JPH11181183A - 熱成形可能熱可塑性ポリマーアロイ組成物 - Google Patents

熱成形可能熱可塑性ポリマーアロイ組成物

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JPH11181183A
JPH11181183A JP9361688A JP36168897A JPH11181183A JP H11181183 A JPH11181183 A JP H11181183A JP 9361688 A JP9361688 A JP 9361688A JP 36168897 A JP36168897 A JP 36168897A JP H11181183 A JPH11181183 A JP H11181183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形可能熱可塑性ポリマーアロイ組成物。 【解決手段】 提供する熱可塑性ポリマーアロイ組成物
にポリプロピレン、エチレンコポリマーアイオノマー樹
脂、エチレン/アクリル酸グリシジルもしくはメタアク
リル酸グリシジルコポリマー、未架橋エチレンプロピレ
ンゴム、酸もしくは無水物がグラフト化しているポリプ
ロピレン、ゴム用架橋剤および/またはエポキシ/酸反
応用触媒および任意にポリ−α−オレフィンを含有する
ブレンド物を含める。この組成物は、特に、高い深延伸
比を有する製品の熱成形で用いるに有用である。上記ポ
リ−α−オレフィンを存在させると、これは、特に深延
伸比を高くした時のエンボス加工およびエンボス加工品
の目保持の向上に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、熱成形可能(thermofo
rmable)な熱可塑性ポリマーアロイ(allo
y)組成物および上記組成物から作られた熱成形品に関
する。
【0002】例えばビデオテープのケース、食品包装お
よび飲料用容器などを含む熱成形品の製造でポリ塩化ビ
ニル(PVC)樹脂のフィルムおよび積層物が長年に渡
って用いられてきた。自動車分野でも、自動車内装用被
覆材、例えば計器板の外皮(instrument p
anel skins)、ドアパネル、ルーフライナー
およびシートカバーなどの製造でPVCが広範に用いら
れてきた。そのような用途でPVCを用いると、性能は
充分であっても、それを使用することに本質的に関連し
た特定の欠点が生じる。特に、上記樹脂に柔らかな表面
質感を与えることに加えてそれの柔軟性および低温特性
を向上させようとするには可塑剤を多量に添加する必要
がある。しかしながら、自動車の内装は駐車中に高い温
度を受ける結果として可塑剤がPVCフィルムの表面に
移行することでPVC被覆材が脆くなる傾向がある。加
うるに、可塑剤の膜が自動車の内装表面、特に窓の内側
表面に徐々に付着する。
【0003】PVCの使用に関して、より最近になって
認識されるようになってきた欠点は、その樹脂の処分お
よび再利用が困難なことに関する。焼却を行うと結果と
して塩化水素と重金属残渣がかなりの量で生じる。加う
るに、この樹脂は自動車の製造で用いられる他のプラス
チックに相溶せず、それによって再利用操作中に問題が
生じる。
【0004】本技術分野では、良好な高温特性を有して
いてハロゲンを含まない熱可塑性アロイ組成物、例えば
米国特許第4,871,810号に開示されているポリ
オレフィン/アイオノマーブレンド物、または米国特許
第4,968,752号に開示されているエチレンコポ
リマーアイオノマーとオレフィン/エポキシコポリマー
の反応生成物と部分架橋エチレン/α−オレフィンコポ
リマーのブレンド物などが知られている。しかしなが
ら、そのような組成物は柔らかさまたは耐かき傷性が不
足している。
【0005】米国特許第5,206,294号に記述さ
れているように、ポリプロピレン、エチレンコポリマー
アイオノマー樹脂、エチレン/アクリル酸グリシジルも
しくはメタアクリル酸グリシジルコポリマーおよび未架
橋エチレンプロピレンゴムを含有させたブレンド物を含
む組成物を用いることで、従来技術の組成物が有する欠
点が大きく克服された。そのようなブレンド物は大部分
の用途に適切であることが確認されていて良好な熱成形
性と目保持(grain retention)を有す
ることを特徴とする。しかしながら、特にエンボス加工
(embossing)を実施する時に深延伸比(de
ep−draw ratios)を持たせた製品の熱成
形性を向上させることが望まれている。この場合にはま
た目保持を良好にすることも求められている。熱成形前
にはエンボス加工の深さをより深くしそして熱成形後に
は絶対的な深さ(目保持)をより深くすることが望まれ
ている。
【0006】
【発明の要約】本発明に従って熱可塑性アロイ組成物を
提供し、この組成物に、(a)ポリプロピレンを10−
40重量%、(b)エチレン含有量が60−80重量%
の未架橋エチレンプロピレンコポリマーゴムを15−5
0重量%、(c)エチレンとα,β−不飽和C3−C8
ルボン酸のアイオノマー(ionomeric)コポリ
マーを10−50重量%、(d)エチレンとアクリル酸
グリシジルもしくはメタアクリル酸グリシジルのコポリ
マーを0.1−5重量%、(e)α,β−不飽和カルボ
ン酸もしくはそれの無水物が0.01−5重量%グラフ
ト化している(grafted)ポリプロピレンを0.
1−10重量%、(f)(i)該エチレンプロピレンゴ
ム用架橋剤、(ii)エポキシド基とカルボン酸もしく
は無水物基を反応させるための触媒または(iii)
(i)と(ii)の両方である作用剤を0.01−1.
0重量%、および任意に(g)任意にα,β−不飽和カ
ルボン酸もしくはそれの無水物が0.01−3重量%グ
ラフト化していてもよくて80−130℃の範囲の融点
を示すポリ−α−オレフィンを0.1−30重量%、含
有するブレンド物を含める。
【0007】上記組成物は優れた高温および低温特性、
耐かき傷性、柔らかさおよび深延伸性を示す。本発明は
また上記組成物から熱成形された製品、特に計器板の外
皮にも向けたものである。
【0008】
【発明の詳細な記述】本発明のアロイ組成物に含めるポ
リプロピレン成分は結晶性ポリプロピレンから成り、こ
れに、ホモポリマーに加えて、高級α−オレフィン類、
例えば炭素原子を3−8個含むα−オレフィン類、例え
ばブテン、オクテンなども少量、通常は15重量パーセ
ント以下の量で含むポリマー類を包含させることを意図
する。本発明で用いるに有用なポリプロピレンポリマー
類は、2.16キログラム(kg)の重りを用いて23
0℃で測定して約1−400グラム/10分(g/10
分)の範囲のメルトインデックスを示し、そしてこれを
本アロイ組成物に10−40重量パーセント、好適には
10−25重量パーセントの量で存在させる。
【0009】本熱可塑性ポリマーアロイには未架橋のエ
チレンプロピレンコポリマーゴム、好適にはエチレン/
プロピレンと非共役ジエンのコポリマー(EPDM)を
約15−50重量パーセント、好適には25−45重量
パーセント含有させる。上記非共役ジエンは炭素原子を
6−22個含んでいてもよく、容易に重合し得る二重結
合を少なくとも1個有する。上記未架橋エチレン/プロ
ピレンコポリマーゴムはエチレンを約60−80重量パ
ーセント、通常は約65−75重量パーセント含む。非
共役ジエンの量は一般に約1−7重量パーセント、通常
は2−5重量パーセントである。このエチレン/プロピ
レンコポリマーゴムは好適にはEPDMコポリマーであ
る。特に好適なEPDMコポリマー類は、エチレン/プ
ロピレン/1,4−ヘキサジエン、エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン、エチレン/プロピレン/ノ
ルボルネン、エチレン/プロピレン/メチレン−2−ノ
ルボルネン、およびエチレン/プロピレン/1,4−ヘ
キサジエン/ノルボルナジエンのコポリマー類である。
このエチレンプロピレンコポリマーゴムが未架橋である
ことが重要である、と言うのは、そのようにすると本ポ
リマーアロイの耐かき傷性が向上するからである。
【0010】本アロイ組成物にはまたエチレンとα,β
不飽和C3−C8カルボン酸と任意に少なくとも1種の軟
化用(softening)コモノマー(これはエチレ
ンと共重合し得る)から作られたイオン性コポリマーを
10−50重量パーセント、好適には10−35重量パ
ーセント含める。アクリル酸およびメタアクリル酸が好
適な酸コモノマー類である。上記軟化用コモノマーはア
クリル酸n−プロピル、n−ブチル、n−オクチル、2
−エチルヘキシルおよび2−メトキシエチルから成る群
から選択されるアクリル酸アルキルであってもよい。好
適なアクリル酸アルキルはアクリル酸n−ブチル、2−
エチルヘキシルおよび2−メトキシエチルである。この
軟化用コモノマーはまたn−ブチル、n−ヘキシル、2
−エチルヘキシルおよび2−メトキシエチル−ビニルエ
ーテルから成る群から選択されるアルキルビニルエーテ
ルであってもよい。好適なアルキルビニルエーテルはn
−ブチルビニルエーテルおよびn−ヘキシルビニルエー
テルである。元素周期律表のIa、Ib、IIa、II
Ia、IVa、VIbおよびVIII族から選択される
金属、例えばナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウ
ム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、ニッケル
およびクロムなどのイオンを用いて上記コポリマーを約
10から70%中和する。好適には、上記コポリマーが
有するカルボン酸基の約35から約70%をナトリウ
ム、カリウム、亜鉛、カルシウムおよびマグネシウムか
ら成る群から選択される金属のイオンで中和することで
イオン化させる。
【0011】本熱可塑性ポリマーアロイにはエチレン/
アクリル酸グリシジルまたはエチレン/メタアクリル酸
グリシジルのコポリマーを約0.1−5重量%、好適に
は1−3重量%含める。任意におよび好適には、上記エ
チレン/アクリル酸グリシジルもしくはエチレン/メタ
アクリル酸グリシジルのコポリマーに炭素原子数が1−
6のアクリル酸アルキルもしくはメタアクリル酸アルキ
ル共重合単位を含める。このエチレン/アクリル酸グリ
シジルもしくはエチレン/メタアクリル酸グリシジルの
コポリマーはエチレンを60−88重量パーセントおよ
びアクリル酸グリシジルまたはメタアクリル酸グリシジ
ルを1−12重量パーセント含む。上記コポリマーで用
いる代表的なアクリル酸アルキルおよびメタアクリル酸
アルキルには、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸メ
チル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピ
ル、メタアクリル酸ブチルおよびメタアクリル酸ヘキシ
ルなどが含まれる。アクリル酸エチルが好適であり、ア
クリル酸n−ブチルが特に好適である。
【0012】上記エチレン/(メタ)アクリル酸グリシ
ジル(好適には炭素原子数が1−6のアクリル酸アルキ
ルを含む)は、直接重合、例えばエチレンとアクリル酸
アルキルとメタアクリル酸グリシジルまたはアクリル酸
グリシジルをフリーラジカル重合開始剤の存在下一般的
には100−270℃、通常は130−230℃の高温
で高圧下、即ち140−350MPaの圧力下で共重合
させることで調製可能である。本発明で用いる最も好適
なエチレン/(メタ)アクリル酸グリシジルコポリマー
類は、エチレンとアクリル酸エチルとメタアクリル酸グ
リシジルのコポリマー類、特にエチレンとアクリル酸n
−ブチルとメタアクリル酸グリシジルのコポリマー類で
ある。
【0013】本発明のアロイ組成物にはα,β−不飽和
カルボン酸もしくはそれの無水物が0.01−5重量
%、好適には0.1−1重量%グラフト化しているポリ
プロピレンを約0.1−10重量%、好適には約0.1
−5重量%含める。好適には、このグラフト化ポリプロ
ピレンに炭酸カルシウムを0から5重量パーセント含有
させる。
【0014】グラフト化で用いる基礎のポリプロピレン
は、プロピレンのホモポリマー類、任意に衝撃改質(i
mpact modified)されていてもよい高エ
チレン(25重量パーセントに及ぶ)のコポリマー型ポ
リプロピレン、およびエチレンを8重量%以下の量で用
いたプロピレンのランダムコポリマー類を指す。この前
駆体であるポリプロピレンは一般に比較的高い分子量を
有するポリプロピレンであり、2.16kgおよび19
0℃で測定した時に1.5g/10分以下のメルトイン
デックスを示すポリプロピレンが好適である。
【0015】グラフト化用(grafting)モノマ
ーはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸および無水物
(上記酸および無水物の誘導体およびそれらの混合物を
包含)の少なくとも1つである。モノ−、ジ−もしくは
ポリカルボン酸であってもよい上記酸および無水物の例
は、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、無水イタコン酸、無水マ
レイン酸および無水置換マレイン酸、例えば無水ジメチ
ルマレイン酸などである。不飽和酸の誘導体の例は塩、
アミド類、イミド類およびエステル類、例えばマレイン
酸モノ−およびジナトリウム、アクリルアミド、マレイ
ミドおよびフマル酸ジエチルなどである。無水マレイン
酸が好適である。上記グラフト化ポリプロピレンはヨー
ロッパ特許出願公開第370,735号および370,
736号に記述されているようにして調製可能である。
【0016】上記ポリプロピレンのグラフト化は記述さ
れているように溶融状態、溶液中または懸濁液中で実施
可能である。このグラフト化ポリプロピレンの溶融粘度
には制限がないが、しかしながら、それぞれ2.16k
gおよび190℃で測定した時のメルトインデックスが
50から150g/10分の範囲であるか或は2.16
kgおよび230℃で測定した時のメルトフローインデ
ックスが250から350g/10分の範囲である時に
最も好適なアロイ化(alloying)が見られる。
【0017】特に好適なグラフト化ポリプロピレンは、
無水マレイン酸を0.6%グラフト化させて酸化カルシ
ウムを4重量パーセント含有させた衝撃改質で高エチレ
ンのコポリマー型ポリプロピレンであり、これはDuP
ont Canada Inc.からFUSABOND
(商標)P MZ−203Dとして入手可能である。こ
のグラフト化ポリマーが230℃/2.16kgで示す
メルトフローインデックスは250g/10分で融点は
約160℃である。
【0018】本発明のアロイ組成物にはまた上記エチレ
ンプロピレンゴムを架橋させる働きをするか或は上記エ
チレン/(メタ)アクリル酸グリシジルコポリマー中の
エポキシ基と上記グラフト化ポリプロピレン中のカルボ
ン酸もしくは無水物基の反応を触媒する作用剤を約0.
01−1重量%、好適には約0.01−0.5重量%含
める。上記エチレンプロピレンゴムが好適なEPDMコ
ポリマーゴムである場合に選択する作用剤は、両方の反
応を完結させる作用剤でなければならない。そのような
作用剤は、上記機能を達成することが本技術分野で知ら
れている作用剤のいずれであってもよく、それには第一
級、第二級および第三級アミン類、第四級アンモニウム
塩、イミダゾール化合物、ヒドロキシル含有化合物、例
えばアルカリ金属の水酸化物など、ボロフルオレート
類、例えばZn(BF42など、過酸化物、特に本技術
分野でよく知られている有機パーオキサイド類が含まれ
る。好適な作用剤はアミン類、特に炭素原子数が1−2
0の脂肪族アミン類もしくは芳香族アミン類である。特
に有用なアミン類にはアミノヘキシルカルバミン酸(D
iak No.1)、ジメチルアミノ−ドデカン(DM
DD)およびトリエタノールアミン(TEA)または他
の全ての第三級アミンが含まれる。
【0019】本アロイ組成物にグラフト化ポリプロピレ
ンと(メタ)アクリル酸グリシジル官能化ポリマーとア
ミン架橋剤の組み合わせを添加すると、上記組成物の溶
融粘度が高くなり(粘度が高くなればなるほど溶融強度
が高くなる)、従ってエンボス加工シートの目保持特性
が向上する。このことは特に計器板の外皮などの如き製
品を製造する時に高い深延伸を用いる場合に当てはま
る。
【0020】融点が80−130℃の範囲のポリ−α−
オレフィンを0.1−30重量%添加すると、エンボス
加工の温度をより低くすることができかつエンボス加工
の深さをより深くすることができる。この成分はまた完
成計器板外皮の目保持向上にも貢献する。このポリ−α
−オレフィンは式R−CH=CH2[式中、Rは水素ま
たは炭素原子数が1−8のアルキル基である]で表され
るα−オレフィン類のホモ−もしくはコポリマーであ
り、これの密度は0.88から1の範囲である。好適な
ポリマー類はポリエチレン類、例えばHDPEおよびL
DPEなど、およびエチレンとオクテンおよび/または
ブテンのコポリマー類、例えばいわゆるLLDPEなど
である。
【0021】このポリ−α−オレフィン類、例えば好適
なLLDPEおよびLDPEなどを任意に0.01−3
重量%、好適には0.1−1重量%の量のα,β−不飽
和カルボン酸もしくはそれの無水物でグラフト化しても
よい。使用するグラフト化用酸もしくは無水物は、ポリ
プロピレンのグラフト化で本明細書の上に記述した酸も
しくは無水物のいずれであってもよい。無水マレイン酸
が好適である。このグラフト化ポリエチレン類の調製を
ヨーロッパ特許出願公開第370,735号および37
0,736号に記述されているようにして行う。
【0022】本発明のアロイ組成物の調製を、一般に、
例えば押出し加工機などを用いてポリマー成分を高せん
断条件下で溶融ブレンドすることで行う。最初に、いろ
いろな材料を互いに一緒にして、例えばペレット状ブレ
ンド物の状態にしてもよいか、或はいろいろな成分を同
時または個別に計量して入れることを通してそれらを互
いに一緒にすることも可能である。また、それらを分割
して混合用装置の個々別々のセクションに一度にか或は
数回に分けて入れることでブレンドすることも可能であ
る。
【0023】その結果として得た組成物はシートに成形
可能であるか或は所望の如何なる形状物に成形されても
よい。特に本組成物を自動車用計器板の外皮として用い
ると、この組成物は高い深延伸比で熱成形可能である。
本組成物は低温で優れた柔軟性を示すことに加えて耐か
き傷性と高い温度抵抗力(high temperat
ure resistance)を示すことから、本組
成物は、幅広い範囲の温度および摩耗条件に遭遇する用
途で用いるに有用であり得る。
【0024】以下に示す実施例から本発明が更に理解さ
れるであろう。特に明記しない限り、部およびパーセン
トは重量部および重量パーセントである。
【0025】
【実施例】実施例1−7 表1に示す混合物を表1に示す如き成分量で均一なブレ
ンド物が得られるまでタンブル混合した(tumble
−mixed)。その結果として得た各ドライブレンド
物をモデル番号がW50Hのブラベンダー内部ミキサー
(容積60cm3、温度を220℃に設定)で5分間溶
融ブレンドしながらトルクを読み取った。Plasti
corder PLE650加熱制御および駆動装置を
用いて上記ミキサーを駆動させかつ制御した。
【0026】表1に挙げるブレンド物で用いる成分は下
記の通りである:PP=メルトインデックス(ASTM
D−1238、条件L)が4g/10分で融点が約18
0℃のポリプロピレンホモポリマー、EPDM=エチレ
ンを70%とプロピレンを26%と1,4−ヘキサジエ
ンを4%用いて作られていて90−100℃の範囲の融
点を有するターポリマー、アイオノマー=エチレンを6
9.5%とアクリル酸n−ブチルを22%とメタアクリ
ル酸を8.5%用いて作られたターポリマーが亜鉛で4
5%中和されていて1.4g/10分のメルトインデッ
クス(ASTMD−1238、条件E)および約90℃
の融点を有するアイオノマー、EnBAGMA=エチレ
ンを66.7%とアクリル酸n−ブチルを28%とメタ
アクリル酸グリシジルを5.3%用いて作られていて1
2g/10分のメルトインデックス(ASTMD−12
38、条件E)および約80℃の融点を有するターポリ
マー、DIアミン=アミノヘキシルカルバミン酸、DM
DDアミン=ジメチルアミノドデカン、TEAアミン=
トリエタノールアミン、PP−g−MAH=無水マレイ
ン酸が0.6%グラフト化していて酸化カルシウムを4
重量パーセント含有する衝撃改質で高エチレンのコポリ
マー型ポリプロピレン(DuPont Canada
Inc.からFUSABOND(商標)PMZ−203
Dとして入手可能)[このグラフト化ポリマーが230
℃/2.16kgで示すメルトフローインデックスは2
50g/10分で、融点は約160℃である]、PE=
エチレンが92%でn−オクテンが8%で190℃/
2.16kgにおけるメルトフローインデックスが2.
2g/10分で融点が約110℃のLLDPE、PE−
g−MAH=無水マレイン酸が0.8−1%グラフト化
していて190℃/2.16kgで1.4−2g/10
分のメルトフローインデックスを示すLLDPE(Du
Pont Canada Inc.からFUSABON
D(商標)E MB−226Dとして入手可能)。
【0027】対照が示す溶融粘度に比べて各ブレンド物
の溶融粘度が高いことは表1に示すトルクが高いことで
示される[上記ブレンド物ばかりでなく対照に入れる各
成分の重量部に関しては表1を参照]。実施例5から7
に関してはトルク値の測定を行わなかった。トルクが高
ければ高いほど架橋度合が高くかつ歪み硬化効果が高
い。歪み硬化効果は、応力−歪み実験で可塑的変形ゾー
ンにおいて伸びが大きくなるに伴って引張り強度が高く
なることを意味する。上記ブレンド物は熱成形可能で良
好なエンボス加工性を示す。特に実施例6および7で
は、エンボス加工の深さがより深くなりかつ熱成形後の
エンボス加工の絶対的深さがより深くなると予測され
る。このようなブレンド物は高い延伸比で熱成形可能
で、それらの欠陥数は対照で予測される欠陥数よりも少
ない。
【0028】
【表1】
【0029】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0030】1. 熱可塑性ポリマーアロイ組成物であ
って、(a)ポリプロピレンを10−40重量%、
(b)エチレン含有量が60−80重量%の未架橋エチ
レンプロピレンコポリマーゴムを15−50重量%、
(c)エチレンとα,β−不飽和C3−C8カルボン酸の
アイオノマーコポリマーを10−50重量%、(d)エ
チレンとアクリル酸グリシジルもしくはメタアクリル酸
グリシジルのコポリマーを0.1−5重量%、(e)
α,β−不飽和カルボン酸もしくはそれの無水物が0.
01−5重量%グラフト化しているポリプロピレンを
0.1−10重量%、および(f)(i)該エチレンプ
ロピレンゴム用架橋剤、(ii)エポキシド基とカルボ
ン酸もしくは無水物基を反応させるための触媒、または
(i)と(ii)の両方である作用剤を0.01−1.
0重量%、含有するブレンド物を含む組成物。
【0031】2. 任意にα,β−不飽和カルボン酸も
しくはそれの無水物が0.01−3重量%グラフト化し
ていてもよくて80−130℃の範囲の融点を示すポリ
−α−オレフィンを0.1−30重量%更に含む第1項
の組成物。
【0032】3. 該カルボン酸もしくはそれの無水物
がグラフト化しているポリプロピレン(成分e)が無水
マレイン酸が0.1−1重量%グラフト化している高衝
撃で高エチレンのコポリマー型ポリプロピレンであって
酸化カルシウムを0から5重量パーセント含有する第1
または2項の組成物。
【0033】4. 該ポリプロピレンが10−25重量
%の量で存在しており、該未架橋エチレンプロピレンコ
ポリマーゴムが25−45重量%の量で存在しており、
該エチレンとα,β−不飽和C3−C8カルボン酸のアイ
オノマーコポリマーが10−35重量%の量で存在して
おりそして該エチレンとアクリル酸グリシジルもしくは
メタアクリル酸グリシジルのコポリマーが1−3重量%
の量で存在している第1項の組成物。
【0034】5. 該ポリプロピレン(成分a)が10
−25重量%の量で存在しており、該未架橋エチレンプ
ロピレンコポリマーゴム(成分b)が25−45重量%
の量で存在しており、該エチレンとα,β−不飽和C3
−C8カルボン酸のアイオノマーコポリマー(成分c)
が10−35重量%の量で存在しておりそして該エチレ
ンとアクリル酸グリシジルもしくはメタアクリル酸グリ
シジルのコポリマー(成分d)が1−3重量%の量で存
在している第3項の組成物。
【0035】6. 該エチレンプロピレンゴムがエチレ
ンとプロピレンと1,4−ヘキサジエンのコポリマーで
ありそして該エチレンとアクリル酸グリシジルもしくは
メタアクリル酸グリシジルのコポリマーがエチレン/ア
クリル酸n−ブチル/メタアクリル酸グリシジルのコポ
リマーである第4項の組成物。
【0036】7. 該エチレンプロピレンゴムがエチレ
ンとプロピレンと1,4−ヘキサジエンのコポリマーで
ありそして該エチレンとアクリル酸グリシジルもしくは
メタアクリル酸グリシジルのコポリマーがエチレン/ア
クリル酸n−ブチル/メタアクリル酸グリシジルのコポ
リマーである第5項の組成物。
【0037】8. 該作用剤(成分f)が第一級、第二
級もしくは第三級脂肪族アミンまたは芳香族アミンであ
る第1または4項の組成物。
【0038】9. 該作用剤(成分f)が第一級、第二
級もしくは第三級脂肪族アミンまたは芳香族アミンであ
る第5項の組成物。
【0039】10. 該ポリ−α−オレフィンが線状の
低密度ポリエチレンまたは80−130℃の範囲の融点
を有する低密度ポリエチレンである第2項の組成物。
【0040】11. 線状の低密度ポリエチレンまたは
80−130℃の範囲の融点を有する低密度ポリエチレ
ンを更に含む第3項の組成物。
【0041】12. 該線状の低密度ポリエチレンまた
は低密度ポリエチレンに無水マレイン酸がグラフト化し
ている第10項の組成物。
【0042】13. 該線状の低密度ポリエチレンまた
は低密度ポリエチレンに無水マレイン酸がグラフト化し
ている第11項の組成物。
【0043】14. 第4、10または12項記載組成
物から作られた熱成形品。
【0044】15. 第11項記載組成物から作られた
熱成形品。
【0045】16. 該品が計器板の外皮である第14
項の熱成形品。
【0046】17. 該品が計器板の外皮である第15
項の熱成形品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33:14 23:26)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリマーアロイ組成物であっ
    て、(a)ポリプロピレンを10−40重量%、(b)
    エチレン含有量が60−80重量%の未架橋エチレンプ
    ロピレンコポリマーゴムを15−50重量%、(c)エ
    チレンとα,β−不飽和C3−C8カルボン酸のアイオノ
    マーコポリマーを10−50重量%、(d)エチレンと
    アクリル酸グリシジルもしくはメタアクリル酸グリシジ
    ルのコポリマーを0.1−5重量%、(e)α,β−不
    飽和カルボン酸もしくはそれの無水物が0.01−5重
    量%グラフト化しているポリプロピレンを0.1−10
    重量%、および(f)(i)該エチレンプロピレンゴム
    用架橋剤、(ii)エポキシド基とカルボン酸もしくは
    無水物基を反応させるための触媒、または(i)と(i
    i)の両方である作用剤を0.01−1.0重量%、含
    有するブレンド物を含む組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物から作られた熱成
    形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100981393B1 (ko) * 2010-03-25 2010-09-10 주식회사 폴리사이언텍 폴리프로필렌-엘라스토머 나노알로이 조성물 및 이로부터 제조된 스크래치 자기재생성 성형품
KR100981391B1 (ko) * 2010-03-25 2010-09-10 주식회사 폴리사이언텍 폴리프로필렌-엘라스토머 나노알로이 조성물을 이용한 스크래치 자기재생성 성형품의 제조방법
JP2013506047A (ja) * 2009-09-29 2013-02-21 インターフェイシャル ソリューションズ アイピー リミテッド ライアビリティー カンパニー ポリマー組成物のための相溶化剤混合物

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