JPH11179382A - 有機物処理装置及び方法 - Google Patents

有機物処理装置及び方法

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JPH11179382A
JPH11179382A JP34980997A JP34980997A JPH11179382A JP H11179382 A JPH11179382 A JP H11179382A JP 34980997 A JP34980997 A JP 34980997A JP 34980997 A JP34980997 A JP 34980997A JP H11179382 A JPH11179382 A JP H11179382A
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layer
treatment
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organic
hot gas
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JP34980997A
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Atsushi Yamada
淳 山田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昆虫類を効果的に駆除する。 【解決手段】 一次処理水は、第2処理槽30に導入さ
れる。この第2処理槽30は充填層34と発泡ガラス層
36の積層構造からなっている。この発泡ガラス層36
には空気が供給される。これによって、充填層34は好
気的状態に保たれ、ここで、第1処理層10の透過処理
水に対し、良好な好気性微生物処理が行われる。そし
て、第2処理槽30の発泡ガラス層36には、スチーム
発生装置64からのスチームが供給できるようになって
いる。従って、適当な頻度で、第2処理槽30内にスチ
ームを導入することで、充填層34内の微生物への悪影
響を防止しつつ、昆虫などの不所望の生物の駆除を行う
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機排水や生ゴミ
などの有機物を処理する有機物処理装置または方法、特
に処理層または/及び補助層における昆虫類等の不所望
の生物の駆除に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機性排水などの有機廃棄物
の処理には、好気性の微生物を利用した処理が広く採用
されている。例えば、下水処理場などでは活性汚泥法が
通常採用され、また合併型の浄化槽では活性汚泥法や浸
漬濾床法が採用されている。
【0003】ここで、家庭などから排出される生ゴミに
ついては、これを分別回収し、ゴミ焼却場で焼却処分し
ている。しかし、このような従来型の処分方法では、生
ゴミの搬送・収集・処理にかかわる労力や負担が大き
く、また焼却処理は資源の有効利用や地球環境保護等の
観点から好ましいものといえない。一方、生ゴミを粉砕
するディスポーザが従来から知られており、このディス
ポーザを利用することによって、生ゴミを排水と一緒に
輸送できる。従って、利用者においては生ゴミを回収す
る必要がなくなり非常に便利である。しかし、このディ
スポーザを利用すると、排水中の固形物や有機物濃度が
非常に高くなり、下水管が詰まりやすくなったり浄化槽
や下水処理施設に対する負荷が大きくなりすぎるといっ
た問題がある。
【0004】また、このディスポーザを用い粉砕された
生ゴミを含む排水を家庭あるいは集合住宅において処理
する装置が提案されている。この装置によれば、各家庭
においてはディスポーザを使用でき、また下水道等に対
する悪影響もない。
【0005】例えば、特開平9−1117号公報には、
このようなディスポーザにより粉砕された生ゴミを含む
生ゴミ含有排水の処理装置が示されている。この装置で
は、生ゴミ含有排水を固形物処理部に流入し、ここで固
形物を分解除去処理する。そして、この固形物処理部で
得られた一次処理水は、排水処理槽に導入され、ここで
曝気処理される。このようにして、ディスポーザにより
粉砕された生ゴミを含有する排水について、固形物の除
去及び好気性の生物処理を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、この装置で
は、排水処理槽において、排水を曝気処理し、得られた
曝気処理液を処理水として排出している。従って、基本
的には活性汚泥法と同様の処理を行っている。しかし、
この公報に記載の排水処理槽は、曝気処理液中の固形物
を沈殿するのに十分な大きさの沈殿槽を設けておらず、
曝気処理液の浮遊固形物濃度(MLSS)が高くなった
場合には、十分な処理が行えない。
【0007】そこで、本出願人は、特願平9−2930
06号等において、木質チップなどの微生物担体を充填
し、ここに排水を流通することで処理を行う装置につい
て提案した。この装置によれば、生ゴミ含有排水の一次
処理水などの有機排水を効果的に処理できる。
【0008】ところが、このような排水処理装置や生ゴ
ミの処理装置においては、蠅などの昆虫類が発生する場
合があり、これを防止したいという要望がある。昆虫類
の駆除には、殺虫剤が利用される場合が多いが、上述の
ような排水処理装置では、排水を流通しており、殺虫剤
がききにくい。さらに、大量の殺虫剤の投与は、装置内
の微生物に悪影響が及ぶ。また、ヒータにより装置の温
度を上昇することも考えられるが、全体を加熱するのに
は時間がかかり、また局部的に高温になったり充填層が
乾燥しやすいため、微生物への悪影響も大きい。
【0009】本発明は、上記問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、昆虫類の発生を効果的に
防止することができる有機物処理装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機物を処理
する有機物処理装置であって、供給される有機物を微生
物処理する処理層と、前記処理層内に温熱ガスを導入す
る温熱ガス導入手段と、を有することを特徴とする。
【0011】ここで、処理対象である有機物は、有機廃
棄物でよく、例えば有機性排水や生ゴミ(厨芥廃棄物)
などでもよい。また、処理層としては、微生物担体が充
填して形成されたものが好適である。すなわち、処理層
は、保水性を有すると共に、酸素の通り道となる間隙を
有し、さらに有機成分を処理する微生物、例えば好気性
微生物を保持棲息しやすい多孔性の微生物担体からなる
構成がよい。例えば、粒状多孔性材が充填された構成が
採用できる。また、微生物担体の好ましい形態としては
木質チップがあげられる。なお、微生物担体は粒状や球
状に限らず、様々な形状をとってもよい。
【0012】このような有機物処理装置は、処理対象で
ある排水等を流し続けているため、化学的な殺虫剤がき
きにくい。また、常時通気している場合には、分解熱も
逃げてしまうため、分解熱により装置内が高温になりに
くい。さらに、ヒータを用いて、装置内を加熱すること
も考えられるが、この場合ヒータの回りが高温になると
ともに、乾燥してしまうため、微生物への悪影響が大き
くなる。温熱ガスを導入することによって、処理層全体
を所定の温度に維持することができ、蠅などの昆虫類を
効果的に処分することができる。
【0013】また、前記温熱ガスを導入により、処理層
に生育する生物を処理することを特徴とする。温熱ガス
により、生物を処理することで、昆虫類等を処分でき
る。ここで、高温の温熱ガスを利用した場合には、処理
層に生育する有機物の分解に寄与する微生物も悪影響を
受ける。この場合には、必要な微生物を別途処理層に導
入することが好ましい。
【0014】また、上記温熱ガスの導入により、有機成
分を分解する微生物を生かした状態で、有機成分の分解
に不要な生物を処分することを特徴とする。すなわち、
有機成分を分解処理する細菌などの微生物は比較的高温
においても死滅することがない。従って、所定の温度の
温熱ガスを導入することによって、処理に有用な微生物
を生かしたまま、不要な生物を処分することができる。
従って、有機物処理への悪影響を防止しつつ、蠅などの
駆除を行うことができる。温熱ガスとしては、スチーム
が好ましいが、空気または酸素ガスも好適である。特
に、不要な生物は、例えば蠅などの昆虫、昆虫の卵、幼
虫、さなぎ、成虫の一部もしくは全てである。
【0015】また、前記温熱ガスとして、スチームを用
いることを特徴とする。スチームを利用することによっ
て、処理層における乾燥を防止して、処理に有用な微生
物への悪影響を防止することができる。特に、温熱ガス
としては、酸素または空気が混じったスチームが好適で
あり、スチームとしては水蒸気が好ましい。
【0016】また、前記スチーム導入手段は、40〜7
0℃のスチームを前記処理層内に導入することを特徴と
する。この程度の温度により、有機成分を処理する微生
物への悪影響を抑制しつつ、効果的に昆虫類の駆除が行
える。
【0017】また、本発明は、さらに、前記処理層内に
空気または酸素を拡散するガス供給部材を有することを
特徴とする。このように、処理層に空気を供給すること
により、ここが確実に好気的状態に維持される。特に、
排水を処理層に流通させる形式であり、かつ内部に空気
を供給するため、十分な酸素が供給され、好気性微生物
による好適な有機物の酸化分解が図られる。
【0018】また、本発明は、前記スチーム導入手段
は、前記ガス供給部材を介し、スチームを前記処理層内
に導入することを特徴とする。空気などと導入する部材
スチーム導入に共用することで、他に特別のスチーム供
給用の部材が不要となる。また、スチームの供給は、1
週に1回程度の間欠的なものでよいため、共用しても何
ら問題はない。
【0019】また、本発明は、さらに、上記処理層を介
し排出される排水を流通する補助層を有し、補助層を介
し処理水を排出することを特徴とする。このように、処
理水は補助層から排出されることで、処理層からの処理
水を外部にスムーズに排出することができる。すなわ
ち、処理層の保水性(通水性が比較的悪い)が高い場合
には、ここから外部には処理水が排出されにくく、処理
層からの処理水が排出できず、腐敗目詰まりが発生しや
すい。ところが、補助層には、処理層より通水性のよい
ものを利用できる。これによって、処理層と外部の中間
の雰囲気を提供する補助層を設けることができ、処理層
からの処理水の排出をスムーズにできる。特に、補助層
を上記処理層の下方に隣接して設けることにより、処理
層からの処理水の排出をスムーズなものにできる。
【0020】ここで、補助層は、保水性を有し、直上の
処理層に比べて空隙率の高いものがよい。この補助層と
しては、例えば粒状多孔性材が充填された構成がよく、
この場合、微生物担体よりも大きいものが好ましい。こ
のように構成することにより処理層からの排水が促進可
能となる。さらに、この補助層はガス拡散性が高くなる
ので、処理層に温熱ガスをより均一に供給できる。従っ
て、不所望な生物を効果的に処理できる。
【0021】また、本発明は、前記スチーム導入手段
は、前記補助層を介し、スチームを処理層内に導入する
ことを特徴とする。補助層を介し、スチームを処理層に
効果的に拡散することができる。また、補助層に存在す
る昆虫類などの不所望な生物も同時に処理できる。
【0022】また、上記処理層と、上記補助層を交互に
複数積層した多段構成を有していることを特徴とする。
複数段設けることによって、被処理水の短絡を防止する
ことができ、また処理水の下方への移動もスムーズなも
のにできる。
【0023】また、上記処理層の微生物担体は、木質チ
ップであることを特徴とする。木質チップは、安価でか
つ多孔質で吸水性がある。従って、微生物の担体として
好適である。従って、処理層にこの木質チップを充填す
ることで、ここに有機物を酸化分解する好気性の微生物
を十分に保持し、好適な有機物の分解を達成することが
できる。
【0024】ここで、上記処理層の微生物担体は、その
粒径が2〜5mmからなることが好ましい。木質チップ
などの微生物担体の粒径を大きくすると、排水性がよく
なり、目詰まりが生じにくくなる。しかし、あまり大き
くすると、処理効果が落ちるため、この程度の粒径が好
ましい。これによって、処理水の性状を十分なものに維
持しつつ、長期間の継続的処理が達成可能になる。
【0025】また、上記補助層は、二層構造になってお
り、この補助層の処理層に近い方の層より遠い方の層の
通水性がよいもので構成されていることが好ましい。こ
のように、補助層を多層とすることで、雰囲気の変化を
さらに、徐々に変化するものとでき、よりスムーズな透
過処理液の排出が達成できる。
【0026】また、上記補助層が1つの場合はその補助
層、複数の場合はそのうちの最も後段の処理水排出側の
補助層は、少なくとも二層構造になっており、この補助
層の処理層に近い方の層より遠い方の層の通水性がよい
もので構成されていることが好ましい。このような構成
により、処理水の排出を効果的に行うことができる。ま
た、上記補助層の処理層に近い方の層より遠い方の層の
空隙率を大きくすることで、遠い方の層の通水性をよく
することが好適である。空隙率により、通水性を容易に
設定することができる。
【0027】また、上記補助層のうち最下層の補助層
は、処理層に近い方から遠い方にかけて、空隙率が次第
に大きくなる構造を有していることが好ましい。このよ
うに、一層で空隙率を徐々に変更することによっても、
同様に透過処理液の排出をスムーズなものにできる。
【0028】また、上記補助層の処理層から遠い方の層
は多数の繊維を絡み合わせて構成した繊維状構成物から
構成されることが好ましい。繊維状構成物は、空隙率が
高く通水性がよい。従って、補助層内部を徐々に通水性
がよくなる構成にでき、処理液の排出が非常にスムーズ
なものになる。この場合は、処理層に近い層を粒状物で
構成し、遠い方(処理水排出側)の層を繊維状構成物と
することが好適である。さらに、粒状物としては、発泡
ガラスが適している。また、最も後段の補助層以外の補
助層においては、上層、中間層、下層の3層構造とする
ことも好適である。この場合、その補助層の中間層をそ
の両側に配置された上層及び下層より空隙率が高くなる
ように構成するとよい。補助層の中間部分(中間層)が
その両側部分(上層及び下層)より空隙率の高い構成と
することも好適である。
【0029】また、処理対象である有機物は、ディスポ
ーザによる破砕生ゴミ含有排水であることを特徴とす
る。このような排水を処理する場合には、蠅などが発生
しやすく、本発明によるスチーム加熱により、効果的な
駆除が行える。
【0030】また、処理対象である有機性物は、ディス
ポーザからの生ゴミを含有する排水を一次処理装置にお
いて濾過処理及び好気性微生物処理して得た一次処理水
であることを特徴とする。ディスポーザは、家庭の生ゴ
ミを粉砕するものであり、この粉砕物からなる排水は大
量の有機物を含む。従って、これを処理する場合には、
比較的大きな固形物を分離して処理した方が効率的であ
る。そこで、木質チップなどの濾過層によって比較的大
きなSS成分を一部の溶解性有機物とともに除去した一
次処理水は、多くの有機物を含む。このような有機排水
は、本発明の有機物処理装置により効果的に処理され
る。そして、このような装置において、蠅などの効果的
な駆除が行える。
【0031】さらに、処理対象である有機物が、さらに
台所排水を含むことを特徴とする。台所排水を流入する
ことによって、台所排水を処理することができ、家庭な
どから排出される排水の全体としての有機物排出量を減
少することができる。
【0032】また、本発明は、有機物を分解処理する有
機物処理方法であって、有機物を微生物処理する処理部
へ温熱ガスを導入することを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0034】図1は、本発明の実施形態に係る固形有機
物含有排水処理装置の全体構成を示す図である。この実
施形態の装置では、固形有機物含有排水として生ごみ含
有排水を処理する。家庭の流し(シンク)の排水口には
ディスポーザが設けられており、生ゴミは、このディス
ポーザにより粉砕される。このディスポーザの使用中
は、水道水を流しておき、生ゴミの粉砕物は水中に分散
された状態で排水管を流れてくる。なお、各家庭の流し
の直下に本装置を設ける場合には、排水管は不要とな
る。そして、この生ゴミの粉砕物を含有する生ごみ含有
排水は、一次処理装置として機能する第1処理槽10に
流入される。なお、このような生ごみ含有排水と同様の
性状の排水であれば、本実施形態の装置で好適な処理が
可能である。
【0035】この第1処理槽10は、図1及び図2に示
されているように、下部がホッパ状で上方が解放された
矩形の容器12を有している。そして、この容器12の
内部に処理層として機能する充填層14が形成されてい
る。この充填層14は、杉材のオガクズ等の木質チップ
を充填したものであり、その粒径は数mm程度(この実
施形態では1.5mm程度)のものが採用されている。
なお、固形有機物をろ過でき、水分を保持することがで
き、有機物を分解する微生物が付着生育しやすいもので
あれば、多孔性のプラスチックや多孔質のガラス材、メ
ッシュ材等でもよい。また、木質チップや生物分解性の
プラスチックなどで、充填層14を形成することで、廃
棄する場合にこれをコンポストとして利用することが可
能になる。充填層14は、例えば15cm程度の厚みと
する。
【0036】この充填層14の下には、補助層(充填層
14を支持する支持層)として機能する発泡ガラス層1
6が設けられている。この発泡ガラス層16は、粒状の
発泡ガラスを充填して形成されている。ここで、粒状の
発泡ガラスの粒径は5mm程度であり、充填層14を形
成する木質チップに比べ粒径が大きく設定されている。
従って、この発泡ガラス層16の空隙率は、充填層14
に比べて大きい。なお、この粒状の発泡ガラスは、天然
ガラス系岩石を粉砕し、高温で焼成発泡されたもので、
植物の根腐れ防止、土壌改良資材として用いられている
ものなどが好適である。この発泡ガラス層16は、例え
ば10cm程度の厚さとする。
【0037】発泡ガラス層16の下には、同じく補助層
として機能する繊維状構成物層18が設けられている。
この繊維状構成物層18は、発泡ガラス層16よりもさ
らに粗く、空隙率が大きくなるものが採用されている。
繊維状構成物層18は、線径0.5mm程度の硬いプラ
スチック繊維を絡ませて形成したマット状のものが採用
されている。例えば、観賞魚の水槽内水のろ過材として
用いられるマット材のうち目の粗いものなどが好適であ
る。
【0038】この繊維状構成物層18の下方には、一次
処理液収集排出用の波板材20が設けられている。この
波板材20は、排水口22に向かって配置されており、
排水が下方に向かって流れやすくなっている。この繊維
状構成物層18は例えば2〜3cm程度の厚さとする。
この波板材20も補助層の一部と考えてもよい。
【0039】さらに、容器12の底部は、その長手方向
は一定の深さになっており、この底部に排水口22が設
けられている。なお、容器12の長手方向にも若干の傾
斜をつけ、最下部に排水口22を配置するようにしても
よい。
【0040】さらに、充填層14の表層部には、これを
すき返すすき返し装置24が設けられている。この実施
形態では、すき返し装置24としてパドル状のものを示
した。このすき返し装置24は回転してもよいし、往復
回動してもよい。また、すき返し装置24は、熊手状や
櫛形のものを表層に押しつけた状態で移動するものな
ど、表層部を固まらないようにすき返せるものであれば
どのようなものでもよい。
【0041】このような第1処理槽10に生ゴミ含有排
水が流入されると、固形分である生ゴミ粉砕物は、充填
層14によって濾過分離される。一方、液体分が充填層
14、発泡ガラス層16、及び繊維状構成物層18を透
過する。そして、繊維状構成物層18を透過してきた処
理液は、この波板材20の谷部を流れ中央部に至り、処
理液がこの排水口22を介し、その下方のリザーブタン
ク26に落下貯留される。
【0042】さらに、このリザーブタンク26には、空
気ポンプ28から圧縮空気が供給されるようになってお
り、内部に貯留されている第1処理槽10の一次処理液
は、ここで曝気処理される。これによって、リザーブタ
ンク26内において、腐敗することを防止できる。
【0043】ここで、充填層14の充填材は、木質チッ
プであり、吸水能力があり表面積の大きな多孔質材料で
ある。また、粒子間の空隙があるため、充填層14内は
好気的な状態に保持されている。また、充填層14にお
いて濾過分離された固形物や、液体分中の有機物によ
り、充填層14内には有機物が豊富にある。そこで、充
填材は微生物担体として機能し、充填層14内には、好
気性微生物が繁殖する。そこで、充填層14内に分離保
持された固形物(生ゴミの破砕物)や、充填材に接触し
た溶解性の有機成分は、好気性微生物によって分解され
る。特に、木質チップは、微生物の担体として、非常に
好適であり、これを利用することによって、充填層14
内に十分な量の微生物を保持することができ、このため
十分な処理を行うことができる。
【0044】特に、本実施形態の第1処理槽10は、そ
の充填層14の下側に粒状発泡ガラスからなる発泡ガラ
ス層16を有している。この発泡ガラス層16の粒状発
泡ガラスは、充填層14の木質チップと同じく多孔質で
あるが、その粒径は木質チップより大きく設定されてい
る。このような充填層14と発泡ガラス層16を積層す
ると、両層間における雰囲気の相違が比較的小さい。そ
こで、充填層14内を重力で下降してきた液体分は、発
泡ガラス層16にスムーズに移動する。そこで、充填層
14の下部において、目詰まりが発生することを効果的
に防止することができる。特に、本実施形態の充填層1
4は、平面積が広く浅く形成されている。そこで、液体
分の下方への排出がスムーズに行われる。さらに、発泡
ガラス層16にも適量の微生物が保持されるため、十分
な通水性を維持しつつ、ここにおいて溶解性有機成分を
さらに除去することができる。
【0045】例えば、充填層14を直接支持した場合に
は、木質チップの充填層14の次が大気となり、この界
面において水の表面張力などに起因して充填層14から
液体分が抜けにくくなり、充填層14の底部に水分の高
い領域が発生する。そして、このような領域では、嫌気
的な状態となり腐敗が生じ、目詰まりがさらに促進され
る。本実施形態によれば、このような欠点を排除でき
る。
【0046】さらに、本実施形態においては、発泡ガラ
ス層16の下方に繊維状のマット材からなる繊維状構成
物層18が設けられている。この繊維状構成物層18も
多孔性の層であり、発泡ガラス層16とかなりの部分で
接触する。従って、ここにおける液体分の移動もスムー
ズなものになる。
【0047】そして、繊維状構成物層18からの液体分
を波板材20を介し、外部に排出するため、ここにおけ
る液体分の移動もスムーズに行われる。このように、本
実施形態の第1処理槽によれば、液体分の下方への移動
が全体として非常にスムーズである。このため、充填層
14の底部において、水分の高い領域が発生するのを抑
制し、ここにおいて腐敗、目詰まりが生じることを効果
的に防止できる。そして、充填層14及び発泡ガラス層
16に生育する好気性微生物により、効果的に有機成分
の除去が行われる。そこで、ディスポーザから排出され
る粉砕された生ゴミを含有する固形有機物含有排水を長
期間に渡り、効果的に処理することができる。
【0048】なお、すき返し装置24は、充填層14の
表面における目詰まりを防止するために、表面を掻くも
のであり、充填層14の全体を攪拌混合するものではな
い。このすき返し装置24により、表層における目詰ま
りを防止して、液体分の下方への移動及び表面からの通
気を促進することができる。
【0049】また空気供給部材を第1処理槽10に取り
付ければ、好気性分解を促進し、固形物分解に好適な含
水率(40〜80%)に調節することが可能で、目詰ま
り防止に役立つ。
【0050】このようにして、第1処理槽10におい
て、処理された一次処理液は、リザーブタンク26に貯
留される。そして、本実施形態の装置においては、二次
処理装置として機能する第2処理槽30において、第1
処理槽10の一次処理液をさらに処理する。
【0051】本実施形態の第2処理槽30は、図1及び
図3に示すように、円筒状の容器32内に充填層34が
複数積層された4層構造となっており、各充填層34の
下に補助層として機能する発泡ガラス層36が配置され
ている。すなわち、第1充填層34a及び第1発泡ガラ
ス層36aからなる第1層と、第2充填層34b及び第
2発泡ガラス層36bからなる第2層と、第3充填層3
4c及び第3発泡ガラス層36cからなる第3層と、第
4充填層34d及び第4発泡ガラス層36dからなる第
4層からなっている。ここで、充填層34には、第1処
理槽10の充填層14と同じ木質チップが充填されてい
る。また、発泡ガラス層36には、発泡ガラス層16と
同じ粒状の発泡ガラスが充填されている。
【0052】第1、2、3、4発泡ガラス層36a、3
6b、36c、36dには、エアパイプ38が接続され
ており、このエアパイプ38の他端は、空気ポンプ28
に接続されている。従って、空気ポンプ28からの圧縮
空気が各発泡ガラス層36を介し、各充填層34に供給
される。
【0053】また、容器32の上部には、水ポンプ40
を介し、リザーブタンク26に接続される一次処理液供
給パイプ42が開口しており、リザーブタンク26内一
次処理液が、第1充填層34aに上方から供給される。
また、容器32の底部には、排水パイプ44が接続され
ており、ここから処理水が排出される。
【0054】さらに、一次処理液供給パイプ42の第2
処理槽30内の先端部には、散水装置46が設けられて
いる。この散水装置46は、供給されてくる一次処理液
を充填層34aの表面に向けて散水供給する。この散水
装置46は、円筒やドーナツ状で、底面に穴があいてい
るものや、上縁から越流するような構成でもよい。
【0055】さらに、発泡ガラス層36dの下方であっ
て容器32の底面上には、繊維状構成物層48が設けら
れている。この繊維状構成物層48は、第1処理槽の繊
維状構成物層18と同様の構成を有しており、これを配
置することによって、第2処理槽30からの処理水の排
出をスムーズなものにできる。
【0056】また、この実施形態においては、第1充填
層34aの上部に目詰まり防止層50を配置している。
この目詰まり防止層(フィルタ)50は、下から粒径2
mm、3mm、5mmの木質チップの層で形成されてい
る。この目詰まり防止層50は、例えば5cm程度の厚
さとする。
【0057】このような構成において、水ポンプ40を
駆動して、リザーブタンク26内の一次処理液を第2処
理槽30に供給すると、この一次処理液は容器32内の
第1充填層34aの表面全体に散水装置46を介し散水
される。そして、4段の充填層34及び発泡ガラス層3
6を下降する。これによって、充填層34を構成する木
質チップと接触される。一方、第2処理槽30内には、
空気ポンプ28からの空気が供給されており、充填層3
4内は好気的状態に維持されている。そこで、充填層3
4内の木質チップには、好気性微生物が付着繁殖し、下
降してくる第1処理槽10における一次処理液に含まれ
ている有機成分を効果的に酸化分解する。特に、木質チ
ップは、木質、多孔性であり、好気性微生物の担体とし
て非常に好適なものである。そこで、第2処理槽30に
おいて、効果的な好気性微生物処理が達成される。さら
に、木質チップは、安価であるというメリットもある。
【0058】また、各充填層34は、発泡ガラス層36
で支持されている。この発泡ガラス層36は、粒状の発
泡ガラスから構成されている。この粒状発泡ガラスは、
上述の第1処理槽10と同様に、木質チップからの液体
を効果的に下方に排出させる機能がある。そこで、各充
填層34における目詰まりを防止することができる。さ
らに、本実施形態における第2処理槽30は、第1処理
槽10に比べ縦長で多段構成になっている。そこで、充
填層34を通過した液体は、空気が供給されている発泡
ガラス層36において分散し、次の充填層34に至る。
従って、上部から供給された透過処理水は、短絡するこ
となく、確実に処理される。また、空気は比較的空隙率
の高い発泡ガラス層36内に供給される。そこで、この
発泡ガラス層36が散気部材として機能し、第2処理槽
30内全体の効率的な曝気が達成できる。
【0059】ここで、第2処理槽30内の充填層34、
発泡ガラス層36の段数は多い方が処理効果がよくなる
が、3段や4段程度が現実的である。また、充填層34
に散気管を挿入し、ここから空気散気することも可能で
ある。この場合、散気管は、縦方向に挿入しても、横方
向に挿入してもよい。例えば、第2処理槽30の中心部
に縦方向散気管を挿入することが好適である。さらに、
第2処理槽30内は、発泡ガラス層36と充填層34を
交互に積層形成しただけであり、途中に隔壁などは、形
成していない。さらに、エアパイプ38も容器32の側
壁から若干内部に至って開口しているだけである。そこ
で、内部の充填層34、発泡ガラス層36を形成する木
質チップや発泡ガラスを取り出すことも容易である。こ
れらは、定期的に取り替えることが好ましい。この場
合、木質チップなどを上方から取り出せばよいが、容器
32の下部に取り出し用の窓などを設けることも好適で
ある。
【0060】また、第1充填層34aには、第1処理槽
10における透過処理水が供給される。この透過処理水
は、かなりのSS成分を含むものであり、第1充填層3
4aの表面部においては、目詰まりが発生しやすい。本
実施形態では、この第1充填層34aの上部において、
目詰まり防止層50を追加している。これによって、第
1充填層34aの表面部分における目詰まりの発生を防
止して、良好な処理を長期間継続できる。
【0061】そして、本実施形態においては、スチーム
発生装置64において発生されるスチームが容器32内
の発泡ガラス層(補助層)36に供給可能となってい
る。スチーム発生装置64は、ヒータ64aと沸騰容器
64bからなっており、ヒータ64aにより沸騰容器6
4b内の水を沸騰させ、スチームが発生される。そし
て、このスチーム発生装置64は、エアパイプ38に接
続されている。従って、スチーム発生装置64で発生さ
れたスチームは、空気ポンプ28からのエアーと混合さ
れて発泡ガラス層36内に供給される。なお、エアパイ
プ38には、空気ポンプ28からの空気量を制御するた
めのバルブ66が設けられ、スチーム発生装置64から
エアパイプ38に至る配管にはスチーム量をスチームの
供給を制御するバルブ68が設けられている。これらバ
ルブ66、68を制御することによって、発泡ガラス層
36に供給するスチームを制御することができる。
【0062】このような装置において、通常の処理時に
は、スチーム発生装置64は、ヒータ64aをオフして
おき、スチームの発生を停止している。また、バルブ6
8を閉、バルブ66を開として、空気ポンプ28からの
空気を発泡ガラス層36を介し充填層34に拡散する。
【0063】そして、1週間に1度程度の頻度で、スチ
ームによる容器32内の不所望な生物の駆除動作を行
う。この場合には、まずスチーム発生装置64のヒータ
64aをオンし、沸騰容器64b内の水を沸騰させる。
次に、バルブ68を開き、スチーム発生装置64からの
スチームをエアパイプ38内に供給する。これによっ
て、発泡ガラス層36へのエアーには、スチームが混入
されたものになり、これによって充填層34が加熱され
る。
【0064】ここで、エアパイプ38内に温度計を取り
付け、この検出値に応じて、バルブ66、68の開度を
制御し、エアパイプ38内のスチーム温度が60〜65
℃に収まるように制御することが好ましい。これによっ
て、充填層34の温度が高くなりすぎ、充填層34に生
育する微生物が死滅してしまうのを防止し、かつ昆虫の
駆除を効果的に行うことができる。
【0065】このようなスチームによる駆除動作は、沸
騰容器64bにおいて発生した蒸気を適当な空気ポンプ
28からの空気と混合し、40〜70℃、特に好ましく
は60〜65℃程度として、発泡ガラス層36に供給し
て行う。また、スチームの供給箇所を複数個設け、発泡
ガラス層36の全体に均一に供給することが好ましい。
また、スチームの供給は、少なくとも30分程度行うこ
とが好ましい。
【0066】例えば、60〜65℃のスチームを30分
程度供給することにより、充填層34の木質チップの表
面温度が58℃程度、木質チップの中心部の温度が44
℃程度となる。この程度の温度であれば、微生物への悪
影響はほとんどなく、かつ十分な殺虫が行える。特に、
昆虫類の孵化直後の幼虫、羽化直後の成虫などを効果的
に駆除することができるが、卵やさなぎなどにも効果が
ある。
【0067】なお、スチーム発生装置64は超音波を利
用するものなど他の形式のものでもよく、またスチーム
を空気とは別に独立して充填層34内に供給するように
してもよい。水蒸気に空気ではなく、酸素ガスを混合し
て、所定温度のスチームを生成することも好適である。
【0068】さらに、第1処理槽10の充填層14内に
もスチームを供給し、ここに生育する昆虫を駆除できる
ようにしてもよい。この場合も、発泡ガラス層16にス
チームを供給するのが好適である。さらに、生ゴミのコ
ンポスト装置などに、スチームを導入することで、昆虫
類の駆除を行うこともできる。すなわち、生ゴミなどの
厨芥廃棄物を好気性微生物によって処理し、コンポスト
化する装置があり、このような装置においても昆虫類が
発生する場合がある。そこで、この装置にスチームなど
の温熱ガスを導入することで、これら不所望な生物を駆
除することができる。
【0069】また、スチームに限らず、各種ガス加熱し
て得た温熱ガスなどを使用することもできる。加熱する
ガスとしては、空気や酸素ガスなどが好ましい。
【0070】さらに、スチームなどの温熱ガスを70℃
以上の高温とすることもできる。これによって、充填層
34内の生物のほとんどが死滅し、昆虫類などを確実に
駆除できる。この場合、有機物の分解処理に有用な微生
物もある程度死滅する。そこで、これら微生物について
別途導入することが好ましい。
【0071】なお、図示は省略したが、本実施形態にお
いては、容器12、32の周囲には、ヒータが設けられ
ており、第1及び第2処理槽10、30内には、その温
度を計測する温度計が配置されている。そして、第1及
び第2処理槽10、30内の温度が30°C以下になら
ないように、ヒータのオンオフを制御している。このよ
うに、温度制御することによって、処理槽10、30内
における微生物の活性を常に十分なものに維持できる。
なお、一次的な低温状態は問題は少なく、また必ずしも
30°Cが限界温度ではないため、ヒータの能力は30
°C以上を保証できるほど大きくする必要はない。
【0072】処理槽等に供給する気体として、空気にか
えて、酸素ガスやさらに酸素含有量の高められた空気
(酸素リッチエアー)などを利用することも好適であ
る。
【0073】さらに、充填層34と発泡ガラス層(補助
層)36は、少なくとも一対あればよく、また最も下の
層が発泡ガラス層36でなくてもよい。すなわち、発泡
ガラス層36の下に充填層34を設け、この最も下の充
填層34から処理水を排出してもよい。
【0074】「装置の設置場所」本実施形態の装置は、
上述のように基本的に処理槽10、30からなってい
る。そして、家庭の流し(シンク)の排水口に設けられ
るディスポーザからの生ゴミ粉砕物を含有する排水を処
理する。そこで、本実施形態の装置を台所のシンクの下
方空間に収容することができる。また、本実施形態の装
置を屋外に設置することもでき、この場合にはディスポ
ーザから本装置の配管を接続すればよい。この配管は、
重力で生ゴミ粉砕物を含有する排水を輸送できる構成と
することが好ましい。
【0075】「装置の変形」本実施形態の装置は、上述
のように、ディスポーザからの生ゴミ粉砕物を含有する
排水を処理する。しかし、ディスポーザが装置と別体と
して設けられている必要はなく、一体的に形成されてい
てもよい。すなわち、第1処理槽10の上方にディスポ
ーザを一体的に形成しておき、流しから排出される生ゴ
ミを受け入れ、これを粉砕再処理して、第1処理槽10
に流入するように構成することができる。このようなデ
ィスポーザ一体型の装置は、流しの直下に設けることが
好適であるが、屋外に設置して、生ゴミを水と共に本装
置形成されたディスポーザに流入するようにしてもよ
い。
【0076】「木質チップの大きさ」上述の実施形態で
は、第1処理槽10及び第2処理槽30の充填層14、
34の木質チップとして、粒径が1.5mm程度(大部
分が2mm以下)のものを使用した。ここで、この木質
チップの粒径を変更して実験をしてみた。この実験によ
り、木質チップの粒径を大きくすればそれだけ充填層1
4、34における排水の透過性が上昇する。そして、第
1処理槽10及び第2処理槽30の充填層14、34に
用いる木質チップとして、粒径が2〜5mm程度のもの
を使用することで、長期間において処理能力を維持しつ
つ、処理水水質を所定のものに維持できることがわかっ
た。
【0077】「発泡ガラス層(補助層)の構成」発泡ガ
ラス層16、36の発泡ガラスに代えて、木質チップを
採用することも好適である。すなわち、発泡ガラス層1
6、36は、充填層14、34を支持する補助層として
機能するものであるが、この層を充填層14、34と同
じ材質の木質チップで構成することもできる(但し、粒
径は補助層のものの方が充填層のものより大きい)。木
質チップは、保水性があり、発泡ガラスと同様の処理効
果が得られる。そして、木質チップを利用することで、
これを廃棄する際に、コンポストとして利用することが
できる。なお、生物分解が可能なプラスチックなども利
用可能である。
【0078】第1処理槽10の補助層及び第2処理槽3
0の最下層の補助層は、上述のように発泡ガラス層と繊
維状構成物層の多層として、下方ほど空隙率の大きいも
のを採用することで、透過処理液の排出をスムーズにす
ることができる。また、一層として下方に向けて実質的
に徐々にまたは段階的に空隙率を大きくすることによっ
ても同様の効果が得られる。
【0079】「第1処理槽10の構成」上述のように、
第1処理槽10は、下から繊維状構成物層18、発泡ガ
ラス層16、充填層14からなっている。そして、これ
らの厚みを変更して実験してみた。この実験により、7
割以上の粒径が1.7mm〜5mm(主成分が2mm以
上)の木質チップを用いた充填層14は、その厚みが5
〜10cm程度充填することが好ましいことがわかっ
た。また、この際に発泡ガラス層16は、3〜5cm程
度が好ましい。
【0080】「一次処理液からの汚泥の除去」上述の実
施形態では、一次処理液を貯留するリザーブタンク26
において、曝気処理を行い、腐敗を防止した。しかし、
この構成であると、一次処理液は基本的にそのまま第2
処理槽30に導入されることになる。一次処理液は、か
なりのSS(浮遊性固形物)を有しており、これがその
まま第2処理槽30に導入されると、第2処理槽30に
おいて、目詰まりが発生しやすくなる。
【0081】そこで、リザーブタンクにおいて、曝気を
やめるか弱めることによって、ここで一次処理液中の汚
泥を沈殿分離することが好適である。そして、沈殿分離
された汚泥は、第1処理槽10に返送する。これによっ
て、第2処理槽30に導入されるSSが減少し、第2処
理槽30における目詰まりの発生を防止して、長期間安
定した処理が行える。
【0082】さらに、この構成によれば、沈殿汚泥は、
第1処理槽10において再度処理される。このため、特
別の汚泥処理装置などを設ける必要がない。なお、沈殿
汚泥は、必ずしも第1処理槽10に返送する必要もな
い。外部において、汚泥の処分が可能であれば、汚泥は
そのまま系外に排出してもよい。
【0083】さらに、第1処理槽で得られた一次処理液
をフィルタで濾過処理し、SS成分を一部除去してから
第2処理槽30に流入することも好適である。これによ
って、第2処理槽における目詰まりの発生を効果的に防
止することができる。
【0084】このフィルタは、リザーブタンク26の手
前に設けてもよいし、リザーブタンク26内や、リザー
ブタンクの後や、配管内や、さらには第2処理槽30の
一次処理液の流入部に設けてもよい。そして、このフィ
ルタには、ガーゼのような布性のフィルタ材(例えば、
アサヒケミカル製の商品名ベンコット)や、ステンレス
性のふるいなどを用いることができる。ふるいとして
は、83メッシュ(線径約0.12mm、網の目の大き
さ約0.18mm四方)程度のものが好適である。
【0085】なお、このフィルタは、定期的に洗浄した
り取り替えることが好適であり、洗浄水は第1処理槽1
0に返送してもよい。
【0086】「第2処理槽30の構成」第2処理槽30
は、流速を大きくすると、処理水のBOD(生化学的酸
素要求量)が高くなり、流速を小さくすると、処理水の
BODが低くなる。また、第2処理槽30の高さを高く
すると処理水SSが小さくなり、高さを低くすると処理
水SSが大きくなる。そこで、第2処理槽30の流速及
び高さを調整することで、処理水BOD及びSSを制御
することができる。処理水のBOD、SSについての要
求水質は、地方自治体などによって、異なる場合も多
く、本装置では、第2処理槽30の流速及び高さを調整
することで、処理水の要求水質に対処することができ
る。なお、第2処理槽30の高さの変更は、一次処理液
の流入位置の変更、段数の変更、流出口の変更などによ
って達成可能である。
【0087】また、ディスポーザによる破砕処理を行っ
た生ゴミ含有排水以外の台所排水を第2処理槽30にお
いて処理することも好適である。すなわち、台所排水を
直接またはリザーブタンク26などの貯留槽を介し、第
2処理槽30に流入する。これによって、台所排水を処
理することができ、家庭などから排出される排水の全体
としての有機物排出量を減少することができる。
【0088】「カートリッジ式の第2処理槽」充填層3
4や発泡ガラス層36をパックにまとめておくとよい。
すなわち、ビニールネットや、伸縮可能な筒などに充填
層34や発泡ガラス層36を収容しておき、適当な頻度
で、これらを容器32から取り出し新しいものに代えた
り、洗浄して戻したりすることができる。
【0089】なお、取り除いた充填層34については、
充填層34をコンポストとし、新しい木質チップに入れ
替えることも好適である。
【0090】なお、このような交換のために、容器32
の上部及び下部を開放可能にしたり、容器32を縦方向
に分割しておき、開けるようにすることも好適である。
【0091】
【実施例】第2処理槽30にスチームを導入し、加温性
能について調べた。直径が180mmの容器32内に上
から第1充填層34a、第1発泡ガラス層36aの順で
第4充填層34d、第4発泡ガラス層36dまで積層し
た。各層の厚みは、全て50mmとした。
【0092】そして、スチーム発生装置64からのスチ
ームを空気ポンプ28からの15L/minの空気に混
入させて、第1発泡ガラス層(補助層)36aに導入し
た。図4(a)に示すように、第1発泡ガラス層36a
に2方向から60〜65℃のスチームを導入し、30分
後の温度分布を測定した。なお、外気温度は19.6℃
であった。
【0093】第1補助層36aにおける3点の温度を測
定したところ、スチーム導入部では、温度はスチーム温
度と同一の60〜65℃であった。一方、スチーム導入
部の反対側の点では、45℃であった。
【0094】また、第1充填層34aの表面での温度分
布を図4(b)に示す。このように、スチーム導入部の
上方では、50℃、58℃、中心では44℃、スチーム
導入部の反対側の上方では、23.5℃、23.7℃で
あった。
【0095】さらに、第2補助層36bでは、図4
(c)に示すように、スチーム導入部の下方において、
38.7℃、スチーム導入部の反対側の下方では、20
℃であった。
【0096】このように、スチーム導入部の直上の部分
においては、50℃を上回っており、スチームによる加
熱が一応行われるが、その他の部分では十分な加熱効果
が得られていない。従って、スチームを4方から導入
し、かつスチーム量を2倍程度とすることで、1つの充
填層34の加熱は十分行えると考えられる。そこで、各
発泡ガラス層36のそれぞれに、上記実験の2倍程度の
スチームを供給することで、第2処理槽30内部の全体
における加熱処理が行えることがわかった。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る有機
物処理装置及び方法によれば、スチームを充填層に導入
することで、充填層内に生育する昆虫類などの不所望の
生物を駆除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る有機物処理装置を含む固形物
含有排水処理装置を正面から見た構成を模式的に示す図
である。
【図2】 第1処理槽の内部を模式的に示す図である。
【図3】 第2処理槽の内部を模式的に示す図である。
【図4】 スチームによる加温状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 第1処理槽、12 容器、14 充填層、16
発泡ガラス層、18繊維状構成物層、20 波板材、2
2 排水口、24 すき返し装置、26 リザーブタン
ク、30 第2処理槽、32 容器、34 充填層、3
6 発泡ガラス層、64 スチーム発生装置、64a
ヒータ、64b 沸騰容器、66,68 バルブ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物を分解処理する有機物処理装置で
    あって、 供給される有機物を微生物処理する処理層と、 この処理層を内蔵する容器と、 前記処理層内に温熱ガスを導入する温熱ガス導入手段
    と、 を有することを特徴とする有機物処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 前記温熱ガスの導入により、処理層に生育存在する不所
    望な生物を処理することを特徴とする有機物処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 上記温熱ガスの導入により、有機成分を分解する微生物
    を生かした状態で、有機成分の分解に不要な生物を処分
    することを特徴とする有機物処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装
    置において、 前記温熱ガスとして、スチームを用いることを特徴とす
    る有機物処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の装
    置において、 前記温熱ガス導入手段は、40〜70℃の温熱ガスを前
    記処理層内に導入することを特徴とする有機物処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の装
    置において、 さらに、 前記処理層内に空気または酸素を拡散するガス供給部材
    を有することを特徴とする有機物処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、 前記温熱ガス導入手段は、前記ガス供給部材を介し、温
    熱ガスを前記処理層内に導入することを特徴とする有機
    物処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の装
    置において、 さらに、 上記処理層を介し排出される処理水を流通する補助層を
    有し、 補助層を介し処理水を排出することを特徴とする有機物
    処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の装置において、 前記温熱ガス導入手段は、前記補助層を介し、温熱ガス
    を処理層内に導入することを特徴とする有機物処理装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の装置におい
    て、 上記処理層と、上記補助層を交互に複数積層した多段構
    成を有していることを特徴とする有機物処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つに記載
    の装置において、 上記処理層は、木質チップを充填して形成されているこ
    とを特徴とする有機物処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1つに記載
    の装置において、 処理対象である有機物は、ディスポーザによる破砕生ゴ
    ミ含有排水であることを特徴とする有機物処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1つに記載
    の装置において、 処理対象である有機物は、ディスポーザからの生ゴミを
    含有する排水を一次処理装置において濾過処理及び好気
    性生物処理して得た一次処理水であることを特徴とする
    有機物処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の装置に
    おいて、 処理対象である有機物が、さらに台所排水を含むことを
    特徴とする有機物処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜11のいずれか1つに記載
    の装置において、 処理対象である有機物は、生ゴミであることを特徴とす
    る有機物処理装置。
  16. 【請求項16】 有機物を分解処理する有機物処理方法
    であって、 有機物を微生物処理する処理部へ温熱ガスを導入するこ
    とを特徴とする有機物処理方法。
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