JPH11180938A - N−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造法 - Google Patents

N−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造法

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JPH11180938A
JPH11180938A JP28004498A JP28004498A JPH11180938A JP H11180938 A JPH11180938 A JP H11180938A JP 28004498 A JP28004498 A JP 28004498A JP 28004498 A JP28004498 A JP 28004498A JP H11180938 A JPH11180938 A JP H11180938A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機塩等の水溶性不純物を低減したN−
長鎖アシル酸性アミノ酸の簡易な製造法を提供する。 【解決手段】 無機塩等の水溶性不純物を含有するN−
長鎖アシル酸性アミノ酸をターシャリーブタノールおよ
び水と混合し、該混合液を水層とN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸を含む有機層とに分層することで無機塩等の水溶
性不純物を除去し、次いで有機層よりN−長鎖アシル酸
性アミノ酸を得ることを特徴とするN−長鎖アシル酸性
アミノ酸の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機塩等の水溶性不
純物を低減した、精製されたN−長鎖アシル酸性アミノ
酸の簡易な製造法に関するものである。N−長鎖アシル
酸性アミノ酸は界面活性剤、抗菌剤等の原料として使用
されており、特に洗剤、および医薬部外品・化粧品など
香粧品分野でよく利用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、N−長鎖アシル酸性アミノ酸のア
ミン塩またはアルカリ金属塩は、その界面活性作用から
界面活性剤や抗菌剤として広く利用されている。特に洗
剤、および医薬部外品・化粧品など香粧品分野での利用
が多く、このような分野では最終製品に濁りが無いこと
が要求されるケースが多い。そのためこのような分野で
N−長鎖アシルアミノ酸を使用する際には、最終製品に
濁りを引き起こすような不純物を極力低減させることが
求められている。
【0003】従来、酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドとを
反応させてN−長鎖アシル酸性アミノ酸を製造する方法
として、特公昭46−8685号公報にアルカリの存在
下、反応溶媒として親水性有機溶媒15〜80容量%と
水85〜20容量%の範囲の割合からなる混合溶媒を使
用し、反応終了後反応液を鉱酸でpH1に調整してN−
長鎖アシル酸性アミノ酸の粗結晶を析出させ、ろ過、洗
浄して精製N−長鎖アシル酸性アミノ酸を得る方法が開
示されている。しかしこの方法で得られたN−長鎖アシ
ル酸性アミノ酸は無機塩の除去性が不十分であるととも
に、上記のようなN−長鎖アシル酸性アミノ酸の分離法
は設備、操作ともに工業的ではない。本発明者らの検討
でも、N−長鎖アシル酸性アミノ酸の粉体を水中に分散
して無機塩等の洗浄除去を試みたが粉体内部の無機塩ま
では除去困難であった。また、加温して同様の洗浄を試
みたところ液がゲル化してしまい洗浄不可能であった。
【0004】特公昭57−47902号公報では、水と
親水性有機溶媒の混合溶媒中、アルカリの存在下に酸性
アミノ酸と脂肪酸ハライドを反応させて得られる合成反
応液を、40℃から該親水性有機溶媒の沸点温度におい
て鉱酸でpH1〜6に調整することにより水層と生成物
を含む有機層に分層し、次いで有機層より生成物を分離
取得する方法が開示されている。この方法では無機塩含
有量は1〜2%になっているにすぎず不十分である。
【0005】さらに特開平3−284658号公報で
は、N−長鎖アシル酸性アミノ酸中に残存し製品の臭気
原因となる物質および塩類をルーズな逆浸透膜によりN
−長鎖アシル酸性アミノ酸塩水溶液から除去する方法を
開示している。しかし高価な膜分離装置を使用する点で
不利であること、濃度管理、膜管理等運転管理に煩雑さ
が伴う点から簡易な方法であるとは言えない。
【0006】また特開平3−279354号公報では、
酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドとの縮合反応において、
アセトンとイソプロパノールとの混合溶媒を反応溶媒に
用い、得られた反応液を酸性化後晶析分離し、得られた
結晶を親水性有機溶媒に溶解し硫酸ナトリウム水溶液を
添加した後、有機層と水層に分層することにより食塩の
除去を実施する方法を開示している。本方法によっては
多量の硫酸ナトリウムを使用する限りそれの製品への混
入は避けられず、また高濃度の硫酸ナトリウムを含む廃
液の処理も問題となる。
【0007】また本発明者らは、上記先行技術の実施例
においてN−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造によく用い
られている親水性有機溶媒のアセトンを使用した場合で
も、N−長鎖アシル酸性アミノ酸/水/アセトン混合液
からN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層と水層と
に分層して、塩類等の不純物を除去できるかどうか検討
した。しかしながら、N−長鎖アシル酸性アミノ酸/水
/アセトン混合液での場合には、混合液の組成および液
温度をどのように変化させても有機層と水層とに分層は
起こらないことを確認した。N−長鎖アシル酸性アミノ
酸/水/アセトン混合液系において有機層と水層とに分
層するのは無機塩を多量に添加して塩析効果を利用した
場合のみであると推察される。従って、N−長鎖アシル
酸性アミノ酸/水/アセトン混合液系である限り、特開
平3−279354号公報で開示された高濃度の硫酸ナ
トリウム水溶液を添加するような手法を用いないと有機
層を分層洗浄することはできないし、またその場合には
必然的にN−長鎖アシル酸性アミノ酸中への分層に使用
した塩類の残存を伴うことになる。
【0008】以上のように、塩類等の水溶性不純物を低
減したN−長鎖アシル酸性アミノ酸の簡易な製造法は今
までに無かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩類等の水
溶性不純物を低減したN−長鎖アシル酸性アミノ酸の簡
易な製造法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を克服すべく鋭意検討した結果、N−長鎖ア
シル酸性アミノ酸、ターシャリーブタノール、および水
とからなる混合液は、ある混合組成において水層とN−
長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層とに分層するこ
と、これによってN−長鎖アシル酸性アミノ酸中に残存
する塩類等の水溶性不純物を除去し高純度のN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸を製造できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は以下の通りである。 1)無機塩等の不純物を含むN−長鎖アシル酸性アミノ
酸をターシャリーブタノールおよび水との混合状態か
ら、水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層と
に分層し、次いで有機層より、無機塩等の不純物が除去
され精製されたN−長鎖アシル酸性アミノ酸を得ること
を特徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造法。
【0012】2)35℃〜80℃の温度において水層と
N−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層とに分層する
ことを特徴とする上記1に記載のN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸の製造法。以下、本発明を詳細に説明する。本発
明に適用できるN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、炭素原
子数8〜20の飽和または不飽和の長鎖アシル基が酸性
アミノ酸のアミノ基に導入された酸性アミノ酸誘導体で
ある。ここで酸性アミノ酸とは、分子中に存在するカル
ボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノ
アミノジカルボン酸であり、アミノ基はN−メチル基ま
たはN−エチル基でもかまわない。また光学異性体例え
ばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0013】具体的には、例えば、グルタミン酸、アス
パラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、
シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノ
マロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α
−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキ
シグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレ
ングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン
酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシア
ジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オ
キシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノス
ベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸であ
る。
【0014】またN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、どう
いう製造方法で製造されたものでもよい。例えば、特公
昭46−8685号公報に記載のように、親水性有機溶
媒と水との混合用媒を用いて反応を行い、鉱酸でpH1
に調整した後、濾過して得られたN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸の粗結晶でもそのまま本発明に適用できる。ま
た、特公昭57−47902号公報に記載のように、親
水性有機溶媒と水の混合溶媒中で反応させて得られる合
成反応液を、鉱酸でpH1〜6に調整することにより、
水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層に分層
し、この有機層から分離取得されたN−長鎖アシル酸性
アミノ酸でも良い。
【0015】あるいは、アルカリ存在下に酸性アミノ酸
と長鎖脂肪酸クロライドとを縮合させてN−長鎖アシル
酸性アミノ酸を得る際に、反応に親水性溶媒としてター
シャリーブタノールを用い、反応後鉱酸でpH1〜6と
して分層して得られたN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含
む有機層をそのまま本発明に適用してもかまわない。こ
の場合、N−長鎖アシル酸性アミノ酸を液中から分離す
る必要がない点で好ましい。
【0016】また、長鎖アシル基としては、炭素原子数
8〜20の飽和または不飽和脂肪酸より誘導されるアシ
ル基であれば何でも良く、直鎖、分岐、環状を問わな
い。例えばカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン
酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ス
テアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂
肪酸によるアシル基、2−ブチル−5−メチルペンタン
酸、2−イソブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチル
オクタン酸、ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチ
ルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン
酸、2−エチル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチ
ル−4−エチルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プ
ロピル−3−メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジ
メチルドデカン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、
メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピル
ドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、
ヘキシルノナン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メ
チルノナン酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチル
ノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン
酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブ
チルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカ
ン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブ
チルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メ
チルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピル
テトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカ
ン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチ
ルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘ
プタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデ
カン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン
酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプ
チルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサ
デカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカ
ン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン
酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メ
チルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘ
プチルノナン酸のような分岐脂肪酸によるアシル基、オ
クテン酸、ノネン酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウン
デシレン酸、リンデル酸、トウハク酸、ラウロレイン
酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタ
デセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタ
デセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン
酸、ゴンドイン酸のような直鎖モノエン酸によるアシル
基、メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデ
セン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチル
トリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセ
ン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン
酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸によ
るアシル基、リノール酸、リノエライジン酸、エレオス
テアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソ
イドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸
のようなジまたはトリエン酸によるアシル基、オクチン
酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、
トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプ
タデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチル
オクタデシン酸のようなアセチレン酸によるアシル基、
メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、ア
レプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレ
プリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、
ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシ
ル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸によ
るアシル基があげられる。
【0017】また、天然油脂由来の脂肪酸より誘導され
るアシル基でも良く、上記の炭素原子数8〜20の飽和
または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪酸による
アシル基であれば良い。例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム
油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリブ油脂肪
酸、ツバキ油脂肪酸等によるアシル基である。
【0018】本発明の製造法に用いられるターシャリー
ブタノールは高純度である必要はなく、水との共沸によ
って得られるような水含有品でもかまわない。本発明の
製造法をさらに詳細に説明する。本発明の製造法は、例
えば、N−長鎖アシル酸性アミノ酸をターシャリーブタ
ノールおよび水を有機層と水層とに分層するような組成
にて混合し、液液抽出によりN−長鎖アシル酸性アミノ
酸を含む有機層中の水溶性不純物、主に無機塩類を水層
中に移行させることで実施できる。
【0019】これをN−ココイル−L−グルタミン酸/
ターシャリーブタノール/水の組成(重量分率)を例に
取って三角図で表すと、分層の起こる組成は下図の線で
囲まれた領域(分層領域)になる。なお、図1におい
て、TBAはターシャリーブタノールを表す。この組成
領域内であれば、該混合液はN−ココイル−L−グルタ
ミン酸を含む有機層と水層とに分層するので、この領域
内に入るように各成分組成を決定すれば何回でも有機層
の精製は可能であるため、有機層中の無機塩が希望する
含有率になるまで精製を繰り返せば良い。これを図1で
説明する。
【0020】図1の各軸の目盛りは重量分率である。N
−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリーブタノー
ル/水を重量比で34/26/40に混合した場合、図
1のA点となり、この組成では有機層と水層とに分層し
各層の組成はそれぞれB点とC点になる。さらにB点組
成の有機層に水を添加してD点の組成にすれば分層し有
機層および水層の組成はそれぞれE点とF点になる。こ
のようにN−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリ
ーブタノール/水の組成が図1の分層領域内に入るよう
に操作をすれば分層、即ち有機層の精製が実施できる。
【0021】本発明の製造法においては、分層平衡に達
する時間は分層領域においてターシャリーブタノール濃
度が高いほど短くなるので、分層が実施可能な範囲でタ
ーシャリーブタノール濃度を高くするのは好ましい。本
発明の製造法においては、水洗温度は35〜80℃、好
ましくは40〜70℃である。35℃より低い温度では
分層平衡に達するまでの時間が長くなったり、平衡に達
しても有機層中にかなりの量の無機塩が残存したり、N
−長鎖アシル酸性アミノ酸の種類や液中濃度によっては
全く分層しない場合があるからである。ターシャリーブ
タノール/水の共沸組成の沸点が80℃近傍にあり80
℃を越すと沸騰が起こるため加圧下での分層が必要とな
り、特別な装置が必要となり不利である。
【0022】このようにして分層した後の無機塩等の水
溶性不純物の低減された有機層からN−長鎖アシル酸性
アミノ酸を取り出すには、常法に従ってターシャリーブ
タノールを蒸留分離によって除去すれば良い。
【0023】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)不純物として1.5重量%の塩化ナトリウ
ム、1.5重量%の硫酸ナトリウムを含有するN−ココ
イル−L−グルタミン酸100gに対して、N−ココイ
ル−L−グルタミン酸/ターシャリーブタノール/水が
重量比で20/30/50となるようにターシャリーブ
タノールと水を混合した。この混合液を50℃で攪拌し
てN−ココイル−L−グルタミン酸を融解分散させた
後、30分静置して分層させた。得られた有機層から溶
媒を除去してN−ココイル−L−グルタミン酸96gを
得た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の不純物は、
塩化ナトリウム0.095重量%、硫酸ナトリウム0.
19重量%であった。
【0024】(実施例2)実施例1において混合液組成
をN−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリーブタ
ノール/水が重量比で22/12/66とした以外は実
施例1と同じ条件で実施してN−ココイル−L−グルタ
ミン酸96gを得た。N−ココイル−L−グルタミン酸
中の不純物は、塩化ナトリウム0.095重量%、硫酸
ナトリウム0.19重量%であった。
【0025】(実施例3)実施例1と同じ条件で混合液
の分層を実施しN−ココイル−L−グルタミン酸を含む
有機層を得た。得られた有機層に、有機層重量に対しさ
らに50重量%の水を添加して50℃で15分攪拌し
た。攪拌停止後、30分間静置して分層させた。得られ
た有機層から溶媒を除去してN−ココイル−L−グルタ
ミン酸95gを得た。N−ココイル−L−グルタミン酸
中の不純物は、塩化ナトリウム0.007重量%、硫酸
ナトリウム0.027重量%であった。
【0026】(実施例4)実施例3と同じ条件で混合液
の分層を2回実施しN−ココイル−L−グルタミン酸を
含む有機層を得た。得られた有機層に、有機層重量に対
しさらに50重量%の水を添加して50℃で15分攪拌
した。攪拌停止後30分間静置して分層させた。得られ
た有機層から溶媒を除去しN−ココイル−L−グルタミ
ン酸95gを得た。N−ココイル−L−グルタミン酸中
の不純物は、塩化ナトリウム0.001重量%以下、硫
酸ナトリウム0.006重量%であった。
【0027】(実施例5)実施例1において、混合液の
分層温度を70℃とした以外は実施例1と同じ条件で実
施してN−ココイル−L−グルタミン酸96gを得た。
N−ココイル−L−グルタミン酸中の不純物は、塩化ナ
トリウム0.072重量%、硫酸ナトリウム0.14重
量%であった。
【0028】(実施例6)実施例1において、原料のN
−ココイル−L−グルタミン酸をこれと同じ不純物含量
のN−ラウロイル−L−グルタミン酸とした以外は実施
例1と同じ条件で実施してN−ラウロイル−L−グルタ
ミン酸96gを得た。N−ラウロイル−L−グルタミン
酸中の不純物は、塩化ナトリウム0.095重量%、硫
酸ナトリウム0.19重量%であった。
【0029】(実施例7)実施例6において、混合液の
組成をN−ラウロイル−L−グルタミン酸/ターシャリ
ーブタノール/水が重量比で24/24/52とし分層
温度を70℃とした以外は実施例6と同じ条件で実施し
て、N−ラウロイル−L−グルタミン酸96gを得た。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸中の不純物は、塩化
ナトリウム0.084重量%、硫酸ナトリウム0.16
重量%であった。
【0030】(実施例8)実施例1において、原料のN
−ココイル−L−グルタミン酸を不純物含量が塩化ナト
リウム10重量%、硫酸ナトリウム10重量%のN−コ
コイル−L−グルタミン酸とした以外は実施例1と同じ
条件で実施して、N−ココイル−L−グルタミン酸80
gを得た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の不純物
は、塩化ナトリウム0.63重量%、硫酸ナトリウム
1.26重量%であった。
【0031】(実施例9)実施例1において、原料のN
−ココイル−L−グルタミン酸をこれと同じ不純物量の
N−ココイル−L−アスパラギン酸とし、混合液の組成
をN−ココイル−L−アスパラギン酸/ターシャリーブ
タノール/水が重量比で24/24/52とした以外は
実施例1と同様の条件で実施して、N−ココイル−L−
アスパラギン酸96gを得た。N−ココイル−L−アス
パラギン酸中の不純物は、塩化ナトリウム0.10重量
%、硫酸ナトリウム0.18重量%であった。
【0032】(実施例10)L−グルタミン酸ナトリウ
ム一水和物220.83g(1.18mol)、純水3
17.60g、25重量%水酸化ナトリウム水溶液18
8.79g(水酸化ナトリウム1.18mol)の溶液
に、ターシャリーブタノール/水混合溶媒(ターシャリ
ーブタノール88容量%)400mlを加え、この溶液
を氷冷しながら25重量%水酸化ナトリウムでpHを1
2に調整しながら塩化ココイル261.05g(1.1
5mol)を撹拌下、2時間を要して滴下した。さらに
30分撹拌を続けた後、75重量%硫酸を滴下して液の
pHを2に、また液の温度を50℃に調整した。滴下終
了後、撹拌を停止し、15分間50℃で静置すると有機
層と水層とに分層した。この液から分離取得した有機層
中には、N−ココイル−L−グルタミン酸50重量%、
ターシャリーブタノール40重量%、塩化ナトリウム
0.6重量%、硫酸ナトリウム0.5重量%、を含み残
りはほぼ水である。この有機層に、有機層重量に対して
50重量%の水を添加し50℃で15分攪拌した。攪拌
停止後静置すると分層し、そのまま30分静置させた後
有機層を分離取得した。得られた有機層から溶媒を除去
してN−ココイル−L−グルタミン酸372.70g
(収率96%)を得た。N−ココイル−L−グルタミン
酸中の不純物は、塩化ナトリウム0.088重量%、硫
酸ナトリウム0.14重量%であった。
【0033】(比較例1)実施例1において、混合液の
組成をN−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリー
ブタノール/水が重量比で20/60/20とした以外
は実施例1と同じ条件で実施したが、混合液は60分静
置しても分層しなかった。
【0034】(比較例2)実施例1において、混合液の
組成をN−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリー
ブタノール/水が重量比で60/20/20とした以外
は実施例1と同じ条件で実施したが、混合液は60分静
置しても分層しなかった。
【0035】(比較例3)実施例1においてターシャリ
ーブタノールをアセトンとする以外は実施例1と同じ条
件で実施したが、混合液は60分静置しても分層しなか
った。
【0036】(比較例4)実施例1において、原料のN
−ココイル−L−グルタミン酸をこれと同じ不純物含量
のN−ラウロイル−L−グルタミン酸とし、混合液の組
成をN−ラウロイル−L−グルタミン酸/ターシャリー
ブタノール/水が重量比で20/60/20とした以外
は実施例1と同じ条件で実施したが、混合液は60分静
置しても分層しなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に比べ次の利点
がある。本発明の製造法は簡易であるだけでなく、塩類
などの不純物が極めて低含量で、高純度のN−長鎖アシ
ル酸性アミノ酸が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリ
ーブタノール/水の組成(重量分率)を三角図で表した
ものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機塩等の不純物を含むN−長鎖アシル
    酸性アミノ酸をターシャリーブタノールおよび水との混
    合状態から、水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む
    有機層とに分層し、次いで有機層より、無機塩等の不純
    物が除去され精製されたN−長鎖アシル酸性アミノ酸を
    得ることを特徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸の製
    造法。
  2. 【請求項2】 35℃〜80℃の温度において水層とN
    −長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層とに分層するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のN−長鎖アシル酸性ア
    ミノ酸の製造法。
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