JPH11180985A - セファロスポリン化合物及びその製造法 - Google Patents

セファロスポリン化合物及びその製造法

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JPH11180985A
JPH11180985A JP35098597A JP35098597A JPH11180985A JP H11180985 A JPH11180985 A JP H11180985A JP 35098597 A JP35098597 A JP 35098597A JP 35098597 A JP35098597 A JP 35098597A JP H11180985 A JPH11180985 A JP H11180985A
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JP
Japan
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formula
cephalosporin compound
compound
cephalosporin
solvent
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JP35098597A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kameyama
豊 亀山
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、長期間、経済的な保存条件下で高
度に安定化されたセファロスポリン化合物を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明のセファロスポリン化合物は、一
般式 【化1】 〔式中、Xは塩素原子又は沃素原子を示す。〕で表され
るセファロスポリン化合物であって、性状が結晶形態で
あることを特徴とするセファロスポリン化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セファロスポリン
化合物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】式(4)
【0003】
【化4】
【0004】で表されるセフキシムは、抗生物質として
重要な化合物である(最新抗生物質要覧、酒井克治著、
第75頁及び第83頁)。
【0005】セフキシムを合成するための中間体として
は、セファロスポリン骨格の3位の反応性が高く、しか
も高純度であることが要望されている。特にこのような
高活性、高純度の中間体は、経済的な保存条件下で長期
間安定であることが望ましい。
【0006】しかしながら、このような要望を満足する
セフキシム合成用中間体は、未だ見い出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セファロス
ポリン骨格の3位の反応性が高く、しかも高純度である
セファロスポリン化合物を提供することを課題とする。
【0008】本発明は、長期間、経済的な保存条件下で
高度に安定化されたセファロスポリン化合物を提供する
ことを課題とする。
【0009】本発明は、穏和な条件で長期間安定に扱え
る結晶形態のセファロスポリン化合物を提供することを
課題とする。
【0010】本発明は、セフキシムを合成するための中
間体になり得るセファロスポリン化合物を提供すること
を課題とする。
【0011】また、本発明は、斯かるセファロスポリン
化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】本発明は、上記課題を解決するために、種
々の研究を重ねた結果、油状物形態の式(2)
【0013】
【化5】
【0014】で表されるセファロスポリン化合物を塩化
メチレンに溶解し、次いでこれにジイソプロピルエーテ
ルを添加して、式(2)で表されるセファロスポリン化
合物の結晶を析出させることにより、安定な結晶形態の
式(2)のセファロスポリン化合物が得られることを見
い出した。また、油状物形態の式(3)
【0015】
【化6】
【0016】で表されるセファロスポリン化合物をエタ
ノール系溶媒中で晶析させることにより、安定な結晶形
態の式(3)のセファロスポリン化合物が得られること
を見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成され
たものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、Xは塩素原子又は沃素原子を示
す。〕で表されるセファロスポリン化合物であって、性
状が結晶形態であることを特徴とするセファロスポリン
化合物が提供される。
【0020】また、本発明によれば、油状物形態の上記
式(2)で表されるセファロスポリン化合物を塩化メチ
レンに溶解し、次いでこれにジイソプロピルエーテルを
添加して、式(2)で表されるセファロスポリン化合物
の結晶を析出させることを特徴とするセファロスポリン
化合物の製造法が提供される。
【0021】また、本発明によれば、油状物形態の式
(3)で表されるセファロスポリン化合物をエタノール
系溶媒中で晶析させて、式(3)で表されるセファロス
ポリン化合物の結晶を得ることを特徴とするセファロス
ポリン化合物の製造法が提供される。
【0022】本発明の一般式(1)のセファロスポリン
化合物は、室温で長期に亘って保管しても品質の低下を
引き起こす虞れはない。従って、本発明の一般式(1)
のセファロスポリン化合物は、長期間、経済的な保存条
件下で高度に安定化されたものであり、穏和な条件で長
期間安定に扱える化合物になり得る。
【0023】本発明の一般式(1)のセファロスポリン
化合物は、セファロスポリン骨格の3位の反応性が高
く、しかも高純度でありながら、高度に安定化された化
合物である。
【0024】従って、本発明の一般式(1)のセファロ
スポリン化合物は、セフキシムを始めとする種々の抗生
物質を合成するための中間体として好適に使用される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)のセファロ
スポリン化合物は、具体的には式(2)で表されるセフ
ァロスポリン化合物及び式(3)で表されるセファロス
ポリン化合物である。
【0026】式(2)のセファロスポリン化合物は、モ
ノクロメーターシルクフィルターを通したλ=1.54
18オングストロームの銅放射線で得られる下記表1に
示すX線粉末回折パターンによって特徴付けられる淡黄
色乃至白色結晶である。
【0027】
【表1】
【0028】式(3)のセファロスポリン化合物は、モ
ノクロメーターシルクフィルターを通したλ=1.54
18オングストロームの銅放射線で得られる下記表2に
示すX線粉末回折パターンによって特徴付けられる淡黄
色乃至白色結晶である。
【0029】
【表2】
【0030】結晶形態の式(2)で表されるセファロス
ポリン化合物は、油状物形態の式(2)で表されるセフ
ァロスポリン化合物を塩化メチレンに溶解し、次いでこ
れにジイソプロピルエーテルを添加して、式(2)で表
されるセファロスポリン化合物の結晶を析出させること
により製造される。この製造法を「方法A」という。
【0031】方法Aでは、まず油状物形態の式(2)で
表されるセファロスポリン化合物を塩化メチレンに溶解
し、次いでこれにジイソプロピルエーテルを添加するこ
とが必須である。油状物形態の式(2)で表されるセフ
ァロスポリン化合物を、塩化メチレンに代えて他の溶
媒、例えばジメチルホルムアミドに溶解した後、ジイソ
プロピルエーテルを添加しても、結晶形態の式(2)で
表されるセファロスポリン化合物は全く得られない(比
較例1)。また、油状物形態の式(2)で表されるセフ
ァロスポリン化合物を塩化メチレンに溶解した後、ジイ
ソプロピルエーテルに代えて他の溶媒、例えばn−ヘキ
サンやジオキサンを添加しても、結晶形態の式(2)で
表されるセファロスポリン化合物は全く得られない(比
較例2及び比較例3)。
【0032】塩化メチレンに対するジイソプロピルエー
テルの添加割合としては、塩化メチレン1容量当たり、
通常1〜200容量、好ましくは2〜10容量、特に好
ましくは4〜6容量とするのがよい。
【0033】方法Aでは、ジイソプロピルエーテルを添
加した後に、混合液を攪拌するのが望ましい。攪拌速度
は、撹拌機の種類や羽根の形状等により異なり一概には
言えないが、通常50〜600rpm、好ましくは15
0〜350rpmがよい。また攪拌の際の温度は、通常
−5〜60℃、好ましくは5〜35℃がよい。
【0034】方法Aにおいて、出発原料として用いられ
る油状物形態の式(2)で表されるセファロスポリン化
合物は、例えば公知の7−アミノ−3−クロロメチルセ
フェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル
と公知のアニスアルデヒドとをカップリング反応させる
ことにより製造される(参考例1)。
【0035】方法Aで得られる結晶形態の式(2)で表
されるセファロスポリン化合物は、従来より慣用されて
いる単離・精製手段、例えば濾過、減圧乾燥等に従い、
単離・精製される。濾過及び乾燥手段は特に制限される
ものではなく、従来公知の手段を広く適用できる。濾過
手段としては、例えば自然濾過、加圧濾過、遠心分離等
を挙げることができる。また、乾燥手段としては、通風
乾燥、棚段乾燥、減圧乾燥等を挙げることができる。乾
燥温度は通常15〜60℃であるが、約25〜45℃の
温度で減圧乾燥するのが特に好ましい。
【0036】結晶形態の式(3)で表されるセファロス
ポリン化合物は、油状物形態の式(3)で表されるセフ
ァロスポリン化合物をエタノール系溶媒中で晶析させる
ことにより製造される。この製造法を「方法B」とい
う。
【0037】方法Bでは、油状物形態の式(3)で表さ
れるセファロスポリン化合物をエタノール系溶媒中で晶
析させることが必須である。油状物形態の式(3)で表
されるセファロスポリン化合物を、エタノール系溶媒に
代えて他の溶媒、例えばジイソプロピルエーテル中で晶
析しようとしても結晶形態の式(3)で表されるセファ
ロスポリン化合物は全く得られない(比較例4)。
【0038】エタノール系溶媒としては、例えばエタノ
ール又はエタノールと塩素系溶媒、エステル系溶媒、ケ
トン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒等との混合
溶媒を挙げることができる。
【0039】塩素系溶媒としては、例えば塩化メチレ
ン、塩化エチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げ
られる。
【0040】エステル系溶媒としては、例えば酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル
等が挙げられる。
【0041】ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、
アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン等が挙げら
れる。
【0042】エーテル系溶媒としては、例えばジエチル
エーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル等が挙げられる。
【0043】アミド系溶媒としては、例えばジメチルホ
ルムアミド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。
【0044】エタノール系溶媒として混合溶媒を用いる
場合、混合溶媒中に含まれるエタノールの割合は、エタ
ノールと混合される溶媒の種類により異なり一概には言
えないが、混合溶媒中にエタノールが80重量%以上含
まれるようにするのがよい。
【0045】方法Bでは、エタノール系溶媒を加えた混
合液を攪拌するのが望ましい。攪拌速度は、撹拌機の種
類や羽根の形状等により異なり一概には言えないが、通
常50〜600rpm、好ましくは150〜350rp
mがよい。また攪拌の際の温度は、通常−15〜60
℃、好ましくは−5〜25℃がよい。
【0046】方法Bにおいて、出発原料として用いられ
る油状物形態の式(3)で表されるセファロスポリン化
合物は、例えば上記方法Aで得られる結晶形態の式
(2)で表されるセファロスポリン化合物を適当な溶媒
に溶解し、ヨウ素化剤を作用させることにより製造され
る(参考例2)。
【0047】溶媒としては、結晶形態の式(2)で表さ
れるセファロスポリン化合物を溶解し得るものである限
り特に限定されるものではないが、例えばアセトン等の
ケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等、好ましくは
アセトンを挙げることができる。
【0048】また、ヨウ素化剤としては、例えばヨウ化
カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化アルカリ金属
塩、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム等のヨウ化アル
カリ土類金属塩、ヨウ化アンモニウム等、好ましくはヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を挙げることができ
る。
【0049】また、方法Bにおいては、油状物形態の式
(2)で表されるセファロスポリン化合物を出発原料と
して使用することもできる。この場合には、特に溶媒に
溶解させなくてもよい。
【0050】方法Bで得られる結晶形態の式(3)で表
されるセファロスポリン化合物は、従来より慣用されて
いる単離・精製手段、例えば濾過、減圧乾燥等に従い、
単離・精製される。濾過及び乾燥手段は、上記方法Aの
場合と同じでよい。
【0051】上記方法A及び方法Bで得られる本発明の
一般式(1)のセファロスポリン化合物は、セフキシム
を始めとする種々の抗生物質を合成するための中間体と
して好適に使用される。
【0052】
【化8】
【0053】反応式−1によれば、結晶形態の式(3)
で表されるセファロスポリン化合物にトリフェニルホス
フィン、ホルムアルデヒド及び炭酸ナトリウムを作用さ
せることにより、式(5)で表される7−(4−メトキ
シベンジリデン)−3−ビニルセフェム−4−カルボン
酸p−メトキシベンジルエステルが得られる。次にm−
クレゾール中塩酸を用いて式(5)の化合物の7位アミ
ノ基及び4位カルボン酸保護基を脱保護することによ
り、式(6)で表される7−アミノ−3−ビニルセフェ
ム−4−カルボン酸が得られる。更に特開昭63−20
435号公報に記載の方法に従い、式(4)で表される
セフキシムが得られる。
【0054】
【実施例】以下に参考例、実施例及び比較例を掲げて、
本発明をより一層明らかにする。
【0055】参考例1 油状物形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)
−3−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メト
キシベンジルエステル(油状物形態の式(2)のセファ
ロスポリン化合物)の製造 1リットルのナス型フラスコに炭酸水素ナトリウム1
2.4gを量り取り、これに水300mlを加えて十分
に溶解した。この溶液に塩化メチレン300ml、p−
アニスアルデヒド6.8ml及び7−アミノ−3−クロ
ロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジ
ルエステル・1塩酸塩18gを順次加えて、室温下に1
時間攪拌した。この溶液を分液ロートに移し、静置した
後分液した。有機層(塩化メチレン層)を硫酸マグネシ
ウム上で乾燥を行った後、減圧濃縮して、油状物形態の
7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−3−クロロ
メチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジル
エステルをほぼ定量的に得た。
【0056】1H−NMR(DMSO−d6)δppm;
3.50(d,J=18Hz,1H),3.71(d,
J=18Hz,1H),3.73(s,3H),3.7
9(s,3H),4.46(d,J=11Hz,1
H),4.54(d,J=11Hz,1H),5.16
(d,J=12Hz,1H),5.24(d,J=12
Hz,1H),5.33(d,J=5Hz,1H),
5.59(dd,J=1Hz,J=5Hz,1H),
6.97(d,J=8Hz,2H),7.01(d,J
=8Hz,2H),7.36(d,J=8Hz,2
H),7.65(d,J=8Hz,2H),8.47
(d,J=1Hz,1H)。
【0057】実施例1 結晶形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−
3−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキ
シベンジルエステル(結晶形態の式(2)のセファロス
ポリン化合物)の製造 上記参考例1で得られた油状物形態の7−(4−メトキ
シベンジリデンアミノ)−3−クロロメチルセフェム−
4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステル21.6
gを塩化メチレン60mlに溶解し、その溶液にジイソ
プロピルエーテル300mlを加えて、20〜25℃の
温度にて1時間撹拌した。結晶を十分に析出させ、ヌッ
チェフィルターを用いて減圧濾過を行った後、ナス型フ
ラスコを用いて減圧乾燥を行った。この際、フラスコは
40℃の温浴に浸しておいた。斯くして結晶形態の7−
(4−メトキシベンジリデンアミノ)−3−クロロメチ
ルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシベンジルエス
テルを21.2g(収率93%)得た。
【0058】得られた化合物は、モノクロメーターシル
クフィルターを通したλ=1.5418オングストロー
ムの銅放射線で得られる上記表1に示すX線粉末回折パ
ターンによって特徴付けられる淡黄色乃至白色結晶であ
った。
【0059】比較例1 塩化メチレンの代わりにジメチルホルムアミド60ml
を用いる以外は、実施例1と同様に処理したが、結晶は
得られなかった。
【0060】比較例2 ジイソプロピルエーテルの代わりにジオキサン300m
lを用いる以外は、実施例1と同様に処理したが、油状
物形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−3
−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシ
ベンジルエステルがn−ヘキサン中で分離するのみで、
結晶は得られなかった。
【0061】比較例3 ジイソプロピルエーテルの代わりにn−ヘキサン300
mlを用いる以外は、実施例1と同様に処理したが、油
状物形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−
3−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキ
シベンジルエステルがn−ヘキサン中で分離するのみ
で、結晶は得られなかった。
【0062】参考例2 油状物形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)
−3−ヨードメチルセフェム−4−カルボン酸p−メト
キシベンジルエステル(油状物形態の式(3)のセファ
ロスポリン化合物)の製造 300mlのナス型フラスコに炭酸水素ナトリウム2.
61g、ヨウ化カリウム4.1g及び実施例1で得られ
た結晶形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)
−3−クロロメチルセフェム−4−カルボン酸p−メト
キシベンジルエステル10gを量り取り、これにアセト
ン100mlを加えて室温下、2時間撹拌した。反応液
から不溶物を濾過した後、減圧下濃縮を行うと、油状物
形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−3−
ヨードメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキシベ
ンジルエステル油状物がほぼ定量的に得られた。
【0063】実施例2 結晶形態の7−(4−メトキシベンジリデンアミノ)−
3−ヨードメチルセフェム−4−カルボン酸p−メトキ
シベンジルエステル(結晶形態の式(3)のセファロス
ポリン化合物)の製造 上記参考例2で得られた油状物形態の7−(4−メトキ
シベンジリデンアミノ)−3−ヨードメチルセフェム−
4−カルボン酸p−メトキシベンジルエステルにエタノ
ール100mlを加え、15〜20℃の温度にて1時間
撹拌した。結晶を十分に析出させ、ヌッチェフィルター
を用いて減圧濾過を行った後、ナス型フラスコを用いて
減圧乾燥を行った。この際、フラスコは40℃の温浴に
浸しておいた。斯くして結晶形態の7−(4−メトキシ
ベンジリデンアミノ)−3−ヨードメチルセフェム−4
−カルボン酸 p−メトキシベンジルエステルを11g
(収率92%)得た。
【0064】得られた化合物は、モノクロメーターシル
クフィルターを通したλ=1.5418オングストロー
ムの銅放射線で得られる上記表1に示すX線粉末回折パ
ターンによって特徴付けられる淡黄色乃至白色結晶であ
った。
【0065】また、得られた化合物のNMRスペクトル
は、以下の通りであった。
【0066】1H−NMR(DMSO−d6)δppm;
3.48(d,J=18Hz,1H),3.73(s,
3H),3.80(s,3H),3.83(d,J=1
8Hz,1H),4.32(d,J=9Hz,1H),
4.40(d,J=9Hz,1H),5.14(d,J
=12Hz,1H),5.23(d,J=12Hz,1
H),5.29(d,J=5Hz,1H),5.53
(d,J=5Hz,1H),6.92(d,J=8H
z,2H),7.01(d,J=8Hz,2H),7.
36(d,J=8Hz,2H),7.71(d,J=8
Hz,2H),8.47(s,1H)。
【0067】比較例4 エタノールの代わりにジイソプロピルエーテル100m
lを用いる以外は、実施例2と同様に処理したが、結晶
は得られなかった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、Xは塩素原子又は沃素原子を示す。〕で表され
    るセファロスポリン化合物であって、性状が結晶形態で
    あることを特徴とするセファロスポリン化合物。
  2. 【請求項2】 Xが塩素原子である請求項1記載のセフ
    ァロスポリン化合物。
  3. 【請求項3】 モノクロメーターシルクフィルターを通
    したλ=1.5418オングストロームの銅放射線で得
    られる以下のX線粉末回折パターン: d I/Io 17.24〜17.26 0.18〜0.22 15.27〜15.29 0.22〜0.26 14.37〜14.39 0.22〜0.26 11.77〜11.79 0.05〜0.07 10.90〜10.92 0.08〜0.10 9.87〜9.89 0.21〜0.25 8.49〜8.51 0.09〜0.11 8.36〜8.38 0.12〜0.14 7.79〜7.81 0.10〜0.12 7.17〜7.19 0.10〜0.12 6.71〜6.73 0.69〜0.85 6.32〜6.34 0.23〜0.28 6.09〜6.11 0.36〜0.44 5.96〜5.98 0.25〜0.31 5.70〜5.72 0.47〜0.57 5.43〜5.45 0.13〜0.15 5.12〜5.14 0.09〜0.11 4.92〜4.94 0.20〜0.24 4.68〜4.70 0.39〜0.47 4.61〜4.63 0.17〜0.21 4.54〜4.56 0.41〜0.50 4.47〜4.49 0.23〜0.29 4.37〜4.39 1.00 4.30〜4.32 0.60〜0.74 4.21〜4.23 0.27〜0.33 4.16〜4.18 0.23〜0.28 3.97〜3.99 0.46〜0.56 3.87〜3.89 0.29〜0.35 3.79〜3.81 0.08〜0.10 3.70〜3.72 0.23〜0.29 3.66〜3.68 0.25〜0.31 3.61〜3.63 0.22〜0.26 3.50〜3.52 0.23〜0.28 3.43〜3.45 0.17〜0.21 3.33〜3.35 0.22〜0.26 3.30〜3.32 0.11〜0.13 3.22〜3.24 0.13〜0.15 3.19〜3.21 0.11〜0.13 3.03〜3.05 0.12〜0.14 2.88〜2.90 0.09〜0.11 2.85〜2.87 0.1〜0.12 2.71〜2.73 0.08〜0.10 (dは格子面間隔、I/Ioは相対強度を示す。)を有
    する請求項2記載のセファロスポリン化合物。
  4. 【請求項4】 油状物形態の式(2) 【化2】 で表されるセファロスポリン化合物を塩化メチレンに溶
    解し、次いでこれにジイソプロピルエーテルを添加し
    て、式(2)で表されるセファロスポリン化合物の結晶
    を析出させて得ることができる請求項2又は請求項3に
    記載のセファロスポリン化合物。
  5. 【請求項5】 Xが沃素原子である請求項1記載のセフ
    ァロスポリン化合物。
  6. 【請求項6】 モノクロメーターシルクフィルターを通
    したλ=1.5418オングストロームの銅放射線で得
    られる以下のX線粉末回折パターン: d I/Io 14.05〜14.07 0.50〜0.61 13.66〜13.68 0.63〜0.77 12.26〜12.28 0.23〜0.29 11.03〜11.05 0.14〜0.17 9.79〜9.81 0.23〜0.29 9.37〜9.39 0.41〜0.51 7.72〜7.74 0.15〜0.19 6.92〜6.94 0.23〜0.28 6.77〜6.79 0.21〜0.25 6.63〜6.65 0.30〜0.36 6.40〜6.42 0.21〜0.25 6.24〜6.26 0.29〜0.35 5.84〜5.86 0.23〜0.29 5.60〜5.62 0.15〜0.19 5.50〜5.52 0.59〜0.73 5.19〜5.21 0.24〜0.30 4.90〜4.92 0.27〜0.33 4.81〜4.83 0.30〜0.36 4.67〜4.69 0.41〜0.51 4.59〜4.61 0.50〜0.61 4.53〜4.55 0.74〜0.90 4.48〜4.50 0.21〜0.25 4.42〜4.44 0.47〜0.57 4.33〜4.35 1.00 4.21〜4.23 0.39〜0.47 4.09〜4.11 0.50〜0.62 3.97〜3.99 0.13〜0.15 3.85〜3.87 0.37〜0.45 3.81〜3.83 0.50〜0.61 3.73〜3.75 0.20〜0.24 3.66〜3.68 0.22〜0.26 3.60〜3.62 0.44〜0.54 3.50〜3.52 0.46〜0.56 3.39〜3.41 0.23〜0.28 3.37〜3.39 0.31〜0.37 3.35〜3.37 0.24〜0.30 3.29〜3.31 0.19〜0.23 3.27〜3.29 0.27〜0.33 3.25〜3.27 0.25〜0.31 3.13〜3.15 0.33〜0.41 3.06〜3.08 0.31〜0.37 2.98〜3.00 0.14〜0.18 2.70〜2.72 0.18〜0.21 2.67〜2.69 0.16〜0.20 2.49〜2.51 0.13〜0.15 2.40〜2.42 0.13〜0.15 (dは格子面間隔、I/Ioは相対強度を示す。)を有
    する請求項4記載のセファロスポリン化合物。
  7. 【請求項7】 油状物形態の式(3) 【化3】 で表されるセファロスポリン化合物をエタノール系溶媒
    中で晶析させて得ることができる請求項5又は請求項6
    に記載のセファロスポリン化合物。
  8. 【請求項8】 油状物形態の式(2)で表されるセファ
    ロスポリン化合物を塩化メチレンに溶解し、次いでこれ
    にジイソプロピルエーテルを添加して、式(2)で表さ
    れるセファロスポリン化合物の結晶を析出させることを
    特徴とする請求項2又は請求項3に記載のセファロスポ
    リン化合物の製造法。
  9. 【請求項9】 油状物形態の式(3)で表されるセファ
    ロスポリン化合物をエタノール系溶媒中で晶析させて、
    式(3)で表されるセファロスポリン化合物の結晶を得
    ることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のセフ
    ァロスポリン化合物の製造法。
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