JPH11173180A - 筒内噴射式火花点火機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火機関

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JPH11173180A
JPH11173180A JP9343295A JP34329597A JPH11173180A JP H11173180 A JPH11173180 A JP H11173180A JP 9343295 A JP9343295 A JP 9343295A JP 34329597 A JP34329597 A JP 34329597A JP H11173180 A JPH11173180 A JP H11173180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低回転中負荷以上の運転域でノックを抑制し
て出力の向上を図る。 【解決手段】 燃料噴射弁5の噴射時期を低回転中負荷
以上の運転域で噴射終了時期が圧縮行程初期となるよう
に設定することによって、ピストン6の冠面のキャビテ
ィ燃焼室7への燃料付着を無くしてスモーク発生を抑制
すると共に、不均一な混合気分布とすることができて耐
ノック特性が向上し出力を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼室に直接燃料を
噴霧する筒内噴射式火花点火機関に関し、特に燃料噴射
弁の噴射時期制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式火花点火機関は周知のよう
に、高負荷域では吸気行程初期に燃料を噴射して燃焼室
に略均質な空燃比の混合気を形成して所謂均質燃焼を行
わせる一方、低負荷域では圧縮行程後期に燃料を噴射し
て点火プラグ周りにのみ比較的濃い混合気を形成し、平
均的な空燃比を非常に大きく(稀薄化)して所謂成層燃
焼を行わせるようにしたものである。
【0003】前述の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴
射弁の噴射時期制御技術に関しては、例えば特開平9−
79079号公報に示されているようにピストン冠面の
キャビティ燃焼室からの噴霧こぼれを回避することとス
モーク発生限界となる負荷領域とにより重複される回転
数、負荷領域を設定して圧縮行程後期噴射を行うように
したものや、特開平9−151771号公報に示されて
いるように成層燃焼と均質燃焼とを切り替える時のトル
クショックを無くすために、中間的過渡的噴射時期とし
て圧縮行程中で早い噴射時期に設定したものなどが知ら
れている。
【0004】しかし、これらは何れも基本的には低回転
低負荷域での燃費の大幅な向上を目的として、成層燃焼
における燃料噴射弁の噴射時期を圧縮行程の後半に設定
したものであって、出力が要求される高負荷運転域では
吸気行程噴射による均質燃焼を行わせるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように筒内噴射
式火花点火機関にあっては、高負荷運転域で吸気行程噴
射により均質燃焼を行わせて出力を高めようとするもの
であるが、この高負荷運転域の中でも低回転時には吸気
行程で燃料噴射を行った場合に、噴射された燃料が吸気
のダウンフロウによりピストン冠面側へ引張られて該ピ
ストン冠面のキャビティ燃焼室に流入し易くなる傾向に
あることと、該低回転時では回転数に比例するガス流動
が低くなって流速を有効に活かし切れなくなることか
ら、噴霧燃料が前記キャビティ燃焼室に偏寄って点火プ
ラグから遠い空間に燃料の多くを存在させるようになる
ため、供給した燃料を十分には出力へ貢献できなくなる
可能性がある。
【0006】即ち、前述のように低回転時に噴霧燃料が
キャビティ燃焼室に淀んで液膜状に付着することから、
スモークが発生し易く、この為燃焼に寄与する燃料が減
少するので要求する出力が得られなくなる可能性があ
る。
【0007】そこで、本発明は中負荷以上の低回転時に
おける耐ノック特性を向上できて出力を高めることがで
きる筒内噴射式火花点火機関を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、点火プ
ラグと、ピストン冠面にキャビティ燃焼室とを備え、低
負荷域で圧縮行程後期に燃料を噴射させて成層燃焼を行
わせると共に、高負荷域で吸気行程中に燃料を噴射させ
て均質燃焼を行わせるようにした筒内噴射式火花点火機
関において、前記燃料噴射弁の噴射時期を低回転中負荷
以上の運転域で噴射終了時期が圧縮行程初期となるよう
に設定したことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の低回転中負荷以上の運転域が過給運転を含むことを
特徴としている。
【0010】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
の記載において中負荷以上の低回転と高回転との回転変
化域で、燃料の要求噴射量の一部を吸気行程中に噴射す
るようにしたことを特徴としている。
【0011】請求項4の発明にあっては、請求項1〜3
の記載において暖機未完了状態では燃料噴射弁の噴射時
期を吸気行程噴射とするようにしたことを特徴としてい
る。
【0012】請求項5の発明にあっては、請求項1〜4
の記載において低回転中負荷以上の運転中におけるノッ
キング発生時に、点火プラグの点火時期を遅角するよう
にしたことを特徴としている。
【0013】請求項6の発明にあっては、請求項1〜5
の記載において低回転中負荷以上の運転域で、可変動弁
機構により吸排気弁のバルブオーバーラップを拡大する
ようにしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、低回転中負荷
以上の運転域で燃料噴射弁の噴射時期を、噴射終了時期
が圧縮行程初期となるように設定することによって、従
来、かかる運転領域でも吸気行程初期で燃料を噴射させ
て均質燃焼を行わせていたようなピストン冠面のキャビ
ティ燃焼室への燃料付着に起因するスモークの発生を払
拭することができる。
【0015】特に、このように低回転中負荷以上の運転
域での燃料噴射時期を圧縮行程初期として点火プラグに
よる点火までの時間を吸気行程初期噴射に較べてある程
度短くすることによって、混合気分布を弱い成層状態
に、換言すれば不均一な混合気状態となって、本来、耐
ノック特性が良いと言われている混合気分布を準備する
ことができることと、燃料噴射時期が圧縮行程初期であ
れば強い吸気流入ガス流れは無く、しかも、ピストン運
動は上昇に転じているために混合気をピストン冠面から
燃焼室側へ、即ち、点火プラグ側へ輸送することができ
ることによって、中負荷以上で回転数がある程度低く、
噴射終了時期が極端に点火時期に近づかない運転条件で
は耐ノック特性が大幅に向上して出力を高めることがで
きる。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、低回転中負荷以上の運転条件で筒内圧
力が高まる圧縮行程初期に燃料噴射を行うが、低回転中
負荷以上でかつ過給運転されていると筒内圧力は更に高
い状態になることから、このような時期に燃料噴射を行
うことによって大幅なペネトレーション(燃料貫徹力)
減が見込まれる。
【0017】この結果、非過給時に較べてシリンダボア
周面やピストン冠面への噴霧燃料の衝突が軽減され、ス
モークや未燃HCを低減できてより一層出力を高めるこ
とができる。
【0018】請求項3の発明によれば、請求項1,2の
発明の効果に加えて、中負荷以上の低回転と高回転との
回転変化域で、燃料の要求噴射量の一部を吸気行程中に
噴射することにより、燃料を圧縮行程初期に噴射する前
に均質状態の混合気分布を予め形成できて、その上に圧
縮行程初期噴射による混合気を分布させることができる
ため、混合気の分布最下層が空気のみとなることがなく
該回転変化域での燃焼性が良好となる。
【0019】しかも、着火時に混合気分布の下層側へ火
焔伝播する過程で、火焔中に生じるスモークを最下層の
混合気の燃焼により燃焼消滅させることができて耐ノッ
ク特性を向上することができる。
【0020】この結果、前記回転変化域での出力の向上
を図ることができると共に、低回転と高回転の変化時に
おけるトルクショックを無くすことができる。
【0021】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
発明の効果に加えて、エンジンの暖機未完了状態では燃
料の気化時間は長くなるが、このような暖機未完了状態
では低回転中負荷以上の運転状態であっても吸気行程噴
射とすることによって、点火プラグの燃料被りによるく
すぶりを回避することができる。
【0022】請求項5の発明によれば、請求項1〜4の
発明の効果に加えて、低回転中負荷以上の運転中に万一
ノッキングが発生した場合に、本来ノッキング抑制効果
のある圧縮行程初期噴射を継続し、かつ、最も効果のあ
るノッキング回避策である点火時期遅角によって、耐ノ
ック特性をより一層向上することができる。
【0023】請求項6の発明によれば、請求項1〜5の
発明の効果に加えて、低回転中負荷以上の運転域で、可
変動弁機構により吸排気弁のバルブオーバーラップを拡
大することによって排気の掃気効果が得られて実充填効
率が向上し、出力をより一層高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0025】図1は本発明を適用した筒内噴射式火花点
火機関の概略構成を示すもので、エンジン1のシリンダ
ヘッド2には点火プラグ3と、燃料を直接燃焼室4に噴
射する燃料噴射弁5を装着してある。
【0026】ピストン6の冠面には後述する成層燃焼時
に、圧縮行程後期に燃料噴射弁5から噴射された燃料噴
霧を受容するキャビティ燃焼室7を形成してある。
【0027】吸気弁8を配設した吸気ポート9には図外
の旋回流付与手段を設けて、成層燃焼時に吸気通路1
2、吸気マニホールド13を経由して供給される吸入空
気に旋回流を付与するようにしてある。
【0028】排気弁10を配設した排気ポート11は排
気マニホールド14、排気通路15に接続し、この例に
あっては吸気通路12と排気通路15とに跨ってターボ
チャージャー16を設けて、中負荷以上の運転域で過給
するようにしてある。
【0029】また、前記吸気弁8には後述する可変動弁
機構25を設けてあり、運転条件に合わせて吸気弁8と
排気弁10とのバルブオーバーラップを適切に制御し
て、燃焼の安定性と出力の向上とを図れるようにしてあ
る。
【0030】エンジン1の総合的な駆動制御を行うエン
ジンコントロールユニット17には、エアフローメータ
18、ストットルバルブスイッチ19、吸気圧センサ2
0、水温センサ21、ノックセンサ22、クランク角セ
ンサ23、O2 センサ24等の各種センサの検出信号が
入力され、該エンジンコントロールユニット17はこれ
らの検出信号にもとづいて点火プラグ3の点火時期、燃
料噴射弁5の噴射時期と燃料噴射量、可変動弁機構25
の駆動等を総合的に制御する。
【0031】可変動弁機構25は吸気弁8のバルブタイ
ミングを進角側、遅角側へ制御するもので、該可変動弁
機構25としては例えば図2に示す公知(特開平5−3
32112号公報参照)の可変バルブタイミング装置を
用いることができる。
【0032】この可変バルブタイミング装置25は、吸
気弁駆動用カムシャフト26とその軸端のカムプーリー
27との軸装部分の間に、これら両者にヘリカルギヤ2
9で噛合したプランジャ28を内装し、前記吸気弁駆動
用カムシャフト26の油孔26aに連通したドレーン孔
26bに設けられた制御バルブ30を、機関運転状態に
応じてエンジンコントロールユニット17を介してON
・OFF制御される可変バルブタイミング制御用ソレノ
イド31によって駆動し、シリンダブロックオイルギャ
ラリ32から前記プランジャ28の一端側への油圧供給
制御を行うことにより、吸気弁駆動用カムシャフト26
をタイミングベルトとの相対位置関係が固定的なカムプ
ーリー27に対して周方向へ回動させて相対位置を変化
させ、該吸気弁駆動用カムシャフト26に所謂ひねりを
付与するものである。
【0033】この可変バルブタイミング装置25によっ
て吸気弁駆動用カムシャフト26に吸気弁8のバルブタ
イミングが進角側へ移行する方向にひねりを与えること
により吸,排気弁8,10のバルブオーバーラップが拡
大し、吸気弁駆動用カムシャフト26をイニシャル位置
へ復元させることにより吸,排気弁8,10のバルブオ
ーバーラップが元のセット状態に戻る。
【0034】かかる構成よりなる筒内噴射式火花点火機
関においては、基本的には前記エンジンコントロールユ
ニット17によって低負荷域では吸気に旋回流を付与す
ると共に圧縮行程の後期に燃料噴射弁5より燃料を噴射
し、燃料の分散を抑えて点火プラグ3周りに比較的濃い
混合気を形成させることにより平均的な空燃比を超稀薄
として成層燃焼による安定燃焼を行わせる一方、高負荷
域では吸気行程の初期に燃料噴射弁5より燃料を噴射し
て混合気の均質化を図り、均質燃焼により比較的濃い空
燃比での安定燃焼を行わせて高出力が得られるように駆
動制御される。
【0035】そして、低回転中負荷以上の運転域では、
エンジンコントロールユニット17により前記燃料噴射
弁5の噴射時期を、噴射終了時期が圧縮行程初期となる
ように制御している。
【0036】この噴射時期は図3のスモーク濃度−噴射
タイミング相関図に示すように、吸気行程から圧縮行程
に移行して筒内圧力がある程度上昇した時点aで噴射が
終了するように設定されるが、スモークが発生し始める
前のdtの期間を許容範囲とすることができる。
【0037】エンジンコントロールユニット17は、低
回転中負荷以上の運転域で前述のように燃料噴射弁5の
噴射時期を圧縮行程初期噴射として制御すると共に、可
変バルブタイミング装置25を作動して吸気弁8のバル
ブタイミングを進角側に移行させ、吸,排気弁8,10
のバルブオーバーラップを所定量拡大するように制御し
ている。
【0038】また、この低回転中負荷以上の運転域で万
一ノッキングが発生した場合には、点火プラグ3の点火
時期が遅角するように点火時期制御を行っている。
【0039】中負荷以上の低回転と高回転との回転変化
域では、基本的には燃料噴射弁5の噴射時期を圧縮行程
初期噴射として制御するが、該運転域での燃料の要求噴
射量の一部を吸気行程中に噴射するように燃料噴射弁5
の噴射時期を制御している。
【0040】図4は低回転域での燃料噴射弁5の噴射時
期を便宜的に噴射量(パルス幅)と共に示しており、低
負荷域では成層燃焼を行わせるように燃料噴射弁5の噴
射時期は圧縮行程の後期となり、噴射量Fa は小さい。
【0041】中,高負荷域では前述のように燃料噴射弁
5の噴射時期が圧縮行程初期噴射に制御され、噴射量は
b ,Fc のように増大するが、高負荷時には燃料の要
求噴射量の一部Fc1を吸気行程中に噴射し、残量Fc2
圧縮行程初期噴射とするように制御している。
【0042】このFc1とFc2の配分は1:1〜1:10
のように任意に調整され、また、吸気行程時におけるF
c1の噴射時期は図3に示したスモーク濃度−噴射タイミ
ング相関図で吸気行程初期のスモーク発生のない時期と
することが望ましく、図4の仮想線で示した所定の期間
を許容範囲とすることができる。
【0043】一方、低回転中負荷以上の運転域であって
も、エンジン1が暖機未完了の状態では圧縮行程初期噴
射は行わず、燃料噴射弁5の噴射時期を均質燃焼の基本
である吸気行程初期噴射となるように制御している。
【0044】次にこのようなエンジンコントロールユニ
ット17の制御内容を図5のフローチャートと共に具体
的に説明する。
【0045】ステップ1で水温センサ21の検出信号に
もとづいて、エンジン冷却水温TWが暖機完了に相当す
る所定値以上であるか否かを判断する。
【0046】ステップ1で暖機完了と判断されるとステ
ップ2に進み中負荷以上の運転域であるか否かの負荷検
出判断を行う。
【0047】この負荷検出判断は例えば図7の基本燃料
噴射量(パルス幅)線図をマップとして、クランク角セ
ンサ23により検出される回転数と、エアフローメータ
18で計測される吸入空気量とで求められる基本噴射量
(パルス幅)TP をパラメータとして、該基本噴射量T
P が中負荷以上の運転域に相当する所定値TP1以上であ
るか否かを判断している。
【0048】ステップ2で中負荷以上の運転域であると
判断されるとステップ3に進み、回転数Nが図7に示す
所定の回転数N1 (例えば約2000RPM)以下の低
回転であるか否かを判断する。
【0049】ステップ3で回転数が低回転で図7に示す
A領域の運転状態であると判断されるとステップ4に進
み、後述する点火時期制御処理を行った後ステップ5で
燃料噴射弁5の噴射時期を、噴射終了時期が圧縮行程初
期となるように制御して圧縮行程初期噴射を行わせると
共に、ステップ6で可変バルブタイミング装置25を作
動して吸気弁8のバルブタイミングを進角側へ移行し、
吸,排気弁8,10のバルブオーバーラップを所定量に
拡大する。
【0050】ステップ3で否定の場合、ステップ7に進
んで回転数Nが所定の低回転数N1と高回転数N2 (例
えば約2000〜2500RPM)との回転変化域であ
るか否かを判断する。
【0051】ステップ7で回転数Nが前記回転変化域に
あって、図7に示すB領域の運転状態であると判断され
るとステップ8に進み、前述と同様に点火時期制御処理
を行った後ステップ9で燃料噴射弁5の噴射時期を、B
領域の運転に要求される燃料の噴射量の一部を吸気行程
噴射とし、残量を圧縮行程初期噴射とする噴射時期に制
御して吸気行程噴射と圧縮行程初期噴射との多段噴射を
行わせると共に、ステップ10でステップ6と同様に
吸,排気弁8,10のバルブオーバーラップの拡大を行
う。
【0052】前記ステップ4およびステップ8の点火時
制御処理では図6に示すサブルーチンが実行される。
【0053】即ち、ステップ13でノックセンサ22の
検出信号が読み込まれると、ステップ14でノッキング
発生しているか否かを判断し、ノッキングが発生してい
ると判断された場合、ステップ15で点火プラグ3の点
火時期を遅角制御する。
【0054】前記ステップ7で否定の場合、高回転中負
荷以上の運転である図7のC領域の運転状態であると判
断し、ステップ11で燃料噴射弁5の噴射時期を高負荷
域の基本的な噴射時期である吸気行程初期噴射に制御し
て均質燃焼を行わせる。
【0055】この実施形態の筒内噴射式火花点火機関で
は、ターボチャージャー16を備えて過給運転を行える
ようにしているため、前記ステップ2で吸気圧センサ2
0で検出される信号にもとづいて、吸気圧(過給圧)が
図8に示す吸気圧(過給圧含む)特性線図の過給領域と
なる所定値PM以上であるか否かを判断し、肯定の場合
過給運転と判断して前記ステップ3〜ステップ11の処
理を実行する。
【0056】また、ステップ2で否定の場合、低負荷低
回転の運転である図7のD領域の運転状態であると判断
し、ステップ12で燃料噴射弁5の噴射時期を圧縮行程
後期噴射に制御して成層燃焼を行わせる。
【0057】また、ステップ1で否定の場合、エンジン
1が暖機未完了であると判断し、低回転中負荷以上の運
転域であっても、ステップ11に進んで燃料噴射弁5の
噴射時期を吸気行程初期噴射に制御して均質燃焼を行わ
せる。
【0058】ここで、前述のターボチャージャー16に
よる過給運転は実質的に中負荷以上で行われるため、ス
テップ2では基本噴射量TP をパラメータとした負荷検
出を行わなくても、吸気圧センサ20による過給圧検出
のみで処理するようにしてもよい。
【0059】以上のように低回転中負荷以上の運転域で
は燃料噴射弁5の噴射時期を、噴射終了時期が圧縮行程
初期となるように制御することによって、従来、かかる
運転領域でも吸気行程初期噴射として均質燃焼を行わせ
ていたようなピストン6冠面のキャビティ燃焼室7への
燃料付着に起因するスモークの発生を払拭できて耐ノッ
ク特性を向上できる。
【0060】特に、このように低回転中負荷以上の運転
域での燃料噴射時期を圧縮行程初期として点火プラグ3
による点火までの時間を吸気行程初期噴射に較べてある
程度短くすることによって、混合気分布を弱い成層状態
に、換言すれば不均一な混合気状態となって、本来、耐
ノック特性が良いと言われている混合気分布を準備する
ことができることと、燃料噴射時期が圧縮行程初期であ
れば強い吸気流入ガス流れ(ガス流動)は無く、しか
も、ピストン6の運動は上昇に転じているために混合気
をピストン冠面から燃焼室4側へ、即ち、点火プラグ3
側へ輸送することができることによって、かかる中負荷
以上で回転数がある程度低く、噴射終了時期が極端に点
火時期に近づかない運転条件ではプラグ周辺においては
比較的弱い成層状態の不均一として、一方、燃焼室全体
を巨視的にみれば吸気行程噴射に比べ、キャビティ燃焼
室への燃料付着を誘発することなく、混合気が比較的不
均一化される為に耐ノック特性が大幅に向上して出力を
高めることができる。
【0061】また、ターボチャージャー16を備えた機
関では前述の噴射時期制御と併せて過給運転することに
よって、圧縮行程初期でも筒内圧力がより高められてい
る状態下で燃料噴射を行うため大幅なペネトレーション
(燃料貫徹力)減が見込まれ、従って、非過給時に較べ
てシリンダボア周面やピストン冠面への噴霧燃料の衝突
が軽減され、スモークや未燃HCを低減できてより一層
出力を高めることができる。
【0062】また、中負荷以上の低回転と高回転との回
転変化域では、燃料の要求噴射量の一部を吸気行程中に
噴射するようにしてあるため、燃料を圧縮行程初期に噴
射する前に弱い成層状態の混合気分布を予め形成でき
て、その上に圧縮行程初期噴射による混合気を分布させ
ることができるため、混合気分布の最下層が空気のみと
なることがなく該回転変化域での燃焼性を良好にするこ
とができることと併せて、着火時に混合気分布の下層側
へ火焔伝播する過程で、火焔中に生じるスモークを最下
層の混合気の燃焼により燃焼消滅させることができて耐
ノック特性を向上することができ、従って、前記回転変
化域での出力の向上を図ることができると共に、低回転
と高回転の変化時におけるトルクショックを無くすこと
ができる。
【0063】更に、この回転変化域を含めて低回転中負
荷以上の運転中に万一ノッキングが発生した場合には、
本来、ノッキング抑制効果のある圧縮行程初期噴射を継
続して、かつ、最も効果のあるノッキング回避策である
点火時期の遅角制御を行うため、耐ノック特性をより一
層向上することができる。
【0064】しかも、この回転変化域を含めて低回転中
負荷以上の運転域では、可変バルブタイミング装置25
によって吸,排気弁8,10のバルブオーバーラップを
拡大するため、排気の掃気効果が得られて実充填効率が
向上し、出力をより一層高めることができる。なお、動
弁系については電磁駆動弁(スロットル弁なし)方式に
よるバルブオーバラップ、リフトの制御方法を適用して
も良い。
【0065】特に、前記回転変化域では燃料の要求噴射
量の一部を吸気行程中に噴射するようにしてあるから、
前記バルブオーバーラップを拡大することによって(負
荷が高いと残留ガス量は少ししか増えずそれにも増して
新気流入による排ガスの掃気効果が増す)、実充填効率
が向上して出力増が図れる他、燃料の要求噴射量の一部
を吸気行程中に噴射することで燃料の気化熱による吸気
冷却効果によって耐ノック特性が向上することと、圧縮
行程初期噴射により混合気の不均一性を形成することに
よって耐ノック特性が向上することとの相乗効果が得ら
れて、出力をより一層高めることができる。
【0066】また、エンジンが暖機未完了状態では燃料
の気化時間は長くなるが、このような暖機未完了状態で
は低回転中負荷以上の運転条件であっても燃料噴射弁5
の噴射時期を吸気行程噴射に制御するため、点火プラグ
3の燃料被りによるくすぶりを回避することができる。
【0067】なお、前記実施形態ではターボチャージャ
ー付きのエンジンを例示したが、過給機能のないエンジ
ンに適用して前述と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における筒内噴射式火花点
火機関のシステム構成図。
【図2】同実施形態における可変動弁機構の説明図。
【図3】同実施形態におけるスモーク濃度−噴射時期の
相関を示す説明図。
【図4】同実施形態における低回転域での噴射時期の変
化の様子を示す説明図。
【図5】同実施形態における制御システムのフローチャ
ート。
【図6】図5のフローチャートにおける点火時期制御処
理を行わせるフローチャート。
【図7】同実施形態における噴射制御マップ。
【図8】同実施形態における過給運転を判別するための
マップ。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダヘッド 3 点火プラグ 4 燃焼室 5 燃料噴射弁 6 ピストン 8 吸気弁 10 排気弁 17 エンジンコントロールユニット 25 可変動弁機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁
    と、点火プラグと、ピストン冠面にキャビティ燃焼室と
    を備え、低負荷域で圧縮行程後期に燃料を噴射させて成
    層燃焼を行わせると共に、高負荷域で吸気行程中に燃料
    を噴射させて均質燃焼を行わせるようにした筒内噴射式
    火花点火機関において、前記燃料噴射弁の噴射時期を低
    回転中負荷以上の運転域で噴射終了時期が圧縮行程初期
    となるように設定したことを特徴とする筒内噴射式火花
    点火機関。
  2. 【請求項2】 低回転中負荷以上の運転域が過給運転を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式火花
    点火機関。
  3. 【請求項3】 中負荷以上の低回転と高回転との回転変
    化域で、燃料の要求噴射量の一部を吸気行程中に噴射す
    るようにしたことを特徴とする請求項1,2に記載の筒
    内噴射式火花点火機関。
  4. 【請求項4】 暖機未完了状態では燃料噴射弁の噴射時
    期を吸気行程噴射とするようにしたことを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の筒内噴射式火花点火機関。
  5. 【請求項5】 低回転中負荷以上の運転中におけるノッ
    キング発生時に、点火プラグの点火時期を遅角するよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
    筒内噴射式火花点火機関。
  6. 【請求項6】 低回転中負荷以上の運転域で、可変動弁
    機構により吸排気弁のバルブオーバーラップを拡大する
    ようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
    載の筒内噴射式火花点火機関。
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