JPH11169679A - モノリス形セラミックフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械加工を施すことなく流動抵抗緩和部を形成
して、強度が高く、透過性能に優れた濾過効率の高いセ
ラミックフィルタを提供すること。 【解決手段】セラミック支持体の各流通路を区画する隔
壁の内周面にセラミック濾過膜を備え、一端側から各流
通路に供給される被処理液体の一部をセラミック濾過膜
を透過して隔壁内に侵入させ、侵入した濾液を同隔壁内
を通してセラミック支持体の外部へ流出させるモノリス
形セラミックフィルタであり、各流通路のうちセラミッ
ク支持体１０ａの外周に向かって並列する一群列１０ｄ
を構成する各流通路１２を区画する隔壁１３の内周面に
はセラミック濾過膜１０ｂが存在せず、かつ、各流通路
１２の長手方向の各開口端部は目封部材１０ｄにて目封
じされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水、その他の液体
を濾過するためのモノリス形セラミックフィルタに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】セラミックフィルタの一形式として、特
公平６−１６８１９号公報、特開平６−８６９１８号公
報、特開平６−９９０３９号公報等に示されているよう
に、互いに並列して長手方向に延びる多数の流通路を有
する多孔質のセラミック支持体の各流通路を区画する隔
壁の内周面に同セラミック支持体の細孔径より小さい平
均細孔径の多孔質のセラミック濾過膜を備え、一端側か
ら前記各流通路に供給される被処理液体の一部を前記セ
ラミック濾過膜を透過して前記隔壁内に侵入させ、侵入
した濾液を同隔壁内を通して前記セラミック支持体の外
部へ流出させるモノリス形セラミックフィルタがある。

【０００３】当該形式のモノリス形セラミックフィルタ
は、高分離性能、高強度、高耐食性、薬液洗浄に対する
高安定性、長寿命等という特性を有することから、合成
樹脂等の有機濾過膜を主体とする有機膜フィルタに比較
して優れたフィルタであるとして注目されている。

【０００４】その一例として、当該形式のモノリス形セ
ラミックフィルタを大型化して濾過面積を高めて、上水
処理等大量の水、その他の大量の液体（被処理液体）の
処理に使用する試みがなされている。しかしながら、当
該形式のモノリス形セラミックフィルタを大型化する場
合、フィルタを大型化するほどその内部の流動抵抗が大
きくなって、透水性等、被処理液体の透過性が低下し、
単位濾過面積当たりの被処理液体の透過性能が低下する
という問題があり、フィルタの濾過能力を高めるべくフ
ィルタを大型化することは、その効果はさほど期待し得
ない。

【０００５】これに対処すべく、上記した各公報のう
ち、特公平６−１６８１９号公報（第１の公報）にて提
案されているセラミックフィルタにおいては、セラミッ
ク支持体の外周から中心部に延びる複数のスロットを設
けるとともに、スロットが貫通する各流通路の各開口端
部を目封じする手段が採られている。

【０００６】また、特開平６−８６９１８号公報（第２
の公報）にて提案されているセラミックフィルタにおい
ては、セラミック支持体に、隔壁と一体で同隔壁より厚
い壁部をセラミック支持体内に貫通して設けて、同壁部
を流動抵抗緩和部に形成する手段が採られている。

【０００７】また、特開平６−９９０３９号公報（第３
の公報）に提案されているセラミックフィルタにおいて
は、セラミック支持体の外周から中心部に延びる複数の
溝部または凹部を設けるとともに、溝部または凹部が貫
通する各流通路の各開口端部を目封じする手段が採られ
ている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、当該形式の
セラミックフィルタにおいては、その基体であるセラミ
ック支持体は一般には押出し成形された後に焼成される
が、成形時には変形し易くて特殊な構造のセラミック支
持体を成形することが困難であり、かつ、成形・焼成さ
れたセラミック支持体は脆くて硬いため、セラミック支
持体を特殊な構造に機械加工することは困難であるとと
もに、機械加工の際に損傷し易くて加工傷による強度の
低下が大きい。

【０００９】従って、上記した第１の公報および第３の
公報にて提案されているセラミックフィルタのごとく、
セラミック支持体の外周から中心部に延びる複数のスロ
ットや、複数の溝部または凹部を設けることは成形上お
よび機械加工上困難であり、かつ、加工傷に起因して強
度低下が大きいという問題がある。また、上記した第２
の公報にて提案されているセラミックフィルタのごと
く、セラミック支持体に隔壁と一体で同隔壁より厚い壁
部をセラミック支持体内に貫通して設けて流動抵抗緩和
部を形成することは、押出成形に使用する金型ノズルを
選定することにより加工上の問題は少ないが、流動抵抗
緩和部が存在する分だけ濾過面積が減少するとともに、
濾過面積が減少する割には流動抵抗が緩和する効果は小
さいという問題がある。

【００１０】従って、本発明の目的は、これらの問題に
対処すべくなされたもので、機械加工を施すことを要せ
ずに流動抵抗の小さいセラミックフィルタを構成して、
強度が高く、透過性能に優れた濾過効率の高いセラミッ
クフィルタを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、モノリス形セ
ラミックフィルタに関するもので、詳しくは、互いに並
列して長手方向に延びる多数の流通路を有する多孔質の
セラミック支持体の各流通路を区画する隔壁の内周面に
同セラミック支持体の細孔径より小さい細孔径の多孔質
のセラミック濾過膜を備え、一端側または両端側から前
記各流通路に供給される被処理液体の一部を前記セラミ
ック濾過膜を透過して前記隔壁内に侵入させ、侵入した
濾液を同隔壁内を通して前記セラミック支持体の外部へ
流出させるモノリス形セラミックフィルタを適用対象と
するものである。

【００１２】しかして、本発明に係るセラミックフィル
タは、前記各流通路のうち前記セラミック支持体の外周
に向かって直線状または屈折状に並列する少なくとも一
群列を構成する各流通路を区画する隔壁の内周面には前
記セラミック濾過膜が存在せず、かつ、これら各流通路
の長手方向の各開口端部は前記セラミック濾過膜の細孔
径と同等またはこれより小さい細孔径の目封部材にて目
封じされていることを特徴とするものである。本発明に
係るモノリス形セラミックフィルタにおいては、上記し
た構成を基本構成として、下記のごとき種々の形態を採
ることができる。

【００１３】前記一群列を構成する各流通路を区画す
る隔壁の数を、他の群列を構成する各流通路を区画する
隔壁の数に比較して少なく構成すること、または、前記
一群列を構成する各流通路の少なくとも１流通路を、並
列する方向の幅が他の群列を構成する各流通路の同方向
の幅より大きく形成すること。

【００１４】前記一群列を構成する各流通路を、他の
群列を構成する各流通路とは異なる形状に形成するこ
と、または、前記一群列を構成する各流通路の並列する
方向の隔壁を、他の群列を構成する各流通路の同方向の
隔壁より厚く形成すること。

【００１５】前記一群列を構成する各流通路の最外側
の流通路の外壁を、他の群列を構成する各流通路の最外
側の流通路の外壁より薄く形成すること、または、前記
一群列を構成する各流通路の各隔壁を並列する方向に傾
斜状に形成すること。

【００１６】前記一群列を構成する各流通路の最外側
の流通路の外壁を、前記セラミック支持体の外周壁に設
けた開口部を目封じた目封部材にて形成し、同目封部材
を前記外周壁の細孔径より大きい細孔径を有する構成と
すること、または、前記一群列を構成する各流通路の開
口幅を、セラミック支持体の外周方向に順次大きく形成
すること。

【００１７】前記一群列を複数列形成すること、また
は、前記各一群列の少なくとも２つの列を前記セラミッ
ク支持体内にて交差して形成すること。

【００１８】前記セラミック支持体内に中空部を形成
して、同中空部に前記一群列を連結させること、また
は、前記一群列を構成する各流通路の並列する方向の隔
壁を、他の群列を構成する各流通路の同方向の隔壁より
薄く構成すること。

【００１９】なお、本発明において、「小さい細孔径」
なる文言は、最大細孔径が比較対象とするセラミック構
成部材の最大細孔経より小さいこと、および、平均細孔
径が同セラミック構成部材の平均細孔経より小さいこと
の両者を意味する。

【００２０】

【発明の作用・効果】かかる構成のモノリス形セラミッ
クフィルタにおいては、各流通路のうちセラミック支持
体の外周に向かって直線状または屈折状に並列する少な
くとも一群列を構成する各流通路を区画する隔壁の内周
面にはセラミック濾過膜が存在せず、これら各流通路お
よび各隔壁は一体となって並列方向に延びる流動抵抗緩
和部を構成する。また、これら各流通路の長手方向の各
開口端部は目封じされているため、セラミックフィルタ
の先端部側に供給される被処理液体はこれら各流通路に
は流入しない。

【００２１】このため、流動抵抗緩和部を構成する各流
通路には、隣合う各流通路からセラミック濾過膜を透過
して隔壁内に侵入した濾液が容易に流入し、各流通路に
侵入した濾液は当該流動抵抗緩和部を通して並列方向に
流動してセラミック支持体の外部に達し、セラミックフ
ィルタの外部へ流出する。

【００２２】ところで、当該セラミックフィルタにおい
ては、各流通路を区画する隔壁の内周面にセラミック濾
過膜を形成する手段として、濾過膜形成用のセラミック
泥漿を注入して付着する手段が採られるが、濾過膜を形
成する際に、流動抵抗緩和部を構成する流通路となる各
流通路へのセラミック泥漿の注入をしなければ、これら
各流通路を区画する隔壁の内周面にはセラミック濾過膜
は形成されない。

【００２３】従って、当該セラミックフィルタにおいて
は、当該流動抵抗緩和部を機械加工を施すことなく形成
することができ、機械加工による加工傷に起因する強度
低下や、スロット、溝部、凹部に起因する強度低下がな
く、強度が高く、かつ透過性能に優れた濾過効率の高い
特性のセラミックフィルタとなる。

【００２４】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図１には本発明に係るセラミックフィルタの
第１の例が模式的に示されている。当該セラミックフィ
ルタは、上水処理等大量の水を処理する大型のものであ
る。

【００２５】当該セラミックフィルタは、図１および図
２に示すように、多孔質のセラミック支持体１０ａと、
セラミック濾過膜１０ｂと、目封部材１０ｃとからなる
もので、主体部であるセラミック支持体１０ａは、セラ
ミックの粉末に有機バインダー、無機結合剤、水等を添
加して混練して調製したはい土を用いて押出成形して、
得られた成形体を乾燥、焼成して形成されている。

【００２６】セラミック支持体１０ａは円柱状のもの
で、互いに並列して長手方向に延びる多数の貫通孔を備
え、各貫通孔は正方形を呈していて被処理水の流通路を
構成する。セラミック支持体１０ａは、直径２００ｍ
ｍ、長さ１０００ｍｍ、貫通孔の一辺４ｍｍ、各貫通孔
を区画する隔壁の厚み２ｍｍ、平均細孔径１０μｍのも
のであり、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディライ
ト、炭化ケイ素、窒化ケイ素等、適宜のセラミック粉末
を素材としている。

【００２７】セラミック濾過膜１０ｂは、各貫通孔のう
ち特定の部位に位置する多数の貫通孔を除く全ての貫通
孔を区画する隔壁の内周面に形成されているもので、各
貫通孔を被処理水の流通路に形成している。セラミック
濾過膜１０ｂは、厚み１００μｍ、平均細孔径０．１μ
ｍのもので、セラミック粉末に有機バインダー、水等を
添加して混合して調製したスリップをセラミック支持体
１０ａの所定の各貫通孔に注入し、各貫通孔の内周面に
スリップ中のセラミック成分を付着させて、その後乾
燥、焼成して形成されている。セラミック濾過膜１０ｂ
の素材は、セラミック支持体１０ａの素材と同様のもの
が採用される。

【００２８】なお、セラミック支持体１０ａの各貫通孔
の内周面には、必要により、各隔壁とセラミック濾過膜
１０ｂの中間の平均細孔径を有するセラミック中間層を
介在させることができ、これにより、セラミック支持体
１０ａの隔壁の内周面へのセラミック濾過膜１０ｂの形
成性を向上させることができる。

【００２９】また、当該セラミックフィルタにおいて
は、セラミック支持体１０ａについては、貫通孔が正方
形、長方形、多角形、円形等の適宜の形状、大きさで、
適宜の長さ、適宜の隔壁の厚みとすることができ、か
つ、平均細孔径は０．１μｍ〜数１００μｍの範囲の適
宜の値を選定できる。セラミック濾過膜１０ｂについて
も同様であり、適宜の厚みで、平均細孔径は数１０Å〜
数１０μｍの範囲の適宜の値を選定できる。

【００３０】目封部材１０ｃは、各流通路のうちの並列
する特定の一群列を構成する各流通路の各開口端部を液
密的に閉塞するもので、セラミック支持体１０ａと同様
のセラミック材料の上にセラミック濾過膜１０ｂと同様
のセラミック材料をコートしたものからなり、但し、セ
ラミック濾過膜１０ｂと同等またはこれより小さい細孔
径を有するものであり、濾液が漏洩しないこととが肝要
である。

【００３１】しかして、当該セラミックフィルタにおい
ては、各流通路は、流通路を区画する隔壁の内周面にセ
ラミック濾過膜１０ｂが形成されている流通路（第１流
通路１１という）と、隔壁の内周面にセラミック濾過膜
１０ｂが形成されていない流通路（第２流通路１２とい
う）の２種類が存在しており、第２流通路１２は、図１
および図２に示す各流通路の縦方向の直列する所定段毎
に位置して、水平方向に並列する流通路の複数の一群列
１０ｄを構成している。これらの一群列１０ｄは互いに
並列して横方向に延びて、セラミックフィルタの外周
（セラミック支持体１０ａの外周）に達している。

【００３２】一群列１０ｄを構成する各第２流通路１２
には、その内周面にセラミック濾過膜１０ｂが存在して
いないことから、各第１流通路１１のセラミック濾過膜
１０ｂを透過して隔壁１３内に侵入した濾液は各第２流
通路１２に流入し易く、かつ、隣合う各第２流通路１２
間の隔壁１３内への流動も容易である。従って、各第２
流通路１２が構成する一群列１０ｄは流動抵抗緩和部を
構成する。当該流動抵抗緩和部は、空洞状態の多数の第
２流通路１２を構成部としていることから、隔壁１３内
に比較して流動抵抗が著しく低い。

【００３３】かかる構成のモノリス形セラミックフィル
タにおいては、図１に示すように、被処理水が先端側に
供給されて後端側へ流出され、この間、被処理水の一部
はセラミック濾過膜１０ｂを透過して隔壁１３内に侵入
し、セラミック支持体１０ａの外周から濾液として流出
する。

【００３４】しかして、当該モノリス形セラミックフィ
ルタにおいては、各第２流通路１２が構成する複数の一
群列１０ｄが流動抵抗緩和部を構成し、かつ、これら各
第２流通路１２の長手方向の各開口端部は目封部材１０
ｃにより目封じされて閉塞されているため、セラミック
フィルタの先端部側に供給される被処理水はこれら各第
２流通路１２には流入しない。

【００３５】このため、流動抵抗緩和部を構成する各第
２流通路１２には、図２に矢印で模式的に示すように、
隣合う各第１流通路１１からセラミック濾過膜１０ｂを
透過して隔壁１３内に侵入した濾液が容易に流入し、各
第２流通路１２に侵入した濾液は並列する第２流通路１
２に隔壁１３を介して順次流動してセラミックフィルタ
（セラミック支持体１０ａ）の外部に達し、セラミック
フィルタの外部から流出する。

【００３６】ところで、当該セラミックフィルタにおい
ては、各流通路を区画する隔壁１３の内周面にセラミッ
ク濾過膜１０ｂを形成する手段として、濾過膜形成用の
セラミックのスリップを各貫通孔に注入してその壁面に
付着させる手段が採られるが、セラミック濾過膜１０ｂ
を形成する際に、流動抵抗緩和部を構成する各第２流通
路１２となる各貫通孔へのスリップの注入をしなけれ
ば、これら各第２流通路１２を区画する隔壁１３の内周
面にはセラミック濾過膜１０ｂは形成されない。

【００３７】従って、当該セラミックフィルタにおいて
は、当該流動抵抗緩和部を機械加工を施すことなく形成
することができ、機械加工による加工傷に起因する強度
低下や、スロット、溝部、凹部に起因する強度低下がな
く、強度が高くかつ透過性能に優れた濾過効率の高い特
性のセラミックフィルタとなる。

【００３８】図３には、本発明に係るセラミックフィル
タの第２の例が示されている。当該セラミックフィルタ
においては、一群列１０ｄを構成する各第２流通路１２
は左右の幅が各第１流通路１１に比較して広く形成され
ていて、各第２流通路１２を区画する隔壁１３の数は、
他の群列を構成する各第１流通路１１を区画する隔壁１
３の数に比較して少なく構成されている。

【００３９】当該セラミックフィルタにおいては、第２
流通路１２は、２つの第１流通路１１とこれらを区画す
る１つの隔壁１３とを合体した大きさに形成されてい
て、これらの幅広の第２流通路１２と各隔壁１３とによ
り、上下方向にて横方向に並列して延びる複数の流動抵
抗緩和部を構成している。

【００４０】なお、当該セラミックフィルタにおいて
は、各流動抵抗緩和部間で第２流通路１２の幅が異なる
ように構成にし、また、一流動抵抗緩和部内で各第２流
通路１２の幅が異なるように構成することができる。ま
た、各第２流通路１２にて構成される一群列１０ｄを、
図４に示すように、セラミック支持体１０ａ内に交差状
に存在するように構成することができる。

【００４１】図５〜図７には、本発明に係るセラミック
フィルタの第３の例が示されている。当該セラミックフ
ィルタにおいては、セラミック支持体１０ａ内の中央部
に円柱状の中空部１４（図５）、四角柱状の中空部１４
（図６）、細溝状の中空部１４（図７）が形成されてい
るもので、中空部１４に横方向に延びる各第２流通路１
２にて構成される一群列１０ｄ、および／または縦方向
に延びる一群列１０ｄが連通している。

【００４２】当該セラミックフィルタにおいて、中空部
１４の内周面にはセラミック濾過膜１０ｂは存在せず、
また、中空部１４の各先端部は濾液の漏洩を防止する目
封部材で閉塞されている。これにより、当該セラミック
フィルタにおいては、中空部１４を中心として放射状に
複数本延びる流動抵抗緩和部が構成されている。

【００４３】図８には、本発明に係るセラミックフィル
タの第４の例が示されている。当該セラミックフィルタ
においては、第１流通路１１の断面形状と第２流通路１
２の断面形状とが異なるもので、同図（ａ），（ｂ）は
六角形の第１流通路１１に対して第２流通路１２の形状
が変形されている例を示しており、また、同図（ｃ），
（ｄ）は正方形の第１流通路１１に対して第２流通路１
２の形状が変形されている例を示している。但し、同図
（ｄ）は、各第２流通路１２の並列する方向に延びる隔
壁１３が厚く形成されていて、一群列の部位の補強が図
られている例である。

【００４４】なお、当該セラミックフィルタにおいて
は、各第２流通路１２を並列方向に漸次幅広となる形状
として、一群列１０ｄの流動抵抗をセラミック支持体１
０ａの外周側に漸次低下するように構成することもでき
る。

【００４５】図９には、本発明に係るセラミックフィル
タの第５の例が示されている。当該セラミックフィルタ
においては、各第２流通路１２を区画する隔壁１３の形
状を異にするもので、同図（ａ），（ｂ）は各第２流通
路１２を区画する隔壁１３の厚みを異にする例を示し、
同図（ｃ）は隔壁１３を傾斜状に形成してその面積を大
きくした例を示している。

【００４６】図１０には、本発明に係るセラミックフィ
ルタの第６の例が示されている。当該セラミックフィル
タにおいては、一群列１０ｄを構成する最外側の第２流
通路１２の外壁を異にするもので、同図（ａ）はセラミ
ック支持体１０ａの外周壁の一部１１ａを肉薄に形成し
て流動抵抗の低減を図った例を示し、同図（ｂ）はセラ
ミック支持体１０ａの外周壁の一部１１ａを切欠いて、
その切欠部を低抵抗の目封部材１１ｂで閉塞して流動抵
抗の低減を図った例を示している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るセラミックフィルタの第１の例を
示す斜視図である。

【図２】同セラミックフィルタの部分拡大断面図であ
る。

【図３】本発明に係るセラミックフィルタの第２の例を
示す縦断面図である。

【図４】同セラミックフィルタの変形例を示す縦断面図
である。

【図５】本発明に係るセラミックフィルタの第３の例を
示す縦断面図である。

【図６】同セラミックフィルタの第１の変形例を示す縦
断面図である。

【図７】同セラミックフィルタの第２の変形例を示す縦
断面図である。

【図８】本発明に係るセラミックフィルタの第４の例を
示す部分縦断面図（ａ）、その第１の変形例を示す部分
縦断面図（ｂ）、その第２の変形例を示す部分縦断面図
（ｃ）、およびその第３の変形例を示す部分縦断面図
（ｄ）である。

【図９】本発明に係るセラミックフィルタの第５の例を
示す部分縦断面図（ａ）、その第１の変形例を示す部分
縦断面図（ｂ）、およびその第２の変形例を示す部分縦
断面図（ｃ）である。

【図１０】本発明に係るセラミックフィルタの第６の例
を示す部分縦断面図（ａ）、およびその第１の変形例を
示す部分縦断面図（ｂ）である。

【符号の説明】

１０ａ…セラミック支持体、１０ｂ…セラミック濾過
膜、１０ｃ…目封部材、１０ｄ…一群列、１１…第１流
通路、１２…第２流通路、１３…隔壁、１４…中空部、
１１ａ…外周壁の一部、１１ｂ…目封部材。

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに並列して長手方向に延びる多数の流
   通路を有する多孔質のセラミック支持体の各流通路を区
   画する隔壁の内周面に同セラミック支持体の細孔径より
   小さい細孔径の多孔質のセラミック濾過膜を備え、一端
   側または両端側から前記各流通路に供給される被処理液
   体の一部を前記セラミック濾過膜を透過して前記隔壁内
   に侵入させ、侵入した濾液を同隔壁内を通して前記セラ
   ミック支持体の外部へ流出させるモノリス形セラミック
   フィルタであり、前記各流通路のうち前記セラミック支
   持体の外周に向かって直線状または屈折状に並列する少
   なくとも一群列を構成する各流通路を区画する隔壁の内
   周面には前記セラミック濾過膜が存在せず、かつ、これ
   ら各流通路の長手方向の各開口端部は前記セラミック濾
   過膜の細孔径と同等またはこれより小さい細孔径の目封
   部材にて目封じされていることを特徴とするモノリス形
   セラミックフィルタ。
2. 【請求項２】請求項１に記載のモノリス形セラミックフ
   ィルタにおいて、前記一群列を構成する各流通路を区画
   する隔壁の数は、他の群列を構成する各流通路を区画す
   る隔壁の数に比較して少ないことを特徴とするモノリス
   形セラミックフィルタ。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載のモノリス形セラ
   ミックフィルタにおいて、前記一群列を構成する各流通
   路の少なくとも１流通路は、並列する方向の幅が他の群
   列を構成する各流通路の同方向の幅より大きいことを特
   徴とするモノリス形セラミックフィルタ。
4. 【請求項４】請求項１，２または３に記載のモノリス形
   セラミックフィルタにおいて、前記一群列を構成する各
   流通路は、他の群列を構成する各流通路とは形状を異に
   していることを特徴とするモノリス形セラミックフィル
   タ。
5. 【請求項５】請求項１，２，３または４に記載のモノリ
   ス形セラミックフィルタにおいて、前記一群列を構成す
   る各流通路の並列する方向の隔壁は、他の群列を構成す
   る各流通路の同方向の隔壁より厚いことを特徴とするモ
   ノリス形セラミックフィルタ。
6. 【請求項６】請求項１，２，３，４または５に記載のモ
   ノリス形セラミックフィルタにおいて、前記一群列を構
   成する各流通路の最外側の流通路の外壁は、他の群列を
   構成する各流通路の最外側の流通路の外壁より薄いこと
   を特徴とするモノリス形セラミックフィルタ。
7. 【請求項７】請求項１，２，３，４，５または６に記載
   のモノリス形セラミックフィルタにおいて、前記一群列
   を構成する各流通路の各隔壁は並列する方向に傾斜して
   いることを特徴とするモノリス形セラミックフィルタ。
8. 【請求項８】請求項１，２，３，４，５，６または７に
   記載のモノリス形セラミックフィルタにおいて、前記一
   群列を構成する各流通路の最外側の流通路の外壁は、前
   記セラミック支持体の外周壁に設けた開口部を目封じた
   目封部材にて形成され、同目封部材は前記外周壁の細孔
   径より大きい細孔径を有していることを特徴とするモノ
   リス形セラミックフィルタ。
9. 【請求項９】請求項１，２，３，４，５，６，７または
   ８に記載のモノリス形セラミックフィルタにおいて、前
   記一群列を構成する各流通路の開口幅は前記セラミック
   支持体の外周方向に順次大きくなっていることを特徴と
   するモノリス形セラミックフィルタ。
10. 【請求項１０】請求項１，２，３，４，５，６，７，８
    または９に記載のモノリス形セラミックフィルタにおい
    て、前記一群列は複数列存在していることを特徴とする
    モノリス形セラミックフィルタ。
11. 【請求項１１】請求項１０に記載のモノリス形セラミッ
    クフィルタにおいて、前記各一群列の少なくとも２つの
    列は前記セラミック支持体内にて交差していることを特
    徴とするモノリス形セラミックフィルタ。
12. 【請求項１２】請求項１，２，３，４，５，６，７，
    ８、９，１０または１１に記載のモノリス形セラミック
    フィルタにおいて、前記セラミック支持体内には中空部
    が存在していて、同中空部に前記一群列が連結している
    ことを特徴とするモノリス形セラミックフィルタ。
13. 【請求項１３】請求項１，２，３，５、６，７，８，
    ９，１０，１１または１２に記載のモノリス形セラミッ
    クフィルタにおいて、前記一群列を構成する各流通路の
    並列する方向の隔壁は、他の群列を構成する各流通路の
    同方向の隔壁より薄いことを特徴とするモノリス形セラ
    ミックフィルタ。