JP4376724B2 - ラジアントチューブ - Google Patents
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このラジアントチューブの取付け構造について、図7、図8及び図9に基づいて説明する。なお、図7は加熱炉の熱源体であるラジアントチューブバーナの取付け部を表した断面図、図8は、加熱炉の熱源体である電気ヒータの取付け部を表した断面図、図9はラジアントチューブの加熱炉への取付け構造を示す断面図である。
このラジアントチューブ(内筒)12の基端部は、加熱炉1の外に位置するバーナボデー14の内部に固定され、先端部はラジアントチューブ(外筒)13の内部で開口している。バーナノズル15がラジアントチューブ(内筒)12の内部に位置し、このバーナノズル15に対して、ガスパイプ16を通じてガスが供給されるように構成されている。
またバーナボデー14は、バーナに点火するための点火プラグ17、エア供給口18およびその他の必要部品を備えている。
なお、電気ヒータも、ラジアントチューブ13の内部に電気ヒータ30が収納されている。
このOリング部材20の熱による劣化を防止するために、取付けフランジ13Aを上下で挟み込む形で水冷ジャケット4A、4Bが設けられている。
この図9からも明らかなように水冷ジャケット4Aの上面4aには段差部があり、この段差部によって水冷ジャケット4の内壁部4bが構成されている。この取付けフランジ13Aの外周面と内壁部4bとの間にOリング20が配置されている。
このOリング20によって、水冷ジャケット4Aと取付けフランジ13Aとの間、つまり炉内1Aと炉外との間および炉内1Aとラジアントチューブ(外筒)13の内部との間がそれぞれシールされる。
そのため、この取付けフランジ13Aからの熱影響によってOリング20が劣化するのを避けるために、取付けフランジ13Aを水冷ジャケット4A,4Bによって冷却(冷却水との熱交換)している。
このとき、図10に示すように、外筒の取付け時、前記Oリング部材20の一部が、取付けフランジ部13Aの角部(取付けフランジ底面と外周面とが接続される角部)と衝突し、ラジアントチューブ(外筒)13がスムーズに設置できない、あるいは取付けフランジ13が水平に設置できないという状況が発生し、Oリング部材20が損傷する虞があった。その結果、炉内1Aの気密、さらに炉内1Aと外筒13の内部との気密を保持することができないという技術的課題があった。
ここで、本発明にかかるラジアントチューブは、炉内外の気密性が求められる加熱炉に対して、Oリング部材を介して取り付けられるラジアントチューブにおいて、前記ラジアントチューブは、取付けフランジと、前記取付けフランジに対して垂直に形成された直胴部とを備え、前記取付けフランジと直胴部とがセラミックス材で一体的に形成され、かつ前記取付けフランジの外周面下端部には面取り部が形成され、前記面取り部は、取付けフランジの厚さ方向の面取り開始点と取付けフランジの径方向の面取り開始点とを結んだ線と、直胴部の軸線方向とのなす角θが15°≦θ≦75°であって、t−b≧c
(t:取付けフランジ厚さ(mm)、b:取付けフランジ厚さ方向の面取り長さ(mm)
、c:Oリング部材の厚さ(mm))
の関係を具備するように形成されていることが望ましい。
そして、この面取り部は、取付けフランジ厚さ方向の面取り開始点と取付けフランジ径方向の面取り開始点とを結んだ線と、外筒の軸線方向とのなす角θが15°≦θ≦75°であって、t−b≧c(t:取付けフランジ厚さ(mm)、b:取付けフランジ厚さ方向の面取り長さ(mm)、c:Oリング部材の厚さ(mm))の関係を具備するように形成されている。その結果、ラジアントチューブを挿入する際、取付けフランジ底面の角部がOリング部材に引っ掛かることがないため、Oリング部材を損傷させることなく、ラジアントチューブをスムーズに設置することができる。
なお、取付けフランジの厚さ方向の面取り開始点と取付けフランジ径方向の面取り開始点とを結んだ線と、外筒の軸線方向とのなす角θが30°≦θ≦60°であることが、より好ましい。
取付けフランジの外周面の表面粗さが、Ra=3.2μmを超える場合には、Oリング部材と取付けフランジとの密着性が図られず、炉内部の気密性を保つことができない。また、取付けフランジの上下面の表面粗さがRa=3.2μmを超える場合には、ボルトの締付力が取付けフランジ面に局所的にかかり、ラジアントチューブが破損する可能性がある。そのため、Ra=3.2μm以下であることが望ましい。
また、取付けフランジ13Aの厚さt、取付けフランジ13Aの厚さ方向の面取り長さb、Oリングの厚さ(断面が円形の場合は、直径)cとした場合、t−b≧cの関係を具備するように形成されている。
詳述すれば、図2に示すように、ラジアントチューブ(外筒)13を設置する場合において、Oリング部材20は前記面取り部13Bに接触し、徐々に圧縮されながら、取付けフランジ13Aの外周面と密着する。このように面取り部13Bが形成されているため、Oリング部材20を損傷させることなく、ラジアントチューブ(外筒)13をスムーズに設置することができる。
このように、Oリング部材20の厚さc以上の大きさを有する、最大外径を有する取付けフランジ13B部分(面取り部13Bが形成されていない取付けフランジ13Bの外周面)に取り付けられるため、Oリング部材20は安定した密着状態を確保でき、炉内と炉外、及び炉内とラジアントチューブの内部とをより気密に保持することができる。
即ち、15°未満の場合、面取り部13Bの底面の角部にOリング部材20が引っ掛かり、ラジアントチューブ(外筒)13が、スムーズに設置できない、あるいはOリング部材20が損傷するという弊害が生じる。
一方、75°を超えると、面取り部13Bの上方の角部にOリング部材20が引っ掛かり、ラジアントチューブ(外筒)13が、スムーズに設置できない、あるいはOリング部材20が損傷するという弊害が生じる。
なお、フランジ厚さ方向の面取り開始点とフランジ径方向の面取り開始点とを結んだ線と、ラジアントチューブ(外筒)13の軸線L方向とのなす角θが30°≦θ≦60°であることがより好ましい。
更に、前記取付けフランジ13Aの上面13a及び下面13bは、平面度および平行度0.05mm以下に形成されるのが好ましい。
このように、前記取付けフランジ13Aの上面13a及び下面13bの平行度が0.05mm以下に形成されている場合には、ボルトの締め付け力が均等に作用するため、取付けフランジ13Aの破損を防止できる。
一方、前記ラジアントチューブ(外筒)13の取付けフランジ13Aの厚さが30mmを超えると、水冷ジャケット4による冷却が不十分となり、Oリング部材20が熱の影響を受け、Oリング部材20が劣化する虞がある。
そのため、前記ラジアントチューブ(外筒)13の取付けフランジ13Aの厚さtは、5mm以上30mm以下に形成されるのが好ましい。
この面取り部13dを大きく形成することは応力集中を防止する上から好ましいが、水冷ジャケット4Aに接する取付けフランジ13Aの面積が減し、冷却効果が減少するため好ましくない。
また、前記フランジ外周面におけるフランジ厚さ方向の面取り開始点とフランジ下面におけるフランジ径方向の面取り開始点とを結んだ線と、直胴部13cの軸線方向とのなす角θが15°≦θ≦75°の領域内に形成されていれば、例えば、図6に示すように途中屈曲した平面形状であっても良い。
4 水冷ジャケット
4a 壁部
10 ラジアントチュ−ブバーナ
13 ラジアントチューブ(外筒)
13A 取付けフランジ
13B 面取り部
13a 上面
13b 下面
20 Oリング部材
21 パッキン
22 パッキン
Claims (3)
- 取付けフランジと前記取付けフランジに対し垂直に形成された直胴部とを備えるラジアントチューブを、加熱炉の炉壁の固定フランジに水冷ジャケットを介して取付けるラジアントチューブ取付け構造であって、
前記水冷ジャケットは、上側環状水冷ジャケットと、段差部を有し垂直断面L字状の下側環状水冷ジャケットを備え、
前記取付けフランジは外周面下端部に面取り部が形成されると共に、前記下側環状水冷ジャケットの段差部上面と前記上側環状水冷ジャケットに挟み込まれ、
前記下側環状水冷ジャケットの内壁面に凹部が形成され、前記凹部にOリングが嵌合され、前記取付けフランジの外周面と前記下側環状水冷ジャケットの段差部内壁面との間にOリングが配置され、
前記下側環状水冷ジャケットの段差部の上面と前記取付けフランジとの間にパッキンが取り付けられ、かつ前記取付けフランジの面取り部によって、前記取付けフランジと下側環状水冷ジャケットの段差部との間に空間が形成されることを特徴とするラジアントチューブ取付け構造。 - 前記面取り部は取付けフランジの厚さ方向の面取り開始点と取付けフランジの径方向の面取り開始点とを結んだ線と、直胴部の軸線方向とのなす角θが15°≦θ≦75°であることを特徴とする請求項1記載のラジアントチューブ取付け構造。
- 前記取付けフランジの底面と直胴部の外周面との接続部分に、第二の面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラジアントチューブ取付け構造。
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