JPH11172701A - 石積壁体の構築工法 - Google Patents

石積壁体の構築工法

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JPH11172701A
JPH11172701A JP35247497A JP35247497A JPH11172701A JP H11172701 A JPH11172701 A JP H11172701A JP 35247497 A JP35247497 A JP 35247497A JP 35247497 A JP35247497 A JP 35247497A JP H11172701 A JPH11172701 A JP H11172701A
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Morihito Nagare
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートによって一体化される石積壁体
を、それが大規模なものであっても、特別な熟練を要す
ることなく簡易に構築可能とし、工期の短縮及び施工コ
ストの低減を図る。 【解決手段】 支柱9を所要間隔で立設して後、隣り合
う支柱の対向する係合溝10,10に、型板26の両端
部分を嵌め入れ、積重された所要段数の型板によって、
所定高さの型枠1を形成する。この型枠1の裏面に沿っ
て石3を積み上げる。その際、石3と型枠1との間に形
成された隙間に充填材を充填する。設置した石3を固定
網5により型枠1に固定状態に保持させる。前記型枠1
と、それに対向して立設した型枠との間にコンクリート
を打設する。コンクリート硬化後、固定網5と型枠1と
の固定状態を解除して、型枠1を取り外す。且つ石と型
枠との間に詰まっていた前記充填材を排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートによ
って一体化される石積壁体を、それが大規模なものであ
っても、特別な熟練を要することなく簡易に構築でき、
その工期の短縮及び施工コストの低減を達成せしめる石
積壁体の構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】何段にも積み上げた石をその裏側におい
てコンクリート壁部に一体化せしめてなる石積壁体を構
築する従来の一般的な構築工法は次のようであった。
【0003】まず、石積壁体の構築部位に設けたコンク
リート基礎上に石を一段並置し、その際、石の表側の積
み上げ面が略面一状態となるように面を合わせ、然る
後、石列と、その裏側に所要間隔を隔てて立設された型
枠或いは既設のコンクリート壁体との間にコンクリート
を打設して石間の隙間にコンクリートを充填し、数日間
放置してコンクリートを硬化させた後、前記石列上に二
段めの石を積み上げ、その際、石の表側の面が上下方向
及び列の長さ方向について面一状態となるように十分注
意を払い、前記と同様にして、二段目の石列の裏側にコ
ンクリートを打設して石間の隙間にコンクリートを充填
し、その後数日間放置してコンクリートを硬化させ、こ
れを繰り返して順次石を積み上げ、石積壁体を構築して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして石積壁体を構築する場合には次のような問題が
あった。(1) 石を積み上げる際、石の表側の積み上げ面
(仕上げ面)が、略面一の平面や湾曲面に正しく仕上が
るように積み上げ面を注意深く観察しながら一つ一つの
石を安定的に積み上げなければならず、その施工には相
当の熟練を要し、且つ石の積み上げに多大の手間と時間
を要した。
【0005】(2) 又、石を単に積み上げた状態で石の裏
側にコンクリートを打設していたため、石積み部分が不
安定であって、バイブレータを用いてコンクリートを締
め固めることができなかった。従って緻密なコンクリー
トの打設が困難であり、石間に空隙が生じやすく、長期
間の内にこの空隙に水が侵入してコンクリートの剥離を
招く恐れがあり、石積壁体が構造的に不安定化しやすい
問題があった。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決し得ると共
に大規模な石積壁体であっても簡易に構築可能とする石
積壁体の構築工法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る
石積壁体の構築工法(以下構築工法という)は、支柱を
所要間隔で立設して後、隣り合う支柱の対向側に形成さ
れた上下方向に延びる係合溝に、型板の両端部分を夫々
嵌め入れ、この型板を所要段数に積重することによって
所定高さの型枠を立設状態に形成する。そして、該立設
した型枠の裏面に沿って石を積み上げ、この石を型枠に
保持させるに際し、設置した石と型枠との間に形成され
た隙間に粒状の充填材を充填する工程と、所要幅及び所
要高さ分の石(一個の石又は複数個の石)をひとまとま
りとして、これに固定網を被せ、該固定網の縁部或いは
中間部の所要部位を型枠に固定せしめ、該固定網により
石を型枠に固定状態に保持せしめる工程とを含むものと
する。その後、前記型枠と、設置した石を挟むように該
型枠に対向して立設せしめられた型枠との間にコンクリ
ートを打設し、該コンクリートの硬化後、前記固定網と
前記型枠との固定状態を解除して型板を取り外すと共
に、石と型枠との間の隙間に詰まっていた前記充填材を
排除することを特徴とするものである。
【0008】前記支柱はH形鋼を以って構成し、この支
柱を、その開放した係合溝が対向するように所要間隔で
立設するのがよい。
【0009】又支柱を立設状態とするに際し、最下段の
石が載る基礎部に突設され且つ先端部分がネジ軸部とさ
れたアンカー軸を、支柱の下端側に設けた挿通孔に貫通
せしめ、前記ネジ軸部にナットを螺合し締め付けること
によって該支柱とアンカー軸とを一体化させるのがよ
い。
【0010】この場合、前記挿通孔は、支柱の長さ方向
に長い長孔として形成し、支柱下端を支点として支柱を
適宜の回動状態とすると共に、前記長孔の所定位置に前
記ネジ軸を位置させ、前記ネジ軸部にナットを螺合し締
め付けて支柱とアンカー軸とを一体化させることによ
り、前記支柱を、垂直立設状態や所要に傾いた傾斜立設
状態に設定可能とするのがよい。
【0011】又この場合、支柱に設けた挿通孔を挿通し
たネジ軸部の、挿通孔の両端側に螺合した両ナットを締
め付けて該両ナットにより支柱を挟着し、これによって
支柱を立設状態にするのがよい。
【0012】又この場合、支柱を貫通するように設けた
挿通孔を挿通したネジ軸部の、挿通孔の両端側に螺合し
た両ナットを締め付けて該両ナットにより支柱を挟着
し、これによって支柱を、垂直状態や所要に傾いた傾斜
状態で立設するに際し、支柱とナットとの間に、前記ネ
ジ軸部が挿通し得る透孔を有し且つ対向する面の一方が
他方の面に対して傾斜した調整板を介在させ、該調整板
の対向する面を、支柱とナットに当接させ、該調整板の
前記傾斜する面の角度に応じて、垂直面内における支柱
の立設状態を所要に設定可能とするのがよい。
【0013】前記各構築工法において、係合溝に嵌め入
れられた型板の端部分の厚さが該係合溝の溝幅よりも小
さい場合、積み重ねられた複数の型板の前記端部分に押
圧板を当接させ、この押圧板を、押圧具により、係合溝
の内側(石積部側)の溝壁に向けて押圧するのがよい。
【0014】又前記各構築工法において、連続した積み
上げ状態にある所要本数の型板につき、その型板を長さ
方向で3分割して左右の端部型板と中間型板とし、対向
する支柱の係合溝に挿入状態にある前記左右の端部型板
間に前記中間型板を介在させ、該端部型板と中間型板と
を、型板の外側(石積部側と反対側)から分離操作可能
に接合し、該分離操作を経て前記所要本数の型板を支柱
から取り外すことにより、積重された型板列の中間部分
に開口部を形成可能とし、この開口部を通し、積重され
ている型板を斜めにしてこれを隣り合う支柱から取り外
し可能とするのがよい。
【0015】又前記各構築工法において、連続した積み
上げ状態にある所要本数の型板につき、その型板を長さ
方向で3分割して左右の端部型板と中間型板とし、対向
する支柱の係合溝に挿入状態にある前記左右の端部型板
間に前記中間型板を介在させ、該端部型板と中間型板と
を、型板の外側(石積部側と反対側)から取り外し可能
に螺合されたボルトを用いて分離可能に接合し、該ボル
トを外して前記所要本数の型板を支柱から取り外すこと
により、積重された型板列の中間部分に開口部を形成可
能とし、この開口部を通し、積重されている型板を斜め
にしてこれを隣り合う支柱から取り外し可能とするのが
よい。
【0016】又前記各構築工法において、連続した積み
上げ状態にある所要本数の型板につき、その型板を長さ
方向で2分割して左右の分割型板とし、対向する支柱の
係合溝に挿入状態にある前記左右の分割型板を伸縮可能
且つ所定長さで固定可能とし、該分割型板を縮小させる
操作を経て前記所要本数の型板を支柱から取り外すこと
により、積重された型板列の中間部分に開口部を形成可
能とし、この開口部を通し、積重されている型板を斜め
にしてこれを隣り合う支柱から取り外し可能とするのが
よい。
【0017】又前記各構築工法において、連続した積み
上げ状態にある所要本数の型板につき、その型板を長さ
方向で2分割して左右の分割型板とし、対向する支柱の
係合溝に挿入状態にある前記左右の分割型板の内端部分
相互を挿入状態に係合させ、該分割型板を、その型板端
部分が前記係合溝内に更に押し込まれる方向に移動させ
ることにより、該両分割型板の前記係合を解除可能と
し、該係合解除操作を経て前記所要本数の型板を支柱か
ら取り外すことにより、積重された型板列の中間部分に
開口部を形成可能とし、この開口部を通し、積重されて
いる型板を斜めにしてこれを隣り合う支柱から取り外し
可能とするのがよい。
【0018】前記各構築工法において、隣り合う支柱
の、高さ方向の中間部分相互を連結杆で着脱可能に連結
することにより、支柱間の間隔を一定に保持させるのが
よい。より好ましくは、隣り合う支柱の、高さ方向の中
間部分相互を連結杆で着脱可能に連結することにより、
支柱間の間隔を一定に保持せしめるものとし、その際、
前記連結杆の両端部を、支柱に突設した支持片に着脱可
能の係合状態で取り付け、これによって該連結杆の端部
と支持片とを一体化させるのがよい。
【0019】又前記各構築工法において、支柱の上下方
向の所要部位と、最下段の石が載る基礎部の所要部位と
を、斜め配置の支持用ワイヤ又は支持用鉄筋で連結し、
該支持用ワイヤ又は支持用鉄筋を張った状態にするのが
よい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本発明に係る構築工法の第1工程
は、図1〜3に示すように、立設した型枠1の裏面2に
沿って石3を積み上げ、この積み上げた石3を、固定網
5を用いて前記型枠1に保持させる工程である。そのた
めに、石積壁体6(図25)を構築すべき地盤に、連続
するコンクリート基礎部7を形成する。然る後、該コン
クリート基礎部7の外端の稍外側に位置させて、該基礎
部7の長さ方向に沿って支柱9を所要間隔で立設する。
【0021】前記支柱9は、図4〜5に示すように、本
実施の形態においてはH型鋼を以て構成してなり、この
支柱9を、図1に示すように、その開放した係合溝1
0,10が対向するように立設する。該支柱9は、その
下端11が地盤12に載った状態で、構築すべき石積壁
体6(図25)側に向けて稍傾斜した立設状態としてな
り、前記コンクリート基礎部7に固定されたアンカー軸
13を用いて、該傾斜した立設状態で固定されている。
【0022】該アンカー軸13は、図2、図4に示すよ
うに、前記コンクリート基礎部7の端面の上下中央部位
に埋設されたインサート15に螺合されて斜め上方に突
出しており、その先端側のネジ軸部16が、図4〜5に
示すように、前記支柱9の前後対向するフランジ17,
17に同心に穿設した上下に稍長い長孔19,19に挿
通せしめられる。そして、支柱9の傾斜状態を、前記長
孔19の長さの範囲で、支柱下端11を支点として所要
に設定し、且つアンカー軸13のネジ軸部16に螺合す
る挾持ナット20,20、20,20により各フランジ
17,17を挾着状態とし、これにより支柱9を、前記
アンカー軸13を介して、所要に傾斜した立設状態で固
定するのである。
【0023】なお支柱9の傾き状態は、図6(A)及び
図7に示すように、対向する面の一方21が他方の面2
2に対して傾斜した調節板23を介在させることによっ
て所要に調節できる。該調節板23は図6(B)に示す
ように、楔状をなす矩形板24aの中央部に、前記アン
カー軸13を挿通させる挿通孔24bが設けられてい
る。例えば図6(A)は、前記長孔19内におけるアン
カー軸13の位置調節と調節板23による支持によっ
て、支柱9を垂直状態でアンカー軸13に固定した状態
を示すものである。又図7は、傾斜する面21の角度が
異なる他の調節板23を用いて、支柱9を、外方向に傾
いた立設状態でアンカー軸13に固定した状態を示すも
のである。そして何れも、前記調節板23の対向する面
21,22が前記フランジ17と挾持ナット20とに当
接せしめられ、且つ該両挟持ナット20,20が締め付
けられている。
【0024】このように支柱9を立設した後、図8に示
すように、横断面が例えば縦長矩形状をなす角パイプ状
の型板26の両端部分27,27を、隣り合う支柱9,
9の対向側に形成された上下方向に延びる内外フランジ
間の係合溝10,10に嵌め入れ、該型板26を多段に
積重して、所定高さの前記型枠1を形成するのである。
【0025】なお前記支柱9は、本実施の形態において
は、図3、図9に示すように、単位長さの支柱部材3
0,30相互を連結することによって所定高さに設定さ
れる。該支柱部材30は、例えば5m長さに形成されて
おり、この連結によって形成される支柱9は、10〜2
0m程度の高さに延長されることもある。該連結の一態
様は、図9〜10に拡大して示す通りであり、前記支柱
部材30,30の連結端において、前側のフランジ外面
31に、L字状連結部材32の固定片33,33が溶接
される共に、その当接する上下突出片35,35の両側
部位相互を、連通するボルト孔36を挿通するボルト3
7とナット39とを用いて着脱可能に螺結する。又後側
のフランジ外面40には、連結突片41,41が突設さ
れ、該連結突片41,41相互を、連通するボルト孔4
2を挿通するボルト43とナット45とを用いて着脱可
能に螺結する。これらの螺結により、支柱部材30,3
0相互を一体的に連結し得る。
【0026】又本実施の形態においては、前記下側に位
置する支柱部材30aの上端のL字状連結部材32の入
隅側の両側に位置させて、斜め上方に開口するU字状欠
切部46が設けられた支持片47が溶接されている。
【0027】そして、所要間隔で立設状態にある支柱の
安定を確保するために、図1、図3に示すように、隣り
合う支柱9,9相互を連結杆49で連結することとして
いるのであるが、該連結杆49は、伸縮可能で所定長さ
に固定される円形パイプ状をなし、その両外端には、前
記支持片47に設けたU字状欠切部46の周縁部分50
と着脱自在に係合し得る環状係合溝51を有する連結部
52が設けられている。
【0028】かかる構成を有する連結杆49は、図11
〜12に示すように、左右一対の分割杆53,55を有
し、一方の分割杆53には、他方の分割杆55の中空の
端部分に挿入される繋ぎ軸56が突設されており、該繋
ぎ軸56に貫設した挿通孔57を、他方の分割杆55の
内端側の部分に小間隔で並列状態に貫設された挿通孔5
7の所要のものと位置合わせし、連通状態にある挿通孔
57にボルト59を挿通し且つナット60で締め付ける
ことにより、該連結杆49の長さを所要に設定可能とさ
れている。
【0029】前記型板26には次の三種類がある。第1
型板26aは、図13に示すように、全体が一体に形成
された角パイプ状なし、図8に示すように、前記係合溝
10の溝幅よりも小さい厚さを有するものである。又第
2型板26bは、図14〜15に示すように、前記第1
型板26aにおいて、その内面側に、前記固定網5を固
定するための取付環61を具えた取付部材62を螺合さ
せるためのネジ孔63が、型板の長さ方向に所要間隔で
並設されており、使用する固定網の大きさに合わせて選
択された所定のネジ孔63に取付部材62がネジ込み固
定されるものである。
【0030】そして第3型板26cは、図16〜17に
示すように、その長さ方向で3分割されており、両側の
分割型板65,65の内端部分にはボルト孔66,66
が貫設されている。又中間の分割型板67は、その両端
が両側の分割型板65,65の端部に密接状態で配置さ
れるものであり、その外面の両端部分には、前記ボルト
孔66と連通し得るボルト孔66が貫設された接合片6
9が突出状態で溶接されている。従って図18に示すよ
うに、合致したボルト孔66,66に外側よりボルト7
0を挿通すると共に、前記接合片67から突出するネジ
軸部71にナット72を螺合し締め付けることにより、
3分割型板65,65,67が一体的に接合され、前記
第1型板26aと同様の型板が構成される。なお該第3
型板26cにも、前記第2型板26bと同様にして、前
記取付部材62をネジ込み固定するためのネジ孔が並設
されることある。
【0031】前記のようにして積重された型板26は、
図19〜20に示すように、複数本例えば8本をひとま
とまりとして押圧部材73で押圧し、各型板26を支柱
9と一体化する。前記押圧部材73は、縦長に形成され
た矩形押圧板75の表面部に軸部76を上下並列状態に
突設してなり、該軸部76には、その軸線方向に長い固
定孔77が設けられている。各軸部76は、支柱9の外
側のフランジ17aに設けた挿通孔79に、外側に向け
て挿通せしめられ、外側のフランジ17aの内面側にお
いて前記固定孔77に押入された楔片80により、前記
矩形押圧板75が型板26を押圧した状態となり、これ
によって、型板26は支柱9に固定されることになる。
【0032】又前記固定網5は、例えば、漁網のような
丈夫な網素材を用いて正方形状に形成され、図1に示す
ように、その四隅部分の夫々に、固定紐81の一端を連
結してなる。該固定網5の一辺の長さは、ひとまとまり
の石(図1〜2においては比較的大きな1個の石)3の
裏側の表面略全体を覆うことができるように寸法設定さ
れている。例えば、1メートル四方のものに寸法設定さ
れている。
【0033】然して石の積み上げに際しては、図1〜3
に示すように、支柱9を所要間隔をおいて平行して立設
する。この支柱9の長さは、構築すべき石積壁体6(図
25)の全高さをカバーする長さに始めから設定するこ
との他、石の積み上げに合わせて前記支柱部材30を順
次連結して設定してもよい。
【0034】図1〜3は後者によっており、まず一本の
支柱部材30を、コンクリート基礎部7の端面から突出
するアンカー軸13とこれに螺合する挾持ナット20と
を用いて所定の傾斜角度で固定(図4)している。そし
て、立設支柱9の安定性を向上させるため、前記基礎部
の上面82と略面一の状態に埋め戻した土砂83中に、
支柱部材30の下端部分85を埋設することとしてい
る。このように立設された支柱9,9相互間の間隔を一
定に保ち且つ支柱9の立設状態の安定性を向上させるた
めに、隣り合う支柱9,9相互を連結杆49で連結する
(図1、図3)。この連結は、図9に示すように、前記
U字状切欠部46の周縁部分50と連結部52の環状係
合溝51とを係合させて行なう。
【0035】又本実施の形態においては、図2に示すよ
うに、コンクリート基礎部7に埋設状態に固定した鉄筋
86と、支柱9の上下方向の所要部位87とを、後述す
る石の積み上げの障害とならないように支持用ワイヤ又
は支持用鉄筋89で連結し、この斜め配置の支持用ワイ
ヤ又は支持用鉄筋89により支柱9の振れ止めを図って
いる。又、前記型枠1と所要間隔をおいて対向状態で、
図示しない裏側の型枠を立設する。
【0036】然る後、隣り合う支柱9,9の対向側に形
成された上下方向に延びる係合溝10,10に、図1、
図8に示すように、前記型板26の両端部分27,27
を夫々嵌め入れ、この型板26を所要段数に積重する。
その後、例えば型板26の8本をひとまとまりとして、
図19〜21に示すように、前記押圧部材73の押圧板
75で型板26の前記端部分27を押圧し、各型板26
を支柱9と一体化させる。これにより、所要の型枠1が
構成されることになる。
【0037】そして石の積み上げ高さに応じて、図1、
図3、図9に示すように、前記支柱部材30の上端に別
の支柱部材30を連結し、支柱9を延長する。その際に
おける支柱部材30,30相互の連結は、図9に示すよ
うに、上下のL字状連結部材32,32の突出片35,
35相互及び上下の連結突片41,41相互の螺結によ
って行う。なお、前記U字状欠切部46の周縁部分50
と連結部52の環状係合溝51とを係合させて行なう。
【0038】このように型枠1を構成するに際し、積み
上げる石3の大きさを考慮して、この石3に被る前記固
定網5の固定紐81を結着できるように、前記取付部材
62が取り付られた前記第2型板26bを、上下方向に
所要間隔をおいて配置する。このようにして設けられた
取付部材62の配置状態が、図1、図21に示されてい
る。
【0039】又型枠1の中間部分において、図1、図3
に示すように、3分割された前記第3型板26cの複数
本をひとまとまりとして、積重している。この積重段数
は、後述のように、ひとまとまりの型板26を前記ボル
ト70及びナット72(図18)の取り外しにより支柱
9から取り外した状態において、一本ものの前記第1、
第2型板26a,26bを図23に示すように斜め状態
にして取り外し得るように設定されるものである。なお
第3型板26cの積重部を押圧する押圧部材73と、そ
の上側に積重されている型板26を押圧する押圧部材7
3とは独立したものとする。
【0040】このようにして型枠1を形成した後、図1
〜2、図21に示すように、最下段に位置する取付部材
62の取付環61に、コンクリート基礎部7上に拡げら
れた固定網5の一辺両端の固定紐81,81を連結する
のであるが、その際図21に示すように、取付環61に
固定紐81を挿通させて後、該固定紐81の端部を引っ
張って固定網の縁部93(図1)を型枠1の裏面2に接
近状態とする。これを、型枠1の延長方向に配置される
各固定網について行う。
【0041】然る後、型枠1の裏面2に石前端96(図
2、図21)を沿わせて、固定網5上に石3を載せる。
本実施の形態においては、1枚の固定網5につき、小さ
な石3aを適宜支えにして比較的大きな一つの石3を載
せることとしている。その際、石3と型枠1との間に形
成された隙間97(図2、図21)に、砂や粒形の小さ
い砂利、石の屑、紙製のチップ等からなる粒状の充填材
99を、適宜押し棒でつついて充填する。
【0042】その後図1〜2、図21に示すよう、前記
固定網5を石3に被せ、該固定網5の他辺両端に連結さ
れた前記固定紐81,81を、2段目に位置する左右隣
り合う取付環61,61に、前記と同様にして結着す
る。具体的には、取付環61に挿通させた固定紐81を
十分に引張って固定網の縁部93を型枠裏面2に引き寄
せ、固定網の上部分及び側部分が石の上部分及び側部分
に被った状態とし、その後、該固定紐81を取付環61
に結び付ける。これにより図1に示すように、石3の略
全体に固定網5が被った状態で、石3を型枠1に安定的
に固定できることとなる。
【0043】その後、基礎上に並置された石列と裏側の
型枠との間に、図2に示すように、石の略上端高さにま
でコンクリート100を打設し、これをバイブレーター
で締め固める。固定網5によって石3が型枠1に固定状
態に保持されていて石が動く恐れがないことから、バイ
ブレーターによるコンクリートの十分な締め固めが可能
となるのである。そして、石と型枠との間の隙間97に
前記充填材99が充填されているため、この部分には打
設コンクリートが進入しない。そして、前記取付部材6
2が取り付けられないネジ孔63(図15)も充填材で
保護されるために、このネジ孔63がコンクリートで目
詰まりする恐れがない。
【0044】この第1段階のコンクリートが硬化した
後、図2に示すように、2段目に位置する左右隣り合う
取付部材62,62に、固定網5の一辺両端の固定紐8
1,81を対応させ、前記と同様にして該固定紐81を
取付環61に結び付ける(図21)。これを、型枠の長
さ方向に並置される各固定網について行う。
【0045】然る後、前記並置された石列上且つ固定網
5上に、型枠1の裏面2に石前端9を沿わせて、前記と
同様の比較的大きな石3を載せる。この時、小さな石3
aを適宜支えにして、設置された石の安定を確保する。
そして前記と同様、積み上げた石と型枠との間に形成さ
れた隙間97に粒状の充填材99を充填する。
【0046】その後図2に示すように、積み上げた石3
に固定網5を被せ、該固定網5の他辺両端の固定紐8
1,81を、3段目に位置する左右隣り合う取付部材6
2,62に対応させ、図21に示すと同様、固定網5の
上部分及び側部分が石3の上部分及び側部分に被った状
態となるように、固定紐81を取付環61に結び付け
る。
【0047】その後前記と同様にして、石列と裏側の型
枠との間に、前記2段目の石の略上端高さにまでコンク
リート100を打設し、これをバイブレーターで締め固
める。
【0048】その後、型枠の高さに応じて、取付環61
への固定網5の連結、石列上への石の積み上げ、及びそ
れに続く固定網5の被せ操作、取付環61への固定紐8
1の結着、コンクリートの打設を行い、順次石積壁体を
所定高さに構築していく。
【0049】所定高さに石を積み上げ且つコンクリート
の打設が完了してコンクリートが硬化した後、前記型枠
1を解体する。その要領を次に説明する。
【0050】型板26の取り外しは、支柱9の上端から
順次行なえばよいのであるが、支柱の高さが高い場合は
困難である。そこで本実施の形態においては、前記のよ
うに型枠1の上下方向中間部位において、3分割された
第3型板26cの複数本がひとまとまりとなって積重状
態に配置されていることから、前記第3型板26cを取
り外すことによって、型枠の上下中間部分からでも、型
板を順次取り外すことが可能である。
【0051】そのために、予め図22に示すように、前
記第3型板の積重部の上側に位置する型板26Aを、前
記押圧部材73で押圧してこれを支柱9に固定状態とし
ておき、この状態で各第3型板26cを取り外す。これ
により、図22に示すように、隣り合う支柱9,9間に
開口部101が形成されるため、該開口部101の下側
に位置する型板26Bは、図23〜24に示すように、
これを斜めにして支柱9,9から取り外すことができる
のである。又、前記開口部101の上側に位置する型板
26Aの取り外しは、前記押圧部材73の押圧解除を行
って型板を自由としながら行えばよい。その際、取付環
61に結着されている固定紐81を切断する。なお、取
り外した型板は、上方に延長する型枠の形成に利用する
こともできる。
【0052】その後、支柱部材30,30相互の接合
を、前記ボルト37,43の取り外しによって解除する
と共に連結杆49を取り外し、更に、挾持ナット20を
取り外して支柱9をアンカー軸13と分離する。
【0053】前記のように型板26及び支柱9を取り外
して後、石と型枠との間の隙間97に詰まっている充填
材99を排除し、且つ、石積壁体の仕上げ面102の表
面側に露出する連結紐等を適宜切除することによって、
石の凹凸状態が仕上げ面102にそのまま表れた図25
に示す石積壁体6が構築されることとなる。
【0054】図26は、本発明に係る石積壁体の構築工
法を応用して構築された、例えば流木捕捉機能を具えた
防災ダム103を示す。図27は、それを構築する型枠
1の組み立て状態の一部分を示すものであり、図25に
示すような凹凸のある石の仕上げ面102を形成するた
めの構築工法は前記と同様である。なお図28は、垂直
面内で直角に交わる仕上げ面102a,102b(図2
6)を形成する型枠における支柱部材9a,9b(図2
7)相互の連結状態を示すものであり、アングル状の接
合片105を用いて、H形鋼からなる支柱のフランジ1
7,17相互をボルト接合している。
【0055】又図29は、垂直な仕上げ面102cに傾
斜仕上げ面102dが連なる部分を形成する型枠におい
て、垂直面内にある支柱部材9c(図27)と傾斜面内
にある支柱部材9d(図27)相互の接合状態を示すも
のであり、互いにスライドし得る接合片106,106
相互をボルト107で固定した状態を示すものである。
【0056】〔その他の実施の形態〕 (1) 前記実施の形態においては、積み上げる石の各段毎
にコンクリートを打設し、そのコンクリートが硬化した
後に次の石を積み上げることとしているが、石を複数段
に積み上げた状態でコンクリートを打設することとして
もよい。
【0057】(2) 又前記実施の形態においては、比較的
大きな一つの石に固定網を被せることとしているが、図
30に示すように、所要幅及び所要高さ分の石積み部1
09をひとまとまりとしてこれに固定網5を被せること
としてもよい。
【0058】(3) 支柱を固定するアンカー軸13は、図
31に示すように、傾斜軸部110に水平軸部111を
屈曲可能に枢着して構成してもよい。この場合、図32
に示すように、水平軸部111は、支柱9に固定したパ
イプ112に挿通させてもよい。
【0059】(4) 立設された支柱の振れ止めを図るため
に、例えば図3に示すような掛着方式の連結杆49を用
いる構成に代えて、図33に示すように、所定長さのア
ングル状連結部材113の端部115を支柱9にボルト
固定することとしてもよい。
【0060】(5) 所要長さの支柱部材30,30相互を
連結して所定長さの支柱9を構成する場合、図34〜3
7に示すように、該支柱部材30の上端及び下端に接合
片116,116を突設しておき、当接状態の上下接合
片116,116相互を固定することとしてもよい。こ
の固定は、図34〜35に示すようなボルト固定手段1
17を採用できる他、図36〜37に示すように、止め
ピン119の端部を抜止めピン120で止着する固定手
段121をボルト固定手段117と併用することとして
もよい。
【0061】(6) 固定網を固定するために用いる前記取
付部材62は、図38に示すように、型板26を貫通す
る軸部122を具えたものとし、且つ該軸部の先端部分
に貫通孔123を設け、該貫通孔123を挿通する楔片
125の打込によって該取付部材62を型板26に固定
することとしてもよい。
【0062】(7) H型鋼を用いて構成した支柱9の係合
溝10において型板26を支柱9に押圧状態に固定する
手段としては、図39〜44に示す手段を採用すること
もできる。
【0063】図39は、表側のフランジ17aに枢着し
たレバー126の回動操作によって、レバー先端の湾曲
した押圧部材73により、型板26の端部分27を内側
のフランジ17bに向けて押圧する固定手段を示す。
【0064】又図40は、アングル状をなす押圧部材7
3を、外側のフランジ17aに設けたネジ固定手段12
7によって内側のフランジ17bに向けて押圧する固定
手段を示す。
【0065】又図41は、外側のフランジ17a側で楔
片125を打ち込むことによって、型板26の端部分2
7を内側のフランジ17bに向けて押圧する固定手段を
示す。
【0066】又図42〜43は、外側のフランジ17a
に設けたネジ回転方式の押圧装置129の押圧部材73
により、型板26の端部分27を内側のフランジ17b
に向けて押圧する固定手段である。
【0067】又図44は、外側のフランジ17aに設け
たレバー方式の押圧装置129の押圧部材73によっ
て、型板26の端部分27を、内側のフランジ17bに
向けて押圧する固定手段である。
【0068】(8) 本発明で用いる支柱9は、上下方向に
延びる係合溝10を有するものであれば、前記のように
H形鋼を以て構成する必要はなく、図45に示すよう
に、コ字状溝形鋼130,130相互を背中合わせに一
体化したもの等であってもよい。
【0069】又型板は、前記のような角筒状をなすもの
の他、板状をなすものでもよく、それは、鋼製の他、木
製であってもよい。
【0070】(9) 固定網の大きさは、それが被う石の大
きさに合わせて予め設定されるものであり、該固定網は
金網であってもよい。固定網を固定するために用いる部
材は、前記のような紐状をなすものの他、可撓性を有さ
ないものを用い、その一端部を固定網の所要の網目に掛
着させ且つその他端部を型枠に固定することとしてもよ
い。
【0071】(10) 立設した支柱の下端部分は、前記実
施の形態で示したアンカー軸を用いるものの他、適宜の
アンカー手段を用いて、コンクリート基礎部等に固定す
ることができる。
【0072】(11) 図46〜48は、前記分割タイプの
型板の他の態様を示すものであり、左右に2分割されて
いる。そして一方の分割型板131の端部に突出した挿
入突部132を他方の分割型板133の挿入凹部135
内に挿入せしめ、両者をボルト136を用いて固定する
ことにより、一体化された型板26を構成している。こ
の型板26は、支柱の前記係合溝10内に、溝深さ方向
に余裕を残してその端部分27が挿入せしめられ(図4
6A、図47)、前記ボルト固定手段を解除して後、図
46(B)、図48に示すように分割型板131,13
3を伸長方向に移動させる(その移動方向を図46
(A)で矢印で示す)ことにより、両分割型板の連結が
外れるように構成している。これにより、分割型板13
1,133を、図46(B)で矢印で示すように回動さ
せて支柱9から取り外すことが可能である。
【0073】又前記分割タイプの型枠に代えて、型枠を
伸縮可能且つ所定長さで固定可能とし、その縮小によ
り、型枠の端部分を支柱の係合溝から外せるように構成
してもよい。
【0074】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏す
る。 (1) 本発明に係る構築工法は、型枠の裏面に沿って石を
積み上げることから、図25に示すように、石積み部の
仕上げ面102が、平面や湾曲面に自ずから正しく仕上
がることになる。従って、熟練者でなくても見栄えのよ
い石積壁体を容易に形成できる。
【0075】(2) 又、固定網で石を型枠に安定的に保持
させ得るため、型枠間に打設したコンクリートをバイブ
レータで締め固めることが可能となる。従って、充填材
の充填部分を除く石積み部の隙間にコンクリートを密に
充填することができ、従来のように、石間に空隙を生じ
させる恐れがない。それ故従来のような、石積壁体内に
水が侵入してコンクリートの剥離を生じさせ石の脱落を
招くといった危険を回避でき、構造的に非常に安定した
安全性の高い石積壁体を構築することができる。
【0076】(3) 従来工法においては、打設コンクリー
トの硬化を待つために、数日の間隔をおいて石を一段づ
つ積み上げることしかできなかったのであるが、固定網
によって石を型枠に保持させる本発明によるときは、石
が崩れる恐れがないために、型枠の所要高さにまで石を
高く積み上げることも可能である。従って、石を積み上
げた部分の全体に亘って、型枠間にコンクリートを一度
に打設することが可能となり、従来に比しコンクリート
の打設作業を能率化でき、工期の短縮及び施工コストの
低減を期し得ることとなる。
【0077】(4) 型枠の形成は、隣り合う立設支柱の対
向側に形成された係合溝に型板の両端部分を夫々嵌め入
れて形成するため、型板の積重段数に応じて所定高さの
型枠を容易に形成できる。
【0078】(5) 基礎部に突設されたアンカー軸を用い
て支柱を立設状態で固定することにより、支柱の立設を
容易且つ安定的に行うことができる。この場合、アンカ
ー軸を挿通させる挿通孔を、支柱の長さ方向に長い長孔
として形成することにより、その長孔の長さの範囲で支
柱を垂直状態や所要に傾いた傾斜状態に立設することが
できる。そして、アンカー軸と支柱との固定はナットを
用いることにより確実に行うことができる。このように
ナットを用いて支柱とアンカー軸とを固定する際、支柱
とナットとの間に調整板を介在させることにより、ナッ
トの締め付け状態を安定化させ、従って、アンカー軸を
介する支柱の立設状態の安定を確保し得る。
【0079】(6) 支柱の係合溝に嵌め入れられて積重状
態にある複数の型板をひとまとまりとして、型板の端部
分を押圧板で押圧する構成を採用することにより、該押
圧板による押圧解除によって型板の取り外しを容易化し
つつ、型板を支柱に安定的に固定することが可能とな
る。
【0080】(7) 分解可能な3分割方式の型板や伸縮可
能な2分割方式の型板を用いて型枠を構成することによ
り、型枠の中間部分に開口部を形成できる。従って、一
本ものの長い型板であっても、前記開口部において、こ
れを斜め状態にして取り外すことができる。それ故、型
枠が上方に高く延長する場合であっても、支柱上端から
型板を順次取り外さなければならない困難を解消し、型
枠の撤去を容易化できる。
【0081】(8) 又、隣り合う支柱の中間部分相互を連
結杆で連結することにより、立設された支柱間の間隔を
一定に保持でき、又支柱の立設状態を安定化させ得る。
この場合、連結杆の両端部分を、支柱に設けた支持片に
着脱可能に係合させることにより、支柱の安定した立設
状態を確保できながら、支柱の撤去時においては該連結
杆を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構築工法を説明する斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】立設した型枠を示す正面図である。
【図4】基礎部に突設したアンカー軸と支柱との固定状
態を示す断面図である。
【図5】その分解斜視図である。
【図6】基礎部に対する支柱の他の固定状態を示す断面
図である。
【図7】基礎部に対する支柱のその他の固定状態を示す
断面図である。
【図8】隣り合う支柱の対向する係合溝に型板を嵌め入
れた状態を示す平面図である。
【図9】単位長さの支柱部材相互の連結状態を示す側面
図である。
【図10】その分解斜視図である。
【図11】連結杆の連結部を示す斜視図である。
【図12】その断面図である。
【図13】型板を示す斜視図である。
【図14】型板の他の態様を示す斜視図である。
【図15】型板への取付部材の取り付け構成を説明する
斜視図である。
【図16】型板のその他の態様を示す斜視図である。
【図17】その型板の分解斜視図である。
【図18】その型板の接合状態を説明する断面図であ
る。
【図19】積重された型板を押圧部材で押圧した状態を
示す斜視図である。
【図20】その押圧状態を示す平面図である。
【図21】設置した石と型枠との間に形成された隙間に
充填材を充填した状態を示す断面図である。
【図22】型板の一部を取り除いて型枠に開口部を形成
した状態を示す斜視図である。
【図23】その開口部を通して型板を取り外す要領を示
す正面図である。
【図24】その平面図である。
【図25】石積壁体の一部を示す斜視図である。
【図26】石積壁体の他の構築態様を示す斜視図であ
る。
【図27】その石積壁体を構築する型枠の組立状態を示
す斜視図である。
【図28】その型枠組立体における、直角に交わる支柱
部材相互の連結状態を示す断面図である。
【図29】その型枠組立体における、屈曲する支柱部材
相互の連結状態を示す側面図である。
【図30】固定網による石積み部の固定状態の他の態様
を示す側面図である。
【図31】基礎部に突設したアンカー軸と支柱とのその
他の固定状態を示す断面図である。
【図32】基礎部に突設したアンカー軸と支柱とのその
他の固定状態を示す断面図である。
【図33】立設された支柱相互をアングル状連結材で連
結した状態を示す斜視図である。
【図34】支柱部材相互の他の接合状態を示す斜視図で
ある。
【図35】支柱部材相互のその他の接合状態を示す斜視
図である。
【図36】支柱部材相互のその他の接続状態を示す斜視
図である。
【図37】支柱部材相互のその他の接続状態を示す斜視
図である。
【図38】型枠に対する取付部材の他の固定状態を示す
断面図である。
【図39】押圧部材による型板押圧の他の態様を示す平
面図である。
【図40】押圧部材による型板押圧のその他の態様を示
す平面図である。
【図41】押圧部材による型板押圧のその他の態様を示
す平面図である。
【図42】押圧部材による型板押圧のその他の態様を示
す平面図である。
【図43】押圧部材による型板押圧のその他の態様を示
す平面図である。
【図44】押圧部材による型板押圧のその他の態様を示
す平面図である。
【図45】支柱のその他の態様を示す平面図である。
【図46】隣り合う支柱の係合溝に嵌め入れた型板の他
の取り外し要領を説明する平面図である。
【図47】隣り合う支柱の係合溝に嵌め入れた型板の部
分拡大平面図である。
【図48】分割型板の分離状態を説明する部分拡大平面
図である。
【符号の説明】
1 型枠 2 型枠の裏面 3 石 5 固定網 6 石積壁体 7 基礎部 9 支柱 10 係合溝 13 アンカー軸 23 調節板 26 型板 30 支柱部材 49 連結杆 61 取付環 62 取付部材 65 両側の分割型板 67 中間の分割型板 73 押圧部材 75 押圧板 81 固定紐 89 支持用ワイヤ 97 隙間 99 充填材 101 開口部 102 仕上げ面

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱を所要間隔で立設して後、隣り合う
    支柱の対向側に形成された上下方向に延びる係合溝に、
    型板の両端部分を夫々嵌め入れ、この型板を所要段数に
    積重することによって所定高さの型枠を立設状態に形成
    し、 該立設した型枠の裏面に沿って石を積み上げ、この石を
    型枠に保持させるに際し、設置した石と型枠との間に形
    成された隙間に粒状の充填材を充填する工程と、所要幅
    及び所要高さ分の石をひとまとまりとして、これに固定
    網を被せ、該固定網の縁部或いは中間部の所要部位を型
    枠に固定せしめ、該固定網により石を型枠に固定状態に
    保持せしめる工程とを含むものとし、 その後、前記型枠と、設置した石を挟むように該型枠に
    対向して立設せしめられた型枠との間にコンクリートを
    打設し、 該コンクリートの硬化後、前記固定網と前記型枠との固
    定状態を解除して型板を取り外すと共に、石と型枠との
    間の隙間に詰まっていた前記充填材を排除することを特
    徴とする石積壁体の構築工法。
  2. 【請求項2】 前記支柱はH形鋼を以って構成し、この
    支柱を、その開放した係合溝が対向するように所要間隔
    で立設することを特徴とする請求項1記載の石積壁体の
    構築工法。
  3. 【請求項3】 支柱を立設状態とするに際し、最下段の
    石が載る基礎部に突設され且つ先端部分がネジ軸部とさ
    れたアンカー軸を、支柱の下端側に設けた挿通孔に貫通
    せしめ、前記ネジ軸部にナットを螺合し締め付けること
    によって該支柱とアンカー軸とを一体化させることを特
    徴とする請求項1又は2記載の石積壁体の構築工法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の石積壁体の構築工法にお
    いて前記挿通孔は、支柱の長さ方向に長い長孔として形
    成し、支柱下端を支点として支柱を適宜の回動状態とす
    ると共に、前記長孔の所定位置に前記ネジ軸を位置さ
    せ、前記ネジ軸部にナットを螺合し締め付けて支柱とア
    ンカー軸とを一体化させることにより、前記支柱を、垂
    直立設状態や所要に傾いた傾斜立設状態に設定可能とし
    たことを特徴とする石積壁体の構築工法。
  5. 【請求項5】 支柱に設けた挿通孔を挿通したネジ軸部
    の、挿通孔の両端側に螺合した両ナットを締め付けて該
    両ナットにより支柱を挟着し、これによって支柱を立設
    状態にすることを特徴とする請求項4記載の石積壁体の
    構築工法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の石積壁体の構築工法にお
    いて、支柱を貫通するように設けた挿通孔を挿通したネ
    ジ軸部の、挿通孔の両端側に螺合した両ナットを締め付
    けて該両ナットにより支柱を挟着し、これによって支柱
    を、垂直状態や所要に傾いた傾斜状態で立設するに際
    し、支柱とナットとの間に、前記ネジ軸部が挿通し得る
    透孔を有し且つ対向する面の一方が他方の面に対して傾
    斜した調整板を介在させ、該調整板の対向する面を、支
    柱とナットに当接させ、該調整板の前記傾斜する面の角
    度に応じて、垂直面内における支柱の立設状態を所要に
    設定可能としたことを特徴とする石積壁体の構築工法。
  7. 【請求項7】 係合溝に嵌め入れられた型板の端部分の
    厚さが該係合溝の溝幅よりも小さい場合、積み重ねられ
    た複数の型板の前記端部分に押圧板を当接させ、この押
    圧板を、押圧具により、係合溝の内側(石積部側)の溝
    壁に向けて押圧することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の石積壁体の構築工法。
  8. 【請求項8】 連続した積み上げ状態にある所要本数の
    型板の夫々は、その長さ方向で3分割された左右の端部
    型板と中間型板との接合体であって、該型板は、対向す
    る支柱の係合溝に型板端部分が挿入せしめられる前記左
    右の端部型板間に前記中間型板を介在させ、該端部型板
    と中間型板とを、型板の外側(石積部側と反対側)から
    分離操作可能に接合してなり、該分離操作を経て前記所
    要本数の型板を支柱から取り外すことにより、積重され
    た型板列の中間部分に開口部を形成可能とし、この開口
    部を通し、積重されている型板を斜めにしてこれを隣り
    合う支柱から取り外し可能としたことを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の石積壁体の構築工法。
  9. 【請求項9】 連続した積み上げ状態にある所要本数の
    型板の夫々は、その長さ方向で3分割された左右の端部
    型板と中間型板との接合体であって、該型板は、対向す
    る支柱の係合溝に型板端部分が挿入せしめられる前記左
    右の端部型板間に前記中間型板を介在させ、該端部型板
    と中間型板とを、型板の外側(石積部側と反対側)から
    取り外し可能に螺合されたボルトを用いて分離可能に接
    合してなり、該ボルトを外して前記所要本数の型板を支
    柱から取り外すことにより、積重された型板列の中間部
    分に開口部を形成可能とし、この開口部を通し、積重さ
    れている型板を斜めにしてこれを隣り合う支柱から取り
    外し可能としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の石積壁体の構築工法。
  10. 【請求項10】 連続した積み上げ状態にある所要本数
    の型板の夫々は、その長さ方向で2分割された左右の分
    割型板の接合体であって該型板は、対向する支柱の係合
    溝に型板端部分が挿入せしめられる前記左右の分割型板
    を伸縮可能且つ所定長さで固定可能としてなり、該分割
    型板を縮小させる操作を経て前記所要本数の型板を支柱
    から取り外すことにより、積重された型板列の中間部分
    に開口部を形成可能とし、この開口部を通し、積重され
    ている型板を斜めにしてこれを隣り合う支柱から取り外
    し可能としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の石積壁体の構築工法。
  11. 【請求項11】 連続した積み上げ状態にある所要本数
    の型板の夫々は、その長さ方向で2分割された左右の分
    割型板の接合体であって、該型板は、対向する支柱の係
    合溝に型板端部分が挿入せしめられる前記左右の分割型
    板の内端部分相互を挿入状態に係合してなり、該分割型
    板を、その型板端部分が前記係合溝内に更に押し込まれ
    る方向に移動させることにより、該両分割型板の前記係
    合を解除可能とし、該係合解除操作を経て前記所要本数
    の型板を支柱から取り外すことにより、積重された型板
    列の中間部分に開口部を形成可能とし、この開口部を通
    し、積重されている型板を斜めにしてこれを隣り合う支
    柱から取り外し可能としたことを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の石積壁体の構築工法。
  12. 【請求項12】 隣り合う支柱の、高さ方向の中間部分
    相互を連結杆で着脱可能に連結することにより、支柱間
    の間隔を一定に保持させることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれかに記載の石積壁体の構築工法。
  13. 【請求項13】 隣り合う支柱の、高さ方向の中間部分
    相互を連結杆で着脱可能に連結することにより、支柱間
    の間隔を一定に保持せしめるものとし、その際、前記連
    結杆の両端部を、支柱に突設した支持片に着脱可能の係
    合状態で取り付け、これによって該連結杆の端部と支持
    片とを一体化することを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれかに記載の石積壁体の構築工法。
  14. 【請求項14】 支柱の上下方向の所要部位と、最下段
    の石が載る基礎部の所要部位とを、斜め配置の支持用ワ
    イヤ又は支持用鉄筋で連結し、該支持用ワイヤ又は支持
    用鉄筋を張った状態にすることを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかに記載の石積壁体の構築工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100472077B1 (ko) * 2002-09-28 2005-03-11 윤은중 간이 흙막이 구조물 및 공법
KR100628528B1 (ko) 2006-06-30 2006-09-28 주식회사 토펙엔지니어링 건축사사무소 흙막이용 토류판 어셈블리
JP2012233310A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Dow Kakoh Kk 軽量盛土用側壁
WO2023272350A1 (en) * 2021-06-30 2023-01-05 Joshua Wilkinson A method and apparatus for sleeper retaining wall post installation

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