JPH1116874A - 遠心乾燥装置 - Google Patents

遠心乾燥装置

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JPH1116874A
JPH1116874A JP17072297A JP17072297A JPH1116874A JP H1116874 A JPH1116874 A JP H1116874A JP 17072297 A JP17072297 A JP 17072297A JP 17072297 A JP17072297 A JP 17072297A JP H1116874 A JPH1116874 A JP H1116874A
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bearing
turntable
gas bearing
gas
wafer
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JP17072297A
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Tatsuya Uratani
達也 浦谷
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体の表面に設けられたトレンチ等の水切
れが悪いこと、また、回転摺動部からパーテクルが発生
しやすいこと及び高速回転にともなう振動によってウエ
ハが破損しやすいこと等の問題がある。 【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明はワ
ーク装填機構を含むターンテーブル12が気体軸受13
によって回転駆動体に軸支されている遠心乾燥装置10
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心乾燥装置、詳し
くは洗浄後のシリコンウエハやガリウム砒素ウエハ等基
板の表面に付着している水分を遠心力により飛散させ、
乾燥させる遠心乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセス等において、ウエッ
ト洗浄プロセスはそのワーク体であるウエハ表面の清浄
化を実現するために必要不可欠の工程であり、半導体製
造工程中では多数回繰り返される重要なプロセスであ
る。ところで、このようなウエット洗浄プロセス後には
次工程に移るまえにそのウエハを乾燥させなければなら
ず、その乾燥方法としては遠心乾燥装置が従来から用い
られている。遠心乾燥装置は公転式のものと自転式のも
のとに区別され、また自転式のものはバッチ処理タイプ
と枚葉処理タイプのものに分けられる。
【0003】遠心乾燥装置の公転式のものを図に示すと
図12のようなものである。図12のものは回転体を収
納するケース121の中に回転テーブル122が配置さ
れており、その回転テーブル122はその回転テーブル
下方のスピンドル123に設けられたプーリー124に
より回転駆動体125からベルト126で動力が伝達さ
れて1000〜3000rpmの高速回転により回転す
るようになっている。そして、この回転テーブル122
にはクレードル127と呼ばれるものが設けられてお
り、このクレードル127に乾燥させようとするウエハ
を複数枚収納して回転させることにより、ウエハ上に付
着している水を振り切るようにしている。このような方
法はスループットが高く、かつ安全性にすぐれ、装置価
格も比較的安く、ランニングコストが低いなどの利点を
備えており、従来から多用されるものであった。
【0004】この装置の構成をさらに詳しく説明すると
図13のようになる。即ち乾燥させようとするとウエハ
130を多数枚収納したウエハカセット131をターン
テーブル122中のクレードル127を持ち上げ、そこ
に載置し、ターンテーブル122中で寝かせ、回転体を
収納しているボックス121の蓋を閉めて回転させ、高
速回転によりウエハ130の付着水を振り切っている。
この際、ウエハの付着水が効率的に振り切られるように
ウエハカセット131が挿入されたクレードル127は
約90度回転して、回転平面と平行にウエハ130が収
納されるようになっている。
【0005】この駆動機構は図13に示すように一般的
には駆動用モータ125とその駆動用モータ125から
ベルト126を渡されたターンテーブル122に連なる
プーリー124及びこのプーリー124からターンテー
ブル122に回転力を伝えるスピンドル123からなっ
ている。ターンテーブル122は遠心回転により大きな
力が加わるためその力を吸収するようにターンテーブル
122とスピンドル123との接続部分とが弾性的に軸
支されるようになっている。なぜなら1000〜300
0rpmの高速で回すためこの部分が剛性に軸支されて
いればスピンドル123に大きな力が加わって機械的強
度の点から不利だからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の遠
心乾燥装置においては、スループットも高く安全性にす
ぐれ、装置価格も比較的安く、ランニングコストも低い
など利点を備えているが、半導体の表面に設けられたト
レンチ等の水切れが悪いこと、また、回転摺動部からパ
ーテクルが発生しやすいこと及び高速回転にともなう振
動によってウエハが破損しやすいこと等の問題が指摘さ
れている。
【0007】これを具体的に示すと、図14のようにな
る。即ちこの種の遠心乾燥装置での問題は例えば、遠心
乾燥装置のターンテーブル122中に配置されるクレー
ドル127のウエハ130の収納枚数に偏りがある場合
に、このターンテーブル122全体と見ては重量が不釣
り合いとなるため、重心が必ずしもターンテーブル12
2の中心点と一致せずターンテーブル122を回転させ
ることによって重心のずれによってターンテーブル12
2自体が振動するという問題が生じる。ターンテーブル
122自体が振動すれば、特にプーリ124によって軸
支されている部分等からパーテクルが発生しやすくな
り、また、振動が激しい場合には、高速回転であるので
ウエハ130が破損することとなる。特に化合物半導体
のように極めて脆い材料を使用している場合には、この
ような振動は極めて問題となり、重量を調整すためにバ
ランサーを設けたり、またはダミーのウエハを入れる等
して調整している。
【0008】しかしながら、例えば特開平7−1150
82に開示されているようなバランサーを設けるのは装
置的に複雑であり、また、高価となるとともにウエハの
収納枚数がバランサー占有分減るので好ましくない。ま
た、ダミーのウエハを入れるのはその分手間が掛かって
妥当でない。そこで本発明においては、化合物半導体の
ような脆い材料を遠心乾燥する場合にクレードル中のウ
エハの収納が不釣り合いであっても大きな振動を生ぜず
安定して回転し、摺動部からのパーテクルの発生やウエ
ハの破損を防止することができる遠心乾燥装置を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明はワーク装填機構を含むターンテーブルが気
体軸受によって回転駆動体に軸支されている遠心乾燥装
置を提供する。また、前記気体軸受は、ステップ動圧ス
ラスト軸受である遠心乾燥装置を提供する。また、前記
気体軸受は、スパイラルグルーブ動圧スラスト軸受であ
る遠心乾燥装置を提供する。また、ワーク装填機構を含
むターンテーブルが、回転駆動体に磁石軸受によって軸
支されている遠心乾燥装置を提供する。また、ワーク装
填機構を含むターンテーブルが、磁石軸受によって軸支
されている遠心乾燥装置であってこの磁石軸受が気体軸
受によって軸支されている遠心乾燥装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。請求項1記載の発明は前述の
ようにワーク装填機構を含むターンテーブルが気体軸受
けによって回転駆動体に軸支されている遠心乾燥装置で
ある。具体的には図1に示すようなものであり、クレー
ドル11を含むターンテーブル12は気体軸受け13に
よって回転駆動機構に軸支されており、クレードル11
に装填されるウエハが不釣り合いである場合であっても
気体軸受け13によって軸支されているため大きな振動
が発生することはない。これを更に具体的に示すと図2
のようなものになる。
【0011】図2はこのような遠心乾燥装置のうちの気
体軸受13部分を拡大して示すものである。ターンテー
ブル12は横から見てT字状の茸型のターンテーブル浮
上面22上に載置され、このターンテーブル浮上面22
はスラスト気体軸受23とラジアル気体軸受24によっ
て軸支されている。この気体スラスト軸受23及びラジ
アル気体軸受24はモータに直結されているか又は図に
示すようにモータ26から駆動ベルト27を通じて動力
が伝達されるようになっており、この気体軸受13が高
速回転することによってターンテーブル浮上面22、ひ
いてはターンテーブル12が軸受けと物理的に接触する
ことなく高速回転することになる。スラスト気体軸受部
23には多数の細かい穴が形成されており、この穴から
高圧気体28(図中矢印)が上方に向かって吹き出すよ
うになっており、この高圧気体28によってターンテー
ブル浮上面22が上方に持ち上げられるようになってい
る。
【0012】また、ラジアル気体軸受24の部分には、
やはり側面に同様に多数の穴が形成されており、この穴
からターンテーブル浮上面22の軸に向かって高圧気体
28が吹き付けられ、ターンテーブル浮上面22の軸は
気体軸受13の中心部に配置されるようになっている。
なお、高圧エア28はこの気体軸受の下方から高圧エア
供給体によって供給されるようになっている。また、タ
ーンテーブル浮上面22はスラスト気体軸受23と対向
面に溝が形成されており、スラスト気体軸受23が高速
回転することによりこの溝が抵抗となってターンテーブ
ル浮上面22が回転し、ひいてはターンテーブル12が
回転して、ターンテーブル12中に配置されるクレード
ルのウエハの遠心乾燥が行なわれるようになっている。
なお、この溝は各種の形状のものが考えられる。
【0013】更に、これを断面図で示したのが図3であ
る。図3に示すように気体軸受13はスラスト気体軸受
面23とラジアル気体軸受面24とからなっており、い
ずれの軸受面にも多数の穴が形成されてあってこの部分
から高圧エア28(図中矢印)が噴出し、ターンテーブ
ル浮上面22が空中に持ち上げられるとともに軸31が
気体軸受13にぶつからないようにされ、回転するよう
になっている。この気体軸受13は下方でモータから伝
達ベルト27を通して力を受けるようになっており、こ
の気体軸受13の全体が高速で回転するようになってい
る。
【0014】また、この気体軸受13に供給される高圧
気体28は図に示すように下方から高圧で流入するよう
になっていて、その圧力は気体軸受13の上方に載置さ
れるターンテーブル浮上面22を含むターンテーブル全
体の重量や、また、気体軸受13のスラスト気体軸受面
23の面積によっても変わるが、凡その圧力としては5
kg/cm2 〜30kg/cm2 がよい。また、この時
の回転数は従来の遠心乾燥装置と同様な回転数でよく、
1000回転〜3000rpm程度のものを実現するこ
とができる。なお、気体軸受13の回転によってターン
テーブル浮上面22を介し、ターンテーブルが回転され
るわけであるが、これは前述のように、ターンテーブル
浮上面22に形成されている溝が抵抗となって動力が伝
達されるものである。従って、この溝の深さや形状、溝
の数等によってその抵抗値を最適値に設計することがで
きる。
【0015】図4にはこの発明の作用を従来のものと比
較して示した。図4aは従来のターンテーブル122の
振動の様子を、図4bは本発明に掛かるターンテーブル
浮上面22の振動の様子を表したものである。図中 〜
は一定の時間の変化を示すものである。従来のものに
あっては、最初平衡状態にあったターンテーブル122
が次々に振動を繰り返していくが、本発明に掛かる気体
軸受を用いた場合には図4bに示すように同じ時間でも
その振動は緩やかであって、ターンテーブル浮上面22
全体の物理的な重心の位置が偏ることによって生じる振
動をよく吸収することがわかる。また、ターンテーブル
の物理的な重心軸が図5aに示す状態からずれた場合に
は、図5bに示すようにそのずれた状態でターンテーブ
ル浮上面22の全体を回転させることが可能であるた
め、必ずしも大きな振動を生じることなく回転させるよ
うなことも可能である。
【0016】このようにターンテーブルが気体軸受によ
って回転駆動体に軸支されている場合には、物理的なタ
ーンテーブルの重心軸がずれることがあってもその振動
を充分に吸収し、また、場合によっては軸受側の中心線
からずれた部分で回転をすることも可能であるため、高
速回転でウエハが破損するというような問題を少なくす
ることができる。また、気体軸受を用いる場合には物理
的な摺動部がないため回転摺動部からパーテクルが発生
するというような問題も回避することができる。従っ
て、このような装置は半導体製造工程の中でウエット洗
浄工程後のウエハ表面の乾燥するのに適しているほか、
ウエハを高速回転するようなもの、例えばウエハに対し
て各種の液体状のものを塗布するような場合にも適用す
ることができ、また、家庭で用いられる洗濯機の脱水機
のようなものにも応用が可能な構成である。
【0017】なお、この気体軸受によって回転させられ
るターンテーブルの作動は、気体軸受の形状のみならず
その圧力によって種々変更が可能であることは言うまで
もない。具体的には圧力を高くすれば高くするほど気体
バネ定数が小さくなって物理的に軸支されたものと同様
の作動を示すようになる。一方、気体の圧力を小さくす
ればターンテーブルの重心軸のずれによる振動を吸収す
る能力が大きくなるが、余りにも気体圧力を小さくしす
ぎれば気体軸受とターンテーブル浮上面とが接触する問
題が生じて妥当でない。
【0018】次に請求項2記載の発明について説明す
る。請求項2記載の発明は前記気体軸受が、ステップ動
圧スラスト軸受けである請求項1記載の遠心乾燥装置で
ある。スラスト軸受け部がステップ軸受けになっている
と構造が簡単であり、加工が容易で、安定性の高い軸受
けを実現することができ、中小型の高速回転機に適して
いる。このステップ軸受けとしては図6(a)に示すよ
うな階段状にステップが形成されているステップ軸受け
61のほか、テーパランド(b)が設けられているもの
や傾斜平面(b)を用いているものも使うことが可能で
ある。ここで同図62はターンテーブル浮上面であり、
63はスラスト軸受けである。
【0019】また、請求項3記載の発明は図7a、bに
示すようなものであって、前記気体軸受けがスパイラル
グルーブ動圧気体軸受71である請求項1記載の遠心乾
燥装置である。このスラスト軸受け部がスパイラルグル
ーブ状になっている場合にはステップ軸受けと同様に構
造が簡単であって、工作が容易であり、且つ負荷能力を
高くすることができる。但し安定性がやや低いという問
題点がある。このようなスパイラルグルーブ軸受けとし
てはスパイラル溝内側吸い込みのものや、ヘリングボー
ン形状のものもその変形例として可能である。ここで同
図72はターンテーブル浮上面であり、73はスラスト
軸受けである。また、ラジアル軸受けとしては図8
(a)のようなヘリングボーン型や同図(b)のような
変形ヘリングボーン型の軸受けを用いればよい。
【0020】なお、本請求項にはクレームしなかったが
ピボット支持のようなもの、例えばティルテングパッド
を用いたものやホイル形状のものを用いたようなものも
可能である。ティルテイングパッドを用いた場合には構
造が複雑であるが負荷能力が高くまた、精度が低くても
比較的安定な動作をする特徴を有する。このようなティ
ルテングパッド軸受けは大型回転機に特に適している。
ティルテングパッドの形状としては偏心支持のようなも
のや曲面パッドのようなものも考えられる。また、ホイ
ル軸受けを採用することも可能である。ホイル軸受けの
問題点は構造が複雑である点であるが、精度が低くても
安定して作動する点に大きなメリットがある。
【0021】次に請求項1から3記載の発明の気体軸受
をどのようにして受けるかについて説明する。気体軸受
を受ける方法は従来のメカニカルベアリングを使ってこ
れを受けることも可能であるが、気体軸受を気体軸受に
よって受けることも可能である。これを示すのが図9で
ある。図9に示すようにターンテーブルが載置されるタ
ーンテーブル浮上面22は先程から説明している気体軸
受13によって軸支されている。この気体軸受13は下
方の部分にモータから動力伝達を受けるベルト27が係
止されており、その下方面では気体軸受13自身が装置
本体96に軸支されている。この軸支は気体軸受95で
もって軸支されているのである。
【0022】この構造は図に示すように気体軸受13を
受ける下方から高圧エア28を気体軸受95に対して吹
き上げ気体軸受13内部を高圧とすることによって気体
軸受13から気体軸受13を受ける装置本体96側に高
圧のエア28を吹き出させて気体軸受95自身を装置本
体96側から浮き上がらせる構造となっている。このよ
うにすることによる特徴は気体軸受13がメカニカルに
摺動しないため、回転摺動部が完全に取り除かれパーテ
クルの発生を極めて小量に押さえることができるという
点である。また、気体軸受13自身が気体軸受け95構
造によって軸受けされているため、気体軸受13の偏心
がある場合であっても、その振動が極めて容易に吸収さ
れることになる。
【0023】具体的にはターンテーブル浮上面22が気
体軸受13によってまず振動が吸収され、その振動が吸
収された気体軸受13が更に装置本体96側の気体軸受
95によって振動が吸収されるという2重構造になるも
のである。なお、ここで気体軸受の原理について簡単に
説明しておく、気体軸受は気体の粘性を利用して隙間内
の気体の圧力を高くしてものを浮上させる方法であり、
具体的には動圧形、静圧形及びスクィーズフィルム形に
大別される。動圧形は図15に示すように2つの面15
1、152が相対的に移動し、しかも隙間153が楔状
隙間になっていて移動の方向に段々狭くなる形状等であ
って、面の相対的な移動により気体がその粘性で引きず
られ楔状隙間に押し込められて圧力を生じるというもの
である。
【0024】静圧形は図16に示すようなものであっ
て、外部から加圧した気体161を絞り162を通した
隙間163内に導入し、その静圧によって浮上させるも
のであり、絞り162の役目は隙間163が変化したと
きに隙間内の圧力を加減することで軸受けに剛性を与え
る役割をしているのである。スクィーズフィルム形は図
17に示すようなものであって、あい接する面171、
172が隙間173内の圧力の平均値が周囲の圧力より
も高くなるのを利用したものである。これは気体の粘性
によって隙間173内の気体がすみやかに出入りできな
いため、例えば平滑なガラス板の上にガラス板を落下さ
せたときガラス板が静かに着地する現象からそれを理解
することができる。これら3種類の軸受け形式のうち、
今日広く用いられているのは動圧形と静圧形である。
【0025】本発明について言えば、本発明は動圧形と
静圧形との両者の性質を合わせ持ったような軸受けの形
式をしていることが分かる。即ち軸受けからは高圧気体
が噴出して、それ自身静圧形の気体軸受けのように浮上
するとともに軸受け上のターンテーブル浮上面が回転す
ることによって楔状の隙間に高圧気体を発生させ、動圧
形の気体軸受と同様な作用をも生じるのである。それで
は前述の請求項1から3に記載された発明にいうところ
の微小な穴とはどのような形状のものかを説明する。図
18の(a)から(f)は静圧気体軸受に用いられる絞
りの種類を示したものであり、本発明における絞りもこ
のような種類のものが適用可能である。
【0026】オリフィス絞り、毛細管絞り、及びスロッ
ト絞りはオリフィス、毛細管、スロットの抵抗によって
吸気孔絞りの働きをさせる。磁性絞りは絞りの役目を吸
気孔と軸受け隙間とで作られる仮想的な円筒面で行なう
ものである。表面絞りは軸受け面に吸気孔と繋がる極め
て浅い溝を設けたものでその溝の抵抗が絞りとなる。多
孔質絞りとは軸受け面に通気性を持つ多孔質材料を用い
るものであり、この多孔質材料の抵抗が吸気孔絞りの役
目をするものである。これら6種類の絞りはそれぞれ本
発明の気体軸受に設けられた微小孔の形状として採用可
能なものである。
【0027】それではここで再度本発明のように、遠心
乾燥装置に気体軸受を用いた場合の利点・長所について
整理する。利点・長所は大きく分けると5つある。これ
らは軽く回ること、きれいな状態で回ること、滑らかに
回ること、及び温度差に強いこと、ならびに特殊な例で
はあるが放射能の場で運転できるということである。以
下それぞれについて簡単に説明すると、先ず気体軸受を
用いて遠心乾燥装置を構成した場合には、気体軸受が軽
く回るということのメリットを享受することができる。
軸受けの摩擦は潤滑剤の粘性係数に比例する。気体の粘
性係数は普通の潤滑油の千分の一のオーダだから軸受け
摩擦も千分の一になる。従って軸受け摩擦が問題になる
高速機械や摩擦が誤差のもととなる軸受けに非常に適し
ている。
【0028】また、2番目の特徴となるきれいな状態で
回るという特徴がある。きれいな状態で回るとはメカニ
カルな軸受けのように油を使う必要がないため半導体製
造装置のようなものには非常に適しているということで
ある。従って、この遠心乾燥装置内での気体の純度を保
ちたいという理由から油分等の不純物がは入り込まない
ようにすることができ、純水に系統ガスだけで運転でき
るから系統ガスが不純物で汚染される心配もない。な
お、ここで用いられる気体は一般的には高圧エアで充分
であるが、半導体の製造工程中の特別の理由やまた、基
板の材料等により各種の不活性ガスを用いることも可能
である。
【0029】また、3番目の特徴として遠心乾燥装置に
気体軸受を用いた場合には前述のように滑らかに回ると
いう大きな特徴を有している。軸即ち本発明の場合には
ターンテーブル浮上面及びターンテーブルは軸受けから
完全に浮上しているから軸や軸受けに少しくらい凹凸が
あっても又軸受けの物理的な重心軸とターンテーブル浮
上面の物理的な重心軸とが一致しない場合でもこれによ
って影響されることが少ない。また、隙間を充たしてい
る気体は圧縮性だから油よりさらに柔らかいし、まして
や硬いボールの上にのって回るのと違い、軸は滑らかに
回ることができる。軸受けの凹凸が気体の膜によって均
されてしまい、一般的には平均効果と呼ばれている。そ
の結果、軸の回転精度は極めて高く、ターンテーブル上
に一枚のウエハを載置して行なう薬液等の塗布の場合に
は非常に高精度で回転することができるので均一の膜を
塗布することができるというメリットも有する。
【0030】また、本発明の軸受けは潤滑剤が気体であ
るため油を用いておらず、従って温度差に対する耐性が
極めて高いというメリットも有する。さらに5番目の特
徴としては放射能の場で運転できるというメリットも有
する。本発明のような遠心乾燥装置が、例えば放射性物
質の乾燥等に用いられる場合には、潤滑油が放射能によ
って侵されることを心配しなければならないが本発明の
場合には潤滑油を用いていないため掛かる問題点もな
く、原子炉関係の放射線で汚染された製造部品等を遠心
乾燥させる際の遠心乾燥機としても非常に有用である。
【0031】次に請求項4記載の発明について説明す
る。請求項4記載の発明はワーク装填機構を含むターン
テーブルが、回転駆動体に磁石軸受けによって軸支され
ている遠心乾燥装置である。これは図10に示すような
ものである。気体軸受100としては前述のように高圧
エア等を用いてターンテーブル浮上面101を含むター
ンテーブルを軸受けに対して浮上させるのであるが、磁
石を用いる場合であってもこれと同様な効果を得ること
ができる。即ち図10に示すようにターンテーブル浮上
面101の軸受け100と対向する面にSNの磁石10
2を配置し、この軸受け100にも同様にNSの磁石1
03を配置し、ターンテーブル浮上面101に配置され
た磁石102と軸受け100に配置された磁石103と
が互いに反発するような向きに形成しておけば磁石10
2、103の反発力によってターンテーブル浮上面10
1を含むターンテーブルは軸受け100に対して浮上す
ることになる。このようにして浮上したターンテーブル
は前述同様にモータ等による駆動によって高速回転さ
せ、ターンテーブル浮上面101に設けられている溝に
軸受けから発生するエアを吹き込むことによってターン
テーブル浮上面101を含むターンテーブルを回転する
ことができるのである。
【0032】次に請求項5記載の発明について説明す
る。請求項5記載の発明はワーク装填機構を含むターン
テーブルが、磁石軸受けによって軸支されている遠心乾
燥装置であって、この磁石軸受けが気体軸受によって回
転駆動体に軸支されている遠心乾燥装置を提供するもの
である。これは図11に示すようなものであって、ター
ンテーブル浮上面101を含むターンテーブルは前述の
請求項4記載の発明と同様である。一方、請求項4記載
の発明においては、磁石軸受けを軸支する方法について
は説明しなかったが、本発明においては図11に示すよ
うに磁石軸受け110を気体軸受115によって軸支す
るようにしているのである。このようにすると、前述の
図9で示した発明と同様に軸受け110自身が気体軸受
115で軸支されるためターンテーブル上で発生する振
動を2重に吸収することが可能となって、さらにウエハ
に与えられる振動を低下することができると同時に軸受
け110、115及びターンテーブルの全体から物理的
なメカニカルベアリング部分が排除されるので回転摺動
部から発生するパーテクルを極めて少なくできるという
メリットがある。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては遠
心乾燥装置の軸受けを気体軸受としたので回転摺動部か
らパーテクルが発生するのを少なくすることができ、又
ウエハ等の不釣り合い等によって生じるターンテーブル
の物理的重心軸が機械的重心軸からずれた場合であって
もその振動を極めて減ずることができるので高速回転に
よりウエハが破損するというようなことを少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遠心乾燥装置の斜視図
【図2】 遠心乾燥装置の気体軸受け部分の拡大斜視図
【図3】 図2の気体軸受け部分の断面図
【図4】 ターンテーブルの振動の様子を示す図
【図5】 ターンテーブルの重心軸が偏った場合を示す
【図6】 ステップ動圧スラスト型気体軸受けを示す図
【図7】 スパイラルグルーブ動圧型気体軸受けを示す
【図8】 ヘリングボーン型気体軸受けを示す図
【図9】 気体軸受けを気体軸受けで受ける軸受けの断
面図
【図10】 磁石軸受け使用の遠心乾燥装置の軸受け断
面図
【図11】 磁石軸受けと気体軸受け併用の遠心乾燥装
置の軸受け断面図
【図12】 従来の公転式の遠心乾燥装置の斜視図
【図13】 図12の遠心乾燥装置の詳細側面図
【図14】 従来の遠心乾燥装置における問題点を示す
【図15】 動圧形気体軸受けを示す断面図
【図16】 静圧形気体軸受けを示す断面図
【図17】 スクィーズフィルム形気体軸受けを示す断
面図
【図18】 静圧形気体軸受けの絞りの種類を示す断面
【符号の説明】
10 遠心乾燥装置 12 ターンテーブル 13 気体軸受け 61 ステップ動圧スラスト軸受け 71 スパイラルグルーブ動圧スラスト軸受け 100 磁石軸受け

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワーク装填機構を含むターンテーブルが気
    体軸受によって回転駆動体に軸支されている遠心乾燥装
    置。
  2. 【請求項2】前記気体軸受は、ステップ動圧スラスト軸
    受である請求項1記載の遠心乾燥装置。
  3. 【請求項3】前記気体軸受は、スパイラルグルーブ動圧
    スラスト軸受である請求項1記載の遠心乾燥装置。
  4. 【請求項4】ワーク装填機構を含むターンテーブルが、
    回転駆動体に磁石軸受によって軸支されている遠心乾燥
    装置。
  5. 【請求項5】ワーク装填機構を含むターンテーブルが、
    磁石軸受によって軸支されている遠心乾燥装置であって
    この磁石軸受が気体軸受によって軸支されている遠心乾
    燥装置。
JP17072297A 1997-06-26 1997-06-26 遠心乾燥装置 Pending JPH1116874A (ja)

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JP17072297A JPH1116874A (ja) 1997-06-26 1997-06-26 遠心乾燥装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7005368B1 (en) 1999-07-02 2006-02-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Bump forming apparatus for charge appearance semiconductor substrate, charge removal method for charge appearance semiconductor substrate, charge removing unit for charge appearance semiconductor substrate, and charge appearance semiconductor substrate
CN106885451A (zh) * 2017-02-20 2017-06-23 侯如升 一种电机驱动式陶瓷环甩干装置

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