JPH11171529A - 不燃材料用無機複合酸化物の製造方法および複合材料 - Google Patents
不燃材料用無機複合酸化物の製造方法および複合材料Info
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- JPH11171529A JPH11171529A JP9335228A JP33522897A JPH11171529A JP H11171529 A JPH11171529 A JP H11171529A JP 9335228 A JP9335228 A JP 9335228A JP 33522897 A JP33522897 A JP 33522897A JP H11171529 A JPH11171529 A JP H11171529A
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- inorganic composite
- silica
- noncombustible
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Abstract
(57)【要約】
【課題】初期粘度の低い不燃材料用無機複合酸化物を製
造する。 【解決手段】アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属を含むケイ酸塩水溶液に含アルミニウム化合物を添
加し、その後にシリカを添加し、これを150℃以下で
加熱する。
造する。 【解決手段】アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属を含むケイ酸塩水溶液に含アルミニウム化合物を添
加し、その後にシリカを添加し、これを150℃以下で
加熱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維等と複合
化させることにより生成した複合材料に1000℃まで
不燃性を付与することができる不燃材料用無機複合酸化
物の作製方法に関するものである。
化させることにより生成した複合材料に1000℃まで
不燃性を付与することができる不燃材料用無機複合酸化
物の作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維複合材料は比強度、比剛性が高
く、耐食性、電磁波シールド性が、鉄、セメント、木材
といった材料に比べ優れている。しかし、これまで炭素
繊維複合材料は炭素繊維とフェノール樹脂などの有機化
合物と複合化されている。従って不燃材料でないことに
より構造材料として耐火制限を受けてきた。炭素繊維を
不燃性無機材料と複合化できれば耐火制限を受けない不
燃性構造材料となり、屋根、壁、床、踏み板、橋桁など
多くの用途への展開が可能となる。
く、耐食性、電磁波シールド性が、鉄、セメント、木材
といった材料に比べ優れている。しかし、これまで炭素
繊維複合材料は炭素繊維とフェノール樹脂などの有機化
合物と複合化されている。従って不燃材料でないことに
より構造材料として耐火制限を受けてきた。炭素繊維を
不燃性無機材料と複合化できれば耐火制限を受けない不
燃性構造材料となり、屋根、壁、床、踏み板、橋桁など
多くの用途への展開が可能となる。
【0003】不燃性無機材料としては炭化ケイ素または
チッ化ケイ素などで代表されるセラミックス繊維強化剤
およびセメントなどで代表されるシリカおよびアルミナ
を含む複合無機材料等が知られている。しかしこれら不
燃性無機材料は価格が高かったり、炭素繊維との複合化
が難しいなど多くの課題があるのが現状である。この課
題に対して最近、炭素繊維との複合化を目指した無機材
料が開示されている。例えば、欧州特許EP0,288,502(WO
88/02,741)およびこれに対応する米国特許US4,888,311
にSiO2/Al2O3比が2、nM/Al比が0.25〜5.70のポリ(シ
アル酸塩)M(‐Si‐O‐Al‐O‐)からなる不燃材料用無
機複合酸化物が開示されている。欧州特許EP0518980(WO
91/13830)にはSiO2/Al2O3比が4、nM/Al比が1.0〜1.6の
ポリ(シアル酸塩シロキソ)M(‐Si‐O‐Al‐O‐Si‐O
‐)からなる不燃材料用無機複合酸化物が開示されてい
る。また、欧州特許EP0518962(WO91/13840)にはS
iO2/Al2O3比が6、nM/Al比が1.0〜1.6のポリ(シアル酸
塩ジシロキソ)M(‐Si‐O‐Al‐O‐Si‐O‐Si‐O‐)か
らなる無機複合酸化物が開示されている。これらの不燃
材料用無機複合酸化物は、珪素とアルミニウムが酸素を
介し結合した単一相からなり、三次元的な網目構造を有
しているため、高い硬度を有する反面、脆く、炭素繊維
との複合材料は高温において不燃性を示さない欠点があ
った。
チッ化ケイ素などで代表されるセラミックス繊維強化剤
およびセメントなどで代表されるシリカおよびアルミナ
を含む複合無機材料等が知られている。しかしこれら不
燃性無機材料は価格が高かったり、炭素繊維との複合化
が難しいなど多くの課題があるのが現状である。この課
題に対して最近、炭素繊維との複合化を目指した無機材
料が開示されている。例えば、欧州特許EP0,288,502(WO
88/02,741)およびこれに対応する米国特許US4,888,311
にSiO2/Al2O3比が2、nM/Al比が0.25〜5.70のポリ(シ
アル酸塩)M(‐Si‐O‐Al‐O‐)からなる不燃材料用無
機複合酸化物が開示されている。欧州特許EP0518980(WO
91/13830)にはSiO2/Al2O3比が4、nM/Al比が1.0〜1.6の
ポリ(シアル酸塩シロキソ)M(‐Si‐O‐Al‐O‐Si‐O
‐)からなる不燃材料用無機複合酸化物が開示されてい
る。また、欧州特許EP0518962(WO91/13840)にはS
iO2/Al2O3比が6、nM/Al比が1.0〜1.6のポリ(シアル酸
塩ジシロキソ)M(‐Si‐O‐Al‐O‐Si‐O‐Si‐O‐)か
らなる無機複合酸化物が開示されている。これらの不燃
材料用無機複合酸化物は、珪素とアルミニウムが酸素を
介し結合した単一相からなり、三次元的な網目構造を有
しているため、高い硬度を有する反面、脆く、炭素繊維
との複合材料は高温において不燃性を示さない欠点があ
った。
【0004】これに対し最近公開された、PCT/FR96/003
88(WO96/28398)明細書には次に示す二相から構成されて
いるSiO2/Al2O3比が6.5〜70、nM/Al比が0.95〜9.5の不
燃材料用無機複合酸化物が開示されている。
88(WO96/28398)明細書には次に示す二相から構成されて
いるSiO2/Al2O3比が6.5〜70、nM/Al比が0.95〜9.5の不
燃材料用無機複合酸化物が開示されている。
【0005】a相:粒径1μm 未満のシリカアルミナ粒
子(2SiO2・AlO2〜34SiO2・AlO2) b相:アルミノケイ酸網状部分(M4Si2AlO10〜M2Si4AlO
16) かかる不燃材料用無機複合酸化物と炭素繊維との複合材
料では1000℃まで不燃性を示すとの記述があるが、脆さ
の改善がまだ十分でなく、かつ水に浸したとき不燃材料
用無機複合酸化物からアルカリが溶出し、水が濃アルカ
リ性を示すなど多くの問題があることがわかった。
子(2SiO2・AlO2〜34SiO2・AlO2) b相:アルミノケイ酸網状部分(M4Si2AlO10〜M2Si4AlO
16) かかる不燃材料用無機複合酸化物と炭素繊維との複合材
料では1000℃まで不燃性を示すとの記述があるが、脆さ
の改善がまだ十分でなく、かつ水に浸したとき不燃材料
用無機複合酸化物からアルカリが溶出し、水が濃アルカ
リ性を示すなど多くの問題があることがわかった。
【0006】以上のような無機複合酸化物の調製方法
は、1)シリカアルミナ混合粉末をアルカリ性水溶液に
溶解しアルカリ性ケイ酸塩水溶液を調製し、2)ここに
シリカアルミナ混合粉末を加え60〜150℃で3時間
加熱する、というものであった。また、これら無機複合
酸化物の作製方法では、1)のアルカリ性ケイ酸塩水溶
液の調製と2)の無機複合酸化物の作製に用いるシリカ
アルミナ粉末は、天然のシリコアルミン酸塩を電気溶融
したものであった。この天然のシリコアルミン酸塩のSi
O2/Al2O3比は2〜68であるため、作製された無機複合
酸化物のSiO2/Al2O3比は68未満に限定されるものであ
った。このように従来技術ではシリカアルミナ混合粉末
を原料に用いているため、SiO2/Al2O3比は原料組成比の
制約を受け、望み通りに調製することができなかった。
は、1)シリカアルミナ混合粉末をアルカリ性水溶液に
溶解しアルカリ性ケイ酸塩水溶液を調製し、2)ここに
シリカアルミナ混合粉末を加え60〜150℃で3時間
加熱する、というものであった。また、これら無機複合
酸化物の作製方法では、1)のアルカリ性ケイ酸塩水溶
液の調製と2)の無機複合酸化物の作製に用いるシリカ
アルミナ粉末は、天然のシリコアルミン酸塩を電気溶融
したものであった。この天然のシリコアルミン酸塩のSi
O2/Al2O3比は2〜68であるため、作製された無機複合
酸化物のSiO2/Al2O3比は68未満に限定されるものであ
った。このように従来技術ではシリカアルミナ混合粉末
を原料に用いているため、SiO2/Al2O3比は原料組成比の
制約を受け、望み通りに調製することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】不燃材料用無機複合酸
化物の製造過程において、ケイ酸塩水溶液、含アルミニ
ウム化合物、およびシリカを混合した直後の溶液の粘度
はSiO2/Al2O3比に影響され、SiO2/Al2O3比が高いほど粘
度が低く、複合材料の作製が容易になる。これに対し、
従来技術はSiO2/Al2O3比が68未満に限定されており、原
料を混合した直後の溶液の粘度が高く、炭素繊維などと
の複合化作業が困難であった。かかる現状に対し、原料
を混合した直後の粘度が低く、複合材料の作成に適した
不燃材料用無機複合酸化物の作製方法を提供する。
化物の製造過程において、ケイ酸塩水溶液、含アルミニ
ウム化合物、およびシリカを混合した直後の溶液の粘度
はSiO2/Al2O3比に影響され、SiO2/Al2O3比が高いほど粘
度が低く、複合材料の作製が容易になる。これに対し、
従来技術はSiO2/Al2O3比が68未満に限定されており、原
料を混合した直後の溶液の粘度が高く、炭素繊維などと
の複合化作業が困難であった。かかる現状に対し、原料
を混合した直後の粘度が低く、複合材料の作成に適した
不燃材料用無機複合酸化物の作製方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためのものであり、すなわち、アルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属を含むケイ酸塩水溶液に含ア
ルミニウム化合物を添加し、その後にシリカを添加し、
これを150℃以下で加熱することを特徴とする不燃材
料用無機複合酸化物の製造方法である。
するためのものであり、すなわち、アルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属を含むケイ酸塩水溶液に含ア
ルミニウム化合物を添加し、その後にシリカを添加し、
これを150℃以下で加熱することを特徴とする不燃材
料用無機複合酸化物の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるアルカリ金属およ
び/またはアルカリ土類金属を含むケイ酸塩水溶液の組
成は特に限定されるものではないが、水酸化アルカリ水
溶液にシリカを溶解したものが好ましく用いられる。該
水溶液中の全溶質の濃度は特に限定されるものではない
が、3〜50wt%のものが好ましく用いられる。ま
た、該水溶液中のnM/Si比(M:ケイ酸塩水溶液中
のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、n:
Mの価数)は、特に限定されるものではないが、0.1
〜5.0のものが好ましく用いられる。さらに、下記に
示すnM/Al比、およびSiO2/Al2O3比の無機複合酸化
物が作製できる範囲内で該水溶液中にアルミニウムを含
んでも問題ではない。
び/またはアルカリ土類金属を含むケイ酸塩水溶液の組
成は特に限定されるものではないが、水酸化アルカリ水
溶液にシリカを溶解したものが好ましく用いられる。該
水溶液中の全溶質の濃度は特に限定されるものではない
が、3〜50wt%のものが好ましく用いられる。ま
た、該水溶液中のnM/Si比(M:ケイ酸塩水溶液中
のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、n:
Mの価数)は、特に限定されるものではないが、0.1
〜5.0のものが好ましく用いられる。さらに、下記に
示すnM/Al比、およびSiO2/Al2O3比の無機複合酸化
物が作製できる範囲内で該水溶液中にアルミニウムを含
んでも問題ではない。
【0010】本発明で用いるケイ酸塩水溶液に添加する
含アルミニウム化合物としては、γ-アルミナ、δ-アル
ミナ、水和アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムから選
ばれた少なくとも1種類を含み、好ましくは、γ-アル
ミナ、およびδ-アルミナから選ばれた少なくとも1種
類が好ましい。
含アルミニウム化合物としては、γ-アルミナ、δ-アル
ミナ、水和アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムから選
ばれた少なくとも1種類を含み、好ましくは、γ-アル
ミナ、およびδ-アルミナから選ばれた少なくとも1種
類が好ましい。
【0011】また、その添加量はnM/Al比(M:ケイ酸
塩水溶液中のアルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属、n:Mの価数)が0.3〜10、より好ましくは
0.3〜0.95の範囲内になるように設定される。nM
/Al比が高すぎると、生成した無機複合酸化物からアル
カリ金属および/またはアルカリ土類金属が溶出し、不
燃材料用無機複合酸化物が水に接触した際に水がアルカ
リ性を示すといった弊害が生じる。
塩水溶液中のアルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属、n:Mの価数)が0.3〜10、より好ましくは
0.3〜0.95の範囲内になるように設定される。nM
/Al比が高すぎると、生成した無機複合酸化物からアル
カリ金属および/またはアルカリ土類金属が溶出し、不
燃材料用無機複合酸化物が水に接触した際に水がアルカ
リ性を示すといった弊害が生じる。
【0012】また、本発明でケイ酸塩水溶液に含アルミ
ナ化合物を添加した後に添加するシリカの量は、作製さ
れる不燃材料用無機複合酸化物全体のSiO2/Al2O3比が2
〜150、より好ましくは70〜150の範囲内になる
ように設定するのが好ましい。SiO2/Al2O3比が高いほ
ど、各原料を混合した直後の粘度を低下でき、炭素繊維
等との複合化が容易になる。
ナ化合物を添加した後に添加するシリカの量は、作製さ
れる不燃材料用無機複合酸化物全体のSiO2/Al2O3比が2
〜150、より好ましくは70〜150の範囲内になる
ように設定するのが好ましい。SiO2/Al2O3比が高いほ
ど、各原料を混合した直後の粘度を低下でき、炭素繊維
等との複合化が容易になる。
【0013】本発明で用いられるシリカは平均粒径が1
ミクロン未満であることが好ましい。平均粒径1ミクロ
ン未満のシリカの例として、平均粒径1ミクロン以上の
シリカ粉末を粉砕し、平均粒径を1ミクロン未満にした
ものがあげられる。また別の例として、2000℃以上
の高温で発生させたシリカ蒸気の凝縮および冷却により
得られた平均粒径1ミクロン未満のサーマルシリカと呼
ばれる非晶質シリカがあげられる。
ミクロン未満であることが好ましい。平均粒径1ミクロ
ン未満のシリカの例として、平均粒径1ミクロン以上の
シリカ粉末を粉砕し、平均粒径を1ミクロン未満にした
ものがあげられる。また別の例として、2000℃以上
の高温で発生させたシリカ蒸気の凝縮および冷却により
得られた平均粒径1ミクロン未満のサーマルシリカと呼
ばれる非晶質シリカがあげられる。
【0014】また、本発明で用いられるアルカリ金属お
よび/またはアルカリ土類金属として、カリウム、ナト
リウム、およびカルシウムから選ばれる少なくとも1種
類の金属が好ましく用いられ、さらに好ましくはカリウ
ムが用いられる。
よび/またはアルカリ土類金属として、カリウム、ナト
リウム、およびカルシウムから選ばれる少なくとも1種
類の金属が好ましく用いられ、さらに好ましくはカリウ
ムが用いられる。
【0015】本発明の無機複合酸化物の作製方法におい
て、ケイ酸塩水溶液、アルミナ粒子、およびシリカ粒子
を混合後、調製した溶液を熟成し、その後に溶液を固化
させるために、150℃以下で加熱する。加熱時間は溶
液の組成にもよるが、3時間から1週間である。
て、ケイ酸塩水溶液、アルミナ粒子、およびシリカ粒子
を混合後、調製した溶液を熟成し、その後に溶液を固化
させるために、150℃以下で加熱する。加熱時間は溶
液の組成にもよるが、3時間から1週間である。
【0016】また、本発明の不燃材料用無機複合酸化物
の構造は特に限定されないが、粒径1μm未満のシリカ
粒子および/またはシリカアルミナ粒子からなる部分
と、ケイ酸塩水溶液が加熱により固化した部分とで構成
される構造が好ましく用いられれる。また、ケイ酸塩水
溶液が加熱により固化した部分が、シリカとアルミナか
らなるポリマーを構成していても良い。
の構造は特に限定されないが、粒径1μm未満のシリカ
粒子および/またはシリカアルミナ粒子からなる部分
と、ケイ酸塩水溶液が加熱により固化した部分とで構成
される構造が好ましく用いられれる。また、ケイ酸塩水
溶液が加熱により固化した部分が、シリカとアルミナか
らなるポリマーを構成していても良い。
【0017】また、該不燃材料用無機複合酸化物と炭素
繊維等を複合化させる方法は特に限定されるものではな
く、例えば従来の炭素繊維とフェノール系樹脂との複合
化方法と同様な作製方法が用いられ、好ましくは炭素繊
維の織布を不燃材料用無機複合酸化物の原料を混合した
水溶液中に含浸する、あるいは不燃材料用無機複合酸化
物の原料を混合した水溶液を炭素繊維の織布に塗りつけ
る方法が用いられる。
繊維等を複合化させる方法は特に限定されるものではな
く、例えば従来の炭素繊維とフェノール系樹脂との複合
化方法と同様な作製方法が用いられ、好ましくは炭素繊
維の織布を不燃材料用無機複合酸化物の原料を混合した
水溶液中に含浸する、あるいは不燃材料用無機複合酸化
物の原料を混合した水溶液を炭素繊維の織布に塗りつけ
る方法が用いられる。
【0018】本発明のようにアルミナ粒子とシリカ粒子
を別々に添加することで従来技術にない高SiO2/Al2O3比
を有する不燃材料用無機複合酸化物を作製できる。ま
た、本発明の不燃材料用無機複合酸化物を用いることに
より、炭素繊維を1000℃まで空気中での酸化および
劣化から保護することができ、さらにこの特性のため炭
素繊維を特殊処理する必要がない。
を別々に添加することで従来技術にない高SiO2/Al2O3比
を有する不燃材料用無機複合酸化物を作製できる。ま
た、本発明の不燃材料用無機複合酸化物を用いることに
より、炭素繊維を1000℃まで空気中での酸化および
劣化から保護することができ、さらにこの特性のため炭
素繊維を特殊処理する必要がない。
【0019】
【実施例】以下実施例に従って説明するが、実施例によ
って本発明を制約するものではない。
って本発明を制約するものではない。
【0020】
【実施例1】脱イオン水34.4g(1.91mol)に水酸化カ
リウム2.71g(48.3m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)1.45g(24.1m mol)を加
え、シリカが溶解するまで5℃で撹拌した。シリカが溶
解した後、γ-アルミナ(住友セメント製)3.39g(33.
2m mol)を加え、約10分間撹拌した。次にここへ粉砕し
たシリカ(竹折砿業製、平均粒径0.8μm)を75.3g
(1.25mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での粘
度は50cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時間
熟成させた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸織
布を積層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱する
ことにより不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたとこ
ろ、硬度の高い複合材料が得られた。
リウム2.71g(48.3m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)1.45g(24.1m mol)を加
え、シリカが溶解するまで5℃で撹拌した。シリカが溶
解した後、γ-アルミナ(住友セメント製)3.39g(33.
2m mol)を加え、約10分間撹拌した。次にここへ粉砕し
たシリカ(竹折砿業製、平均粒径0.8μm)を75.3g
(1.25mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での粘
度は50cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時間
熟成させた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸織
布を積層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱する
ことにより不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたとこ
ろ、硬度の高い複合材料が得られた。
【0021】不燃材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸
化物組成を以下に示す。
化物組成を以下に示す。
【0022】0.725K2O/Al2O3/38.25SiO2
【0023】
【実施例2】脱イオン水34.4g(1.91mol)に水酸化カ
リウム2.71g(48.3m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)1.45g(24.1m mol)を加
え、シリカが溶解するまで5℃で撹拌した。シリカが溶
解した後、γ-アルミナ(住友セメント製)3.39g(33.
2m mol)を加え、約10分間撹拌した。次にここへヒュー
ムドシリカ(アドマテック製、平均粒径0.5μm)を75.
3g(1.25mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での
粘度は50cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時
間熟成させた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸
織布を積層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱す
ることにより不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたと
ころ、硬度の高い絶乾状態の複合材料が得られた。不燃
材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸化物組成を以下に
示す。
リウム2.71g(48.3m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)1.45g(24.1m mol)を加
え、シリカが溶解するまで5℃で撹拌した。シリカが溶
解した後、γ-アルミナ(住友セメント製)3.39g(33.
2m mol)を加え、約10分間撹拌した。次にここへヒュー
ムドシリカ(アドマテック製、平均粒径0.5μm)を75.
3g(1.25mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での
粘度は50cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時
間熟成させた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸
織布を積層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱す
ることにより不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたと
ころ、硬度の高い絶乾状態の複合材料が得られた。不燃
材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸化物組成を以下に
示す。
【0024】0.725K2O/Al2O3/38.25SiO2
【0025】
【実施例3】脱イオン水57.7g(3.21mol)に水酸化カ
リウム1.63g(29.1m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)0.87g(14.5m mol)を加
え、シリカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した
後、γ-アルミナ(住友セメント製)2.04g(20.0m mo
l)を加え、約10分間撹拌した。次にここへ粉砕したシ
リカ(竹折砿業製、平均粒径0.8μm)を131.4g(2.19
mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での粘度は50
cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時間熟成さ
せた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸織布を積
層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱することに
より不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたところ、硬
度の高い複合材料が得られた。
リウム1.63g(29.1m mol)を溶かした。この中へヒュ
ームドシリカ(Aldrich製)0.87g(14.5m mol)を加
え、シリカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した
後、γ-アルミナ(住友セメント製)2.04g(20.0m mo
l)を加え、約10分間撹拌した。次にここへ粉砕したシ
リカ(竹折砿業製、平均粒径0.8μm)を131.4g(2.19
mol)加え、約10分間撹拌した。この時点での粘度は50
cp以下であった。この溶液を室温で約1〜2時間熟成さ
せた後、炭素繊維織布を含浸させた。この含浸織布を積
層させた複合材料を作り、80℃で3時間加熱することに
より不燃材料用無機複合酸化物を硬化させたところ、硬
度の高い複合材料が得られた。
【0026】不燃材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸
化物組成を以下に示す。
化物組成を以下に示す。
【0027】0.725K2O/Al2O3/110SiO2
【0028】
【比較例1】脱イオン水36.00g(2.00mol)に水酸化カ
リウム5.60g(0.10mol)を溶かした。この中へヒュー
ムドシリカ(Aldrich製)3.01g(0.05mol)を加え、シ
リカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した後、シ
リカアルミナ(片山科学製、平均粒径5μm、SiO2/Al2O
3=3)28.2g(SiO2:0.30mol、Al2O3:0.10mol)を加え、
攪拌を試みたが粘度が高く攪拌できなかった。またその
ため炭素繊維織布への含浸もできなかった。
リウム5.60g(0.10mol)を溶かした。この中へヒュー
ムドシリカ(Aldrich製)3.01g(0.05mol)を加え、シ
リカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した後、シ
リカアルミナ(片山科学製、平均粒径5μm、SiO2/Al2O
3=3)28.2g(SiO2:0.30mol、Al2O3:0.10mol)を加え、
攪拌を試みたが粘度が高く攪拌できなかった。またその
ため炭素繊維織布への含浸もできなかった。
【0029】不燃材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸
化物組成を以下に示す。
化物組成を以下に示す。
【0030】0.5K2O/Al2O3/3.5SiO2
【0031】
【比較例2】脱イオン水36.00g(2.00mol)に水酸化カ
リウム5.60g(0.10mol)を溶かした。この中へヒュー
ムドシリカ(Aldrich製)3.01g(0.05mol)を加え、シ
リカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した後、シ
リカアルミナ(日揮化学製、平均粒径5μm、SiO2/Al2O
3=13)44.2g(SiO2:0.65mol、Al2O3:0.05mol)を加
え、攪拌を試みたが粘度が高く攪拌できなかった。また
そのため炭素繊維織布への含浸もできなかった。
リウム5.60g(0.10mol)を溶かした。この中へヒュー
ムドシリカ(Aldrich製)3.01g(0.05mol)を加え、シ
リカが溶解するまで撹拌した。シリカが溶解した後、シ
リカアルミナ(日揮化学製、平均粒径5μm、SiO2/Al2O
3=13)44.2g(SiO2:0.65mol、Al2O3:0.05mol)を加
え、攪拌を試みたが粘度が高く攪拌できなかった。また
そのため炭素繊維織布への含浸もできなかった。
【0032】不燃材料用無機複合酸化物の絶乾状態の酸
化物組成を以下に示す。
化物組成を以下に示す。
【0033】K2O/Al2O3/17SiO2
【0034】
【発明の効果】本発明により初期粘度の低い不燃材料用
無機複合酸化物を作製でき、かつ本発明の不燃材料用無
機複合酸化物を用い炭素繊維などと複合化することで、
不燃性を示す複合材料を作製することができる。
無機複合酸化物を作製でき、かつ本発明の不燃材料用無
機複合酸化物を用い炭素繊維などと複合化することで、
不燃性を示す複合材料を作製することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属を含むケイ酸塩水溶液に含アルミニウム化合物を添
加し、その後にシリカを添加し、これを150℃以下で
加熱することを特徴とする不燃材料用無機複合酸化物の
製造方法。 - 【請求項2】アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属を含むケイ酸塩水溶液中のnM/Si比(M:アル
カリ金属および/またはアルカリ土類金属、n:Mの価
数)が0.1〜5.0であることを特徴とする請求項1記載の
不燃材料用無機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項3】含アルミニウム化合物が、γ-アルミナ、
δ-アルミナ、水和アルミナ、アルミナゾル、、水酸化
アルミニウム、硝酸アルミニウム、および硫酸アルミニ
ウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とす
る請求項1または2記載の不燃材料用無機複合酸化物の
製造方法。 - 【請求項4】含アルミニウム化合物の添加量が、nM/Al
比(M:ケイ酸塩水溶液中のアルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属、n:Mの価数)が0.3〜10で
ある請求項1から3のいずれか1項記載の不燃材料用無
機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項5】含アルミニウム化合物の添加量が、nM/Al
比(M:ケイ酸塩水溶液中のアルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属、n:Mの価数)が0.3〜0.9
5である請求項4記載の不燃材料用無機複合酸化物の製
造方法。 - 【請求項6】シリカの添加量が、不燃材料用無機複合酸
化物全体のSiO2/Al2O3比換算で2〜150の範囲内にな
るようにシリカを添加する請求項1から5のいずれか1
項記載の不燃材料用無機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項7】シリカの添加量が、不燃材料用無機複合酸
化物全体のSiO2/Al2O3比換算で70〜150の範囲内に
なるようにシリカを添加する請求項6記載の不燃材料用
無機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項8】シリカの平均粒径が1ミクロン未満である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の
不燃材料用無機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項9】ケイ酸塩水溶液がケイ酸カリウム水溶液で
あることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記
載の不燃材料用無機複合酸化物の製造方法。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の方法で
作製された不燃材料用無機複合酸化物を含む複合材料。 - 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載の方法で
作製された不燃材料用無機複合酸化物と炭素繊維からな
る複合マトリックス材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335228A JPH11171529A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 不燃材料用無機複合酸化物の製造方法および複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335228A JPH11171529A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 不燃材料用無機複合酸化物の製造方法および複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171529A true JPH11171529A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18286186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9335228A Pending JPH11171529A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 不燃材料用無機複合酸化物の製造方法および複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11171529A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009515800A (ja) * | 2005-11-10 | 2009-04-16 | ザ・モーガン・クルーシブル・カンパニー・ピーエルシー | 高い温度に対して耐性である繊維 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP9335228A patent/JPH11171529A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009515800A (ja) * | 2005-11-10 | 2009-04-16 | ザ・モーガン・クルーシブル・カンパニー・ピーエルシー | 高い温度に対して耐性である繊維 |
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