JPH11172671A - 除去アンカー工法及びアンカー組立体 - Google Patents

除去アンカー工法及びアンカー組立体

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JPH11172671A
JPH11172671A JP36202997A JP36202997A JPH11172671A JP H11172671 A JPH11172671 A JP H11172671A JP 36202997 A JP36202997 A JP 36202997A JP 36202997 A JP36202997 A JP 36202997A JP H11172671 A JPH11172671 A JP H11172671A
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JP
Japan
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anchor
tension
grout material
corrugated pipe
pipe
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Application number
JP36202997A
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English (en)
Inventor
Akira Higuchi
彰 樋口
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HIGUCHI GIKOU KK
Original Assignee
HIGUCHI GIKOU KK
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  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊張用引張材を撤去する際の引き抜き力を小
さくすることができ、引張材の破断事故を未然に防止す
る。 【解決手段】 樹脂製の波形管22内に、アンボンドP
C鋼線6を挿入すると共に、その周囲に緊張用引張材5
を挿入してなるアンカー組立体20を、地盤Mに穿設し
たアンカー孔2内に挿入し、グラウト材Gをアンカー孔
内及び波形管内に充填しつつケーシングパイプを引き抜
くことにより、アンカー31を造成する。アンカーの撤
去時には、アンボンドPC鋼線を引き抜くことで波形管
内に空洞部を形成し、その状態で緊張用引張材5を引き
抜いて撤去する。その際、波形管22の山形斜面の作用
で、引張材とグラウト材間の剥離が促され、引き抜き力
が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用後に緊張用引
張材を撤去する除去アンカー工法、及び同工法に用いる
アンカー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のグランドアンカー1を示
す。このアンカー1は、グラウト材Gによって造成され
たアンカー幹体1A(定着長部分)、引張り部1B(自
由長部分)、アンカー頭部1Cによって構成されてい
る。このアンカー1を施工する場合は、地盤にケーシン
グパイプ(図示略)を用いてアンカー孔2を穿設し、そ
のケーシングパイプ内にグラウト材を充填した後、ケー
シングパイプ内に基部側にシース管4を配したアンカー
組立体3を挿入し、アンカー孔2内にグラウト材Gを充
填しつつケーシングパイプを引き抜くことで造成する。
【0003】図10(a)はアンカー幹体1Aの断面を
示す。この部分のアンカー組立体3は、芯材として断面
の中心部に配された1本のアンボンドPC鋼線6と、そ
の周囲に配された複数本の緊張用引張材(PC鋼線、P
C鋼撚線、PC鋼棒等よりなる)5とからなる。アンボ
ンドPC鋼線6は、図10(b)に示すように、外周に
グリース8を介して合成樹脂管7を被せたもので、充填
したグラウト材とは付着せずに、合成樹脂管7を残して
容易に引き抜けるようになっている。
【0004】図9のように造成したアンカー1は、緊張
用引張材5を介して、アンカー頭部1Cに作用する引張
力を地盤Mに伝達する。その際、アンボンドPC鋼線6
がアンカー幹体1Aの断面の中心部に詰まっていること
で、周囲からの力に抗する耐力を発揮し、緊張用引張材
5に作用する引張力を地盤Mに有効に伝える。
【0005】また、このアンカー1を使用後に撤去する
場合は、アンボンドPC鋼線6を引き抜くことで、アン
カー幹体1A内に、図11(a)に示すような空洞部1
0を形成し、この空洞部10により緊張用引張材5とグ
ラウト材Gとの付着力を低減した状態で、図12に示す
ように緊張用引張材5を引き抜く。図12において、矢
印Fは引き抜き力、矢印fはそのとき発生する抵抗力
(付着力)である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
除去アンカー工法では、撤去時における緊張用引張材5
とグラウト材Gとの付着力の低減は、アンボンドPC鋼
線6の引き抜きで形成された空洞部10と引張材5の接
触面積分程度、つまり図11(b)に示す付着力低減部
L1の寸法相当分程度であり、十分に付着力が低減され
ているとは言えなかった。そのため、大きな引き抜き力
を緊張用引張材5に加えなければ引張材5を引き抜くこ
とができず、場合によっては引張材5の破断を来すこと
もあり、撤去できなくなる事故もあった。
【0007】本発明は、上記事情を考慮し、緊張用引張
材を撤去する際の引き抜き力を小さくすることができ、
引張材の破断事故を未然に防止することのできる除去ア
ンカー工法及び同工法に用いるアンカー組立体を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の除去ア
ンカー工法は、樹脂製の波形管内に、使用時は周囲から
の圧力に抗する耐力を発揮し且つ使用後に引き抜かれる
ことで後に空洞部を形成する芯材を挿入すると共に、芯
材の周囲に緊張用引張材を挿入してなるアンカー組立体
を、地盤にアンカー孔を穿設したケーシングパイプ内に
グラウト材を充填した後に挿入し、更にグラウト材をケ
ーシングパイプ内に充填しつつ該ケーシングパイプを引
き抜くことによりアンカーを造成し、アンカーの使用後
に、前記芯材を引き抜くことで波形管内に空洞部を形成
し、その状態で緊張用引張材を引き抜いて撤去すること
を特徴とする。
【0009】この工法においては、撤去時、芯材を引き
抜いて波形管内に空洞部を形成した状態で緊張用引張材
に引き抜き力を加えると、波形管の内部のグラウト材に
引き抜き力が伝わることで、同グラウト材が波形管の山
形の斜面の一方(引き抜き側の斜面)に圧接する。ま
た、圧接することで同部分の素材を圧縮し、同グラウト
材が僅かに引き抜き側に変位する。従って、その変位と
斜面の作用で、波形管とグラウト材との間に斜面に沿っ
た滑りが発生し、波形管内のグラウト材に断面中心の空
洞部へ向かう方向の分力が発生する。この分力は、アン
カーの長手方向全体に均等に作用するのではなく、山形
斜面の一方の斜面部分だけに間隔的に作用するので、結
果的に、同分力の作用しない引張材とグラウト材の付着
面に剥離を促すことになる。このため、引張材に引き抜
き力を加えると、徐々に剥離が進行して行き、最終的に
は小さな力で引張材を引き抜くことができることとな
る。
【0010】請求項2の発明は、地盤に穿設したアンカ
ー孔内に挿入されるアンカー組立体において、樹脂製の
波形管と、グラウト材の流通孔を有し前記波形管の先端
に装填されたキャップと、前記波形管内に挿入され使用
時は周囲からの圧力に抗する耐力を発揮し且つ使用後に
引き抜かれることで後に空洞部を形成する芯材と、前記
波形管の内部に挿入され前記芯材の周囲に配された緊張
用引張材とを具備してなることを特徴とする。
【0011】このアンカー組立体でアンカーを造成する
場合は、地盤に穿設したアンカー孔内に、このアンカー
組立体を先端から挿入する。その際、先端にキャップが
あるから波形管内に土砂やスライムが入り込まない。ア
ンカー組立体をアンカー孔内に挿入したら、アンカー孔
内及び波形管内にグラウト材を充填しつつケーシングパ
イプを引き抜く。この際、先端のキャップにはグラウト
流通孔があるから、波形管の内外間をグラウト材が自由
に流通し、むらなく充填して行く。そして、グラウト材
の固化を待つことでアンカーが完成する。撤去時は、請
求項1の発明のように、波形管の作用で、グラウト材と
緊張用引張材の付着面の剥離が促されるので、小さな力
で引張材の引き抜くことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は実施形態の除去アンカー工法
に使用するアンカー組立体の断面を示す。このアンカー
組立体20は、シース管21の先端にシール部21aを
介して連結した合成樹脂製の波形管22を有し、その波
形管22内の中心部に、合成樹脂管7を被せたアンボン
ドPC鋼線6を挿入すると共に、アンボンドPC鋼線6
の周囲に緊張用引張材5を挿入したものである。シース
管21を樹脂で構成した場合は、シース管21と波形管
22を一体に成形してもよい。波形管22は、周壁が長
手方向に波打った形状の管であり、波の山は螺旋状ある
いは単なる環状に形成されている。また、波の一つの山
は、図5に示すように、2つの斜面22a、22bを持
つ二等辺三角形状の山形をなしている。波形管22の先
端部には、グラウト材流通孔23aを有した先窄まり形
状のキャップ23が、波形ネジ部24を波形管22の先
端内周に螺合することで装着されている。
【0013】次に、このアンカー組立体20を用いた除
去アンカー工法を説明する。まず、アンカーを造成する
場合は、図2に示すように、地盤Mにケーシングパイプ
を用いてアンカー孔2を穿設し、そのケーシングパイプ
内に、グラウト材Gを充填した後にアンカー組立体20
を先端から挿入する。挿入の際には、先端にキャップ2
3があるから波形管22内に土砂やスライムが入り込ま
ない。挿入したら、グラウト材Gをアンカー孔2内及び
波形管22内に充填しつつケーシングパイプ(図示略)
を引き抜く。この際、先端のキャップ23にはグラウト
材流通孔23aがあるから、波形管22の内外間をグラ
ウト材Gが自由に流通し、むらなく充填して行く。そし
て、グラウト材Gの固化を待つことで、図2のアンカー
31が完成する。図3はその要部断面を示す。
【0014】次に、アンカー31を撤去する場合は、従
来と同様に、まず中心部のアンボンドPC鋼線6を引き
抜き、引き抜いた後に、図4に示すような空洞部10を
形成する。そして、空洞部10を形成したら、緊張用引
張材5に引き抜き力Fを加える。そうすると、引き抜き
力Fに対する抵抗力f(付着力)が、引張材5とグラウ
ト材Gの境界面に働く。また、図5に示すように、波形
管22の内部のグラウト材Gに引き抜き力Faが伝わる
ことで、同グラウト材Gが波形管22の山形の斜面の一
方(引き抜き側の斜面22a)に圧接する。また、圧接
することで同部分の素材を圧縮し、同グラウト材Gが僅
かに引き抜き方向側に変位する。
【0015】従って、その変位と斜面の作用で、波形管
22とグラウト材Gとの間に斜面に沿った滑りが発生
し、図6に示すように、波形管22内のグラウト材G
に、断面の中心の空洞部10へ向かう方向の分力Fcが
発生する。この分力Fcは、図7に示すように、アンカ
ーの長手方向全体に均等に作用するのではなく、2つの
斜面22a、22bのうちの一方の斜面22a部分だけ
に間隔的に作用するので、緊張用引張材5に対して間隔
的なモーメントとして、引張材5とグラウト材Gの付着
面を剥離する剥離力として作用する。そして、前記分力
Fcによって引張材5が点線で示すように空洞部10側
へ押されて変位する分だけ、結果的に、同分力Fcの作
用しない引張材5とグラウト材Gの付着面(図中Hで示
す範囲)に剥離を促すことになる。このため、引張材5
に引き抜き力を加えると、徐々に剥離が進行して行き、
最終的には小さな力で引張材5を引き抜くことができる
こととなる。
【0016】また、このように引張材5の引き抜き力の
低減に寄与する構成としては、単にアンカー組立体に波
形管22を付加しただけであるから、簡単且つ低コスト
に実施することができる。
【0017】なお、上記実施形態では、使用後に引き抜
く芯材として、合成樹脂管7を被せたアンボンドPC鋼
線6を使用したが、芯材としては、使用時に周囲からの
圧力に抗する耐力を発揮し、且つ、使用後に引き抜かれ
ることで後に空洞部を形成することのできるものであれ
ば何を用いてもよい。他の例としては、例えば、図8に
示すように、引張力Fを加えると伸長して断面積が小さ
くなるゴム36または合成繊維ロ−プを用いることがで
きる。これらを使用した場合、引張力Fを加えると、伸
びて断面積が小さくなるので、周囲の部材37との付着
を徐々に切りながら引き抜くことができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の除去アンカー工法によれば、緊張
用引張材に引き抜き力を加えた際に、予めアンカー組立
体に組み込んである波形管の作用で、グラウト材からの
引張材の剥離が促されるようにしているので、剥離を進
行させることによって、引張材を小さな力で引き抜くこ
とができ、引張材の破断事故を未然に防止することがで
きる。
【0019】(2)請求項2記載のアンカー組立体によ
れば、波形管の作用により、撤去時に請求項1の発明の
効果を奏することができる。また、波形管を設けるだけ
であるから、構成が簡単であり、実現容易である。ま
た、波形管の先端にはキャップを装着しているので、ア
ンカー孔内に挿入するときも、波形管内への土砂やスラ
イムの侵入を防止することができる。さらに、キャップ
にグラウト材流通孔を設けているから、波形管の内外の
グラウト材の充填むらを防止し、均等なグラウト材の充
填を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のアンカー工法に用いるア
ンカー組立体の断面図である。
【図2】前記アンカー組立体を用いて造成したグランド
アンカーの断面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】前記アンカー工法において、アンカー使用後に
緊張用引張材を引き抜く際に働く力の関係を示す要部断
面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図5のVI部における分力発生のメカニズムの
説明図である。
【図7】図6で示した分力により緊張用引張材が空洞部
側に変位した様子を示す断面図である。
【図8】アンカー組立体に組み込む芯材の他の例を示す
断面図である。
【図9】従来のグランドアンカーの断面図である。
【図10】(a)は図9のX−X矢視断面図、(b)は
(a)図の芯材6部分を取り出して示す断面図である。
【図11】従来のアンカーの緊張用引張材撤去の際の問
題点の説明図で、(a)は芯材を引き抜いた後に空洞部
が形成された状態を示す、図9(a)と同様の断面図、
(b)は空洞部と緊張用引張材の関係を拡大して示す断
面図である。
【図12】従来のアンカー工法において、アンカー使用
後に緊張用引張材を引き抜く際に働く力の関係を示す要
部断面図である。
【符号の説明】
2 アンカー孔 5 緊張用引張材 6 アンボンドPC鋼線(芯材) 20 アンカー組立体 22 波形管 23 キャップ 23a グラウト材流通孔 31 アンカー 36 ゴム(芯材) G グラウト材 M 地盤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の波形管内に、使用時は周囲から
    の圧力に抗する耐力を発揮し且つ使用後に引き抜かれる
    ことで後に空洞部を形成する芯材を挿入すると共に、該
    芯材の周囲に緊張用引張材を挿入してなるアンカー組立
    体を、地盤にアンカー孔を穿設したケーシングパイプ内
    にグラウト材を充填した後に挿入し、更にグラウト材を
    ケーシングパイプ内に充填しつつ該ケーシングパイプを
    引き抜くことによりアンカーを造成し、該アンカーの使
    用後に、前記芯材を引き抜くことで波形管内に空洞部を
    形成し、その状態で緊張用引張材を引き抜いて撤去する
    ことを特徴とする除去アンカー工法。
  2. 【請求項2】 地盤に穿設したアンカー孔内に挿入され
    るアンカー組立体において、樹脂製の波形管と、グラウ
    ト材の流通孔を有し前記波形管の先端に装填されたキャ
    ップと、前記波形管内に挿入され使用時は周囲からの圧
    力に抗する耐力を発揮し且つ使用後に引き抜かれること
    で後に空洞部を形成する芯材と、前記波形管の内部に挿
    入され前記芯材の周囲に配された緊張用引張材とを具備
    してなることを特徴とする除去アンカー工法用のアンカ
    ー組立体。
JP36202997A 1997-12-11 1997-12-11 除去アンカー工法及びアンカー組立体 Pending JPH11172671A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101798812A (zh) * 2010-04-19 2010-08-11 北京科技大学 一种具有三层保护双锚固段预应力锚固体系及其锚固方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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