JPH11179768A - 可塑化装置における逆流防止弁 - Google Patents

可塑化装置における逆流防止弁

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JPH11179768A
JPH11179768A JP35661797A JP35661797A JPH11179768A JP H11179768 A JPH11179768 A JP H11179768A JP 35661797 A JP35661797 A JP 35661797A JP 35661797 A JP35661797 A JP 35661797A JP H11179768 A JPH11179768 A JP H11179768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体表面又はバルブシートの摩耗を、硬鋼と
硬質材料とを使い分けて逆流防止弁を構成することによ
り解決する。 【解決手段】 弁体26の先端形状が円錐形の逆流防止
弁を、可塑化シリンダ22内に回転かつ進退自在に内装
したスクリュ20の先端にスクリュヘッドとしてねじ着
する。弁体26の中央部と後部に突設したねじ軸27と
を鋼材により形成する。弁体26の外郭部26aを硬質
材料をもって形成する。硬質材料はボロン合金とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、射出装置に並設
された可塑化装置における逆流防止弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリプラ式射出成形機では、射出用のプ
ランジャを内装した射出シリンダと、スクリュを回転自
在に内装した可塑化シリンダとを、先端部にわたり設け
た樹脂路により連通して並設し、可塑化シリンダで溶融
・混練(以下可塑化と称する)した樹脂を射出シリンダ
の前部に計量(蓄積)してのち、プランジャの前進によ
り射出を行う構成からなる。
【0003】このような構成では、射出圧力により計量
樹脂の一部が可塑化シリンダ側へ逆流し、その分だけ計
量樹脂が目減りするので、これを防止する遮断手段を可
塑化シリンダの先端の流出路または樹脂路等に設けてい
る。
【0004】この遮断手段としては、弁体の後面を外部
に設けたばね部材により可動ピンを介して、樹脂路の可
塑化シリンダ側に形成した弁座に常時弾圧し、可塑化シ
リンダからの樹脂圧のみで開弁するようにして、射出シ
リンダからの樹脂の逆流を防止するバルブ方式と、計量
完了時にスクリュを前進して、スクリュヘッドを可塑化
シリンダの先端部内面に押し当てて遮断するスクリュ方
式とがある。
【0005】上記バルブ方式では、可動ピンの周囲に摺
動のためのクリアランスがあり、このクリアランスから
樹脂漏れが生じ易く、またスクリュ方式では樹脂漏れの
心配はないが、スクリュを押し出して遮断を行うことか
ら、計量完了後においてもスクリュ前部の樹脂を射出シ
リンダ側に送り込むことになり、その送り込み量も常に
一定とは限らないので、プランジャの計量停止位置が不
安定となって、計量に誤差が生ずる。
【0006】そこで本発明者は、先に計量後のプランジ
ャの前進による樹脂の可塑化シリンダ側への逆流を防止
する方法として、可塑化シリンダにスクリュを回転かつ
進退自在に内装するとともに、可塑化シリンダの後部に
スクリュ移動用の油圧装置と回転用のモータとを設け、
上記スクリュを先端の逆流防止弁と共に油圧により強制
後退させて、弁体周囲の樹脂の流路を遮断する方法をな
した(特開平8−183078号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの逆流防止方法においても、弁体周囲に形成された
間隙による流路を可塑化された樹脂が流動することか
ら、鋼材をもって形成した逆流防止弁では表面の摩耗が
激しく、また摩耗によって弁体と弁座或いは可塑化シリ
ンダ側の接触部との間隔が設定寸法よりも広がって遮断
が不確実となると云う課題を有する。
【0008】この摩耗による課題の解決は、逆流防止弁
を硬質材料により形成することにより解決できるが、硬
質材料は鋼材に比べて脆いことからねじ軸までをも一体
成形すると、ねじ軸がトルクによって折損し易くなり、
長期の使用に耐えないという新たな課題が生ずる。
【0009】この発明の目的は、弁体表面の樹脂流によ
る摩耗、繰り返し行われる閉弁時の接触によるシール部
の摩耗による上記課題を、鋼材と硬質材料とを使い分け
て逆流防止弁を構成することにより解決される新たな可
塑化装置における逆流防止弁を提供することにある。
【0010】
【問題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
は、弁体の先端形状が円錐形で、可塑化シリンダ内に回
転かつ進退自在に内装したスクリュの先端にスクリュヘ
ッドとしてねじ着され、そのスクリュの移動による可塑
化シリンダ側との接触により、弁体周囲の流路を遮断す
る逆流防止弁であって、その弁体の中央部と後部に突設
したねじ軸とを鋼材により形成し、弁体の外郭部を硬質
材料をもって形成してなるというものである。
【0011】またこの発明は、弁体の先端形状が円錐形
で、可塑化シリンダ内に回転かつ進退自在に内装したス
クリュの先端にスクリュヘッドとしてねじ着され、その
スクリュの移動による可塑化シリンダ側との接触によ
り、弁体周囲の流路を遮断する逆流防止弁であって、そ
の弁体と後部に突設したねじ軸とを鋼材により形成する
とともに、縮径により傾斜面に形成された弁体後面を段
部に形成し、その段部に嵌着して可塑化シリンダ側の環
状の弁座に対設したバルブシートを硬質材料をもって形
成してなるというものでもある。
【0012】硬質材料としてはボロン合金が最も好まし
く、嵌着はロウ付けをもって行うことを他の特徴とする
ものである。
【0013】上記構成によるこの発明では、弁体と共に
ねじ軸が鋼材により形成されているので、トルクによる
ねじ軸の折損が解決され、また弁体の外郭部または弁体
後面のバルブシートがボロン合金などの硬質材料をもっ
て形成されていることから、弁体表面またはバルブシー
トの摩耗も解決され、長期にわたる使用においても閉弁
による樹脂の流路の遮断が確実で漏れがなく、射出時に
おける可塑化シリンダ内への樹脂の逆流が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】図中1は射出装置、2は射出装置
の上に並設した可塑化装置で両装置は先端部にわたり設
けた樹脂路3により連通している。
【0015】上記射出装置1は、射出プランジャ10を
進退自在に内装し、かつ先端にノズル11を備える射出
シリンダ12と、その射出シリンダ12の後方に設けた
油圧シリンダ13と、その油圧シリンダ13と一体で射
出シリンダ12の後部を保持する部材14とからなり、
その保持部材14の前部内は少なくとも下側に開口15
aを有する空間部15に形成され、その空間部15に射
出シリンダ12の後端が臨ませてある。
【0016】上記可塑化装置2は、可塑化用のスクリュ
20を回転かつ進退自在に自在に内装し、先端部材22
aの内部中央に流出路21を有する可塑化シリンダ22
と、その可塑化シリンダ22を保持する後端部の保持シ
リンダ23と、その保持シリンダ23の後端に一体形成
されたスクリュ前進後退用の油圧シリンダ24と、図で
は省略したが、油圧シリンダ24の後端に取付けたスク
リュ20の回転駆動装置とからなり、可塑化シリンダ2
2の外周囲には加熱用のバンドヒーター25が取付けて
ある。
【0017】上記スクリュ20の先端には、図2以下そ
の詳細を示すように、先端形状が円錐形で後端面が縮径
により傾斜面に形成された外郭形状がきのこ形の弁体2
6と、その弁体26の後端中央に突設されたねじ軸27
とからなる逆流防止弁28が、ねじ軸27をスクリュ先
端のねじ穴29にねじ込んでスクリュヘッドとして取り
付けてある。
【0018】この逆流防止弁28が位置する上記先端部
材22aの内壁は、弁体先端と対応する傾斜壁に形成さ
れており、その中央に上記流出路21が穿設してある。
また弁体26の周囲には、上記流出路21と連通する所
要間隙の流路21aが先端部材22aとの間に形成され
ており、その流路21aの弁体後面が臨む可塑化シリン
ダ側に、シール面を弁体後面と同一角度に傾斜形成した
環状の弁座30が設けてある。
【0019】この弁座30と上記逆流防止弁28とによ
る流路21aの遮断は、上記スクリュ20を油圧により
強制的に後退することにより行われ、また開放は前進に
より弁体後面を環状弁座29から離すことによって行わ
れる。
【0020】図2に示す逆流防止弁28は、弁体26の
中央部と後部に突設したねじ軸27とを鋼材により形成
し、外郭部26aを硬質材料により形成して、樹脂流ま
たは弁座30との接触による弁体表面の摩耗を防止して
なる。この外郭部26aの取り付けは、弁体26の中央
部を軸状に形成して後端周囲をフランジ26bに形成
し、そのフランジ26bに接するところまで硬質材料に
より筒状に成形した外郭部26aを嵌合して行われ、そ
の両方をロウ付けにより一体化している。
【0021】図3に示す逆流防止弁28は、傾斜面に形
成された弁体後面に環状の段部30を形成し、その段部
31に硬質材料により形成したバルブシート32を嵌め
込んでロウ付けして、弁座29に臨ませた他の実施形態
を示すものである。この場合には、逆流防止弁28では
バルブシート32だけを硬質材料により形成すればよい
ので、外郭部26aを硬質材料により成形する場合に比
べてコスト低減となる。
【0022】上記弁体26及びねじ軸27を形成する母
材としての鋼材は、SCM440,SUS403、SU
S630等の鋼材が好ましく、また外郭部26aとバル
ブシート32としての硬質材料はボロン合金、合金工具
鋼(超硬合金)、高速度工具鋼(ハイス)、セラミック
等が好ましいが、ボロン合金が最も好ましく、一体化も
ロウ付けの他、圧入、焼ばめ、冷やしばめ等を採用する
ことができる。
【0023】このように弁体26の外郭部26aまたは
弁座30と接触するバルブシート32を硬質材料をもっ
て形成した逆流防止弁28では、鋼材をもって全体を形
成した場合に比べて、弁体表面またはバルブシートの摩
耗が極めて少なく、したがって、長期にわたり使用して
も摩耗によりそれらの設計寸法に狂いが生じて遮断が不
確実となるようなことがなく、また耐蝕性も向上するの
で長期の使用にも耐えて、射出時における樹脂の可塑化
シリンダ内への逆流を常に確実に防止する。さらにまた
溶融状態の樹脂は硬質材料に付着し難いので、樹脂の付
着による閉弁不良も解決されるようになる。
【0024】なお、上記実施形態の可塑化装置は、スク
リュの強制後退により閉弁を行うものであるが、図2に
示すように、弁体の外郭部を硬質材料により形成した逆
流防止弁では、スクリュの前進により先端面を可塑化シ
リンダの先端内面に押し付けて閉弁を行う型式のものに
も応用できるので、この発明は後退により閉弁を行う型
式の可塑化装置に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る逆流防止弁を有する可塑化装
置を備えたプリプラ式射出成形機の縦断面図である。
【図2】 この発明の1実態形態の逆流防止弁を有する
可塑化装置の先端部の縦断面図である。
【図3】 この発明の他の実施形態の逆流防止弁を有す
る可塑化装置の先端部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 射出装置 2 可塑化装置 3 樹脂路 20 可塑化用のスクリュ 21 流出路 21a 流路 22 可塑化シリンダ 22a 可塑化シリンダの先端部材 26 弁体 26a 外郭部 26b フランジ 27 ねじ軸 28 逆流防止弁 29 ねじ穴 30 環状の弁座 31 段部 32 バルブシート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体の先端形状が円錐形で、可塑化シリ
    ンダ内に回転かつ進退自在に内装したスクリュの先端に
    スクリュヘッドとしてねじ着され、そのスクリュの移動
    による可塑化シリンダ側との接触により、弁体周囲の流
    路を遮断する逆流防止弁であって、その弁体の中央部と
    後部に突設したねじ軸とを鋼材により形成し、弁体の外
    郭部を硬質材料をもって形成してなることを特徴とする
    可塑化装置における逆流防止弁。
  2. 【請求項2】 弁体の先端形状が円錐形で、可塑化シリ
    ンダ内に回転かつ進退自在に内装したスクリュの先端に
    スクリュヘッドとしてねじ着され、そのスクリュの移動
    による可塑化シリンダ側との接触により、弁体周囲の流
    路を遮断する逆流防止弁であって、その弁体と後部に突
    設したねじ軸とを鋼材により形成するとともに、縮径に
    より傾斜面に形成された弁体後面を段部に形成し、その
    段部に嵌着して可塑化シリンダ側の環状の弁座に対設し
    たバルブシートを硬質材料をもって形成してなることを
    特徴とする可塑化装置における逆流防止弁。
  3. 【請求項3】 上記硬質材料はボロン合金からなり、ロ
    ウ付けにより弁体と一体に取り付けられていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の可塑化装置における逆流
    防止弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007115909A1 (de) * 2006-04-07 2007-10-18 Demag Ergotech Gmbh Verfahren zur panzerung einer rückstromsperre und solchermassen gepanzerte rückstromsperre

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WO2007115909A1 (de) * 2006-04-07 2007-10-18 Demag Ergotech Gmbh Verfahren zur panzerung einer rückstromsperre und solchermassen gepanzerte rückstromsperre

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