JPH11171573A - ガラス板の折割装置及びこれに用いる押し割りヘッド手段 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 折割られない部位を生じさせることなしに、
ガラス板を所望に折割ることができ、しかも、欠け等の
不良品の発生の虞がないガラス板の折割装置を提供する
こと。 【解決手段】 ガラス板の折割装置１は、ガラス板２を
支持するガラス板支持台３と、ガラス板支持台３上に支
持されたガラス板２に折割線４を形成するカッタヘッド
手段５と、折割線４に沿ってガラス板２を押し割る押し
割りヘッド手段６と、カッタヘッド手段５及び押し割り
ヘッド手段６を移動させる移動手段７と、カッタヘッド
手段５の折割線形成動作、押し割りヘッド手段６の押し
割り動作及び移動手段７の移動動作をそれぞれ制御する
制御手段８とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カッタにより折割
線（切すじ）が形成されたガラス板を折割るガラス板の
折割装置及びこれに用いる押し割りヘッド手段に関す
る。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】例えば自動車の窓ガラ
ス等は、素板ガラスに窓ガラス形状に対応して主切線
（主切すじ）を形成し、この主切線の形成後、更に端切
線（補助切すじ）を形成し、その後に主切線に沿ってガ
ラス板を折割り、その後折割り端面に、研削、研磨等が
施されて製造される。そして従来のガラス板の折割装置
は、押し棒を主切線で囲まれる領域以外のガラス板に押
し付けて主切線に沿ってガラス板を押し割るようにして
いる。

【０００３】ところで上記の従来のガラス板の折割装置
では、単に、押し棒をガラス板に押し付けてガラス板を
押し割るようにしているため、押し棒のガラス板への押
し付け位置が端切線から離れていると、端切線での折割
が所望に行われず、また、押し付け位置近傍での主切線
の深さが偶々浅かったり又はガラス板を支持する支持台
の撓みへこみが浅かったりして、その押し付け位置近傍
での主切線に沿う折割りが生じないと、結果として端切
線までの折割が生じないこととなり、いずれにしてもガ
ラス板を所望に折割れない場合がある。

【０００４】更に、押し棒をガラス板に単に上から押し
付けてガラス板を押し割るようにすると、折割の瞬間
に、折割られて離反したガラス板が飛び上がって、対面
する折割面同士又は折割縁同士が衝突し合い、この衝突
により折割面又は折割縁等に欠けが生じたりする虞もあ
る。

【０００５】本発明は前記諸点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、折割られない部位を
生じさせることなしに、ガラス板を所望に折割ることが
でき、しかも、欠け等の不良品の発生の虞がないガラス
板の折割装置及びこれに用いる押し割りヘッド手段を提
供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様のガ
ラス板の折割装置は、ガラス板に形成された折割線に沿
って当該ガラス板を押し割る押し割りヘッド手段と、押
し割りヘッド手段を移動させる移動手段と、押し割りヘ
ッド手段の押し割り動作及び移動手段の移動動作を制御
する制御手段とを具備しており、押し割りヘッド手段
は、一対の押し部と、この一対の押し部をガラス板に押
し付ける押し付け手段とを具備している。

【０００７】本発明の第二の態様のガラス板の折割装置
は、第一の態様のガラス板の折割装置において、押し割
りヘッド手段は、ガラス板の面に直交する軸の周りで一
対の押し部を回動させる回動手段を更に具備しており、
制御手段は、一対の押し部がガラス板に形成された折割
線を跨ぐように、当該一対の押し部を配向させるべく、
回動手段を制御するように構成されている。

【０００８】本発明の第三の態様のガラス板の折割装置
は、第一又は第二の態様のガラス板の折割装置におい
て、押し割りヘッド手段は、一対の押し部を支持するロ
ッドを具備しており、押し付け手段は、ロッドを下降さ
せてロッドの下端に支持された一対の押し部をガラス板
に押し付けるように構成されており、回動手段は、ロッ
ドをガラス板の面に直交する軸の周りで回動させて、一
対の押し部をガラス板の面に直交する軸の周りで回動さ
せるように構成されている。

【０００９】本発明の第四の態様のガラス板の折割装置
は、第一から第三の態様のいずれかのガラス板の折割装
置において、 制御手段は、折割線を跨いで一対の押し
部をガラス板に押し付けるべく、移動手段及び回動手段
を制御するように構成されている。

【００１０】本発明の第五の態様のガラス板の折割装置
は、第一から第四の態様のいずれかのガラス板の折割装
置において、折割線は、形成されるべきガラス板の外形
形状を示す主切線と、この主切線から伸びてガラス板の
外縁まで伸びた端切線とからなり、制御手段は、端切線
を跨いで一対の押し部をガラス板に押し付けつつ、主切
線と端切線との交点からガラス板の外縁に向かう方向に
一対の押し部を移動させるべく、移動手段及び回動手段
を制御するように構成されている。

【００１１】本発明の第六の態様のガラス板の折割装置
は、第一から第五の態様のいずれかのガラス板の折割装
置において、移動手段は、可動台と、この可動台をガラ
ス板に対してＸ−Ｙ平面内で相対的に移動させるＸ−Ｙ
移動装置とを具備しており、押し付け手段は、可動台に
取り付けられており、ガラス板に一対の押し部を弾性的
に押圧する空気圧シリンダ装置を具備しており、回動手
段は、可動台に取り付けられており、ガラス板の面に直
交する軸の周りで一対の押し部を回動させる電動モータ
を具備している。

【００１２】本発明の第七の態様のガラス板の折割装置
は、第一から第六の態様のいずれかのガラス板の折割装
置において、一対の押し部のそれぞれは円筒表面を具備
しており、押し付け手段は、一対の円筒表面をガラス板
に押し付けるように構成されている。

【００１３】本発明の第八の態様のガラス板の折割装置
は、第一から第七の態様のいずれかのガラス板の折割装
置において、一対の押し部のそれぞれはローラからな
る。

【００１４】本発明の第九の態様のガラス板の折割装置
は、第八の態様のガラス板の折割装置において、一対の
のローラは、ガラス板に押し付けられた状態での当該一
対のローラの移動において、ガラス板にその移動方向の
力を伝達するように、所定の抵抗をもって回転自在であ
る。

【００１５】本発明の第十の態様のガラス板の折割装置
は、第八又は第九の態様のガラス板の折割装置におい
て、一対のローラは、ガラス板に押し付けられた状態で
の当該一対のローラの移動において、ガラス板にその移
動方向の力を伝達し、折割線での対面する折割縁を互い
に離反させるように、所定の抵抗をもって回転自在であ
る。

【００１６】本発明の第十一の態様のガラス板の折割装
置は、第一から第六の態様のガラス板の折割装置におい
て、一対の押し部のそれぞれは球状表面を具備してお
り、押し付け手段は、一対の球状表面をガラス板に押し
付けるように構成されている。

【００１７】本発明の第十二の態様のガラス板の折割装
置は、カッタヘッド手段によりガラス板に形成された折
割線に沿って当該ガラス板を押し割る押し割りヘッド手
段と、押し割りヘッド手段を移動させる移動手段と、押
し割りヘッド手段の押し割り動作及び移動手段の移動動
作を制御する制御手段とを具備しており、押し割りヘッ
ド手段は、回転自在なローラと、このローラをガラス板
に押し付ける押し付け手段と、ガラス板の面に直交する
軸の周りでローラを回動させる回動手段とを具備してお
り、制御手段は、移動手段による押し割りヘッド手段の
移動方向にローラの回転自在方向を配向させるべく、回
動手段を制御するように構成されていると共に、ローラ
をガラス板に押し付けつつ移動させるべく、押し付け手
段及び移動手段を制御するように構成されている。

【００１８】本発明の第十三の態様のガラス板の折割装
置は、第十二の態様のガラス板の折割装置において、押
し割りヘッド手段は、ローラを下端で支持するロッドを
具備しており、押し付け手段は、ロッドを下降させてロ
ッドの下端に支持されたローラをガラス板に押し付ける
ように構成されており、回動手段は、ロッドをガラス板
の面に直交する軸の周りで回動させて、ローラをガラス
板の面に直交する軸の周りで回動させるように構成され
ている。

【００１９】本発明の第十四の態様のガラス板の折割装
置は、第十二又は第十三の態様のガラス板の折割装置に
おいて、制御手段は、ローラを折割線の近傍でガラス板
に押し付けつつ折割線に沿って移動させるべく、移動手
段及び回動手段を制御するように構成されている。

【００２０】本発明の第十五の態様のガラス板の折割装
置は、第十二から第十四の態様のいずれかのガラス板の
折割装置において、折割線は、形成されるべきガラス板
の外形形状を示す主切線と、この主切線から伸びてガラ
ス板の外縁まで伸びた端切線とからなり、制御手段は、
ローラを端切線の近傍でガラス板に押し付けつつ、主切
線と端切線との交点からガラス板の外縁に向かう方向に
端切線に沿って移動させるべく、移動手段及び回動手段
を制御するように構成されている。

【００２１】本発明の第十六の態様のガラス板の折割装
置は、第十二から第十五の態様のいずれかのガラス板の
折割装置において、ローラは、ガラス板に押し付けられ
た状態での当該ローラの移動において、ガラス板にその
移動方向の力を伝達するように、所定の抵抗をもって回
転自在である。

【００２２】本発明の第十七の態様のガラス板の折割装
置は、第十二から第十六の態様のいずれかのガラス板の
折割装置において、ローラは、ガラス板に押し付けられ
た状態での当該ローラの移動において、ガラス板にその
移動方向の力を伝達し、折割線での対面する折割縁を互
いに離反させるように、所定の抵抗をもって回転自在で
ある。

【００２３】本発明の第十八の態様のガラス板の折割装
置は、第十二から第十七の態様のいずれかのガラス板の
折割装置において、移動手段は、可動台と、この可動台
をガラス板に対してＸ−Ｙ平面内で相対的に移動させる
Ｘ−Ｙ移動装置とを具備しており、押し付け手段は、可
動台に取り付けられており、ガラス板にローラを弾性的
に押圧する空気圧シリンダ装置を具備しており、回動手
段は、可動台に取り付けられており、ガラス板の面に直
交する軸の周りでローラを回動させる電動モータを具備
している。

【００２４】本発明の第十九の態様の押し割りヘッド手
段は、第一から第十八の態様のいずれかのガラス板の折
割装置に用いるための押し割りヘッド手段である。

【００２５】本発明の第二十の態様の押し割りヘッド手
段は、ガラス板の折割装置に用いるための押し割りヘッ
ド手段であって、ガラス板に形成された折割線に沿って
当該ガラス板を押し割るべく、一対の押し部を具備して
いる。

【００２６】本発明の第二十一の態様の押し割りヘッド
手段は、第二十の態様のガラス板の折割装置において、
一対の押し部は、ガラス板に当接してガラス板を押し割
る円筒状表面又は球状表面を有している。

【００２７】

【発明の実施の形態】次に本発明及びその実施の形態
を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明す
る。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのであ
る。

【００２８】図１から図６において本例のガラス板の折
割装置１は、ガラス板２を支持するガラス板支持台３
と、ガラス板支持台３上に支持されたガラス板２に折割
線４を形成するカッタヘッド手段５と、折割線４に沿っ
てガラス板２を押し割る押し割りヘッド手段６と、カッ
タヘッド手段５及び押し割りヘッド手段６を移動させる
移動手段７と、カッタヘッド手段５の折割線形成動作、
押し割りヘッド手段６の押し割り動作及び移動手段７の
移動動作をそれぞれ制御する制御手段８とを具備してい
る。

【００２９】ガラス板支持台３は、フレーム１１に支持
されており、ガラス板２を支持するその上面１２は、押
し割りヘッド手段６による押し割りにおいてガラス板２
が若干撓み得るように、ゴム等の弾性材で被覆されて可
撓性に形成されている。

【００３０】カッタヘッド手段５は、基台２１と、カッ
タブロック２２を支持するカッタ支持軸２３と、基台２
１に取り付けられており、ガラス板支持台３に載置され
たガラス板２に、カッタブロック２２に回転自在に取り
付けられたカッタホイール２４を押圧するべく、カッタ
支持軸２３に連結された空気圧シリンダ装置２５と、カ
ッタホイール２４を、ガラス板２の面に直交する軸であ
るＺ１軸の周りで回動、すなわちＡ方向に回動させるべ
く、出力回転軸２６がカッタ支持軸２３に連結された電
動モータ２７とを具備している。サーボモータからなる
電動モータ２７の出力回転軸２６とカッタ支持軸２３と
は同軸上、すなわちＺ１軸上に配されている。

【００３１】空気圧シリンダ装置２５は、基台２１にボ
ルト３１を介して取り付けられたシリンダ３２と、シリ
ンダ３２内に配されたピストン３３と、ピストン３３に
固着された中空のピストンロッド３４とを具備してお
り、シリンダ３２には高圧空気給排用のホース３５及び
３６を接続するための接続具３７及び３８が取り付けら
れており、ピストンロッド３４は、シリンダ３２をＺ１
軸方向、すなわち上下方向に摺動自在に貫通して配され
ている。ホース３５及び３６を介してシリンダ３２内に
高圧空気が給排されることによりピストン３３が上昇、
下降されると、ピストンロッド３４もまた上昇、下降さ
れるようになっている。

【００３２】電動モータ１１は、基台２１にボルト４１
を介して取り付けられており、その出力回転軸２６は、
スプライン機構４２を介してカッタ支持軸２３に連結さ
れている。スプライン機構４２は、内面に複数本の縦溝
４３が形成されており、出力回転軸２６が内部に挿着さ
れて、一端がねじ４４によって出力回転軸２６に固着さ
れた筒体４５と、縦溝４３に対応してカッタ支持軸２３
の上部外面に形成された縦溝４６と、対向する縦溝４３
及び４６間に配された複数の鋼球４７とを具備してい
る。スプライン機構４２は、出力回転軸２６のＡ方向の
回転をカッタ支持軸２３に伝達すると共に、カッタ支持
軸２３自体の上昇、下降を許容する。

【００３３】カッタ支持軸２３は、ピストンロッド３４
の中空部を貫通して配されており、ピストンロッド３４
の下部内部には軸受５１が挿着されており、カッタ支持
軸２３は、ピストンロッド３４に軸受５１を介してＡ方
向に回転自在に支持されている。すなわち、カッタ支持
軸２３とピストンロッド３４とは軸受５１を介して互い
に回転自在に連結されている。軸受５１の外輪はピスト
ンロッド３４に、その内輪はカッタ支持軸２３にそれぞ
れ固着されており、したがってピストンロッド３４が上
昇、下降されると、カッタ支持軸２３もまた上昇、下降
されるようになっている。

【００３４】押し割りヘッド手段６は、基台６１と、一
対の押し部としての、夫々が円筒表面を有した一対の回
転自在なローラ６２及び６３と、一対のローラ６２及び
６３を下端で軸６４を介して回転自在に支持するロッド
６５と、一対のローラ６２及び６３の円筒表面をガラス
板２に押し付ける押し付け手段６６と、ガラス板２の面
に直交する軸であるＺ２軸の周りで一対のローラ６２及
び６３を回動、すなわちＢ方向に回動させる回動手段６
７とを具備している。

【００３５】押し付け手段６６は、空気圧シリンダ装置
２５と同様に構成されており、基台６１にボルト７１を
介して取り付けられたシリンダ７２と、シリンダ７２内
に配されたピストン７３と、ピストン７３に固着された
中空のピストンロッド７４とを具備しており、シリンダ
７２には高圧空気給排用のホース７５及び７６を接続す
るための接続具７７及び７８が取り付けられており、ピ
ストンロッド７４は、シリンダ７２をＺ２軸方向、すな
わち上下方向に摺動自在に貫通して配されている。ホー
ス７５及び７６を介してシリンダ７２内に高圧空気が給
排されることによりピストン７３が上昇、下降される
と、ピストンロッド７４もまた上昇、下降されるように
なっている。

【００３６】回動手段６７は、基台６１にボルト８１を
介して取り付けられた電動モータ８２と、電動モータ８
２の出力回転軸８３をロッド６５に連結するスプライン
機構８４とを具備している。スプライン機構８４は、ス
プライン機構４２と同様に構成されており、内面に複数
本の縦溝８５が形成されており、出力回転軸８３が内部
に挿着されて、一端がねじ８６によって出力回転軸８３
に固着された筒体８７と、縦溝８５に対応してロッド６
５の上部外面に形成された縦溝８８と、対向する縦溝８
５及び８８間に配された複数の鋼球８９とを具備してい
る。スプライン機構８４は出力回転軸８３のＢ方向の回
転をロッド６５に伝達すると共に、ロッド６５自体の上
昇、下降を許容する。

【００３７】ローラ支持軸でもあるロッド６５は、ピス
トンロッド７４の中空部を貫通して配されており、ピス
トンロッド７４の下部内部には軸受９０が挿着されてお
り、ロッド６５は、ピストンロッド７４に軸受９０を介
してＢ方向に回転自在に支持されている。すなわち、ロ
ッド６５とピストンロッド７４とは軸受９０を介して互
いに回転自在に連結されている。軸受９０の外輪はピス
トンロッド７４に、その内輪はロッド６５にそれぞれ固
着されており、したがってピストンロッド７４が上昇、
下降されると、ロッド６５もまた上昇、下降されるよう
になっている。

【００３８】移動手段７は、基台２１及び６１がねじ１
０１及び１０２により取り付けられた可動台１０３と、
可動台１０３をガラス板２に対してＸ−Ｙ平面内で相対
的に移動させるＸ−Ｙ移動装置１０４とを具備してい
る。

【００３９】Ｘ−Ｙ移動装置１０４は、可動台１０３を
Ｘ方向に移動させるＸ方向移動装置１１１と、可動台１
０３をＹ方向に移動させるＹ方向移動装置１１２とを具
備している。

【００４０】Ｘ方向移動装置１１１は、フレーム１１に
取り付けられたサーボモータからなる電動モータ１１３
と、電動モータ１１３の出力回転軸に、プーリ１１４、
ベルト１１５及びプーリ１１６を介して連結されてお
り、フレーム１１に軸受１１７、１１８及び１１９を介
して回転自在に支持された回転軸１２０と、方向転換用
のギア機構１３１及び１３２を介して回転軸１２０にそ
れぞれ連結されており、軸受１３３及び１３４並びに１
３５及び１３６を介して回転自在にフレーム１１に支持
されたねじ軸１３７及び１３８と、ねじ軸１３７及び１
３８に螺合したナット部材１３９及び１４０が両端下面
に固着された可動フレーム１４１とを具備している。

【００４１】可動フレーム１４１は、ガラス板支持台３
を横断して配されており、可動フレーム１４１の両端下
面にはスライダ１５１及び１５２が取り付けられてお
り、スライダ１５１及び１５２は、フレーム１１の上面
に取り付けられた案内レール１５３及び１５４にＸ方向
に移動自在に嵌装されている。

【００４２】Ｙ方向移動装置１１２は、可動台１０３に
取り付けられたサーボモータからなる電動モータ１６１
と、電動モータ１６１の出力回転軸に取り付けられたピ
ニオン１６２と、ピニオン１６２が噛み合っており、可
動フレーム１４１に取り付けられたラック１６３とを具
備している。可動フレーム１４１にはＹ方向に伸びる案
内レール１６４がボルト１６５により取り付けられてお
り、案内レール１６４には、可動台１０３に取り付けら
れたスライダ１６６がベアリング１６７を介してＹ方向
に移動自在に嵌着されている。

【００４３】マイクロコンピュータ等から構成される制
御手段８は、電動モータ２７、８２、１１３、１６１並
びに空気圧シリンダ装置２５及び押し付け手段６６への
高圧空気の給排を司る制御弁機構（図示せず）に接続さ
れており、予め記憶された制御プログラムより電動モー
タ２７、８２、１１３、１６１並びに空気圧シリンダ装
置２５及び押し付け手段６６への高圧空気の給排を司る
制御弁機構の作動を制御して、ガラス板２に対して折割
線４の形成及び折割線４に沿うガラス板２の押し割りを
実行する。

【００４４】制御手段８は、押し割りにおいては、移動
手段７の電動モータ１１３の作動による押し割りヘッド
手段６の移動方向に一対のローラ６２及び６３の回転自
在方向を配向させ、且つ、形成されるべきガラス板２の
外形形状を示す主切線１７１と主切線１７１から伸びて
ガラス板２の外縁まで伸びた端切線１７２とからなる折
割線４のうち当該端切線１７２を跨いで一対のローラ６
２及び６３をガラス板２に押し付けるべく、移動手段７
の電動モータ１１３及び回転手段６７の電動モータ８２
を制御するように構成されている。

【００４５】また、制御手段８は、端切線１７２を跨い
で一対のローラ６２及び６３をガラス板２に押し付けつ
つ、主切線１７１と端切線１７２との交点からガラス板
２の外縁に向かう方向、すなわちＣ方向に一対のローラ
６２及び６３を移動させるべく、移動手段７の電動モー
タ１１３及び回動手段６７の電動モータ８２を制御する
ように構成されている。

【００４６】ガラス板の折割装置１は次のように動作す
る。折割線４の形成においては、制御手段８の制御下
で、電動モータ１１３が作動されると、プーリ１１４、
ベルト１１５、プーリ１１６、回転軸１２０及びギア機
構１３１、１３２を介してねじ軸１３７及び１３８が回
転され、これにより可動フレーム１４１は案内レール１
５３及び１５４に案内されてＸ方向に移動され、同じく
制御手段８の制御下で、電動モータ１６１が作動される
と、回転するピニオン１６２とラック１６３との噛み合
いにより可動台１０３が案内レール１６４に案内されて
Ｙ方向に移動される。

【００４７】可動フレーム１４１のＸ方向の移動と可動
台１０３のＹ方向の移動とにより基台２１はガラス板２
上のＸ−Ｙ平面内で移動され、しかしてカッタホイール
２４は主切線１７１に沿って移動される。カッタホイー
ル２４の移動に際して制御装置８の制御下で空気圧シリ
ンダ装置２５もまた作動されてカッタホイール２４がガ
ラス板２に押圧されるようにピストンロッド３４が下降
される。カッタホイール２４のガラス板２への空気弾性
的な押圧によりガラス板２に主切線１７１が形成される
こととなる。また主切線形成に際して制御装置８の制御
下で電動モータ２７が作動されて筒体４５がＡ方向に回
転されると、カッタ支持軸２３もＡ方向に回転され、こ
れにより主切線形成に際してカッタホイール２４の刃先
が主切線形成方向に向けられることとなる。

【００４８】以上のようにしてガラス板２に主切線１７
１が形成される。ガラス板２への主切線形成が完了する
と、主切線形成と同様にして、端切線１７２がカッタホ
イール２４により形成される。

【００４９】主切線及び端切線形成が完了すると、制御
手段８の制御下での移動手段７の作動による可動台１０
３のＸ−Ｙ方向の移動と、回動手段６７の電動モータ８
２の作動によるロッド６５を介する一対のローラ６２及
び６３のＢ方向の回動とにより、図７に示すように、一
つの端切線１７２を跨ぐように一対のローラ６２及び６
３が位置される。この一対のローラ６２及び６３の配置
後、押し付け手段６６の制御手段８の制御下での作動に
よるピストン７３の下降により、一対のローラ６２及び
６３がその夫々の円筒表面でガラス板２に空気弾性的に
押し付けられ、同時に、移動手段７の作動による可動台
１０３のＣ方向の移動により、ガラス板２に押し付けら
れた一対のローラ６２及び６３が主切線１７１と端切線
１７２との交点からガラス板２の外縁に向かう方向、す
なわちＣ方向に移動される。

【００５０】この一対のローラ６２及び６３のガラス板
２への押し付けとＣ方向の移動とにより、ガラス板２に
主切線１７１及び端切線１７２に沿ったニューが生じ、
ガラス板２の撓みと共に主切線１７１及び端切線１７２
に沿ってガラス板２が折割られる。一つの端切線１７２
に対して以上の作業が完了すると、他の一つの端切線１
７２に対して以上の作業が同様に行われ、最後に、主切
線１７１に沿って折割られたガラス板が得られることに
なる。

【００５１】以上の折割りが完了すると、主切線１７１
に沿って折割られたガラス板は、持ち上げ装置（図示せ
ず）によりガラス板支持台３から持ち上げられて搬出さ
れ、次の工程、例えば折割縁を研削する研削工程に搬入
される。また、ガラス板支持台３に残った折割屑は適宜
除去されて、新たなガラス板２がガラス板支持台３上に
搬入される。なお、折割屑の排出のために、無端ベルト
を具備したベルトコンベアでガラス板支持台３を構成す
るとよい。

【００５２】以上のガラス板の折割装置１では、ガラス
板２を押圧しつつ、ローラ６２及び６３を端切線１７２
に沿って転がしながら移動させているため、単に一個所
を押圧する押し棒と比較して、端切線１７２及び主切線
１７１にニューを発生させ易く、したがって、主切線１
７１又は端切線１７２の深さが偶々浅かったり又はガラ
ス板２を支持するガラス板支持台３の撓みへこみが浅か
ったりしても、折割り誤りなしに所望にガラス板２を主
切線１７１に沿って折割ることができる。

【００５３】また、一本の押し棒をガラス板２に単に上
から押し付けてガラス板２を押し割るようにすると、折
割の瞬間にガラス板２が跳ね上がったりして対面する折
割面同士等が衝突し合い、この衝突により折割面等に欠
けが生じたりする虞があるが、ガラス板２を押圧しつ
つ、ローラ６２及び６３を端切線１７２に沿って転がし
ながら移動させているため、この虞もなくし得て衝突に
よる折割面等の欠けの発生もなくし得る。

【００５４】上記のガラス板の折割装置１では、カッタ
ヘッド手段５により主切線１７１と端切線１７２とを形
成したが、主切線１７１のみを前工程で形成して、ガラ
ス板の折割装置１では、端切線１７２の形成と押し割り
とを行うようにしてもよく、更に、カッタヘッド手段５
を省いて、ガラス板の折割装置１では、押し割りのみを
行うようにしてもよい。

【００５５】なお、一対のローラ６２及び６３に代え
て、一個のローラを回転自在にロッド６５に取り付け
て、端切線１７２を跨ぐことなしに、一個のローラを端
切線１７２の側又は主切線１７１の側でガラス板２に押
して付けつつＣ方向に移動させてもよい。

【００５６】一対のローラ６２及び６３又は一個のロー
ラをガラス板２に押して付けつつＣ方向に移動させ場
合、当該ローラは、ガラス板２上を転がりながら移動す
るが、この転がり移動において、ガラス板２にその移動
方向の力を伝達し、主切線１７１での対面する折割縁を
互いに離反させるように、所定の回転抵抗が生じるよう
にロッド６５に回転自在に取り付けられているとよい。
このようにいわばローラを若干回り難くして、主切線１
７１で囲まれない側のガラス板２にＣ方向の力を伝達す
ると、折割の瞬間に主切線１７１で囲まれない側のガラ
ス板２（折割屑）を主切線１７１で囲まれる側のガラス
板２から離れさせるようにすることができ、これにより
対面する折割面同士等が衝突し合い、この衝突によりハ
マ欠け、折割面等に欠けが生じたりする虞を更に効果的
になくすことができ、衝突によるハマ欠け、折割面等の
欠けの発生も確実になくし得る。

【００５７】ガラス板の折割装置１では、カッタヘッド
手段５、押し割りヘッド手段６及び移動手段７をそれぞ
れ一個だけ設けたが、図８に示すように、カッタヘッド
手段５、押し割りヘッド手段６及び移動手段７に加え
て、これらと同様に構成されたカッタヘッド手段５ａ、
押し割りヘッド手段６ａ及び移動手段７ａを更に設け
て、これらの動作を前記と同様に制御手段８により制御
するように構成してもよい。図８に示すガラス板の折割
装置２０１では、カッタヘッド手段５、押し割りヘッド
手段６及び移動手段７とカッタヘッド手段５ａ、押し割
りヘッド手段６ａ及び移動手段７ａとにより複数の端切
線形成及び押し割りを分担させて行わせることができ、
端切線形成及び押し割りが極めて短時間で行い得ること
となり生産性を向上でき極めて好ましい。なお、主切線
形成も分担させてもよい。ガラス板の折割装置２０１の
詳細構成及びその動作はガラス板の折割装置１と実質同
一であるので、その詳細な説明を省略する。

【００５８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、折割られ
ない部位を生じさせることなしに、ガラス板を所望に折
割ることができ、しかも、欠け等の不良品の発生の虞が
ないガラス板の折割装置及びこれに用いる押し割りヘッ
ド手段を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい一実施例の平面図である。

【図２】図１に示す実施例の一部破断側面図である。

【図３】図１に示す実施例の一部破断正面図である。

【図４】図１に示す実施例の一部詳細断面図である。

【図５】図１に示す実施例の一部詳細断面図である。

【図６】図５に示す押し割りヘッド手段の一部詳細図で
ある。

【図７】図１に示す実施例の動作説明図である。

【図８】本発明の好ましい他の実施例の平面図である。

【符号の説明】

１ ガラス板の折割装置 ２ ガラス板 ３ ガラス板支持台 ４ 折割線 ５ カッタヘッド手段 ６ 押し割りヘッド手段 ７ 移動手段 ８ 制御手段

Claims (21)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラス板に形成された折割線に沿って当
   該ガラス板を押し割る押し割りヘッド手段と、押し割り
   ヘッド手段を移動させる移動手段と、押し割りヘッド手
   段の押し割り動作及び移動手段の移動動作を制御する制
   御手段とを具備しており、押し割りヘッド手段は、一対
   の押し部と、この一対の押し部をガラス板に押し付ける
   押し付け手段とを具備したガラス板の折割装置。
2. 【請求項２】 押し割りヘッド手段は、ガラス板の面に
   直交する軸の周りで一対の押し部を回動させる回動手段
   を更に具備しており、制御手段は、一対の押し部がガラ
   ス板に形成された折割線を跨ぐように、当該一対の押し
   部を配向させるべく、回動手段を制御するように構成さ
   れている請求項１に記載のガラス板の折割装置。
3. 【請求項３】 押し割りヘッド手段は、一対の押し部を
   支持するロッドを具備しており、押し付け手段は、ロッ
   ドを下降させてロッドの下端に支持された一対の押し部
   をガラス板に押し付けるように構成されており、回動手
   段は、ロッドをガラス板の面に直交する軸の周りで回動
   させて、一対の押し部をガラス板の面に直交する軸の周
   りで回動させるように構成されている請求項１又は２に
   記載のガラス板の折割装置。
4. 【請求項４】 制御手段は、折割線を跨いで一対の押し
   部をガラス板に押し付けるべく、移動手段及び回動手段
   を制御するように構成されている請求項１から３のいず
   れか一項に記載のガラス板の折割装置。
5. 【請求項５】 折割線は、形成されるべきガラス板の外
   形形状を示す主切線と、この主切線から伸びてガラス板
   の外縁まで伸びた端切線とからなり、制御手段は、端切
   線を跨いで一対の押し部をガラス板に押し付けつつ、主
   切線と端切線との交点からガラス板の外縁に向かう方向
   に一対の押し部を移動させるべく、移動手段及び回動手
   段を制御するように構成されている請求項１から４のい
   ずれか一項に記載のガラス板の折割装置。
6. 【請求項６】 移動手段は、可動台と、この可動台をガ
   ラス板に対してＸ−Ｙ平面内で相対的に移動させるＸ−
   Ｙ移動装置とを具備しており、押し付け手段は、可動台
   に取り付けられており、ガラス板に一対の押し部を弾性
   的に押圧する空気圧シリンダ装置を具備しており、回動
   手段は、可動台に取り付けられており、ガラス板の面に
   直交する軸の周りで一対の押し部を回動させる電動モー
   タを具備している請求項１から５のいずれか一項に記載
   のガラス板の折割装置。
7. 【請求項７】 一対の押し部のそれぞれは円筒表面を具
   備しており、押し付け手段は、一対の円筒表面をガラス
   板に押し付けるように構成されている請求項１から６の
   いずれか一項に記載のガラス板の折割装置。
8. 【請求項８】 一対の押し部のそれぞれはローラからな
   る請求項１から７のいずれか一項に記載のガラス板の折
   割装置。
9. 【請求項９】 一対のローラは、ガラス板に押し付けら
   れた状態での当該一対のローラの移動において、ガラス
   板にその移動方向の力を伝達するように、所定の抵抗を
   もって回転自在である請求項８に記載のガラス板の折割
   装置。
10. 【請求項１０】 一対のローラは、ガラス板に押し付け
    られた状態での当該一対のローラの移動において、ガラ
    ス板にその移動方向の力を伝達し、折割線での対面する
    折割縁を互いに離反させるように、所定の抵抗をもって
    回転自在である８又は９に記載のガラス板の折割装置。
11. 【請求項１１】 一対の押し部のそれぞれは球状表面を
    具備しており、押し付け手段は、一対の球状表面をガラ
    ス板に押し付けるように構成されている請求項１から６
    のいずれか一項に記載のガラス板の折割装置。
12. 【請求項１２】 カッタヘッド手段によりガラス板に形
    成された折割線に沿って当該ガラス板を押し割る押し割
    りヘッド手段と、押し割りヘッド手段を移動させる移動
    手段と、押し割りヘッド手段の押し割り動作及び移動手
    段の移動動作を制御する制御手段とを具備しており、押
    し割りヘッド手段は、回転自在なローラと、このローラ
    をガラス板に押し付ける押し付け手段と、ガラス板の面
    に直交する軸の周りでローラを回動させる回動手段とを
    具備しており、制御手段は、移動手段による押し割りヘ
    ッド手段の移動方向にローラの回転自在方向を配向させ
    るべく、回動手段を制御するように構成されていると共
    に、ローラをガラス板に押し付けつつ移動させるべく、
    押し付け手段及び移動手段を制御するように構成されて
    いるガラス板の折割装置。
13. 【請求項１３】 押し割りヘッド手段は、ローラを下端
    で支持するロッドを具備しており、押し付け手段は、ロ
    ッドを下降させてロッドの下端に支持されたローラをガ
    ラス板に押し付けるように構成されており、回動手段
    は、ロッドをガラス板の面に直交する軸の周りで回動さ
    せて、ローラをガラス板の面に直交する軸の周りで回動
    させるように構成されている請求項１２に記載のガラス
    板の折割装置。
14. 【請求項１４】 制御手段は、ローラを折割線の近傍で
    ガラス板に押し付けつつ折割線に沿って移動させるべ
    く、移動手段及び回動手段を制御するように構成されて
    いる請求項１２又は１３に記載のガラス板の折割装置。
15. 【請求項１５】 折割線は、形成されるべきガラス板の
    外形形状を示す主切線と、この主切線から伸びてガラス
    板の外縁まで伸びた端切線とからなり、制御手段は、ロ
    ーラを端切線の近傍でガラス板に押し付けつつ、主切線
    と端切線との交点からガラス板の外縁に向かう方向に端
    切線に沿って移動させるべく、移動手段及び回動手段を
    制御するように構成されている請求項１２から１４のい
    ずれか一項に記載のガラス板の折割装置。
16. 【請求項１６】 ローラは、ガラス板に押し付けられた
    状態での当該ローラの移動において、ガラス板にその移
    動方向の力を伝達するように、所定の抵抗をもって回転
    自在である請求項１２から１５のいずれか一項に記載の
    ガラス板の折割装置。
17. 【請求項１７】 ローラは、ガラス板に押し付けられた
    状態での当該ローラの移動において、ガラス板にその移
    動方向の力を伝達し、折割線での対面する折割縁を互い
    に離反させるように、所定の抵抗をもって回転自在であ
    る請求項１２から１６のいずれか一項に記載のガラス板
    の折割装置。
18. 【請求項１８】 移動手段は、可動台と、この可動台を
    ガラス板に対してＸ−Ｙ平面内で相対的に移動させるＸ
    −Ｙ移動装置とを具備しており、押し付け手段は、可動
    台に取り付けられており、ガラス板にローラを弾性的に
    押圧する空気圧シリンダ装置を具備しており、回動手段
    は、可動台に取り付けられており、ガラス板の面に直交
    する軸の周りでローラを回動させる電動モータを具備し
    ている請求項１２から１６のいずれか一項に記載のガラ
    ス板の折割装置。
19. 【請求項１９】 請求項１から１８のいずれか一項に記
    載のガラス板の折割装置に用いられる押し割りヘッド手
    段。
20. 【請求項２０】 ガラス板の折割装置に用いるための押
    し割りヘッド手段であって、ガラス板に形成された折割
    線に沿って当該ガラス板を押し割るべく、一対の押し部
    を具備している押し割りヘッド手段。
21. 【請求項２１】 一対の押し部は、ガラス板に当接して
    ガラス板を押し割る円筒状表面又は球状表面を有してい
    る請求項２０に記載の押し割りヘッド手段。