JPH11170016A - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents

溶融金属の流動制御装置

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JPH11170016A
JPH11170016A JP33719397A JP33719397A JPH11170016A JP H11170016 A JPH11170016 A JP H11170016A JP 33719397 A JP33719397 A JP 33719397A JP 33719397 A JP33719397 A JP 33719397A JP H11170016 A JPH11170016 A JP H11170016A
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JP
Japan
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molten metal
electromagnetic
phase
mold
phase difference
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JP33719397A
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Inventor
Keisuke Fujisaki
崎 敬 介 藤
Eiichi Takeuchi
内 栄 一 竹
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型内面に沿う水平x方向のパウダ流入量の
分布を調整しうる流動制御装置を提供。パウダ流入量の
分布を時系列で均一化。溶融金属の焼付きを防止。湯面
レベル検出の精度向上。 【解決手段】 電磁石コア4A,4Bおよび複数個の電
気コイル5A,5Bを有し溶鋼を間に置いて相対向する
第1,第2電磁駆動器3A,3B;これらに3相交流を
印加する第1,第2通電手段20A,20B;および、
第1,第2駆動器3A,3Bに印加する交流電圧の相対
位相差φを調整する制御手段30,60;を備える。鋳
型上の温度分布を検出し、設定時間Tcの間、相対位相
差φを、高温位置において溶鋼を鋳型内面から離す方向
の電磁力が高くなる位相差に定める。時系列で順次に相
対位相差φを漸増又は漸減する。電磁駆動をTrの間休
止して鋳型各点温度および湯面レベルを計測する。溶鋼
の旋回方向を反転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型内溶融金属
を、交流磁界を加えて流動駆動する流動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】例えば連続鋳造では、タンデイッシュより
鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼は鋳型壁面か
ら次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一高さの鋳型壁
面における温度が不均一であると、表面割れやシェル破
断を生じ易い。これを改善するために、従来は、リニア
モ−タを用いて、鋳型内で溶鋼を鋳型壁面に沿って流動
駆動する(例えば特開平1−228645号公報)。
【0003】ノズルから鋳型内に注入される溶鋼の流れ
により、溶鋼内部ならび溶鋼表面(メニスカス)に溶鋼
流を生ずる。この溶鋼流の方向および強さは水平面
(x,y)上で不均一で、メニスカスの溶鋼流(表層
流)は、メニスカス上のパウダを巻き込み易い。一方、
溶鋼が固体に変わるときにCOなどの気体(気泡)が発
生する。加えて、鋳型内面の一部に溶鋼が滞留するとパ
ウダが溶鋼に残留し易くしかもブレ−クアウトの原因と
なる焼付きとなり易い。これらを防止するため、表層に
安定した整流を形成させるのが良い。
【0004】リニアモ−タにより溶鋼を、鋳型長辺の内
面に沿って水平方向に電磁駆動することにより、溶鋼が
撹拌されると共に、鋳型内面が溶鋼で拭われ、溶鋼中の
気体やパウダの浮上が促がされ、しかも鋳型内面の一部
に溶鋼が滞留することが少くなり、鋳片の表面割れやシ
ェル破断が減少する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リニア
モ−タによる流動駆動においても、リニアモ−タが溶鋼
に与える電磁力(ベクトル)は、鋳型長片の壁面に沿う
x方向において細かくは均一ではなく、溶鋼流を大略で
定方向に整えることはできても、溶鋼各部での駆動方向
および強さは不均一であり、表層部での鋳型壁面と溶鋼
との間へのパウダの流入量は鋳型長辺が延びる水平x方
向で不均一である。
【0006】本発明は、鋳型の壁面に沿う水平x方向の
パウダ流入量の分布を調整しうる流動制御装置を提供す
ることを第1の目的とし、パウダ流入量の分布を時系列
で均一化することを第2の目的とし、局所的なパウダの
不足による鋳型に対する溶融金属の焼付きを防止するこ
とを第3の目的とし、溶融金属の表面レベル(湯面レベ
ル)を検出する電気コイル内蔵の金属表面レベルセンサ
の検出値の読取を正確に行なうことを第4の目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の溶融金属
の流動制御装置は、それぞれが、複数個のy方向に延び
x方向に分布するスロットを有し、スロット間の歯の先
端が鋳型(1)内の溶融金属(2)に対向する電磁石コア(4A,
4B)、および、該電磁石コアのスロットに挿入され、x
方向に分布する複数個の電気コイル(5A,5B)、を含み、
溶融金属(2)を間に置いて相対向する第1および第2電
磁駆動器(3A,3B);それぞれが、第1および第2電磁駆
動器(3A,3B)のスロットの配列方向xに沿う推力を溶融
金属(2)に与えるための位相差がある交流電圧を電気コ
イル(5A,5B)のそれぞれに印加する第1および第2通電
手段(20A,20B);および、第1および第2通電手段(20A,
20B)が第1および第2電磁駆動器(3A,3B)の電気コイル
(5A,5B)に印加する交流電圧の相対位相差φを調整する
制御手段(30,60);を備える。なお、理解を容易にする
ためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応
要素の記号を、参考までに付記した。
【0008】上述のように配設した第1および第2電磁
駆動器(3A,3B)により、鋳型内溶融金属(2)には、図6〜
図10に示す電磁力が作用する。なお、図6〜図10
は、溶融金属(2)の上方より、溶融金属(2)を見降ろした
平面図に相当し、図上の矢印が溶鋼に作用する電磁力
(ベクトル)を示し、その方向が力が作用する方向を、
長さが力の強さを表わす。これらのベクトルはコンピュ
−タを利用した演算により算出したものである。φ(単
位は度)は、第1および第2電磁駆動器(3A,3B)の電気
コイル(5A,5B)に印加する3相交流電圧の相対位相差で
ある。
【0009】鋳型内全体として見れば、電磁力は、鋳型
長辺に沿う反時計方向の旋回流を形成するものとなって
いる。図8上の「13)φ=180」の場合は、電磁力
の旋回中心VCが鋳型内の中心に現われ、この状態が、
電磁力が鋳型長辺に沿う反時計方向の旋回流を形成する
ものであることを良く表わしている。
【0010】鋳型長辺のそれぞれにおいて、内向きの電
磁力が最大VAma,VBmaとなる領域と、図6の
「1)φ=0」の場合に示すように、内向きの電磁力が
最小(外向きの電磁力が最大)VAmi,VBmiとな
る領域があり、最大VAma,VBmaの位置では、溶
融金属が鋳型内空間の中央に押されるので、鋳型内面と
溶融金属との間にパウダが進入し易いが、最小VAm
i,VBmiの位置では溶融金属が鋳型内面に押しつけ
られるので、鋳型内面と溶融金属との間にパウダが進入
しにくい。
【0011】図6〜図10の、「1)φ=0」から順次
に「24)φ=345」の電磁力分布を見ると、相対位
相差φを大きくするに従がい、内向きの電磁力が最大V
Ama,VBma(および最小VAmi,VBmi)の
位置が、右から左にシフトするのが分かる。これは、電
磁力の旋回中心VCの位置に着目して見ると分り易い。
【0012】内向きの電磁力が最大VAma,VBma
となる位置では、鋳型内面と溶融金属との間にパウダが
進入し易く、この位置を相対位相差φで定めることがで
きる。本発明では制御手段(30,60)が、第1および第2
通電手段(20A,20B)を介して第1および第2電磁駆動器
(3A,3B)の電気コイル(5A,5B)に印加する交流電圧の相対
位相差φを調整する。これにより、任意の位置のパウダ
進入を促進することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(2)上記(1)において更に、
溶融金属(2)の、第1および第2電磁駆動器(3A,3B)が対
向する面のx方向の温度分布を検出する温度分布検出手
段(6A,6B,40A,40B);を備え、前記制御手段(30,60)は、
前記相対位相差φを、温度分布上の高温位置において溶
融金属を電磁駆動器から離す方向の電磁力が高くなる位
相差に定める。これによれば、高温位置へのパウダ供給
が促進され、鋳型に対する溶融金属の焼付き発生の可能
性が低減する。
【0014】(3)上記(1)において前記制御手段(3
0,60)は、時系列で順次に相対位相差φを漸増又は漸減
する。これによれば、図6〜図10の、「1)φ=0」
から順次に「24)φ=345」の電磁力分布に、又は
その逆に電磁力が変化し、例えば旋回中心VCが右から
左に、又はその逆に、順次に移動して、時系列平均で鋳
型の壁面に沿う水平方向の電磁力分布が平均化して、パ
ウダ流入量の分布が均一化する。
【0015】(4)上記(3)において更に、溶融金属
の、第1および第2電磁駆動器(3A,3B)が対向する面の
x方向の温度分布を検出する温度分布検出手段(6A,6B,4
0A,40B);を備え、前記制御手段(30,60)は、温度分布上
に高温が現われるとこれに対応して所定時間(Tc)の間前
記相対位相差φを、高温位置において溶融金属(2)を電
磁駆動器(3A,3B)から離す方向の電磁力が高くなる位相
差に定める。これによれば、例えば旋回中心VCが右か
ら左に、又はその逆に、順次に移動して、時系列平均で
鋳型の壁面に沿う水平方向の電磁力分布が平均化して、
パウダ流入量の分布が均一化する。そして高温点が現わ
れると、そこへのパウダ供給が促進され、鋳型に対する
溶融金属の焼付き発生の可能性が低減する。
【0016】(5)上記(1)〜(4)において前記制
御手段(30,60)は、所定周期(Tc+Tr又は360Ts+Tr)で所定
時間(Tr)の間、第1および第2通電手段(20A,20B)を介
して第1および第2電磁駆動器(3A,3B)の電気コイル(5
A,5B)への通電を停止する。この停止の間、電磁駆動器
(3A,3B)は電磁誘導ノイズを発生せず、その間に、電磁
誘導ノイズによって測定が乱され易い測定器による測定
を正確に行なうことができる。
【0017】(6)前記制御手段(30,60)は、通電を停
止している間に、溶融金属(2)の上面に対向する電気コ
イル内蔵の金属表面レベルセンサ(7)の検出値を読込
む。電磁駆動器(3A,3B)の通電電流値が高いため電磁誘
導ノイズが強く、レベルセンサ(7)は、電磁駆動器(3A,3
B)の電磁誘導ノイズによりS/Nが低下し、測定精度が
低下しあるいは測定不能となることも考えられるが、通
電停止中に金属表面レベルを測定するので、正確な測定
値が得られる。また、電磁駆動器(3A,3B)の通電を停止
していることにより、電磁力による溶融金属表面のうね
りあるいは波打ちが弱く、湯面レベル検出精度が高い。
【0018】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0019】
【実施例】−第1実施例− 図1に、本発明の第1実施例を示す。連続鋳造鋳型1に
はノズル8を通して、図示しないタンディシュの溶鋼が
供給される。鋳型1内の溶鋼は、鋳型1で冷却されなが
ら下方にゆるやかに引き抜かれる。図1に示す鋳型1の
横断面を図2に示す。鋳型1の、相対向する2長辺のそ
れぞれの外側に第1および第2電磁駆動器3A,3Bが
配設されている。第1および第2電磁駆動器3A,3B
は、長辺が延びる方向−xに長い櫛歯状の電磁石コア4
A,4Bに、それぞれ12個の電気コイル5A,5Bを
巻回したものである。電気コイル5A,5Bには、3相
電源回路20A,20Bが、3相信号発生器30が与え
る各3相信号(Ua,Va,Wa),(Ub,Vb,W
b)に同期した3相交流電圧U,V,Wを印加する。3
相信号(Ua,Va,Wa)に対して、3相信号(U
b,Vb,Wb)は、相対位相差φの遅れを有する。
【0020】図1上において、電気コイルに付したu,
V,w,U,v,Wの記号の中の「U」は3相交流のU
相の正相通電(そのままの通電)を、「u」はU相の逆
相通電(U相より180度の位相づれ通電)を表わし、
電気コイル「U」にはその巻始め端にU相が印加される
のに対し、電気コイル「u」にはその巻終り端にU相が
印加されることを意味する。同様に、「V」は3相交流
のV相の正相通電を、「v」はV相の逆相通電を、
「W」は3相交流のW相の正相通電を、「w」はW相の
逆相通電を表わす。
【0021】鋳型1の、相対向する2長辺のそれぞれに
は、それぞれ12(水平−x方向)×5(垂直−z方
向)=60個の、溶鋼温度(正しくは溶鋼に接する鋳型
内面の温度)を測定するための熱電対6A,6Bが埋設
され、これらの熱電対は温度計測器40A,40Bに接
続されている。
【0022】鋳型1内の溶鋼2の上方に、二次コイル,
導電性強磁性体および一次コイルをこの順に+z方向に
積層した湯面レベルセンサ7が吊り下げられており、こ
のセンサ7はレベル計測器50に接続されている。
【0023】3相信号発生器30は、交流電圧1周期
(位相角0〜359度)の各位相角の電圧レベルを表わ
すデ−タを格納した、サイン波発生用のROM,電磁駆
動器3A,3Bのそれぞれに割り宛てた位相角カウンタ
A,B(各1個、計2個),電磁駆動器3A,3Bのそ
れぞれに割り宛てた出力用ラッチA,B(2組、各組3
個、計6個)、出力用ラッチA,Bのそれぞれのデ−タ
をアナログ電圧に変換するD/A変換器A,B(2組、
各組3個、計6個)、ならびに、電磁駆動器3Aに割り
宛てた位相角カウンタAの、クロックパルスカウント値
に基づいて電磁駆動器3A宛ての3相交流電圧デ−タ
(Ua,Va,Waの3個)をROMから読み出して電
磁駆動器3A宛ての出力用ラッチA(Ua,Va,Wa
宛ての3個)にラッチし、電磁駆動器3Bに割り宛てた
位相角カウンタBのクロックパルスカウント値および流
動コントロ−ラ60からの相対位相角φ(指示値)に基
づいて電磁駆動器3B宛ての3相交流電圧デ−タ(U
b,Vb,Wbの3個)をROMから読み出して電磁駆
動器3B宛ての出力用ラッチB(Ub,Vb,Wb宛て
の3個)にラッチする読出し制御回路を含む。
【0024】電磁駆動器3Aに割り宛てた位相角カウン
タAは、0からクロックパルスをカウントアップしてカ
ウント値が360になるとカウント値を0に初期化して
それからまたカウントアップを行なう循環カウンタであ
る。電磁駆動器3Bに割り宛てた位相角カウンタBに
は、読出し制御回路が、流動コントロ−ラ60からの相
対位相角φを初期値として与え、位相角カウンタBは初
期値φからクロックパルスをカウントアップしてカウン
ト値がφ+360になるとカウント値を初期値φに初期
化してそれからまたカウントアップを行なう循環カウン
タである。
【0025】読出し制御回路は、クロックパルスが発生
しこれに応答して位相角カウンタA,Bが1カウントア
ップを完了したタイミングで、まず位相角カウンタAの
カウント値(位相角)対応の電圧デ−タをROMから読
み出して、電磁駆動器3A宛ての出力用ラッチA(U
a,Va,Wa宛ての3個)のUa宛てのものにラッチ
し、該カウント値に120を加えた値対応の電圧デ−タ
をROMから読み出して出力用ラッチAのVa宛てのも
のにラッチし、そして該カウント値に240を加えた値
対応の電圧デ−タをROMから読み出して出力用ラッチ
AのWa宛てのものにラッチする。そして更に、位相角
カウンタBのカウント値(位相角)対応の電圧デ−タを
ROMから読み出して、電磁駆動器3B宛ての出力用ラ
ッチB(Ub,Vb,Wb宛ての3個)のUb宛てのも
のにラッチし、該カウント値に120を加えた値対応の
電圧デ−タをROMから読み出して出力用ラッチBのV
b宛てのものにラッチし、そして該カウント値に240
を加えた値対応の電圧デ−タをROMから読み出して出
力用ラッチBのWb宛てのものにラッチする。
【0026】これらのラッチA,Bのラッチデ−タは各
D/A変換器でアナログ電圧に変換されて、電磁駆動器
3A宛てのラッチAのデ−タを変換したアナログ信号
(Ua,Va,Wa)は3相電源回路20Aに、電磁駆
動器3B宛てのラッチBのデ−タを変換したアナログ信
号(Ub,Vb,Wb)は3相電源回路20Bに印加さ
れる。
【0027】アナログ信号Ua,Va,Waは、第1組
(A)の3相交流信号の各相電圧であり、第2組(B)
のアナログ信号Ub,Vb,Wbは、第1組よりφなる
位相遅れを有する3相交流信号の各相電圧である。
【0028】図3に、第1組(A)の3相電源回路20
Aの構成を示す。3相交流電源には直流整流用のサイリ
スタブリッジ22Aが接続されており、その出力(脈
流)はインダクタ25Aおよびコンデンサ26Aで平滑
化される。平滑化された直流電圧は3相交流形成用のパ
ワ−トランジスタブリッジ27Aに印加され、これが出
力する3相交流のU相が図1に示す電磁駆動器3AのU
相端子に、V相がV相端子に、またW相がW相端子に印
加される。
【0029】流動コントロ−ラ60から、コイル電圧指
令値VdcAが位相角α算出器24Aに与えられ、位相角
α算出器24Aが、指令値VdcAに対応する導通位相角
α(サイリスタトリガ−位相角)を算出し、これを表わ
す信号をゲ−トドライバ23Aに与える。ゲ−トドライ
バ23Aは、各相のサイリスタを、各相のゼロクロス点
から位相カウントを開始して位相角αで導通トリガ−す
る。これにより、トランジスタブリッジ27Aには、指
令値VdcAが示す直流電圧が印加される。
【0030】一方、3相信号発生器30が与える各相電
圧Ua,Va,Waが比較器29Aに与えられる。比較
器29Aにはまた、三角波発生器30Aが3KHzの、
定電圧三角波を与える。比較器29Aは、U相信号Ua
が正レベルのときには、それが三角波発生器30Aが与
える三角波のレベル以上のとき高レベルH(トランジス
タオン)で、三角波のレベル未満のとき低レベルL(ト
ランジスタオフ)の信号を、U相の正区間宛て(U相正
電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トドライバ28A
に出力し、U相信号が負レベルのときには、それが三角
波発生器30Aが与える三角波のレベル以下のとき高レ
ベルHで、三角波のレベルを越えるとき低レベルLの信
号を、U相の負区間宛て(U相負電圧出力用トランジス
タ宛て)にゲ−トドライバ28Aに出力する。V相信号
VaおよびW相信号Waに関しても同様である。ゲ−ト
ドライバ28Aは、これら各相,正,負区間宛ての信号
に対応してトランジスタブリッジ27Aの各トランジス
タをオン,オフ付勢する。これにより、電源接続端子U
には、3相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子V
に同様なV相電圧が出力され、また電源接続端子Wに同
様なW相電圧が出力され、これらの電圧の上ピ−ク/下
ピ−ク間レベルはコイル電圧指令値VdcAで定まる。
【0031】なお、ゲ−トドライバ23Aおよび28A
は、流動コントロ−ラ60が与える電源出力オン/オフ
信号に応じて、それがオンを指示するときには上述のよ
うに電圧出力を行なうが、オフを指示するときには、出
力を停止する。3相電源回路20Bの構成は、20Aの
構成と同様であるが、この3相電源回路には、3相信号
発生器30から、3相信号Ub,Vb,Wbが印加され
る。
【0032】再度図1を参照する。流動コントロ−ラ6
0はCPUを中心とするコンピュ−タシステムであり、
3相信号発生器30には相対位相差φを指定するデ−タ
Rφを与え、3相電源回路20A,20Bには電源出力
オン/オフ信号を与える。
【0033】流動コントロ−ラ60はまた、温度計測器
40A,40Bおよびレベル計測器50に計測オンを指
示して、それらの計測値デ−タを読込んで計測オフを指
示する。温度計測器40A,40Bおよびレベル計測器
50は、計測オンに応答して計測を開始して計測を完了
するとこれを流動コントロ−ラ60に報知し、流動コン
トロ−ラ60はこの報知に応答して計測デ−タの転送を
指示して計測デ−タを読み込み、そして温度計測器40
A,40Bおよびレベル計測器50に計測オフを指示す
る。
【0034】流動コントロ−ラ60は、連続鋳造設備の
図示しない鋳造管理用のコンピュ−タ(ホストコンピュ
−タ)に通信線を介して接続されており、流動コントロ
−ラ60は、読込んだ温度デ−タおよびレベルデ−タを
ホストコンピュ−タに転送する。なお、ホストコンピュ
−タは、転送を受けた温度デ−タ2長辺のそれぞれにつ
き60点の温度に基づいて、長辺に対する溶鋼の焼付
(およびその位置)の判定および予測を行ない、それに
基づいて鋳造条件(鋳片引抜速度,溶鋼注入流量,パウ
ダ投入量)の調整又は鋳造停止を行なうと共に、レベル
デ−タに基づいて鋳造条件(鋳片引抜速度,溶鋼注入流
量)の調整又は鋳造停止を行なう。
【0035】流動コントロ−ラ60には、オペレ−タか
らのデ−タ入力用およびオペレ−タへの状態およびデ−
タ出力用の操作盤70が接続されている。
【0036】図4に、流動コントロ−ラ60の流動制御
の内容を示す。電源が投入されると流動コントロ−ラ6
0は、内部レジスタ,カウンタ,タイマならびに入出力
ポ−トを待機時の状態に設定し、操作盤70にレディを
表示し、ホストコンピュ−タにレディを報知する(ステ
ップ1)。なお、以下においてカッコ内には、ステップ
という語を省略して、ステップNo.数字のみを記す。
流動コントロ−ラ60は次に、操作盤70又はホストコ
ンピュ−タから、デ−タ入力又は制御指示が到来するの
を待ち、デ−タ入力があると、デ−タ種別対応のレジス
タに格納し(2)、スタ−ト指示が到来するのを待つ
(3)。
【0037】この実施例では、次の表1のような制御モ
−ドを実行可能に、流動コントロ−ラの流動制御プログ
ラムが設計されている: −表1− モ−ドNo. 内容 1 Tc+Tr周期で高温位置を検出し、高温位置に 合せてφを設定し、Tcの間電磁駆動。 2 φを漸増(旋回中心VCを繰返し左駆動), 高温が現われると、高温位置に合せてφを設定し、 Tcの間電磁駆動。 3 φを漸減(旋回中心VCを繰返し右駆動), 高温が現われると、高温位置に合せてφを設定し、 Tcの間電磁駆動。 4 φの漸増と漸減を交互に繰返す, 高温が現われると、高温位置に合せてφを設定し、 Tcの間電磁駆動。
【0038】オペレ−タ又はホストコンピュ−タがデ−
タ入力により設定又は調整するデ−タは次の通りであ
る: Tr:湯面レベルセンサ7による湯面レベル検出を正確
にするための、電磁駆動休止時間, Tc:1つの高温点にパウダ流入をうながす値にφを固
定して、溶鋼の電磁駆動を行なう時間(1回分), Ts:φを漸増又は漸減する場合の、φの変更周期(電
磁駆動器3A,3Bに印加する3相交流の周期の整数
倍), At:高温点と検出するしきい値(z方向同一レベルに
ある全熱電対6A,6Bの検出温度の平均値+At以上
の温度の位置を高温点と判定する)。
【0039】これらのデ−タTr〜Atの標準値、なら
びにモ−ドNo.の標準値(モ−ドNo.1)は、流動
コントロ−ラ60の流動制御プログラム上に格納されて
おり、これらの標準値が、各デ−タ宛てのレジスタに、
「初期化」(1)で書込まれ、「入力読込み」(2)で
オペレ−タ又はホストコンピュ−タから入力があると、
入力があったデ−タ(値)に該当レジスタのデ−タが更
新される。なお、モ−ドNo.2〜4のいずれかの入力
があると、流動コントロ−ラ60は、Ts時限のタイマ
をスタ−トして、そのタイムオ−バに応答する「タイマ
Ts割込み」を許可する(2)。
【0040】オペレ−タ又はホストコンピュ−タから流
動制御スタ−ト指示があると、流動コントロ−ラ60
は、電源出力オフを3相電源回路20A,20Bに指令
し、かつ「タイマTs割込み」を禁止し(4)、Tr時
限の休止タイマTrをスタ−トして(5)、タイマTr
がタイムオ−バするのを待ち、その間「入力読込み」
(2)と同様な入力読込みを行なう。
【0041】タイマTrがタイムオ−バすると流動コン
トロ−ラ60は、温度計測器40A,40Bに温度計測
を指示する。これに応答して温度計測器40A,40B
は、全熱電対6A(60個),6B(60個)の検出温
度をデジタルデ−タに変換して転送用メモリに書込み、
流動コントロ−ラ60に温度計測完了(レディ)を報知
する。これに応答して流動コントロ−ラ60は、温度計
測器40A,40Bに温度デ−タの転送を指示して、そ
れらが送って来る温度デ−タを内部メモリに読込む。こ
れを終了すると流動コントロ−ラ60は、温度計測器4
0A,40Bに温度計測停止を指示する(7)。
【0042】次に流動コントロ−ラ60は、モ−ドN
o.をチェックして(8)、モ−ドNo.対応の流動制
御を行なう。以下、モ−ドNo.対応で流動制御を説明
する。1.モ−ドNo.1の流動制御:流動コントロ−
ラ60は、最高温度位置を判定する(9)。ここでは、
z方向に5段階に分布する熱電対列(5個の水平列:図
1,図2参照)のうち、湯面レベルセンサ7で検出して
いる湯面レベル(このデ−タをまだ採取していないとき
には、標準レベル)に最も近いレベルの熱電対列の検出
温度デ−タ(鋳型2長辺のそれぞれにつき12個、計2
4個)の最高温度デ−タを摘出し、それを検出した熱電
対の位置を、最高温度位置と判定する。
【0043】次に、該最高温度位置に最も強い電磁力
(VAma又はVBma)をもたらす相対位相差φを検
索する(10)。流動コントロ−ラ60のメモリには、
最も強い電磁力(VAma又はVBma)を及ぼすべき
位置をアドレスとし、それを実現する相対位相差φを格
納デ−タとする対照テ−ブルがあり、この対照テ−ブル
に、前述のように判定した最高温度位置を与えて、それ
に対応する相対位相差φを読出してレジスタRφに書込
む(10)。そしてこの相対位相差φを3相信号発生器
30に与える(11)。
【0044】次に流動コントロ−ラ60は、レベル計測
器50に湯面レベル検出を指示する。これに応答してレ
ベル計測器50は、レベルセンサ7によるレベル検出を
開始してレベルセンサ7に対する溶鋼メニスカスの距離
を検出し、この距離値を鋳型1の上端からの深さ値に変
換して転送用メモリに書込み、流動コントロ−ラ60に
レベル検出完了を報知する。これに応答して流動コント
ロ−ラ60は、レベル計測器50にレベルデ−タ(鋳型
上端からの深さ)の転送を指示して、それが送って来る
レベルデ−タを内部メモリに読込む。これを終了すると
流動コントロ−ラ60は、レベル計測器50にレベル計
測停止を指示する(12)。
【0045】次に流動コントロ−ラ60は、検出温度デ
−タ(各長辺につき60点、合計120点)およびレベ
ルデ−タをホストコンピュ−タに転送し、これを終える
と操作盤70にこれらを出力する。操作盤70の2次元
ディスプレイに検出温度デ−タ(120点)がグラフ形
式で表示され、キャラクタディスプレイにメニスカスレ
ベルが数値表示される(13)。また、操作盤70に
は、モ−ドNo.1の流動制御である旨が表示される。
【0046】以上の計測およびデ−タ処理で得られたデ
−タは、電磁駆動器3A,3Bが休止中であって、それ
らの駆動器による電磁誘導ノイズはなく、また鋳型内溶
鋼の電磁駆動による溶鋼メニスカスのうねりや波打ちが
収っているので、精度が高いものである。
【0047】次に流動コントロ−ラ60は、電源出力オ
ンを3相電源回路20A,20Bに指示し(14)、前
記最高温度位置の鋳型内面と溶鋼の間にパウダを十分に
進入させるに必要な時限値TcのタイマTcをスタ−ト
して(15)、タイマTcがタイムオ−バするのを待
つ。この間、「入力読込み」(2)と同様に入力読込み
を行なう。電源出力オンが3相電源回路20A,20B
に与えられ、しかも前記最高温度位置対応の相対位相差
φが3相信号発生器30に与えられているので、電磁駆
動器3A,3Bに、3相交流電圧が印加されて、鋳型1
の溶鋼2には、図6〜図10に示すような電磁力が加わ
る。なお、図6〜図10には、24種のφ値の場合を示
すが、3相信号発生器30に与えらる相対位相差φは整
数0〜359のいずれかである。例えば、結果として3
相信号発生器30に相対位相差φ=0を与えるのは、最
高温度位置が、図6の「1)φ=0」の場合のVAma
又はVBmaの位置であった場合であり、そこにおいて
溶鋼を内方に駆動する電磁力が強く、鋳型内面と溶鋼の
間へのパウダの流入量が多く、パウダ流入量の増大に伴
ってそこの溶鋼が水平−x方向に移動し易くなって、流
動が促がされる。
【0048】タイマTcがタイムオ−バすると流動コン
トロ−ラ60は、3相電源回路20A,20Bに電源出
力オフを指示する(4)。これにより溶鋼の電磁駆動が
停止する。そして流動コントロ−ラ60は、上述の休止
タイマTrスタ−ト(5)以下の処理を行なう。
【0049】以上の処理の繰返しにより、モ−ドNo.
1が指定されている間は、流動コントロ−ラ60は、T
rの間電磁駆動を休止して、鋳型各部の温度および溶鋼
メニスカスのレベルを計測して読込み、最高温度位置を
判定してそこに最もパウダ供給を多くする相対位相差φ
を検索して、次のTcの間は、電磁駆動器3Aを3相信
号Ua,Va,Waに基づいて駆動しかつ同時に、U
a,Va,Waに対してφの位相差を有する3相信号U
b,Vb,Wbに基づいて電磁駆動器3Bを駆動し、こ
のTcの間の電磁駆動とそれに続くTrの間の電磁駆動
休止を交互に繰返す。最高温度位置が変化するとこれに
対応してφが変わるので、常に最高温度位置に多量のパ
ウダが供給され、加えて、φの値如何にかかわらず溶鋼
が該Tcの間旋回駆動されて鋳型内面を拭うので、鋳型
に対する溶鋼の焼付防止効果が高い。
【0050】2.モ−ドNo.2,3および4の処理: −割込処理− モ−ドNo.2,3又は4が指定されているときには、
「入力読込み」(2)にて、その指定があったときに、
「タイマTs割込み」を許可し、「電源出力オフ」
(4)にて、電磁駆動休止中は「タイマTs割込み」を
禁止する点にまず注目されたい。モ−ドNo.2,3又
は4が指定されているときのみ実行される、後述の「電
源出力オン」(22)にて、「タイマTs割込み」を許
可するので、モ−ドNo.2,3又は4が指定されてい
るときには、電磁駆動休止中の間のみ「タイマTs割込
み」が禁止され他の時点では「タイマTs割込み」が許
可されている。
【0051】図5に、「タイマTs割込み」(INT
s)の内容を示す。タイマTsがタイムオ−バすると流
動コントロ−ラ60はこの「タイマTs割込み」に進
み、最初にTs時限のタイマTsを再スタ−トする(3
1)。そして相対位相差φ変更回数をカウントするため
のレジスタNのデ−タを1大きい値のデ−タに更新する
(32)。なお、相対位相差φの漸増又は漸減のための
変更は、Tsピッチ(周期)で、1°づつ行なう。すな
わちφの漸増又は漸減速度は1/Tsである。φを36
0度分変更すると、N=360となり、この間に旋回中
心VCが鋳型長辺に沿って右から左に(漸増の場合:左
走査)、又は左から右に(漸減:右走査)、1回移動し
たことになる。これを以降1回の走査と称す。
【0052】次に流動コントロ−ラ60は、1回の走査
が完了したかをチェックする(33)。完了した時点で
あると、1回の走査が完了したことを示す「1」をレジ
スタRRFに書込み(34)、レジスタNを初期化し
(35)。次に今回完了した走査が奇数回目(RFF=
0)であるかをチェックして(36)、そうであるとレ
ジスタRFFに「1」(偶数回目)を書込み(37)、
偶数回目(RFF=1)であったときにはレジスタRF
Fに「0」(奇数回目)を書込む(38)。
【0053】次にモ−ドNo.に対応して、それが
「2」であると、出力レジスタRφにN(レジスタNの
デ−タ)を書込み(40)、「3」であったときには3
60−Nを書込む(42)。「4」であったときには、
奇数回目(RFF=0)かをチェックして(43)、奇
数回目であると出力レジスタRφにNを書込み(4
0)、偶数回目であったときには360−Nを書込む
(42)。そして、レジスタRφのデ−タを、φデ−タ
として3相信号発生器30に転送する(41)。
【0054】この「タイマTs割込み」(INTs)の
実行により、モ−ドNo.2のときには、流動コントロ
−ラ60が3相信号発生器30に与える相対位相差φ指
示値がTs周期で、φ=0,1,2,・・・,359,
0,1,2,・・・と、漸増し、旋回中心VCが左移動
(左走査)を繰返す。モ−ドNo.3のときには、その
逆にTs周期でφが漸減し、旋回中心VCが右移動(右
走査)を繰返す。モ−ドNo.4のときには、奇数回目
の走査でTs周期でφが漸増し旋回中心VCが左移動す
るが、偶数回目の走査ではTs周期でφが漸減し、旋回
中心VCが右移動(右走査)する。
【0055】−温度,レベルの計測&温度対応の処理− 再度図4を参照する。溶鋼の電磁駆動を休止して前述の
「温度読込み」(7)を行ない、モ−ドNo.が2,3
又は4であることを認識(8)すると流動コントロ−ラ
60は、温度平均値を算出する(18)。ここでは、z
方向に5段階に分布する熱電対列(5個の水平列:図
1,図2参照)のうち、湯面レベルセンサ7で検出して
いる湯面レベル(このデ−タをまだ採取していないとき
には、標準レベル)に最も近いレベルの熱電対列の検出
温度デ−タ(鋳型2長辺のそれぞれにつき12個、計2
4個)の平均値を算出する。
【0056】次に、平均値算出に用いた検出温度デ−タ
(24個)の中の、平均値+Atを越える温度デ−タを
摘出する(19)。平均値+Atを越える温度デ−タが
無い(高温点がない)と、前述の「湯面レベル読込み」
(12)と同様な内容の「湯面レベル読込み」(20)
により、鋳型上端から溶鋼メニスカスまでの深さを表わ
すレベルデ−タを読込み、温度デ−タ(全120個)お
よびレベルデ−タをホストコンピュ−タおよび操作盤に
転送する(21)。そして3相電源回路20A,20B
に電源出力オンを指示し、「タイマTs割込」を許可す
る(22)。そしてレジスタRRFのデ−タが「1」
(一走査完了:図5の33,34)になるのを待つ(2
4)。
【0057】これを待っている間、「入力読込み」
(2)と同様に入力読込みを行なう。電源出力オンが3
相電源回路20A,20Bに与えられ、しかも前述の
「タイマTs割込み」(INTs)により、モ−ドN
o.2が指定されているときには、流動コントロ−ラ6
0が3相信号発生器30に与える相対位相差φ指示値が
Ts周期で、φ=0,1,2,・・・と、漸増し、旋回
中心VCが左移動(左走査)する。モ−ドNo.3が指
定されているときには、その逆にTs周期でφが漸減
し、旋回中心VCが右移動(右走査)する。モ−ドN
o.4のときには、奇数回目の走査であるとTs周期で
φが漸増し旋回中心VCが左移動し、偶数回目の走査で
あるとTs周期でφが漸減し、旋回中心VCが右移動
(右走査)する。そして1走査の終点になると、レジス
タRRFのデ−タが「1」になる(図5の33,3
4)。
【0058】レジスタRRFのデ−タが「1」(一走査
完了)になると、流動コントロ−ラ60は、レジスタR
RFをクリアして(25)、3相電源回路20A,20
Bに電源出力オフを指示し、「タイマTs割込み」を禁
止する(4)。これにより溶鋼の電磁駆動が停止する。
そして流動コントロ−ラ60は、上述の休止タイマTr
スタ−ト(5)以下の処理を行なう。
【0059】「タイマTs割込み」(INTs)を含
む、以上の処理の繰返しにより、鋳型に高温点(温度平
均値+At超)が現われない場合は、流動コントロ−ラ
60は、360Tsの間、3相信号発生器30に与える
相対位相差φ指示値を、モ−ドNo.2が指定されてい
るときはφ=0,1,2,・・・とφ=359まで漸増
し、これにより旋回中心VCが左移動(左走査)する。
モ−ドNo.3が指定されているときには、その逆にT
s周期でφがφ=360(=0),359,358,・
・・とφ=1まで漸減し、これにより旋回中心VCが右
移動(右走査)する。モ−ドNo.4のときには、奇数
回目の走査であるとモ−ドNo.2のときと同様にTs
周期でφが漸増し旋回中心VCが左移動し、偶数回目の
走査であるとモ−ドNo.3のときと同様にTs周期で
φが漸減し、旋回中心VCが右移動(右走査)する。こ
の360Tsが経過するとTrの間電磁駆動を休止して
温度デ−タおよびレベルデ−タを読込む(7,20)処
理を繰返す。すなわち、360Ts(一走査)の間の電
磁駆動とそれに続くTrの間の電磁駆動休止を交互に繰
返す。
【0060】これを繰返しているときに鋳型に高温点
(平均値+Atを越える温度デ−タ)が表われると流動
コントロ−ラ60は、平均値+Atを越える温度デ−タ
の中の最高温度を表わすものの位置(それを検出した熱
電対の位置)を、最高温度位置と定め(9)、該最高温
度位置に最も強い電磁力(VAma又はVBma)をも
たらす相対位相差φを検索する(10)。そしてこの相
対位相差φを3相信号発生器30に与える(11)。次
に流動コントロ−ラ60は、レベルデ−タを読込み(1
2)、検出温度デ−タ(合計120個)およびレベルデ
−タをホストコンピュ−タおよび操作盤70に出力す
る。次に流動コントロ−ラ60は、電源出力オンを3相
電源回路20A,20Bに指示し(14)、前記最高温
度位置の鋳型内面と溶鋼の間にパウダを十分に進入させ
るに必要な時限値TcのタイマTcをスタ−トして(1
5)、タイマTcがタイムオ−バするのを待つ。これに
よりTcの間、電磁駆動器3A,3Bに、3相交流電圧
が印加されて、最高温度位置において溶鋼を内方に駆動
する電磁力が強く、鋳型内面と溶鋼の間へのパウダの流
入量が多く、パウダ流入量の増大に伴ってそこの溶鋼が
水平−x方向に移動し易くなって、流動が促がされる。
タイマTcがタイムオ−バすると流動コントロ−ラ60
は、モ−ドNo.2〜4の場合には、レジスタRφのデ
−タを3相信号発生器30に転送して「タイマTs割込
み」を許可する(23)。これにより、相対位相差φ
が、高温点にパウダ供給を促すもの(ステップ9〜11
で設定したもの)から、漸増又は漸減走査の途中のもの
(図5の40又は42で定めたもの)に切換わり、電磁
駆動が、モ−ドNo.2,3又は4の漸増又は漸減走査
に戻る。
【0061】なお、上述の実施例では、溶鋼を反時計廻
りに旋回駆動するが、3相信号発生器30の3相電圧信
号Ua,Va,Waを3相電源回路20Bに与え、3相
電圧信号Ub,Vb,Wbを3相電源回路20Aに与え
るように、3相信号発生器30と3相電源回路20A,
20Bの間の配線接続を変更することにより、溶鋼は時
計廻りに旋回駆動される。
【0062】−第2実施例− 第2実施例のハ−ドウェア構成は、3相信号発生器30
の構成に部分的な変更がある他は、前述の第1実施例と
同じである。この第2実施例の流動コントロ−ラ60の
流動制御の内容を図11〜図13に示す。なお、図11
および図12は、第1実施例の図4に示す制御動作に対
応するもの、図13は第1実施例の図5に示す「タイマ
Ts割込み」(INTs)に対応するものである。
【0063】第2実施例では、3相信号発生器30が出
力信号切換回路を内蔵し、流動コントロ−ラ60からの
制御信号(レジスタRFFのデ−タ)に応じて、3相信
号発生器30から3相電源回路20A,20Bへの3相
電圧信号の供給を切換える。すなわち、流動コントロ−
ラ60が、レジスタRFFのデ−タ(「0」:奇数回目
の電磁駆動/「1」:偶数回目の電磁駆動)を3相信号
発生器30に与え、3相信号発生器30は、このデ−タ
が「0」のときには、第1実施例と同様に、3相電圧信
号(Ua,Va,Wa)および(Ub,Vb,Wb)を
それぞれ3相電源回路20Aおよび20Bに与え、これ
により溶鋼は反時計廻りに旋回駆動されるが、デ−タが
「1」のときには、3相電圧信号(Ua,Va,Wa)
を3相電源回路20Bに、3相電圧信号(Ub,Vb,
Wb)を3相電源回路20Aに与え、これにより溶鋼は
時計廻りに旋回駆動される。
【0064】第2実施例の、第1実施例の制御と異なる
点を説明すると、第2実施例の流動コントロ−ラ60
は、相対位相差φデ−タに加えてレジスタRFFのデ−
タ(「0」:奇数回目の電磁駆動/「1」:偶数回目の
電磁駆動)も3相信号発生回路30に与える(11,2
3,41)。また、モ−ドNo.1においても、1回の
Tc間の電磁駆動を終えるごとに、レジスタRFFのデ
−タを、それが「0」であれば「1」に、「1」であれ
ば「0」に変更する(図12)。
【0065】すなわち、モ−ドNo.1では、1回がT
cの間の電磁駆動の実行回数値が奇数(RFF=0)の
ときには溶鋼は反時計廻りに旋回駆動され、偶数(RF
F=1)のときには時計廻りに旋回駆動される。モ−ド
No.2〜4では、一走査(360Ts間の電磁駆動)
の繰返し回数(走査回数)が奇数(RFF=0)のとき
には溶鋼は反時計廻りに旋回駆動され、偶数(RFF=
1)のときには時計廻りに旋回駆動される。その他の処
理は、上述の第1実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の構成を示すブロック図
であり、連続鋳造鋳型1廻りは平面図である。
【図2】 図1に示す鋳型1の垂直横断面図である。
【図3】 図1に示す3相電源回路20Aの構成を示す
ブロック図である。
【図4】 図1に示す流動コントロ−ラ60の、流動制
御の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図5】 図1に示す流動コントロ−ラ60の、タイマ
Ts割込み処理の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図1に示す3相電源回路20A,20Bに与
える3相電圧信号(Ua,Va,Wa)と(Ub,V
b,Wb)との間の位相差φと、鋳型1内溶鋼に加わる
電磁駆動力(ベクトル)との関係を示す平面図である。
【図7】 図6と同様な平面図であり、異った位相差φ
の場合を示す。
【図8】 図6と同様な平面図であり、異った位相差φ
の場合を示す。
【図9】 図6と同様な平面図であり、異った位相差φ
の場合を示す。
【図10】 図6と同様な平面図であり、異った位相差
φの場合を示す。
【図11】 本発明の第2実施例の流動コントロ−ラ6
0の、流動制御の内容の一部を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図12】 本発明の第2実施例の流動コントロ−ラ6
0の、流動制御の内容の残部を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図13】 本発明の第2実施例の流動コントロ−ラ6
0の、タイマTs割込み処理の内容を示すフロ−チャ−
トである。
【符号の説明】
1:鋳型 2:溶鋼 3A,3B:電磁駆動器 4A,4B:電磁石コ
ア 5A,5B:電気コイル 6A,6B:熱電対

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれが、複数個のy方向に延びx方向
    に分布するスロットを有し、スロット間の歯の先端が鋳
    型内の溶融金属に対向する電磁石コア、および、該電磁
    石コアのスロットに挿入され、x方向に分布する複数個
    の電気コイル、を含み、溶融金属を間に置いて相対向す
    る第1および第2電磁駆動器;それぞれが、第1および
    第2電磁駆動器のスロットの配列方向xに沿う推力を溶
    融金属に与えるための位相差がある交流電圧を電気コイ
    ルのそれぞれに印加する第1および第2通電手段;およ
    び、 第1および第2通電手段が第1および第2電磁駆動器の
    電気コイルに印加する交流電圧の相対位相差φを調整す
    る制御手段;を備える溶融金属の流動制御装置。
  2. 【請求項2】更に、溶融金属の、第1および第2電磁駆
    動器が対向する面のx方向の温度分布を検出する温度分
    布検出手段;を備え、前記制御手段は、前記相対位相差
    φを、温度分布上の高温位置において溶融金属を電磁駆
    動器から離す方向の電磁力が高くなる位相差に定める;
    請求項1記載の溶融金属の流動制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、時系列で順次に相対位相
    差φを漸増又は漸減する請求項1記載の溶融金属の流動
    制御装置。
  4. 【請求項4】更に、溶融金属の、第1および第2電磁駆
    動器が対向する面のx方向の温度分布を検出する温度分
    布検出手段;を備え、前記制御手段は、温度分布上に高
    温が現われるとこれに対応して所定時間の間前記相対位
    相差φを、高温位置において溶融金属を電磁駆動器から
    離す方向の電磁力が高くなる位相差に定める;請求項3
    記載の溶融金属の流動制御装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、所定周期で所定時間の
    間、第1および第2通電手段を介して第1および第2電
    磁駆動器の電気コイルへの通電を停止する、請求項1,
    請求項2,請求項3又は請求項4記載の溶融金属の流動
    制御装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、通電を停止している間
    に、溶融金属の上面に対向する電気コイル内蔵の金属表
    面レベルセンサの検出値を読込む、請求項5記載の溶融
    金属の流動制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110125358A (zh) * 2019-05-29 2019-08-16 东北大学 一种有色金属及其合金电磁半连铸装置

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CN110125358A (zh) * 2019-05-29 2019-08-16 东北大学 一种有色金属及其合金电磁半连铸装置

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