JPH1117294A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

配線基板およびその製造方法

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JPH1117294A
JPH1117294A JP16864197A JP16864197A JPH1117294A JP H1117294 A JPH1117294 A JP H1117294A JP 16864197 A JP16864197 A JP 16864197A JP 16864197 A JP16864197 A JP 16864197A JP H1117294 A JPH1117294 A JP H1117294A
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Japan
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sintered body
crystal phase
green sheet
void diameter
less
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JP16864197A
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Masamitsu Onitani
正光 鬼谷
Kazuyoshi Kodama
和善 児玉
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高誘電率でかつ高強度を有し、且つ量産時にお
いても強度のバラツキが小さい配線基板とその製造方法
を提供する。 【解決手段】少なくともSiO2 、Al2 3 、Mg
O、ZnOおよびB2 3を含有する結晶性ガラス粉末
と、ZrO2 を含有するセラミックフィラーとの混合物
に、溶解度パラメータが8.5〜11.0のアクリル系
バインダーと、有機溶媒とを添加混合して調製したスラ
リーを用いてグリーンシートを作製した後、該グリーン
シートに導電性ペーストを印刷し、800℃〜1000
℃の温度で焼成して、絶縁基板が、ZrO2 結晶相と、
スピネル型結晶相と、SiO2 −Al2 3 −RO
(R:アルカリ金属)系結晶とを含み、且つ平均ボイド
径が10μm以下、最大ボイド径が15μm以下の焼結
体からなる配線基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を収納
するためのパッケージや、多層配線基板などに用いられ
る配線基板と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、高度情報化時代を迎え、情報伝搬信
号は、より高速化・高周波化が進行する傾向にある。自
動車電話やパーソナル無線等の移動無線、衛星放送、衛
星通信やCATV等のニューメディアでは、機器のコン
パクト化が推し進められており、これに伴い誘電体共振
器等のマイクロ波用に対しても小型化が強く望まれてい
る。
【0003】このようなマイクロ波用回路素子の大きさ
は、使用電磁波の波長が基準となる。比誘電率εrの体
中を伝搬する電磁波の波長λは、真空中の伝搬波長をλ
0 とするとλ=λ0 /(εr)1/2 となる。従って回路
素子は使用される回路基板の誘電率が大きいほど小型に
なる。
【0004】さらに、多層回路基板に種々の電子部品や
入出力端子等を接続する工程上で基板に加わる応力から
基板が破壊したり欠けを生じたりすることを防止するた
めに材料の機械的強度が高いことも要求されている。
【0005】よって、上述した高誘電率化および高強度
化等の要求を満足する為、例えば、特開平9−2055
3号公報に示すように、焼結体中の結晶相として、高誘
電率化の目的でCa、Srの少なくとも1種、Alおよ
びSiを含む複合酸化物結晶相と、ZrO2 相と、ペロ
ブスカイト相と、さらに高強度化の目的でスピネル型結
晶相を析出させることにより、高誘電率かつ高強度であ
り、導体配線と同時焼成が可能な回路基板が提案されて
いる。これは800℃〜1000℃で焼成されるために
低抵抗の内部配線が施された多層回路基板を得ることが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−20553号公報に開示されるような、ZrO2
晶相やスピネル型結晶相を含有するガラスセラミック焼
結体は、高誘電率化と同時に、高強度化が達成できる点
では優れるものの、量産時においては、強度としての最
大値では、25kg/mm2 以上が達成できるが、同時
に、強度のバラツキが発生しやすく、同一ロット内また
はロット間において、強度の最小値が20kg/mm2
よりも小さく、量産時の歩留りが大きく低下するという
問題があった。
【0007】この原因について検討を重ねた結果、焼結
体中において、ボイドが多数存在し、このボイドが破壊
源となり、強度の最小値を下げる大きな要因となってい
るものと推察された。
【0008】従って、本発明は、高誘電率でかつ高強度
を有し、且つ量産時においても強度のバラツキが小さい
配線基板を提供することを目的とするものである。
【0009】また、本発明は、焼結体の組成を格別変え
ることなく、製造工程において、高誘電率、高強度を有
するとともに、低ボイドの配線基板を製造することので
きる製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して検討を重ねた結果、絶縁基板の強度のバラツキ
を抑制する上では、焼結体の平均ボイド径と最大ボイド
径を小さくことが重要であること、また、このボイド径
は、焼成前のグリーンシート中でのボイドに起因するこ
と、グリーンシート中のボイドを小さくするためには、
セラミック原料粉末の分散性を向上させ、そのためにバ
インダーの溶解度パラメータを所定範囲に制御すること
により、グリーンシート中の粒子間の空隙を小径化する
とともに、焼結後においてボイド径および最大ボイド径
を小さくでき、その結果、基板の強度バラツキを小さく
できることを見出し本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の配線基板は、少なくともS
i、Al、Mg、Zn、B(ホウ素)およびZrを含有
するガラスセラミック焼結体からなる絶縁基板と、配線
導体層とを具備する配線基板であって、該焼結体が、Z
rO2 結晶相と、スピネル型結晶相と、SiO2 −Al
2 3 −RO(R:アルカリ金属)系結晶とを含み、且
つ平均ボイド径が10μm以下、最大ボイド径が15μ
m以下であることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の配線基板の製造方法は、S
iO2 、Al2 3 、MgO、ZnOおよびB2 3
含有する結晶性ガラス粉末と、ZrO2 を含有するセラ
ミックフィラーとの混合物に、溶解度パラメータが8.
5〜11.0のアクリル系バインダーと、有機溶媒とを
添加混合して調製したスラリーを用いてグリーンシート
を作製した後、該グリーンシートに導電性ペーストを印
刷し、800℃〜1000℃の温度で焼成することを特
徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の配線基板は、絶縁基板
と、配線導体層とを具備するものであるが、絶縁基板と
して、少なくともSi、Al、Mg、Zn、B(ホウ
素)およびZrを含有するとともに、結晶相として、Z
rO2 結晶相、スピネル型結晶相およびSiO2 −Al
2 3 −RO(R:アルカリ金属)系結晶とを含むこと
が重要である。ここで、焼結体中にZrO2 結晶相を析
出させることにより、焼結体の誘電率を高めることがで
きる。また、ZrO2 結晶相とスピネル型結晶相とを析
出させることにより、特に、スピネル型結晶相がガラス
のネットワークを補強する形態で存在するため焼結体の
機械的強度を高めることができる。さらに、SiO2
Al2 3 −RO(R:アルカリ金属)系結晶相を析出
させることにより、焼結体中のガラス(非晶質)量を低
減でき、焼結体の強度を向上させることができる。ま
た、本発明によれば、焼結体を構成する結晶相として
は、上記以外に、ペロブスカイト型結晶相を析出させる
ことが望ましく、これにより、焼結体の誘電率をさらに
向上させることができる。
【0014】なお、SiO2 −Al2 3 −RO(R:
アルカリ金属)系結晶相としては、アノーサイト型結晶
相、スラウソナイト型結晶相等が挙げられる。
【0015】また、本発明によれば、上記焼結体の平均
ボイド径が10μm以下、特に7μm以下であり、さら
に最大ボイド径が15μm以下、特に12μm以下であ
ることが重要である。この平均ボイド径が10μmより
も大きい、あるいは最大ボイド径が15μmよりも大き
いと、いずれの場合においても焼結体の抗折強度のバラ
ツキが大きくなり、量産時の強度のバラツキによる歩留
りが大きく低下するためである。
【0016】また、上記の絶縁基板の表面および/また
は内部に形成される配線導体層は、絶縁基板と同時焼成
により形成されたものであることが望ましく、かかる観
点から、導体材料としては、銅、銀、金等から構成され
ることが望ましい。
【0017】本発明の配線基板を作製するには、まず、
グリーンシートを作製する。グリーンシートは、出発原
料として、少なくともSiO2 、Al2 3 、MgO、
ZnOおよびB2 3 を含有する結晶性ガラス粉末と、
少なくともZrO2 を含むフィラー成分を混合する。こ
の時、結晶性ガラス粉末は、30〜75重量%、特には
40〜65重量%、フィラー成分は、25〜70重量%
の割合で配合する。ZrO2 を含むフイラー成分として
は、ZrO2 粉末や、CaZrO3 などのペロブスカイ
ト型化合物が望ましい。他には、誘電率の向上に対し
て、SrTiO3等を添加することが望ましい。好適な
フィラー成分としては、Zr酸化物とCa酸化物あるい
はCaZrO3 を酸化物換算による合量で15〜69重
量%、特に10〜50重量%、Sr酸化物とTi酸化物
あるいはSrTiO3 等の化合物を全量中1〜41重量
%、特に10〜25重量%、さらには、Al2 3 を0
〜5重量%、特に0.5〜3重量%の割合になるように
混合するのがよい。
【0018】これらのフィラー成分としては、各金属の
酸化物粉末や、焼結過程で酸化物を形成し得る炭酸塩、
硝酸塩、酢酸塩等の形態でも添加できる。なお、CaZ
rO3 を使用する場合、結晶性ガラスとの反応性を高め
る上で、1.5μm以下、特に1.0μm以下の微粉末
であることが望ましい。
【0019】また、フィラー成分であるZrO2 は、Y
2 3 等の安定化剤を添加して正方晶ZrO 2あるいは
立方晶ZrO2 の形態で添加することが望ましい。これ
は単斜晶ジルコニアの場合、温度によって相変態し、こ
れに伴って生じる体積変化により基板にクラック等が発
生するからである。
【0020】更に、SrおよびTiの酸化物を添加して
ペロブスカイト型結晶相を焼結体中に分散させることに
より、さらに高い誘電率を得ることができると同時に、
静電容量の温度依存性も低減できる。かかる観点からこ
の酸化物粉末は、1.5μm以下、特に1.0μm以下
の微粉末であることが望ましい。
【0021】更に、出発原料としてSiO2 、Al2
3 、MgO、ZnO、B2 3 系結晶性ガラス、言い換
えればAl2 3 とMgOを含有するホウケイ酸亜鉛系
ガラスを用いるのは、これによりスピネル型結晶相が析
出し、この結晶相がガラスのネットワークを補強する形
態で存在し、高強度の焼結体を得ることができるからで
ある。
【0022】また、上記の結晶性ガラスとフィラーとの
比率を上記の範囲としたのは、ガラス量が30重量%よ
り少ない場合、つまりフィラー量が70重量%よりも多
い場合、焼結体の緻密化温度が1000℃よりも高くな
り銅等の導体を配線回路層として同時焼成することがで
きず、ガラス量が75重量%より多い、言い換えればフ
ィラー量が25重量%よりも少ないと、焼結体の抗折強
度が低下するためである。
【0023】本発明によれば、焼結体中のボイドを小さ
くするためには、グリーンシートにおいてボイドが小さ
いことが必要であり、グリーンシートのボイドを小さく
するためには、グリーンシートを作製する時に用いるス
ラリーにおいて、セラミック原料粉末が均一に分散して
おり、スラリー中で粉末が凝集したり、ゲル化していな
いことが必要である。
【0024】通常、ガラス粉末はその特性上、粉砕工程
によりブロードな粒径分布を持つ場合が多く、粉末の比
表面積もセラミック粉末と比較し大きな値を持つ。粉末
の比表面積に比例して粉末の表面吸着水量も増大する。
このような混合粉末をベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族系などの有機溶剤中に均一に分散せしめる為に
は、粉末に吸着した極微量の表面吸着水(水の溶解度パ
ラメーター:23.4)と溶剤の相溶性を考慮する必要
がある。
【0025】本発明によれば、かかる観点から、上記の
組成からなるセラミック原料粉末に対して、有機樹脂か
らなるバインダーと、溶剤とを添加して混合してスラリ
ーを調製するにあたり、用いる有機バインダーとして、
溶解度パラメータが8.5〜11.0、特に、9.4〜
10.2のアクリル系バインダーを用いることが重要で
ある。
【0026】つまり、有機バインダーの溶解度パラメー
ターが8.5よりも低い場合には、バインダーとセラミ
ック原料粉末の濡れ性が悪くスラリー中で原料粉末が分
離し、その結果、グリーンシート中に大きなボイドが形
成され、焼結体中においてボイドが大きくなってしま
う。また、溶解度パラメーターが11.0を越える場合
には、溶剤とバインダーの相溶性が低下しスラリーがゲ
ル化してしまい、同様に、グリーンシートおよび焼結体
中のボイドを大きくしてしまう。
【0027】また、前記アクリル系バインダーは、熱分
解性に優れており、これにより残留炭素分によりボイド
の発生等を抑制できる。このアクリル系バインダーとし
ては、主骨格が熱分解性の高いメタクリル酸エステルモ
ノマーの重合体からなる、ポリメタクリル酸エステル樹
脂からなることが望ましい。これは焼結過程において残
留する炭素を低減させる為である。炭素の存在は基板の
色調に悪影響を及ぼすばかりでなく、焼成時にガス化し
ボイドの増加並びにボイド径の増大をもたらし抗折強度
低下、およびバラツキが増大する結果となる。さらに焼
結体の緻密化を阻害し、誘電率の低下をもたらすためで
ある。
【0028】また、ポリメタクリル酸エステル樹脂中の
官能基として、カルボキシル基、水酸基、長鎖の水酸
基、アミド基および環状エーテルのうちの少なくとも1
種を含むことが望ましい。これは有機バインダーとセラ
ミック原料粉末をより強固に吸着させ、スラリー中にお
ける粉末の分散性を高める作用をなす。特に、カルボキ
シル基が粉末との吸着力が強いため、少量でスラリー中
における粉末の凝集や溶媒との分離を抑制できる点で最
も望ましい。
【0029】官能基としてカルボキシル基を用いた場
合、バインダー中において、0.11〜1.76mol
%、特には0.22〜1.32mol%の割合で存在す
ること望ましい。官能基量が0.11mol%未満の場
合にはバインダーと原料粉末の吸着が十分に起こらずス
ラリー中において原料粉末の分離現象が生じやすくな
り、これに伴い、グリーンシート中の空隙が増加し、同
様に焼結体中にも粗大ボイドが残存しやすくなるためで
ある。一方、上記官能基量が1.76mol%よりも多
いと、カルボニル、あるいは無機粉末中に不純物として
含まれる金属成分と反応した金属カルボニル錯体を形成
し、スラリーのゲル化を引き起こしやすくなると同時
に、焼結体中に残留する炭素量が多くなり粗大ボイドを
形成しやすくなる。
【0030】その他の官能基においては0.44mol
%以上、特には0.88mol%以上が望ましい。0.
44mol%未満の場合には、カルボキシル基と同様ス
ラリー中の原料粉末が分離しやすく、またカルボキシル
基のように上限が存在しないのはカルボニル錯体のよう
なスラリーのゲル化を引き起こす反応が進行しないか、
あるいは反応速度が遅い為である。
【0031】なお、セラミック原料粉末100重量部に
対して、有機バインダーは8〜16重量部、有機溶剤
は、30〜60重量部の割合で添加混合することが望ま
しい。
【0032】また、スラリー中には、上記以外にDB
P、DOP、DOA、DMA、BBPなどの可塑剤を3
〜7重量部の割合で添加するのが望ましい。
【0033】上記のような割合で添加混合したセラミッ
ク原料粉末と、有機バインダーおよび有機溶剤をボール
ミルなどを用いて十分に混合してスラリーを調製した
後、このスラリーを用いて、グリーンシートに成形す
る。グリーンシートの成形は、公知のテープ成形法、例
えばドクターブレード法、圧延法等に従い作製される。
【0034】配線基板を作製する上では、上記のように
して作製したグリーンシートの表面に、銅、銀、金など
の金属粉末を含む導体ペーストを回路パターンに印刷す
る。
【0035】また、所望により、グリーンシートにビア
ホールを形成して、ホール内に導体ペーストを充填して
ビアホール導体を形成する。そして、それらの配線導体
層やビアホール導体を形成したグリーンシートを複数層
積層した後に脱バインダー処理し、そして同時焼成す
る。
【0036】脱バインダー処理は、前記有機バインダー
が分解する温度にて行われ、本発明のようなアクリル系
バインダーにおいては、600〜800℃の湿潤窒素雰
囲気で0.5〜3時間程度行うのが望ましい。
【0037】同時焼成は、窒素あるいはアルゴンなどの
非酸化性雰囲気中において800〜1000℃で1〜5
時間焼成することにより、絶縁基板としての焼結体中の
平均ボイド径を10μm以下、最大ボイド径を15μm
以下に制御できるとともに、機械的強度が高く、かつ強
度のバラツキの小さい基板が得られるものである。
【0038】この時の焼成温度が800℃より低いと焼
結体が十分に緻密化せず、1000℃より高い場合に
は、銅などの低抵抗かつ低融点の金属導体を用いること
が出来なくなり、さらには高誘電率化に寄与するZrO
2 成分が分解し、低誘電率のジルコン相が生成され、比
誘電率が低下するためである。
【0039】
【実施例】
実施例1 平均粒径が3.2μmのSiO2 44重量%、Al2
3 29重量%、MgO11重量%、ZnO7重量%、B
2 3 9重量%の組成からなる結晶化ガラス粉末と、C
aZrO3 粉末、SrTiO3 粉末、さらにアルミナ粉
末を用いて、表1の組成に従い、秤量混合した。
【0040】また、この混合粉末100重量部に対し、
ポリメタクリル酸イソブチルを主鎖として、官能基とし
て0.77モル%のカルボキシル基を有する溶解パラメ
ータが9.4のアクリル系バインダーを12重量部、可
塑剤としてジブチルフタレートを6重量部、溶剤として
トルエンを50重量部添加し、ボールミルで48時間混
合し、得られたスラリーをドクターブレード法により
0.3mmの厚さに成形した。得られたグリーンシート
を所定の厚みになるように積層圧着し、750℃の湿潤
窒素雰囲気中で脱バインダーした後、乾燥窒素雰囲気
中、900℃で焼成しガラスセラミック焼結体を得た。
【0041】得られた焼結体について抗折強度、誘電
率、ボイド径分布を以下の方法で評価した。抗折強度
は、試料形状を長さ70mm,厚さ3mm,幅4mmと
し、JIS−C−2141の規定に準じて3点曲げ試験
を行った。なお、各試料につき、20個の測定を行い、
その強度の最大値と最小値を表1に示した。また、誘電
率は試料形状 直径50mm、厚み1mmの試料を切り
出し、ネットワークアナライザー、シンセサイズドスイ
ーパーを用いて空洞共振器法により測定した。測定で
は、サファイヤを充填した円筒空洞共振器の間に試料を
挟んで測定した。ボイド径は、焼結体を内部まで研磨し
た後、画像解析により平均値と最大ボイド径を評価し
た。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から、焼結体中にZrO2 結晶
相、スピネル型結晶相およびアノーサイトやスラウソナ
イトなどのSiO2 −Al2 3 −RO(R:アルカリ
金属)系結晶が析出し、且つ平均ボイド径が10μm以
下、最大ボイド径が15μm以下の試料は、いずれも誘
電率が9.0以上で、強度が最大値で25kg/mm2
以上、最小値と最大値の差が5kg/mm2 以内とばら
つきの小さいものであった。
【0044】これに対して、焼結体における平均ボイド
径が10μmを越えたり、最大ボイド径が15μmを越
える試料No.11、13、14では、いずれも最大強度
や誘電率が低く、また、強度差も5kg/mm2 を越え
るものであり、特性のばらつきの範囲が大きくなること
がわかった。
【0045】実施例2 実施例1において試料No.12の組成物を用い、有機バ
インダーとして、官能基としてカルボキシル基を0.7
7モル%含有し、溶解度パラメータが7.4〜11.5
の種々のポリメタクリル酸エステルを用いる以外は、全
く実施例1と同様にして焼結体を作製した。
【0046】そして、作製した焼結体に対して、実施例
1と同様な方法により、抗折強度、誘電率、ボイド径分
布を評価し、その結果を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果から明らかなように、バインダ
ーのパラメータは、焼結体のボイド径と抗折強度と相関
があり、パラメータが8.5よりも小さい試料No.1
6,18では、ボイドの平均径および最大径が大きく、
その結果、抗折強度の最大値は25kg/mm2 以上で
あっても、最小値との差が9kg/mm2 と強度のバラ
ツキの範囲が大きくなることがわかる。また、パタメー
タが11よりも大きい試料No.25でも同様に、平均ボ
イド径が大きくなり、その結果、強度のバラツキ幅が8
kg/mm2 と大きくなった。
【0049】これに対して、パラメータを8.5〜11
の範囲に制御した本発明品は、いずれも平均ボイド径が
10μm以下、最大ボイド径が15μm以下であり、最
大抗折強度が25kg/mm2 以上、最小抗折強度との
差が5kg/mm2 以下と強度のバラツキ幅が小さいも
のであった。
【0050】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の配線基板
によれば、絶縁基板として、高い誘電率を有し、しかも
量産時において強度のバラツキを小さくできることか
ら、歩留りの向上を図ることができ、マイクロ波用回路
素子等において小型化が可能となり、さらに、基板材料
の強度の向上、安定化により入力端子部に施されるリー
ドの接合や実装における基板の信頼性を向上できる。し
かも、800〜1000℃で焼成できる為、Au、A
g、Cu等による導体配線を同時焼成により形成するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともSi、Al、Mg、Zn、B
    (ホウ素)およびZrを含有するガラスセラミック焼結
    体からなる絶縁基板と、配線導体層とを具備する配線基
    板であって、該焼結体が、ZrO2 結晶相と、スピネル
    型結晶相と、SiO2 −Al2 3 −RO(R:アルカ
    リ金属)系結晶とを含み、且つ平均ボイド径が10μm
    以下、最大ボイド径が15μm以下であることを特徴と
    する配線基板。
  2. 【請求項2】少なくともSiO2 、Al2 3 、Mg
    O、ZnOおよびB2 3 を含有する結晶性ガラス粉末
    と、ZrO2 を含有するセラミックフィラーとの混合物
    に、溶解度パラメータが8.5〜11.0のアクリル系
    バインダーと、有機溶媒とを添加混合して調製したスラ
    リーを用いてグリーンシートを作製した後、該グリーン
    シートに導電性ペーストを印刷し、800℃〜1000
    ℃の温度で焼成することを特徴とする配線基板の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6572955B2 (en) * 2000-04-27 2003-06-03 Kyocera Corporation Ceramics having excellent high-frequency characteristics and method of producing the same
US6605554B1 (en) * 1997-08-11 2003-08-12 Colorobbia Italia S.P.A. Glass-ceramics process for their preparation and use
JP2008109053A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Kyocera Corp ガラスセラミック多層回路基板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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