JPH11170033A - スライディングノズルのシール方法 - Google Patents

スライディングノズルのシール方法

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JPH11170033A
JPH11170033A JP36274497A JP36274497A JPH11170033A JP H11170033 A JPH11170033 A JP H11170033A JP 36274497 A JP36274497 A JP 36274497A JP 36274497 A JP36274497 A JP 36274497A JP H11170033 A JPH11170033 A JP H11170033A
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JP
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sliding
plate
ring
sliding plate
fixed plate
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JP36274497A
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Takayuki Kaneyasu
孝幸 兼安
Hiroyuki Ishimatsu
宏之 石松
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライディングノズルのプレートとリング状
シール部材の密着性を高めてシール性を向上すると共
に、プレート耐火物の損傷を防止し、長時間にわたるシ
ール性を維持できるスライディングノズルのシール方法
を提供する。 【解決手段】 固定プレート12と摺動プレート13の
接する面側のいずれか一方に、注湯孔12a、を囲むシ
ール溝20と、シール溝20内に金属の中空体からなる
リング状シール部材21を装着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼をスライディ
ングノズルを用いて、タンディッシュ又は鋳型等に注湯
する際に、シール性を向上させ、外気の侵入による溶鋼
の酸化を抑制し、鋼の品質を向上できるスライディング
ノズルのシール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼を取鍋からタンディッシュ又はタン
ディッシュから鋳型等へ注湯する際は、取鍋あるいはタ
ンディッシュの底部に設けたスライディングノズルを摺
動して行う。この注湯に用いるスライディングノズルに
おいて、図5に示すように、スライディングノズル装置
40は、鉄皮43に耐火物41を内張りしたタンディッ
シュ42の底部に金枠44を介して取付けてあり、この
金枠44によって、タンディッシュ42のノズル45と
同じ孔径を有する固定プレート46、固定プレート47
及び摺動プレート48が固定保持されており、この固定
プレート46、47の間を、摺動プレート48が進退装
置に連結したロッド49により摺動するように構成され
ている。また、固定プレート47の下部には、浸漬ノズ
ル50が装着されおり、摺動プレート48の摺動により
溶鋼51を鋳型等に注湯する。しかし、この摺動プレー
ト48を摺動して、溶鋼51を注湯する際に、摺動プレ
ート48により絞られた上部あるいは下部の縮径部52
の近傍で、溶鋼の流れ(図中矢印)に伴う負圧領域が発
生する。この縮径部52の近傍で発生する負圧領域は、
以下の問題がある。 摺動プレート48と固定プレート46の隙間から外気
を浸漬ノズル50内に吸引して、空気中の酸素が溶鋼5
1を酸化することにより、介在物や吸引された空気の気
泡に起因するピンホール欠陥等が発生して、溶鋼51の
品質を低下させる。特に、摺動プレート48の摺動に
よる縮径部52が形成されている場合は、溶鋼51の静
圧の作用が無くなるために、摺動プレート48と固定プ
レート47の隙間からの外気の吸引が大きく、上記の傾
向が極めて顕著に発生し、溶鋼51の品質を低下する。
【0003】この対策の代表的な方法としては、実開昭
55−92472号公報に、スライディングノズル固定
プレートの下面又は摺動プレートの上面にノズル孔を取
り囲む細溝を形成し、この溝内に炭素製条体を充填した
スライディングノズルが提案されており、固定プレート
と摺動プレートの隙間を溝内の炭素製条体によりシール
して、外気の内部への吸引を防止する。また、特開平7
−164133号公報には、スライディングノズルのプ
レート耐火物よりも熱膨張係数の大きい黒鉛、グラファ
イト等のシール材をノズル孔を囲む溝内に充填して、プ
レートの摺動性の確保とシール性を向上させて外気の内
部への吸引を防止するスライディングノズルが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
溝内に炭素製条体を充填したスライディングノズルで
は、固定プレート及び摺動プレートと炭素製条体の熱膨
張率が大きく違わないために、熱歪みによって発生する
固定プレートと摺動プレートの隙間に炭素製条体を追随
させた密着が不可能となる。更に、炭素製条体を厚くし
て固定盤の押し付け力を高めて圧着シールした場合は、
炭素製条体の弾性が低いために、炭素製条体やプレート
を構成する耐火物等に亀裂が発生してシール性が維持で
きない。また、プレート耐火物よりも熱膨張係数の大き
い黒鉛、グラファイト等のシール材(リング状)をノズ
ル孔を囲む溝内に充填するスライディングノズルでは、
いずれの素材を用いた場合であっても、中実のリング状
のシール材を用いる限り、高温での耐熱性及びプレート
耐火物面とシール材の密着性を長時間にわたって維持で
きる強度と弾性を兼ね備えた材料が見当たらない。更
に、シール性を高めるために、シール材の熱膨張係数を
大きくするとプレート耐火物の摺動時の抵抗が大きくな
り、プレート耐火物に亀裂が発生してシール性が低下
し、プレート耐火物の寿命や鋼の品質を低下する等の問
題がある。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、スライディングノズルのプレートとリング状シール
部材によるシール性の向上を図ると共に、プレート耐火
物の損傷を防止し、長時間にわたるシール性を維持でき
るスライディングノズルのシール方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のスライディングノズルのシール方法は、固定プレ
ートと摺動プレートの接する面側のいずれか一方に、注
湯孔を囲むシール溝と、該シール溝内に金属の中空体か
らなるリング状シール部材を装着している。
【0007】請求項2記載のスライディングノズルのシ
ール方法は、請求項1記載のスライディングノズルのシ
ール方法において、前記リング状シール部材は、該リン
グ状シール部材の周方向に対して直角の断面が非連続の
形状である。
【0008】請求項3記載のスライディングノズルのシ
ール方法は、請求項1又は2記載のスライディングノズ
ルのシール方法において、前記固定プレート又は摺動プ
レートの前記リング状シール部材と接触する部位に潤滑
性の高い耐熱材を埋設している。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明の実施の形態に係るスライディングノズルの
シール方法について説明し、本発明の理解に供する。図
1は本発明の第1の実施の形態に係るスライディングノ
ズルのシール方法に適用するスライディングノズル装置
の断面図、図2は同スライディングノズル装置の固定プ
レートのシール溝にオーリングを装着した図、図3は本
発明の第2の実施の形態に係るスライディングノズルの
シール方法に適用するスライディングノズル装置の断面
図、図4は本発明の第3の実施の形態に係るスライディ
ングノズルのシール方法に適用するスライディングノズ
ル装置の断面図である。まず、本発明の第1の実施の形
態に係るスライディングノズルのシール方法に適用する
スライディングノズル装置について説明する。図1に示
すように、スライディングノズル装置Aは、固定プレー
ト12と摺動プレート13を金枠11により保持し、耐
火物16を内張りしたタンディッシュ15の鉄皮17
に、ボルト・ナット(図示せず)等の締結手段によって
固定している。この固定プレート12及び摺動プレート
13の材質は、高アルミナ質、アルミナ−カーボン質、
マグネシア質、ジルコニア質等のプレート耐火物を用い
ている。摺動プレート13には、油圧シリンダー(図示
せず)に連結したシリンダーロッド14を備えており、
シリンダーロッド14の作動により摺動プレート13が
摺動するようにしている。また、固定プレート12と摺
動プレート13には、タンディッシュ15の底部に設け
たノズル18と同じ直径の注湯孔12a、13aが設け
られており、摺動プレート13には、注湯孔13aの外
側に嵌合した浸漬ノズル19が取付けてある。更に、固
定プレート12には、注湯孔12aを囲むシール溝20
を設け、このシール溝20内にリング状シール部材の一
例である断面がO型のオーリング21が装着してある。
このシール溝20は、図2のように、固定プレート12
の注湯孔12aを中心に幅3〜10mm、深さ2〜8m
mの楕円形状をしており、シール溝20に装着する金属
の中空体からなるオーリング21は、若干シール溝20
より大きいものを用いて、固定プレート12と摺動プレ
ート13により押圧されており、この押圧により断面O
型のオーリング21にバネ力が発生するようにしてあ
る。
【0010】次に、本発明の第1の実施の形態に係るス
ライディングノズル装置Aを適用したスライディングノ
ズルのシール方法について説明する。取鍋(図示せず)
からタンディッシュ15に、溶鋼22を注湯して所定量
を貯湯した。この後、スライディングノズル装置Aの油
圧シリンダー(図示せず)の作動によりシリンダーロッ
ド14を操作して、摺動プレート13の注湯孔13aの
開度が10〜30%になるように摺動した。この摺動プ
レート13を摺動することにより、溶鋼22が図1の矢
印に示すように、固定プレート12の注湯孔12aから
縮径部(注湯孔12aと注湯孔13aで形成される開口
部)を流下して浸漬ノズル19から鋳型(図示せず)に
注湯される。この際に、縮径部から注湯孔13aに広が
る領域で負圧が発生する。一方、固定プレート12と摺
動プレート13は、溶鋼22の流下する部位と外周との
温度差(約1000℃)及び浸漬ノズル19の余熱等に
より、耐火物の厚み方向の熱膨張差によって、膨張や収
縮が発生し、変形が徐々に拡大して、0.2〜0.8m
mの隙間が発生する。この際に、シール溝20に装着さ
れたオーリング21はバネ力により、固定プレート12
と摺動プレート13の面にオーリング21を押し付け
て、発生した隙間を遮断する。この結果、固定プレート
12と摺動プレート13の隙間は、外気から遮断され
る。この遮断によって、注湯孔12a及び注湯孔13a
内への外気の侵入が防止でき、溶鋼22の酸化を抑制し
て、鋼の品質の向上が図れる。
【0011】次に、本発明の第2の実施の形態に係るス
ライディングノズルのシール方法に適用するスライディ
ングノズル装置について説明する。図3に示すように、
スライディングノズル装置Bが、本発明の第1の実施の
形態に係るスライディングノズル装置Aと異なる点は、
三枚のプレート及びリング状シール部材の一例であるE
型シールリング(以下、オーリングと言う)を用いたこ
とであり、スライディングノズル装置Aと同じ構成部分
には同一の符号を付してある。まず、スライディングノ
ズル装置Bは、固定プレート12、固定プレート23及
び摺動プレート24を金枠11により保持し、耐火物1
6を内張りしたタンディッシュ15の鉄皮17に、ボル
ト・ナット(図示せず)等の締結手段によって固定して
いる。この材質は、いずれもスライディングノズル装置
Aと同一の高アルミナ質、アルミナ−カーボン質、マグ
ネシア質、ジルコニア質等のプレート耐火物を用いてい
る。摺動プレート24には、油圧シリンダー(図示せ
ず)に連結したシリンダーロッド14を備えており、シ
リンダーロッド14の作動により摺動プレート24が摺
動するようにしている。また、固定プレート12、固定
プレート23及び摺動プレート24には、タンディッシ
ュ15の底部に設けたノズル18と同じ直径の注湯孔1
2a、23a、24aが設けてあり、固定プレート23
には、注湯孔23aの外側に嵌合した浸漬ノズル19が
取付けてある。更に、固定プレート23には、注湯孔2
3aを囲むシール溝25を設け、このシール溝25内に
金属製の断面が非連続のE型のオーリング26を装着し
ている。このシール溝25は、前述した図2と同じ条件
で、シール溝25に装着するオーリング26をE型と
し、若干シール溝25より大きいものを用いて、摺動プ
レート24と固定プレート23により押圧した状態にし
ており、バネ力が発生するようにしている。
【0012】次に、本発明の第2の実施の形態に係るス
ライディングノズル装置Bを適用したスライディングノ
ズルのシール方法について説明する。取鍋(図示せず)
からタンディッシュ15に、溶鋼22を注湯して所定量
を貯湯した。この後、スライディングノズル装置Bの油
圧シリンダー(図示せず)の作動により、シリンダーロ
ッド14を操作して、摺動プレート24の注湯孔24a
の開度を10〜30%となるように摺動した。この摺動
プレート13を摺動することにより、溶鋼22が図3の
矢印に示すように、固定プレート12の注湯孔12aか
ら縮径部(注湯孔12aと注湯孔24aで形成される開
口部)を流下して、浸漬ノズル19から鋳型(図示せ
ず)に注湯される。この際に、縮径部から注湯孔23a
に広がる領域で負圧が発生する。一方、摺動プレート2
4と固定プレート23は、溶鋼22の流下する部位と外
周との温度差(約1000℃)及び浸漬ノズル19の余
熱等により、耐火物の厚み方向の熱膨張差よって膨張や
収縮が発生し、変形が徐々に拡大して、0.2〜0.8
mmの隙間が発生する。この隙間は、シール溝25に装
着され、摺動プレート24と固定プレート23の面を押
圧するオーリング26のバネ力により、密着シールさ
れ、外気を遮断する。この遮断によって、注湯孔12a
及び注湯孔23a内への外気の侵入が防止でき、溶鋼2
2の酸化を抑制して、鋼の品質の向上が図れる。
【0013】次に、本発明の第3の実施の形態に係るス
ライディングノズルのシール方法に適用するスライディ
ングノズル装置について説明する。図4に示すように、
スライディングノズル装置Cが、本発明の第2の実施の
形態に係るスライディングノズル装置Bと異なる点は、
摺動プレートのE型オーリングと接触する部位に潤滑性
の高い耐熱材を配置した点であり、スライディングノズ
ル装置Bと同じ構成部分には同一の符号を付してある。
まず、スライディングノズル装置Cは、固定プレート1
2、固定プレート23及び摺動プレート27を金枠11
により保持し、鉄皮17に耐火物16を内張りしたタン
ディッシュ15の底部に、ボルト・ナット(図示せず)
等の締結手段によって固定している。この材質は、いず
れもスライディングノズル装置Aと同一の高アルミナ
質、アルミナ−カーボン質、マグネシア質、ジルコニア
質等のプレート耐火物を用いている。摺動プレート27
には、油圧シリンダー(図示せず)に連結したシリンダ
ーロッド14を備えており、シリンダーロッド14の作
動により摺動プレート27が摺動するようにしている。
また、固定プレート12、固定プレート23及び摺動プ
レート27には、タンディッシュ15の底部に設けたノ
ズル18と同じ直径の注湯孔12a、23a、27aが
設けてあり、固定プレート23には、注湯孔23aの外
側に嵌合した浸漬ノズル19が取付けてある。更に、固
定プレート23には、注湯孔23aを囲むシール溝28
を設け、このシール溝28内に断面が非連続のE型のオ
ーリング29を装着している。このシール溝28は、前
述した図2と同じ条件で、シール溝28に装着するオー
リング29をE型とし、若干シール溝28より大きいも
のを用いて、摺動プレート27と固定プレート23によ
り押圧された状態にしており、バネ力が発生するように
している。また、摺動プレート27が摺動する際に、固
定プレート23のシール溝28に装着したE型のオーリ
ング29と接触する部分に潤滑性の高い耐熱材30を埋
設した。この潤滑性の高い耐熱材30としては、動摩擦
係数が0.95以下となる材料で、例えば、カーボン、
雲母、BN、アルミナグラファイト系耐火物、MgO−
C系耐火物、タール含浸耐火物等を用いることができ
る。更に、耐熱材30は、摺動プレート27に厚みを1
〜10mmとし、オーリング29の摺動する範囲で埋設
した。
【0014】次に、本発明の第3の実施の形態に係るス
ライディングノズル装置Cを適用したスライディングノ
ズルのシール方法について説明する。スライディングノ
ズル装置Cの油圧シリンダー(図示せず)により、シリ
ンダーロッド14を操作して、摺動プレート27の注湯
孔27aの開度を10〜30%になるように摺動した。
この摺動プレート27を摺動することにより、溶鋼22
が図4の矢印に示すように、固定プレート12の注湯孔
12aから縮径部(注湯孔12aと注湯孔27aで形成
される開口部)を流下して浸漬ノズル19から鋳型(図
示せず)に注湯される。この際に、縮径部から注湯孔2
3aに広がる領域で負圧が発生する。一方、摺動プレー
ト27と固定プレート23は 前述の本発明の第2の実
施の形態のスライディングノズルのシール方法と同様
に、摺動プレート27と固定プレート23間に0.2〜
0.8mmの隙間が発生する。この隙間は、シール溝2
8に装着され、摺動プレート27と固定プレート23の
合わせ面を押圧して、オーリング29のバネ力により、
密着シールされ、外気を遮断する。この遮断によって、
注湯孔12a及び注湯孔23a内への外気の侵入が防止
でき、溶鋼22の酸化を抑制して、鋼の品質の向上が図
れる。更に、オーリング29と接触する部分に潤滑性の
高い耐熱材30を埋設してあるので、摺動プレート27
の摺動時に発生するオーリング29との摩擦抵抗を低く
でき、局部に生じる過大な応力を緩和して、摺動面の亀
裂発生を防止できる。この潤滑性の高い耐熱材30は、
動摩擦係数が0.95以下となる材料を用いるとより好
ましい。この動摩擦係数が0.95を超えると摺動プレ
ート27が摺動する際に、摩擦抵抗が大きくなり、局部
的に過大な応力が発生して、摺動面側に亀裂が生じ、摺
動プレート27の寿命の低下及び摺動面側の亀裂から外
気の侵入が発生する。従って、オーリング29と接触す
る部分に、動摩擦係数が0.95以下の潤滑性の高い耐
熱材30を埋設することで、摺動プレート27の亀裂を
防止し、気密性を長時間にわたって実現できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の第1の実施の形態に係るスラ
イディングノズルのシール方法の確認試験結果について
説明する。固定プレート12、摺動プレート13の合わ
せ面の面積は各々620cm2 、各面荷重を300kg
fとし、材質は、アルミナ−カーボン質耐火物で、孔径
をそれぞれ50mmとした。この固定プレート12に
は、幅6mm、深さ3mm、最大直径200mmのシー
ル溝20を設け、このシール溝20内にインコネル製の
中空のオーリングを装着した。また、固定プレート12
及び摺動プレート13の注湯孔12a、13a部の温度
は1400℃、オーリングの近傍は450〜550℃と
し、溶鋼22が流下する空間の負圧を0.5atmの条
件で試験を行った。上記の試験の具体的な測定は、周囲
を密閉し、溶鋼22が流下する空間を真空ポンプで連続
吸引し、負圧を0.5atmに維持した時の吸引空気量
を測定して、リークガス流量(リットル/分)を求め
た。更に、摺動プレート13の摺動する際の動摩擦係数
は、摺動プレート13のシリンダーロッド14に荷重セ
ンサーを取付けて、シリンダーロッド14の作動により
摺動プレート13が動き始める時の荷重(摺動摩擦力k
gf)を測定して、プレートの摺動摩擦力kgf/プレ
ートの面荷重kgfにより求めた。その結果は、表1に
示すように、インコネル製の中空のオーリングを装着し
た場合(実施例1)は、リークガス流量が0.22リッ
トル/分に低減でき、摺動プレート13の耐火物の動摩
擦係数が0.93となった。このオーリングにより摺動
プレート13の耐火物の摺動抵抗が若干増加したため
に、摺動プレート13の若干の負荷となったが、リーク
ガス流量及び鋼の品質から見た総合評価は良好(○)で
あった。
【0016】次に、本発明の第2の実施の形態に係るス
ライディングノズルのシール方法の確認試験結果につい
て説明する。前述の実施例1の条件の内、インコネル製
の中空のオーリングに代えて、インコネル製のE型のオ
ーリングを用いた場合について、実施例1と同様の手順
により確認試験を行った(実施例2)。その結果、リー
クガス流量が0.19リットル/分に低減でき、摺動プ
レート24の耐火物の動摩擦係数が0.95となった。
実施例1と同様に、オーリングにより摺動プレート24
の耐火物の摺動抵抗が若干増加したために、摺動プレー
ト24の若干の負荷となったが、リークガス流量及び鋼
の品質から見た総合評価は良好(○)であった。
【0017】次に、本発明の第3の実施の形態に係るス
ライディングノズルのシール方法の確認試験結果につい
て説明する。固定プレート12、固定プレート23、摺
動プレート27の合わせ面の面積は各々620cm2
各面荷重を300kgfとし、材質は、アルミナ−カー
ボン質耐火物で、孔径をそれぞれ50mmとした。この
固定プレート23には、幅6mm、深さ3mm、最大径
200mmのシール溝28を設けた。このシール溝28
内にインコネル製のE型のオーリングを装着し、摺動プ
レート27のオーリングと接触する部分にはグラファイ
トを埋設した。また、温度及び内部の負圧は、実施例
1、2と同じ条件で確認を行った(実施例3)。その結
果、リークガス流量が0.13リットル/分に低減で
き、摺動プレート27の耐火物の動摩擦係数も0.7に
できた。この摺動プレート27の耐火物の摺動抵抗を大
幅に低減したことから、摺動プレート27の局部的な過
大応力を抑制し、亀裂発生の防止により寿命の延長と長
時間のシール性が維持でき、リークガス流量、耐火物コ
スト及び鋼の品質から見た総合評価は良好(◎)であっ
た。また、前述の摺動プレート27のオーリングの接触
する部分に、グラファイトに代えて、BN(窒化ボロ
ン)、雲母、AG(アルミナグラファイト)をそれぞれ
適用した場合について、実施例3と同様の手順で行った
(実施例4〜実施例6)。その結果、リークガス流量は
0.12〜0.14リットル/分に低減でき、摺動プレ
ート27の耐火物の動摩擦係数も0.73〜0.77に
維持でき、摺動プレート27の局部的な過大応力を抑制
し、亀裂発生を防止により寿命の延長と長時間のシール
性が確保され、リークガス流量、耐火物コスト及び鋼の
品質から見た総合評価はいずれも良好(◎)であった。
【0018】
【表1】
【0019】また、固定プレート及び摺動プレートにシ
ール機構を何ら設けない場合で、温度及び内部負圧等の
条件を前述の実施例と同じにして、リークガス流量とプ
レート耐火物の動摩擦係数を調査した(比較例1)。そ
の結果、プレート耐火物の動摩擦係数は0.91と低い
が、プレート耐火物の熱変形によりプレート間に大きな
隙間が生じて、リークガス流量が0.5リットル/分と
多くなり、リークガスによる鋼の酸化及び酸化物による
鋼の汚染が懸念され総合評価は不良(×)であった。更
に、固定プレートに、炭素(C)製の中実のオーリング
を設けてシールを行った(比較例2)。その結果、プレ
ート耐火物の動摩擦係数は0.81と低いが、プレート
耐火物の熱変形によりプレート間に大きな隙間が生じ、
この間隙を炭素(C)製の中実のオーリングの膨張が不
十分なこと及びオーリングの破損等によりシールするこ
とができず、リークガス流量が0.4リットル/分と多
くなり、リークガスによる鋼の酸化及び酸化物による鋼
の汚染が懸念され総合評価は不良(×)であった。ま
た、固定プレートに、ステンレス鋼製の中実のオーリン
グを設けてシールを行った(比較例3)。その結果、プ
レート耐火物の動摩擦係数は1.10と高くなり、プレ
ート耐火物への局部応力により亀裂が発生してシール性
の低下、中実のオーリングの膨張が小さいためにプレー
ト耐火物の熱変形によるプレート間の隙間をシールする
ことができず、リークガス流量が0.5リットル/分と
多くなり、リークガスによる鋼の酸化及び酸化物による
鋼の汚染が懸念され総合評価は不良(×)であった。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものでな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は、全て本発明の適
用範囲である。例えばシールに用いるオーリングとし
て、中空の円形オーリング、E型オーリングを用いた
が、C型オーリング、コ型オーリング等スライディング
ノズルのプレートで押圧した際に、適宜バネ力が発生し
てプレートに密着するオーリングであれば、いずれも用
いることができる。また、オーリングの材質もインコネ
ル製を用いたが、この他にステンレス、合金鋼板等の3
00〜600℃の温度で塑性変形しない素材を用いるこ
とができる。更に、オーリングと固定プレート及び摺動
プレートの潤滑を図る手段として、オーリングの先端部
に、直に潤滑性の高い耐熱材を取付けることにより、プ
レート耐火物(固定プレート、摺動プレート)の動摩擦
係数を低減することも可能である。また、プレート耐火
物のオーリングを装着するシール溝の内側及び外側に空
冷溝や空間部を設けて耐熱材を介挿して、オーリング及
びプレート耐火物そのものを冷却して、変形を防止する
手段を組み合わせても良い。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜3記載のスライディングノズ
ルのシール方法は、固定プレートと摺動プレートの接す
る面側のいずれか一方に、注湯孔を囲むシール溝と、該
シール溝内に金属の中空体からなるリング状シール部材
を装着しているので、熱膨張差による固定プレートと摺
動プレートの隙間から侵入する外気を遮断して、溶鋼の
酸化による酸化物の発生を防止し、鋼の品質を向上でき
る。
【0022】特に、請求項2記載のスライディングノズ
ルのシール方法は、前記リング状シール部材は、シール
溝の周方向に対して直角をなす断面を非連続形状にして
いるので、リング状シール部材のバネ力を高めて、隙間
から侵入する外気のシール性を高めることができ、酸化
物の発生防止及び鋼の品質をより向上できる。
【0023】請求項3記載のスライディングノズルのシ
ール方法は、前記固定プレート又は摺動プレートの前記
リング状シール部材との接触部位を潤滑性の高い耐熱材
にしてあるので、隙間から侵入する外気のシール性を高
めると共に、摺動するプレートの動摩擦係数を小さくす
ることにより、プレートの局部に生起する過大応力を無
くしてプレートに発生する亀裂を防止でき、長時間のシ
ール性の維持とプレートの寿命が延長できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスライディン
グノズルのシール方法に適用するスライディングノズル
装置の断面図である。
【図2】同スライディングノズル装置の固定プレートの
シール溝にオーリングを装着した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るスライディン
グノズルのシール方法に適用するスライディングノズル
装置の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るスライディン
グノズルのシール方法に適用するスライディングノズル
装置の断面図である。
【図5】従来のスライディングノズル装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
A、B、C スライディングノズル装置 11 金枠 12 固定プレ
ート 12a 注湯孔 13 摺動プレ
ート 13a 注湯孔 14 シリンダ
ーロッド 15 タンディッシュ 16 耐火物 17 鉄皮 18 ノズル 19 浸漬ノズル 20 シール溝 21 オーリング 22 溶鋼 23 固定プレート 23a 注湯孔 24 摺動プレート 24a 注湯孔 25 シール溝 26 オーリン
グ 27 摺動プレート 27a 注湯孔 28 シール溝 29 オーリン
グ 30 耐熱材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プレートと摺動プレートの接する面
    側のいずれか一方に、注湯孔を囲むシール溝と、該シー
    ル溝内に金属の中空体からなるリング状シール部材を装
    着したことを特徴とするスライディングノズルのシール
    方法。
  2. 【請求項2】 前記リング状シール部材は、該リング状
    シール部材の周方向に対して直角の断面が非連続の形状
    である請求項1記載のスライディングノズルのシール方
    法。
  3. 【請求項3】 前記固定プレート又は摺動プレートの前
    記リング状シール部材と接触する部位に潤滑性の高い耐
    熱材を埋設したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    スライディングノズルのシール方法。
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