JPH11183411A - 熱分析装置 - Google Patents

熱分析装置

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JPH11183411A
JPH11183411A JP35718297A JP35718297A JPH11183411A JP H11183411 A JPH11183411 A JP H11183411A JP 35718297 A JP35718297 A JP 35718297A JP 35718297 A JP35718297 A JP 35718297A JP H11183411 A JPH11183411 A JP H11183411A
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JP
Japan
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sample
thin film
temperature
sample holding
film heater
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JP35718297A
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English (en)
Inventor
Morimasa Uenishi
盛聖 上西
Mitsuteru Kimura
光照 木村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の加熱を熱容量の極めて小さなヒータで
行うようにすることにより,極めて微量の試料で測定が
行えると共に応答速度が速く,微小電力で高温まで加熱
でき,さらに画一的に大量生産でき、微小電力で高速応
答ができかつ、液体試料の計測が容易である熱分析装置
を提供すること。 【解決手段】 試料を昇温又は降下させる温度走査を行
い、試料の物理的または化学的変化に基づく熱的変化を
温度又は時間の関数として計測する熱分析装置であっ
て、試料加熱用の発熱部を基板1と一体形成して下部に
空洞を有する薄膜ヒータ2として形成し、薄膜ヒータ2
または薄膜ヒータ2を支持する薄膜支持部内の薄膜ヒー
タ2に近接した領域に、試料を保持する試料保持部3と
試料保持部3の温度検出する温度検出部5とを一体形成
して設け、定体積の液体試料が入り蒸発しにくい構造体
を試料保持部3に形成する、又は置くようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質の熱に関して
の物理的、化学的状態を調べるための熱分析装置に関
し、より詳細には、極めて微少量の物質の融点、転移温
度、質量変化、沸点、比熱、含有物質の種類やその分
量、化学反応に伴う熱的変化や質量変化などの情報が得
られる熱分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱分析装置として、例えば、示差
熱分析装置や、補償方式の示差走査熱量計(DSC)が
ある。示差熱分析装置は、熱分析の対象となる物質およ
び基準物質を試料として、調節された速度で加熱または
冷却する環境中で等しい温度条件におき、これら2つの
試料の間の温度差を時間または温度に対して測定・記録
するようにした装置である。
【0003】また、補償方式の示差走査熱量計(DS
C)は、試料と標準物質との温度差を補償回路のヒータ
で打ち消し、その補償量(エネルギー供給速度の差)を
記録するようにしたものである。
【0004】さらに、従来の熱分析装置として、磁気天
秤を用いて、磁性体の温度走査時にキュリー温度などの
転移温度に基づく磁化の変化を、不均一磁場中での力の
変化を天秤で検出する装置や、振動試料型磁力計(VS
M)のように、磁石で磁化させた試料を低周波で振動さ
せて、その空間変化に基づく磁界の変化をコイルなどの
磁気センサで検出して、温度走査時にキュリー温度など
の転移温度における磁化の変化を検出する装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の熱分析装置によれば、それぞれは小型化が図られて
いるものの独立に作られたヒータを並べた構成であるた
め、熱容量が大きく、緩慢な応答でそれだけ試料の分量
を多くせざるを得ないという問題点や、ヒータの電力も
大きく数百度の高温にするには、その熱遮蔽が困難で、
それだけ大型になり、温度の均一性の問題や、試料用の
加熱用ヒータと標準物質用の加熱用ヒータの特性を同等
にするのが困難であるという問題点もあった。
【0006】また、温度を検出する温度センサとしての
熱電対やサーモパイルも、やはり独立に作られたものを
挿入して接触させているだけであるため、熱接触の問題
や、寸法の問題、配線スペース問題等から、どうしても
大型化せざるを得ず、全体として非常に高価な装置とな
るという問題点があった。
【0007】また、従来の磁気天秤やVSMなどの磁性
体の熱分析装置も、装置が大型であるという問題点や、
磁界の強さは磁極から離れると急激に小さくなるので、
検出感度を上げるために大型の磁石が必要であるという
問題点もあった。
【0008】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、試料の加熱を熱容量の極めて小さなヒータで行うよ
うにすることにより、極めて微量の試料で測定が行える
と共に、応答速度が速く、微小電力で高温まで加熱で
き、さらに画一的に大量生産できる熱分析装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】また、本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、微小電力で高速応答ができ、かつ、液体試料
の計測が容易である熱分析装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る熱分析装置によれば、試料を昇温
又は降下させる温度走査を行い、前記試料の物理的また
は化学的変化に基づく熱的変化を温度又は時間の関数と
して計測する熱分析装置であって、試料加熱用の発熱部
を基板と一体形成して下部に空洞を有する薄膜ヒータ
(2)として形成し、該薄膜ヒータ(2)または該薄膜
ヒータ(2)を支持する薄膜支持部内の薄膜ヒータ
(2)に近接した領域に、前記試料を保持する試料保持
部(3)と該試料保持部(3)の温度を検出する温度検
出部(5)とを一体形成して設け、定体積の液体試料が
入り蒸発しにくい構造体(20)を前記試料保持部
(3)に形成する、又は置くようにしたものである。
【0011】また、請求項2に係る熱分析装置によれ
ば、前記構造体(20)を多孔質物体(21)とするも
のである。
【0012】また、請求項3に係る熱分析装置によれ
ば、前記多孔質物体(21)は、フォトリソグラフィー
により所定の形状および大きさの孔を設けるようにした
ものである。
【0013】また、請求項4に係る熱分析装置によれ
ば、前記多孔質物体(21)を多孔質膜(21a)とし
て前記試料保持部(3)に形成し、該多孔質膜(21
a)中に液体試料を含浸させるようにしたものである。
【0014】また、請求項5に係る熱分析装置によれ
ば、定形の多孔質物体(21)を別に用意し、該定形の
多孔質物体(21)に液体試料を含浸させ、前記試料保
持部(3)に取り付けたものである。
【0015】また、請求項6に係る熱分析装置によれ
ば、前記試料保持部(3)に薄膜からなる凹部、凸部ま
たは凹凸部を形成し、前記定形の多孔質物体(21)が
固定できるように取り付けたものである。
【0016】また、請求項7に係る熱分析装置によれ
ば、発熱部を有する基板を単結晶基板とし、該発熱部と
前記試料保持部(3)とを覆うように取り外し可能な覆
いを設け、前記試料保持部(3)の真上にあたる覆いの
領域に前記定形の多孔質物体(21)よりわずかに大き
い穴を設け、該穴を通して前記定形の多孔質物体(2
1)を前記試料保持部(3)に取り付けられるように位
置合わせをしてあるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る熱分析装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】〔実施の形態1〕図1は、本発明に係る熱
分析装置の全体的なブロック図を示している。熱分析装
置は大きく分けて、試料加熱室100と、温度検出回路
200と、温度・時間制御回路300と、表示回路40
0と、から構成されている。
【0019】試料加熱室100には、基板に一体形成さ
れた発熱部としての薄膜ヒータと、前記薄膜ヒータの薄
膜支持部と、前記薄膜ヒータまたは薄膜支持部に近接し
た領域に形成された試料保持部および試料保持部の温度
を計測するための温度検出部がそれぞれ収められてい
る。この温度検出部からの温度は温度検出回路200で
処理され、そこからの信号の一部は、温度・時間制御回
路300に送られ、処理されてその一部は温度走査用の
信号として試料加熱室100に帰還され、薄膜ヒータの
温度走査に利用される。
【0020】温度検出回路200および温度・時間制御
回路300からの信号は、一部を表示回路400に送ら
れ、該表示回路400において各種情報の表示を行う。
【0021】図2は、本発明の実施の形態1に係る熱分
析装置の試料加熱室100を設けた基板1を示したもの
である。図3は、図2のA−A断面図を示している。本
実施の形態では薄膜ヒータ2に直接試料保持部3が形成
されている。この基板1は以下のようにして形成する。
【0022】まず、n型単結晶シリコン基板の表面にフ
ォトリソグラフィを用いて試料保持部3となるべき窪み
をシリコンの等方性エッチャントを用いて、例えば幅2
00μm、長さ400μm、深さ20μmの楕円形状に
形成する。その後、熱酸化してSiO2 膜を全面に1μ
m厚に形成する。薄膜ヒータ2を形成するために希望の
パターン形状で窓をあけ、露出させたSi表面に深さ約
4μm程度になるように高濃度ホウ素を2×1020cm-3
程度以上に不純物拡散層10を形成して、薄膜ヒータ2
を形成する。
【0023】つぎに、シリコン基板の全面のSiO2
を除去し、新たに表面に、例えばオキシナイトライド膜
を約1μm厚に形成する。その後、試料保持部3の部分
だけを窓あけし、p型の比較的ドーピング量の少ないS
iをエピタキシャル成長させ、窪みを充填する。さら
に、その上からオキシナイトライド膜を形成し、試料保
持部3の上に小さな窓をいくつか開ける。
【0024】エピタキシャル成長させたSiはこの小さ
な窓を介して、例えばヒドラジン等の異方性エッチャン
トで容易に除去できる。この際に薄膜ヒータ2の高濃度
にホウ素を注入した領域はヒドラジンによってエッチン
グされないので試料保持部3は空洞になり液体試料を入
れるための構造体になる。オキシナイトライド膜は異方
性エッチングのマスクをかねた電気絶縁膜50、51と
して用いる。
【0025】つぎに、試料保持部3の温度を測定するた
めに温度検出部5として熱電対15、16を形成する。
熱電対としては、例えば、Au、Niの組み合わせを用
いてもよい。ただし、液体試料を入れるための構造体2
0を形成するため、異方性エッチャントに対して耐性が
ある方が好ましい。また、図中では温度検出部5は熱電
対を用いているが、サーミスタ、測温抵抗体等の温度セ
ンサを用いてもよい。さらに、温度検出部5の位置は試
料保持部3の中に作ることにより温度の測定精度を上げ
ることも可能である。
【0026】熱電対15、16の電極には熱電対の材料
をそのまま使ってもよい。熱電対の電極部以外を絶縁体
薄膜などにより覆うことでこれを保護することもでき
る。
【0027】薄膜ヒータ2の電極12A、12B形成用
の窓を電気絶縁膜50、51に形成し、電極12A、1
2Bとして、例えばNiをスパッタリングで形成し、希
望の形状にパターン化する。Niは熱電対15、16の
Ni部分を形成する際に同時に行うと工程を短縮するこ
とができ好ましい。その後、電気絶縁膜50、51に窓
を開け、この窓を介してシリコン基板を異方性エッチン
グし、空洞4を形成し橋架構造の薄膜ヒータ2が形成さ
れる。
【0028】図においては、窓を基板1の表面にのみ開
け、エッチングを行っているが電気絶縁膜50、51の
窓を基板1の裏側にも設けることで裏面からのエッチン
グを利用し、さまざまな形状の空洞4を形成することが
可能である。例えば窓を裏面のみに設けエッチングする
ことでダイアフラム形状の基板1を作ることができる。
【0029】ここで、薄膜ヒータ2はホウ素が高濃度に
ドーピングされており、例えばヒドラジンにはほとんど
侵されないで残る。また、基板1はn型Siであるから
pn接合によって薄膜ヒータ2に通電しても電流は薄膜
ヒータ2にしか流れない。
【0030】このようにして形成された薄膜ヒータ2上
の試料保持部3は、その上部の薄膜によって液体試料が
蒸発しにくい構造体20になっている。また、常に一定
の量の液体試料が入るため、測定の再現性もよい。
【0031】本実施の形態1の薄膜ヒータ2はドーピン
グを行ったSiを用いているが必ずしもこの構成を採用
する必要はなく、例えば絶縁体のダイアフラム上にPt
ヒータを用いても同等のものを作成することができる。
【0032】〔実施の形態2〕図4は、本発明に係る熱
分析装置の実施の形態2を示したものである。図2、図
3に示した実施の形態1とほぼ同じ構成であるが、試料
保持部3をそのまま窪みにしてある点が異なっている。
この窪みに、大きさを窪みにあわせて作った多孔質物質
である構造体20、21を取り付けられるようにしてあ
る。構造体20、21は石英ウェハ上にフォトリソグラ
フィで適当な大きさの穴の空いたAlのエッチングマス
クを作成し、その後ECRエッチング装置により垂直に
穴開けをし、多孔質としたものをさらに窪みに合う大き
さにダイシングしたものである。
【0033】フォトリソグラフィを用いて穴開けをした
構造体20、21は液体の含浸量を一定にでき、かつ、
同じ構造体を大量に作れ、測定の再現性がよくなり、作
業性が向上する。また、窪みと構造体の大きさがあわせ
てあるので常に同じ位置に位置あわせをすることがで
き、かつ測定中のずれが少なく好ましい。さらに、構造
体20、21の形状と試料保持部3の形状をあわせ、構
造体20、21の底面や側面との密着性が良くなるよう
にすれば熱伝導率が改善され、測定精度を向上させるこ
とも可能である。
【0034】〔実施の形態3〕図5は、本発明に係る熱
分析装置の実施の形態3を示したものである。まず、n
型単結晶シリコン基板の表面を熱酸化してSiO2 膜を
全面に1μm厚に形成する。薄膜ヒータ2を形成するた
めに希望のパターン形状で窓をあけ、露出させたSi表
面に深さ約4μm程度になるように高濃度ホウ素を2×
1020cm-3程度以上に不純物拡散層10を形成して、薄
膜ヒータ2を形成する。
【0035】その後、SiO2 膜を全面除去し、基板1
の表面および裏面にオキシナイトライド膜を約1μm厚
に形成する。オキシナイトライド膜は異方性エッチング
のマスクをかねた電気絶縁膜50、51として用いる。
その後、厚さ0.1μmにAuを成膜し、さらに、その
上にAlを5μm形成する。
【0036】この後、Alをフォトリソグラフィにより
パターン化し、薄膜ヒータ2の直上に200μm×20
0μmの形状のAlを形成する。この様にしてパターン
化したAlとAuを電極として陽極酸化する。このとき
に条件を調整し、陽極酸化した際にAl2 3 がポーラ
スになるようにする。この陽極酸化したAl2 3 が多
孔質膜21aとして機能することになる。この後にAu
をエッチングする。
【0037】つぎに試料保持部3の温度を測定するため
に温度検出部5として熱電対15、16を形成する。熱
電対15、16としては、例えば、Au、Niの組み合
わせを用いてもよい。ただし、空洞4を形成するための
異方性エッチャントに対して耐性がある方が好ましい。
また、Auを用いる際には陽極酸化で用いたAu膜をパ
ターン化して用いると工程数を減らすことが可能とな
る。
【0038】さらに、薄膜ヒータの電極12A、12B
形成用の窓を電気絶縁膜50、51に形成し、電極12
A、12Bとして、例えば、Niをスパッタリングで形
成し、希望の形状にパターン化する。Niは熱電対のN
i部分を形成する際に同時に行うと工程の短縮を行うこ
とができ、好ましい。その後、電気絶縁膜50、51に
窓を開け、この窓を介してシリコン基板を異方性エッチ
ングし、空洞4を形成し橋架構造の薄膜ヒータ2が形成
される。
【0039】〔実施の形態4〕図6は、本発明に係る熱
分析装置の実施の形態4を示したものである。熱分析装
置の試料加熱室100等を設けた基板1に覆い90を接
合してある。覆い90は単結晶のSi基板を利用してお
り、試料保持部3の真上に当る部分に異方性エッチング
を用いて精度良く穴開けをしてある。この穴は多孔質物
質である構造体20、21の大きさよりわずかに大きく
開けており、この穴を通して試料を試料保持部3に正確
に取り付けることができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項
1に係る熱分析装置は、試料を昇温又は降下させる温度
走査を行い、試料の物理化学変化に基づく熱的変化を温
度又は時間の関数として計測する熱分析装置であり、か
つ試料加熱用の発熱部を基板と一体形成して下部に空洞
を有する薄膜ヒータとして形成し、薄膜ヒータまたは薄
膜ヒータを支持する薄膜支持部内の薄膜ヒータに近接し
た領域に、試料を保持する試料保持部と試料保持部の温
度を検出する温度検出部とを一体形成して設けた熱分析
装置において、定体積の液体が入り蒸発しにくい構造体
を試料保持部に形成する又は置くようにしたものである
から、一定体積の液体が入る構造体を試料保持部に配置
させることで、分析する液体の量を常に一定にすること
ができ、試料の加熱を熱容量の極めて小さなヒータで行
うようにすることにより、極めて微量の試料で測定が行
えると共に、応答速度が速く、微小電力で高温まで加熱
でき、さらに画一的に大量生産でき、さらに、微小電力
で高速応答ができ、かつ、液体試料の計測が容易とな
る。
【0041】また、請求項2に係る熱分析装置は、請求
項1に記載の熱分析装置において、体積の液体が入る構
造体を多孔質物としたので、さらに、液体試料の計測が
容易となる。
【0042】また、請求項3に係る熱分析装置は、請求
項2において、多孔質物体はフォトリソグラフィーによ
り任意の形状および大きさの孔を設けるようにしたの
で、多孔質物体は任意形状および大きさの孔をフォトリ
ソグラフィーにより設けることで含浸させる液体の量を
正確に決めることができ、測定の再現性が向上する。
【0043】また、請求項4に係る熱分析装置は、請求
項2または請求項3に記載の熱分析装置において多孔質
物を多孔質膜とし、試料保持部に形成し、ここに液体を
含浸させるようにしたので、さらに、液体試料の計測が
容易となる。
【0044】また、請求項5に係る熱分析装置は、請求
項2または請求項3において、定形の多孔質物体を別に
用意し、この定形の多孔質物体に液体試料を含浸させ、
試料保持部に取り付けるようにしたので、複数の多孔質
物体を用意することで測定を効率的に行うことができ
る。
【0045】また、請求項6に係る熱分析装置は、請求
項5において、試料保持部を薄膜からなる凹部または凸
部とし、この部分に定形の多孔質物体を取り付けるよう
にしたので、多孔質物体を取り付けやすくなり、測定が
より容易となる。
【0046】また、請求項7に係る熱分析装置は、請求
項5または請求項6において、発熱部を有する基板を単
結晶基板とし、発熱部と試料保持部とを覆うように取り
外し可能な覆いを設け、試料保持部の真上にあたる覆い
の領域に定形の多孔質物体よりわずかに大きい穴を設
け、穴を通して定形の多孔質物体を試料保持部に取りけ
られるように位置合わせをするので、覆いに設けた孔を
通し、試料保持部の正確な位置に多孔質物体を取り付け
ることができ、測定の再現性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱分析装置の概略的な構成を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る熱分析装置の試料
加熱室を設けた基板の構成を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る熱分析装置の構成
を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る熱分析装置の構成
を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る熱分析装置の構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 薄膜ヒータ 3 試料保持部 4 空洞 5 温度検出部 10 不純物拡散層 12A、12B 電極 15、16 熱電対 20、21 構造体 21a 構造体 50、51 電気絶縁膜 90 覆い

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を昇温又は降下させる温度走査を行
    い、前記試料の物理的または化学的変化に基づく熱的変
    化を温度又は時間の関数として計測する熱分析装置であ
    って、 試料加熱用の発熱部を基板と一体形成して下部に空洞を
    有する薄膜ヒータとして形成し、該薄膜ヒータまたは該
    薄膜ヒータを支持する薄膜支持部内の薄膜ヒータに近接
    した領域に、前記試料を保持する試料保持部と該試料保
    持部の温度を検出する温度検出部とを一体形成して設
    け、定体積の液体試料が入り蒸発しにくい構造体を前記
    試料保持部に形成する、又は置くようにしたことを特徴
    とする熱分析装置。
  2. 【請求項2】 前記構造体を多孔質物体とすることを特
    徴とする請求項1に記載の熱分析装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔質物体は、フォトリソグラフィ
    ーにより所定の形状および大きさの孔を設けるようにし
    たことを特徴とする請求項2に記載の熱分析装置。
  4. 【請求項4】 前記多孔質物体を多孔質膜として前記試
    料保持部に形成し、該多孔質膜中に液体試料を含浸させ
    るようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載
    の熱分析装置。
  5. 【請求項5】 定形の多孔質物体を別に用意し、該定形
    の多孔質物体に液体試料を含浸させ、前記試料保持部に
    取り付けることを特徴とした請求項2または3に記載の
    熱分析装置。
  6. 【請求項6】 前記試料保持部に薄膜からなる凹部、凸
    部または凹凸部を形成し、前記定形の多孔質物体が固定
    できるように取り付けることを特徴とする請求項5に記
    載の熱分析装置。
  7. 【請求項7】 発熱部を有する基板を単結晶基板とし、
    該発熱部と前記試料保持部とを覆うように取り外し可能
    な覆いを設け、前記試料保持部の真上にあたる覆いの領
    域に前記定形の多孔質物体よりわずかに大きい穴を設
    け、該穴を通して前記定形の多孔質物体を前記試料保持
    部に取り付けられるように位置合わせをしてあることを
    特徴とする請求項5または6に記載の熱分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8848436B2 (en) 2010-10-04 2014-09-30 Ricoh Company, Ltd. Electric element
KR101598355B1 (ko) * 2015-10-19 2016-02-29 조선대학교산학협력단 폴리머 복합소재의 물성 측정 센서

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