JP2001259326A - ハニカムフィルタ - Google Patents

ハニカムフィルタ

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JP2001259326A
JP2001259326A JP2000082907A JP2000082907A JP2001259326A JP 2001259326 A JP2001259326 A JP 2001259326A JP 2000082907 A JP2000082907 A JP 2000082907A JP 2000082907 A JP2000082907 A JP 2000082907A JP 2001259326 A JP2001259326 A JP 2001259326A
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filter
cell
flow resistance
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filtration
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Application number
JP2000082907A
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English (en)
Inventor
Yasuo Akitsu
康男 秋津
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過残渣等によりフィルタ内のセルが不均一
に閉塞することを防止でき、かつ、各セルに均等な逆洗
浄圧力を付与することが可能なハニカムフィルタを提供
する。 【解決手段】 多数のセルを有するハニカム構造の多孔
体を基材とし、セルの内周面に、多孔体の細孔に比して
細孔径が小さい濾過膜を少なくとも1層備えたハニカム
フィルタである。式(1)によって規定するフィルタ内
の各セルの流動抵抗指数λのうち、最小値λminと最大
値λmaxとの比率を1:1〜1:50の範囲内とする。 λ=(λC×TC/LC)+[(λB×LB/TB)×(LB/P)/2] +[(λB×LD/TB)×(LB/P) ] …(1) (但し、λ:対象セルの流動抵抗指数、λC:濾過膜の
基礎抵抗、TC:濾過膜の膜厚、LC:濾過膜の内周長
さ、λB:基材の基礎抵抗、LB:対象セルから外部空間
までの最短道のり、TB:基材のリブ厚、P:フィルタ
のセル形成ピッチ、LD:基材の外壁部厚み)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は多数のセルを有す
るハニカム構造の多孔体を基材とするハニカムフィルタ
に関し、詳しくは濾過残渣等によりフィルタ内のセルが
不均一に閉塞し難く、かつ、均一な逆洗浄が可能なハニ
カムフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】 ハニカムフィルタは、例えば図1に示
すような多数のセル23を有するハニカム構造の多孔体
を基材22とするフィルタであり、多数のセル23に供
給されたガス、液体等の被処理流体が多孔体の細孔を透
過する際に濾過が行われるため、単位体積あたりの濾過
面積が大きい集塵フィルタ、固液分離フィルタとして利
用されている。
【0003】 ハニカムフィルタは、基材となる多孔体
のみを濾材とすることも可能であるが、セル23の内周
面に、基材の細孔に比して更に細孔径が小さい濾過膜
(0.01〜10μm程度)を少なくとも1層備えるこ
とが一般的である。このような構造では基材の細孔径を
比較的大きく(1〜数100μm程度)形成することが
できるため、流体の透過量(処理能力)を確保しつつ濾
過性能を向上させることが可能となる。
【0004】 近年においては、処理能力の更なる向上
を目的としてハニカムフィルタを大型化し、セル数を増
加させることにより、濾過面積を増大させることが試み
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、フィ
ルタを大型化し、セル数を増加させた場合には、各セル
の濾過残渣の付着量が不均一となり、一部のセルのみが
閉塞したり、或いは逆洗圧が均一に作用しないという問
題が生じていた。これは、濾過された流体が基材の細孔
内を延々と移動した後、外部空間に流出するというハニ
カムフィルタの構造に起因するものである。
【0006】 即ち、大型のフィルタでは基材中心部の
セルから外部空間までの距離と基材外周部のセルから外
部空間までの距離、ひいては濾過された流体が移動する
際の流動抵抗が極端に異なるため、流動抵抗の小さい基
材外周部のセルは頻繁に濾過に使用される一方、流動抵
抗が大きい基材中心部のセルは殆ど濾過に使用されな
い。
【0007】 上記の場合には、頻繁に使用される外周
部近傍のセルには粉塵や濾過残渣が堆積し易いため、短
期間にセルが閉塞し、フィルタの能力が低下するという
問題がある。一方、セルに一定量以上の濾過残渣が堆積
した場合には、外部空間側からセル側に(即ち濾過時と
は逆方向に)流体を圧入する逆洗浄を行うが、この場合
においても圧力がかかり難い基材中心部のセルが洗浄で
きず、閉塞し易くなるという問題を生ずる。これらの問
題が生じた場合には、フィルタ内の全てのセルを有効に
活用することができず、濾過面積の増加に比例した処理
能力を発揮させることが困難となる点において好ましく
ない。
【0008】 本発明は、このような従来技術の問題点
に鑑みてなされたものであって、濾過残渣等によりフィ
ルタ内のセルが不均一に閉塞することを防止でき、か
つ、各セルに均等な逆洗浄圧力を付与することが可能な
ハニカムフィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明者らが鋭意検討
した結果、被処理流体が各セルから外部空間に流出する
までの流動抵抗を均一化することにより、従来技術の問
題点を解決できることに想到して本発明を完成した。
【0010】 即ち、本発明によれば、多数のセルを有
するハニカム構造の多孔体を基材とし、前記セルの内周
面に、前記多孔体の細孔に比して細孔径が小さい濾過膜
を少なくとも1層備えたハニカムフィルタであって、下
記式(1)によって規定するフィルタ内の各セルの流動
抵抗指数λのうち、最小値λminと最大値λmaxとの比率
を1:1〜1:50の範囲内としたことを特徴とするハ
ニカムフィルタが提供される。 λ=(λC×TC/LC)+[(λB×LB/TB)×(LB/P)/2] +[(λB×LD/TB)×(LB/P) ] …(1) (但し、λ:対象セルの流動抵抗指数((Hr・m)・M
Pa/m3)、λC:濾過膜の基礎抵抗((Hr・m)・M
Pa/m3)、TC:濾過膜の膜厚(m)、LC:濾過膜
の内周長さ(m)、λB:基材の基礎抵抗((Hr・m)
・MPa/m3)、LB:対象セルから外部空間までの最
短道のり(m)、TB:基材のリブ厚(m)、P:フィ
ルタのセル形成ピッチ(m)、LD:基材の外壁部厚み
(m))
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明のハニカムフィルタは、
被処理流体が各セルから外部空間に流出するまでの流動
抵抗を均一化したことを特徴とする。このようなフィル
タは、濾過残渣等によりフィルタ内のセルが不均一に閉
塞することを防止でき、かつ、各セルに均等な逆洗浄圧
力を付与することが可能である。以下、本発明のハニカ
ムフィルタについて詳細に説明する。
【0012】(1)流動抵抗の評価指標本発明のハニカ
ムフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)は、被
処理流体がフィルタ内の各セルから外部空間に流出する
までの流動抵抗を均一化することにより、セルの不均一
な閉塞や、逆洗浄圧力の不均衡を防止するものであるた
め、前記流動抵抗を簡便に評価する指標が必要となる。
本発明においては、下記式(1)によって規定する各セ
ルの流動抵抗指数λをその評価指標としている。 λ=(λC×TC/LC)+[(λB×LB/TB)×(LB/P)/2] +[(λB×LD/TB)×(LB/P) ] …(1) (但し、λ:対象セルの流動抵抗指数((Hr・m)・M
Pa/m3)、λC:濾過膜の基礎抵抗((Hr・m)・M
Pa/m3)、TC:濾過膜の膜厚(m)、LC:濾過膜
の内周長さ(m)、λB:基材の基礎抵抗((Hr・m)
・MPa/m3)、LB:対象セルから外部空間までの最
短道のり(m)、TB:基材のリブ厚(m)、P:フィ
ルタのセル形成ピッチ(m)、LD:基材の外壁部厚み
(m))
【0013】 本発明のフィルタは、フィルタに使用す
る濾過膜、或いは基材のサンプルを利用して実測した流
動抵抗を当該濾過膜、或いは当該基材の基本的な流動抵
抗特性を示す値(以下「基礎抵抗」という。)とし、当
該基礎抵抗と、フィルタの構造(例えば濾過膜の膜厚、
基材のリブ厚、フィルタのセル形成ピッチ等)とによっ
て定まる、各セルの流動抵抗指数λを均一化したもので
ある。
【0014】基礎抵抗の測定 基材の基礎抵抗λBは、以下の方法により測定すること
ができる。まず、フィルタに使用する基材を平板状に加
工した基材サンプルを作製する。次いで、差圧ΔP2
条件下、実際の濾過温度において基材サンプルに被処理
流体を透過させ、単位面積、単位時間あたりの透過量Q
2を測定する。実際の濾過温度と異なる温度で透過量を
測定しても良いが、この場合には温度による流体の粘度
変化を考慮して透過量を補正する必要がある。即ち、実
際の濾過温度と測定温度における粘度比率で透過量を補
正することが必要である。
【0015】 上記の場合においては、サンプル厚さT
2が基材内の流体の移動距離となり、流動抵抗は差圧Δ
2を透過量Q2で割った値と規定できる。即ち、単位移
動距離あたりの流動抵抗である基礎抵抗λBは下記式
(2)により算出することが可能である。 λB=(ΔP2/Q2)/T2 …(2)
【0016】 濾過膜の基礎抵抗λCについても、予め
その基礎抵抗λBを算出した基材サンプル表面に当該濾
過膜を製膜したフィルタサンプルを作製し、同様の測定
を行うことにより算出することができる。
【0017】 フィルタサンプルの流動抵抗指数λF
下記式(3)に示すように、基材の基礎抵抗λBと濾過
膜の基礎抵抗λCの和であるから、フィルタサンプルの
うち濾過膜部分の厚さがT1、差圧ΔPにおけるフィル
タサンプルの透過量がQとすれば、λFは下記式(4)
により算出できる。即ち、λCは下記式(5)により算
出することが可能である。なお、濾過膜が複層の場合
(即ち1層以上の中間層を備える場合)にも同様にして
濾過膜の基礎抵抗λCを測定することができる。 λF=λB+λC …(3) λF=(ΔP/Q)/(T1+T2) …(4) λC=(ΔP/Q)/(T1+T2)−λB …(5)
【0018】 フィルタの各セルに供給された被処理流
体は、セル内部からセル内周面の濾過膜を透過し、次い
で基材のセル形成部及び外壁部の細孔を透過することに
より外部空間に流出する。従って、各セルの流動抵抗指
数λは、下記式(6)に示すように濾過膜部分の流動抵
抗指数λ1、基材のセル形成部の流動抵抗指数λ2、及び
基材の外壁部の流動抵抗指数λ3の和と考えられる。 λ= λ1+λ2+λ3 …(6)
【0019】濾過膜部分の流動抵抗指数 濾過膜部分の流動抵抗指数λ1は、流体の移動距離とな
る濾過膜の膜厚TCに比例して大きくなり、逆に対象セ
ルの単位長さあたりの濾過面積に反比例して小さくなる
はずである。ここで、セルの単位長さあたりの濾過面積
は濾過膜の内周長さLCに相当するから、濾過膜部分の
流動抵抗指数λ1は、単位面積、単位移動距離あたりの
流動抵抗である濾過膜の基礎抵抗λCとの間で下記式
(7)の関係を有する。 λ1=λC×TC/LC …(7)
【0020】基材のセル形成部の流動抵抗指数 基材のセル形成部(基材のうち最外周セルを含む中心側
の部分)の流動抵抗指数λ2は、濾過流体が対象セルか
ら外部空間に流出するまでに基材細孔内を移動した距離
に比例して大きくなり、逆に濾過流体の移動路の大きさ
に相当する基材のリブ部分の断面積に反比例して小さく
なるはずである。
【0021】 ここで濾過流体は、実際には基材のリブ
(セル壁)に沿って移動するため、その移動距離は対象
セルから外部空間までの最短道のりLBである。また、
単位長さあたりにおける基材のリブ部分の断面積は、基
材のリブ厚TBに相当する。
【0022】 更に、基材のセル形成部の流動抵抗は、
対象セルより基材外周側にあるセルからの濾過流体が順
次合流することに伴って基材中心側のセルほど大きくな
ることを考慮する必要がある。流体が基材や濾過膜の細
孔内を流れる場合には、流速が充分に遅くその流れは層
流となっているため(レイノルズ層流範囲)、流体の量
に比例して流動抵抗は大きくなるからである。
【0023】 対象セルを含めてn個のセルからの濾過
流体が同じ道のりを使って外部空間に流出する場合にお
いて、第1区間から第n−1区間までの各セル間で濾過
流体が等量づつ増加すると仮定すると、対象セルが負担
すべき濾過流体の量は、1/(n−1)+2/(n−
1)…+(n−1)/(n−1)となり、n/2倍に増
加する。従って、本発明では対象セルの外部空間側に全
くセルがない場合と比較して、外部空間までに存在する
セル数nの1/2倍だけ対象セルの流動抵抗指数が増加
するものと近似している。
【0024】 ここで、フィルタにおいては、通常は一
定のピッチでセルが形成されるから、対象セルから外部
空間までに存在するセル数は対象セルから外部空間まで
の道のりLBをセル形成ピッチPで割った値と近似する
ことができる。従って、基材のセル形成部の流動抵抗指
数λ2は、単位面積、単位移動距離あたりの流動抵抗指
数である基材の基礎抵抗λBとの間で下記式(8)の関
係を有する。 λ2=(λB×LB/TB)×(LB/P)/2 …(8)
【0025】 なお、基材のリブ厚TBやセル形成ピッ
チPが一定でないフィルタ構造とする場合には、上記式
(8)においてリブ厚TB、セル形成ピッチPの平均値
を使用する。また、後述するスリットや通水路を有する
フィルタの場合には、濾過流体が、対象セルから外部空
間、即ち基材外周面まで全て基材の細孔を透過する流れ
と、対象セルから至近のスリット、通水路を使って外部
空間に流出する流れが並行して起こると仮定して、対象
セルから基材外周面までの最短道のりをLBをとした場
合のλ2aと、対象セルから至近のスリット、通水路まで
の道のりを最短道のりLBとした場合のλ2bを各々算出
し、下記式(9)に従って積算する。 1/λ2=1/λ2a+1/1/λ2b …(9)
【0026】基材の外壁部の流動抵抗 基材の外壁部(基材のうち最外周セルより更に外周側の
部分)が、基材のリブ厚と比較して厚いときは基材外壁
部の流動抵抗指数λ3を考慮する必要がある。基材の外
壁部の流動抵抗指数λ3は、対象セルからの濾過流体が
基材のセル形成部を透過した後、外壁部を透過して外部
空間に流出するまでの流動抵抗指数である。この外壁部
においては順次濾過流体が合流するセル形成部とは異な
り、対象セルから最外周セルまでの全てのセルからの濾
過流体の全てが収束し、その合計量が流れる事になる。
従って、対象セルの外部空間側に全くセルがない場合と
比較して、外部空間までに存在するセル数、即ちn倍だ
け対象セルの流動抵抗指数が増加するものと近似でき
る。
【0027】 また、基材外壁部にはリブが存在しない
が、リブ幅が延長して外部空間まで透過するものとして
仮定できるため、濾過流体の移動路の大きさはセル形成
部と同様に基材のリブ厚に反比例して小さくなるはずで
ある。従って、基材の外壁部の流動抵抗指数λ3は、基
材の基礎抵抗λBと外壁部厚みLD、及び基材のリブ厚T
Bとの間で下記式(10)の関係を有する。なお、外壁
部厚みLDが、セル形成ピッチPより大きい場合には、
下記式(10)においてリブ厚TBの代わりにはセル形
成ピッチPを使用する。 λ3=(λB×LD/TB)×(LB/P) …(10)
【0028】 上記式(6)のλ1、λ2、λ3に、上記
式(7)のλ1、上記式(8)のλ2、上記式(10)の
λ3を各々代入することにより、下記式(1)が導かれ
る。即ち、被処理流体が各セルから外部空間に流出する
までの流動抵抗指数λは下記式(1)によって規定する
ことができる。 λ=(λC×TC/LC)+[(λB×LB/TB)×(LB/P)/2] +[(λB×LD/TB)×(LB/P) ]…(1)
【0029】 本発明のフィルタは、上記のように算出
される各セル毎の流動抵抗指数λを均一化したものであ
る。このようなフィルタは、逆洗浄圧力が各セルに均等
にかかり、各セルの洗浄具合にバラツキが生じ難いた
め、基材中心部のセルが洗浄できず、閉塞し易くなると
いう事態を防止できる。
【0030】 各セルの流動抵抗指数のうち最小値λmi
nと最大値λmaxとの比率(以下「流動抵抗比」とい
う。)が1:1のとき、流動抵抗指数が完全に均一とな
り理想的であるが、このようなフィルタは事実上製造が
困難であり、また、逆洗条件や堆積物の剥離性により適
正な(許容される)流動抵抗比も異なる。従って、本発
明においては流動抵抗比が1:1〜1:50、即ち、セ
ル毎に見た流動抵抗指数の最大値λmaxが最小値λminの
50倍以内の範囲を流動抵抗指数が均一化されたものと
している。
【0031】 流動抵抗比が1:50というとかなり分
布が大きいように思えるが、λminを決定する基材中心
部を貫通するセル及びその近傍のセルはフィルタ全体か
ら見れば無視できる程度に濾過面積が小さい(例えば1
00mmφのフィルタにおける中心部10mmφの濾過
面積は全体の1/100にすぎない)。従って、1:5
0の範囲内であれば実用上は流動抵抗指数が均一化され
たといえる。
【0032】 流動抵抗比1:1〜1:50という値は
いずれのセル間でも満足する必要がある。但し、一般の
ハニカムフィルタにおいては、外部空間までの距離が最
も長い、基材中心部を貫通するセルの流動抵抗指数λが
最大値λmax、外部空間までの距離が最も短い基材最外
周部のセルの流動抵抗指数λが最小値λminをとるた
め、基材最外周部のセルの流動抵抗指数λが基材中心部
のセルの流動抵抗指数λの50倍以内とすればよい。
【0033】(2)流動抵抗指数と透過量との関係 ハニカムフィルタのように流体が基材や濾過膜の細孔内
を流れる場合には、流速が充分に遅くその流れは層流と
なっているため(レイノルズ層流範囲)、被処理流体が
各セルから外部空間に流出するまでの流動抵抗と、被処
理流体が各セルから外部空間に流出する透過量は反比例
の関係にある。従って、本発明のフィルタにおいては、
流動抵抗指数λの逆数である透過量指数Vにより透過量
を評価することが可能である。
【0034】 本発明のフィルタは流動抵抗指数が均一
化されているから、透過量指数Vについても、最小値V
minと最大値Vmaxとの比率が1:1〜1:50の範囲内
で均一化されていることになる。このようなフィルタで
は、透過量の少ない無効セルが少なく、粉塵や濾過残渣
が各セルに均一に付着するため、短期間に一部のセルが
閉塞しフィルタの能力を低下させることがない。従っ
て、逆洗浄の回数(頻度)を少なくし、逆洗浄圧力を低
く設定することもできる等、効率的な逆洗浄も可能とな
る。
【0035】(3)流動抵抗指数の均一化 既述の如く、一般のハニカムフィルタにおいては、基材
中心部を貫通するセルが流動抵抗指数λの最大値λmax
をとり、基材最外周部のセルが最小値λminをとる。従
って、基材外周側のセルの流動抵抗指数を増大させる
か、或いは基材中心側のセルの流動抵抗指数を減少させ
ることにより、フィルタ内の流動抵抗指数を均一化する
ことが可能である。
【0036】基材外周側のセルの流動抵抗指数の増大 基材外周側のセルの流動抵抗指数を増大させるために
は、例えば図2に示すように基材31外周側のセル32
ほど濾過膜33の膜厚TCを大きく構成する方法が挙げ
られる。この方法によれば、基材31外周側のセルの濾
過膜33部分の流動抵抗指数λ1が増大するため、フィ
ルタ内の流動抵抗指数が均一化される。
【0037】 ハニカムフィルタは、基材のセル内周面
に、セラミックからなる骨材粒子を含むスラリーを製膜
した後、当該製膜体を焼成することにより製造すること
ができるが、本出願人が特公昭63−66566号公報
に既に開示した濾過製膜法を利用して製膜を行うことに
より、基材外周側のセルほど濾過膜の膜厚TCを大きく
構成することが可能となる。
【0038】 濾過製膜法とは、基材となる多孔体でス
ラリーを濾過するように製膜を行う方法であり、例えば
以下に示す方法等により実施するものである。図3に示
すような、真空チャンバ6、貯蔵槽8、ポンプ7、フラ
ンジ2,3、配管10等からなる装置に対し、細孔内を
水などの液体で置換した基材1のセル内周面側と基材1
外周面側とをフランジ2,3,ボルト5で気密的に隔離
した状態で固定する。
【0039】 次いで、貯蔵槽8内のスラリー9をポン
プ7により基材1のセル内に連続的に送液してセル内周
面12に接触させながら、真空チャンバ6内を真空ポン
プ13により真空排気し、基材1外周面側を減圧状態と
する。このような操作により、基材1外周面側とセル内
周面12側との間に濾過差圧が付与されるため、基材1
のセル内周面12にはスラリーが製膜され、スラリー中
の水分は濾液として基材1外周面側から排出される。
【0040】 濾過成膜法においては、まず、流動抵抗
が小さい基材外周側セルから製膜されて行くが、製膜が
ある程度進行し、基材外周側セルの流動抵抗が増加して
くると順次基材中心側のセルが製膜されていき、最終的
に全てのセルが均一な膜厚で製膜される。従って、製膜
時間を短縮すれば、膜厚が均一化される前に製膜が中止
され、基材外周側のセルほど濾過膜の膜厚TCを大きく
構成することが可能となる。
【0041】 また、通常の濾過成膜法においては、製
膜用スラリーに粘稠性物質(例えばゼラチン、寒天、合
成樹脂等の有機高分子。以下「濾過抵抗剤」という。)
を添加して濾過の際の抵抗を大きくして、各セルの膜厚
を均一化することが行われる。本発明においては逆に濾
過抵抗剤の減量等により濾過の際の抵抗を小さくし、基
材外周側と基材中心側の膜厚の分布を大きくすればよ
い。製膜時の濾過差圧を大きくすることによってもこれ
と同様の効果を得ることができる。
【0042】基材中心側のセルの流動抵抗指数の減少 基材中心側のセルの流動抵抗指数を減少させるために
は、例えば図4(a),(b)に示すようにセル43の
一部を外部空間と連通するように破断してスリット44
を形成する方法が挙げられる。スリット44内は基材4
2の細孔と比較して極端に流動抵抗が小さいため、基材
42内部であっても外部空間と考えて良い。従って、こ
の方法によれば、対象セルから外部空間までの最短道の
りLBを短縮することができ、基材42中心側のセルの
基材部分の流動抵抗指数λ2が減少するため、フィルタ
41内の流動抵抗指数が均一化される。
【0043】 図4のフィルタ41は、例えば並列する
セルに沿ってセル43の一部をダイヤモンド砥石等で意
図的に破断し、外部空間と連通するスリット44を設
け、更に濾過流体が被処理流体に汚染されることを防止
するため、スリット44と連通するセルの基材42開口
端をガラス等からなる封止部材45で目封じすることに
より製造することができる。
【0044】 対象セルから外部空間までの最短道のり
Bを短縮する構造は、上記スリットに限定されるもの
ではなく、例えば通水路であっても良い。通水路とは、
フィルタ内の一部のセルに濾過膜を形成せず、かつ、当
該セルの開口端を目封じした構造をいう。通水路には被
処理液体は供給されず、他のセルで濾過された流体の流
通路となるため、基材の細孔内を透過するより小さい流
動抵抗で濾過流体を外部空間に流出させることが可能で
ある。但し、通水路の末端から外部空間までは基材細孔
内を透過することになるため、スリット構造と比較する
と効果は小さくなる。
【0045】1のセル内における流動抵抗指数の均一
化 以上、基材中心側のセルと基材外周側のセルとの流動抵
抗指数の均一化について説明したが、1のセル内部にお
いても流動抵抗指数が均一化されていることが好ましい
のは当然である。1のセル内部にあっても、濾過残渣等
の不均一な堆積や逆洗浄圧力の不均衡による不具合は生
じ得るからである。
【0046】 例えば、既述の濾過製膜法により、長尺
基材のセル内周面に製膜すると、図5(a)に示すよう
に、スラリー供給側末端ほど製膜が進行し易く、逆にス
ラリー排出側末端ほど製膜が進行し難いため、セル53
の長さ方向で濾過膜54の厚さが傾斜し、流動抵抗の不
均衡を生ずる場合が多い。このようにセル53の長さ方
向で濾過膜54の厚さが傾斜する場合には、図5(b)
に示すように濾過膜を複層54a,54bとし、製膜方
向を逆転させて製膜し、最終的な濾過膜厚さを均一にす
ることが好ましい。
【0047】 また、1のセルの周方向においても、基
材外周側に近い部分の方が外部空間までの最短道のりL
Bが短く、基材中心側に近い部分の方が外部空間までの
最短道のりLBが長くなるため、流動抵抗が傾斜する場
合がある。この場合も既述の濾過製膜法による製膜が有
効である。図6に示すように1のセル63内部にあって
も基材62外周側に近い部分の方が濾過差圧が大きく、
基材62中心側に近い部分の方が濾過差圧が小さいた
め、基材62外周側の濾過膜の膜厚T Cを厚く製膜する
ことが可能だからである。
【0048】(4)フィルタ全体の透過量 ハニカムフィルタにおいては、フィルタ内における流動
抵抗比、透過量の分布が良好であることに加えフィルタ
全体の透過量が大きいことが求められる。本発明のフィ
ルタにおいては、フィルタ全体の透過量は各セル毎の透
過量指数Vの総和ΣVにより評価できる。即ち、各セル
の流動抵抗指数λが小さい程、フィルタ全体の透過量Σ
Vは増大する。具体的には、以下に掲げる、の方法
により各セルの流動抵抗指数λを低下させ、ΣVを増大
させることが可能である。
【0049】基礎抵抗の小さい濾過膜、基材を使用す
る 濾過膜の基礎抵抗λC、基材の基礎抵抗λBを小さくすれ
ばフィルタの構造自体が同じであっても、流動抵抗指数
λが低下するからである。基礎抵抗λC、λBは、主とし
て濾過膜や基材の細孔径によって定まるため、被濾過物
の大きさ等との関係で、可能な限り細孔径を大きく構成
すればよい。濾過膜や基材の細孔径を大きくする方法と
しては、例えば、i)製膜用スラリーや押出用坏土の骨
材粒子径を大きくする、ii)造孔剤(例えば焼成時に
焼失する有機物)の添加等の方法が挙げられる。
【0050】濾過膜の膜厚を薄く構成する 濾過膜の膜厚TCを薄く構成すれば、濾過膜部分の流動
抵抗指数λ1が低下するため、全体の流動抵抗指数λも
低下するからである。従って、製膜時に膜強度の低下や
膜欠陥等の不具合を生じない程度に膜厚TCを薄く構成
すればよい。
【0051】 製膜面(基材表面、若しくは中間層表
面)の凹凸部分や製膜面内部に濾過膜を構成する骨材粒
子が入り込むと濾過膜の膜厚TCが実質的に厚くなるた
め、当該骨材粒子の製膜面への入り込みを極力抑えるこ
とにより、濾過膜の膜厚TCを薄くすることができる。
但し、濾過膜の濾過性能(即ち細孔径)を確保するた
め、前記骨材粒子の粒径は予め決定されているので、
i)骨材粒子の粒子径分布を小さくし、或いはバインダ
や分散媒を添加して十分に撹拌した原料を用いて製膜面
を構成することにより製膜面の表面粗さを小さくする、
或いはii)製膜面の細孔径を前記骨材粒子の粒径に近
づける等の方法が挙げられる。
【0052】 以下に示す〜の方法は、フィルタの
構造自体を変更するものであり濾過面積の減少を伴う
が、当該方法の透過量増加効果とのバランスによっては
有効な方法となる。
【0053】対象セルから外部空間までの最短道のり
Bを短くする 流動抵抗指数λは濾過流体の基材内の移動距離に比例し
て大きくなるからである。特に基材中心部近傍のセルか
ら外部空間までの最短道のりLBを短くすることによ
り、流動抵抗指数λは顕著に減少する。既述のスリット
や通水路を有するフィルタ構造は、基材中心部近傍のセ
ルから外部空間までの最短道のりLBが短縮されるた
め、流動抵抗比の改善のみならず、フィルタ全体の透水
量増加にも効果的である。
【0054】フィルタのセル形成の間隔をあける フィルタのセル形成ピッチPを大きく構成することによ
り、基材中心部近傍のセルから外部空間までに存在する
セル数が減少する。従って、順次合流する濾過流体も減
少し、基材部分の流動抵抗指数λ2、特に基材中心部近
傍のセルからの流動抵抗指数が低下するからである。ま
た、セル形成ピッチPを大きくすれば、結果的に基材の
リブ厚を厚くすることにもなる。
【0055】その他 その他、基材のリブ厚TBを厚く構成すれば濾過流体の
移動路が広くなり、基材部分の流動抵抗指数λ2が低下
し、セル内径を大きく構成すれば、濾過膜の内周長さL
Cが大きくなり、濾過膜部分の流動抵抗指数λ1が低下す
る。
【0056】 なお、本発明のフィルタは、濾過膜と基
材の基礎抵抗と、フィルタの構造(例えば濾過膜の膜
厚、基材のリブ厚、フィルタのセル形成ピッチ等)とに
よって、流動抵抗比λmin:λmax、フィルタ全体の透過
量ΣVが決定されるため、流動抵抗比が最小で、かつ、
フィルタ全体の透水量ΣVが最大となるフィルタ構造を
選択することが可能である。
【0057】(5)製造方法 本発明のフィルタも従来公知のハニカムフィルタと同様
の方法により製造することが可能である。例えば各種セ
ラミック粉末を含むセラミック坏土を所望の形状に押出
成形し、乾燥・焼成することによりハニカム構造の基材
を製造し、当該基材のセル内周面に、セラミック骨材粒
子を含むスラリーを製膜し、乾燥・焼成し、基材内壁に
固着させることにより製造することができる。
【0058】
【実施例】 本発明のフィルタを実施例を用いて更に詳
細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0059】 以下の実施例、比較例においては、セル
形状:正六角形、リブ厚(セル壁厚み):0.65m
m、セル形成ピッチ:3.33mm、フィルタ長さ10
00mm、セル内接円径(膜内):2.36mm(膜総
厚み0.16mm)、外壁部厚み:2mmの円筒状ハニ
カムフィルタを基本形状とした。なお、セルの配置上凸
凹があるため、外壁部厚みは平均値である。
【0060】 濾過膜は基材のセル内周面に中間層を、
当該中間層表面に濾過層を形成する複層構造とした。基
材、中間層、濾過層の基礎抵抗λB,λC1,λC2を測定
したところ、各々0.4、24.4、2000であっ
た。実施例2を除き、中間層の膜厚は0.15mm、濾
過層の膜厚0.01mmとした。なお、実施例、比較例
のλの単位は全て((Hr・m)・MPa/m3)であ
る。
【0061】(実施例1)実施例1では、実施例1−1
〜1−3、比較例1−1〜1−2の各フィルタにおいて
透過量を均一化する効果について評価した。透過量につ
いては、各フィルタの一方の端面を完全に封止し、他方
の端面の各セルの開口部にゴムチューブを押圧固定し、
差圧0.1MPaの条件下、25℃の濾過温度において
逆洗浄と同様にフィルタ外周面側から各セル内に純水を
送り込み、当該ゴムチューブに接続された流量計の流量
実測値から各セル毎の透過量(即ち、実際の流動抵抗の
逆数)を実測した。
【0062】(実施例1−1)上記の基本形状を有し、
かつ、端面直径50mmφのフィルタを実施例1のフィ
ルタとした。実施例1−1のフィルタのλmax、λminを
算出したところ、λmax=212.3、λmin=7.4、
λmax/λmin=29であり、本発明の流動抵抗比を満た
す。このフィルタについて各セルの透過量を測定した結
果、最大値が225ml/分、最小値が10ml/分、
その比が23であり、実際の透過量も均一化されてい
る。透過量はフィルタ1基、1日あたり17m3であっ
た。
【0063】(比較例1−1)上記基本形状を有し、か
つ、端面直径70mmφのフィルタを比較例1−1のフ
ィルタとした。比較例1−1のフィルタのλmax、λmin
を算出したところ、λmax=408.2、λmin=6.
7、λmax/λmin=61であり、本発明の流動抵抗比を
満たさない。このフィルタについて各セルの透過量を測
定した結果、最大値が247ml/分、最小値が4ml
/分、その比が62であり、実際の透過量も均一化され
ていない。透過量はフィルタ1基、1日あたり31m3
であった。
【0064】(比較例1−2)上記基本形状を有し、か
つ、端面直径180mmφのフィルタを比較例2のフィ
ルタとした。比較例1−2のフィルタのλmax、λminを
算出したところ、λmax=2629、λmin=6.3、λ
max/λmin=417であり、本発明の流動抵抗比を満た
さない。このフィルタについて各セルの透過量を測定し
た結果、最大値が267ml/分、最小値が0.6ml
/分、その比が445であり、実際の透過量も均一化さ
れていない。透過量はフィルタ1基、1日あたり99m
3であった。
【0065】(実施例1−2)比較例1−1と同様に、
上記基本形状を有し、かつ、端面直径70mmφのフィ
ルタを実施例2のフィルタとした。但し、実施例1−2
のフィルタは基材外周側のセルほど濾過膜の膜厚を大き
く構成した。具体的には、基材最外周のセル膜厚を中間
層0.225mm、濾過層0.015mm(基本形状の
膜厚の1.5倍)、基材中心部のセル膜厚を中間層0.
075mm、濾過層0.005mm(標準膜厚の0.5
倍)として徐々に膜厚が変化するように構成した。
【0066】 実施例1−2のフィルタのλmax、λmin
を算出したところ、λmax=406.5、λmin=8.
6、λmax/λmin=47であり、本発明の流動抵抗比を
満たしている。このフィルタについて各セルの透過量を
測定した結果、最大値が207ml/分、最小値が4.
5ml/分、その比が46であり、実際の透過量も均一
化されている。透過量はフィルタ1本、1日あたり30
3であった。
【0067】(実施例1−3)比較例1−2と同様に、
上記基本形状を有し、かつ、端面直径180mmφのフ
ィルタを実施例1−3のフィルタとした。但し、実施例
1−3のフィルタは基材にスリットを穿設した。具体的
には、基材のセル列の6列おきに幅2mm、長さ50m
mのスリットを2本づつ、基材を貫通するように穿設し
た。
【0068】 実施例1−3のフィルタのλmax、λmin
を算出したところ、λmax=21.2、λmin=3.8、
λmax/λmin=6であり、本発明の流動抵抗比を満たし
ている。このフィルタについて各セルの透過量を測定し
た結果、最大値が375ml/分、最小値が78ml/
分、その比が5であり、実際の透過量も均一化されてい
る。透過量はフィルタ1本、1日あたり460m3であ
った。
【0069】(実施例2)実施例1−2,1−3、比較
例1−1,1−2の各フィルタについては、所定の条件
(圧力、時間)で逆洗浄を行いながら、原水濁度3〜1
0度、水温20〜25℃、PH7〜7.3の河川表流水
を、実測透過量が1.2m3/m2/日となるように圧力
を制御して濾過することにより差圧の推移やセルの閉塞
状況を評価した。差圧の推移については、水温25℃、
流速1m/日に換算した場合における差圧(以下「補正
膜差圧」という。)の推移により評価した。
【0070】(比較例2−1)比較例1−1のフィルタ
に6時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を行い
ながら、濾過を実施した場合、補正膜差圧は1.0kP
a/日の割合で上昇し、7日後には全セルの5%が閉塞
した。4時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を
行いながら、濾過を実施した場合でも、補正膜差圧は
0.8kPa/日の割合で上昇し、7日後には全セルの
3%が閉塞した。
【0071】(実施例2−1)実施例1−2のフィルタ
に6時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を行い
ながら、濾過を実施した場合、補正膜差圧は0.6kP
a/日の割合で上昇し、7日後においてもセルの閉塞は
認められなかった。また、6時間毎に0.2MPaの圧
力をかける逆洗浄を実施した場合、補正膜差圧は0.8
kPa/日の割合で上昇したが、7日後においてセルの
閉塞は認められなかった。目視評価ではあるが、いずれ
の場合も濾過残渣は各セルに均一に付着していた。
【0072】(比較例2−2)比較例1−2のフィルタ
に6時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を行い
ながら濾過を実施した場合、補正膜差圧は1.9kPa
/日の割合で上昇し、7日後には全セルの32%が閉塞
した。4時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を
行いながら濾過を実施した場合でも、補正膜差圧は1.
2kPa/日の割合で上昇し、7日後には全セルの24
%が閉塞した。
【0073】(実施例2−2)実施例1−3のフィルタ
に6時間毎に0.3MPaの圧力をかける逆洗浄を行い
ながら濾過を実施した場合、補正膜差圧は0.25kP
a/日の割合で上昇し、7日後においてもセルの閉塞は
認められなかった。また、6時間毎に0.2MPaの圧
力をかける逆洗浄を行いながら濾過を実施した場合、補
正膜差圧は0.35kPa/日の割合で上昇したが、7
日後においてセルの閉塞は認められなかった。目視評価
ではあるが、いずれの場合も濾過残渣は各セルに均一に
付着していた。
【0074】
【発明の効果】 本発明のフィルタは、各セルの流動抵
抗指数が所定の範囲に制御されているので、濾過残渣等
によりフィルタ内のセルが不均一に閉塞し難く、かつ、
均一な逆洗浄が可能である。従って、逆洗浄の回数(頻
度)を少なくし、逆洗浄圧力を低く設定することもでき
る等、効率的な逆洗浄も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハニカムフィルタの構造を示す概略図であ
る。
【図2】 基材外周側ほど濾過膜の膜厚を厚く構成した
フィルタを示す概略図である。
【図3】 濾過成膜法に使用する製膜装置の例を示す概
略図である。
【図4】 スリットを設けたフィルタを示す概略図であ
って、(a)はフィルタの全体図、(b)はA−A’断
面の概略図である。
【図5】 フィルタのセル部分の断面を示す概略図であ
って、(a)は濾過膜厚さが傾斜している例、(b)は
濾過膜厚さを均一化した例である。
【図6】 フィルタの断面を示す概略図であって、1の
セル内において基材中心側の濾過膜の膜厚を厚く構成し
たフィルタを示す概略図である。
【符号の説明】
1…基材、2,3…フランジ、4…O−リング、5…ボ
ルト、6…真空チャンバ、7…スラリーポンプ、8…貯
蔵槽、9…スラリー、10…配管、11,14…バル
ブ、12…セル内周面、13…真空ポンプ、15,16
…圧力計、17…セル、A…供給口、B…排出口、21
…フィルタ、22…基材、23…セル、31…基材、3
2…セル、33…濾過膜、41…フィルタ、42…基
材、43…セル、44…スリット、45…封止部材、5
2…基材、53…セル、54…濾過膜、62…基材、6
3…セル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のセルを有するハニカム構造の多孔
    体を基材とし、前記セルの内周面に、前記多孔体の細孔
    に比して細孔径が小さい濾過膜を少なくとも1層備えた
    ハニカムフィルタであって、 下記式(1)によって規定するフィルタ内の各セルの流
    動抵抗指数λのうち、最小値λminと最大値λmaxとの比
    率を1:1〜1:50の範囲内としたことを特徴とする
    ハニカムフィルタ。 λ=(λC×TC/LC)+[(λB×LB/TB)×(LB/P)/2] +[(λB×LD/TB)×(LB/P) ] …(1) (但し、λ:対象セルの流動抵抗指数((Hr・m)・M
    Pa/m3)、λC:濾過膜の基礎抵抗((Hr・m)・M
    Pa/m3)、TC:濾過膜の膜厚(m)、LC:濾過膜
    の内周長さ(m)、λB:基材の基礎抵抗((Hr・m)
    ・MPa/m3)、LB:対象セルから外部空間までの最
    短道のり(m)、TB:基材のリブ厚(m)、P:フィ
    ルタのセル形成ピッチ(m)、LD:基材の外壁部厚み
    (m))
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