然繊維および化学繊維のうちの少
なくとも1種の繊維(B)の量が15部未満のばあい、
吸水性、風合、吸湿性、触感などが不足し、一方、84
部を超えるばあい、ハロゲンSb含有繊維(A)および
有機耐熱繊維(C)の量が少なくなり、充分な難燃性が
えられなくなる。
【0032】さらに、有機耐熱繊維(C)の量が1部未
満のばあい、難燃性向上効果が充分えられず、一方、4
0部を超えるばあい、有機耐熱繊維の欠点である着心地
や意匠性に劣る難燃繊維複合体しかえられなくなる。
【0033】本発明の難燃繊維複合体が優れた難燃性を
示す理由は、燃焼時にはハロゲンSb含有繊維(A)か
ら発生するハロゲン化Sb化合物の燃焼抑制効果と、有
機耐熱繊維(C)による複合体の耐熱性向上効果が相乗
し、予想以上に優れた難燃性を示すものと考えられる。
本来、有機耐熱繊維(C)は燃えにくい繊維であるが、
他の可燃性の繊維(B)を難燃化する力に乏しいため
に、繊維(B)と繊維(C)とのみを複合しても繊維
(B)が難燃化されることはなく、本発明のように3種
の繊維を複合することにより、はじめて顕著な効果がえ
られる。
【0034】本発明の難燃繊維複合体は、前述のごとき
繊維(A)、(B)、(C)が複合したものであり、織
物、編物、不織布などの布帛、スライバーやウェブなど
の繊維の集合体、紡績糸や合糸・撚糸などの糸状物、編
み紐、組み紐などのヒモ状物のごとき形態のものであ
る。
【0035】前記複合したとは、繊維(A)、(B)、
(C)をさまざまな方法で混ぜ合わせて所定の比率で含
有する布帛などをうることをいい、混綿、紡績、撚糸、
織り、編みの段階でそれぞれの繊維や糸を組み合わせる
ことを意味する。
【0036】本発明の難燃繊維複合体には、必要に応じ
て帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上
剤、失透性防止剤などを含有せしめてもよい。
【0037】このようにしてえられる本発明の難燃繊維
複合体は、所望の難燃性を有し、風合、触感、吸湿性、
意匠性などに優れた特性を有する。
【0038】本発明の難燃繊維複合体を製造する方法と
しては、前述の繊維(A)、(B)、(C)が短繊維の
ばあい、これらを混合して紡績したり、それぞれの糸や
スライバーを製造して撚り合わせたり、1種のスライバ
ーに2種の紡績糸をまきつけたり、2種をまぜあわせた
スライバーに1種の紡績糸をまきつけたりして製造して
もよく、また、これらの方法を組み合わせて製造しても
よい。
【0039】また、前述の繊維(A)、(B)、(C)
が長繊維のばあい、それぞれの長繊維をよりあわせた
り、1種の長繊維に2種の長繊維をそれぞれまきつけた
り、2種のよりあわせた長繊維と1種の長繊維をまきつ
けたり、1種の長繊維に2種のよりあわせた長繊維をま
きつけたりして製造してもよく、また、これらの方法を
組み合わせて製造してもよい。
【0040】さらに、前述の繊維(A)、(B)、
(C)のうちの一部が短繊維でのこりが長繊維のばあ
い、短繊維のものは混合して紡績糸として、これを長繊
維のものと撚り合わせるなどして製造してもよい。
【0041】本発明の難燃繊維複合体を用いて布帛を製
造すると、本発明の難燃繊維複合体が有する優れた特
性、すなわち優れた難燃性を有し、風合、触感、吸湿
性、意匠性などの優れた特性を有する布帛がえられる。
【0042】前記布帛とは、織物、編物、不織布、紐類
などを含む概念であり、難燃作業服などの衣料のみなら
ず、カーテン、カーペットなどのインテリア製品や、シ
ーツ、毛布などの寝具など高度な難燃性が要求され、か
つ風合、吸湿性、触感、意匠性などの一般的な繊維特性
に優れていることが必要な用途に好適に使用されるもの
である。
【0043】これら布帛の製造には特別の方法は必要な
く、従来からの一般に用いられている製法をそのまま用
いることができる。
【0044】以下、実施をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるも
のではない。
【0045】なお、実施例における布帛の難燃性は、燃
焼試験用布帛として綿番手26番双糸を経糸としてイン
チ当たり78本、また綿番手18番双糸を緯糸としてイ
ンチ当たり46本綾織りした織布を用いて、米国の燃焼
性試験基準FTMS191A−5903にしたがって炭
化長を測定し、インチ(かっこ内はcmに換算した値)
で示した。これは、衣料、とくに作業服分野で最も一般
的な燃焼試験方法の1つである。
【0046】布帛の難燃性試験方法は、この試験基準以
外に各種あるが、炭化長や炭化面積あるいは、燃焼や炭
化しなかった部分を計測する方法において本発明の難燃
性が優れている。
【0047】製造例1 アクリロニトリル51%、塩化ビニリデン48%および
p−スチレンスルホン酸ソーダ1%よりなる共重合体を
ジメチルホルムアミドに樹脂濃度が30%になるように
溶解させた。えられた樹脂溶液の樹脂重量に対して25
%の三酸化アンチモンを添加し、紡糸原液とした。
【0048】前記三酸化アンチモンは、2μm以下に揃
えられた粒子径を有し、希釈樹脂溶液に均一に分散する
ように事前に調整して用いた。
【0049】三酸化アンチモンを含んだ紡糸原液をノズ
ル孔径0.08mmおよび孔数300ホールのノズルを
用い、50%ジメチルホルムアミド水溶液中へ押し出
し、水洗したのち120℃で乾燥し、ついで3倍に延伸
してから、さらに145℃で5分間熱処理を行なうこと
により、ハロゲンSb含有繊維をえた。
【0050】えられた繊維のハロゲン含有量は、ハロゲ
ン含有共重合体の重量に対して35.1%であった。ま
た、えられた繊維は繊度2d、強度3g/d、伸度40
%、カット長51mmの短繊維であった。
【0051】製造例2 アクリロニトリル48%、塩化ビニル50%および2−
アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸2%よ
りなる共重合体をアセトンに樹脂濃度が29%になるよ
うに溶解させた。えられた樹脂溶液の樹脂重量に対して
30%の五酸化アンチモンを添加し、紡糸原液とした。
【0052】以下、40%アセトン水溶液浴に押し出し
た他は、製造例1と同様にして、ハロゲン含有共重合体
に対して28.4%のハロゲン含有量の繊維をえた。
【0053】また、えられた繊維は繊度2d、強度2.
5g/d、伸度35%、カット長51mmの短繊維であ
った。
【0054】実施例1〜5および比較例1〜3 製造例1でえられたハロゲンSb含有繊維、パラ系芳香
族ポリアミド繊維であるテクノーラ(Technor
a、1.5d、カット長38mm、帝人(株)製)、可
燃性繊維である木綿を表1に示す割合で混綿し、燃焼試
験用織布を作製し、燃焼試験を実施した。
【0055】また、難燃繊維複合体が木綿としての特徴
(視感、触感など)を有するか否かについて官能試験を
行なった。○は木綿としての特徴を有する、×は有しな
いことを示す。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1〜5はパラ系芳香族ポリアミド繊
維を複合したものであり、燃焼試験および官能試験の結
果ともに良好であるが、パラ系芳香族ポリアミド繊維を
含まない比較例1のものは難燃性に劣る。
【0058】比較例2、3はパラ系芳香族ポリアミド繊
維の比率が高く、官能試験において木綿の特徴を発現し
ないのみならず、比較例2では、燃焼試験において木綿
のみが燃え続けて全焼した。これは、ハロゲンSb含有
繊維の比率が小さすぎて、パラ系芳香族ポリアミド繊維
のみでは可燃性の木綿を難燃化しえないことを示してい
る。
【0059】実施例6〜8および比較例4 製造例2でえられたハロゲンSb含有繊維45部、木綿
50部、表2に記載の量の有機耐熱繊維を用いて、燃焼
試験用布帛をえて、実施例1と同様にして評価した。結
果を表2に示す。
【0060】なお、表2中のパラ系芳香族ポリアミド繊
維はテクノーラ(1.5d、カット長38mm)、メタ
系芳香族ポリアミド繊維はノーメックス(1.5d、カ
ット長38mm)、ポリベンゾイミダゾール繊維はPB
I(1.5d、カット長51mm)を示す。
【0061】
【表2】
【0062】ハロゲンSb含有繊維50部、木綿50部
とした比較例4に比較して、実施例6〜8は予期せぬ燃
焼性向上効果を示しており、官能試験においては差がな
く良好であり、顕著な改良が認められた。なかでも実施
例6のパラ系芳香族ポリアミド繊維を用いたものが優れ
ていた。
【0063】
【発明の効果】本発明の難燃繊維複合体は、風合や吸湿
性に優れ、高度な難燃性を有するものであり、該複合体
からの布帛も同様の特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−89339(JP,A) 特開 平1−168950(JP,A) 特開 昭61−124635(JP,A) 特開 平6−220730(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲンを17重量%以上含む重合体に
    対して、Sb化合物6〜50重量%を含有させた繊維
    (A)84〜15重量部と、天然繊維および化学繊維の
    うちの少なくとも1種の繊維(B)15〜84重量部
    と、有機耐熱繊維(C)1〜40重量部との合計が10
    0重量部になるように複合してなる難燃繊維複合体。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲンを含む重合体が、アクリロ
    ニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有ビニル系単量
    体70〜30重量%およびこれらと共重合可能なビニル
    系単量体0〜10重量%よりなる共重合体である請求項
    1記載の難燃繊維複合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の難燃繊維複合体
    を用いて製造した布帛。
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