JPH11170729A - 特殊折丁及びそれを使用した中綴小冊子並びに本 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な形態の特殊折丁を提供し、この特殊折
丁を使用して上下に２分割された新規な本を提供する。 【解決手段】 印刷された紙をページが正しい順になる
ように折り畳んでなり、さらに背の部分から小口の近く
まで天地と平行に切れ目２を形成して特殊折丁３とす
る。この特殊折丁３と表紙を丁合して針金綴じし、三方
を断裁することにより、上下に分割されたページからな
る中綴小冊子が作製できる。製本工程でこの中綴小冊子
を綴じ込むことにより、ブックインブックとなった新規
な形態の本が作製できる。また、特殊折丁を他の通常の
折丁と丁合して製本することにより、上下に分割された
ページを有する本が作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中綴本や無線綴本
を構成する折丁の分野に属し、今までにない新しい形態
をした特殊折丁とその特殊折丁を使用した本に関するも
のである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】通常、中綴本は、印刷
された紙（刷本）を折り畳んでなる折丁を順次丁合し、
この丁合された折丁を表紙と共に針金綴じし、最後に三
方を仕上げ断裁することで製本されている。また、無線
綴本は、丁合された折丁の背の部分を２〜３ｍｍ切断
し、切断面を引っかいて足掛かりをつけ、そこにホット
メルト等の接着剤を塗って表紙を貼り、三方を仕上げ断
裁して製本されている。

【０００３】このように、中綴本や無線綴本などは、丁
合した折丁と表紙を綴じ合わせ、最後に天地と小口の三
方を断裁されるので、全てのページは一枚ものでしかも
サイズが全ページ同じである。現在、通常のページと異
なったものとしては、綴じ込んだハガキがある程度であ
る。このようなことから、特に学習用や広告ページとし
ての利用が期待できる新規なページを有する本の出現が
望まれている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような背景に鑑み
て、本発明では、今までにない新しい形態の特殊折丁を
提供し、この特殊折丁を使用して上下に２分割されたペ
ージを有する新規な本を提供することとしている。この
ような本は、ページの上下に印刷された絵柄を入れ替え
て見ることができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の特殊折丁は、印刷された
紙をページが正しい順になるように折り畳んでなり、さ
らに背の部分から小口の近くまで天地と平行に切れ目を
形成したものである。

【０００６】上記の特殊折丁と表紙を丁合して針金綴じ
し、三方を断裁することにより、上下に分割されたペー
ジからなる中綴小冊子が作製できる。そして、製本工程
でこの中綴小冊子を綴じ込むことにより、ブックインブ
ックとなった新規な形態の本が作製できる。

【０００７】また、上記の特殊折丁を他の通常の折丁と
丁合して製本することにより、上下に分割されたページ
を有する本が作製できる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。

【０００９】図１は本発明に係る特殊折丁の製造方法を
示す説明図である。まず、折り加工により図１（ａ）に
示す如き通常の折丁１を作製する。すなわち、印刷され
た紙を折り機によりページが正しい順になるように折り
畳む。１回折ると小口が２枚になり、これを二つ折り又
は４ページ折りと呼ぶ。２回折って小口が４枚になるの
を四つ折り又は８ページ折り、小口が８枚になるのを八
つ折り又は１６ページ折りと言う。通常は、４ページ折
り、８ページ折り、１６ページ折り、３２ページ折りを
１折りとする。

【００１０】次に、図１（ｂ）に示すように、通常の折
丁１を上下に２分割するように切れ目２を入れて特殊折
丁３を作製する。この切れ目２は折丁１における背の部
分から小口の近くまで天地と平行に形成する。すなわ
ち、後の仕上げ工程で断裁する部分に入り込むところま
で中綴機のトリマーにより切れ目２を入れる。

【００１１】図２は上記の特殊折丁を用いて作製した中
綴小冊子であり、この中綴小冊子４の製造手順は次のよ
うである。まず、図３（ａ）に示すよう特殊折丁３と表
紙５を中綴機により丁合して背の部分を針金６で綴じ
る。次いで、図３（ｂ）に示すように天地と小口の三方
を断裁して中綴小冊子４とする。このようにして作製し
た中綴小冊子４は、上下に分割されたページを有するも
のとなるので、図４に示すごとく、ページの上半部分７
又は下半部分８をめくることにより上下の図柄を入れ替
えて種々に組み合わせた全体の絵柄を形成できる。

【００１２】図５は上記の中綴小冊子を綴じ込んだ中綴
本である。この中綴本９は通常の折丁と共にそれより小
サイズの中綴小冊子４を丁合し、表紙と共に針金綴じし
てから三方を仕上げ断裁することで作製する。

【００１３】図６は上記の中綴小冊子を綴じ込んだ無線
綴本である。この無線綴本１０は通常の折丁と共にそれ
より小サイズの中綴小冊子４を丁合し、背の部分を中綴
小冊子４の針金と共にカッティングしてからミーリング
し、そこに接着剤を塗布して表紙を貼ってから三方を仕
上げ断裁することで作製する。

【００１４】図７は特殊折丁を他の通常の折丁と丁合し
て製本した中綴本である。この中綴本１１は、通常の折
丁と同じサイズの特殊折丁３を他の通常の折丁と丁合
し、表紙と共に針金綴じしてから三方を仕上げ断裁する
ことで作製する。この仕上げ断裁時に小口の断裁が切れ
目２に掛かるので、特殊折丁の部分は上下に２分された
状態となる。

【００１５】図８は特殊折丁を他の通常の折丁と丁合し
て製本した無線綴本である。この無線綴本１２は、通常
の折丁と同じサイズの特殊折丁３を他の通常の折丁と丁
合し、丁合した折丁の背の部分をミーリングしてそこに
接着剤を塗って表紙を貼ってから三方を仕上げ断裁する
ことで作製する。この場合においても、仕上げ断裁時に
小口の断裁が切れ目２に掛かるので、特殊折丁の部分は
上下に２分された状態となる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の特殊折丁
を使用すれば、上下に分割したページを有する新規な形
態の小冊子や本が作製できる。また、それらの小冊子や
本は、上下に２分されたページをめくって絵柄の組み合
わせを変えることができるので、他の本との差別化を図
ることができるものであり、そのページを学習用や広告
ページとして有効に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る特殊折丁の製造方法を示す説明図
である。

【図２】中綴小冊子を示す斜視図である。

【図３】図２に示す中綴小冊子の製造方法を示す説明図
である。

【図４】中綴小冊子の使用例を示す説明図である。

【図５】中綴小冊子を綴じ込んだ中綴本を示す斜視図で
ある。

【図６】中綴小冊子を綴じ込んだ無線綴本を示す斜視図
である。

【図７】特殊折丁を他の通常の折丁と共に製本した中綴
本を示す斜視図である。

【図８】特殊折丁を他の通常の折丁と共に製本した無線
綴本を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ （通常の）折丁 ２ 切れ目 ３ 特殊折丁 ４ 中綴小冊子 ５ 表紙 ６ 針金 ７ 上半部分 ８ 下半部分 ９ 中綴本 １０ 無線綴本 １１ 中綴本 １２ 無線綴本

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷された紙をページが正しい順になる
   ように折り畳んでなり、さらに背の部分から小口の近く
   まで天地と平行に切れ目を形成したことを特徴とする特
   殊折丁。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の特殊折丁と表紙を丁合
   して針金綴じし、三方を断裁して作製したことを特徴と
   する中綴小冊子。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の中綴小冊子を綴じ込ん
   だことを特徴とする本。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の特殊折丁を他の通常の
   折丁と丁合して製本したことを特徴とする本。