JPH11181186A - ペン軸用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ペン軸用ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH11181186A
JPH11181186A JP36520497A JP36520497A JPH11181186A JP H11181186 A JPH11181186 A JP H11181186A JP 36520497 A JP36520497 A JP 36520497A JP 36520497 A JP36520497 A JP 36520497A JP H11181186 A JPH11181186 A JP H11181186A
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JP
Japan
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mfr
polypropylene
compound
resin composition
δhm
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JP36520497A
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Hajime Yamazaki
元 山崎
Yoshitada Kitano
吉祥 北野
Koji Okada
廣治 岡田
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NIPPON POLYCHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と剛性及び耐衝撃性のバランスに優
れ、かつホットスタンプ性に優れたペン軸等の筆記具軸
体用ポリプロピレン系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)チタン含有量が1ppm以下であ
り、かつメルトフローレートが1〜7g/10分、示差
熱走査熱量測定から求められる融解熱量(△Hm)とメ
ルトフローレート(MFR)とが △Hm≧24.50
+1.583logMFRなる関係式を満たす結晶性ポ
リプロピレンを、減成によりMFRを20〜55g/1
0分に調製したポリプロピレン樹脂100重量部に、
(B)透明化剤としてソルビトール系化合物を0.05
〜0.3重量部配合したペン軸用ポリプロピレン系樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性と剛性及び
耐衝撃性に優れ、かつホットスタンプ性を改良したペン
軸用ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ペン軸、例えばサインペン、ボールペ
ン、シャープペンシル、マーカー類などの筆記具軸体に
は各種合成樹脂が用いられているが、これら合成樹脂の
内では、比較的安価で加工性がよく外観および剛性に優
れるポリプロピレンが多く用いられている。しかしなが
ら、従来のポリプロピレン樹脂を用いると、筆記具軸体
の変形やソリが生じ、透明性と剛性及び耐衝撃性のバラ
ンスが不十分であったり、ホットスタンプ時の箔のりが
不十分である等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性と剛
性及び耐衝撃性のバランスに優れ、かつホットスタンプ
性に優れた筆記具軸体用ポリプロピレン組成物を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、特定のメルトフロー
レートを有し示差熱走査熱量測定から求められる融解熱
とメルトフローレートが特定の関係にある結晶性ポリプ
ロピレンを減成してメルトフローレートを調製したポリ
プロピレンにソルビトール系化合物配合した組成物から
筆記具軸体を成形すると、変形やソリの少ない、透明性
と剛性及び耐衝撃性に優れ、かつホットスタンプ性が改
良されたペン軸等の筆記具用軸体を得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(A)チタン含有量が1ppm以下であり、かつ、メル
トフローレートが1〜7g/10分、示差熱走査熱量測
定から求められる融解熱量(△Hm)とメルトフローレ
ート(MFR)とが △Hm≧24.50+1.583logMFR なる関係式を満たす結晶性ポリプロピレンを、減成によ
りMFRを20〜55g/10分に調製したポリプロピ
レン樹脂100重量部に、(B)透明化剤としてソルビ
トール系化合物を0.05〜0.3重量部配合してなる
ペン軸用ポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】1.(A)結晶性ポリプロピレン
系樹脂 (1)結晶性ポリプロピレン系樹脂の物性 本発明に用いられる減成前の結晶性ポリプロピレン系樹
脂は、JIS K7210に従って測定したメルトフロ
ーレート(MFR)が1〜7g/10分、好ましくは1
〜5g/10分である必要がある。MFRが上記範囲外
れると、機械的強度の低下が著しく実用上の問題が生じ
る。また、MFRと示差熱走査熱量測定から求められる
融解熱量(△Hm)は、24.50+1.583log
MFR以上、好ましくは24.55+1.583log
MFR以上、より好ましくは24.60+1.583l
ogMFR以上である。△Hmが24.50+1.58
3logMFR未満のものから得られる成形品は剛性と
耐衝撃性の良好なバランスが得られないばかりか、ホッ
トスタンプ時の箔のりにおいて満足な結果が得られな
い。さらに、該樹脂中に含まれる触媒残査である金属チ
タンは1ppm以下であることが必要である。これを達
成するためには、重合時にMg担持型の高活性触媒を用
いたり、また重合後に脱触工程を設け、ポリマー中の該
金属成分を低減させることができる。ポリマー中に該成
分が1ppmを超えると透明性におとる。
【0006】(2)結晶性ポリプロピレン系樹脂の製造
方法 本発明における結晶性ポリプロピレン系樹脂は、前記特
性を満たせばその製造方法は特に限定されないが、立体
規則性触媒を使用する重合法が好ましい。すなわち、
(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与性
化合物を必須成分とする固体成分を、(ロ)有機アルミ
ニウム化合物、(ハ)一般式R1 x2 ySi(OR3z
表される有機珪素化合物(式中、R1は環内にエーテル
若しくはチオエーテル結合を有する環状置換基、環内エ
ーテル結合含有環状置換基のオキシ基、環内ケトン結合
含有環状置換基、窒素原子含有複素環式置換基、珪素原
子含有複素環式置換基、ラクトン骨格構造を有する置換
基、R2は炭素数1〜10個の炭化水素基、R4O−、R
5Si−又はR6 3SiO−であり〔ただし、R4は炭素数
3〜10個の炭化水素基であり、R5及びR6はそれぞれ
炭素数1〜10の炭化水素基であり、同一でも異なって
もよい。〕、R3はメチル基又はエチル基であり、xは
1又は2であり、yは0又は1であり、zは2又は3で
あり、x+y+z=4である。)及び必要に応じて
(ニ)電子供与性化合物の存在下で、(ホ)オレフィン
と接触させることにより、オレフィンを予備重合させ
て、触媒成分を調整し、これに有機金属化合物及び必要
に応じて電子供与性化合物を組み合わせてプロピレンを
重合させる方法が好ましい。以下にその概略を説明す
る。
【0007】(i)触媒 (イ)Ti、Mg、ハロゲンおよび電子供与性化合物を
必須とする固体成分 前記結晶性ポリプロピレンの製造触媒における成分
(イ)は、Mg、Ti、ハロゲンおよび電子供与性化合
物を必須成分とする。成分(イ)は、それ自体公知の成
分である。このような成分は通常、マグネシウム化合
物、チタン化合物および電子供与性化合物、さらに前記
各化合物がハロゲンを有しない化合物の場合は、ハロゲ
ン含有化合物をそれぞれ接触することにより、調製され
る。
【0008】マグネシウム化合物は、一般式MgRab
で表される。ここで、Ra及びRbは同一か異なる炭化水
素基、OR基(Rは炭化水素基)、ハロゲン原子を示
す。このマグネシウム化合物は、金属マグネシウム又は
その他のマグネシウム化合物から調製することも可能で
ある。その一例として、金属マグネシウム、ハロゲン化
炭化水素及び一般式XnM(OR)m-nのアルコキシ基含
有化合物(式中、Xは水素原子、ハロゲン原子または炭
素数1〜20個の炭化水素基、Mはホウ素、炭素、アル
ミニウム、ケイ素またはリン原子、Rは炭素数1〜20
個の炭化水素基、mはMの原子価、m>n≧0を示
す。)を接触させる方法が挙げられる。
【0009】チタン化合物は、四塩化チタン、トリクロ
ロエトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン、ジクロ
ロジフェノキシチタン等の四価のチタンハロゲン化物が
望ましく、特に四塩化チタンが望ましい。
【0010】電子供与性化合物としては、カルボン酸
類、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル類、カルボ
ン酸ハロゲン化物、アルコール類、エーテル類、ケトン
類、アミン類、アミド類、ニトリル類、アルデヒド類、
アルコレート類、有機基と炭素若しくは酸素を介して結
合したリン、ヒ素およびアンチモン化合物、ホスホアミ
ド類、チオエーテル類、チオエステル類、炭素エステル
等が挙げられる。これらのうちカルボン酸類、カルボン
酸無水物、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン
化物、アルコール類、エーテル類が好ましく用いられ
る。
【0011】ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化
炭化水素、ハロゲン含有アルコール、水素−ケイ素結合
を有するハロゲン化ケイ素化合物、周期表第IIIa
族、IVa族、Va族元素のハロゲン化物等が挙げられ
る。
【0012】成分(イ)の望ましい調整法としては、特
開昭63−264607号公報、同58−198503
号公報、同62−146904号公報等に開示されてい
る方法が挙げられる。
【0013】(ロ)有機アルミニウム化合物 成分(ロ)有機アルミニウム化合物としては、例えばト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニウムが挙げられる。
【0014】(ハ)有機珪素化合物 成分(ハ)の有機珪素化合物としては、一般式R1 x2 y
Si(OR3z(式中、R1〜R3は、前記と同意義)で
あり、成分(ハ)のR2,R4,R5及びR6中の炭化水素
基としては、エチル、i−プロピル、s−ブチル、t−
ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、デシル等のアル
キル基、ビニル、アリル、プロペニル、1−ヘキセニ
ル、1−オクテニル、1−メチル−1−ペンチニル等の
アルケニル基、シクロペンチル、メチルシクロヘキシル
等のシクロアルキル基、シクロペンテニル、シクロヘキ
セニル等のシクロアルケニル基、シクロペンタジエニ
ル、メチルシクロペンタジエニル等のシクロアルカジエ
ニル基、フェニル、トリル、キシリル等のアリール基、
ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル等のアラ
ルキル基等が挙げられる。
【0015】(ニ)電子供与性化合物 成分(ニ)としては、有機珪素化合物(成分(ハ)を除
く)からなる電子供与性化合物や窒素、イオウ、酸素、
リン等のヘテロ原子を含む電子供与性化合物が使用可能
であるが、有機珪素化合物が好ましい。有機珪素化合物
としては、アルコキシ基(一部がアルキル基又はアリー
ル基で置換されていてもよい)、が合計4個珪素原子に
結合したものが好ましい。これらのアルキル基及びアル
コキシ基は鎖状でも環状でもよい。また、アルキル基又
はアリール基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0016】(ホ)オレフィン オレフィンとしては、エチレンの他、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の
α−オレフィンを使用することができる。
【0017】(ii)予備重合 有機アルミニウム(成分ロ)及び有機珪素化合物(成分
ハ)の存在下で、成分(イ)をオレフィン(成分ホ)と
接触させることにより、予備重合される。また、必要に
応じて電子供与性化合物(成分ニ)を予備重合時に加え
るのが好ましい。
【0018】(iii)本重合 上記のようにして予備重合した成分に有機金属化合物、
及び必要に応じて電子供与性化合物を組み合わせて、プ
ロピレンの単独重合又は他のモノオレフィンとの共重合
などの本重合を行うことにより、示差走査熱量測定から
求められる融解熱(△Hm)とMFRとの関係が、△H
m≧24.50+1.583logMFRで示される結
晶性ポリプロピレンが得られる。
【0019】本重合で用いる有機金属化合物は、有機ア
ルミニウム化合物が好適である。有機アルミニウム化合
物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルア
ルミニウムモノハライド、モノアルキルアルミニウムジ
ハライド、ジアルキルアルミニウムモノアルコキシド及
びアルキルアルミニウムモノハライド等のアルキルアル
ミニウム化合物、又はその混合物若しくは錯化合物が好
ましい。
【0020】α−オレフィンの重合における反応条件
は、慣用の条件が使用できる。例えば、−20〜+15
0℃、好ましくは0〜100℃、1〜60気圧で、0.
5〜7時間行われる。重合反応は、気相で行っても液相
で行ってもよい。液相で行う場合には、前記の不活性媒
体中または液状モノマー中で行うことができる。また、
重合は回分式または連続式のいずれで行ってもよい。重
合反応は1段で行ってもよく、また重合条件を変えた
り、使用する単量体の種類を変えたりして2段以上で行
ってもよい。さらに、生成するポリマーの分子量を調節
するために、重合反応系に、水素等公知の分子量制御剤
を存在させることができる。
【0021】2.(B)透明化剤 本発明の組成物に配合する透明化剤(B)成分はソルビ
トール系化合物である。ソルビトール系化合物として
は、例えばジベンジリデンソルビトール、(1,3)
2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、
(1,3)2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソル
ビトール、(1,3)2,4−ジ(p−メトキシベンジ
リデン)ソルビトールなどが挙げられる。これらの中で
は、(1,3)2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)
ソルビトールが好ましい。本発明のにおいて成分(B)
の透明化剤の添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対して、成分(B)が0.05〜0.30重量
部、好ましくは0.07〜0.15重量部である。添加
量が0.05重量部未満では、透明性の発現が十分でな
く、一方、0.3重量部を超えても添加量に見合った効
果が得られない。
【0022】3.減成方法 本発明においては、上記の結晶性ポリプロピレンと、ソ
ルビトール系化合物とからなる組成物をラジカル発生剤
の存在下において減成して、MFRを20〜55g/1
0分、好ましくは30〜50g/10分とする。MFR
が20g/10分未満では、高速成形性が十分でなく、
また透明性十分でない。一方、55g/10分を超える
と、組成物自身の耐衝撃性が低下する。
【0023】なお、ラジカル発生剤による分子量の減成
は、通常の方法、例えば押出機中で上記組成物を過酸化
物等のラジカル発生剤の存在下に200〜280℃で、
1〜3分間溶融混練することにより行えばよい。上記ラ
ジカル発生剤としては、有機過酸化物を用いるのが好ま
しい。具体的な例としては、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシドイソプロピルカーボ
ネート、ジクミルパーオキシド、クメンヒドロパーオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパ
ーオキシフタレートなどがある。これらの有機過酸化物
の使用量は、所望のMFRになるように適宜選択される
が、通常樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜
0.1重量部の割合で使用する。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定され
るものではない。また、物性測定は以下の方法で行っ
た。 (1)MFR:JIS K7210、230℃ 2.1
6Kg荷重で測定した。 (2)融解熱量(△Hm):パーキンエルマー社製のD
SC7(7700 Date Station)を用
い、210℃、1分間プレス成形した0.5ミリ厚のシ
ートを約10mg打ち抜き、アルミ製パンに封入し、2
30℃10分間保持した後、10℃/分で50℃まで降
温し、次に10℃/分で200℃まで昇温し、昇温時の
85〜175℃の間のピークを融解ピークとし、対応す
る熱量を試料で除して融解熱量(単位cal/g)を算
出した。 (4)透明性(ヘイズ値):厚さ1ミリのシート片を用
いて、JIS K7105に準拠して測定した。 (5)曲げ弾性率:JIS K6758に準拠したテス
トピース並びに試験法にて測定した。 (6)デュポン衝撃強度:厚さ2ミリのシート片を用い
て、JIS K7211に準拠して23℃で測定した。 (7)ホットスタンプ性:ナビスタ(株)製V−08型
ホットスタンピング・マシンを用いて、アルミ蒸着箔
を、150℃の版面温度でホットスタンプした。テスト
ピースには80mm×80mm×2mmの射出シート片
を用い、目視にて下記の基準で評価した。 ○:文字部の箔切れが鮮明。 ×:文字部の箔切れが不鮮明。 (8)ソリ・変形:200mm径、2mm厚さのセンタ
ーダイレクトゲートを有する円盤金型を用いて成形し、
成形品の自由端部が静置面に対して、上ゾリ、下ゾリし
ているかを目視にて下記の基準で評価した。 ○:自由端部が静置面にほぼ平行。 ×:上ゾリ、下ゾリが認められる。
【0025】実施例1 MFRが2.5g/10分、Ti含有量が0.7pp
m、△Hmが25.5cal/g26の結晶性ポリプロ
ピレン100重量部に対して、ソルビトール系透明化剤
として、(1,3)2,4−ジ(p−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール(ゲルオールMD、新日本理化(株)
製)を0.1重量部、有機過酸化物として2,5−ジ
(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキ
サン2.5B、日本油脂(株)製)0.01重量部、酸
化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト(マーク2112、旭電化工業(株)
製)及びテトラキス−〔メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−シンナメート)〕メタン(イル
ガノックス1010、チバガイギー社製)各0.05重
量部を配合し、ヘンシェルミキサーで予備混合を行っ
た。次いで、この混合物を230℃の押出機(50mm
φ、単軸スクリュー、L/D=28)で溶融混練して減
成するとともにペレット化した。得られたペレットを射
出成形機により、樹脂温度230℃、射出圧力900k
g/cm2及び金型温度60℃で射出成形して各テスト
ピースを成形し、物性を測定した。その結果を表1に示
す。
【0026】実施例2〜3 表1に示すポリプロピレン系樹脂と、透明化剤とを配合
し、さらに減成のために過酸化物を表1に示す減成後の
MFRとなるように配合する以外は、実施例1と同様に
して試験片を得、その物性を測定した。その結果を表1
に示す。
【0027】比較例1 表1に示すTi含有量が1.5ppmと多いポリプロピ
レンを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を
得、その物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0028】比較例2 表1に示す△Hmが23.0cal/gと小さいポリプ
ロピレンを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片
を得、その物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0029】比較例3 表1に示すように減成後のMFRが80.0になるよう
にしたこと以外は、実施例2と同様にして試験片を得、
その物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】比較例4 減成前のポリプロピレンとしてMFRが10.0のもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を得、そ
の物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0031】比較例5 透明化剤を0.03重量部とした以外は、実施例1と同
様にして試験片を得、その物性を測定した。その結果を
表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、本発明の範囲内
にある結晶性ポリプロピレン組成物は、透明性、曲げ弾
性率、デュポン衝撃強度、ホットスタンプ性、ソリ・変
形に優れ、ペン軸用に好適な組成物であることが分かる
(実施例1〜3)。一方、Ti含有量が1ppmを超え
る結晶性ポリプロピレンを用いると透明性が劣る(比較
例1)。△Hmが小さいとホットスタンプ性に劣る。
又、曲げ弾性率も劣り、結果としてソリ・変形が生ずる
(比較例2)。減成後のMFRが大きすぎると耐衝撃性
に劣る(比較例3)。減成前のMFRが大きすぎるとデ
ュポン衝撃強度の低下が著しい。又、ソリ・変形も認め
られる(比較例4)。透明化剤の添加量が少ないと、透
明性、曲げ弾性率、ホットスタンプ性の低下をきたす
(比較例5)。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン樹脂組成物か
ら、透明性と剛性及び対衝撃性のバランスに優れ、かつ
ホットスタンプ性に優れた筆記具軸体成形物を製造する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)チタン含有量が1ppm以下であ
    り、かつメルトフローレート(MFR)が1〜7g/1
    0分、示差熱走査熱量測定から求められる融解熱量(△
    Hm)とMFRとが △Hm≧24.50+1.583logMFR なる関係式を満たす結晶性ポリプロピレンを、減成によ
    りMFRを20〜55g/10分に調製したポリプロピ
    レン樹脂100重量部に、(B)透明化剤としてソルビ
    トール系化合物を0.05〜0.3重量部配合してなる
    ペン軸用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 減成後のMFRが30〜50g/10分
    である請求項1記載のペン軸用ポリプロピレン系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ソルビトール系化合物が(1,3)2,
    4−ジ(p−メチルベンジリデンソルビトールである請
    求項1ないし2記載のペン軸用ポリプロピレン系樹脂組
    成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002127676A (ja) * 2000-10-27 2002-05-08 Pilot Ink Co Ltd 直液式筆記具
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