JPH11176368A - 荷電粒子光学系 - Google Patents
荷電粒子光学系Info
- Publication number
- JPH11176368A JPH11176368A JP10249717A JP24971798A JPH11176368A JP H11176368 A JPH11176368 A JP H11176368A JP 10249717 A JP10249717 A JP 10249717A JP 24971798 A JP24971798 A JP 24971798A JP H11176368 A JPH11176368 A JP H11176368A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deflection
- charged particle
- image
- image point
- point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 title claims abstract description 40
- 239000002245 particle Substances 0.000 title claims abstract description 36
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 claims description 12
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 claims description 5
- 230000004075 alteration Effects 0.000 abstract description 63
- 230000010354 integration Effects 0.000 abstract description 6
- 230000004069 differentiation Effects 0.000 abstract 5
- 206010010071 Coma Diseases 0.000 description 17
- 201000009310 astigmatism Diseases 0.000 description 17
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 17
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 12
- 101100269850 Caenorhabditis elegans mask-1 gene Proteins 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 6
- 101000729843 Loxosceles cf. spinulosa (strain GJB-2008) Dermonecrotic toxin LcsSicTox-betaIC1 Proteins 0.000 description 2
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 1
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 1
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 荷電粒子線装置において、荷電粒子線の軌道
を大きく偏向した場合でも収差を小さく抑えることがで
きる荷電粒子光学系の提供。 【解決手段】 物点z0から荷電粒子源のクロスオーバ像
点zcoまでの物側領域および像点ziからクロスオーバ像
点zcoまでの像側領域の各々において、偏向軌道Wmの光
軸座標zに関する2階微分d2Wm(z)/dz2がほぼ一定とな
るように荷電粒子線の軌道Wmを偏向する偏向系を設け
た。
を大きく偏向した場合でも収差を小さく抑えることがで
きる荷電粒子光学系の提供。 【解決手段】 物点z0から荷電粒子源のクロスオーバ像
点zcoまでの物側領域および像点ziからクロスオーバ像
点zcoまでの像側領域の各々において、偏向軌道Wmの光
軸座標zに関する2階微分d2Wm(z)/dz2がほぼ一定とな
るように荷電粒子線の軌道Wmを偏向する偏向系を設け
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線装置の
荷電粒子光学系に関する。
荷電粒子光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、分割転写方式の電子線露光装置
の概略構成を示す模式図である。1はパターンが形成さ
れたレチクルやマスク(以下ではマスクと総称する)で
あり、不図示の電子銃から出射された電子線EBが照射
レンズ50で集束された後に偏向器51で偏向され、パ
ターンが形成されたマスク1の副視野の一つ(符号1a
で示す)に照射される。なお、CO1は電子銃のクロス
オーバ像が形成される位置を示しており、EB1,EB2
およびEB3はそれぞれ副視野1aに照射される矩形断
面形状の電子線EBの軸および軸外のビームを示してい
る。すなわち、EB1は副視野1aの中心部に照射され
る軸上ビームを、EB2は副視野1aの図示右端部に照
射される軸外ビームを、EB3は副視野1aの左端部に
照射される軸外ビームをそれぞれ示している。通常、図
のビームEB1の太い実線で示した線は、副視野1aに
照射される電子線の軌道と呼ばれる。マスク1の副視野
1aを通過した電子線EBは第1投影レンズ3および第
2投影レンズ4によりウエハ等の感応基板5上に結像さ
れ、副視野1aのパターンの像が感応基板5上に形成さ
れる。
の概略構成を示す模式図である。1はパターンが形成さ
れたレチクルやマスク(以下ではマスクと総称する)で
あり、不図示の電子銃から出射された電子線EBが照射
レンズ50で集束された後に偏向器51で偏向され、パ
ターンが形成されたマスク1の副視野の一つ(符号1a
で示す)に照射される。なお、CO1は電子銃のクロス
オーバ像が形成される位置を示しており、EB1,EB2
およびEB3はそれぞれ副視野1aに照射される矩形断
面形状の電子線EBの軸および軸外のビームを示してい
る。すなわち、EB1は副視野1aの中心部に照射され
る軸上ビームを、EB2は副視野1aの図示右端部に照
射される軸外ビームを、EB3は副視野1aの左端部に
照射される軸外ビームをそれぞれ示している。通常、図
のビームEB1の太い実線で示した線は、副視野1aに
照射される電子線の軌道と呼ばれる。マスク1の副視野
1aを通過した電子線EBは第1投影レンズ3および第
2投影レンズ4によりウエハ等の感応基板5上に結像さ
れ、副視野1aのパターンの像が感応基板5上に形成さ
れる。
【0003】図3の投影レンズ系はVAL(Variable A
xis Lens)によるレンズ系であり、31〜34がVAL
偏向器、35〜38がVAL焦点補正レンズを示してい
る。投影レンズ3,4により形成される軸上磁場分布を
B(Z)、偏向器51による電子線EBの偏向量、すなわ
ち光軸AXと副視野1aの中心との距離をaとしたと
き、VAL偏向器31〜34は
xis Lens)によるレンズ系であり、31〜34がVAL
偏向器、35〜38がVAL焦点補正レンズを示してい
る。投影レンズ3,4により形成される軸上磁場分布を
B(Z)、偏向器51による電子線EBの偏向量、すなわ
ち光軸AXと副視野1aの中心との距離をaとしたと
き、VAL偏向器31〜34は
【数3】 に比例した磁場が形成されるように励磁され、VAL焦
点補正レンズ35〜38は
点補正レンズ35〜38は
【数4】 に比例した磁場が形成されるように励磁される。このよ
うな磁場を励磁させることにより、投影レンズ3,4の
軸上磁場を平行移動した磁場が偏向軌道(光軸AXから
離れた電子線EBの軌道)上に形成される。その結果、
偏向軌道は等価的に投影レンズ3,4の軸上を通過する
ことになって投影レンズ3,4内での偏向収差は軸上収
差と同じになり、VAL偏向器31〜34およびVAL
焦点補正レンズ35〜38を設けなかった場合に比べて
レンズ収差が低減される。
うな磁場を励磁させることにより、投影レンズ3,4の
軸上磁場を平行移動した磁場が偏向軌道(光軸AXから
離れた電子線EBの軌道)上に形成される。その結果、
偏向軌道は等価的に投影レンズ3,4の軸上を通過する
ことになって投影レンズ3,4内での偏向収差は軸上収
差と同じになり、VAL偏向器31〜34およびVAL
焦点補正レンズ35〜38を設けなかった場合に比べて
レンズ収差が低減される。
【0004】図3に示した露光装置では、偏向器41に
より電子線EBを光軸AX方向へ偏向してマスク1と感
応基板5との間のクロスオーバ像点位置CO2に設けら
れたアパーチャ6を通過させるとともに、感応基板5に
照射される電子線EBが光軸AXと平行になるように偏
向器42により偏向している。
より電子線EBを光軸AX方向へ偏向してマスク1と感
応基板5との間のクロスオーバ像点位置CO2に設けら
れたアパーチャ6を通過させるとともに、感応基板5に
照射される電子線EBが光軸AXと平行になるように偏
向器42により偏向している。
【0005】例えば、上述したような分割転写方式露光
装置では、マスク1を載置したマスクステージ(不図
示)と感応基板5を載置したステージ(不図示)を互い
に逆方向(例えば、図3の紙面に直交する方向)に連続
移動させつつ、偏向器51で電子線EBを連続移動方向
と直交する方向に偏向して露光を行う。そして、このよ
うな連続移動を複数回行って、すなわち各ステージを複
数回折り返すことによってマスク1全体のパターンを感
応基板5上の所定の領域に露光する。このとき、一回の
連続移動でマスク1上のより広い領域(図3の左右方向
の領域)のパターンを露光することができれば各ステー
ジの折り返し回数が少なくなり、露光処理時間を短縮す
ることができる。
装置では、マスク1を載置したマスクステージ(不図
示)と感応基板5を載置したステージ(不図示)を互い
に逆方向(例えば、図3の紙面に直交する方向)に連続
移動させつつ、偏向器51で電子線EBを連続移動方向
と直交する方向に偏向して露光を行う。そして、このよ
うな連続移動を複数回行って、すなわち各ステージを複
数回折り返すことによってマスク1全体のパターンを感
応基板5上の所定の領域に露光する。このとき、一回の
連続移動でマスク1上のより広い領域(図3の左右方向
の領域)のパターンを露光することができれば各ステー
ジの折り返し回数が少なくなり、露光処理時間を短縮す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た露光装置では、VALにより投影レンズ3,4内では
偏向収差は小さいが、光軸AXから離れた位置の副視野
1aのパターンを投影露光する場合には偏向器41,4
2による偏向収差が大きくなる。この偏向収差は偏向器
41,42による偏向量に依存するため、スループット
向上のために偏向器51で電子線EBを大きく偏向する
と、偏向収差による像のボケが大きくなり必要な分解能
が得られないという問題があった。
た露光装置では、VALにより投影レンズ3,4内では
偏向収差は小さいが、光軸AXから離れた位置の副視野
1aのパターンを投影露光する場合には偏向器41,4
2による偏向収差が大きくなる。この偏向収差は偏向器
41,42による偏向量に依存するため、スループット
向上のために偏向器51で電子線EBを大きく偏向する
と、偏向収差による像のボケが大きくなり必要な分解能
が得られないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、荷電粒子線装置におい
て、荷電粒子線の軌道を大きく偏向した場合でも収差を
小さく抑えることができる荷電粒子光学系を提供するこ
とにある。
て、荷電粒子線の軌道を大きく偏向した場合でも収差を
小さく抑えることができる荷電粒子光学系を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図1および図2に対応付けて説明する。 (1)請求項1の発明は、荷電粒子線装置の荷電粒子光
学系に適用され、物点z0から荷電粒子源のクロスオーバ
像点zcoまでの物側領域および像点ziからクロスオーバ
像点zcoまでの像側領域の各々において、偏向軌道Wmの
光軸座標zに関する2階微分d2Wm/dz2がほぼ一定とな
るように荷電粒子線の軌道Wmを偏向する偏向系11〜1
6を備えることにより上述の目的を達成する。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の荷電粒子光
学系において、光軸Axをz軸としたときの物点,像点
およびクロスオーバ像点のz座標を順にz0,zi,zcoと
し、荷電粒子の電荷をe,荷電粒子の質量をm,物点で
の偏向量をwm0、荷電粒子の加速電圧をφ、荷電粒子光
学系の投影レンズ3,4による光軸上の軸上磁場分布を
B(z)、偏向倍率をM、kを任意の定数としたときに、
偏向系11〜16は物側領域において式(5)で表され
るx方向偏向場および式(6)で表されるy方向偏向場
を形成し、
図1および図2に対応付けて説明する。 (1)請求項1の発明は、荷電粒子線装置の荷電粒子光
学系に適用され、物点z0から荷電粒子源のクロスオーバ
像点zcoまでの物側領域および像点ziからクロスオーバ
像点zcoまでの像側領域の各々において、偏向軌道Wmの
光軸座標zに関する2階微分d2Wm/dz2がほぼ一定とな
るように荷電粒子線の軌道Wmを偏向する偏向系11〜1
6を備えることにより上述の目的を達成する。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載の荷電粒子光
学系において、光軸Axをz軸としたときの物点,像点
およびクロスオーバ像点のz座標を順にz0,zi,zcoと
し、荷電粒子の電荷をe,荷電粒子の質量をm,物点で
の偏向量をwm0、荷電粒子の加速電圧をφ、荷電粒子光
学系の投影レンズ3,4による光軸上の軸上磁場分布を
B(z)、偏向倍率をM、kを任意の定数としたときに、
偏向系11〜16は物側領域において式(5)で表され
るx方向偏向場および式(6)で表されるy方向偏向場
を形成し、
【数5】 像側領域において式(7)で表されるx方向偏向場およ
び式(8)で表されるy方向偏向場
び式(8)で表されるy方向偏向場
【数6】 を形成する。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1および2を参照して本
発明の実施の形態を説明する。荷電粒子線露光装置等に
用いられる荷電粒子線光学系には、偏向系を備えたもの
がある。偏向系を有する荷電粒子光学系では、光学系の
収差は偏向に無関係な収差と偏向による収差とに分けら
れる。偏向に無関係な収差としては、軸上収差(球面収
差,軸上色収差)や像の大きさ回転による収差(倍率回
転コマ収差,倍率回転非点収差,倍率回転像面湾曲収
差,倍率回転色収差および倍率回転歪み)がある。一
方、偏向による収差としては、偏向コマ収差,偏向非点
収差,ハイブリッド非点収差,偏向像面湾曲収差,ハイ
ブリッド像面湾曲収差,偏向色収差,偏向歪みおよびハ
イブリッド歪みがある。
発明の実施の形態を説明する。荷電粒子線露光装置等に
用いられる荷電粒子線光学系には、偏向系を備えたもの
がある。偏向系を有する荷電粒子光学系では、光学系の
収差は偏向に無関係な収差と偏向による収差とに分けら
れる。偏向に無関係な収差としては、軸上収差(球面収
差,軸上色収差)や像の大きさ回転による収差(倍率回
転コマ収差,倍率回転非点収差,倍率回転像面湾曲収
差,倍率回転色収差および倍率回転歪み)がある。一
方、偏向による収差としては、偏向コマ収差,偏向非点
収差,ハイブリッド非点収差,偏向像面湾曲収差,ハイ
ブリッド像面湾曲収差,偏向色収差,偏向歪みおよびハ
イブリッド歪みがある。
【0011】上述した偏向による収差の内で偏向色収
差,偏向歪みおよびハイブリッド歪みは、レンズ系に磁
気対称2重レンズ(Symmetric Magnetic Doublet,以下
ではSMDと記す)を用い、偏向系もSMD的な構成に
することによりほぼゼロとすることができる。また、偏
向非点収差および偏向像面湾曲収差については、焦点補
正レンズやスティグメータを用いた偏向幅による動的補
正を行うことにより、収差補正が可能なことが知られて
いる。しかし、残る3つの収差(偏向コマ収差,ハイブ
リッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲収差)につ
いては補正することができず、偏向軌道によって大きさ
が決まってしまうことが知られている。
差,偏向歪みおよびハイブリッド歪みは、レンズ系に磁
気対称2重レンズ(Symmetric Magnetic Doublet,以下
ではSMDと記す)を用い、偏向系もSMD的な構成に
することによりほぼゼロとすることができる。また、偏
向非点収差および偏向像面湾曲収差については、焦点補
正レンズやスティグメータを用いた偏向幅による動的補
正を行うことにより、収差補正が可能なことが知られて
いる。しかし、残る3つの収差(偏向コマ収差,ハイブ
リッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲収差)につ
いては補正することができず、偏向軌道によって大きさ
が決まってしまうことが知られている。
【0012】ところで、発明者は、偏向軌道と偏向コマ
収差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾
曲収差との間に以下のような関係があることを見出し
た。なお、以下では収差積分の内の偏向軌道に依存する
部分について考える。すなわち、(a)偏向コマ収差お
よびハイブリッド非点収差については、収差積分の被積
分関数が偏向軌道の2階微分のみに依存しており、一
方、(b)ハイブリッド像面湾曲収差については、上述
した被積分関数が偏向軌道の2階微分に依存する項に加
えて、物点および像点における偏向軌道の1階微分に比
例する項よりなる。偏向コマ収差Mcoma,ハイブリッド
非点収差Hasおよびハイブリッド像面湾曲収差Hfcを式で
表すと、式(9)〜(11)のようになる。なお、実際
には偏向コマおよびハイブリッド像面湾曲はそれぞれ2
種類あるが、どちらの場合も類似した式となるので、こ
こではそれぞれ1種類のみ示した。
収差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾
曲収差との間に以下のような関係があることを見出し
た。なお、以下では収差積分の内の偏向軌道に依存する
部分について考える。すなわち、(a)偏向コマ収差お
よびハイブリッド非点収差については、収差積分の被積
分関数が偏向軌道の2階微分のみに依存しており、一
方、(b)ハイブリッド像面湾曲収差については、上述
した被積分関数が偏向軌道の2階微分に依存する項に加
えて、物点および像点における偏向軌道の1階微分に比
例する項よりなる。偏向コマ収差Mcoma,ハイブリッド
非点収差Hasおよびハイブリッド像面湾曲収差Hfcを式で
表すと、式(9)〜(11)のようになる。なお、実際
には偏向コマおよびハイブリッド像面湾曲はそれぞれ2
種類あるが、どちらの場合も類似した式となるので、こ
こではそれぞれ1種類のみ示した。
【数7】 なお、上述した式(9)〜(11)では光軸をz軸と
し、z0は物点、ziは像点、Wm(z)は偏向軌道を表し、Cco
ma,Cas,Cfc,Dfcは偏向器に依らずレンズによって決
まるzの関数である。
し、z0は物点、ziは像点、Wm(z)は偏向軌道を表し、Cco
ma,Cas,Cfc,Dfcは偏向器に依らずレンズによって決
まるzの関数である。
【0013】種々の条件に対するこれらの収差Mcoma,H
as,Hfcについて考察すると以下のようになる。 (直線軌道とした場合)例えば、物点から像点までの偏
向軌道をクロスオーバ像点を通る直線とした場合、上式
(9)〜(11)において、d2Wm(z)/dz2=0となっ
て、(偏向コマ収差)=0,(ハイブリッド非点収差)
=0となるが、物面および像面に対して垂直入射でない
ために、dWm(z)/dz≠0となってハイブリッド像面湾曲
収差が消えずに残ってしまう。一般にハイブリッド像面
湾曲収差はかなり大きいので、たとえその他の収差が消
えても収差全体が大きくなってしまうことになる。ま
た、直線軌道とした場合には、感応基板への垂直入射性
が良くないために感応基板表面のうねり等により投影像
の位置ずれが生じやすく、像点位置を正確に設定する必
要がある。
as,Hfcについて考察すると以下のようになる。 (直線軌道とした場合)例えば、物点から像点までの偏
向軌道をクロスオーバ像点を通る直線とした場合、上式
(9)〜(11)において、d2Wm(z)/dz2=0となっ
て、(偏向コマ収差)=0,(ハイブリッド非点収差)
=0となるが、物面および像面に対して垂直入射でない
ために、dWm(z)/dz≠0となってハイブリッド像面湾曲
収差が消えずに残ってしまう。一般にハイブリッド像面
湾曲収差はかなり大きいので、たとえその他の収差が消
えても収差全体が大きくなってしまうことになる。ま
た、直線軌道とした場合には、感応基板への垂直入射性
が良くないために感応基板表面のうねり等により投影像
の位置ずれが生じやすく、像点位置を正確に設定する必
要がある。
【0014】(垂直入射軌道の場合)一方、偏向軌道が
物面および像面に垂直入射する場合には物面および像面
においてdWm(z)/dz=0となるため、上述したハイブリ
ッド像面湾曲収差Hfcの式(11)において、(第1
項)=0となり、ハイブリッド像面湾曲収差Hfcは偏向
コマ収差Mcoma,ハイブリッド非点収差Hasと同様に偏向
軌道Wmの2階微分に依存する積分の項のみとなることが
式(9)〜(11)より分かる。
物面および像面に垂直入射する場合には物面および像面
においてdWm(z)/dz=0となるため、上述したハイブリ
ッド像面湾曲収差Hfcの式(11)において、(第1
項)=0となり、ハイブリッド像面湾曲収差Hfcは偏向
コマ収差Mcoma,ハイブリッド非点収差Hasと同様に偏向
軌道Wmの2階微分に依存する積分の項のみとなることが
式(9)〜(11)より分かる。
【0015】(偏向場もSMD条件を満たす光学系)S
MD光学系であって偏向系の形成する偏向場もSMD条
件を満たす場合を考えたとき、このような場合であって
もハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲収
差は物側(物点からクロスオーバ像点まで)の積分値と
像側(クロスオーバ像点から像点まで)の積分値とが相
殺しないことが式(9)〜(11)から分かった。ま
た、偏向コマ収差は像の倍率と偏向倍率とが一致し、か
つ、それらが等倍のときに限り物側の積分値と像側の積
分値とが相殺するが、一般的には縮小投影が行われるの
で相殺しない。結局、偏向場がSMD条件を満足してい
ても、物側および像側のそれぞれで収差積分を小さくし
なければならないことが分かる。
MD光学系であって偏向系の形成する偏向場もSMD条
件を満たす場合を考えたとき、このような場合であって
もハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲収
差は物側(物点からクロスオーバ像点まで)の積分値と
像側(クロスオーバ像点から像点まで)の積分値とが相
殺しないことが式(9)〜(11)から分かった。ま
た、偏向コマ収差は像の倍率と偏向倍率とが一致し、か
つ、それらが等倍のときに限り物側の積分値と像側の積
分値とが相殺するが、一般的には縮小投影が行われるの
で相殺しない。結局、偏向場がSMD条件を満足してい
ても、物側および像側のそれぞれで収差積分を小さくし
なければならないことが分かる。
【0016】以上のことから次のような結論が得られ
た。 収差が単純に偏向軌道Wmの2階微分の積分で決まるな
らば、クロスオーバ像点における偏向軌道の1階微分の
値が小さいほど収差が小さくなる。すなわち、垂直入射
の範囲では、直線軌道を物点および像点に近いところで
曲げた場合に収差が小さくなる。 式(9)〜(11)において、偏向軌道Wmの2階微分
に掛る係数Ccoma,Cas,Cfcはzに関して一定ではな
く、分布を持っており、また、偏向軌道Wmの2階微分は
クロスオーバ像点を境に物側と像側とでは正負の符号が
逆になる。そのため、偏向軌道Wmの2階微分が一定とな
るようにしたほうが、積分の正負による相殺によって全
体の収差積分が小さくなることが分かった。このような
偏向軌道の例としては、物面および像面に垂直入射し、
レンズ内で放物線的な軌道となるような偏向軌道(図2
(a)を参照)がある。
た。 収差が単純に偏向軌道Wmの2階微分の積分で決まるな
らば、クロスオーバ像点における偏向軌道の1階微分の
値が小さいほど収差が小さくなる。すなわち、垂直入射
の範囲では、直線軌道を物点および像点に近いところで
曲げた場合に収差が小さくなる。 式(9)〜(11)において、偏向軌道Wmの2階微分
に掛る係数Ccoma,Cas,Cfcはzに関して一定ではな
く、分布を持っており、また、偏向軌道Wmの2階微分は
クロスオーバ像点を境に物側と像側とでは正負の符号が
逆になる。そのため、偏向軌道Wmの2階微分が一定とな
るようにしたほうが、積分の正負による相殺によって全
体の収差積分が小さくなることが分かった。このような
偏向軌道の例としては、物面および像面に垂直入射し、
レンズ内で放物線的な軌道となるような偏向軌道(図2
(a)を参照)がある。
【0017】図1は本発明の実施の形態を示す図であ
り、電子線露光装置の概略構成を示す模式図である。な
お、図3と同様の部分には同一の符号を付し、異なる部
分を中心に説明する。図1において、電子ビームEBは
マスク1の副視野1aに垂直入射され、副視野1aの像
がレンズ3,4によって感応基板5に投影される。本実
施の形態では、レンズ3,4内において偏向軌道Wmが図
2(a)に示すような放物線的な軌道となるよう偏向場
を偏向器11〜16により形成する。レンズ3,4によ
る光軸上磁場の大きさをB(z)と表したとき、x方向の
偏向場は物側で式(12)、像側で式(13)のように
表される。
り、電子線露光装置の概略構成を示す模式図である。な
お、図3と同様の部分には同一の符号を付し、異なる部
分を中心に説明する。図1において、電子ビームEBは
マスク1の副視野1aに垂直入射され、副視野1aの像
がレンズ3,4によって感応基板5に投影される。本実
施の形態では、レンズ3,4内において偏向軌道Wmが図
2(a)に示すような放物線的な軌道となるよう偏向場
を偏向器11〜16により形成する。レンズ3,4によ
る光軸上磁場の大きさをB(z)と表したとき、x方向の
偏向場は物側で式(12)、像側で式(13)のように
表される。
【数8】 また、y方向の偏向場は物側で式(14)、像側で式
(15)のように表される。
(15)のように表される。
【数9】 上述した式(12)〜(15)において、eは荷電粒子
の電荷、mは荷電粒子の質量、φは荷電粒子の加速電圧
であり、z0,zi,zcoは順に物点,像点およびクロスオ
ーバ像点のz座標であって、wm0は物点での偏向量、M
は偏向倍率、kは軌道を繋ぐためのパラメータである。
の電荷、mは荷電粒子の質量、φは荷電粒子の加速電圧
であり、z0,zi,zcoは順に物点,像点およびクロスオ
ーバ像点のz座標であって、wm0は物点での偏向量、M
は偏向倍率、kは軌道を繋ぐためのパラメータである。
【0018】図2において、(a)は偏向軌道Wmを、
(b)は偏向軌道Wmの1階微分dWm(z)/dzを、(c)は
偏向軌道Wmの2階微分d2Wm(z)/dz2をそれぞれ示す図で
あり、光軸AXをz軸として表したものである。図2
(a)では、偏向倍率を−1/2としているので、偏向
軌道Wmが物面(z=z0)において光軸AXから1だけ離
れたところを物面に対して垂直に通った場合には、放物
線的な軌道を描いてクロスオーバ像点(z=zco)を通
過した後に像面(z=z0)の光軸AXから0.5だけ離
れた位置に垂直入射することになる。図2(c)から分
かるように、偏向軌道Wmの2階微分はクロスオーバ像点
付近を除くほとんどの範囲で一定となっている。偏向軌
道Wmはクロスオーバ像点zcoを通るように設定されるた
め、クロスオーバ像点近傍では2階微分が一定という条
件から外れてしまうが、偏向軌道Wmの2階微分が一定と
なる範囲(クロスオーバ像点zcoからの距離)は、物側
では物点z0からクロスオーバ像点zcoまでの距離の3/
4以上、像側では像点ziからクロスオーバ像点zcoまで
の距離の3/4以上と設定されるのが好ましい。
(b)は偏向軌道Wmの1階微分dWm(z)/dzを、(c)は
偏向軌道Wmの2階微分d2Wm(z)/dz2をそれぞれ示す図で
あり、光軸AXをz軸として表したものである。図2
(a)では、偏向倍率を−1/2としているので、偏向
軌道Wmが物面(z=z0)において光軸AXから1だけ離
れたところを物面に対して垂直に通った場合には、放物
線的な軌道を描いてクロスオーバ像点(z=zco)を通
過した後に像面(z=z0)の光軸AXから0.5だけ離
れた位置に垂直入射することになる。図2(c)から分
かるように、偏向軌道Wmの2階微分はクロスオーバ像点
付近を除くほとんどの範囲で一定となっている。偏向軌
道Wmはクロスオーバ像点zcoを通るように設定されるた
め、クロスオーバ像点近傍では2階微分が一定という条
件から外れてしまうが、偏向軌道Wmの2階微分が一定と
なる範囲(クロスオーバ像点zcoからの距離)は、物側
では物点z0からクロスオーバ像点zcoまでの距離の3/
4以上、像側では像点ziからクロスオーバ像点zcoまで
の距離の3/4以上と設定されるのが好ましい。
【0019】本実施の形態では、図2(c)に示すよう
に、偏向軌道Wmの2階微分が物側および像側でほとんど
一定で符号が逆となっているので、式(9)〜(11)
の積分において物側の値と像側の値とが相殺し、かつ、
物面および像面で偏向軌道Wmが垂直入射しているので
式(11)において、第1項=0となり、偏向コマ収
差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲
収差を低く抑えることができ、低収差な電子光学系を得
ることができる。
に、偏向軌道Wmの2階微分が物側および像側でほとんど
一定で符号が逆となっているので、式(9)〜(11)
の積分において物側の値と像側の値とが相殺し、かつ、
物面および像面で偏向軌道Wmが垂直入射しているので
式(11)において、第1項=0となり、偏向コマ収
差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾曲
収差を低く抑えることができ、低収差な電子光学系を得
ることができる。
【0020】なお、図2(c)では、分かりやすくする
ためにWmの2階微分を直線を折り曲げたような形に描
いたが、実際には図2(a)と同じように滑らかに変化
している。また、図2(a)では偏向軌道Wmを2次元的
に表したが、一般的にレンズ3,4内では偏向軌道Wmは
回転するので実際には3次元的な軌道となる。ただし、
偏向器11〜16の励磁を適当に選ぶことにより2次元
的軌道となるようにすることも可能である。
ためにWmの2階微分を直線を折り曲げたような形に描
いたが、実際には図2(a)と同じように滑らかに変化
している。また、図2(a)では偏向軌道Wmを2次元的
に表したが、一般的にレンズ3,4内では偏向軌道Wmは
回転するので実際には3次元的な軌道となる。ただし、
偏向器11〜16の励磁を適当に選ぶことにより2次元
的軌道となるようにすることも可能である。
【0021】上述した本実施の形態では、垂直入射性を
重視してマスク1および感応基板5における偏向軌道の
入射角を垂直に設定したが、垂直入射性がそれほど重要
でない場合には必ずしも垂直入射でなくても良い。例え
ば、感応基板5表面に化学機械的研磨等を行った場合に
は垂直入射性の許容範囲が大きいので、偏向軌道を完全
な直線に設定して偏向コマ収差およびハイブリッド非点
収差をゼロとすることができる。この場合、一般的には
偏向軌道の入射角はハイブリッド像面湾曲収差が最小と
なるように選ばれる。
重視してマスク1および感応基板5における偏向軌道の
入射角を垂直に設定したが、垂直入射性がそれほど重要
でない場合には必ずしも垂直入射でなくても良い。例え
ば、感応基板5表面に化学機械的研磨等を行った場合に
は垂直入射性の許容範囲が大きいので、偏向軌道を完全
な直線に設定して偏向コマ収差およびハイブリッド非点
収差をゼロとすることができる。この場合、一般的には
偏向軌道の入射角はハイブリッド像面湾曲収差が最小と
なるように選ばれる。
【0022】上述したように、投影レンズ系がSMD条
件を満足し、偏向系がSMD的な対称性を満足する場合
には、偏向色収差,偏向歪み収差およびハイブリッド歪
み収差がほぼゼロとなって偏向コマ収差,ハイブリッド
非点収差およびハイブリッド像面湾曲収差のみが補正で
きない収差として残り、上述したように偏向軌道を設定
することによりこれら3つの収差を小さくすることがで
きることが分かった。しかしながら、本発明は投影レン
ズ系がSMDでない場合にも適用することができる。例
えば、偏向色収差,偏向歪み収差およびハイブリッド歪
み収差が収差全体に対してそれほど大きくなく問題とな
らない場合には、上述した実施の形態のように偏向コマ
収差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾
曲収差を低減することにより、全体の収差の低減を効果
的に行うことができる。
件を満足し、偏向系がSMD的な対称性を満足する場合
には、偏向色収差,偏向歪み収差およびハイブリッド歪
み収差がほぼゼロとなって偏向コマ収差,ハイブリッド
非点収差およびハイブリッド像面湾曲収差のみが補正で
きない収差として残り、上述したように偏向軌道を設定
することによりこれら3つの収差を小さくすることがで
きることが分かった。しかしながら、本発明は投影レン
ズ系がSMDでない場合にも適用することができる。例
えば、偏向色収差,偏向歪み収差およびハイブリッド歪
み収差が収差全体に対してそれほど大きくなく問題とな
らない場合には、上述した実施の形態のように偏向コマ
収差,ハイブリッド非点収差およびハイブリッド像面湾
曲収差を低減することにより、全体の収差の低減を効果
的に行うことができる。
【0023】上述した実施の形態と特許請求の範囲の要
素との対応において、偏向器11〜16は偏向系を構成
する。
素との対応において、偏向器11〜16は偏向系を構成
する。
【0024】
【実施例】以下では、上述した式(12)〜(15)で
表されるような偏向場を与えたときのシミュレーション
結果を示す。表1は本発明による光学系(図1)のシミ
ュレーション結果であり、表2は従来の光学系(図3)
の場合のシミュレーション結果である。なお、図3に示
すz0およびzi,は図1の場合と同様に物点および像点
の光軸方向の座標を表している。表1においてz1は図
1の示すように2階微分d2Wm(z)/dz2が変化する位置で
あり、4種類の値について計算した。一方、表2のz1は
図3に示すように偏向器41の偏向位置であり、この位
置は図1の位置z1に対応するものである。また、表1,
2のz1の単位はmmであり、収差(偏向コマ収差、ハイブ
リッド像面湾曲収差、ハイブリッド非点収差、ハイブリ
ッド歪み収差、偏向色収差)や収差(歪み収差は除く)
による像のぼけ(blur)の単位はμmである。なお、表
1,2では比較的大きな収差のみを示した。
表されるような偏向場を与えたときのシミュレーション
結果を示す。表1は本発明による光学系(図1)のシミ
ュレーション結果であり、表2は従来の光学系(図3)
の場合のシミュレーション結果である。なお、図3に示
すz0およびzi,は図1の場合と同様に物点および像点
の光軸方向の座標を表している。表1においてz1は図
1の示すように2階微分d2Wm(z)/dz2が変化する位置で
あり、4種類の値について計算した。一方、表2のz1は
図3に示すように偏向器41の偏向位置であり、この位
置は図1の位置z1に対応するものである。また、表1,
2のz1の単位はmmであり、収差(偏向コマ収差、ハイブ
リッド像面湾曲収差、ハイブリッド非点収差、ハイブリ
ッド歪み収差、偏向色収差)や収差(歪み収差は除く)
による像のぼけ(blur)の単位はμmである。なお、表
1,2では比較的大きな収差のみを示した。
【表1】
【表2】
【0025】シミュレーションの条件は、加速電圧=1
00kV(加速電圧の分散は6V)、物面上の偏向距離=
20mm(像面上では5mm)、像面における像高=250
μm、像面におけるビームの開き角=6mradである。光
学系の物面(z0)と像面(zi)との間の寸法は570mm
であり、物面とクロスオーバ像点(zco)との間は45
6mm、像面とクロスオーバ像点との間は114mmであ
る。さらに、偏向場はSMD条件を満たしており、倍率
4:1の完全対称系である。シミュレーションでは、表
1,2のどちらの場合も物面および像面におけるランデ
ィング角がほぼ垂直となるように設定した。また、従来
の光学系の場合には、本発明との比較の意味でデータNo
1とz1の値が等しいz1=−142.5mmについてのみシミュ
レーション結果を示した。
00kV(加速電圧の分散は6V)、物面上の偏向距離=
20mm(像面上では5mm)、像面における像高=250
μm、像面におけるビームの開き角=6mradである。光
学系の物面(z0)と像面(zi)との間の寸法は570mm
であり、物面とクロスオーバ像点(zco)との間は45
6mm、像面とクロスオーバ像点との間は114mmであ
る。さらに、偏向場はSMD条件を満たしており、倍率
4:1の完全対称系である。シミュレーションでは、表
1,2のどちらの場合も物面および像面におけるランデ
ィング角がほぼ垂直となるように設定した。また、従来
の光学系の場合には、本発明との比較の意味でデータNo
1とz1の値が等しいz1=−142.5mmについてのみシミュ
レーション結果を示した。
【0026】表1のデータNo1と表2のデータを比較す
ると、本発明の光学系のように放物線状の軌道とした場
合には表1に示したいずれの収差も従来(表2)より小
さくなり、像のぼけも1桁以上小さくなっていることが
分かる。また、データNo2〜4のようにz1をクロスオー
バ像点から遠ざけると、ハイブリッド歪み収差や偏向色
収差はほとんど変化しないか若干小さくなる程度である
が、他の収差、特に偏向コマ収差が大きくなるため、z1
がクロスオーバ像点から遠ざかる(z1が小さくなる)ほ
ど像のぼけが大きくなる。
ると、本発明の光学系のように放物線状の軌道とした場
合には表1に示したいずれの収差も従来(表2)より小
さくなり、像のぼけも1桁以上小さくなっていることが
分かる。また、データNo2〜4のようにz1をクロスオー
バ像点から遠ざけると、ハイブリッド歪み収差や偏向色
収差はほとんど変化しないか若干小さくなる程度である
が、他の収差、特に偏向コマ収差が大きくなるため、z1
がクロスオーバ像点から遠ざかる(z1が小さくなる)ほ
ど像のぼけが大きくなる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2階微分が物側および像側でほぼ一定となるように偏向
軌道を決めたので、偏向コマ収差,ハイブリッド非点収
差およびハイブリッド像面湾曲収差の各収差積分におい
て、偏向軌道の2階微分に掛る積分はそれぞれ物側の値
と像側値とが相殺し、各収差積分を小さく抑えることが
できる。その結果、本発明による荷電粒子光学系によれ
ば、荷電粒子線の軌道を大きく偏向した場合でも収差を
小さく抑えることができる。
2階微分が物側および像側でほぼ一定となるように偏向
軌道を決めたので、偏向コマ収差,ハイブリッド非点収
差およびハイブリッド像面湾曲収差の各収差積分におい
て、偏向軌道の2階微分に掛る積分はそれぞれ物側の値
と像側値とが相殺し、各収差積分を小さく抑えることが
できる。その結果、本発明による荷電粒子光学系によれ
ば、荷電粒子線の軌道を大きく偏向した場合でも収差を
小さく抑えることができる。
【図1】本発明による電子線露光装置の概略構成を示す
模式図。
模式図。
【図2】偏向軌道を説明する図であり、(a)は偏向軌
道Wmを、(b)は偏向軌道Wmの1階微分を、(c)は偏
向軌道Wmの2階微分をそれぞれ示す。
道Wmを、(b)は偏向軌道Wmの1階微分を、(c)は偏
向軌道Wmの2階微分をそれぞれ示す。
【図3】従来の電子線露光装置の概略構成を示す模式
図。
図。
1 マスク 1a 副視野 3 第1投影レンズ 4 第2投影レンズ 5 感応基板 11〜16 偏向器 EB 電子線 Wm 偏向軌道
Claims (2)
- 【請求項1】 荷電粒子線装置の荷電粒子光学系におい
て、 物点から荷電粒子源のクロスオーバ像点までの物側領域
および像点から前記クロスオーバ像点までの像側領域の
各々において、偏向軌道の光軸座標に関する2階微分が
ほぼ一定となるように荷電粒子線の軌道を偏向する偏向
系を備えることを特徴とする荷電粒子線装置の荷電粒子
光学系。 - 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子光学系におい
て、 光軸をz軸としたときの物点,像点およびクロスオーバ
像点のz座標を順にzo,zi,zcoとし、荷電粒子の電荷
をe,荷電粒子の質量をm,物点での偏向量をwm0、荷
電粒子の加速電圧をφ、荷電粒子光学系の投影レンズに
よる光軸上の軸上磁場分布をB(z)、偏向倍率をM、k
を任意の定数としたときに、前記偏向系は物側領域にお
いて式(1)で表されるx方向偏向場および式(2)で
表されるy方向偏向場を形成し、 【数1】 像側領域において式(3)で表されるx方向偏向場およ
び式(4)で表されるy方向偏向場 【数2】 を形成することを特徴とする荷電粒子光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10249717A JPH11176368A (ja) | 1997-10-07 | 1998-09-03 | 荷電粒子光学系 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-274739 | 1997-10-07 | ||
JP27473997 | 1997-10-07 | ||
JP10249717A JPH11176368A (ja) | 1997-10-07 | 1998-09-03 | 荷電粒子光学系 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11176368A true JPH11176368A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=26539437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10249717A Pending JPH11176368A (ja) | 1997-10-07 | 1998-09-03 | 荷電粒子光学系 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11176368A (ja) |
-
1998
- 1998-09-03 JP JP10249717A patent/JPH11176368A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7005658B2 (en) | Charged particle beam exposure apparatus and method | |
US7408172B2 (en) | Charged particle beam apparatus and charged particle beam irradiation method | |
US8921782B2 (en) | Tilt-imaging scanning electron microscope | |
US6184975B1 (en) | Electrostatic device for correcting chromatic aberration in a particle-optical apparatus | |
KR20010007211A (ko) | 하전 입자 빔 결상 방법, 하전 입자 빔 결상 장치 및 하전입자 빔 노광 장치 | |
US6064071A (en) | Charged-particle-beam optical systems | |
US5994709A (en) | Charged-particle-beam exposure apparatus exhibiting aberration control | |
US6507027B1 (en) | Apparatus and methods for charged-particle-beam microlithography exhibiting reduced four-fold aberrations | |
JP6951123B2 (ja) | 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 | |
US6066855A (en) | Charged-particle-beam optical system exhibiting aberration correction | |
US6376842B1 (en) | Optical system for charged-particle-beam microlithography apparatus exhibiting reduced third- and fifth-order aberrations | |
JP3455006B2 (ja) | 荷電粒子ビーム装置 | |
JPH11176368A (ja) | 荷電粒子光学系 | |
US5929451A (en) | Symmetric magnetic doublet for charged particle beam lithography | |
JPH06338445A (ja) | 電子ビーム描画装置 | |
WO2007111603A1 (en) | Optics for generation of high current density patterned charged particle beams | |
JP3772067B2 (ja) | 荷電粒子ビーム照射装置 | |
JP7502223B2 (ja) | 荷電粒子ビーム装置 | |
JPH10208680A (ja) | 荷電粒子線装置 | |
JPH1125896A (ja) | 電子光学系 | |
JPH10302696A (ja) | 電子線投影レンズ | |
JPH11265672A (ja) | 荷電ビーム装置用光学系 | |
JP2023118434A (ja) | マルチ荷電粒子ビーム装置の光学系調整方法及びプログラム | |
JPS585954A (ja) | 動的焦点補正装置 | |
JPH10321519A (ja) | 荷電ビーム露光装置の投影光学系 |