JPH11179673A - トルククラッチ付締付工具 - Google Patents

トルククラッチ付締付工具

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JPH11179673A
JPH11179673A JP35117497A JP35117497A JPH11179673A JP H11179673 A JPH11179673 A JP H11179673A JP 35117497 A JP35117497 A JP 35117497A JP 35117497 A JP35117497 A JP 35117497A JP H11179673 A JPH11179673 A JP H11179673A
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torque clutch
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秀規 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルククラッチとシャットオフスイッチとを
連係させたものにおいて、安定したシャットオフ動作を
得る。 【解決手段】 モータ20の回転軸から出力軸に至る動
力伝達を所定の負荷トルクによって遮断するトルククラ
ッチと、このトルククラッチの動作に連動してモータ2
0への通電を遮断するシャットオフスイッチSとを備え
る。また、トルククラッチの作動をシャットオフスイッ
チSに伝達する動作伝達部4と、該動作伝達部によるト
ルククラッチの作動伝達を受けてシャットオフスイッチ
Sに遮断動作を行わせる遮断動力部48とを備える。ト
ルククラッチの作動を動作伝達部4によってシャットオ
フスイッチS側に伝達すれば、シャットオフスイッチS
側の遮断動力部48が遮断動作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動ドライバーのよ
うな締付工具であるとともに、締め付けトルクが設定値
に達した時に動力伝達を遮断するトルククラッチと、こ
のトルククラッチの作動に伴ってモータをオフとするシ
ャットオフスイッチとを備えているトルククラッチ付締
付工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】締め付けトルクが設定値に達した時に動
力伝達を遮断するトルククラッチを備えた工具は従来よ
り種々のものが提供されているが、このトルククラッチ
の動作時に、モータの停止も行うようにしたもの、所謂
オートシャットオフがなされるようにしたものがある。
そして、このオートシャットオフを実現するにあたり、
クラッチとモータ停止のためのシャットオフスイッチと
を機械的に連係させたものが、特開平1−252369
号公報に示されており、またこの公報に示されたものに
おける問題点を改善したものを特願平5−213149
号として出願している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記トルク
クラッチとしては、通常時は互いの係合によって一体に
連結されている一対のクラッチ部材で構成されるととも
に、負荷トルクが設定トルクより大きくなった時には、
一方のクラッチ部材が他方のクラッチ部材における突起
に乗り上げる動作を繰り返しつつ空転を行うことで動力
伝達を遮断するものが用いられるが、このクラッチ動作
とシャットオフ用スイッチのオフ動作とを機械的に連係
させるにあたり、従来のものでは、動作速度がきわめて
速い上記乗り上げ動作を行うクラッチ部材の移動ストロ
ーク及び移動力を利用して、シャットオフスイッチを作
動させていたことから、力の点及びストロークの点並び
に動作速度の点から、どうしてもシャットオフスイッチ
の動作が不安定になりがちであり、またシャットオフス
イッチの動作制約が大きくて大電流遮断を安定して行う
ことができるものを用いにくいという問題を有してお
り、さらにはトルククラッチが回転慣性によって空転が
持続した場合、機構破壊、特にトルククラッチとシャッ
トオフスイッチとの連動部材の折損等が生じやすい。
【0004】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところはトルククラッチとシャ
ットオフスイッチとを連係させたものにおいて、安定し
たシャットオフ動作を得ることができるトルククラッチ
付締付工具を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、モー
タの回転軸から出力軸に至る動力伝達を所定の負荷トル
クによって遮断するトルククラッチと、このトルククラ
ッチの動作に連動してモータへの通電を遮断するシャッ
トオフスイッチとを備えているトルククラッチ付締付工
具において、トルククラッチの作動をシャットオフスイ
ッチに伝達する動作伝達部と、該動作伝達部によるトル
ククラッチの作動伝達を受けてシャットオフスイッチに
遮断動作を行わせる遮断動力部とを備えていることに特
徴を有している。トルククラッチの作動を動作伝達部に
よってシャットオフスイッチ側に伝達すれば、シャット
オフスイッチ側の遮断動力部が遮断動作を行うようにし
たものである。
【0006】上記遮断動力部にはばね部材を好適に用い
ることができ、動作伝達部にはばね部材のばね力蓄積状
態を維持するラッチ部の引外し部材を好適に用いること
ができる。そしてシャットオフスイッチ及び動力部は、
モータへの通電制御用のスイッチにおけるトリガーレバ
ーの復帰によって遮断状態から初期状態に復帰するもの
を好適に用いることができ、この場合、トリガーレバー
の復帰によってばね部材にばね力を蓄積するものであっ
ても、トリガーレバーの引き込み操作によってばね部材
にばね力を蓄積するものであってもよい。
【0007】さらに、トルククラッチが負荷トルクの増
大で可動部材が往復動を行うものである時、動作伝達部
はトルククラッチにおける可動部材の往復動のうちの復
動をシャットオフスイッチに伝達するものとするとよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態の
一例に基づいて詳述すると、図2に示す締付工具は、そ
の出力部であるチャック90にドライバービットやドリ
ルビットが選択的に取り付けられる電動ドリルドライバ
ーであり、また本体1におけるハンドル部11に着脱自
在に装着される蓄電池パック(図示せず)内の蓄電池を
電源とするとともにトリガーハンドル15を引いた際に
オンとなるスイッチユニット16を通じて給電されるモ
ータ20を回転動力源とする電池電源型の電動式のもの
で、そのハウジング10の後端部には、トリガーハンド
ル15の引き具合に応じた出力を出す上記スイッチユニ
ット16内のスピードコントロールモジュールの出力に
応じて、モータ20の回転数をデューティ比の変化で制
御するドライブ回路Dが収められており、さらにハウジ
ング10内には締め付けトルクが設定値に達した時にモ
ータ20への通電を遮断するシャットオフスイッチS、
モータ20の回転方向を切り換えるための正逆切換スイ
ッチ(これはスイッチユニット16内に組み込まれてい
る)等が納められている。
【0009】そして本体1内におけるモータ20と上記
チャック90を備えた出力軸9との間には、ギアケース
8と締め付けトルク設定用部材とが納められ、ギアケー
ス8内には図3に示すように、モータ20の出力を減速
する3段の遊星機構と、電動ドライバーとして使用する
時のための締め付けトルク調整用クラッチと、手締め作
業を行う場合に本体1に対して出力軸9をロックするロ
ック機構とが納められている。
【0010】上記モータ20の回転軸に設けられたサン
ギア21と、ギアケース8内面に固着されたリングギア
23とにキャリア24で支持された複数個の遊星ギア2
2が噛み合っており、そしてキャリア24に一体に形成
されているサンギア25と上記リングギア23における
他の内歯車部とに複数個の遊星ギア26が噛み合ってい
る。そし上記遊星ギア26を支持しているキャリア27
は、3段目の遊星機構のサンギア28を一体に備えてお
り、このサンギア28と、ギアケース8内に遊転自在に
配されたリングギア31とに遊星ギア29が噛み合って
いる。遊星ギア29を支持しているキャリア30は、上
記ロック機構におけるロック板60を介して出力軸9に
連結されている。なお、手締め作業時のためのオートロ
ックを行うロック機構については説明を省略する。
【0011】締め付けトルク調整用のトルククラッチは
上記3段目の遊星機構における遊転自在とされたリング
ギア31を利用しているもので、このリングギア31の
軸方向端面に形成された突条32と、ギアケース8の段
部を軸方向に貫通するものとして設けられている貫通孔
に配設されて上記突条32と係合するボール33と、ギ
アケース8の小径とされた先端部外周面に配されている
調整部材34と、調整部材34に一端を弾接するととも
に他端をクリック板35とクラッチ板36とを介して上
記ボール33に弾接させるクラッチばね37と、本体1
の先端部に回動自在に取り付けられたクラッチハンドル
3とからトルククラッチ及び締め付けトルク設定部が形
成されており、調整部材34はギアケース8の小径部外
周面に形成された雄ねじと螺合する雌ねじを内周面に備
えるとともに、前記クラッチハンドル3の内面に形成さ
れている軸方向の縦溝と摺動自在に係合する突起39を
外周面に備えて、クラッチハンドル3の回転に伴なって
ギアケース8に対し、軸方向に螺進退するものとなって
いる。なお、クラッチハンドル3の回転に伴ってクリッ
ク板35も回転するようになっている。そしてクリック
板35とボール33との間に位置する環状のクラッチ板
36は、ギアケース8に対して回転不能に且つ軸方向移
動自在に取り付けられるもので、連動レバー4の一端が
連結されている。
【0012】次に、トルククラッチの動作について説明
する。モータ20の出力は、1段目及び2段目の遊星機
構と、クラッチばね37による付勢でボール33が係止
することにより回転が妨げられているリングギア31を
備えた3段目の遊星機構とによって減速されて出力軸9
に伝達される。そしてリングギア31にかかる負荷トル
クが、クラッチばね37によって与えられたボール33
とリングギア31の突条32との間の係合力よりも高く
なれば、リングギア31がクラッチばね37に抗してボ
ール33を押し出して空転を始める。リングギア31と
ボール33とからなるトルククラッチが滑るために、締
め付けトルクの制限がなされるわけである。
【0013】クラッチハンドル3を回転させることによ
り、調整部材34を図3中において下方に移動させてク
ラッチばね37を圧縮したならば、ボール33とリング
ギア31との係合力が大きくなるために、リングギア3
1が空転を始める負荷トルクが大きく、つまりは締め付
けトルクが大きくなる。そして、調整部材34がクラッ
チ板36に接するところまで調整部材34を移動させれ
ば、ボール33が突条32に押されて後退することがで
きなくなるために、トルククラッチの滑り出しトルクが
無限大となるものであり、電動ドリルとしての使用に適
した状態となる。尚、クラッチばね37からリングギア
31に加えられるスラスト力は、ギアケース8を貫通し
ているスラスト受け用ピン80によって受けている。
【0014】上記トルククラッチの作動に連動して遮断
動作を行うシャットオフスイッチSは、図4〜図6に示
すように、共通端子板50によって一端が支持された接
点板51と、この接点板51と夫々対向する一対の固定
接点端子板52,53と、接点板51と固定接点端子板
52,53との間に配されたスライド自在な切換板7と
からなるもので、切換板7がスライドする時、切換板7
に設けた接点部70は接点板51と固定接点端子板52
とを導通させる状態と、接点板51と固定接点端子板5
3とを導通させる状態とを切り替える。もっとも切換板
7は先端に突起72と係止片73とを備えた弾性アーム
71が一体に設けられているとともに、シャットオフス
イッチSの筐体54に形成されたガイド溝55に弾性ア
ーム71及び突起72を位置させており、しかもガイド
溝55に連設された一対の係止溝56,58に係止片7
3が係合自在となっていることから、係止溝56または
係止溝58のいずれかに係止片73が嵌まり込んでいる
時、図4〜図6において図中左方への切換板7の移動が
阻止される。図中55は接点圧付与用のばねである。
【0015】そして、上記切換板7における係止片73
が係止溝58に嵌まりこんでいる時には、線材で形成さ
れるとともに一端が前述のようにクラッチ板36に連結
された連動レバー4の他端に設けられた引外し片41が
切換板7の突起72と係合している状態にあり、この状
態から連動レバー4が図6中で右方に移動する時、引外
し片41によって突起72が押し込まれることで、弾性
アーム71が撓んで係止片73が係止溝58から外れる
ようになっている。
【0016】さらに、上記切換板7には接点駆動部材で
あるねじりコイルばね48の一片48aが連結されて、
該ねじりコイルばね48によって図4及び図6中の左方
に向けて切換板7が付勢されている。さらに、ねじりコ
イルばね48における切換板7に連結された一片48a
には、図1にも示すように、前記トリガーレバー15に
おける係合片45に一端を係合させたリセットバー46
の他端が係合している。
【0017】このように構成されたシャットオフスイッ
チSは、通常時、切換板7が図4中の右方にあって、弾
性アーム71先端の突起72及び係止片73が係止溝5
8のところに位置することで、ねじりコイルばね48に
ばね力を蓄積している状態が保持されている。また、連
動レバー4の引外し片41が図6に示すように突起72
と係合している状態となっている。
【0018】該締付工具を使用するためにトリガーレバ
ー15を引けば、スイッチユニット16内のメインスイ
ッチS1 がオンとなるために、モータ20は正逆切換ス
イッチS3 で設定された回転方向に回転を行う。図7中
のS2 はスピードコントロールを無効とするためのスイ
ッチであり、該スイッチS2 もスイッチユニット16内
に設けられている。
【0019】モータ20を回転させて作業を行っている
際に、その負荷トルクが設定トルクより大きくなれば、
前述のように、リングギア31が空転を始めるのである
が、この時、リングギア31の突条32によってボール
33及びクラッチ板36がクラッチばね37に抗して押
し出される。このために、クラッチ板36に一端を連結
した連動レバー4も移動して突起72を押し込むため
に、係止片73が係止溝58から外れる。従って切換板
7はねじりコイルばね48の付勢で図4中の左方に移動
し、接点板51と固定接点端子板52との間の導通を遮
断して、モータ20を電源から切り離すとともに、接点
板51と固定接点端子板53との間を導通させることで
モータ20の両極間を短絡してモータ20にブレーキを
かける。
【0020】ねじりコイルばね48の作動で、リセット
バー46は図中左方に移動することになるが、この時点
ではトリガーレバー15が引かれた状態にあるために、
トリガーレバー15がねじりコイルばね48の動作を妨
げることはない。また、図中左方に移動した切換板7
は、その突起72及び係止片73を係止溝56のところ
に位置させるために、上記トルククラッチの作動時の空
転に伴ってクラッチ板36及び連動レバー4が移動を繰
り返しても、引外し片41が突起72に当たることはな
く、両者に損傷が生じるような衝撃が加わることはな
い。
【0021】モータ20の停止がなされたならば、使用
者はトリガーレバー15から指を外してトリガーレバー
15をその復帰ばね(図示せず)のばね力によって復帰
させることになるが、この時、トリガーレバー15の係
合片45がリセットバー46を介してねじりコイルばね
48の一片48aを引っ張ることで、切換板7を図4中
の右方に移動させる。この時、切換板7の係止片73は
係止溝56における傾斜縁57によって下方に沈み込
み、係止溝58に達した時点で弾性アーム71の弾性で
係止溝58に嵌まり込む。また、切換板7の移動で接点
板51と固定接点端子板52とが導通した状態に復帰す
る。
【0022】シャットオフスイッチSの動作のうち、そ
の接点切換動作はシャットオフスイッチSが内蔵するね
じりコイルばね48のばね力によってなされるものであ
り、トルククラッチとシャットオフスイッチSとを連動
させる連動レバー4は、単に接点切換のための引外し動
作を担うだけのものとなっており、しかも連動レバー4
とシャットオフスイッチSとにおける引外し動作のため
の係合部である引外し片41と突起72とは、いったん
引外しを行えば、以降はリセットされるまで相互に係合
したり衝突したりすることがないものである。
【0023】図8〜図10に他例を示す。基本的形態は
上記のものと同じであるために相違点だけ説明すると、
ここではリセットバー46をトリガーレバー15に一体
に設けるとともに、トリガーレバー15にねじりコイル
ばね48の他片48bを押圧する押圧片47を設けて、
該押圧片47により、トリガーレバー15を引く時にね
じりコイルばね48に接点切換動作のためのばね力が蓄
積されるようにしている。
【0024】つまり、図8(a)に示す通常状態からトリ
ガーレバー15を引けば、図8(b)及び図8(c)に示すよ
うに、切換板7は前述のようにその係止片73と係止溝
58との係合で移動せず、これに伴ってねじりコイルば
ね48の一片48aも動かないが、トリガーレバー15
の押圧片47で他片48bが押されることで、ねじりコ
イルばね48にばね力が蓄積される。トリガーレバー1
5を戻せば、ねじりコイルばね48に蓄積されたばね力
も、他片48bの回動に伴って解放される。なお、他片
48bの先端を曲げて最終的には押圧片47の上に乗り
上げるようにしているのは、トリガーレバー15の引く
量に応じたモータ20のスピードコントロールを容易に
行えるようにするために、トリガーレバー15のストロ
ークを大きくとっているためである。
【0025】そして、トルククラッチが作動したことに
よるシャットオフスイッチSの遮断動作が引外し動作と
ねじりコイルばね48に蓄積されたばね力とによって図
9に示すようになされた後、トリガーレバー15を戻す
時には、図10に示すように、トリガーレバー15に付
設されたリセットバー46がねじりコイルばね48の一
片48aを引っ張ってねじりコイルばね48全体を回動
させるものであり、この結果、図8(a)に示す状態に復
帰する。
【0026】図6に示したもののように、トリガーレバ
ー15が戻る動作でねじりコイルばね48にばね力が蓄
積されるようにした場合、トリガーレバー15を復帰さ
せる復帰ばねには、ねじりコイルばね48にばね力を蓄
積させることができるだけの強さを持つものを用いなく
てはならず、この場合、ねじりコイルばね48にばね力
を蓄積するのに必要な力をFとする時、Fを越える大き
な力を復帰ばねに持たせねばならないものであり、これ
に伴ってトリガーレバー15を引くのに必要な力がかな
り大きくなってしまうが、トリガーレバー15を引く力
でねじりコイルばね48にばね力を蓄積する場合、上記
のFの値が余計に必要となるもののFを越える力が余計
に必要となることはなく、このために図6に示したもの
と比較すれば、トリガーレバー15を引くのに必要な力
が少なくてすむものである。
【0027】図11〜図18にシャットオフスイッチS
の他例を示す。このシャットオフスイッチSでは、切換
板7が筐体54に対して軸74の回りに回動自在とされ
ているとともに、筐体54の外面には、ばね80によっ
て付勢されたスライド自在なラッチ81が配されてお
り、さらに切換板7にはリセットカム77が取り付けら
れている。上記ラッチ81は切換板7に形成された係合
溝78にばね80の付勢を受けて嵌まり込むことで、切
換板7の軸74を中心とする回動を阻止する。
【0028】シャットオフスイッチSの内部には、固定
接点端子板50によって一端が枢支された接点板51が
配されており、該接点板51はその回動によって反転型
のばね55の付勢を受けた状態で固定接点端子板52に
接触する状態と、固定接点端子板53に接触する状態と
を切り換える。そして、上記軸74に装着されたねじり
コイルばね48の一片48aが切換板7に係合している
とともに、切換板7に付設された一対のボス76,76
間に上記接点板51が位置しており、切換板7の回動に
伴い、接点板51も回動して上記接点切換を行うものと
なっている。
【0029】図12は通常状態を示しており、トルクク
ラッチに一端が連結されたばね弾性を有している連動レ
バー4の他端は、切換板7の回転を阻止している状態に
あるラッチ81の側面に当接している。また、接点板5
1は固定接点端子板52に接触している状態にある。こ
の状態からトリガーレバー15を引けば、スイッチユニ
ット16内のメインスイッチS1がオンとなるために、
モータ20は正逆切換スイッチS3で設定された回転方
向に回転を行う。また、図13に示すように、トリガー
レバー15における係合片45がねじりコイルばね48
の他片48bを押してねじりコイルばね48にばね力を
蓄積する。
【0030】そして、モータ20を回転させて作業を行
っている際に、その負荷トルクが設定トルクより大きく
なれば、前述のように、リングギア31が空転を始める
のであるが、この時のクラッチ板36の突条32で押し
出されることによる前進移動によって連動レバー4は図
14に示すように、ラッチ81の先端側に移動し、さら
にクラッチ板36がクラッチばね37の付勢で戻る時、
連動レバー4は図15に示すようにラッチ81をばね8
0に抗して押し戻す。このラッチ81の移動によって、
ラッチ81が係合溝78から外れると、図16及び図1
7に示すように、ねじりコイルばね48の付勢で切換板
7が回動し、これに伴って接点板51も回動して接点を
切り換えるために、モータ20への通電が遮断されると
ともにモータ20にブレーキがかかる。また、切換板7
の回動に伴い、切換板7に付設されたリセットカム77
は筐体54におけるガイド壁83によるガイドを受ける
ことで回転して向きを変える。
【0031】この状態からトリガーレバー15に加えて
いた力を解放して、トリガーレバー15をその復帰ばね
のばね力で復帰させると、トリガーレバー15の係合片
45が切換板7のリセット片79を押して、切換板7を
先程と逆方向に回動させるものであり、この回動に伴
い、接点板51が復帰するとともに、リセットカム77
が連動レバー4を押してラッチ81の移動経路から退去
させることで、ラッチ81が切換板7の係合溝78に侵
入することを許すものであり、ラッチ81と係合溝78
との係合で切換板7は再度初期位置に固定される。ま
た、ラッチ81によってリセットカム77が押されるこ
とによって、リセットカム77も初期状態に戻る。
【0032】このものにおいても、トルククラッチの作
動で連動レバー4が引外し動作を行うだけで、接点の切
換動作そのものはシャットオフスイッチSが内蔵するね
じりコイルばね48によってなされるものであり、また
ねじりコイルばね48へのばね力の蓄積は、トリガーレ
バー15を引く動作によってなされるものとなってい
る。
【0033】なお、クラッチの動作に伴うシャットオフ
スイッチSの切り換えを、ボール33及びクラッチ板3
6がリングギア31の突条32に乗り上げる際の動きで
はなく、乗り上げた後の復帰動作で行うようにしている
のは、スピードコントロール付きであって、モータ20
の回転速度が低速に設定されている時に、上記乗り上げ
動作でモータ20を停止させてしまうと、ボール33が
突条32に乗り上げた状態のままでモータ20が完全に
停止してしまい、再始動させることができなくなるおそ
れを有しているからであり、このおそれを排除するため
である。
【0034】図19及び図20に示すものは、切換板7
にリセットカム77を設けることに代えて、先端に凸部
85を備えた弾性片84を切換板7に一体に設けてい
る。通常時、連動レバー4は図19(a)に示すように凸
部85と係合しているが、トルククラッチが作動すれ
ば、図20(a)(b)に示すようにラッチ81の先端側に移
動してラッチ81を押し戻し、図20(c)(d)に示すよう
に、切換板7の回転によるところの接点の切り換えを行
わせる。そして、切換板7の該回転によって、凸部85
は連動レバー4の下方側を潜りながら移動して、連動レ
バー4に凸部85を係合させるものであり、このために
切換板7がトリガーレバー15の復帰に伴って初期位置
に復帰する際、連動レバー4も凸部85に押されて復帰
する。
【0035】トルククラッチの形態は上記のものに限る
ものではない。また、シャットオフスイッチSの接点切
換動作の動力としてねじりコイルばね48を用いたもの
を示したが、該動力にはねじりコイルばね以外のばねを
用いてもよいのはもちろん、磁石の吸引力あるいは反発
力などを用いてもよく、さらにはソレノイド等のアクチ
ュエータを上記動力として用いてもよいものである。ソ
レノイドによってシャットオフスイッチSの接点切換を
行う場合は、ソレノイドと電源との間に配した補助スイ
ッチをトルククラッチの可動部の動きで切り換えること
で、シャットオフスイッチSに接点切換動作を開始させ
る。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明においては、トルク
クラッチの作動をシャットオフスイッチに伝達する動作
伝達部と、該動作伝達部によるトルククラッチの作動伝
達を受けてシャットオフスイッチに遮断動作を行わせる
遮断動力部とを備えたものとし、トルククラッチの作動
を動作伝達部によってシャットオフスイッチ側に伝達す
れば、シャットオフスイッチ側の遮断動力部が遮断動作
を行うようにしたものであり、トルククラッチにはシャ
ットオフスイッチに遮断動作を行わせるために必要な力
が発生しなくてもよく、また動作伝達部もこのような力
の伝達に耐え得るものを必要としないものであり、機械
的ストレスが生じないものとなっているとともに、確実
で且つ安定したシャットオフ動作を得ることができる。
【0037】そして、上記遮断動力部にばね部材を用い
るとともに、動作伝達部にばね部材のばね力蓄積状態を
維持するラッチ部の引外し部材を用いることで、低コス
トなものとすることができる。また、シャットオフスイ
ッチ及び動力部は、モータへの通電制御用のスイッチに
おけるトリガーレバーの復帰によって遮断状態から初期
状態に復帰するものを用いることで、リセット操作を意
識しなくとも自動的にリセットされるものを得ることが
でき、この場合、トリガーレバーの復帰によってばね部
材にばね力を蓄積するものを用いれば、トリガーレバー
によるリセット操作を簡便な構造で実現することがで
き、トリガーレバーの引き込み操作によってばね部材に
ばね力を蓄積するものを用いた場合には、トリガーレバ
ーを引くのに要する力を軽減することができて、使い勝
手のよいものを得ることができる。
【0038】さらに、トルククラッチが負荷トルクの増
大で可動部材が往復動を行うものである時、動作伝達部
はトルククラッチにおける可動部材の往復動のうちの復
動をシャットオフスイッチに伝達するものとしたなら
ば、モータの回転が低速である時にシャットオフ動作が
なされても、クラッチ動作及びシャットオフ動作を確実
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の破断分解斜視図で
ある。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上のギア部の断面図である。
【図4】同上のシャットオフスイッチの水平断面図であ
る。
【図5】同上のシャットオフスイッチの平面図である。
【図6】同上のシャットオフスイッチの縦断面図であ
る。
【図7】同上の回路図である。
【図8】他例を示すもので、(a)〜(c)は動作を示す断面
図である。
【図9】同上の動作を示す断面図である。
【図10】(a)(b)(c)は同上の動作を示す断面図であ
る。
【図11】シャットオフスイッチの他例の斜視図であ
る。
【図12】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図13】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図14】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図15】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図16】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図17】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図18】同上の動作を示すもので、(a)は平面図、(b)
は水平断面図である。
【図19】シャットオフスイッチのさらに他例を示すも
ので、(a)は平面図、(b)は切換板の斜視図である。
【図20】同上の動作を示すもので、(a)(b)(c)(d)は平
面図である。
【符号の説明】
S シャットオフスイッチ 4 連動レバー 7 切換板 48 ねじりコイルばね

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転軸から出力軸に至る動力伝
    達を所定の負荷トルクによって遮断するトルククラッチ
    と、このトルククラッチの動作に連動してモータへの通
    電を遮断するシャットオフスイッチとを備えているトル
    ククラッチ付締付工具において、トルククラッチの作動
    をシャットオフスイッチに伝達する動作伝達部と、該動
    作伝達部によるトルククラッチの作動伝達を受けてシャ
    ットオフスイッチに遮断動作を行わせる遮断動力部とを
    備えていることを特徴とするトルククラッチ付締付工
    具。
  2. 【請求項2】 遮断動力部はばね部材であり、動作伝達
    部はばね部材のばね力蓄積状態を維持するラッチ部の引
    外し部材であることを特徴とする請求項1記載のトルク
    クラッチ付締付工具。
  3. 【請求項3】 シャットオフスイッチ及び動力部はモー
    タへの通電制御用のスイッチにおけるトリガーレバーの
    復帰によって遮断状態から初期状態に復帰するものであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のトルククラ
    ッチ付締付工具。
  4. 【請求項4】 トリガーレバーの復帰によってばね部材
    にばね力を蓄積するものであることを特徴とする請求項
    3記載のトルククラッチ付締付工具。
  5. 【請求項5】 トリガーレバーの引き込み操作によって
    ばね部材にばね力を蓄積するものであることを特徴とす
    る請求項3記載のトルククラッチ付締付工具。
  6. 【請求項6】 トルククラッチは負荷トルクの増大で可
    動部材が往復動を行うものであり、動作伝達部はトルク
    クラッチにおける可動部材の往復動のうちの復動をシャ
    ットオフスイッチに伝達するものであることを特徴とす
    る請求項1記載のトルククラッチ付締付工具。
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JP2016000441A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 美之嵐機械工業有限公司 二段階締付式電気スクリュードライバー
JP2020171984A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 株式会社Tok レンチ

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