JPH11177364A - 圧電素子の製造方法およびレジスト塗布装置 - Google Patents

圧電素子の製造方法およびレジスト塗布装置

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JPH11177364A
JPH11177364A JP34691997A JP34691997A JPH11177364A JP H11177364 A JPH11177364 A JP H11177364A JP 34691997 A JP34691997 A JP 34691997A JP 34691997 A JP34691997 A JP 34691997A JP H11177364 A JPH11177364 A JP H11177364A
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JP
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resist
piezoelectric element
element piece
side end
metal film
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JP34691997A
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Tetsuo Nakagawa
哲男 中川
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子片に対してレジストを適正に塗布す
ることにより、信頼性の高い圧電素子を製造することの
できる圧電素子の製造方法、およびレジスト塗布装置を
提供すること。 【解決手段】 圧電素子1は音叉型水晶振動子であり、
圧電素子片2の両面のそれぞれに金属膜を形成した後、
フォトレジストRを塗布し、それに露光、現像を行なっ
て、金属膜から電極膜41、42をパターニング形成す
るためのレジストマスクを形成する。このようなフォト
レジストRを塗布するにあたって、インクジェットヘッ
ドからレジスト液を圧電素子片2の塗布面に対して斜め
方向から吐出させ、圧電素子片2の側端面にもフォトレ
ジストRを塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音叉型の水晶振動
子などの圧電素子の製造方法、およびこの製造方法に用
いるレジスト塗布装置に関するものである。さらに詳し
くは、圧電素子片の表面に形成した金属膜から電極膜を
パターニング形成するためのレジストマスクの形成技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種圧電素子のうち、音叉型水晶振動子
は、図1に示すように、基部21から第1および第2の
腕部22、23が同一方向に並列して延びる音叉型の平
面形状を有する薄板状の水晶片からなる圧電素子片2
と、この圧電素子片2の基部21に対して2本の内部端
子31がそれぞれ接続されたプラグ30と、圧電素子片
2を収納したケース35とから構成され、このケース3
5とプラグ30とによって内部が気密状態に保たれてい
る。
【0003】図16(A)、(B)に示すように、圧電
素子片2の表面には、上面および下面のそれぞれに所定
のギャップ10を隔てて2つの電極膜41、42が分割
形成され、これらの電極膜41、42の各々にプラグ3
0の外部端子33(図1参照)から交流電圧を印加する
ことによって腕部22、23が所定の周波数で振動す
る。なお、いずれの図においても電極膜41、42を図
示するにあたっては、2つの電極膜41、42を区別す
るために、一方の電極膜41には右上がりの斜線を付
し、他方の電極膜42には右下がりの斜線を付してあ
る。
【0004】電極膜41、42はクロム膜からなる下地
金属層と金電極層との2層構造になっている。また、腕
部22、23では各電極膜41、42間のギャップ10
が極めて狭いため、電極膜41、42間で短絡が発生す
るおそれがあるので、電極膜41、42の表面に表面保
護膜(図示せず。)を形成してある。
【0005】圧電素子片2では、上面と下面との間で各
電極膜41、42同士を接続するために、各側端面にも
電極膜41、42が形成されている。但し、側端面にお
いても電極膜41、42を絶縁分離する必要があるの
で、腕部22、23のつけ根部分に挟まれた又部24の
内側の側端面にはかなり幅広のギャップ11が形成され
ている。
【0006】図16(C)に示すように、圧電素子片2
の基部21には、内部端子31を半田50によって接続
するマウント部51、52が形成され、この基部21の
側端面210にも、圧電素子片2の上面と下面との間で
各電極膜41、42同士を接続する電極膜41、42が
形成されている。側端面210でも電極膜41、42を
絶縁分離する必要があるので、電極膜41、42はギャ
ップ12によって分割されている。
【0007】このような構成の圧電素子の製造方法を、
図3を参照して説明する。ここで説明する製造プロセス
は、半導体プロセスと共通する部分があるが、半導体プ
ロセスと違って、水晶振動子の場合にはウエーハWの両
面に同一パターンを形成していく。
【0008】まず、図3(A)に示すように切り出した
水晶のウエーハWに研磨加工、洗浄を行った後、図3
(B)に示すように、クロム層Crおよび金層Auをそ
れぞれスパッタ法により形成する。
【0009】次に、フォトレジストRを金層Auの表面
に塗布した後、フォトレジストRを音叉形状のパターン
に露光、現像し、図3(C)に示すように、音叉外形の
レジストマスクMを形成する。次に、レジストマスクM
を介して金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行
い、図3(D)に示すように、金層Auおよびクロム層
Crを音叉形状に残す。次に、金層Auおよびクロム層
Crをマスクとして水晶ウエーハWのエッチングを行
い、図3(E)に示すように、水晶を音叉形状に成形す
る。この水晶片が圧電素子片2である。
【0010】次に、圧電素子片2上の金層Auおよびク
ロム層Crを全て除去し、図3(F)に示すように、改
めて、電極膜41、42を形成するためのクロム層Cr
および金層Auを形成する(金属膜形成工程)。
【0011】次に、後述するスプレー法により、電極膜
41、42を形成するための金層Auの表面にフォトレ
ジストRを塗布した後、図3(G)に示すように、フォ
トレジストRを各電極膜41、42のパターン形状に露
光、現像し、各電極膜41、42の外形をしたレジスト
マスクMを形成する(マスク形成工程)。
【0012】しかる後に、図3(H)に示すように、レ
ジストマスクMを介して金層Auおよびクロム層Crに
エッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを電極
膜41、42のパターン形状に残す。このようにしてク
ロム膜からなる下地金属層と金電極層とからなる電極膜
41、42を形成する(パターニング工程)。
【0013】次に、表面保護膜の形成工程を行う(図3
(I))。
【0014】このような圧電素子の製造工程のうち、金
属膜形成工程において電極膜41、42を形成するため
のクロム層Crおよび金層Auを形成した後のマスク形
成工程(図3(F)、(G)に示す工程)では、従来、
図17(A)において、フォトレジストRの塗布領域を
右上がりの斜線および左上がりの斜線の双方を付した領
域として示すように、圧電素子片2の上面、下面、およ
び側端面の全てにフォトレジストRを塗布する。すなわ
ち、スプレー法では後述するように、フォトレジストR
を塗布領域を精度よく限定できないので、腕部22、2
3のつけ根部分に挟まれた又部24の内側にもフォトレ
ジストRが塗布されるとともに、図17(B)に示すよ
うに、基部21の側端面210にもフォトレジストRが
塗布される。そして、フォトレジストRに対する露光、
現像を行なうことによって、図18(A)、(B)にお
いて、レジストの形成領域を右上がりの斜線および左上
がりの斜線の双方を付した領域として示すように、ギャ
ップ10、11、12とすべき部分が窓開けされたレジ
ストマスクMを形成する。
【0015】このようにしてレジストマスクMを形成す
る際には、図19に示すように、圧電素子片2は1枚の
ウエーハWに音叉形状をもって多数形成された状態にあ
り、ウエーハWのまま処理される。また、ウエーハWに
形成された多数の圧電素子片2の各々にレジストを塗布
するには、従来、レジスト吐出用のスプレーノズル91
と、このスプレーノズル91をウエーハWの幅方向に走
査する走査機構(矢印Pで示す。)と、スプレーノズル
91の走査方向と直交する方向にウエーハWを搬送する
搬送機構(矢印Qで示す。)とを有するレジスト塗布装
置90が用いられている。このレジスト塗布装置90に
は、図20(A)に示すように、レジスト液が貯留され
たタンク92と、このタンク92内に圧縮空気を供給す
る導気管93と、この導気管93を介してタンク92内
に圧縮空気が供給されたときにレジスト液がスプレーノ
ズル91に向けて供給される送液管94とが構成されて
いる。また、図20(B)に示すように、レジスト塗布
装置90において、スプレーノズル91に対してはそれ
に圧縮空気を供給する導気管95が接続され、この導気
管95には減圧弁99などが介挿されている。従って、
スプレーノズル91へは送液管94を介してレジスト液
が供給されるとともに、導気管95を介して圧縮空気が
供給される。その結果、スプレーノズル91からは、圧
縮空気とレジスト液が同時に吐出され、レジスト液は空
気流にのって圧電素子片2に向けて搬送、供給されるこ
とになる。この際に、圧電素子片2が空気圧を受けても
破損しないように、搬送機構には、図21に示すよう
に、ウエーハWの下面(圧電素子片2の下面)側を支え
る底部961を備えるトレー96と、このトレー96上
にウエーハWを押し付け固定するフレーム98とが使用
される。よって、ウエーハWの上面および下面の双方に
レジスト液を供給するには、ウエーハWの上面へのフォ
トレジストRの塗布が終了した後、別のトレー上にウエ
ーハWを引っくり返して移載し、しかる後に、同様な方
法でウエーハWの下面へのレジストの塗布を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電素子の製造方法において、圧電素子片2にフォトレ
ジストRを塗布するのに採用しているスプレー方式は、
空気流によってレジスト液を液滴として飛ばすので、液
滴のサイズが不均一であり、このため、圧電素子片2の
表面に塗布されたフォトレジストRの厚さが不均一であ
る。その結果、フォトレジストRが厚すぎる場所では、
現像後にレジストが除去されるべき部分にレジストが残
り、ギャップ10、11、12の部分でショートが発生
するおそれがある。また、フォトレジストRが薄すぎる
場所では、現像後にレジストが残されるべき部分でレジ
ストが除去されてしまい、電極膜41、42が本来より
狭く形成されることがある。その結果、断線に至らなく
ても、圧電素子のCI値(クリスタルインピーダンス/
振動子の機械的振動を抵抗R1、容量C1、インダクタ
ンスL1の直列共振回路とこの直列共振回路に対する並
列容量C0とによって等価回路として表したときの抵抗
R1の値)が増大するおそれがある。
【0017】このようなフォトレジストRの塗布厚さの
不均一は、レジスト液を液滴として搬送する空気流に起
因することもある。すなわち、空気流の速度の高低によ
ってはレジストの液滴間でそれに含まれる溶媒の蒸発速
度がばらつきが生じることがあるため、一部のレジスト
の液滴は液状のままで圧電素子片2に到達し、一部のレ
ジストの液滴は流動性の乏しい半固体になって圧電素子
片2に到達する結果、レジストの表面に凹凸が形成さ
れ、厚さの不均一が発生する。
【0018】また、レジスト液を搬送する空気流は、レ
ジスト中に異物を巻き込むおそれもある。
【0019】さらに、腕部22、23のつけ根部分に挟
まれた又部24の側端面や基部21の側端面210に塗
布されたフォトレジストRに対しては、斜め露光技術を
用いるが、露光が精度よく行なえず、十分な幅のギャッ
プ11、12にできないことがある。その結果、このよ
うな側端面でショートが発生するおそれがある。
【0020】さらにまた、スプレー方式では、薄板状の
圧電素子片2が空気圧を受けても腕部22、23などが
折れないように、圧電素子片2を下面側から支える底部
961を備えるトレー96を用いている。このため、ウ
エーハWの上面へのレジストの塗布が終了した後、別の
トレー上にウエーハWを引っくり返して移載する必要が
あり、生産性が低いという問題点がある。
【0021】しかも、圧電素子片2を下面側から支える
底部961を備えるトレー96を用いると、圧電素子片
2の周囲が袋小路になり、そこで空気流が複雑に反射す
る。従って、圧電素子片2に向けて斜め方向からレジス
ト液を塗布してその影になった部分をレジストの非形成
領域にしようとしても、このような選択的なレジスト塗
布を精度よく行なえないという問題点もある。
【0022】また、フォトレジストRとその下地となる
金属層(金層Au)との密着性が悪いため、レジストの
剥離、レジストと金属層との間への現像液(エッチング
液)のしみ込みが起こりやすく、それに起因するパター
ニングの精度低下が起こりやすいという問題点もある。
【0023】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
圧電素子片に対してレジストを適正に塗布することによ
り、品質の安定した圧電素子を製造することのできる圧
電素子の製造方法、およびレジスト塗布装置を提供する
ことにある。
【0024】また、本発明の課題は、圧電素子片の片面
側へのレジストの塗布が終了した後、他方の面側へのレ
ジストの塗布を行う際に圧電素子片を別のトレー上に引
っくり返して移載する必要のない圧電素子の製造方法、
およびレジスト塗布装置を提供することにある。
【0025】さらに、本発明の課題は、レジストとその
下地となる金属層との密着性を高めることにより、パタ
ーニング精度の低下を防止することのできる圧電素子の
製造方法、およびレジスト塗布装置を提供することにあ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、圧電素子片の表面に電極膜形成用の金
属膜を形成する金属膜形成工程と、当該金属膜の表面に
レジストマスクを形成するマスク形成工程と、当該レジ
ストマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記
圧電素子片の表面で所定のギャップを隔てるように分割
された2つ以上の電極膜を形成するパターニング工程と
を有する圧電素子の製造方法において、前記マスク形成
工程では、インクジェットヘッドからレジスト液を吐出
して前記金属膜の表面にレジストを塗布した後、該レジ
ストに露光および現像を行なって前記レジストマスクを
形成することを特徴とする。
【0027】本発明では、電極膜を形成するための金属
膜を形成した後の圧電素子片にレジストを塗布するの
に、インクジェットヘッドからレジスト液を吐出するイ
ンクジェット法を採用しているので、吐出されるレジス
ト液の液滴のサイズが均一で、かつ、そのサイズの制御
も可能である。従って、レジストを均一な厚さに塗布で
きる。また、スプレー方式と違って、インクジェット法
ではレジストの液滴にエネルギーを与えることによりイ
ンクジェットヘッドからレジスト液のみを吐出し、空気
の吐出がない。従って、液滴間で溶剤の揮散速度が等し
いので、レジスト液の液滴はいずれも適度な流動性をも
って圧電素子片の表面に到達し、レジストは平滑に塗布
される。また、インクジェット法では、スプレー方式と
違って空気流の影響がないので、圧電素子片の側端面な
どにおいて特定の部分にレジストの液滴が集中してその
部分にレジストが異常に厚く塗布されることもない。そ
れ故、現像後にギャップの部分などといったレジストが
除去されるべき部分にレジストが残ってしまい、電極膜
がショートするという不具合や、現像後に電極膜の部分
などといったレジストが残されるべき部分でレジストが
除去されてしまい、圧電素子のCI値が増大するという
不具合が発生しない。また、スプレー方式では圧電素子
片に大きな空気圧が作用するため、トレーなどの支持具
は、圧電素子片の下面側を支える必要があったが、イン
クジェット法ではこのような圧力が圧電素子片に加わら
ない。従って、圧電素子片の下面を支持具で支える必要
がないので、支持具としては、圧電素子片の上面側およ
び下面側を開放状態にして圧電素子片を支持する構造の
ものを用いることができ、このような支持具であれば、
同一の支持具上で圧電素子片の両面にレジストの塗布を
行なえる。それ故、本発明によれば、圧電素子片の一方
の面へのレジストの塗布が終了した後、圧電素子片を上
下に引っくり返して別の支持具上に移載するという手間
のかかる作業が必要ないので、圧電素子の生産性が向上
するという利点がある。さらに、レジスト液の搬送に空
気流を用いないので、レジスト中に異物を巻き込むこと
もない。
【0028】本発明において、前記圧電素子片は、たと
えば、基部から2本の腕部が同一方向に並列して延びる
音叉型の平面形状を有している。
【0029】このような音叉型の圧電素子の製造方法で
は、前記マスク形成工程において、前記圧電素子片の上
面および下面のうち、一方の面にレジストを塗布する際
には前記インクジェットヘッドからのレジスト液の吐出
方向を当該一方の面に対して垂直な方向より前記圧電素
子片の一方の側端面の側に斜めに傾いた方向に設定し、
他方の面にレジストを塗布する際には前記インクジェッ
トヘッドからのレジスト液の吐出方向を当該他方の面に
対して垂直な方向より前記一方の側端面とは反対側の側
端面の側に斜めに傾いた方向に設定することが好まし
い。このように斜めからレジストを塗布すると、圧電素
子片の側端面にレジストを好適な状態に塗布することが
できる。
【0030】本発明では、前記マスク形成工程におい
て、前記圧電素子片の上面または下面にレジストを塗布
する際に、前記インクジェットヘッドからのレジスト液
の吐出方向を前記圧電素子片の塗布面に対して垂直な方
向より当該圧電素子片の一方の側端面の側に斜めに傾い
た方向に設定して、この方向から当該塗布面にレジスト
を塗布した後、前記インクジェットヘッドからのレジス
ト液の吐出方向を前記塗布面に対して垂直な方向より前
記一方の側端面とは反対側の側端面の側に斜めに傾いた
方向に設定して同一の塗布面にレジストを2方向から塗
布することが好ましい。このように構成すると、圧電素
子片の側端面にもレジストを好適な状態に塗布すること
ができる。
【0031】本発明において、前記マスク形成工程で
は、前記圧電素子片の上面側および下面側を開放状態に
して当該圧電素子片を支持可能な支持具を用いることが
好ましい。このように構成すると、圧電素子片を同一の
支持具で支持したまま、前記圧電素子片の上面および下
面へのレジストの塗布を行なうことができる。
【0032】本発明において、インクジェット法であれ
ばレジストの塗布領域を精度よく限定できることから、
前記マスク形成工程では、前記金属膜の表面のうち、前
記ギャップに相当する部分の少なくとも一部に対しては
インクジェットヘッドからのレジスト液の吐出を停止す
ることにより、当該一部分についてはレジストの非形成
領域にしておくことが好ましい。
【0033】前記レジストの非形成領域とは、たとえ
ば、前記圧電素子片のうち、前記腕部のつけ根部分に挟
まれた又部内側の側端面である。このような部分は、圧
電素子が完成した際には電極膜同士を絶縁するギャップ
が形成される部分であり、かつ、側端面では露光が精度
よく行われない可能性がある。そこで、このような部分
には最初からレジストを塗布しないでおけば、たとえ露
光が精度よく行われなかった場合でも、この部分に形成
されている金属膜を確実にエッチング除去できる。
【0034】また、前記圧電素子片のうち、プラグの各
リードがそれぞれ接続される前記基部の側端面をレジス
トの非形成領域としてもよい。このような部分も、圧電
素子が完成した際には電極膜同士を絶縁するギャップが
形成される部分であり、かつ、側端面では露光が精度よ
く行われない可能性がある。そこで、このような部分に
も最初からレジストを塗布しないでおけば、たとえ露光
が精度よく行われなかった場合でも、この部分に形成さ
れている金属膜を確実にエッチング除去できる。また、
このような部分(前記基部の側端面)では、プラグのリ
ードを接続する際の半田がはみ出してくる可能性がある
ので、電極膜同士のギャップが狭いと半田によってショ
ートする可能性がある。しかるに、この部分に最初から
レジストを塗布しないでおけば、たとえ露光が精度よく
行われなかった場合でも、十分に広いギャップを確実に
形成できる。さらに、このような部分(前記基部の側端
面)では、半田成分が金電極膜に拡散してウイスカーが
発生し、それが原因でショートする可能性がある。この
ようなショートが発生する可能性のある箇所には最初か
らレジストを塗布しないでおけば、金属膜を確実にエッ
チング除去できるので、ウイスカーに起因するショート
もなくすことができる。
【0035】本発明において、前記マスク形成工程で
は、前記金属膜の表面へのレジストの塗布に先立って、
当該金属膜表面にチオールを付着させ、しかる後に、前
記レジストの塗布を行なうことが好ましい。このように
前記金属膜の表面にチオールを付着させるにあたって
は、たとえば、チオールを溶解した処理液を前記金属膜
の表面に接触させればよい。ここでいうチオールとは、
R−SH(但し、Rはアルキル基などの有機基であり、
好ましくは炭素数が3以上のアルキル基である。さら
に、フォトレジスト成分と化学吸着や結合を行なう官能
機能を有する有機基であってもよい。)であり、前記金
属膜の表面にチオールを溶解した処理液を接触させる
と、この金属膜表面にチオールが定着し、金属膜表面へ
のレジストの密着性が向上する。その理由としては、チ
オールは、金属膜表面にチオール基を電極膜の方に向
け、レジストとの親和性が高い有機基を外側に向けてい
るためと考えられる。このようにして金属膜表面へのレ
ジストの密着性が向上した結果、金属膜からのレジスト
の剥離や、金属膜とレジストとの間へのエッチング液の
しみ込みなどに起因するエッチング(パターニング)の
不具合が発生しない。
【0036】また、前記マスク形成工程では、チオール
を配合したレジスト液をインクジェットヘッドから吐出
して前記金属膜の表面にレジストを塗布してもよい。こ
のように構成した場合も、金属膜表面へのレジストの密
着性が向上する。
【0037】本発明に係る圧電素子の製造方法におい
て、レジストマスクを形成するのに用いるレジスト塗布
装置としては、複数のレジスト吐出ノズルがライン状に
並ぶインクジェットヘッドと、前記レジスト吐出ノズル
からレジスト液が吐出、塗布される圧電素子片を前記イ
ンクジェットヘッドに対して前記レジスト吐出ノズルが
ライン状に並ぶ方向と交差する方向に相対移動させる搬
送機構とを有するものを用いることができる。
【0038】本発明に係るレジスト塗布装置において、
前記インクジェットヘッドは、レジスト液の吐出方向が
圧電素子片の塗布面に対して垂直な方向から当該圧電素
子片の一方の側端面の側に斜めに傾いているが好まし
い。
【0039】本発明に係るレジスト塗布装置において、
前記インクジェットヘッドおよび前記圧電素子片のうち
の一方の姿勢を切り換えることにより、レジスト液の吐
出方向を、圧電素子片の塗布面に対して垂直な方向から
当該圧電素子片の一方の側端面の側に斜めに傾いた第1
の吐出方向と、一方の側端面とは反対側の側端面の側に
斜めに傾けた第2の吐出方向との間で切り換える吐出方
向切り換え機構とを有することが好ましい。この吐出方
向切り換え機構は、たとえば、レジスト吐出ノズルがラ
イン状に並ぶ方向と平行な軸線回りに前記インクジェッ
トヘッドの方を揺動させることにより、レジスト液の吐
出方向を前記第1の吐出方向と前記第2の吐出方向との
間で切り換える。
【0040】本発明に係るレジスト塗布装置において、
前記搬送機構は、前記圧電素子片の上面側および下面側
を開放状態にして当該圧電素子片を支持可能な支持具
と、該支持具を上下に反転させる反転機構とを備えてい
ることが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の好適な実施の形態を説明する。なお、本発明に係る圧
電素子、およびその製造方法は、基本的な部分が従来の
ものと共通するので、共通する機能を有する部分には同
一の符号を付して説明する。
【0042】〔実施の形態1〕図1は、圧電素子の全体
構成を示す斜視図である。図2(A)は、本発明を適用
した圧電素子において、電極膜を形成した圧電素子片を
一方の側端の側からみた斜視図、(B)は、他方の側端
の側からみた斜視図、(C)は基部の方からみた側面図
である。
【0043】(圧電素子の全体構造)図1に示すよう
に、音叉型の水晶振動子1は、基部21から第1および
第2の腕部22、23が同一方向に並列して延びる音叉
型の平面形状を有する薄板状の水晶片からなる圧電素子
片2と、この圧電素子片2の基部21に対して2本の内
部端子31がそれぞれ接続されたプラグ30と、圧電素
子片2を収納したケース35とから構成され、このケー
ス35とプラグ30とによって内部が気密状態に保たれ
ている。
【0044】図2(A)、(B)に示すように、圧電素
子片2の表面には、上面および下面のそれぞれに所定の
ギャップ10を隔てて2つの電極膜41、42が分割形
成され、これらの電極膜41、42の各々にプラグ30
の外部端子33(図1参照)から交流電圧を印加するこ
とによって腕部22、23が所定の周波数で振動する。
【0045】電極膜41、42はクロム膜からなる下地
金属層と金電極層との2層構造になっている。また、腕
部22、23では各電極膜41、42間のギャップ10
が極めて狭いため、電極膜41、42間で短絡が発生す
るおそれがあるので、電極膜41、42の表面に表面保
護膜(図示せず。)を形成してある。
【0046】圧電素子片2では、上面と下面との間で各
電極膜41、42同士を接続するために各側端面にも電
極膜41、42が形成されている。但し、側端面におい
ても所定の箇所では、電極膜41、42の間を絶縁分離
する必要があるので、たとえば、腕部22、23のつけ
根部分に挟まれた又部24の内側の側端面にはかなり幅
広のギャップ11が形成されている。
【0047】また、図2(C)に示すように、圧電素子
片2の基部21には、各内部端子31を半田50によっ
てそれぞれ電極膜41、42に接続するマウント部5
1、52が形成され、この基部21の側端面210に
は、電極膜41、42のいずれも形成されておらず、側
端面210全体がギャップ12として機能している。
【0048】(圧電素子の製造方法の概略)このような
構成の圧電素子1の製造方法を、図3を参照して説明す
る。ここで説明する製造プロセスは、半導体プロセスと
共通する部分があるが、半導体プロセスと違って、水晶
振動子の場合には、圧電素子片という立体的な部材に対
して各プロセスを行う必要があり、かつ、ウエーハの両
面に同一パターンを形成していくという特殊事情があ
る。なお、図3には、圧電素子2の2本の腕部22、2
3に相当する部分の断面を表してある。
【0049】まず、図3(A)に示すように切り出した
水晶のウエーハWに研磨加工、洗浄を行った後、図3
(B)に示すように、クロム層Crおよび金層Auをそ
れぞれスパッタ法により形成する。
【0050】次に、フォトレジストRを金層Auの表面
に塗布した後、フォトレジストRを音叉形状のパターン
に露光、現像し、図3(C)に示すように、音叉外形の
レジストマスクMを形成する。次に、レジストマスクM
を介して金層Auおよびクロム層Crにエッチングを行
い、図3(D)に示すように、金層Auおよびクロム層
Crを音叉形状に残す。次に、金層Auおよびクロム層
Crをマスクとして水晶のウエーハWにエッチングを行
い、図3(E)に示すように、水晶を音叉形状に成形す
る。この水晶片が圧電素子片2である。
【0051】次に、圧電素子片2上のレジストマスク
M、金層Auおよびクロム層Crを全て除去し、図3
(F)に示すように、改めて、電極膜41、42を形成
するためのクロム層Crおよび金層Auをスパッタ法に
より形成する(金属膜形成工程)。なお、図示を省略す
るが、後述する周波数調整のための錘部分を圧電素子片
2の腕部22、23先端側に金膜として形成しておく。
【0052】次に、後述するインクジェット法により、
金層Auの表面にフォトレジストRを塗布した後、図3
(G)に示すように、フォトレジストRを各電極膜4
1、42のパターン形状に露光、現像し、各電極膜4
1、42の外形をしたレジストマスクMを形成する(マ
スク形成工程)。
【0053】しかる後に、図3(H)に示すように、レ
ジストマスクMを介して金層Auおよびクロム層Crに
エッチングを行い、金層Auおよびクロム層Crを電極
膜41、42のパターン形状に残す。このようにしてク
ロム膜からなる下地金属層と金電極層とからなる電極膜
41、42を形成する(パターニング工程)。そして、
レジストマスクMを除去する。
【0054】次に、表面保護膜の形成工程を行う(図3
(I))。
【0055】このようにして電極膜41、42を形成し
た圧電素子片2については、図4に示すように、マウン
ト工程として、その基部21にプラグ30の内部端子3
1をはんだ接続する(図1、および図2(A)、
(B)、(C)参照)。
【0056】次に、この段階での圧電素子片2の周波数
調整を圧電素子片2の腕部22、23先端に形成してあ
る錘部分へのレーザトリミングにより行った後、真空チ
ャンバー内でケース35へプラグ30を圧入し、圧電素
子1を製造する。
【0057】しかる後には、圧電素子1の特性検査を行
う。
【0058】(マスク形成工程の詳細説明)このような
圧電素子1の製造工程のうち、図3(F)、(G)を参
照して説明したマスク形成工程では、図5(A)におい
て、圧電素子片2に対するレジストRの塗布領域を右上
がりの斜線および左上がりの斜線の双方を付した領域と
して示すように、圧電素子片2の上面および下面の全て
にフォトレジストRを塗布する。また、圧電素子片2の
側端面にもフォトレジストRを塗布するが、腕部22、
23のつけ根部分に挟まれた又部24の内側にはフォト
レジストRを塗布しない。また、図5(B)に示すよう
に、基部21の側端面210にもフォトレジストRを塗
布しない。
【0059】このようにフォトレジストRを選択的に形
成した後、フォトレジストRに対する露光、現像を行な
うことによって、図6(A)、(B)において、フォト
レジストRのマスクとしての形成領域を右上がりの斜線
および左上がりの斜線の双方を付した領域として示すよ
うに、ギャップ10とすべき部分が窓開けされ、各電極
膜41、42の外形をしたレジストマスクMを形成す
る。
【0060】ここで、レジストマスクMの腕部22、2
3のつけ根部分に挟まれた又部24の内側、および基部
21の側端面210は、最初からフォトレジストRを塗
布しなかった部分(レジストの非形成領域)である。従
って、このレジストマスクMを介して金属膜(金層Cu
およびクロム層Cr)にエッチングを行なえば、図2を
参照して説明した電極パターンを有する圧電素子片2を
安定した品質で製造できる。すなわち、腕部22、23
のつけ根部分に挟まれた又部24の側端面、および基部
21の側端面210は、圧電素子1が完成した際には電
極膜41、42同士を絶縁するギャップ11、12とな
るべき部分で、しかも、側端面であるが故に斜め露光を
行なっても、露光が精度よく行われない可能のある部分
である。しかるに本形態では、このような部分には最初
からフォトレジストRを塗布しないので、この部分に形
成されている金属膜(金層Auおよびクロム層Cr)を
確実にエッチング除去できる。それ故、腕部22、23
のつけ根部分に挟まれた又部24の側端面に金属膜が残
ることがなく、そこでのショートの発生を確実に防止で
きる。また、基部21の側端面210には電極膜41、
42がなく、側端面210全体がギャップ12として機
能するので、端子31の半田接続時に側端面210に半
田がはみ出しても、そこでショートが発生することがな
い。
【0061】(レジスト塗布方法1)このようなマスク
形成工程を行う際には、図7(A)に示すように、圧電
素子片2は1枚のウエーハWに音叉形状をもって多数形
成された状態にあり、ウエーハWのまま処理される。ま
た、ウエーハWに形成された多数の圧電素子片2の各々
にフォトレジストRを塗布するには、インクジェットプ
リンタなどに採用されているインクジェット法を用い
る。
【0062】このインクジェット法に用いるレジスト塗
布装置100には、複数のレジスト吐出ノズル101が
ライン状に並ぶインクジェットヘッド110と、レジス
ト吐出ノズル101からレジスト液が吐出、塗布される
ウエーハW(圧電素子片2)をインクジェットヘッド1
10に対してレジスト吐出ノズル101がライン状に並
ぶ方向(矢印Bで示す方向)と交差する方向に相対移動
させる搬送機構(矢印Aで示す方向)とを有している。
このような搬送機構は、ローラコンベアなどを用いて構
成できるなど、従来からある機構を利用できるので、そ
の説明を省略する。インクジェットヘッド110には、
レジスト液を貯留しておくタンク102が内蔵されてい
る。このタンク102に貯留されているレジスト液は、
フォトレジストを構成する樹脂成分と、それを希釈して
粘度を下げる溶剤とから成る。
【0063】また、インクジェットヘッド110には、
レジスト吐出ノズル101がライン状に並ぶ方向に沿っ
て延びる回転軸103が構成され、この回転軸103回
り(レジスト吐出ノズル101がライン状に並ぶ方向に
平行な軸線回り)にインクジェットヘッド110を揺動
させる吐出方向切り換え機構(矢印Eで示す。)が構成
されている。このような切り換え機構は、従来からある
機構を利用できるので、その説明を省略する。従って、
インクジェットヘッド110は、レジスト液の吐出方向
が圧電素子片2の塗布面に対して垂直となる基本姿勢
(図7(A)に示す姿勢)、この基本姿勢から圧電素子
片2の一方の側端面201の側に斜めに傾いた姿勢、お
よび基本姿勢から圧電素子片2の一方の側端面202の
側に斜めに傾いた姿勢のいずれの姿勢でもレジスト液の
吐出が可能である。
【0064】なお、インクジェットヘッド110の構成
は、インクジェットプリンタなどで使用されているもの
と基本的な構造が同一なので、その詳細な説明を省略す
るが、図7(B)、(C)に示すように、各レジスト吐
出ノズル101毎にノズル孔111、このノズル孔11
1に連通するインク室112、およびこのインク室11
2に隔壁113を介して隣接するピエゾ素子114を有
している。従って、ピエゾ素子114を所定の駆動パル
スによって駆動すれば、インク室112が収縮、膨張
し、その内容積の変化に連動して、レジスト液がノズル
孔111から液滴として吐出される。なお、インク室1
12にはタンク102からのレジスト液供給通路115
が接続している。
【0065】図8に示すように、レジスト塗布装置10
0に用いた搬送機構では、ウエーハW(圧電素子片2)
の上面側および下面側(圧電素子片の上面側および下面
側)を開放状態にしてウエーハWを上下から挟持する一
対のフレーム81、82からなる支持具80と、支持具
80を上下に反転させる反転機構(矢印Dで示す。)と
を備えている。このような反転機構も、従来からある機
構を利用できるので、その説明を省略する。
【0066】このように構成したレジスト塗布装置10
0を用いて、ウエーハW(圧電素子片2)にフォトレジ
ストRを塗布する際には、まず、図9(A)に示すよう
に、レジスト液の吐出方向を、圧電素子片2の塗布面に
対して垂直となる基本状態(図7(A)に示す状態)か
ら圧電素子片2の一方の側端面201の側に角度θ分だ
け斜めに傾いた方向(第1の吐出方向)にしておく。こ
の状態で、インクジェットヘッド110の下方位置でウ
エーハW(圧電素子片2)を矢印A1で示す方向に搬送
し、図9(B)に示すように、圧電素子片2の上面20
3および一方の側端面201にフォトレジストRを塗布
していく。次に、図9(A)に示す軸線L1回りに支持
具80およびウエーハWを上下に反転させると、図10
(A)に示すように、レジスト液の吐出方向は圧電素子
片2の塗布面に対して垂直な方向から圧電素子片2の他
方の側端面202の側に角度θ分だけ斜めに傾いた状態
となる。従って、この状態のまま、インクジェットヘッ
ド110の下方位置でウエーハW(圧電素子片2)を矢
印A2で示す方向に搬送していくと、図10(B)に示
すように、圧電素子片2の下面204および他方の側端
面202にフォトレジストRを塗布することができる。
【0067】その結果、図5(A)に示すように、圧電
素子片2の上面203、下面204および側端面20
1、202にフォトレジストRが塗布される。ここで、
インクジェットヘッド110は、レジスト吐出ノズル1
11毎にレジスト液の吐出を制御できる。そこで、イン
クジェットヘッド110の下方位置を圧電素子片2の基
部21の側端面210、および又部24の内側の側端面
が通る際には、これらの側端面に対峙するレジスト吐出
ノズル111からのレジスト液の吐出を停止させるだけ
で、図5(A)、(B)に示すように、圧電素子片2の
又部24の内側、および基部21の側端面210を避け
て、その他の領域にフォトレジストRを塗布することが
できる。
【0068】(レジスト塗布方法2)図7を参照して説
明したレジスト塗布装置100には、インクジェットヘ
ッド110の方を揺動させることによりレジスト液の吐
出方向を、圧電素子片2の塗布面に対して垂直な方向か
ら圧電素子片2の一方の側端面201の側に斜めに傾い
た第1の吐出方向と、一方の側端面201とは反対側の
側端面202の側に斜めに傾けた第2の吐出方向との間
で切り換え可能な吐出方向切り換え機構(矢印Eで示
す。)が構成されている。そこで、以下に説明するよう
に、圧電素子片2にフォトレジストRを塗布する過程で
フォトレジストRの吐出方向を前記第1の吐出方向と前
記第2の吐出方向との間で切り換えてもよい。
【0069】ここに説明するマスク形成工程(図3
(F)、(G)参照)では、まず、図11(A)に示す
ように、レジスト液の吐出方向を、圧電素子片2の塗布
面に対して垂直となる基本状態(図7(A)に示す状
態)から圧電素子片2の一方の側端面201の側に角度
θ分だけ斜めに傾いた方向(第1の吐出方向)にしてお
く。この状態で、インクジェットヘッド110の下方位
置でウエーハW(圧電素子片2)を矢印A1で示す方向
に搬送し、図11(B)に示すように、圧電素子片2の
上面203および一方の側端面201にフォトレジスト
Rを塗布していく。次に、図11(A)に示す軸線L2
回りに支持具80およびウエーハWを上下に反転させる
と、レジスト液の吐出方向は圧電素子片2の塗布面に対
して垂直となる基本姿勢(図7(A)に示す姿勢)から
圧電素子片2の一方の側端面201の側に角度θ分だけ
斜めに傾いた姿勢のままである。そこで、図12(A)
に示すように、レジスト液の吐出方向を圧電素子片2の
塗布面に対して垂直な方向から圧電素子片2の他方の側
端面202の側に角度θ分だけ斜めに傾いた状態とする
(第2の吐出方向)。この状態で、インクジェットヘッ
ド110の下方位置でウエーハW(圧電素子片2)を矢
印A2で示す方向に搬送していくと、図12(B)に示
すように、圧電素子片2の下面204および他方の側端
面202にフォトレジストRを塗布していくことができ
る。
【0070】ここに示す例でも、インクジェットヘッド
110の下方位置を圧電素子片2の基部21の側端面2
10、および又部24の内側の側端面が通る際には、こ
れらの側端面に対峙するレジスト吐出ノズル111から
のレジスト液の吐出を停止させるだけで、図5(A)、
(B)に示すように、圧電素子片2の又部24の内側、
および基部21の側端面210を避けて、その他の領域
にフォトレジストRを塗布することができる。
【0071】(レジスト塗布方法3)図7を参照して説
明したレジスト塗布装置100には、インクジェットヘ
ッド110の方を揺動させることによりレジスト液の吐
出方向を、圧電素子片2の塗布面に対して垂直な方向か
ら圧電素子片2の一方の側端面201の側に斜めに傾い
た第1の吐出方向と、一方の側端面201とは反対側の
側端面202の側に斜めに傾けた第2の吐出方向との間
で切り換える吐出方向切り換え機構(矢印Eで示す。)
が形成されているのを利用して、以下に説明するよう
に、圧電素子片2にフォトレジストRを塗布する過程で
フォトレジストRの吐出方向を前記第1の吐出方向と前
記第2の吐出方向との間で切り換えてもよい。
【0072】ここに説明するレジストマスク形成工程
(図3(F)、(G)参照)では、まず、図13(A)
に示すように、レジスト液の吐出方向を、圧電素子片2
の塗布面に対して垂直となる基本状態(図7(A)に示
す状態)から圧電素子片2の一方の側端面201の側に
角度θ分だけ斜めに傾いた方向(第1の吐出方向)にし
ておく。この状態で、インクジェットヘッド110の下
方位置でウエーハW(圧電素子片2)を矢印A1で示す
方向に搬送し、図13(B)に示すように、圧電素子片
2の上面203および一方の側端面201にフォトレジ
ストRを塗布する。次に、図14(A)に示すように、
インクジェットヘッド110の下方位置でウエーハW
(圧電素子片2)を矢印A2で示す方向に搬送し、圧電
素子片2の上面203にフォトレジストRを再度、塗布
する。この際に、そのままでは、レジスト液の吐出方向
は、圧電素子片2の一方の側端面201の側に角度θ分
だけ斜めに傾いたままであるので、図14(A)に示す
ように、レジスト液の吐出方向を圧電素子片2の塗布面
に対して垂直な方向から圧電素子片2の他方の側端面2
02の側に角度θ分だけ斜めに傾いた方向(第2の吐出
方向)に切り換える。この状態で、インクジェットヘッ
ド110の下方位置でウエーハW(圧電素子片2)を矢
印A2で示す方向に搬送し、図14(B)に示すよう
に、圧電素子片2の上面203にフォトレジストRを再
度、塗布するとともに、圧電素子片2の他方の側端面2
02にもフォトレジストRを塗布する。すなわち、圧電
素子片2の同一の塗布面に対して、フォトレジストRを
2方向から塗布する。
【0073】このようにして、圧電素子片2の上面20
3および側端面201、202にフォトレジストRを塗
布した後は、支持具80を上下に反転させる。ここで、
圧電素子片2の側端面201、202にはフォトレジス
トRがすでに塗布されているので、レジスト液の吐出方
向を圧電素子片2の塗布面に対して垂直な方向(図7
(A)に示す状態)に戻して、圧電素子片2の下面20
4にフォトレジストRを塗布する。その結果、図5
(A)に示すように、圧電素子片2の上面203、下面
204および側端面201、202にフォトレジストR
が塗布される。
【0074】ここに示す例でも、インクジェットヘッド
110の下方位置を圧電素子片2の基部21の側端面2
10、および又部24の内側の側端面が通る際には、こ
れらの側端面に対峙するレジスト吐出ノズル111から
のレジスト液の吐出を停止させるだけで、図5(A)、
(B)に示すように、圧電素子片2の又部24の内側、
および基部21の側端面210を避けて、その他の領域
にフォトレジストRを塗布することができる。
【0075】(本形態の効果)以上のとおり、本形態で
は、電極膜41、42を形成するための金属膜(金層A
uおよびクロム層Cr)を形成した後に圧電素子片2に
フォトレジストRを塗布するのに、インクジェットヘッ
ド110からレジスト液を吐出するインクジェット法を
採用したので、吐出されるレジストの液滴のサイズが均
一で、かつ、そのサイズの制御も可能である。従って、
フォトレジストRを均一な厚さに塗布できる。また、ス
プレー方式と違って、インクジェット法ではレジストの
液滴にエネルギーを与えることによりインクジェットヘ
ッド110からレジスト液のみを吐出し、空気の吐出が
ない。従って、液滴間で溶剤の揮散速度が等しいので、
レジスト液の液滴はいずれも適度な流動性をもって圧電
素子片2の表面に到達し、フォトレジストRは平滑に塗
布される。また、インクジェット法では、スプレー方式
と違って空気流の影響がないので、圧電素子片2の側端
面などにおいて特定の部分にフォトレジストRの液滴が
集中してその部分が異常に厚く塗布されることもない。
それ故、現像後にギャップ10の部分などといったレジ
ストが除去されるべき部分にレジストが残ってしまい、
電極膜41、42が余分な領域に残ってショートすると
いう不具合が発生しない。また、現像後にレジストが残
されるべき部分でレジストが除去されてしまい、金属膜
が過度にエッチング除去されて電極膜41、42が狭く
なり、CI値が増大するという不具合が発生しない。
【0076】また、圧電素子片2へのレジスト液の搬送
に空気流を用いないので、レジスト中に異物を巻き込む
こともない。
【0077】さらに、スプレー方式では圧電素子片2に
大きな空気圧が作用するため、トレーなどの支持具は、
圧電素子片2の下面側を支える必要があったが、インク
ジェット法ではこのような圧力が圧電素子片2に加わら
ない。従って、図8に示すように、圧電素子片2の下面
側を支持具80で支える必要がないので、支持具80と
しては、圧電素子片2の上面側および下面側を開放状態
にして圧電素子片2を支持する構造のものを用いること
ができ、このような支持具80であれば、圧電素子片2
の上面203へのフォトレジストRの塗布が終了した
後、圧電素子片2を上下に引っくり返して別の支持具8
0上に移載するという手間のかかる作業が必要ない。よ
って、圧電素子1の生産性が向上するという利点があ
る。
【0078】また、圧電素子片2の上面203または下
面204に対して垂直な方向からレジスト液を塗布する
と、圧電素子片2の側端面201、202にはフォトレ
ジストRが薄く塗布される傾向にある。しかるに、本形
態では、圧電素子片2の上面203または下面204に
対して斜め方向からレジスト液を吐出するので、圧電素
子片2の側端面にも上面203や下面204と同様な均
一性をもってフォトレジストRを塗布できる。
【0079】〔実施の形態2〕実施の形態1では、図3
(F)、(G)を参照して説明したように、電極膜形成
用の金属膜を形成するための金属膜形成工程と、この金
属膜から電極膜をパターニング形成するためのレジスト
マスクMを形成するマスク形成工程とを連続して行った
が、図3(F)で示す工程での金属膜の表面へのフォト
レジストRの塗布に先立って、金属膜表面にチオールを
付着させ、しかる後に、金属膜の表面へのフォトレジス
トRの塗布を行なうことが好ましい。
【0080】このように金属膜の表面にチオールを付着
させるにあたっては、チオールをアルコールやケトンな
どの溶剤で溶かした処理液に、電極膜形成用の金属膜
(金層Auおよびクロム層Cr)を形成し終えた圧電素
子片2を浸漬し、しかる後に、処理液に用いた溶剤と同
一の溶剤で軽く濯いで、圧電素子片2の表面から余剰な
処理液を除去する。ここでいうチオールとは、R−SH
(但し、Rはアルキル基などの有機基であり、好ましく
は炭素数が3以上のアルキル基である。さらに、フォト
レジスト成分と化学吸着や結合を行なう官能機能を有す
る有機基であってもよい。)であり、金属膜の表面にチ
オールを溶解した処理液を接触させると、この金属膜表
面にチオールが定着し、金属膜表面へのフォトレジスト
Rの密着性が向上する。
【0081】その理由としては、図15に示すように、
圧電素子片2の表面に定着したチオールは、金属膜表面
の方にチオール基を向けて金(電極膜形成用の金属膜)
−チオールの錯体などを形成している一方、フォトレジ
ストRとの親和性が高い有機基を外側に向けているの
で、フォトレジストRの有機鎖とチオールの有機鎖とが
絡まって、あるいはフォトレジストRの成分とチオール
の有機鎖との化学吸着や結合が生じ、チオールは金属膜
表面とフォトレジストRとの親和性を高めていると考え
られる。従って、チオールとしては、R−SHで表した
ときのRが、炭素数が3以上のアルキル基であることが
好ましく、直鎖が長いほどフォトレジストRとの親和性
が高い。また、チオールの有機基としては、フォトレジ
スト成分と化学吸着や結合を行なう官能機能を有する有
機基であっても、フォトレジストRとの親和性が高い。
【0082】なお、電極膜形成用の金属膜としては金層
Auを用いた場合に限らず、銀層Agなどを用いた場合
でも、チオールは、金属膜にチオール基を向けて銀(電
極膜形成用の金属膜)−チオールの錯体などを形成する
ので、金属膜表面とフォトレジストRとの親和性を高め
ると考えられる。
【0083】このようにして金属膜表面へのレジストの
密着性を高めると、金属膜からのレジストマスクMの剥
離や、金属膜とレジストマスクMとの間へのエッチング
液のしみ込みなどに起因するエッチング(パターニン
グ)不良が発生しない。
【0084】〔実施の形態3〕実施の形態1と同様、電
極膜形成用の金属膜を形成するための金属膜形成工程
と、この金属膜から電極膜をパターニング形成するため
のレジストマスクMを形成するマスク形成工程とを連続
して行ないながら、実施の形態2と同様な効果を得る方
法として、本形態では、マスク形成工程において、チオ
ールを1%程度配合したレジスト液をインクジェットヘ
ッド110から吐出して金属膜の表面にフォトレジスト
Rを塗布する。このように構成した場合も、実施の形態
2と同様、圧電素子片2の表面に定着したチオールは、
金属膜表面へのレジストの密着性を高める。従って、金
属膜からのレジストマスクMの剥離や、金属膜とレジス
トマスクMとの間へのエッチング液のしみ込みなどに起
因するエッチング(パターニング)不良が発生しない。
【0085】[その他の形態]なお、図11、図12、
図13、図14を参照して説明したように、レジスト液
の吐出方向を、圧電素子片2の塗布面に対して斜めに傾
かせる手段として、上記形態では、インクジェットヘッ
ド110の方を揺動させたが、ウエーハWの方を斜めに
傾かせてもよい。
【0086】また、上記形態では、圧電素子片2の全面
にフォトレジストRを均一な厚さに塗布したが、インク
ジェットヘッド110は、レジスト吐出ノズル111毎
にレジスト液の吐出を制御できることから、たとえば、
圧電素子片2の上面203および下面204にはフォト
レジストRをやや薄めに塗布し、側端面にはフォトレジ
ストRをやや厚めに塗布するなど、それぞれの塗布面に
最適な厚さにフォトレジストRを塗布してもよい。
【0087】さらに、インクジェットヘッド110とし
ては、ピエゾ素子を用いたものの他、静電力を用いたタ
イプのものでもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧電
素子の製造方法では、電極膜形成用の金属膜の表面にレ
ジストを塗布するのにインクジェット法を採用している
ので、レジストを均一な厚さに塗布できる。また、イン
クジェット法では、スプレー法と違って、空気流の影響
がないので、特定の部分にレジストの液滴が集中してそ
の部分が異常に厚く塗布されることもない。それ故、現
像後にギャップの部分にレジストが残ってしまい、電極
膜がショートするという不具合や、現像後に電極膜の部
分でレジストが除去されてしまい、圧電素子のCI値が
増大するという不具合が発生しない。また、圧電素子片
へのレジスト液の搬送に空気流を用いないので、レジス
ト中に異物を巻き込むこともない。また、インクジェッ
ト法では大きな圧力が圧電素子片に加わらないので、圧
電素子片の下面側を支持具で支える必要がない。従っ
て、支持具としては、圧電素子片の上面側および下面側
を開放状態にして圧電素子片を支持する構造のものを用
いることができ、このような支持具であれば、同一の支
持具上で圧電素子片の両面にレジストの塗布を行なえる
ので、圧電素子片の両面にレジストを塗布する際に途中
で圧電素子片を上下に引っくり返して別の支持具上に移
載するという手間のかかる作業が必要ない。それ故、圧
電素子の生産性が向上するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電素子の全体構成を示す斜視図である。
【図2】(A)は、本発明を適用した圧電素子におい
て、電極膜を形成した圧電素子片を一方の側端の方から
みた斜視図、(B)は他方の側端の方からみた斜視図、
(C)は基部の方からみた側面図である。
【図3】圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電
極膜などを形成するまでの工程図である。
【図4】圧電素子の製造方法において、圧電素子片に電
極膜などを形成した以降の工程図である。
【図5】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造方
法において、圧電素子片にフォトレジストを塗布した状
態を示す斜視図、(B)は、フォトレジストを塗布した
圧電素子片を基部の方からみた側面図である。
【図6】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造方
法において、図5に示すレジストに露光、現像を施して
レジストマスクを形成した圧電素子片の斜視図、(B)
は、レジストマスクを形成した圧電素子片を基部の方か
らみた側面図である。
【図7】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造方
法において、レジスト塗布装置を用いて圧電素子片にレ
ジストを塗布する様子を示す斜視図、(B)は、レジス
ト塗布装置のインクジェットヘッドの内部構造を示す説
明図、(C)は、インクジェットヘッドにおいてレジス
ト吐出ノズルが複数並んでいる様子を示す説明図であ
る。
【図8】本発明を適用したレジスト塗布装置において、
ウエーハ(圧電素子片)を支持、搬送するのに用いた支
持具の説明図である。
【図9】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造方
法において、レジスト塗布装置を用いて圧電素子片の上
面にレジストを塗布する方法を示す斜視図、(B)は、
そのレジスト塗布結果を示す説明図である。
【図10】(A)は、図9に示す圧電素子片の上面への
レジスト塗布を終えて、圧電素子片の下面にレジストを
塗布する方法を示す斜視図、(B)は、そのレジスト塗
布結果を示す説明図である。
【図11】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造
方法において、レジスト塗布装置を用いて圧電素子片の
上面にレジストを塗布する別の方法を示す斜視図、
(B)は、そのレジスト塗布結果を示す説明図である。
【図12】(A)は、図11に示す圧電素子片の上面へ
のレジスト塗布を終えて、圧電素子片の下面にレジスト
を塗布する別の方法を示す斜視図、(B)は、そのレジ
スト塗布結果を示す説明図である。
【図13】(A)は、本発明を適用した圧電素子の製造
方法において、レジスト塗布装置を用いて圧電素子片の
上面にレジストを塗布するさらに別の方法を示す斜視
図、(B)は、そのレジスト塗布結果を示す説明図であ
る。
【図14】(A)は、図13に示す圧電素子片の上面へ
のレジスト塗布を終えて、圧電素子片の上面にレジスト
を再度、塗布する方法を示す斜視図、(B)は、そのレ
ジスト塗布結果を示す説明図である。
【図15】圧電素子の金属膜表面にチオールを定着させ
た後、その表面にレジストを塗布したときの作用を示す
概念図である。
【図16】(A)は、従来の圧電素子において、電極膜
を形成した圧電素子片を一方の側端の側からみた斜視
図、(B)は、他方の側端の側からみた斜視図、(C)
は基部の方からみた側面図である。
【図17】(A)は、従来の圧電素子の製造方法におい
て、圧電素子片にレジストを塗布した状態を示す斜視
図、(B)は、レジストを塗布した圧電素子片を基部の
方からみた側面図である。
【図18】(A)は、従来の圧電素子の製造方法におい
て、図17に示すレジストに露光、現像を施してレジス
トマスクを形成した圧電素子片の斜視図、(B)は、レ
ジストマスクを形成した圧電素子片を基部の方からみた
側面図である。
【図19】従来の圧電素子の製造方法において、レジス
ト塗布装置を用いて圧電素子片にレジストを塗布する様
子を示す斜視図である。
【図20】(A)は、従来のレジスト塗布装置のスプレ
ーノズルの送液部を示す説明図、(B)は、従来のレジ
スト塗布装置の送風部を示す説明図である。
【図21】従来のレジスト塗布装置において、ウエーハ
(圧電素子片)を支持、搬送するための支持具の説明図
である。
【符号の説明】
1 圧電素子(音叉型水晶振動子) 10、11、12 電極膜間のギャップ 21 圧電素子の基部 22、23 圧電素子の腕部 30 プラグ 31 プラグの内部端子 35 ケース 41、42 電極膜 80 支持具 81、82 ウエーハ支持用のフレーム 100 レジスト塗布装置 110 インクジェットヘッド M レジストマスク R フォトレジスト

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子片の表面に電極膜形成用の金属
    膜を形成する金属膜形成工程と、当該金属膜の表面にレ
    ジストマスクを形成するマスク形成工程と、当該レジス
    トマスクを用いて前記金属膜をパターニングし、前記圧
    電素子片の表面で所定のギャップを隔てるように分割さ
    れた2つ以上の電極膜を形成するパターニング工程とを
    有する圧電素子の製造方法において、 前記マスク形成工程では、インクジェットヘッドからレ
    ジスト液を吐出して前記金属膜の表面にレジストを塗布
    した後、該レジストに露光および現像を行なって前記レ
    ジストマスクを形成することを特徴とする圧電素子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧電素子片は、
    基部から2本の腕部が同一方向に並列して延びる音叉型
    の平面形状を有していることを特徴とする圧電素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記マスク形成工程
    では、前記圧電素子片の上面および下面のうち、一方の
    面にレジストを塗布する際には前記インクジェットヘッ
    ドからのレジスト液の吐出方向を当該一方の面に対して
    垂直な方向より前記圧電素子片の一方の側端面の側に斜
    めに傾いた方向に設定し、他方の面にレジストを塗布す
    る際には前記インクジェットヘッドからのレジスト液の
    吐出方向を当該他方の面に対して垂直な方向より前記一
    方の側端面とは反対側の側端面の側に斜めに傾いた方向
    に設定することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記マスク形成工程
    では、前記圧電素子片の上面または下面にレジストを塗
    布する際に、前記インクジェットヘッドからのレジスト
    液の吐出方向を前記圧電素子片の塗布面に対して垂直な
    方向より当該圧電素子片の一方の側端面の側に斜めに傾
    いた方向に設定し、この方向から当該塗布面にレジスト
    を塗布した後、前記インクジェットヘッドからのレジス
    ト液の吐出方向を前記塗布面に対して垂直な方向より前
    記一方の側端面とは反対側の側端面の側に斜めに傾いた
    方向に設定して同一の塗布面にレジストを2方向から塗
    布することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかにおいて、
    前記マスク形成工程では、前記圧電素子片の上面側およ
    び下面側を開放状態にして当該圧電素子片を支持可能な
    支持具を用いることにより、当該支持具で支持したま
    ま、前記圧電素子片の上面および下面へのレジストの塗
    布を行なうことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかにおいて、
    前記マスク形成工程では、前記金属膜の表面のうち、前
    記ギャップに相当する部分の少なくとも一部に対しては
    インクジェットヘッドからのレジスト液の吐出を停止す
    ることにより、当該部分についてはレジストの非形成領
    域にしておくことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記レジストの非形
    成領域は、前記圧電素子片のうち、前記腕部のつけ根部
    分に挟まれた又部内側の側端面であることを特徴とする
    圧電素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記レジストの非形
    成領域は、前記圧電素子片のうち、プラグの各リードが
    それぞれ接続される前記基部の側端面であることを特徴
    とする圧電素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記マスク形成工程では、前記金属膜の表面へのレジス
    トの塗布に先立って、当該金属膜表面にチオールを付着
    させ、しかる後に、前記レジストの塗布を行なうことを
    特徴とする圧電素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記金属膜の表面
    にチオールを付着させるにあたっては、チオールを溶解
    した処理液を前記金属膜の表面に接触させることを特徴
    とする圧電素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし8のいずれかにおい
    て、前記マスク形成工程では、チオールを配合したレジ
    スト液をインクジェットヘッドから吐出して前記金属膜
    の表面にレジストを塗布することを特徴とする圧電素子
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 レジストマスクを形成するのに用いる
    レジスト塗布装置であって、複数のレジスト吐出ノズル
    がライン状に並ぶインクジェットヘッドと、前記レジス
    ト吐出ノズルからレジスト液が吐出、塗布される圧電素
    子片を前記インクジェットヘッドに対して前記レジスト
    吐出ノズルがライン状に並ぶ方向と交差する方向に相対
    移動させる搬送機構とを有することを特徴とするレジス
    ト塗布装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記インクジェ
    ットヘッドは、レジスト液の吐出方向が圧電素子片の塗
    布面に対して垂直な方向から当該圧電素子片の一方の側
    端面の側に斜めに傾いていることを特徴とするレジスト
    塗布装置。
  14. 【請求項14】 請求項12において、さらに、前記イ
    ンクジェットヘッドおよび前記圧電素子片のうちの一方
    の姿勢を切り換えることにより、レジスト液の吐出方向
    を、圧電素子片の塗布面に対して垂直な方向から当該圧
    電素子片の一方の側端面の側に斜めに傾いた第1の吐出
    方向と、一方の側端面とは反対側の側端面の側に斜めに
    傾けた第2の吐出方向との間で切り換える吐出方向切り
    換え機構とを有することを特徴とするレジスト塗布装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記吐出方向切
    り換え機構は、レジスト吐出ノズルがライン状に並ぶ方
    向と平行な軸線回りに前記インクジェットヘッドの方を
    揺動させることによりレジスト液の吐出方向を前記第1
    の吐出方向と前記第2の吐出方向との間で切り換えるこ
    とを特徴とするレジスト塗布装置。
  16. 【請求項16】 請求項12ないし15のいずれかにお
    いて、前記搬送機構は、前記圧電素子片の上面側および
    下面側を開放状態にして当該圧電素子片を支持可能な支
    持具と、該支持具を上下に反転させる反転機構とを備え
    ていることを特徴とするレジスト塗布装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030073841A (ko) * 2002-03-13 2003-09-19 엘지이노텍 주식회사 박막용적 탄성공진기 필터의 전극 배치 구조
JP2007274610A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 水晶振動子及び水晶振動子パッケージ
JP2008098748A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 音叉型圧電振動子、圧電振動デバイス、及び圧電発振器
JP2010227817A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Seiko Epson Corp 塗膜形成方法および圧電素子の製造方法

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