JPH11170124A - シールのリップめくれ判定方法及びシール挿入装置 - Google Patents

シールのリップめくれ判定方法及びシール挿入装置

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JPH11170124A
JPH11170124A JP9339121A JP33912197A JPH11170124A JP H11170124 A JPH11170124 A JP H11170124A JP 9339121 A JP9339121 A JP 9339121A JP 33912197 A JP33912197 A JP 33912197A JP H11170124 A JPH11170124 A JP H11170124A
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seal
shaft
lip
force
insertion force
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健二 小林
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基 平松
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充 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リップを有するシールを軸へ挿入する際に、
リップがめくれているか否かの判定を容易に行えるよう
にする。 【解決手段】 リップ10Aを有するシール10をいっ
たん軸14に挿入する第1動作を行って、次に、第1動
作を行った状態からシール10が軸14から抜けない位
置までシール10を引き抜く第2動作と、第2動作を行
った状態からシール10を軸14に再び挿入する第3動
作を1回ずつまたは複数回ずつ行って、シール10を軸
14へ挿入する際に、前記第1動作時の挿入力を逐次計
測して挿入力波形を求め、その求めた挿入力波形の特徴
から、軸14とシール10の相対位置を推定するととも
に、推定した位置での挿入力を検出し、その検出結果に
基づいてリップ10Aのめくれを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リップを有するオ
イルシールやGシール等のシールを軸へ挿入する際のシ
ールのリップめくれ判定方法、及びその判定方法を実施
するための機能を備えたシール挿入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リップ付きのシールは、ゴム等の弾性部
材からなるリップの先端部分が軸に密着することによっ
てシール部を形成し、オイルの漏れやごみ等の異物の侵
入を防ぐためのものである。このようなリップ付きのシ
ールを軸に組み付ける際には、リップの向きをシールの
軸への挿入方向に向かせなくてはならない。
【0003】ところが、挿入時にリップが軸との摩擦に
よりめくれて、挿入方向とは反対の方向に向いてしまう
ことがあり、このようにリップがめくれてしまうと、シ
ール部と軸との間に隙間ができ、オイルの漏れやごみの
侵入といった事態が生じる。
【0004】そこで、例えば登録実用新案第30074
46号(実願平6−10536号)等においては、シー
ルの外周縁に切り欠きを設け、リップがめくれているか
どうかをエアリークテストにより容易に検出することが
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エアリ
ークテストを行うためには当然ながら、エアー供給装
置、ワーク(シール)を持つチャック(ハンド)にエア
ー供給装置からのエアーを通す配管、リークを検出する
ための高価なセンサーなどが必要になる。さらにはリー
ク検出専用のハンドも必要となる。このように大掛かり
な設備をリップのめくれ検出のためだけに設けること
は、経済的に不利であるばかりでなく、エアーリークの
検査に時間が掛かり、生産効率も低下するという問題が
生じる。
【0006】また従来のシール挿入装置では、ワークを
持つハンドのジャム検知にスプリングを使っているた
め、荷重が掛かるとその荷重に比例してハンドあるいは
ハンドの一部が逃げてしまうため、位置決めがうまく行
かないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、シールを軸へ挿入する際
に、シールのリップがめくれているかどうかの判定を簡
単な設備で行うことができるシールのリップめくれ判定
方法、及びその判定方法を実施するための機能を備えた
シール挿入装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、リップを有するシールを
いったん軸に挿入する第1動作を行って、次に、前記第
1動作を行った状態から前記シールが前記軸から抜けな
い位置まで当該シールを引き抜く第2動作と、該第2動
作を行った状態から前記シールを前記軸に再び挿入する
第3動作を1回ずつまたは複数回ずつ行って、前記シー
ルを前記軸へ挿入する際に、前記第1動作時の挿入力を
逐次計測して挿入力波形を求め、その求めた挿入力波形
の特徴から、前記軸と前記シールの相対位置を推定する
とともに、推定した位置での挿入力を検出し、その検出
結果に基づいて前記リップのめくれを判定することを特
徴としている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記検出結果の値が所定値よりも大きいとき、前記
リップはめくれていると判定することを特徴としてい
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、前記推定した位置での挿入力を、前記リップのめく
れ判定が可能かどうかの予備判定に使うことを特徴とし
ている。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1におい
て、前記シールを前記軸へ挿入するためのシール挿入手
段がシール挿入を行っていない無負荷時に、当該シール
挿入手段に掛かる力を計測しておき、前記第1動作時の
挿入力を検出する際には、挿入力から前記力を減算して
おくことを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1におい
て、前記挿入力の検出を、前記軸の、前記シールがセッ
トされる部位と同形状の部位で行うことを特徴としてい
る。
【0013】請求項6に記載の発明は、リップを有する
シールをいったん軸に挿入する第1動作を行って、次
に、前記第1動作を行った状態から前記シールが前記軸
から抜けない位置まで当該シールを引き抜く第2動作
と、該第2動作を行った状態から前記シールを前記軸に
再び挿入する第3動作を1回ずつまたは複数回ずつ行っ
て、前記シールを前記軸へ挿入するシール挿入装置にお
いて、前記第1動作時の挿入力を逐次計測して挿入力波
形を求める手段と、その求めた挿入力波形の特徴から、
前記軸と前記シールの相対位置を推定するとともに、推
定した位置での挿入力を検出する検出手段と、その検出
結果に基づいて前記リップのめくれを判定する判定手段
と、を備えたことを特徴としている。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6におい
て、前記判定手段は、前記検出結果の値が所定値よりも
大きいとき、前記リップはめくれていると判定すること
を特徴としている。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項6におい
て、前記判定手段は、前記推定した位置での挿入力を、
前記リップのめくれ判定が可能かどうかの予備判定に使
うことを特徴としている。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項6におい
て、前記検出手段は、前記軸の、前記シールがセットさ
れる部位と同形状の部位で前記挿入力を検出することを
特徴としている。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項6にお
いて、前記第2動作時の前記シールの引き抜き速度は、
前記第3動作時の前記シールの挿入速度よりも遅く設定
されていることを特徴としている。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項6にお
いて、前記第3動作時の前記シールの挿入速度は、前記
第1動作時の前記シールの挿入速度よりも速く設定され
ていることを特徴としている。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項6にお
いて、前記リップがめくれていると判定されたとき、前
記軸と前記シールを相対的に回転させて前記リップのめ
くれを戻すめくれ戻し手段が付加されていることを特徴
としている。
【0020】請求項13に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記めくれ戻し手段は、前記軸に設けられたD
カット部に前記シールが位置しているときに、前記軸と
前記シールを相対的に回転させることを特徴としてい
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
従って説明する。図1はシール挿入装置の概略斜視図で
ある。図において、10はリップ付きのシールで、この
シール10は保持部材11に保持されている。そして、
その保持部材11をチャックハンド12が把持してお
り、シール10はチャックハンド12に間接的に把持さ
れている。勿論、保持部材11を介さずに、チャックハ
ンド12がシール10を直接的に把持するようにしても
よい。
【0022】チャックハンド12はロボット13に取り
付けられており、図のXYZ方向に往復移動自在であ
る。すなわち、ロボット13は、X方向に配置された第
1部材13Aと、Y方向に配置された第2部材13B
と、Z方向に配置された第3部材13Cとを備え、第2
部材13Bは第1部材13Aに沿ってX方向に、第3部
材13Cは第2部材13Bに沿ってY方向に、さらにチ
ャックハンド12は第3部材13Cに沿ってZ方向にそ
れぞれ往復移動する。なお、本実施の形態では、ロボッ
トとして3軸ものを例として説明するが、単軸または2
軸のものでもよい。さらに、直行タイプに限らずスカラ
型や極座標型のロボットにも適用できる。
【0023】14はシール10が挿入される軸で、円柱
状または円筒状の部品15の端面に取り付けられてい
る。この部品15は作業台16上に回転自在に設けら
れ、部品15の上方には回転プレート17が設けられて
いる。回転プレート17の一端側は第1シリンダ18に
接続され、さらに第1シリンダ18は第2シリンダ19
に支持されている。回転プレート17、第1シリンダ1
8及び第2シリンダ19は、部品15に回転力を付与す
るための回転力付与機構である。
【0024】このシール挿入装置では、シール10を軸
14へ挿入する際に、チャックハンド12で保持部材1
1を把持し、第2シリンダ19により第1シリンダ18
を下方へ引っ張る。第1シリンダ18を下方へ引っ張る
ことによって、回転用プレート17を部品15の外周面
に押し付けることができる。この状態で第1シリンダ1
8により回転用プレート17をY方向へ往復移動させれ
ば、部品15が軸14とともに回転及び逆回転を繰り返
す。そして、ロボット13の駆動により、チャックハン
ド12をY方向またはZ方向に移動させ、保持部材11
に保持されたシール10の中心を軸14の中心軸に合わ
せるとともに、チャックハンド12をX方向に移動さ
せ、シール10を軸14の軸端へ近付けてゆき、回転及
び逆回転している軸14へシール10を挿入する。
【0025】このとき軸14とシール10のリップが回
転方向にこすれ合い、シール挿入方向での摩擦が軽減さ
れる。また、チャックハンド12をX方向に移動させる
際の移動量を調整することにより、軸14へ挿入された
シール10の位置を所望の位置とすることができる。
【0026】図2は回転力付与機構の他の例を示した図
である。この例では、部品15の上方に回転ローラ20
と従動ローラ21が部品15に平行に配置されている。
回転ローラ20と従動ローラ21は支持体22内に回転
自在に設けられ、両ローラ20,21の外周面は互い当
接している。そして、支持体22上に設けられ且つ回転
ローラ20に連結されたモータ23を回転駆動させれ
ば、回転ローラ20と従動ローラ21とは互いに逆方向
に回転する。また、支持体22にはシリンダ24が接続
されている。
【0027】シール10を軸14に挿入する際には、シ
リンダ24により支持体22を下方に押し下げ、回転ロ
ーラ20を部品15の外周面に押し付けると、モータ2
3の回転駆動力が回転ローラ20を介して部品15で伝
達され、部品15が軸14とともに回転する。部品15
を逆回転させる場合は、図示してないシリンダにより支
持体22をA方向に移動させ、従動ローラ21を部品1
5の外周面に当接させるようにする。なお、回転ローラ
20または従動ローラ21の一方だけを使用するように
すれば、軸14を一方向へ継続的に回転させることがで
きる。
【0028】図2の回転力付与機構では、回転ローラ2
0と従動ローラ21はそれぞれの外周面が当接し、互い
に逆方向に回転するようになっていたが、回転ローラ2
1と従動ローラ21との間に間隔を設けて、回転ローラ
20だけをモータ23で回転駆動するように構成しても
良い。このように構成すれば、支持体22を下方に押し
下げた時に、回転ローラ20と従動ローラ21の双方が
同時に部品15の外周面に当接することになり、回転ロ
ーラ20、従動ローラ21及び部品15が安定した姿勢
で回転できる。なお、この場合は、部品15を逆回転さ
せるにはモータ23の回転を逆転させればよい。
【0029】図1及び図2では部品を回転させるように
していたが、部品を回転させられない場合もある。この
ような場合は、シールの方を回転させるようにする。そ
の例を図3に示す。図3において、チャックハンド12
は回転機構25を介してロボット13に取り付けられて
いる。回転機構25は一方向及びその逆方向に回転可能
で、この回転・逆回転に伴ってチャックハンド12も回
転又は逆回転する。一方、作業台16上に載置された部
品26は例えば角形形状をなしており、回転させること
ができない。この部品26には軸14が取り付けられて
いる。
【0030】シール10を軸14に挿入する際には、ロ
ボット13により、保持部材11に保持されたシール1
0の中心を軸14の中心軸に合致させ、引き続いて回転
機構25によりシール10を回転又は逆回転させながら
軸14に挿入する。すると図1または図2の場合と同様
に、軸14とシール10のリップが回転方向にこすれ合
い、シール挿入方向での摩擦が軽減される。なお、回転
機構25としては、モータやロータリシリンダによって
回転する回転機構が望ましい。
【0031】図4は部品と軸の双方を回転させてシール
を軸へ挿入する例である。図4の例は、作業台16上に
搭載した部品27を直接回転させられない場合に、シー
ル10と部品27の双方を回転させるようにしたもので
ある。チャックハンド12は、図3の場合と同様に回転
機構25を介してロボット13に取り付けられている。
一方、部品27はチャックハンド28に把持され、この
チャックハンド28は回転機構29を介して作業台16
上で固定されている。部品27には軸14が取り付けら
れている。
【0032】シール10を軸14に挿入する際には、回
転機構25によりチャックハンド12を回転させるが、
部品27も回転機構29により回転させる。すなわち、
シール10と軸14をそれぞれ回転させつつシール10
を軸14へ挿入する。すると、軸14とシール10のリ
ップが回転方向にこすれあい、シール挿入方向での摩擦
が軽減される。なお、回転機構29としては、モータや
ロータリシリンダによって回転する回転機構が望まし
い。また回転機構25,29の回転方向は互いに逆方向
とすることが好ましい。
【0033】次に、上記ロボット13の詳細構成につい
て説明する。図5はロボット13の平面図、図6はその
側面図である。ロボット13は架台30に搭載されてお
り、作業台16(図1または図3参照)に対して位置決
めされている。チャックハンド12にはロードセル31
が設けられ、そのロードセル31での検出信号(荷重検
出信号)はロードセルアンプ32を介してコンピュータ
33へ送られるようになっている。またロボット13の
動作を制御するためにロボットコントローラ34が設け
られ、ロボットコントローラ34とコンピュータ33と
は信号を送受できるように接続されている。
【0034】図7はチャックハンドの詳細構成を示した
平面図、図8はその側面図である。チャックハンド12
はベース35を介してロボット13のハンド取り付け部
に取り付けられている。なお、図示の例のベース35
は、チャックハンド12をロボット13のハンド取り付
け部に沿って上下方向(Z方向)にスライドさせるため
のものであるが、ここに図3及び図4に示した回転機構
25を設ければ、チャックハンド12を回転させること
も可能である。その場合、チャックハンド12がシール
10または前述の保持部材11(以下、シール及び保持
部材をまとめてシールという)をチャックする時の向き
(シールが供給されてくる向き)と、シールの挿入する
時の向きが違う場合に対応できる。
【0035】ベース35の後端(図中、左方向が後、右
方向が前である)には、L字型に折り曲げられたブラケ
ット36が固定されている。またベース35中央の平面
部には両端にストッパ35Aを有するガイドレール35
Bが設けられ、このガイドレール35Bにスライド部3
7が摺動自在に取り付けられている。すなわち、スライ
ド部37はガイドレール35Bに沿って図7の左右方向
(シール挿入方向)に移動可能である。
【0036】スライド部37には移動ベース38が固定
されている。移動ベース38の前端にはシールを把持す
るためのチャック39が取り付けられている。チャック
39にはシール有無検知センサー40が設けられ、この
シール有無検知センサー40により、ロボットコントロ
ーラ34に対してシールの有無を知らせ得るようになっ
ている。
【0037】移動ベース38の後端にはジャム検知用ド
グ41が取り付けられ、移動ベース38がワークから逃
げる方向(図7の左方向)に移動すると、ジャム検知用
ドグ41が、ブラケット36に固定されたジャム検知用
センサー42を横切るようになっている。また移動ベー
ス38の後端には、取付用ブロック38Aを介してロー
ドセル31が固定されている。
【0038】このロードセル31の取付用ブロック38
Aと反対側端部には、端部がフランジ型をした軸43が
設けられている。軸43は2つ設けられており、各軸4
3はブラケット36に形成された孔を挿通している。そ
して、ロードセル31の端部とブラケット36との間に
はコイルスプリング44が設けられている。前記軸43
はコイルスプリング44内に挿通して設けられており、
コイルスプリング44と軸43との間には隙間が形成さ
れており、コイルスプリング44は軸43に接触しない
ようになっている。上記コイルスプリング44が設けら
れているので、シール挿入の作業を行っていない時に
は、スライド部37はコイルスプリング44に付勢さ
れ、チャック39に近い側のストッパ35Aに押し付け
られている。
【0039】図9及び図10はチャックハンドの他の例
を示しており、図9はその平面図、図10は側面図であ
る。図9及び図10に示すチャックハンド12′では、
移動ベース38とチャック39との間に、シールとシー
ル挿入軸とのずれを修正するための修正機構45が設け
られている。この修正機構45は、半径方向にはたわむ
が、軸芯方向には伸び縮みしない部材46が複数本(図
では3本)並設され、チャック39全体を前記シール挿
入軸の半径方向にのみ移動させることができるようにな
っている。
【0040】図11及び図12はチャックハンドの更に
他の例を示しており、図11はその平面図、図12は側
面図である。図11及び図12に示すチャックハンド1
2″では、前述したチャックハンド12′におけるジャ
ム検知用ドグ41、ジャム検知用センサー42及びコイ
ルスプリング44に代えて、コイルスプリング47、エ
アシリンダー48、シャフト49、センサー50が設け
られている。この例では軸43は1本だけ設けられてい
る。
【0041】コイルスプリング47は、軸43のフラン
ジ部とブラケット36の間で、軸43の外周面に接触し
ないよう設けられている。またエアシリンダー48はブ
ラケット36に固定されており、その位置はブラケット
36を挟んでロードセル31の反対側となっている。エ
アシリンダー48にはシャフト49が設けられており、
そのシャフト49はロードセル31の端部に接してい
る。さらにエアシリンダー48にはシャフト49の位置
を調べるセンサー50が取り付けられている。センサー
50はロボットコントローラ34に接続され、ハンドジ
ャムの情報をロボットコントローラ34に送ることがで
きる。なお、エアシリンダー48のシャフト49を押し
出す力はスプリング47の付勢力よりも強く設定されて
おり、エアシリンダー48がシャフト49を押し切った
状態でシャフト49の位置決めができるようになってい
る。これにより、移動ベース38に搭載したチャック3
9等をここで位置決めすることができる。なお、図中5
1はエアシリンダー48に空気を供給するエアコンプレ
ッサ、52は空気の流量を制御するレギュレータであ
る。
【0042】図13はシール挿入対象である軸14を拡
大して示した斜視図である。図1〜図4に示さなかった
が、軸14は、円筒状の太径部14Aと、太径部14A
から突出した軸体14Bと、軸体14B先端に形成され
たいわゆるDカット部14Cとからなっている。このよ
うな軸14に、リップ10Aを有するシール10を正常
に(リップ10Aがめくれていない状態)で取り付けた
例を図14に示し、異常な取り付け状態(リップ10A
がめくれた状態)で取り付けた例を図15に示す。図1
4の状態では、リップ10Aのめくれがなく、シール1
0を軸14にセットした状態で、軸14の太径部14A
からDカット部14Cの方向にオイルやごみが流れるこ
とはない。一方、図15の状態では、リップ10Aがめ
くれているので、太径部14AからDカット部14Cの
方向にオイルやごみが流れてまう。
【0043】次の本実施の形態によるシール挿入の動作
について説明する。図16は、図13のような形状の軸
14へシール10を挿入する時の動作例を示している。
なお、勿論、シール10を軸14に挿入する際にはリッ
プ10Aが軸14への挿入方向を向いているものとす
る。
【0044】まず、図中位置0から位置2まで適当な速
度でシール10を移動させ、シール10を軸14のDカ
ット部14Cから円筒状の軸体14Bの端部まで挿入す
る。次いで、位置2から位置3までは、第1の速度(例
えば40mm/秒)で進ませる。なお位置3は、軸14
の太径部14Aの端面にシール10が当たらない位置と
する必要がある。このときシール10のリップ10Aは
完全にめくれている可能性が高い。その後、位置3から
位置4へ第2の速度(例えば10mm/秒)で引き抜
く。さらに、位置4から位置5まで第3の速度(例えば
70mm/秒)で再び挿入する。以上の動作のうち、第
2の速度と第3の速度での動作を1回または複数回(図
では3回)行い、最後の挿入時に所定の挿入位置にシー
ル10を位置させるようにすることが好ましい。
【0045】一般的に上記動作の中で、位置3から位置
4、位置5から位置6、位置7から位置8へ引き抜く動
作は、それぞれシール10を軸14から抜く動作である
が、リップ10Aのめくれを取る動作であり、この引き
抜き距離が長ければ長いほど、リップ10Aのめくれは
取り易くなる。位置2から位置3、位置4から位置5、
位置6から位置7、位置8から位置9への移動は、シー
ル10を軸14に挿入する動作であるが、リップ10A
がめくれ易い向きである。この距離は短ければ短いほど
リップ10Aがめくれ難くなる。
【0046】このように、2つの条件からリップ10A
のめくれ難い条件は、挿入する距離は短い方がよく、引
き抜く距離は長い方がよいことになるが、この2つの条
件は相反するものであり、同時には満たすことができな
い。そこで、上述のように挿入時と引き抜き時の速度を
変え、挿入時の速度を速めてめくれ難くし、引き抜き時
の速度をゆっくりとしてめくれが戻り易くなるようにし
ている。
【0047】なお挿入対象となる軸に、図示の軸14の
Dカット部14Cのような段差が有ると、その部分でリ
ップ10Aにめくれが生じるので、引き抜き動作は、図
示の例のように軸の円筒状の部位(軸体14Bの部分)
内で行うようにする。
【0048】また、位置4から位置5、位置6から位置
7、位置8から位置9までの挿入時に、シール10と軸
14との間に相対的に回転を加えるようにすると、リッ
プ10Aと軸14との間に生じる摩擦力が挿入方向だけ
でなく、軸14の回転方向にも生じることになって、挿
入方向での摩擦力が分散される。その結果、挿入時にリ
ップ10Aがめくれ難くなる。
【0049】ところで上述のような動作が正常に行われ
ている時は、シール10と軸14が接する時、シール1
0と軸14が、軸14の半径方向でずれていても、図9
〜図12に示したような修正機構45が設けられていれ
ば、そのようなずれを修正することができる。また異常
時、すなわちハンドジャム時も同様である。そして、チ
ャックハンドが図7〜図10に示す構成を有する場合、
チャック39を押す方向に強い力がチャック39に掛か
ると、移動ベース38はロードセル31を介しスプリン
グ44を収縮させる。チャック39にさらに強い力が掛
かると、ジャム検出用ドグ41がジャム検知用センサー
42を横切り、その情報がロボットコントローラ34に
伝わりロボット13を非常停止させる。
【0050】またチャックハンド12が図11及び図1
2に示す構成を有する場合、チャック39を押す方向で
チャック39に力が掛かっても、ある力まではシール1
0の軸芯方向に移動する部分はない。チャック39を押
す力が強くなると、移動ベース38はロードセル31を
介してエアシリンダー48のシャフト49を押し、シャ
フト49が移動する。そして、センサー50の位置にシ
ャフト49が来ると、そのことをセンサー50が検知
し、その情報がロボットコントローラ34に伝わりロボ
ット13を非常停止させる。
【0051】次に、シール10を軸14へ挿入した際
に、リップ10Aにめくれが生じたかどうかのめくれ判
定方法について説明する。ここでは、めくれ判定方法と
して、図17に示すめくれ判定方法1、図18に示すめ
くれ判定方法2、図19に示すめくれ判定方法3、及び
図20に示すめくれ判定方法4について説明する。
【0052】(めくれ判定方法1)シール挿入の動作中
に、ロードセル31からは、それに掛かる荷重に比例し
た電圧が出力され、ロードセルアンプ32によって増幅
される。その荷重の波形は図17に示すようになる。図
17に示すグラフの縦軸は挿入力または引き抜き力(K
gf)を、横軸は時間(秒)を示している。また波形中
に示す0〜9のポイントは、図16に示す位置0〜9に
おけるロボット13の動作時の挿入力または引き抜き力
に対応している。
【0053】コンピュータ33は、シール10が軸14
に接触する前の何個かの力を平均しておく(平均力9:
以下の最大値または最小値は測定値から平均力9を減算
した値を示している)。ここで、図16の位置1から位
置3までの挿入力の最大値を最大1とし、位置3から位
置4までの引き抜き力の最小値を最小1とし、この後の
往復時の最大値、最小値をそれぞれ最大2、最大3、最
大4、最小2、最小3とする。
【0054】(1) 挿入力または引き抜き力単独で判定す
る場合 最後に引き抜く時の最小引き抜き力(最小3)の絶対値
が所定値より大きい時、リップ10Aのめくれは直って
いないと判定する。そのまま挿入しても、めくれは絶対
に直らない。また、最後に挿入する時の最大挿入力(最
大4)が所定値より大きい時も、リップ10Aがめくれ
ていると判定する。
【0055】(2) 挿入力や引く抜き力の比で判定する場
合 一度目の挿入時の最大挿入力(最大1)と最後に引き抜
く時の最小引き抜き力(最小3)の絶対値の比を算出す
る。この絶対値の比が所定値より小さい時、リップ10
Aのめくれは直っていないと判定する。そのまま挿入し
ても、めくれは絶対に直らない。また、一度目の挿入時
の最大挿入力(最大1)と最後に挿入する時の最大挿入
力(最大4)の比を算出し、この比が所定値より小さい
時、リップ10Aがめくれていると判定する。
【0056】なお、上記(1)及び(2)において、リップ1
0Aがめくれていると判定した場合、コンピュータ33
はロボットコントローラ34に対してリップ10Aがめ
くれていることを示す警告信号を出し、ロボット13の
動きを停止させ、警告音を発生させる。
【0057】(めくれ判定方法2)ロードセル31から
の電圧信号に突発的なノイズが入ると、コンピュータ3
3には本来の値とは違った電圧が入力される。このとき
の値が最大値であれば、リップ10Aのめくれ判定に使
われ誤判定の原因となる。これを防ぐためには、図18
のようにしてめくれ判定を行う。
【0058】図18は、図17と同様、縦軸は挿入力ま
たは引き抜き力(Kgf)を、横軸は時間(秒)を示し
ている。また波形中に示す0〜9のポイントは、図16
に示す位置0〜9に対応している。
【0059】コンピュータ33は、シール10が軸14
に接触する前の何個かの力を平均しておく(平均力9:
以下の挿入力及び引き抜き力は測定値から平均力9を減
算した値を示している)。ここで、シール10が軸14
に接触して挿入動作が開始され、位置1から一定時間
(カウントされた一定時間A)経過後の挿入力を挿入力
Aとし、引き抜き動作の開始位置3から一定時間(カウ
ントされた一定時間B)後の引き抜き力を引き抜き力B
とする。また、その後の挿入動作の開始位置からの一定
時間C,E,G経過後の挿入力をそれぞれ挿入力C,
E,Gとし、引き抜き動作の開始位置からの一定時間
D,F経過後の引き抜き力をそれぞれ引き抜き力D,F
とする。
【0060】(1) 挿入力または引き抜き力単独で判定す
る場合 最後に引き抜く時の引き抜き力(引き抜き力F)の絶対
値が所定値より大きい時、リップ10Aのめくれは直っ
ていないと判定する。また、最後に挿入する時の挿入力
(挿入力G)が所定値より大きい時も、リップ10Aが
めくれていると判定する。
【0061】(2) 挿入力や引く抜き力の比で判定する場
合 一度目の挿入時の挿入力(挿入力A)と最後に引き抜く
時の引き抜き力(引き抜き力F)の絶対値の比を計算す
る。この絶対値の比が所定値より小さい時、リップ10
Aのめくれは直っていないと判定する。また、一度目の
挿入時の挿入力(挿入力A)と最後に挿入する時の挿入
力(挿入力G)の比も計算し、この比が所定値より小さ
い時も、リップ10Aがめくれていると判定する。
【0062】なお、上記(1)及び(2)において、リップ1
0Aがめくれていると判定した場合、コンピュータ33
はロボットコントローラ34に対してリップ10Aがめ
くれていることを示す警告信号を出し、ロボット13の
動きを停止させ、警告音を発生させる。
【0063】(めくれ判定方法3)図18では、一定時
間経過後の挿入力または引き抜き力を用いてリップ10
Aのめくれ判定を行っているが、用いる挿入力や引き抜
き力は一つだけである。すなわち、一度目の挿入時には
挿入力Aの一つだけを、最後に引き抜く時には引き抜き
力Fの一つだけを、最後の挿入時には挿入力Gの一つだ
けをそれぞれ用いてめくれ判定を行っている。しかし、
挿入力や引き抜き力の一つだけ用いてめくれ判定を行う
と、小さなノイズが入っただけでもめくれ判定を狂わし
てしまう可能性があり、これを防ぐには、図19のよう
にしてめくれ判定を行うのがよい。
【0064】図19は、図17や図18と同様、縦軸は
挿入力または引き抜き力(Kgf)を、横軸は時間
(秒)を示している。本めくれ判定方法においては、シ
ール10が軸14に接触して挿入動作が開始されたとき
の、位置1から一定時間(カウント時間A)経過後に、
所定時間(カウント時間A′)に亘って挿入力を測定す
る。また、引き抜き動作の開始位置3から一定時間(カ
ウント時間B)経過後に、所定時間(カウント時間
B′)に亘って引き抜き力を測定する。以後、同様にし
て、挿入動作の開始位置からの一定時間C,E,G経過
後にカウント時間C′,E′,G′に亘って挿入力を、
引き抜き動作の開始位置からの一定時間D,F経過後に
カウント時間D′,F′に亘って引き抜き力をそれぞれ
測定する。
【0065】そして、カウント時間A′に亘って複数回
測定した挿入力の平均値(平均挿入力A′)を計算す
る。同様にして、カウント時間B′,D′,F′に亘っ
て複数回測定した引き抜き力の平均値(平均引き抜き力
B′,D′,F′)と、カウント時間C′,E′,G′
に亘って複数回測定した挿入力の平均値(平均挿入力
C′,E′,G′)を計算する。
【0066】(1) 挿入力または引き抜き力単独で判定す
る場合 最後に引き抜く時の引き抜き力の平均値(平均引き抜き
力F′)の絶対値が所定値より大きい時、リップ10A
のめくれは直っていないと判定する。また、最後に挿入
する時の挿入力の平均値(平均挿入力G′)が所定値よ
り大きい時も、リップ10Aがめくれていると判定す
る。
【0067】(2) 挿入力や引く抜き力の比で判定する場
合 一度目の挿入時の挿入力の平均値(平均挿入力A′)と
最後に引き抜く時の引き抜き力の平均値(平均引き抜き
力F′)の絶対値の比を計算する。この絶対値の比が所
定値より小さい時、リップ10Aのめくれは直っていな
いと判定する。また、一度目の挿入時の挿入力の平均値
(平均挿入力A′)と最後に挿入する時の挿入力の平均
値(平均挿入力G′)の比も計算し、この比が所定値よ
り小さい時も、リップ10Aがめくれていると判定す
る。
【0068】なお、上記(1)及び(2)において、リップ1
0Aがめくれていると判定した場合、コンピュータ33
はロボットコントローラ34に対してリップ10Aがめ
くれていることを示す警告信号を出し、ロボット13の
動きを停止させ、警告音を発生させる。
【0069】(めくれ判定方法4)シール10に回転を
加えながらシール10を軸14に挿入する場合には、挿
入動作時に検出される挿入力に基づいてリップ10Aの
めくれ判定を行うことができる。
【0070】図20は、シール10を軸14へ挿入する
際に検出された挿入力の変動を示している。コンピュー
タ33は、シール10が軸14に接触する前つまりシー
ル10が位置(1)にある時、何個かの力を平均してお
く(平均力a:以下の挿入力は測定値から平均力aを減
算した値を示している)。また図において、(2)はシ
ール10が軸14に挿入される瞬間位置を、(3)はシ
ール10の回転挿入開始位置を、(4)は回転停止且つ
挿入完了位置をそれぞれ示している。(3)〜(4)が
シール10の回転挿入範囲である。
【0071】挿入力の検出は、勿論、(3)〜(4)の
回転挿入範囲で行うが、通常、挿入力の出力波形が安定
する範囲(5)で行う。そして、検出した挿入力bが所
定値よりも大きい時は、リップ10Aがめくれていると
判定する。この場合、検出した挿入力bのデータが一つ
だけでは、ノイズが入った場合に、判定を誤る恐れがあ
るので、上記範囲(5)内で挿入力を複数回検出すると
ともに、その平均値を求め、その平均値に基づいてリッ
プ10Aのめくれを判定するのが好ましい。
【0072】なお、図20ではシール10の方を回転さ
せたが、シール10は回転させずに軸14の方を回転さ
せてもよいし、またシール10と軸14の双方を回転さ
せてもよい。シール10と軸14の双方を回転させる場
合は、シール10と軸14を互いに逆回転させるのが望
ましい。
【0073】(めくれ判定方法5)シール10を軸14
へ挿入する場合、ワークにより挿入時間にばらつきが生
じる。そのため、図18または図19に示した、位置1
からのカウント時間Aにもばらつきが生じる場合があ
る。
【0074】そこで、本めくれ判定方法では、シール1
0をいったん軸14に挿入する第1動作時の挿入力を逐
次計測して、その計測結果から挿入力波形を求めてお
く。第1動作時の挿入力波形は、シール10が位置0か
ら位置1へ移動するときは、リップ10Aが軸14の先
端に接触するために、図18または図19に示すように
振幅が大きく振れて顕著な過渡的な波形を示す。そのま
ま挿入動作を続けてシール10が位置1から位置2へ移
動するときは、リップ10AがDカット部14Cと軸体
14Bとの段差部分(傾斜面14D)に接触するので、
このときも振幅が少し大きく振れて、やはり過渡的な波
形が観測される。このとき、リップ10Aの一部がめく
れる。更に挿入動作を続けてシール10が位置3に達す
ると、挿入動作から引き抜き動作に移行するので、挿入
力波形はプラスからマイナスに変化する。そして、位置
3に達したとき、リップ10Aはほぼ全周にわたってめ
くれている。
【0075】通常、挿入力波形は上述したような挙動を
示すので、その挿入力波形の過渡状態を観測することに
より、軸14とシール10の相対位置を推定することが
できる。そして、その推定した位置での挿入力を検出
し、その検出結果の値が所定値よりも大きければリップ
10Aはめくれていると判定することができる。このよ
うにすれば、ワーク毎の計測誤差が少なくなり、めくれ
判定を正確に行うことができる。
【0076】また、挿入力を判定する際に比較される所
定値は、実験によって得られたデータを基に決定されて
いる。しかし、実験時に得られたデータ範囲から外れる
ワークが発生する可能性があり、このような場合は判定
の保証ができなくなる。
【0077】そこで、本めくれ判定方法では、挿入力波
形から推定した位置での挿入力を、リップのめくれ判定
が可能かどうかの予備判定に使うようにする。このよう
にすれば、実験時に得られたデータ範囲から外れた挿入
力は判定から除外されるので、めくれ判定に精度を更に
向上させることができる。
【0078】本めくれ判定方法のフローチャートを図2
1に示す。図21において、ステップ100,101が
本めくれ判定方法による行程を、ステップ102,10
3は前述しためくれ判定方法1,2または3による行程
をそれぞれ示している。
【0079】ところで、シール10を軸14へ挿入する
際には、軸14の端部でもリップ10Aにめくれが生じ
やすい。これを防ぐには、図14に示すように、軸14
の端部にテーパ部14Eを形成しておき、このテーパ部
14Eの端面における直径d1を、シール10のリップ
10Aの内径d2(図16参照)よりも小さく形成して
おく。このように構成すれば、シール10を軸14へ挿
入する際に、リップ10Aがテーパ部14Eに当たって
も、リップ10Aがめくれてしまうのを防ぐことができ
る。
【0080】また、Dカット部14C付近(図16の位
置1から位置2)をシール10が移動しているとき、リ
ップ10Aにめくれが生じるのを防ぐには、Dカット部
14Cにおける軸14の直径方向の長さd3(このd3
を含む線分はDカット部14Cの平面部に垂直で、最小
直径となる)と、シール10のリップ10Aの内径d2
との関係を以下のように設定しておく必要がある。 d3≦d2
【0081】次に、リップ10Aがめくれてしまったと
きは、そのめくれを元に戻さなければならない訳である
が、以下、その戻し方法について説明する。
【0082】(Dカット部を利用する方法)軸14にD
カット部14Cが設けられている場合、図22に示すよ
うに、シール10をDカット部14Cの所に位置させる
と、軸体14BとDカット部14Cとの段差によりリッ
プ10Aのめくれが元に戻る。図面上では、リップ10
Aのめくれが戻った部分は10A′で、戻っていない部
分は10A″でそれぞれ示してある。
【0083】Dカット部14Cにおいては、上述したよ
うに直径方向の長さd3はリップ10Aの内径d2より
も小さく形成されている。Dカット部14Cが形成され
た軸14を図23に示す。図23において、(A)は軸
14の正面図、(B)はDカット部14CのB−B線に
沿った断面図である。
【0084】図22のようにシール10がDカット部1
4Cに位置している状態で、軸14を回転させると、D
カット部14Cの回転に伴ってリップ10Aのめくれの
戻りが進み、軸14をほぼ1回転させたところで全周の
めくれが戻る。めくれの戻りを確実にするために、軸1
4の回転量は1回転以上とすることが望ましい。また軸
14の回転運動は、シール10を軸14の軸線方向で移
動させないようにした状態でも、軸線方向に移動(挿
入、引き抜き)させながらでも、どちらでもよい。めく
れが戻った後に、シール10を軸体14Bの所定の位置
へ移動させる。これによって、軸14の全周にわたって
めくれのない状態でシール10を軸14に挿入すること
ができる。
【0085】めくれが戻ったシール10をDカット部1
4Cから軸体14Bへ移動させる時に、Dカット部14
Cと軸体14Bとの間に段差があると、この段差部にリ
ップ10Aが引っ掛かり再びめくれてしまう恐れがある
ので、この場合は、移動中に軸14を回転させることに
より、再びめくれるのを防ぐことができる。また、図1
4〜図16に示すように、軸体14BとDカット部14
Cとの間の段差部に傾斜面14Dを形成しておけば、シ
ール10をDカット部14Cから軸体14Bへ挿入する
際、リップ10Aが段差部に引っ掛かってめくれてしま
うのを防ぐことができる。
【0086】リップ10Aのめくれを戻すには、Dカッ
ト部14C以外に、軸14の一端部に図24〜図28の
ようなカット部を形成しておいてもよい。ここで、図2
4〜図28において、(A)はいずれも軸14の正面
図、(B)は図23と同じ位置における軸14の断面図
である。
【0087】図23に示したDカット部14Cではカッ
ト面が平面状をなしているが、図24ではカット面が円
筒状凸面を、図25ではカット面が円筒状凹面を、図2
6ではカット面が溝形状をそれぞれなしている。また、
図27では平面状のカット面が軸14の両側に形成さ
れ、図28では両側のカット面が円筒状凸面(断面形状
は楕円形)に形成されている。
【0088】図22〜図28ではDカット部14Cが軸
の一端側に設けられていたが、図29のように軸14の
途中にDカット部14C′を設け、このDカット部14
C′にシール10を位置させてから軸14を回転させる
ようにしても、シール10のめくれを戻すこともでき
る。なお、Dカット部14C′の部分を図24〜図28
の示したような形状としてもよい。
【0089】ここで、軸14のDカット部14C′の領
域をR1、軸14の円筒形状領域でリップ10Aの先端
側(シール10の挿入方向側)領域をR2、軸14の円
筒形状領域でリップ10Aの後端側(シール10の挿入
元側)領域をR3とする。シール10が領域R1部にあ
るときに軸14を回転させることで、シール10のめく
れを戻すことができる。次に、めくれが戻ったシール1
0を領域R2方向へ移動(さらなる挿入)させる際に
は、段差があるために図22の場合と同様、領域R1と
R2の境界でリップ10Aが再度めくれる恐れがある。
この場合も、移動中に軸14を回転させることで、再度
のめくれの防止が可能である。
【0090】図22及び図29では、シール10がDカ
ット部14Cまたは14C′にある時に、軸14だけを
回転させるようにしていたが、軸14は回転させずにシ
ール10だけを回転させるようにしてもよく、また軸1
4とシール10の双方を回転させるようにしてもよい。
【0091】軸14だけを回転させるには前述した図1
又は図2のシール挿入装置を、シール10だけを回転さ
せるには前述した図3のシール挿入装置を、軸14とシ
ール10の双方を回転させる場合は前述した図4のシー
ル挿入装置をそれぞれ用いるようにする。なお、軸14
とシール10の双方を回転させる場合は、回転方向は軸
14とシール10では逆方向とすることが望ましい。
【0092】(円周溝を利用する方法)図30は、軸1
4の外面に設けた円周溝14Fを利用して、シール10
のめくれを戻す方法を示している。円周溝14Fは溝幅
w1がリップ10Aのリップ突出高さw2よりも大き
く、また円周溝14Fの底面部分の外径d4はリップ1
0Aの内径d2よりも小さくなっている。
【0093】このように円周溝14Fを設けた場合は、
シール10を円周溝14Fに位置させれば、リップ10
Aのめくれは円周溝14Fの所で元に戻る。そして、円
周溝14Fに位置させただけで戻らなかった場合は、軸
14とシール10を相対的に回転させ、めくれを更に確
実に戻すようにする。
【0094】なお、円周溝14Fの部分では、軸14の
断面形状(中心軸に垂直な面の形状)は円形であった
が、リップ10Aのめくれが戻るだけの深さが円周溝1
4Fにあれば、前記断面形状は他の形状でもよい、例え
ば楕円形でもよい。
【0095】(治具部材を利用する方法)図31は、軸
14にDカット部や円周溝が設けられていない場合、軸
14の端面に接続した治具部材60を用いてシール10
のめくれを戻すようにしたものである。治具部材60に
はその一端側にDカット部60Aが設けられ、この治具
部材60を軸14に中心軸を合わせて結合し、リップ1
0Aにめくれが生じたときは、シール10をDカット部
60Aに位置させて、治具部材60とシール10を相対
的に回転させることにより、リップ10Aのめくれを戻
すようにする。ここで、治具部材60またはシール10
が1回転以上の回転量となるように回転させるのが好ま
しい。
【0096】治具部材60は、図32に示すように、D
カット部60Aにおける直径方向の長さd5がリップ1
0Aの内径d2よりも小さく形成されている。
【0097】治具部材60と軸14とを結合する方法と
しては、図33(A)〜(D)に示すような方法があ
る。図33(A)では治具部材60の端面に角軸60B
が設けられ、この角軸60Bが軸14の端面に形成され
た角穴14Gに嵌合されて、治具部材60と軸14とが
結合される。また図33(B)では治具部材60の端面
に丸軸60Cが設けられ、この丸軸60Cが軸14の端
面に形成された丸穴14Hに嵌合されて、治具部材60
と軸14とが結合される。
【0098】図33(A)の場合は、角軸60B及び角
穴14Gという角形状同士の嵌合であるから、軸14を
回転させれば、その回転力を治具部材60に確実に伝え
ることができるが、図33(B)では丸軸60C及び丸
穴14Hという丸形状同士の嵌合であるので、丸軸60
Cと丸穴14Hとの間に滑りが生じ易く、軸14の回転
力を治具部材60に十分に伝えることができない恐れが
ある。このような場合、例えば軸14が鉄等の磁性体で
構成されていれば、図33(C)に示すように、治具部
材60の端部にマグネット60Dを取り付けておくこと
により、軸14と治具部材60との間に生じる滑りを抑
えることができる。また、図33(D)のように、治具
部材60の端部にマグネット60Dを取り付けてただけ
でもよい。この方法は、軸14や治具部材60の端面を
加工することができない場合に好都合である。
【0099】なお、治具部材60が鉄等の磁性体で構成
されていれば、軸14の端部にマグネットを取り付けて
おくこともできる。また、軸14及び治具部材60の端
部のそれぞれマグネットを取り付けておいてもよい。
【0100】治具部材60の一端側には、Dカット部1
4Cの代わりに図34〜図38に示すような形状のカッ
ト部を設けておくことも可能である。ここで、図34〜
図38において、(A)はいずれも治具部材60の正面
図、(B)はカット部における治具部材60の断面図で
ある。Dカット部14Cではカット面が平面状をなして
いるが、図34ではカット面が円筒状凸面を、図35で
はカット面が円筒状凹面を、図36ではカット面が溝形
状をそれぞれなしている。また、図37では平面状のカ
ット面が治具部材60の両側に形成され、図38では両
側のカット面が円筒状凸面(断面形状は楕円形)に形成
されている。
【0101】なお、Dカット部60Aや図34〜図38
におけるカット部は、治具部材60の長手方向中間部に
設けることもできる。
【0102】めくれが戻ったシール10を治具部材60
から軸14側へ移動させる時に、治具部材60の円形部
分(軸14側に近い部分)とカット部(Dカット部60
A等)との間に段差があると、この段差部にリップ10
Aが引っ掛かり再びめくれてしまう恐れがあるので、こ
の場合は、シール10の移動中に治具部材60とシール
を相対的に回転させることにより、再びめくれるのを防
ぐことができる。また、図39に示すように、治具部材
60の円形部分60Eとカット部60Fとの間の段差部
に傾斜面60Gを形成しておけば、リップ10Aが段差
部に引っ掛かってめくれてしまうのを防ぐことができ
る。
【0103】また、図40に示すような治具部材61を
用いてもシール10のめくれを戻すことができる。治具
部材61にはその先端面に小径部61Aが設けられ、こ
の小径部61Aを軸14の端面に接続すれば、図30の
場合と同様な円周溝が形成されたことになり、この円周
溝の部分でシール10のめくれを戻すことが可能とな
る。
【0104】ここで、小径部61Aの突出量w3はリッ
プ10Aのリップ高さw2よりも大きく、さらに小径部
61Aの外径d6はリップ10Aの内径d2よりも小さ
くなっている。また、小径部61Aは治具部材61の先
端部だけでなく、長手方向中間部に設けることもでき
る。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または請
求項6の発明によれば、挿入力波形に基づいて挿入力検
出の位置を推定し、その推定位置での挿入力を検出する
ようにしているので、ワーク毎の計測誤差が少なくな
り、リップめくれの判定を正確に行うことができる。
【0106】請求項2または請求項7の発明によれば、
各サイズのシールや軸に対する挿入力の所定値を予め設
定しておくことにより、リップのめくれ判定を容易に行
うことができる。
【0107】請求項3または請求項8の発明によれば、
実験時に得られたデータ範囲から外れた挿入力は判定か
ら除外されるので、めくれ判定の精度を高めることがで
きる。
【0108】請求項4の発明によれば、挿入力や引き抜
き力を計測する計測器の零点補正が行われ、計測器間の
ノイズによる誤判断を減らすことができる。
【0109】請求項5または請求項9の発明によれば、
多数のシールや軸に対して測定条件が同一となり、シー
ルが軸にセットされた時の挿入力と、セットされる位置
に動いている時の挿入力とを比較することができ、めく
れ判定の精度を更に高めることができる。
【0110】請求項10の発明によれば、シールのめく
れを第2動作時に直すことができる。
【0111】請求項11の発明によれば、第1動作時に
はシールにめくれを生じさせ、そのめくれを第2動作時
に直すことができる。
【0112】請求項12の発明によれば、リップがめく
れていた場合、そのめくれを速やかに戻すことができ、
組み立て作業時間の短縮を図ることが可能となる。
【0113】請求項13の発明によれば、軸とシールを
相対的に回転させるだけでリップのめくれを戻すことが
できるので、めくれ戻しの作業を容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸を回転させながらシールを軸へ挿入するシー
ル挿入装置の概略斜視図である。
【図2】回転力付与機構の他の例を示した図である。
【図3】シールを回転させながらシールを軸へ挿入する
シール挿入装置の概略斜視図である。
【図4】シールと軸の双方を回転させながらシールを軸
へ挿入するシール挿入装置の概略斜視図である。
【図5】シールを挿入するためのロボットの平面図であ
る。
【図6】図5の側面図である。
【図7】チャックハンドの平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】他の例によるチャックハンドの平面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】更に他の例によるチャックハンドの平面図で
ある。
【図12】図11の側面図である。
【図13】シールが挿入される軸の拡大斜視図である。
【図14】軸に正常に挿入されたシールの断面図であ
る。
【図15】軸に正常に挿入されなかったシールの断面図
である。
【図16】シール挿入の動作例を示した概念図である。
【図17】リップのめくれ判定方法1を説明するための
図である。
【図18】リップのめくれ判定方法2を説明するための
図である。
【図19】リップのめくれ判定方法3を説明するための
図である。
【図20】リップのめくれ判定方法4を説明するための
図である。
【図21】リップのめくれ判定方法5を説明するための
図である。
【図22】軸の先端部に設けられたDカット部を利用し
てリップのめくれを戻す方法を説明した図である。
【図23】(A)はDカット部を有する軸の正面図、
(B)は(A)のB−B線に沿った断面図である。
【図24】(A)は円筒状凸面のカット面が形成された
軸の正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図25】(A)は円筒状凹面のカット面が形成された
軸の正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図26】(A)は溝形状のカット面が形成された軸の
正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図27】(A)は両側に平面状のカット面が形成され
た軸の正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図28】(A)は両側に円筒状凸面のカット面が形成
された軸の正面図、(B)は(A)の要部断面図であ
る。
【図29】軸の長手方向中間部に設けられたDカット部
を利用してリップのめくれを戻す方法を説明した図であ
る。
【図30】軸の外面に設けられた円周溝を利用してリッ
プのめくれを戻す方法を説明した図である。
【図31】Dカット部が設けられた治具部材を利用して
リップのめくれを戻す方法を説明した図である。
【図32】治具部材のDカット部とリップの内径との関
係を示した図である。
【図33】治具部材を軸に結合させる方法を示してお
り、(A)は角軸と角穴による方法を、(B)は丸軸と
丸穴による方法を、(C)は丸軸と丸穴に加えてマグネ
ットによる方法を、(D)はマグネットのみによる方法
を示した斜視図である。
【図34】(A)は円筒状凸面のカット面が形成された
治具部材の正面図、(B)は(A)の要部断面図であ
る。
【図35】(A)は円筒状凹面のカット面が形成された
治具部材の正面図、(B)は(A)の要部断面図であ
る。
【図36】(A)は溝形状のカット面が形成された治具
部材の正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図37】(A)は両側に平面状のカット面が形成され
た治具部材の正面図、(B)は(A)の要部断面図であ
る。
【図38】(A)は両側に円筒状凸面のカット面が形成
された治具部材の正面図、(B)は(A)の要部断面図
である。
【図39】段差部分に傾斜面が形成された治具部材の正
面図である。
【図40】円周溝を形成する治具部材を利用してリップ
のめくれを戻す方法を説明した図である。
【符号の説明】
10 シール 10A リップ 11 保持部材 12,12′,12″ チャックハンド 13 ロボット 14 軸 14A 太径部 14B 軸体 14C,14C′ Dカット部 14D 傾斜面 14E テーパ部 14F 円周溝 31 ロードセル 34 ロボットコントローラ 35 ベース 36 ブラケット 37 スライド部 38 移動ベース 39 チャック 40 シール有無検知センサー 41 ジャム検知用ドグ 42 ジャム検知用センサー 44,47 コイルスプリング 48 エアシリンダー 49 シャフト 50 センサー 60,61 治具部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リップを有するシールをいったん軸に挿
    入する第1動作を行って、次に、前記第1動作を行った
    状態から前記シールが前記軸から抜けない位置まで当該
    シールを引き抜く第2動作と、該第2動作を行った状態
    から前記シールを前記軸に再び挿入する第3動作を1回
    ずつまたは複数回ずつ行って、前記シールを前記軸へ挿
    入する際に、前記第1動作時の挿入力を逐次計測して挿
    入力波形を求め、その求めた挿入力波形の特徴から、前
    記軸と前記シールの相対位置を推定するとともに、推定
    した位置での挿入力を検出し、その検出結果に基づいて
    前記リップのめくれを判定することを特徴とするシール
    のリップめくれ判定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシールのリップめくれ
    判定方法において、前記検出結果の値が所定値よりも大
    きいとき、前記リップはめくれていると判定することを
    特徴とするシールのリップめくれ判定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のシールのリップめくれ
    判定方法において、前記推定した位置での挿入力を、前
    記リップのめくれ判定が可能かどうかの予備判定に使う
    ことを特徴とするシールのリップめくれ判定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のシールのリップめくれ
    判定方法において、前記シールを前記軸へ挿入するため
    のシール挿入手段がシール挿入を行っていない無負荷時
    に、当該シール挿入手段に掛かる力を計測しておき、前
    記第1動作時の挿入力を検出する際には、挿入力から前
    記力を減算しておくことを特徴とするシールのリップめ
    くれ判定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のシールのリップめくれ
    判定方法において、前記挿入力の検出を、前記軸の、前
    記シールがセットされる部位と同形状の部位で行うこと
    を特徴とするシールのリップめくれ判定方法。
  6. 【請求項6】 リップを有するシールをいったん軸に挿
    入する第1動作を行って、次に、前記第1動作を行った
    状態から前記シールが前記軸から抜けない位置まで当該
    シールを引き抜く第2動作と、該第2動作を行った状態
    から前記シールを前記軸に再び挿入する第3動作を1回
    ずつまたは複数回ずつ行って、前記シールを前記軸へ挿
    入するシール挿入装置において、前記第1動作時の挿入
    力を逐次計測して挿入力波形を求める手段と、その求め
    た挿入力波形の特徴から、前記軸と前記シールの相対位
    置を推定するとともに、推定した位置での挿入力を検出
    する検出手段と、その検出結果に基づいて前記リップの
    めくれを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とす
    るシール挿入装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のシール挿入装置におい
    て、前記判定手段は、前記検出結果の値が所定値よりも
    大きいとき、前記リップはめくれていると判定すること
    を特徴とするシール挿入装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のシール挿入装置におい
    て、前記判定手段は、前記推定した位置での挿入力を、
    前記リップのめくれ判定が可能かどうかの予備判定に使
    うことを特徴とするシール挿入装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のシール挿入装置におい
    て、前記検出手段は、前記軸の、前記シールがセットさ
    れる部位と同形状の部位で前記挿入力を検出することを
    特徴とするシール挿入装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のシール挿入装置にお
    いて、前記第2動作時の前記シールの引き抜き速度は、
    前記第3動作時の前記シールの挿入速度よりも遅く設定
    されていることを特徴とするシール挿入装置。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載のシール挿入装置にお
    いて、前記第3動作時の前記シールの挿入速度は、前記
    第1動作時の前記シールの挿入速度よりも速く設定され
    ていることを特徴とするシール挿入装置。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載のシール挿入装置にお
    いて、前記リップがめくれていると判定されたとき、前
    記軸と前記シールを相対的に回転させて前記リップのめ
    くれを戻すめくれ戻し手段が付加されていることを特徴
    とするシール挿入装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のシール挿入装置に
    おいて、前記めくれ戻し手段は、前記軸に設けられたD
    カット部に前記シールが位置しているときに、前記軸と
    前記シールを相対的に回転させることを特徴とするシー
    ル挿入装置。
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JP2014531112A (ja) * 2011-09-29 2014-11-20 シュロニガーホールディング アーゲー ケーブルにケーブルスリーブを取り付ける方法、およびケーブル加工機用のシールまたは同等物のケーブル組立部品の移送装置
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