JPH11170290A - 繊維強化軽量樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化軽量樹脂成形品およびその製造方法

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JPH11170290A
JPH11170290A JP9347606A JP34760697A JPH11170290A JP H11170290 A JPH11170290 A JP H11170290A JP 9347606 A JP9347606 A JP 9347606A JP 34760697 A JP34760697 A JP 34760697A JP H11170290 A JPH11170290 A JP H11170290A
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molded product
mold
resin
resin molded
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Manabu Nomura
学 野村
Toru Shima
徹 嶋
Atsushi Sato
佐藤  淳
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面容積の大きい繊維強化軽量樹脂成形品につい
て、均一性が高く、局部的な応力や捩じれに対しても十
分耐える構造およびその効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】空隙を有する繊維強化軽量樹脂成形品にお
いて、成形品の端部以外の部分に膨張倍率の異なる複数
の領域を形成する。たとえば、膨張倍率が1.0〜1.
5の領域と膨張倍率が1.6〜8倍の領域を設ける。製
造方法は、キャビティ4に対して進退可能なキャビティ
形成面を複数有する可動型(複数の可動部をもつ)3を
備えた金型を用い、可動型3が突出位置にあるキャビテ
ィに、繊維含有溶融熱可塑性樹脂を射出し、次いで、金
型キャビティの容積が拡大する方向に可動型を後退させ
ることにより行う。可動型の後退開始後ガスを注入する
こともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化軽量樹脂
成形品およびその製造方法に関し、詳しくは、軽量化さ
れていながら、特に剛性、曲げ強度、衝撃強度、強度の
均一性および局部的な応力や捩じれに対する抵抗性にす
ぐれた特性を有する繊維強化軽量樹脂成形品およびその
効率的な製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、ガラス繊維等の繊維を含有させ
ることで強化された繊維強化樹脂成形品が知られてい
る。この繊維強化樹脂成形品は、引張強度、曲げ強度な
どの機械的特性や耐熱性にすぐれているので、インパネ
コア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラッ
ク、リア・クォターパネル、エアクリーナ・ケース等の
自動車部品、および外壁用パネル、間仕切壁用パネル、
ケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等として広く利
用されている。このような繊維強化樹脂成形品を製造す
るにあたり、金型の内部に繊維を含んだ溶融樹脂を射出
する射出成形方法を利用することができる。この射出成
形方法によれば、複雑な形状のものでも成形できるう
え、所定の成形サイクルを連続して繰り返すことが可能
なため、同一形状のものを大量生産することができると
いうメリットがある。
【0003】射出成形で成形された繊維強化樹脂成形品
は、強度や剛性を向上させるために、繊維量を増やす
と、成形品の重量が増大するとともに、反り変形が大き
くなる傾向にあるので、重量軽減のために、原材料に発
泡剤を混入させ、成形品となる樹脂を発泡させながら成
形を行う発泡射出成形方法が提案されている(特開平7
−247679号公報等)。この発泡射出成形方法で
は、軽量化を達成するために、かなりの量の発泡剤を用
いても、充分な発泡倍率を得ることは容易でない。しか
も、充分な発泡倍率が得られたとしても、成形品の外観
が発泡により損なわれるうえ、補強用繊維を含有してい
るにもかかわらず、内部に大きな中空部が形成されるた
め、強度、剛性、耐衝撃性等の機械的特性が充分確保で
きない場合がある。
【0004】これらの問題点を解消するものとして、強
度、剛性、耐衝撃性等の機械的特性や外観品質を維持し
つつ、軽量化を図るために、(1)比較的長い繊維を含
有した繊維強化樹脂ペレットを用い、繊維によるスプリ
ングバック現象を発生させて成形中の樹脂を膨張させ、
軽量成形品を得る膨張成形方法。(2)前記(1)にお
ける繊維強化ペレットに発泡剤を混入させ、この発泡剤
により樹脂の膨張を促進させ、さらに成形品の軽量化を
図る膨張成形方法が提案されている(国際公開97/2
9896号公報)。これらの方法によれば、機械的特性
を損なわずに、成形品の軽量化を充分達成できるので、
繊維強化樹脂成形品の軽量化を図るのに有効であるとい
える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)、(2)に示した成形方法で得られた成形品も軽
量化(膨張)の程度、成形品の形状によっては、たとえ
ば面容積が大きい場合、曲げ強度、剛性が不十分であっ
たり、局所的な応力に対する耐性がいまだ充分でないな
ど、強度の均一性や捩じれに対する抵抗性が低い場合が
あり、その解決が望まれている。本発明の目的は、成形
品の面容積が大きい場合であっても、曲げ強度、剛性、
衝撃強度、耐熱性等にすぐれ、しかも局部的な応力や捩
じれに対しても十分に耐えることのできる、均一性にす
ぐれた繊維強化軽量樹脂成形品およびその効率的な製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況下において、空隙を有する繊維強化軽量樹脂成形
品において成形品の内部構造と物性について鋭意研究を
重ねた。従来の成形品の内部構造では、樹脂成形品の周
辺部は未膨張または低膨張部分を形成することができる
が、他の中央部分にあっては、単純に可動型を後退させ
て膨張させる成形方法では、均一に近い膨張が起こる。
本発明者らは、この厚みが実質上均一な成形品の均一膨
張部分に対して、膨張の程度を変化させて低膨張ないし
未膨張領域を形成することにより、実質的にリブを有す
る構造とすることが効果的であることを見出した。ま
た、これを実現するためには、金型キャビティに対して
進退可能なキャビティ成形面を複数有する可動型(複数
の可動部を有する可動型)を用い、成形品の中で可動部
に対応する領域のみを膨張させる成形法の採用により製
造できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、 (1)空隙を有する繊維強化軽量樹脂成形品であって、
成形品の周辺部以外の部分が膨張倍率の異なる複数の領
域から構成されていることを特徴とする繊維強化軽量樹
脂成形品。 (2)周辺部以外の部分が膨張倍率が1.0〜1.5で
ある低倍率領域と、膨張倍率が1.6〜8の高倍率領域
から構成されている上記(1)記載の繊維強化軽量樹脂
成形品。 (3)繊維がガラス繊維であり、繊維含有率が10〜7
0重量%、平均繊維長が1〜20mmである上記(1)
または(2)記載の繊維強化軽量樹脂成形品。 (4)一体化された表皮材を有する上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の繊維強化軽量樹脂成形品、および (5)金型キャビティに対して進退可能なキャビティ形
成面を複数有する可動型を用い、可動型がクリアランス
を残した突出位置にあるキャビティに、繊維含有溶融熱
可塑性樹脂を射出し、次いで金型キャビティの容積が拡
大する方向に可動型を後退させることを特徴とする繊維
強化軽量樹脂成形品の製造方法。 (6)金型キャビティ内の前記繊維含有溶融熱可塑性樹
脂の内部にガスを注入する上記(5)記載の繊維強化軽
量樹脂成形品の製造方法。 (7)あらかじめ表皮材を装着した金型キャビティに繊
維含有溶融熱可塑性樹脂を射出する上記(5)または
(6)記載の繊維強化軽量樹脂成形品の製造方法。 (8)繊維含有溶融熱可塑性樹脂が、全長が2〜100
mmであり、この全長と等しい長さを有し、互いに平行に
配列された状態にある繊維を20〜80重量%含有する
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットまたは前記ペレットと他
のペレットとの混合物で前記繊維が全体の10〜70重
量%とされたものを可塑化、溶融したものである上記
(5)〜(7)のいずれかに記載の繊維強化軽量樹脂成
形品の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の製造方法においては、繊維含有溶融熱可
塑性樹脂を金型キャビティに射出充填し、次いで金型キ
ャビティ容積を拡大する。すると含有繊維の絡み合いに
よるスプリングバック現象により、樹脂が拡大された容
積に膨張し、空隙を有する軽量樹脂成形品が得られる。
本発明では、この際に、金型キャビティ容積の拡大をキ
ャビティに対して進退可能なキャビティ形成面を複数有
する可動型(中子)を用いて行うことに特徴がある。こ
こにおいて、可動型(中子)の形状として、単純形状、
すなわちキャビティに対し、平面状の単一可動型を用い
たのでは、ほぼ均一の膨張倍率の成形品が得られ、たと
え、金型キャビティの側面と可動型(中子)の間に隙間
を設けたとしても、成形品の外周部分は非膨張ないし低
膨張倍率となるが、樹脂成形品の非外周部分、すなわち
中央部分は均一な高膨張倍率の平面構造の成形品とな
る。この場合、金型キャビティの表面部分は冷却され非
膨張のスキン層が形成され、軽量化にも関わらず、高い
強度と剛性をもつ樹脂成形品となる。しかし、この厚み
方向のスキン層/膨張層/スキン層からなる三層構造で
は、面容積が大きい場合には剛性が不足し、局部的な応
力や捩じれに対する抵抗力も不十分な場合がある。
【0009】本発明ではこれらの問題点を解消するため
に、両表面のスキン層を非膨張ないし低膨張の樹脂で部
分的に結合しようとするものである。これを達成するた
めに、本発明の製造方法では、金型キャビティに対して
進退可能なキャビティ形成面を複数有する(複数の可動
部をもつ)可動型を設けた金型で、可動型のキャビティ
形成面がクリアランスを残した突出位置にあるキャビテ
ィに繊維含有溶融熱可塑性樹脂を射出し、次いで金型の
キャビティの容積が拡大する方向に可動型を後退させる
ものである。
【0010】キャビティ形成面を構成する複数の可動部
(中子)の形状や個数は、成形品の大きさ、要求特性な
どにより適宜決定される。また、複数の可動部の突出状
態も同様に適宜決定されるが、一般的には、対向する金
型面との間に、成形品の膨張倍率を考慮した適度のクリ
アランスを持った位置とされる。また、金型キャビティ
の拡大開始時点から終了時、または終了後に窒素などの
ガスをキャビティ内の繊維含有溶融樹脂に供給すること
もできる。これにより、繊維含有溶融樹脂の膨張を助け
るとともに、繊維含有溶融樹脂を金型成形面に向かって
押圧することになり、樹脂が金型面に密着した状態で冷
却されるので成形品の表面にヒケが生じない。また、こ
のガスを金型内に流通させれば成形品の冷却が促進され
成形サイクルが向上する、この際に、揮発性の水などの
液体を同伴させると、より冷却効果がよくなる。本発明
では、このような繊維強化軽量樹脂成形品の製造方法に
おいて、金型に表皮材を予め装着することにより、一体
化した表皮材を有する繊維強化軽量樹脂成形品とするこ
ともできる。
【0011】さらに、本発明の好適な製造方法として、
繊維含有熱可塑性樹脂が全長が2〜100mmであり、こ
の全長と等しい長さを有し、互いに平行に配列された状
態にある繊維を20〜80重量%含有する繊維含有熱可
塑性樹脂ペレットと他のペレットとの混合物で前記繊維
が全体の10〜70重量%とされたものである成形原料
を用いることが好ましい。ここで、他のペレットとして
は、通常は熱可塑性樹脂、またはこれに各種添加剤を含
むものであるが、たとえばガラス繊維などを溶融混練し
て得られるペレットであってもよい。この成形原料の選
択によって、スプリングバック現象がより良く発現す
る。すなわち、可塑化溶融樹脂中のガラス繊維などの繊
維長が長く保たれるとともに、分散性が良好になる。こ
の原料樹脂には必要により、膨張の補助手段として少量
(3重量%以下)の発泡剤を添加することもできる。
【0012】本発明の繊維強化軽量樹脂成形品は、その
軽量化は、含有する繊維の種類や含有量、目的とする製
品の要求特性によっても異なるが、全体としての膨張倍
率は通常1.5〜8倍の範囲で選択される。膨張倍率が
1.5倍未満では軽量化の効果が小さく、8倍を越える
と表面の平滑性が低下し、表面の緻密なスキン層が薄く
なり、強度的にも弱くなる。また、樹脂成形品中の平均
繊維長としては、たとえばガラス繊維の場合では1〜2
0mm、好ましくは2〜15mmである。ここで1mm
未満では、繊維の絡み合いが不十分となり、膨張性が不
足するとともに、強度、剛性、耐衝撃性の点でも好まし
くない。また、20mmを越えると分散性が十分でない
とともに、溶融時の流動性が不十分となり、成形品の薄
肉部や末端部に樹脂が流れにくくなり、成形不良が発生
する場合がある。さらに、ガラス繊維の場合の繊維含有
量としては、通常10〜70重量%、好ましくは15〜
60重量%である。10重量%未満では、膨張性、強
度、剛性、耐熱性が十分でなく、70重量%越えると溶
融時の流動性が低下し、外観不良の発生、膨張性、成形
性が低下する場合がある。上記において、膨張倍率と
は、〔膨張後の容積/膨張前の空隙を有さない容積〕を
示し、空隙率とは、〔(成形品の容積−膨張前の容積/
成形品の容積)〕を示す。なお、成形品の容積として
は、成形品の部分容積の場合を含むものである。
【0013】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に、制限はないが、例えば、ポリプロピレン、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系樹脂、ポリ芳
香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびアクリ
レート系樹脂等が採用できる。ここで、上記熱可塑性樹
脂は、単独で用いることがもできるが、二種類以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0014】このような熱可塑性樹脂のうち、ポリプロ
ピレン、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重
合体、ランダム共重合体、あるいは、これらの混合物な
どのポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好まし
く、特に、不飽和カルボン酸、または、その誘導体で変
性された酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有するポリプ
ロピレン系樹脂が好適である。
【0015】また、繊維としては、セラミック繊維:ボ
ロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チッ化ケイ
素繊維、ジルコニア繊維、無機繊維:ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維:銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレ
ス繊維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維、有
機繊維:ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアリ
レート繊維などを例示できる。
【0016】さらに、繊維含有熱可塑性樹脂としては、
全長が2〜100mmであり、この全長と等しい長さを有
し、互いに平行に配列された状態にある繊維を20〜8
0重量%含有する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットまたは
前記ペレットと他のペレットとの混合物で前記繊維が全
体の10〜70重量%とされた原材料であることが好ま
しい。繊維が互いに平行に配列された状態となって全体
の20〜80重量%含有されたペレットを用いれば、射
出装置のスクリューで可塑化、溶融、混練を行っても、
繊維の破断が起こりにくく、また分散性も良好となる。
これにより、キャビティ中の繊維含有溶融樹脂のスプリ
ングバック現象が良好になるとともに、最終成形品中に
残存する繊維長が長くなり、物性の向上、表面外観が向
上する。なお、射出成形機の可塑化スクリューとして
は、圧縮比の比較的低いタイプの使用が、繊維の破断を
抑制する点で好ましい。
【0017】ここで、ガラス繊維としては、E−ガラ
ス、S−ガラスなどのガラス繊維であって、その平均繊
維径が25μm以下のもの、好ましくは3〜20μmの
範囲のものが好ましく採用できる。ガラス繊維の径が3
μm未満であると、ペレット製造時にガラス繊維が樹脂
になじまず、樹脂に含浸するのが困難となる一方、20
μmを超えると、外観が低下するとともに、リブなどの
細部に繊維が流れ難くなるとともに、溶融混練時に切
断、欠損が起こりやすくなる。これらの熱可塑性樹脂お
よびガラス繊維を用い、引き抜き成形法等でペレットを
製造するにあたり、ガラス繊維は、カップリング剤で表
面処理した後、収束剤により、100〜10000本、
好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくこ
とが望ましい。
【0018】カップリング剤としては、いわゆるシラン
系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来
からあるものの中から適宜選択することができる。例え
ば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用
できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用するの
が好ましい。
【0019】収束剤としては、例えば、ウレタン系、オ
レフィン系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ
系等が採用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレ
フィ系が好ましく採用できる。これらのうち、ウレタン
系収束剤は、通常、ジイソシアネート化合物と多価アル
コールとの重付加反応により得られるポリイソシアネー
トを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油
変性型、湿気硬化型およびブロック型等の一液タイプ、
および、触媒硬化型およびポリオール硬化型等の二液タ
イプのいずれもが採用できる。一方、オレフィン系収束
剤としては、不飽和カルボン酸、または、その誘導体で
変性された変性ポリオレフィン系樹脂が採用できる。
【0020】上述のような収束剤で収束したガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させることにより、ガラス
繊維を含有する樹脂ペレットが製造される。ガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させる方法としては、例え
ば、溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸さ
せる方法、コーティング用ダイに繊維束を通して含浸さ
せる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着した溶融
樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が採用でき
る。ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませる、すなわ
ち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が設けられた
ダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通して引き抜
くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた後、さらに、
この繊維束を加圧ローラでプレスする工程が組み込まれ
た引抜成形法も採用できる。なお、ガラス繊維と溶融樹
脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものであれば、
溶融樹脂がガラス繊維に容易に含浸され、ペレットの製
造が容易となるので、前述の収束剤で繊維を収束する工
程は、省略できる場合がある。ここで、互いによくなじ
ませる方法としては、樹脂に極性を付与したり、ガラス
繊維の表面にカップリング剤と反応する官能基をグラフ
トしたりする方法が有効である。
【0021】以上のような方法で、樹脂が含浸された長
尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長手方向に沿って
切断していけば、ペレットの全長と同じ長さの長繊維を
含んだ樹脂ペレットを得ることができる。この際、樹脂
ペレットとしては、繊維束がストランドにされ、その断
面形状が略円形となった樹脂含有長尺繊維束を切断した
ものに限らず、繊維を平たく配列することにより、シー
ト状、テープ状またはバンド状になった樹脂含有長尺繊
維束を所定の長さに切断したものでもよい。
【0022】また、前記原材料樹脂には、3重量%以下
の発泡剤を含ませることができる。発泡剤を含有させれ
ば、スプリングバック現象における繊維の復元力が不足
する場合においても、発泡剤の発泡力が繊維の復元力を
補完するので、可動型が後退するのに応じて、成形品に
応じた容積にまで溶融樹脂が確実に膨張するようにな
る。なお、発泡剤の含有量が3重量部を超えると、シル
バーマークが生じる場合があり、外観品質上の不具合が
生じるおそれがあるうえ、成形品の内部に大きな中空部
が発生し、強度や剛性が著しく低下する場合がある。こ
うした理由で、発泡剤の含有は、スプリングバック現象
の補完のためであることから、その含有量は、必要最低
限に留めるのが好ましい。具体的には、0.01〜3重
量%の発泡剤を含ませることができる。ここで、発泡剤
の種類は、熱により分解してガスを発生するものであれ
ば、限定されない。例えば、シュウ酸誘導体、アゾ化合
物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド、アジド化合
物、ニトロソ化合物、トリアゾール、尿素およびその関
連化合物、亜硝酸塩、水素化物、炭酸塩ならびに重炭酸
塩等が採用できる。さらに具体的に例示すれば、アゾジ
カルボンアミド(ADCA)、ベンゼンスルホヒドラジ
ド、N,N−ジニトロペンタメチレンテトラミン、テレ
フタルアジド等が採用できる。また、必要により、安定
剤、帯電防止剤、耐候剤、着色剤、短繊維、タルク等の
充填剤を加えることもできる。
【0023】次に、キャビティ内の繊維含有溶融樹脂に
注入する前記ガスとしては、温度が15℃以下、好まし
くは、0℃以下の冷却用ガスを採用するのが好ましい。
さらに、前記ガスは、前記溶融樹脂を可塑化して射出す
る射出装置のノズルの内部に設けられたガスノズル、ま
たは、前記金型の内部に設けられたスプル、ランナおよ
びキャビティのいずれかに開口されるガスピンから、繊
維含有溶融樹脂の内部へ注入することができる。これら
のなかでも、金型に設けられたガスピン、特に、キャビ
ティに開口されたガスピンから注入するのが好ましい。
【0024】また、前記ガスの圧力としては、0.01
〜20MPaの範囲、特に、0.1〜2MPaの範囲に
設定されていることが好ましい。すなわち、注入するガ
スの圧力値は、成形品の大きさ、形状および膨張倍率、
ならびに、溶融樹脂の流動性、粘度および含有繊維量、
さらには、金型のゲート形状等に応じて設定するもので
ある。一般的には、ガスの圧力をより低圧にすれば、樹
脂内部に大きな中空部が発生する可能性が小さくなり、
強度確保がより確実となるうえ、溶融樹脂の表面と金型
の成形面との間へガスが漏洩しにくくなり、シルバーマ
ーク等の不具合発生の可能性がより小さくなる。
【0025】この比較的低圧でのガス注入が可能な理由
は、繊維のスプリングバック現象を利用するため、相互
に連続する多数の空隙が成形品の内部に確保されるため
である。一方、従来の短繊維での発泡剤による軽量化で
は、独立気泡しか形成することができないため、所定量
のガスを注入するには、独立気泡を膨張させる必要があ
るため、注入ガスにより大きな中空部が形成されてしま
う。すなわち、大中空部によるか、連続均一分散による
かで、軽量化の形態がまったく異なる。なお、ガスの圧
力が20MPaを越えてしまうと、溶融樹脂の表面と金
型成形面との間にガスが漏れたり、大きな中空部が生じ
たりする場合が多く、シルバーマーク等の外観上の不具
合や、大きな中空部による強度低下等の機能上の不具合
が発生する可能性が著しく高くなる。本発明でのガスの
注入は、膨張の補完であり、かかる高い圧力を必要とし
ない。また成形品の冷却行程において、ガスを流通排出
させて賦形後の樹脂を短時間で冷却することが好まし
い。
【0026】さらに、前記金型には、成形品の表面を被
覆一体化するための表皮材を、成形前に予め装着させる
ことができる。このように、予め成形前に表皮材が装着
された金型を用いれば、表面が表皮材で被覆された繊維
強化軽量樹脂積層成形品が得られるようになる。ここ
で、表皮材としては、織布や不織布等の布、熱可塑性樹
脂シート、フイルム、熱可塑性樹脂の発泡シート、およ
び、模様等が印刷されたフィルム等の単層材、ならび
に、熱可塑性エラストマーや塩化ビニル樹脂等の表皮材
に、熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂の発泡体シート等から
まる裏地材を裏打ちした多層材が採用できる。なお、表
皮材は成形品に全面被覆することもできるし、部分被覆
することもできる。
【0027】本発明製造方法にあっては、金型キャビテ
ィへの繊維含有溶融熱可塑性樹脂の射出は一般の射出成
形の方法が採用される。また、金型キャビティを満たす
には不十分な樹脂を射出し、次いで、可動型を前進して
溶融樹脂を圧縮し、完全充填する射出圧縮成形方法を採
用することもできる。なお、表皮一体の成形方法にあっ
ては射出圧縮成形方法の採用が好ましい場合がある。
【0028】以下に本発明の実施の各形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の繊維強化樹脂軽量成形
品の製造方法の第1実施態様例を概念的に示す。図1
(a)は、繊維含有溶融樹脂を射出し、射出成形金型の
容積を拡大する直前の状態を示し、図1(b)は射出成
形金型の容積を拡大した後であって金型開放前の成形品
の賦形完了時の状態を示す。図1において、1は固定
型、2は移動型、3は複数の可動部をもつ可動型、4は
キャビティ、5は樹脂流路、6はガス注入口、7はガス
排出口である。本発明の繊維強化軽量樹脂成形品の製造
方法にあっては、固定型1と移動型2を型締めし、さら
に複数の可動部を有する可動型3をキャビティ4の中に
突出させて、射出時のキャビテイ容積を決定する。
【0029】この場合に可動型の先端突出位置は成形品
の厚み方向に対して、クリアランスD1になるようにす
る。このクリアランスD1や可動型の形状は、最終成形
品の形状や軽量化の程度などにより適宜決定することが
できる。この状態のキャビティに対して、繊維含有溶融
熱可塑性樹脂が図示しない可塑化装置のノズルから樹脂
流路5を介して射出される。射出された溶融樹脂は、金
型との接触部分から冷却が始まる。ついで、溶融樹脂が
完全に冷却、硬化する前に、図1(b)に示すように、
可動型3を後退させ、D2の位置、すなわち、最終成形
品となるキャビティ容積になるように拡張する。この可
動型3の後退によって、溶融状態の繊維含有熱可塑性樹
脂は、含まれる繊維の絡み合いによる、復元性によって
膨張して最終成形品の形状になり、この膨張力によって
金型壁面に押しつけられ賦形される。冷却後に金型が開
放されて、繊維強化軽量樹脂成形品が取り出される。
【0030】本発明では、金型の厚み方向に於いて、金
型外周部以外の、例えば中央部分に複数の可動部を有す
る可動型をキャビティ内に突出して溶融樹脂の射出を行
い、外周部以外の一般部分である平面構造を成形する部
分においても、樹脂の冷却を行うものである。ついで、
可動型を後退させて溶融樹脂を膨張させる。この冷却に
よる溶融樹脂の温度低下により溶融粘度が上昇し、この
領域を実質的に膨張できないようにしたり、あるいは、
膨張してもその程度が他の領域における膨張度と全く異
なり、低い膨張度とするものである。これにより、成形
品の高膨張領域(9H)とともに、成形品の外周部のみ
でなく、中央部分にも繊維含有樹脂の緻密な領域(9
L)が形成され、これにより、あたかもリブを有する構
造と類似の構造、効果が得られるものである。
【0031】本発明では、成形品の軽量化の程度にもよ
るが、その膨張性の高い溶融樹脂のキャビティ内への射
出が必要であり、このためには前記したように、射出樹
脂中の繊維、たとえばガラス繊維の平均繊維長が長いこ
とが望ましい。また、空隙率の高い成形品を得るために
は、その膨張力を補足し、また、金型表面への樹脂の押
しつけ賦形による、ヒケの防止のために、少量の発泡剤
を添加することもできる。また、可動型の後退開始後に
おいて、ガス排出口7を閉じた状態で、ガス注入口6か
ら1MPa以下の比較的低圧のガスを注入することがで
きる。さらに、ガス排出口の圧力をある圧力に保ちなが
ら、排出してガスを流通することで、成形品の冷却を促
進することもできる。本発明の繊維強化軽量樹脂成形品
は、一般の発泡剤を用いた軽量化の場合の独立気泡とは
異なり、溶融樹脂は含有繊維の絡み合いの復元性により
繊維をもとに連続した空隙が形成され、成形品の膨張部
分の均一化を図りながら、ガスを成形品全体に均一に注
入できるという大きな特徴があり、ガスの流通で内部か
ら冷却でき成形サイクルを大幅に短縮できるという特徴
がある。
【0032】可動型の形状に応じて形成される、低膨張
領域ないし未膨張領域は成形品の形状にもよるが、独立
した線状、連続した線状、格子状など任意である。な
お、ガスを注入する点からは、成形品が低膨張領域を有
しながら全体としては、ガスの流通が可能な空隙で連通
していることが好ましい。また、図2に第2の実施態様
例の概念図を示すように、可動型の反対側の金型面に予
め、表皮材8を装着することによって、表皮材が一体的
に結合した成形品を製造することもできる。この例で
は、可動型を移動型側に設けたために、樹脂の射出ゲー
トをサイドゲートとしてある。成形法については、表皮
材を挿入すること以外は、第1の実施態様と実質同様で
あるので、説明は省略する。なお本発明における、可動
型の前進、後退は、たとえば、移動型と移動型取り付け
盤の間に装着された、可動型を前進、後退する機能を有
する、金型可動装置を用いることにより成形される。
【0033】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるものではない。 実施例1 ガラス繊維が平行に配列し、その含有量が60重量%、
長さが12mmであるガラス繊維強化ポリプロピレンペ
レット(無水マレイン酸変性ポリプロピレンを3重量%
含有)65重量部とメルトインデックス(MI:230
℃、2.16kg荷重)が30g/10分のポリプロピ
レンペレット35重量部をドライブレンドしたものを成
形用原料とした。射出成形機は、型締力:850t、ガ
ラス繊維の破断を少なくするために圧縮比:1.9のス
クリューを用いた。金型として図1(a)に示すよう
に、可動型3がキャビティ4の内部に突出した状態(金
型の固定型と可動型の突出部のクリアランス(D1)は
4mmとした。)で型締めし、成形原料を可塑化計量し
て射出した。充填完了の2秒後に可動型3を、図1
(b)に示すような位置まで後退させて拡張、膨張させ
て、冷却し厚み(D2)が12mmの成形品を得た。成
形品を切り出して成形品の膨張状況を調べたところ、成
形品のうち可動型の可動部が後退した領域は十分膨張さ
れていたが、外周部分および可動型に挟まれた領域は金
型による冷却の効果で膨張倍率(およそ1.2倍)が低
く実質的にリブを形成していた。
【0034】実施例2 実施例1において、ガラス繊維強化ポリプロピレンペレ
ット50重量部とMI:30g/10分のポリプロピレ
ンペレット50重量部に、発泡剤として永和化成(株)
製:EV−306G(発泡剤1重量%のマスターバッ
チ)を0.3重量部をドライブレンドとたものを成形原
料とした。可動型の突出時のクリアランス(D1)を3
mmとした以外は、実施例1に準じて成形を行った。成
形品を切り出して成形品の膨張状況を調べたところ、成
形品のうち可動型が後退した領域は十分膨張されていた
が、外周部分および可動型に挟まれた領域は金型による
冷却の効果で膨張度(およそ1.2倍)が低く実質的に
リブ構造を形成していた。
【0035】実施例3 実施例1において、可動型の突出時のクリアランス(D
1)を2mmとし、可動型の後退開始2秒後に、ガス出
口を閉鎖し、ガスピンより窒素ガスを低圧の0.8MP
aで注入した以外は実施例1に準じて成形を行った。成
形品を切り出して成形品の膨張状況を調べたところ、成
形品のうち可動型が後退した領域は十分膨張されていた
が、外周部分および可動型に挟まれた領域は金型による
冷却の効果で膨張度(およそ1.2倍)が低く実質的に
リブ構造を呈していた。
【0036】比較例1 実施例1において、ガラス繊維40重量%、平均繊維長
0.4mmの短繊維ガラス強化ペレットを成形原料とし
た以外は実施例1に準じて成形を行った。しかし、移動
型の先端部がわずか波打つ程度であり、可動型の後退領
域では膨張は実質的に起こらなかった。
【0037】実施例4 実施例1で用いた、成形原料と射出成形機、および図2
に示す金型を用いて成形を行った。可動型が突出した状
態で表皮材(発泡倍率10倍のポリプロピレン/ポリ塩
化ビニル樹脂レザー:2mm)を図2(a)に示すよう
に装着し、表皮材を除くクリアランス(D1)を4mm
として溶融樹脂を射出した後、図2(b)に示す表皮材
を除く厚み(D2)を12mmになる位置まで可動型を
後退させて拡張、膨張させた。成形品を切り出して成形
品の膨張状況を調べたところ、成形品のうち可動型が後
退した領域は十分膨張されていたが、外周部分および可
動型に挟まれた領域は金型による冷却の効果で膨張度
(約1.1倍)が低く実質的にリブ構造を呈していた。
また表皮一体成形体を折り曲げても非常に良好な剛性を
示すとともに、部分圧縮しても表皮部分が陥没するなど
の不都合はなかった。
【0038】実施例5 実施例4において、可動型が突出した状態で表皮材(実
施例4に同じ:3mm)を図2(a)に示すように装着
し、表皮材を除くクリアランス(D1)を2mmとして
溶融樹脂を射出した後、図2(b)に示す厚み(D2)
を12mmになる位置まで可動型を後退させて拡張、膨
張させた。なお、可動型の後退開始2秒後にガスピンよ
り、窒素ガスを0.1MPaにて注入した。成形品の表
面にヒケは全くみられなかった。成形品を切り出して成
形品の膨張状況を調べたところ、成形品のうち可動型が
後退した領域は十分膨張されていたが、外周部分および
可動型に挟まれた領域は金型による冷却の効果で膨張度
(約1.1倍)が低く実質的にリブ構造を呈していた。
また表皮一体成形体を折り曲げても非常に良好な剛性を
示すとともに、部分圧縮しても表皮部分が陥没するなど
の不都合はなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、平面構造の成形品で、
面容積が大きい場合であっても、リブ類似の効果により
曲げ強度、剛性、耐熱性にすぐれ、しかも局部的な応力
や捩じれに対しても十分耐え、均質性にすぐれるととも
に、表面特性にもすぐれる繊維強化軽量樹脂成形品が得
られる。またその製造方法にあっては、軽量化の程度を
任意に制御できるとともに、軽量化率の高い成形品にあ
ってもすぐれた強度特性と表面性を維持できるととも
に、冷却時間の短縮、成形サイクルの短縮により生産性
を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例の概念図であり、
(a)は射出成形金型の容積を拡大する直前の状態であ
り、(b)は拡大後の状態である。
【図2】本発明の第2実施形態例である表皮一体成形の
概念図であり、(a)は射出成形金型の容積を拡大する
直前の状態であり、(b)は拡大後の状態である。
【符号の説明】
1:固定型 2:移動型 3:可動型 4:キャビティ 5:樹脂流路 6:ガス注入口 7:ガス排出口 8:表皮材 9H:高膨張領域 9L:低、非膨張領域

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空隙を有する繊維強化軽量樹脂成形品であ
    って、成形品の周辺部以外の部分が膨張倍率の異なる複
    数の領域から構成されていることを特徴とする繊維強化
    軽量樹脂成形品。
  2. 【請求項2】周辺部以外の部分が膨張倍率が1.0〜
    1.5である低倍率領域と、膨張倍率が1.6〜8の高
    倍率領域から構成されている請求項1記載の繊維強化軽
    量樹脂成形品。
  3. 【請求項3】繊維がガラス繊維であり、繊維含有率が1
    0〜70重量%、平均繊維長が1〜20mmである請求
    項1または2記載の繊維強化軽量樹脂成形品。
  4. 【請求項4】一体化された表皮材を有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の繊維強化軽量樹脂成形品。
  5. 【請求項5】金型キャビティに対して進退可能なキャビ
    ティ形成面を複数有する可動型を用い、可動型がクリア
    ランスを残した突出位置にあるキャビティに、繊維含有
    溶融熱可塑性樹脂を射出し、次いで金型キャビティの容
    積が拡大する方向に可動型を後退させることを特徴とす
    る繊維強化軽量樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】金型キャビティ内の前記繊維含有溶融熱可
    塑性樹脂の内部にガスを注入する請求項5記載の繊維強
    化軽量樹脂成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】あらかじめ表皮材を装着した金型キャビテ
    ィに繊維含有溶融熱可塑性樹脂を射出する請求項5また
    は6記載の繊維強化軽量樹脂成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】繊維含有溶融熱可塑性樹脂が、全長が2〜
    100mmであり、この全長と等しい長さを有し、互いに
    平行に配列された状態にある繊維を20〜80重量%含
    有する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットまたは前記ペレッ
    トと他のペレットとの混合物で前記繊維が全体の10〜
    70重量%とされたものを可塑化、溶融したものである
    請求項5〜7のいずれかに記載の繊維強化軽量樹脂成形
    品の製造方法。
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DE1998608223 DE69808223T2 (de) 1997-11-26 1998-11-24 Faserverstärkter Formkörper aus Kunststoff und Verfahren zu dessen Herstellung
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JP2021535862A (ja) * 2018-09-04 2021-12-23 ハンファ アズデル インコーポレイテッド 可変坪量を有するコア層及び複合品

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