JPH11167936A - 非水溶媒系電池の処理方法 - Google Patents

非水溶媒系電池の処理方法

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JPH11167936A
JPH11167936A JP7839298A JP7839298A JPH11167936A JP H11167936 A JPH11167936 A JP H11167936A JP 7839298 A JP7839298 A JP 7839298A JP 7839298 A JP7839298 A JP 7839298A JP H11167936 A JPH11167936 A JP H11167936A
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忠明 谷井
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鋭 都築
Junichi Ichise
順一 市瀬
Takeo Kamimura
武男 神村
Shiro Motomura
士郎 本村
Kenji Sasaki
健治 佐々木
Sumio Yamauchi
澄男 山内
Kiyonori Nishida
清則 西田
Masakazu Yabuki
正和 矢吹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みの非水溶媒系電池を安全に処理する
ことができ、電池を構成するリチウム等の有価成分を、
再利用可能な形で分離回収することができる使用済み非
水溶媒系電池の処理方法を提供する。 【構成】 非水溶媒系電池の電解液の融点温度未満の凍
結低温雰囲気で破砕する破砕工程と、破砕物より電解液
を抽出して固形分に分離する有機溶媒抽出工程と、電解
液を電解質と有機溶媒に分離する電解質分離工程と、固
形分を有価物に分別する固形分処理工程とより構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水溶媒系電池の
処理方法に関し、特に使用済みリチウムイオン電池の安
全且つ効率的な処理方法に関する。ここで非水溶媒系電
池とは電解液に非水溶媒を使用し、負極にリチウム等の
軽金属を使用した、特に非水電解質二次電池を指す。又
非水溶媒とは、水以外の全ての溶媒を言い、この中には
水以外の純溶媒ばかりでなく、水と他の溶媒との混合物
やいくつか溶媒の混合物も含まれる。
【0002】
【従来の技術】最近の地球温暖化傾向に対し新たな火力
発電の増設も差し控えるなかで電力の有効利用が叫ば
れ、その一手段として夜間遊休電力を一時的に蓄え昼間
に放出させる電力使用の平準化の励行も考えられ、それ
に対応できる電力貯蔵用2次電池の出現が期待され、ま
た、大気汚染防止の立場から自動車用電源としての大型
2次電池の早期実用化が期待されている。また、小型2
次電池も、コンピュータ、ワープロ等のバックアップ用
電源、小型用家電機器の電源、特に携帯用電気機具の普
及、性能アップにつれ、需要は年々増大の一途を辿る状
況にある。
【0003】これら2次電池には、使用する機器の性能
に比例して高性能の2次電池が要求され、主にリチウム
イオンを層間化合物に導入したものを正極活物質に使用
し、負極活物質にカーボンを用いたリチウムイオン電池
が実用化されている。また、このリチウムイオン電池よ
りエネルギー密度の高い金属リチウムを負極活物質に用
いた2次電池も開発の途上にあり、既に実用化されてい
る負極にリチウム金属を用いた高密度エネルギーの1次
電池とともにその実現も間近い。
【0004】上記拡大する電池の需要に対して、電池に
使用される化学物質の有効利用と電池による環境汚染対
策の確立も強く要望されてきている。上記リチウムイオ
ン電池には、リチウムや遷移金属など再利用可能の有価
物質が使用されているが、反応活性なアルカリ金属等の
負極活物質や水と反応しやすい物質を含む電解液が使用
されている。従って使用済非水溶媒系電池の解体の際
は、電池活性物質または電解液などの活性物質を安全に
不活性化する必要がある。
【0005】上記リチウムイオン電池は、例えば下記構
成よりなっている。即ち、正極用の導電性器材として
は、Al、ステンレス鋼、チタン等の薄板状部材を使用
し、負極用の導電性器材としてはCu等の薄板状部材が
使用されている。また、正極活物質は、LiCoO2
リチウムマンガン酸化物等、リチウムイオンと特定の金
属からなるリチウム含有複合金属酸化物の単独または混
合物または固溶体より構成してある。そして、正極は上
記正極活物質に例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックな
どの電子伝導補助材とバインダーとよりなる塗布剤で塗
布形成してある。
【0006】次に、負極活物質は、リチウムを取込み放
出しうる物質で、リチウム金属またはリチウム含有化合
物が使用されているが、そのリチウム含有化合物にはリ
チウム合金とそれ以外のものとがある。リチウム合金以
外のリチウム含有化合物としては、例えば乱層構造を有
する炭素材料、黒鉛等があり、製造時にリチウムを含ま
ないものでも負極として作用するときは、化学的電気的
手段によりリチウムを含有した状態になる。そして、負
極は上記負極活物質にバインダーと溶剤とにより調整さ
れた塗布剤で塗布形成されている。
【0007】次に、電解液としては、例えば、エチレン
カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルエーテル等の単独または2種以上の混
合溶媒に例えばLiPF6 等のフッソ化合物を単独ない
し2種以上を溶解させた有機電解液が使用されている。
また、セパレータは微多孔性ポリプロピレンフィルム等
を使用してある。
【0008】リチウムイオン電池は上記のようにして形
成されたシート状正極とシート状負極との間にセパレー
タを介在させて形成した渦巻き状電極捲き体を前記有機
電解液とともに、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレ
ス鋼よりなる電池容器に封入したものである。
【0009】上記したようにリチウムイオン電池の構成
には、水と反応して水素を発生する金属リチウムと有機
溶媒とが使用されており、発火性のある複数の化合物を
内蔵したリチウム電池の回収はなかなか困難である。
【0010】従来、リチウム電池の回収方法としての提
案は、特開平6−251805号公報、特開平6−33
8352号公報、特開平6−338353号公報に開示
され、最初の特開平6−251805号公報にはリチウ
ムイオン電池を水で切断する超高圧水開口手段によるリ
チウム1次電池材の回収方法に関する発明が開示されて
おり、負極活物質、セパレータ、正極活物質、電解液、
集電体、電池ケースから少なくとも形成された、使用済
み電池の発火を抑えたウオータージェット等による切断
あるいは孔明けした後、有機溶媒で洗浄して電解液を回
収する工程、リチウム反応材に反応させて水酸化リチウ
ムあるいはリチウム塩として回収する工程、濾過によっ
てセパレータと集電体と正極活物質からなる正極材を回
収する工程、蒸留によって有機溶媒を回収する工程を少
なくとも有していることを特徴とするリチウム電池の資
源回収方法が開示されている。又、正極にLiCoO
2 、負極にリチウム−鉛合金、電解質としてLiPF6
を溶解させた有機電解液を用いたリチウム二次電池等の
高エネルギ密度型電池を完全に不活性化する方法とし
て、乾燥した不活性ガス、窒素ガスまたは空気の雰囲気
下で電池を解体し、電池活物質や電解液を適当な処理剤
と接触させて分解する方法も提案されている(特開平6
−338352号公報及び特開平6−338353号公
報など)。
【0011】なお、上記リチウム1次電池に対し、負極
に金属リチウムを使用した非水電解質2次電池が開発さ
れているが、この場合、充放電の繰り返しにより負極に
使用した金属リチウム等がデンドライト状に成長し、正
極と接触短絡を起こし寿命が短くなる問題がある。この
問題解決のため、最近は炭素材料を負極活物質として利
用する非水電解質2次電池が提案され、この場合正極活
物質としてリチウム複合酸化物を使用することにより、
安全且つ長寿命の高エネルギー密度の2次電池が期待さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、アル
カリ金属を利用した高エネルギー密度型の電池は、大気
または水に対し不安定な電池活性物質や電解液を含むた
め、電池容器を破壊する際は雰囲気ガスの管理が大切で
ある。即ち、一般的にリチウムイオン電池を処理する場
合、下記問題点がある。例えば、LiCoO2 を正極材
とする未放電リチウムイオン電池を常温大気中で破砕す
る場合、正極と負極とが接触し短絡電流が流れ、上記短
絡電流により、発生したジュール熱のため電池内温度が
上昇する。さらに上記温度上昇により、正極を構成する
LiCoO2 が分解して酸素を発生すると同時に電解液
中の揮発性(引火性)溶媒が蒸発する。
【0013】そして、上記発生した可燃性有機溶剤及び
酸素が切断の際発生する火花に引火し発火するか、ある
いは急激な内部圧力の上昇により爆発する可能性があ
る。この引火は放電電池でも起こり、発火する可能性が
ある。さらに、未放電リチウムイオン電池に含まれてい
る反応活性なリチウムは空気中の水分と激しく反応して
可燃性水素ガスを発生する。この反応は放電電池でも起
こり、同じように可燃性水素ガスを発生する恐れがあ
る。又、電解質のLiPF6 等フッソ化合物は空気中の
水分と反応して五フッ化リン、フッ化水素等の有毒ガス
を発生する恐れがある。なお、他のフッ素化合物として
LiAsF6 は五フッ化砒素、フッ化水素等の有毒ガス
を発生する恐れがある。
【0014】この反応は他の非水溶媒系放電電池でも起
こり、同じように五フッ化リン、五フッ化砒素、フッ化
水素などの有害ガスを発生する恐れがある。尚、前記し
た揮発性溶媒としては下記[表1]に記載のものが挙げ
られる。
【0015】
【表1】
【0016】また、リチウムイオン電池は、電解液を介
在物として、LiCoO2 がアルミニウムに塗布剤で塗
布された正極片、グラファイトが集電体であるCuに塗
布剤で塗布された負極片、セパレータとしてのポリプロ
ピレン及びポリエチレン、容器構成材としてのステンレ
ス鋼等を含む構成としているが、電池の処理に際して
は、これらの構成成分を再利用可能な形で分離回収する
ことが必要である。特に有価物質として、前記正極片で
は塗布剤で塗布されたアルミニウムよりLiCoO2
分離回収し、前記負極片ではグラファイトが塗布された
状態よりCuを分離回収することが必要であるが、困難
である。
【0017】上記リチウムイオン電池の処理に必要とす
る事項を要約すると、下記事項に要約できる。 (1)リチウムイオン電池の破砕においては、正負電極
間の短絡の際の過大短絡電流に基因する事故防止のため
の短絡防止。 (2)温度上昇による正極構成部材であるLiCoO2
の分解による酸素発生防止。 (3)上記事項とともに発生する電解液中の揮発性溶媒
の蒸発防止。 (4)リチウム電池に残存する反応活性なリチウムが雰
囲気空気の水分と反応することによる可燃性水素ガスの
発生防止。 (5)電解質のLiPF6 等のフッ素化合物と雰囲気空
気の水分との反応による有毒ガスの発生防止。
【0018】上記事項を防止するためには、リチウムイ
オン電池の破砕は電解液の溶媒の融点以下の乾き空気で
構成された低温雰囲気下で解体粉砕し、上記解体粉砕さ
れた混合物より電解質とそれを含む溶媒と、固形分との
完全分離を行ない、それぞれ別の処理系である溶媒系と
固形分処理系に分離させ、特に固形分処理においては毒
性のある電解質LiPF6 等のフッ素化合物や引火性溶
剤の介在を除去し、それらに対する配慮を皆無とするこ
とが必要である。
【0019】本発明は、上記リチウム−遷移金属複合酸
化物であるLiCoO2 とアルミニウム、Cu等の有価
物質を分離回収すべく安全且つ効率的な使用済非水溶媒
系電池、特にリチウムイオン電池の処理方法の提供を目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】以下本発明の要旨を順を
追って説明する。本発明は、前記電池の処理雰囲気温度
を電解液溶媒の融点以下(例えば−50℃前後、以下凍
結低温という)に維持するとともにその処理空間を不活
性ガス若しくは高乾き度空気下に維持する。その結果、
反応活性なリチウムと雰囲気空気の水分との反応による
可燃性水素ガスの発生防止、固形部材からの酸素発生防
止、発生ガスの引火防止、電解質と雰囲気空気の水分と
の反応による有毒ガスの発生防止等が可能となる。
【0021】この結果、電解質を含む有機電解液と構成
固形部材の温度が前記した凍結低温に冷却される。その
結果、揮発性ガスの発生防止、電池構成部材の不活性
化、電解質よりの有害ガスの発生の防止等が可能とな
る。そして上記雰囲気温度を前記凍結低温に維持する中
で安全な電池破砕等により解体を行なう。
【0022】そして、前記破砕後、常温で電解質の抽出
と固形分の分離をして安全化を図り、次いで、前記電解
質よりP、Fを分離し、リチウム−遷移金属酸化物の回
収及び有価物質の効率的回収を可能とする。
【0023】本発明は、使い済みの非水溶媒系電池に関
する第1の発明と、使い済みのリチウム塩−非水溶媒系
リチウムイオン電池に関する第2の発明とよりなること
を特徴とし、前記第1の発明は、前記非水溶媒系電池を
該電池の電解液溶媒の発火及び有害ガスの発生を抑えた
雰囲気下で電池を解体し破砕する破砕工程と、前記破砕
工程で生じた電解液を有機溶媒により抽出して固形分と
分離する有機溶媒抽出工程と、前記有機溶媒抽出工程で
抽出した電解質の溶解液を蒸留、凝縮等の気液分離手段
により電解質と有機溶媒とに分離する電解質分離工程と
を備えたことを特徴とする。尚、電解液溶媒の発火及び
有害ガスの発生を抑えた雰囲気下とは、請求項2に記載
のように前記雰囲気下が非水溶媒系電池の電解液溶媒の
融点以下に冷凍する冷凍雰囲気下であるのが好ましい
が、これのみに限定されず、例えば不活性ガス雰囲気下
をも含む。
【0024】また前記有機溶媒抽出工程は、請求項3に
記載のように、前記電解質を含む溶媒をその融点から引
火点の温度まで加温してガス中へ分離し、次に冷却する
ことにより他の物質から電解質の溶解液を分離する抽出
工程であるのが好ましい。また請求項4に記載のように
前記電解質分離工程で、前記有機溶媒抽出工程で得られ
た電解質の溶解液を蒸留、凝縮等の気液分離手段により
ガス状電解質と有機溶媒に分離し、分離されたガス状電
解質を水と接触させて水中に抽出分離するのがよい。ま
た本発明は請求項5に記載のように、前記有機溶媒抽出
工程により分離された固形分は、比重差若しくは溶解性
の差を利用した選別により正極片、負極片、容器構成材
料、及びセパレータとに分離される比重等選別工程を設
けるのがよい。この場合比重選別分離は風力で行なって
もよく、又水中攪拌槽での比重選別を行なってもよい。
【0025】更に本発明は、請求項1の破砕工程で破砕
された金属、非金属、電解質、有機溶媒を分離する工程
において水に不溶で且つ比重の小さい正負極セパレータ
構成物質であるポリプロピレン、ポリエチレン及び前記
有機溶媒抽出工程に使用し固形分に付着し残存した水不
溶性溶媒をフィルタを利用して分離するのがよい。更に
又本発明は、請求項1の破砕工程で破砕された正極、負
極を含む電池構成材及び容器材料としての金属及び金属
酸化物をそれぞれ分離する工程において磁性差を利用し
た磁力選別機、渦電流に基づく反発力差を利用した渦電
流選別機、大きさの差を利用した振動ふるい選別機を適
宜選択して金属及び金属酸化物をそれぞれ単体で分離す
るのがよい。
【0026】また、請求項8乃至12記載の発明は、前
記発明をリチウムイオン電池に適用した場合において、
特に請求項8及び9記載の発明は、前記発明で分離され
た電解質よりフッ化カルシウム(CaF2 )とリン酸カ
ルシウム(Ca3(PO4)3 )を回収し、その残渣より炭
酸カルシウムを回収するようにしたもので前記電解質分
離工程により分離された電解質に消石灰溶液を反応さ
せ、該反応溶液を濾過して、フッ化カルシウム及びリン
酸カルシウムを回収するCa塩分離工程を有し、更に該
工程で得られる残渣に、炭酸ナトリウム溶液を反応さ
せ、炭酸リチウム(Li2Co3)を回収する炭酸リチウ
ム分離工程を有することを特徴とする。
【0027】また、請求項10及び11記載の発明は、
前記発明で分離された正極片より水酸化コバルト(Co
(OH)2)、水酸化アルミ(Al(OH)3)を回収し、一
方負極片より水酸化第2銅(Cu(OH)2 )を回収する
ようにしたもので、即ち、請求項10記載の発明におい
ては、前記比重等選別工程により分離された正極片に鉱
酸を反応させた後これを濾過し、該瀘液に水酸化ナトリ
ウム溶液を反応させた後、該反応溶液を濾過することに
より、Co(OH)2及びAl(OH)3を回収するアルミニ
ウム分離工程を有することを特徴し、一方請求項11記
載の発明は、前記比重等選別工程により分離された負極
片を、鉱酸を反応させた後これを濾過し、該濾液に水酸
化ナトリウム溶液を反応させてCu(OH)2 を回収する
銅分離工程を有することを特徴とする。
【0028】また、請求項12記載の発明は、請求項1
0及び11においてそれぞれ分離された濾液(残渣)よ
り炭酸リチウムを回収するようにしたリチウムイオン電
池の処理方法にあり、前記アルミニウム分離工程若しく
は銅分離工程により分離された濾液に、炭酸ナトリウム
を反応させた後これを濾過し炭酸リチウムを回収する炭
酸リチウム分離工程を有することを特徴とする。
【0029】次に、本発明の第2の発明である請求項1
3乃至23記載の発明は、リチウム塩−非水溶媒系リチ
ウム電池の処理方法に関するもので、請求項13の記載
の発明は、前記非水溶媒系電池を該電池の電解液溶媒の
発火及び有害ガスの発生を抑えた雰囲気下で電池を解体
し破砕する破砕工程と、前記破砕工程で生じた電解液を
有機溶媒により抽出して、溶解液と固形分とに分離する
有機溶媒抽出工程と、前記溶解液より電解質と有機溶媒
とに分離する電解質分離工程と、前記固形分を分別処理
する固形分処理手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0030】また、請求項14記載の発明では、前記請
求項2記載の雰囲気下が、非水溶媒系電池の電解液溶媒
の融点以下に冷凍する冷凍雰囲気下であることを特徴と
するものである。
【0031】また、請求項15及び16記載の発明は、
電解液の溶媒及び電解質の抽出に使用する抽出溶媒につ
いて特定したもの、請求項17記載の発明は電解質の抽
出に最適の抽出溶媒及び抽出方法について特定したもの
である。
【0032】また、請求項18記載の発明では、前記請
求項13記載の電解質分離工程に関するもので、該電解
質分離工程が、分離抽出された電解質LiPF6 を溶解
している溶解液に消石灰溶液を添加反応させ、フッ化カ
ルシウム及びリン酸カルシウムを分離するCa塩分離工
程と、前記電解質とともに抽出された電解液の溶媒を分
離させる溶媒分離工程と、溶媒分離後の蒸留残液より炭
酸リチウムを回収する炭酸リチウム分離工程とよりなる
ことを特徴とするものである。
【0033】請求項19記載の発明は、有機溶媒抽出工
程における溶媒が固形分に付着して後続する固形分処理
工程への介在を入遮断すべく、前段に固形分の乾燥工程
を設けることを特徴とするものである。
【0034】また、請求項20乃至22記載の発明は、
前記請求項13記載の固形分処理工程についてのそれぞ
れ異なる工程を特定したもので、請求項20記載の発明
は、固形分を比重の大小により分別する比重差分離工程
と、その比重差分離工程で得られる比重の大きい混合物
に対して行なうpH調節による金属分別工程とより形成
したことを特徴とするものであり、請求項21記載の発
明は、前記比重差分離工程と、ついで行なわれるアルミ
ニウム溶解工程と、アルミニウム溶解液からpH調整に
より行なうアルミニウム分離工程と、アルミニウム溶解
後の混合物から磁力選別による鉄分分離工程と、鉄分分
離後の銅とLiCoO2 を分離するLiCoO2 分離工
程とより形成したことを特徴とするものである。
【0035】そして請求項22記載の発明は、前記比重
差分離工程と、該比重差分離工程に次いで比重の大きい
混合物に対して行なう加温乾燥工程と、次いで乾燥した
混合物の磁性と導電性を利用して鉄とアルミニウム及び
その他(銅、LiCoO2 )とに選別する磁力選別と渦
電流選別工程と、大きさにより前記銅とLiCoO2
を分別する振動ふるい分け工程とより形成した事を特徴
とするものである。なお、請求項23記載の発明は、前
記LiCoO2 の分離工程は、前記LiCoO2 に塩酸
溶液を添加して得られた溶解液に、水酸化ナトリウムを
添加して水酸化コバルトを沈澱させる水酸化コバルト分
離工程と、濾過分離液に炭酸ナトリウムを添加して炭酸
リチウムを回収する炭酸リチウム分離工程とより形成す
るようにしたことを特徴とするものである。
【0036】従って本発明によれば、例えば電池の有機
電解液を該電解液の融点以下に冷凍し、該冷凍温度雰囲
気下での電池の解体及び粉砕をするようにしたため、未
放電電池の場合においては、 (a)有機電解液が凍結しているため、電荷移動源であ
るイオン移動度が非常に小さく短絡しても短絡電流は流
れにくく、短絡に基づく急激な温度上昇、爆発は回避で
きる。 (b)電池の解体及び粉砕は、有機電解液の融点以下
の、例えば−50℃前後の雰囲気温度のため、氷の蒸気
圧が非常に小さいため、該温度を持つ解体処理雰囲気に
おいては含有水分量は極微小となり、有機電解液の中に
含まれるLiPF6等のフッ素化合物が前記雰囲気空気
中の水分と反応して五フッ化リン、フッ化水素等の有害
ガスが発生するおそれは殆どなくなる。また、解体処理
雰囲気においては含有水分量は極微小となる為に、反応
活性なリチウムの前記雰囲気中の水分と反応して発生す
る可燃性水素ガスを微小に抑えることができる。 (c)例えば−50℃前後の雰囲気温度で解体処理を行
なうため、有機電解液中の揮発性(引火性)溶媒の蒸気
圧が殆どなく、いずれも固相状態を呈する。例えば、前
記したようにジエチルカーボネートの融点は−43℃、
引火点は25℃である。
【0037】一方放電電池の場合においても、 (a)前記融点以下の、例えば−50℃前後の雰囲気温
度で扱うため、有機電解液中の揮発性(引火性)溶媒の
蒸気圧が殆どなくいずれも固相を呈して、又水は凝結し
て蒸気圧の低い氷に変態しているため、雰囲気中の水分
も非常に少なくなり、リチウム及びLiPF6 と水との
反応は非常に小さい。 (b)電池破砕後に空気中の水分と反応して五フッ化リ
ン、フッ化水素等の有害ガスを発生する電解質のLiP
6 等のフッ素化合物を溶解している有機電解液を、有
機溶媒抽出工程で有機溶媒により溶解処理をしてあらか
じめ系外に抽出して固形分と分離するようにしたため、
固形分の処理において有毒ガスの発生を回避できる。 (c)また、有機溶媒抽出工程で抽出した電解質の溶解
液を蒸留若しくは蒸留等の気液分離工程にて電解質と有
機溶媒とに分離する電解質分離工程を設けたため、電解
質を別途系外で分離して取り出すことができる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、前記有機溶
媒抽出工程がジエチルカーボネート等の引火性溶媒であ
る場合においても、該溶媒をその引火点(25℃)より
低い温度で加温することにより、例えばジエチルカーボ
ネート等の引火性溶媒をガス中へ分離し、次に冷却する
ことによりガス中から安全且つ容易に凝縮分離できる。
又請求項4記載の発明によれば、空気中の水分と反応し
て五フッ化リン、フッ化水素などの有害ガスを生じる電
解質のLiPF6 等フッ素化合物においてもこれを水に
溶かすことで安全に水系に抽出・分離できる。
【0039】又請求項5記載の発明によれば、容器を構
成する鉄(比重:約8)、正極構成材LiCoO2 (比
重:約6)及びAl(比重:約2.7)、負極構成材C
u(比重:約9)、正極構成材及び負極構成材のグラフ
ァイト(比重:約2)そしてセパレータとしてのポリプ
ロピレン及びポリエチレン(比重:約1)、水不溶性媒
体であるエチレンカーボネート(比重:約1)と破砕片
の比率の差が大きく異なるため、破砕片の上記比重差を
利用した例えば風力選別や水中攪拌でそれぞれ円滑に分
離出来るが、水中攪拌を行なうことにより水中に破砕物
中に含有する電解質等を溶解させることが出来、溶解性
の差を利用した選別も合せて行なうことが出来るのみな
らず、前記水中での攪拌の程度により比重の大きい粉砕
物は沈降し、比重の小さい粉砕物は浮上し分離する。そ
して前記浮上分離した比重の小さい粉砕物(エチレンカ
ーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の水不溶
性材)は、請求項6に記載のようにフィルタを利用して
容易に分離することができる。
【0040】又請求項7記載のように、容器を構成する
鉄の強磁性、正極剤構成材LiCoO2 の非磁性Alの
導電性、負極構成材Cuの導電性等の特性を利用して分
離できる。例えば磁力選別機により強磁性体である鉄を
非磁性体であるその他(アルミニウム、銅、LiCoO
2 )と分離する。同時にその導電性の差を利用し、渦電
流選別機によりアルミニウムとその他(銅、LiCoO
2 )に分離することができる。更にLiCoO2 とCu
との分離は以下の原理を利用して振動ふるいにより可能
である。即ちLiCoO2 はその粉体をペースト状でア
ルミニウム箔の上に塗布・乾燥させた後、電池中に挿入
したもので、Cuは薄膜状(約10μm)で電池中に挿
入されている。従って、粉砕の程度でLiCoO2 は微
細粒子に、Cuは数mm程度の大きさに粉砕可能であ
り、それぞれの大きさの差を利用して分離できる。又粉
砕過程でアルミニウム箔からLiCoO2 が剥離できな
い場合も、前記渦電流選別機によりアルミニウムととも
に分離できる。
【0041】次にリチウム電池において、請求項8記載
の発明によれば前記電解質分離工程により分離された電
解質に消石灰溶液を反応させた後反応溶液の濾過によ
り、有害なP、Fを溶解度の小さい無害な形態を持つリ
ン酸カルシウム、フッ化カルシウムの沈澱物として分離
処理させることが出来る。請求項9記載の発明によれ
ば、消石灰反応、炭酸ナトリウム反応後の濾過により炭
酸リチウムとして高価なリチウムを容易に濾過分離でき
る。
【0042】請求項10及び11記載の発明によれば、
LiCoO2 やAlやCuが塩酸、硫酸等の鉱酸に溶解
することを利用して塗布状態にある正極片、負極片よ
り、Li、Co、Al、Cuを溶解させ、溶解したA
l、Co、Cuに水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合
物を反応させた後、夫々特定のpH域(pH=2〜4、
4〜6、6〜8)に滴定させることにより、溶解度の小
さいAl(OH)3 、(Cu(OH)2 )、Co(OH)2
の水酸化化合物の沈澱物を生成させ、結果として前記L
iを含む溶液より、ノイズ金属としてのAl、Co、C
uを分離させることが出来る。請求項12記載の発明
は、前記正極片と負極片に鉱酸を反応させた溶解液はリ
チウムを含んでいるため、最初に水酸化ナトリウム等の
アルカリ性化合物を反応させてAl(OH)3、Co(O
H)2 ないし(Cu(OH)2)を回収させ、その後のそれ
ぞれのLiを含む濾液より炭酸ナトリウム溶液添加工程
により炭酸リチウムを回収することが出来る。
【0043】請求項13乃至24記載の発明は、第2の
発明であるリチウム塩−非水溶媒系電池のリチウムイオ
ン電池に係わるものである。請求項13記載の発明によ
れば、本処理方法は、前記リチウム塩−非水溶媒系リチ
ウム電池を該電池の電解液の融点温度未満の冷凍雰囲気
で凍結状で破砕する冷却破砕工程と、該破砕工程により
得られた破砕物を電解質の溶媒及び電解質を含む溶解液
と固形分とに分離すべく、有機溶媒により抽出分離する
有機溶媒抽出工程と、抽出した溶解液を系外に取出し電
解質と溶媒とに分離する電解質分離工程と、固形分を分
別処理する固形分処理工程を備えている。上記冷却破砕
工程により、有機電解液は凍結しているため、イオン移
動度の極端な低下の基づく短絡事故の防止ができ、低温
雰囲気温度に基因する氷の蒸気圧低下と解体処理雰囲気
における含有水分量低下により、LiPF6 等のフッ素
化合物の有毒ガスの発生を抑えることが出来る。また、
請求項14記載の発明により破砕時の雰囲気温度は破砕
電池の電解液溶媒の融点以下の冷凍温度に設定するよう
にしてあり、リチウムイオン電池の主たる溶媒であるジ
エチルカーボネートの場合、融点は−43℃であるた
め、−50℃前後の雰囲気温度で解体処理を行なわれ、
有機電解液中の揮発性(引火性)溶媒の蒸気圧が殆どな
く、いずれも固相状態を呈することになる。
【0044】また、請求項15記載の発明により電解液
の溶媒抽出には該溶媒がジエチルカーボネートが使用さ
れているため、抽出溶媒に同じジエチルカーボネートの
使用が好ましく、系外処理も確実になる。
【0045】また、請求項16記載の発明により、電解
質のLiPF6 の抽出にはジエチルカーボネートを使用
し、破砕物を抽出溶媒の融点以下で且つ引火点未満温度
に昇温させ、その温度状態で抽出溶媒に接触させること
が好ましい。上記接触により抽出溶媒は電解質LiPF
6 を溶解した後、フィルタにより固形分と分離される。
なお、引火性媒体であるジエチルカーボネートはその引
火温度である25℃より低い温度で加温し、次いで冷却
することによりガス中から凝縮分離回収できるため、事
後の工程における引火の危険は解消させることができ
る。なお請求項17記載の発明によれば、予め溶媒の抽
出をジエチルカーボネートにより行ない、その後でメチ
ルアルコール/エチルアルコールによりLiPF6の溶
解抽出を行なうことが好ましく、これにより有毒ガスを
生じる電解質のLiPF6 溶媒系に抽出分離し、溶媒を
系外で処理することにより以後の固形物処理工程での前
記電解質に対する考慮を必要としなくなる。また、前記
エチルアルコール/メチルアルコールの使用により、ケ
ースの素材であるABS、セパレータのポリプロピレン
やポリエチレンならびに保護回路配線被覆材の塩ビを溶
出させることなく電解質のLiPF6 のみを溶解してフ
ィルタを介して固形分と分離して系外に出る。
【0046】また、請求項18記載の発明によれば、前
記請求項13記載の電解質分離工程では、Ca塩分離工
程により、有機溶媒抽出工程で抽出分離した溶解液に消
石灰溶液を添加反応沈澱させ、フッ化カルシウム、リン
酸カルシウムを分離することができ、分離液の加熱蒸留
により前記溶解液中の溶媒を分離させジエチルカーボネ
ートを回収するようにしてある。なお、前記蒸留残液よ
り炭酸リチウムを回収出来るようにしてあり、電解質の
分離及び抽出溶媒の回収を、固形分処理工程の系外で効
率よく行なうことが出来る。
【0047】また、請求項19記載の発明により、前記
有機溶媒抽出工程で分離された固形分は、乾燥工程にか
けて前記抽出工程で付着した有機溶媒を除去し、固形分
処理工程への前記溶媒の侵入介在を遮断して安全の確立
を図ってある。
【0048】また、請求項20乃至23記載の発明は、
前記請求項13記載の固形分処理工程に係わるもので、
請求項20記載の発明においては、前記固形分処理工程
は水中攪拌による比重差分離工程と、pH調整による金
属分別工程とより形成させたもので、前記水中攪拌によ
り、容器の構成部材である鉄、正極構成部材LiCoO
2 アルミニウム、負極構成部材Cuと、正極及び負極構
成部材のグラファイト、セパレータのポリプロピレンや
ポリエチレン、保護回路配線被覆部材の塩ビ、不溶性媒
体であるエチレンカーボネートとに分別できる。
【0049】請求項21記載の発明においては、前記固
形分処理工程は比重差分離工程と、アルミニウム溶解工
程と、アルミニウム分離工程と、磁力選別による鉄分分
離工程と、振動ふるい分けによるLiCoO2 分離工程
とより形成させたもので、請求項22記載の発明によ
り、比重差分離工程と、加温乾燥工程と、磁力選別、渦
電流選別工程と、振動ふるい分け工程とより形成させて
ある。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る材料、試薬や化合物の種類、及び処理工程の相対配置
などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲を
それのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎな
い。図1は本発明の第1の発明である使用済み非水溶媒
系電池の処理方法におけるフローチャート図である。
【0051】本発明の第1の発明での使用済み非水溶媒
系電池としては、正極用の導電性器材としてはアルミニ
ウム薄板状部材が、また負極用の導電性器材としてはC
u等の薄板状部材が使用され、また、正極活物質はLi
CoO2 等のリチウムイオンと特定の金属からなるリチ
ウム含有複合金属酸化物の単独または混合物または固溶
体より構成し、そして、正極は上記正極活物質に、例え
ば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導補助材
とバインダーとよりなる塗布剤で前記アルミニウム薄板
状部材に塗布形成してある。
【0052】また、負極活物質はリチウムイオンを取込
み放出し得る物質で、例えば乱層構造を有する炭素材
料、黒鉛等を使用し、負極として作用するときは、化学
的電気的手段によりリチウムを含有させる構成とし、そ
して負極は上記負極活物質にバインダーと溶剤とにより
調整された塗布剤により前記Cu薄板状部材に塗布形成
してある。また、電解液としては、例えば、エチレンカ
ーボネート、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルエーテル等の単独または2種以上の混
合溶媒に、例えばLiPF6 等のフッソ化合物を単独な
いし2種以上を溶解させた有機電解液が使用されてい
る。またセパレータには微多孔性ポリプロピレンフィル
ム等が使用されている。
【0053】上記構成を持つ使用済みのリチウムイオン
電池に付き、図1のフローチャートにより順次下記のよ
うな系統的処理を行なった。 イ:冷凍工程(S1) 電池解体処理室を冷凍室で構成し、先ず使用済みリチウ
ムイオン電池を冷凍室で−50℃前後に冷却する。上記
−50℃の設定温度は雰囲気温度を溶媒であるジエチル
カーボネートの融点−43℃以下にするためである。又
前記冷却は冷凍室雰囲気を−50℃に設定することによ
り行なわれ、これにより冷凍室内空気も高乾き度空気下
になる。 ロ:破砕工程(S2) 上記冷却された電池を冷凍室の−50℃の雰囲気にてロ
ール破砕する。この場合上記ロール破砕は、例えばシン
グルあるいはダブルロールクラッシャーを用いるが、こ
れ以外にハンマーミルを用いてもよい。尚、ダブルロー
ルクラッシャーを用いることにより、電池を挟圧して完
全に分解破砕できる。
【0054】ハ:有機溶媒抽出工程(S3) 破砕した電池を冷凍室より取り出し、有機溶媒であるジ
エチルカーボネート中で常温まで加熱し、電解質LiP
6 を溶解させて該電解質の抽出を行ない、9メッシュ
のSUS網にて溶解液3aと固形分3bとに分離する。 ニ:電解質分離工程(S4) 前記電解質を溶解した溶解液3aを蒸留し、電解質Li
PF6 を含む残渣4aと有機溶媒(ジエチルカーボネー
ト、エチレンカーボネート等)110cとをそれぞれ分
離回収する。
【0055】ホ:消石灰溶液反応(Ca塩分離工程)工
程(S5) 電解質分離工程(S4)で残留した電解質LiPF6
含んだ残渣4aに消石灰溶液を添加して反応させ、反応
液5aを濾過し有害部材P及びFを溶解度の小さい無害
の形態をとるリン酸カルシウム及びフッ化カルシウムの
沈澱物46とその残渣5bとに分離させる。 ヘ:炭酸ナトリウム溶液反応(炭酸リチウム分離工程)
工程(S101) 消石灰溶液反応工程(S5)で生じた濾液5bに炭酸ナ
トリウム溶液を添加し、炭酸リチウム18として沈澱さ
せ、濾過分離する。
【0056】ト:比重差分離工程(S6) 一方、有機溶媒抽出工程(S3)で分離された固形分3
bは、風力を利用した公知の比重差分離工程にて、容器
構成材を構成する鉄(比重:約8)206、LiCoO
2 が塗布剤で塗布されたアルミニウム製正極片(比重約
2.7)6a、Cuにグラファイトを塗布剤で塗布され
た負極片(比重:約9)6b、そしてセパレータとして
のポリプロピレン及びポリエチレン(比重:約1)6c
とにそれぞれ比重選別分離される。なお、この場合比重
選別分離は風力で行なうほか、水中攪拌槽での比重選別
を行なってもよい。また風力選別で使用する風力は不活
性ガスを使用するか、または高乾き空気を使用した冷風
で構成するのがよい。
【0057】チ:塩酸溶解工程(S7+、S7-) 比重等選別工程(S6)で分離された正極片6a、負極
片6bに夫々に塩酸を添加し、該正極片6aではLi、
Co、アルミニウムを、負極片6bではCuを溶解する
ことにより、簡単に塗布剤及びグラファイトを分離でき
る。なお、塩酸の代わりに硫酸、硝酸などの鉱酸も使用
可能である。
【0058】リ:濾過分離工程(S8+、S8-) 塩酸溶解工程(S7+、S7-)で溶解した溶液を濾過す
ることにより、固形分である塗布剤等の濾過残渣を分離
する。この場合負極片6bでは、グラファイト8cや塗
布剤が分離される。 ヌ:水酸化ナトリウム溶液反応(アルミニウム分離工
程、銅分離工程)工程 (S9+、S9-) 濾過分離工程(S8+、S8-)で得られた濾液8a、8
bにそれぞれ水酸化ナトリウム溶液を添加しながら、ア
ルミニウム、Cu、Coを、それぞれpH=2〜4(A
l)、pH=4〜6(Cu)、pH=6〜8(Co)で
滴定することにより、前記pH域で水酸化沈澱物Al
(OH)3 12、(Cu(OH)2 )10、Co(OH)2
1が生成され、それぞれ濾過分離する。なお、上記水酸
化ナトリウム溶液の代わりに消石灰溶液などのアルカリ
性溶液の使用も可能である。
【0059】ル:炭酸ナトリウム溶液反応(第5の回収
工程)工程(S102) 前記水酸化ナトリウム溶液反応工程で生じた濾液9a
に、炭酸ナトリウム溶液を添加して反応させることによ
り炭酸リチウム18として沈澱させ、濾過分離する。
【0060】上記のようにして、−50℃前後の雰囲気
における電池解体及び電解質の有機溶媒抽出により有害
ガスの発生を未然に防止し、且つ有害物質の無害化を図
るとともに、その後の処理にてリチウム等の有価物質の
回収を行なった。
【0061】図2及び図3は本発明の実施形態に係る使
用済みリチウムイオン電池の処理方法を示している。図
2はフローチャート図、図3はその製造システムの概要
を示すが、前記図1と重複する部分については簡単に説
明する。 A:冷凍工程と破砕工程 電池解体処理室を構成する冷凍室21内には、コンベア
21aとロール破砕機19とハンマーミル破砕機20が
配設されており、使用済みリチウムイオン電池100を
冷凍室21で−50℃前後に冷却した後、ロール破砕機
19により粉砕した後ハンマーミル20により再度破砕
し、2段階破砕により電池100を完全に分解破砕す
る。
【0062】B:有機溶媒気相分離(22) 破砕した電池100を冷凍室21より取り出しコンベア
22a上で搬送させながら加温し、溶媒(ジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネー
ト)を電解質含有ガスに気散させる有機溶媒気相分離工
程22を通過させる。この時の温度は、前記溶媒をその
融点から引火点までの温度域(例えばジエチルカーボネ
ート場合、融点:−43℃〜引火温度:25℃)に加温
させている。 C:有機溶媒分離(38) 気散したガスを熱交換器36により熱交換されている有
機溶媒分離工程38を用いて、有機溶媒110c(ジエ
チルカーボネート等)を電解質含有ガスから凝縮分離回
収する。 D:溶媒抽出分離(37) C工程の凝縮器38で凝縮したフッ化水素、フッ化リン
は、溶媒抽出分離工程37で水を添加することにより水
相に溶解させ、有機溶媒110cを分離できる。
【0063】E:比重選別分離及び水溶解性電解質分離
工程(23) B工程での残留物を、水中で比重選別を行なう金属・非
金属分離槽に入れることにより、金属・非金属の分離を
行なうとともに、水溶解性電解質であるLiPF6 を水
中に抽出・分離する。又同時に攪拌することにより、容
器を構成する鉄(比重:約8)、正極構成材LiCoO
2 (比重:約6)、アルミニウム(比重:約2.7)、
負極構成材Cu(比重:9)等の比重の大きい粉砕物2
03と、正極構成材及び負極構成材のグラファイト(比
重:約2)、セパレータとしてのポリプロピレン及びポ
リエチレン(比重:約1)、水不溶性媒体であるエチレ
ンカーボネート(比重:約1)等の比重の小さい粉砕物
混合体204とに分離する。すなわち、前記水中での攪
拌の程度により比重の大きい粉砕物混合体203は沈降
し、比重の小さい粉砕物混合体204は浮上し分離す
る。
【0064】F:浮遊物分離機(32) 前記分離した正極構成材及び負極構成材のグラファイ
ト、セパレータとしてのポリプロピレン及びポリエチレ
ン、水不溶性媒体であるエチレンカーボネート等の比重
の小さい粉砕物混合体204をフィルタを有する浮遊物
分離機32で水から分離する。 G:乾燥分離(付着水分分離)(24) E工程で沈降して分離された比重の大きな物質(鉄鉄、
アルミニウム、銅、LiCoO2 )混合体203を乾燥
分離機24で加温し、乾燥して付着水分を分離する。
【0065】H:磁力選別機/渦電流選別機(25) 次に磁力選別機25により強磁性体である鉄206を、
非磁性体であるその他(アルミニウム、銅、LiCoO
2 )と分離する。同時にその導電性の差を利用し、渦電
流選別機25によりアルミニウム205aとその他
(銅、LiCoO2)205に分離することができる。
但し、粉砕過程でアルミニウム箔からLiCoO2 がう
まく剥離できない場合においても、渦電流選別機25に
よりアルミニウム205aとともに分離できる。 I:振動ふるい機(26) LiCoO2 209と銅208とは、ふるい目4mm程
度の振動ふるい機26により分離する。 J:アルミ・コバルト溶解槽(27a) H工程で分離回収されたアルミニウム及びLiCoO2
が塗布されたアルミニウム205a、I工程で分離され
たLiCO2 209とをアルミ・コバルト溶解槽27a
で塩酸13を添加し溶解させる。ここで塩酸の代わりに
塩酸、硫酸などの鉱酸も使用可能である。
【0066】K:アルミ/コバルト沈澱槽(28、2
9) 前記アルミ・コバルト溶解液に水酸化ナトリウム溶液1
4を添加し、アルミ沈澱槽28、コバルト沈澱槽29
で、アルミニウム、CoをそれぞれpH=2〜4、pH
=6〜8にて水酸化物の沈澱(Al(OH)3 12、Co
(OH)3 11)を生成させ、それぞれアルミ分離機3
0、コバルト分離機31で分離する。ここで水酸化ナト
リウム溶液の代わりに、消石灰溶液などのアルカリ性溶
液も使用可能である。 L:炭酸リチウム分離機(34) F工程の浮遊物分離機32で分離された電解質LiPF
6 を含んだ溶液及びK工程のコバルト分離機31での分
離液にリチウム沈澱槽33で炭酸ナトリウム溶液17を
添加し、Liを炭酸リチウム18として沈澱させ、炭酸
リチウム分離機34で分離する。
【0067】M:消石灰溶液反応(F、P沈澱工程4
0) L工程の炭酸リチウム分離機34で分離された電解質L
iPF6 含有溶液、D工程の溶媒抽出分離工程37で分
離したフッ化水素、フッ化リン、及びB工程の有機溶媒
気相分離工程22よりC工程の溶媒分離工程38で気散
したフッ化水素、フッ化リンは夫々反応塔40に導入さ
れ、該反応塔40で消石灰溶液15を添加することによ
り、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム46の沈澱物
にし、これをフッ化カルシウム、リン酸カルシウム分離
機35で分離する。そしてフッ化カルシウム、リン酸カ
ルシウム分離機35で分離された溶液は貯留槽39に貯
蔵し、再利用する。
【0068】以下、本発明の第2の発明である使用済み
のリチウム塩−非水溶媒系リチウムイオン電池の処理方
法について、図4〜図8に示すそれぞれの実施形態に係
わるフローチャート図により説明する。前記第1の発明
の場合は、特に電池の破砕解体時における短絡電流の発
生により危惧される電池内の過度の温度上昇、正極構成
部材よりの酸素の発生、引火性溶媒の爆発の未然防止
と、反応活性なリチウムと空気中の水分との間の激しい
反応による可燃性水素ガスの発生防止と、電解液の電解
質を形成するLiPF6 の空気中の水分との反応により
発生する有毒ガスの発生防止等の完全実施を前提とし
て、凍結低温に維持する雰囲気の中での解体を行なう破
砕工程により可能としている。なお、上記凍結低温温度
は一般に−150℃以下とされているが、この場合は電
解液に使用されている有機電解媒の融点以下を指し、リ
チウムイオン電池における電解液には融点−43℃のジ
エチルカーボネートが主として使用されているため、前
記凍結低温温度は略−50℃前後で使用するようにして
いる。且つ上記破砕解体後においては、加温した電解液
より、それを形成する有機溶媒とフッ化水素とフッ化リ
ンよりなる気相の電解質を抽出して、LiPF6 を含む
固形分とに分離する有機溶媒抽出工程と、前記抽出した
有機溶媒を含む電解質より有機溶媒を分離して電解質を
得る電解質分離工程とを備え、前記分離された固形分よ
り有価物質を分別するようにしたリチウムイオン電池の
処理方法に関するものである。
【0069】上記電解質分離工程では、電解質の分離抽
出は気相の電解質と固相の電解質に分散した状態で行な
い、特に固相の電解質であるLiPF6 は固形分処理工
程の一環である比重差分離工程で水中に分解抽出され、
事後浮遊物分離機を経由して前記気相より水相に転換し
た電解質と合流してCa塩分離工程により電解質処理を
終了するようにしている。しかし、上記の場合毒性の高
いLiPF6 は固形分処理工程にも介在することにな
り、危険を伴うものである。そこで本発明の第2の発明
は、引火性の高い有機溶媒と毒性の高い電解質のLiP
6 の処理を、前記固形分処理系に対し隔絶した系外で
行なうようにしたものである。
【0070】図4は、本発明の第2の発明である使用済
みのリチウム塩−非水溶媒系リチウム電池の処理方法に
係わる第1の実施例を示すフローチャート図である。な
お、本発明の処理方法は、使用済み電池を凍結低温雰囲
気下で破砕解体する破砕工程と、破砕物より有機溶媒を
使用して電解質と固形分に分離する有機溶媒抽出工程
と、抽出した電解質を含む溶解液より電解質を分離する
電解質分離工程と、前記固形分より有価物質を分別する
固形分処理工程とを備え、所用の処理をを可能にしてい
る。
【0071】図4に示すフローチャート図により上記各
工程を説明する。 A:破砕工程(101) (1)放電使用済みリチウムイオン電池100を冷凍室
で−50℃前後の状態に冷却する。(前記リチウム電池
の電解質の溶媒には融点−43℃のジエチルカーボネー
トが使用されている。) (2)次いで、上記略−50℃前後の低温凍結雰囲気下
でロール粉砕機やハンマーミルで完全に分解破砕した状
態にする。
【0072】B:有機溶媒抽出工程(102) (3)破砕した電池を、ジエチルカーボネート中で加温
し、電解質であるLiPF6 を有機溶媒ジエチルカーボ
ネート中に溶解して、固形分より分離する。この時の温
度は、ジエチルカーボネートの引火温度である25℃よ
り低く、融点である−43℃より高い温度である。 (4)続いて、フィルタで電解質LiPF6 を溶解した
ジエチルカーボネート40と固形分115とに分離す
る。
【0073】C:電解質分離工程 (5)溶解・分離したLiPF6 を含んだジエチルカー
ボネート40に消石灰溶液15を添加し、電解質LiP
6 のP及びFを、Ca3(PO4)3 及びCaF2の沈澱
物46にし、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム分離
機35で濾過・分離する。 (6)上記フッ化カルシウム、リン酸カルシウム分離機
35での濾過液を加温し、蒸発したガスを蒸留、冷却し
て溶媒ジエチルカーボネート110aを有機溶媒分離工
程38によりガスから凝縮分離する。 (7)上記工程38での蒸発残渣に炭酸ナトリウム溶液
17を添加し、リチウム炭酸塩(LI2Co3)18とし
て炭酸リチウム沈澱工程33で沈澱させ、炭酸リチウム
分離機34で濾過・分離する。
【0074】D:固形分処理工程 (8)前記(4)項で分離した固形分115を乾燥工程
114で乾燥させ、有機溶媒抽出の際、固形分115に
付着した溶媒を蒸発させて、事後の工程における引火性
溶媒の介在を防止する。蒸発した溶媒は凝縮工程113
で凝縮分離し、有機溶媒抽出工程102で再使用する。
【0075】(9)上記(8)項で乾燥した固形部11
5を水槽に入れ、撹拌することにより、比重が大きい、
容器を構成する鉄(比重:約8)、正極構成材LiCo
2 (比重:約6)、アルミニウム(比重:約2.
7)、負極構成材Cu(比重:約9)等と、比重が小さ
い、正極構成材及び負極構成材のグラファイト(比重:
約2)、セパレータとしてのポリプロピレン及びポリエ
チレン(比重:約1)、水不溶性媒体であるエチレンカ
ーボネート等とを比重差分離工程23で分離する。すな
わち、撹拌の程度により比重が大きい前者は沈降し、小
さい後者は浮上し分離する。
【0076】(10)上記(9)項で分離した正極構成
材及び負極構成材のグラファイトとセパレータとしての
ポリプロピレン及びポリエチレン、水不溶性媒体である
エチレンカーボネートからなる混合体204をフィルタ
を利用して浮遊物分離機32で水から分離する。 (11)前記(9)項で沈降して分離された比重の大き
な物質である、容器を構成する鉄、正極構成材LiCo
2 、アルミニウム、負極構成材Cuよりなる混合体2
03を、付着水分分離工程24で加温し、乾燥する。 (12)次に磁力選別機/渦電流選別機25により、強
磁性体である鉄206を、非磁性体であるその他のアル
ミニウムや銅、LiCoO2 と分離するとともに、その
伝導性の差を利用して渦電流選別機によりアルミニウム
207とその他(銅、LiCoO2 )の混合体205に
分離する。
【0077】(13)LiCoO2 209と銅208と
は、振動ふるい機(ふるい目4mm)26により分離す
る。 (14)LiCoO2 209は塩酸溶液13を添加し、
コバルト溶解槽27で溶解させる。 (15)溶解したLiCoO2 に水酸化ナトリウム溶液
14を添加し、水酸化コバルト11をコバルト沈澱槽2
9で沈降させ、コバルト分離機31で濾過分離する。 (16)溶解液中のリチウムは炭酸ナトリウム溶液17
を添加し、炭酸リチウム18としてリチウム沈澱槽33
に沈澱させ、炭酸リチウム分離機34で濾過分離する。
【0078】上記第2発明の第1実施例においては、上
記処理方法により、 (1)破砕工程においては、破砕雰囲気温度を−50℃
以下凍結低温雰囲気とすることにより、五フッ化リン、
フッ化水素などの有害ガスの発生、爆発の発生なしに解
体することができる。 (2)また、有機溶媒抽出工程においては、空気中の水
分と反応して五フッ化リン、フッ化水素などの有害ガス
を生じる電解質のLiPF6 等フッ素化合物を、その溶
媒であるジエチルカーボネートに溶かすことで溶媒系に
抽出・分離し、溶媒を系外で処理することで、以後の固
形物の処理において電解質のLiPF6 等フッ素化合物
を考慮する必要が無くなる。そのため、以下の工程にお
いて有害ガス発生の危険性を解消でき、有害ガスが発生
することを想定したフード内での作業の必要性がなくな
る。 (3)引火性溶媒体をその引火温度である25℃より低
い温度で加温し、ガス中へ分離し、次に冷却することに
よりガス中から凝縮分離して回収することができた。そ
のため、以下の工程において引火の危険性をなくすこと
ができる。 (4)水中で撹拌することにより、[容器を構成する
鉄、正極構成材LiPF6、LiCoO2 、アルミニウ
ム、負極構成材Cu]と[正極構成材及び負極構成材の
グラファイト、セパレータとしてのポリプロピレン及び
ポリエチレン、水不溶性媒体であるエチレンカーボネー
ト]とに分離することができる。 (5)磁力選別機により強磁性体である鉄と、非磁性体
であるその他(銅、LiCoO2 )に分離することがで
きる。また、鉄単体で回収分離もできる。 (6)同時にその導電性の差を利用し、渦電流選別機に
よりアルミニウムとその他(銅、LiCoO2 )に分離
することができる。 (7)LiCoO2 と銅とは振動ふるい機(ふるい目4
mm)により分離することができる。このため、LiC
oO2 と銅とそれぞれ単体で回収分離できる。 (8)LiCoO2 中のコバルトは、LiCoO2 を塩
酸に溶解させ、水酸化ナトリウムを添加することにより
水酸化コバルトを沈澱し、分離できる。 (9)リチウムが溶解している溶液に炭酸ナトリウム溶
液を添加することにより、炭酸塩(Li2Co3)として
沈澱・濾過分離することができる。 (10)電解質LiPF6 を含んだ溶液に消石灰溶液を
添加し、P及びFをCa 3(PO4)3 、CaF2 の沈澱物
にすることにより、濾過残渣より分離することができ
る。以上に説明したように、使用済みリチウムイオン電
池を安全に処理することができる。
【0079】図5は、図4の別の実施形態である第2の
実施例を示すフローチャート図である。以下にその処理
方法について詳細に説明する。 A:破砕工程(101) (1)放電使用済みリチウムイオン電池100を冷凍室
で−50℃前後の状態に冷却する。(前記リチウム電池
の電解質の溶媒には融点−43℃のジエチルカーボネー
トが使用されている。) (2)次いで、上記冷凍状態にある電池100を、冷却
した略−50℃前後の低温窒素雰囲気下でロール粉砕機
やハンマーミルで完全に分解破砕した状態にする。
【0080】B:有機溶媒抽出工程 (3)破砕した電池100を加温し、電解質LiPF6
の溶媒であるジエチルカーボネートを気相への分離工程
102で気相中にガス化し分解する。この時の温度は電
解質LiPF6 溶媒であるジエチルカーボネートの引火
温度である25℃より低く、融点である−43℃より高
い温度である。 (4)上記気相中に分離したガスを凝縮分離工程131
で凝縮分離し、ジエチルカーボネート110aを回収す
る。
【0081】(5)続いて、メチルアルコールまたはエ
チルアルコール120を添加し、電解質であるLiPF
6 をLiPF6 抽出分離工程121でメチルアルコール
またはエチルアルコール中に抽出・分離する。 (6)続いて、フィルタにより固形分と溶液の分離工程
122で溶解したメチルアルコールまたはエチルアルコ
ールと固形分とに分離する。
【0082】C:電解質分離工程 (7)LiPF6 を溶解したメチルアルコールまたはエ
チルアルコールを加温し、蒸発したガスを蒸留、冷却し
てメチルアルコールまたはエチルアルコール120を有
機溶媒分離工程38で凝縮・分離する。 (8)分離したLiPF6 に消石灰溶液15を添加し、
電解質LiPF6 中のP及びFをCa3(PO4)3 及びC
aF2 の沈澱物46をF、P沈澱工程40で形成させ、
フッ化カルシウム、リン酸カルシウム分離機35で濾過
・分離する。 (9)上記(8)項での濾過液に炭酸ナトリウム溶液1
7を添加し、濾過液中のLiを炭酸塩(Li2Co3)1
8として炭酸リチウム沈澱工程のリチウム沈澱槽33で
沈澱させ、炭酸リチウム分離機34で濾過・分離する。
【0083】D:固形分処理工程 (10)前記(6)項で分離した固形分115を乾燥工
程114で乾燥させ、蒸発したメタノールまたはエチル
アルコールは凝縮工程113で凝縮分離し、LiPF6
抽出分離工程121で再利用する。 (11)上記(10)項で乾燥させた固形分115を水
槽に入れ、撹拌することにより、比重が大きい[容器を
構成する鉄(比重:約8)、正極構成材LiCoO2
(比重:約6)、アルミニウム(比重:約2.7)、負
極構成材Cu(比重:約9)]203と、比重の小さい
[正極構成材及び負極構成材のグラファイト(比重:約
2)、セパレータとしてのポリプロピレン及びポリエチ
レン(比重:約1)、水溶性媒体であるエチレンカーボ
ネート]204とを比重差分離工程23で分離する。す
なわち、撹拌の程度により比重が大きい前者は沈降し、
小さい後者は浮上し分離する。
【0084】(12)前記(11)項で分離した正極構
成材及び負極構成材のグラファイト、セパレータとして
のポリプロピレン及びポリエチレン、水不溶性媒体であ
るエチレンカーボネートよりなる混合体204をフィル
タを利用して浮遊物分離機32で水から分離する。 (13)前記(11)項で沈降して分離された比重の大
きな物質である、容器を構成する鉄、正極構成材LiC
oO2 (比重:約6)、アルミニウム(比重:約2.
7)、負極構成材Cu(比重:9)よりなる混合体20
3を付着水分分離工程24で加温し、乾燥する。 (14)次に磁力選別機/渦電流選別機25により、強
磁性体である鉄206を非磁性体であるその他のアルミ
ニウムや銅、LiCoO2 と分離するとともに、その伝
導性の差を利用して渦電流選別機によりアルミニウム2
07とその他(銅、LiCoO2 )の混合体205に分
離する。
【0085】(15)LiCoO2 209と銅208と
は振動ふるい機(ふるい目4mm)26により分離す
る。 (16)LiCoO2 209は塩酸溶液13を添加し、
コバルト溶解槽27で溶解させる。 (17)溶解したLiCoO2 に水酸化ナトリウム溶液
14を添加し、水酸化コバルト11をコバルト沈澱槽2
9で沈降させ、コバルト分離機31で濾過分離する。 (18)溶解中のリチウムは炭酸ナトリウム溶液17を
添加し、炭酸リチウム18としてリチウム沈澱槽33に
沈澱させ、炭酸リチウム分離機34で濾過分離する。
【0086】上記処理方法では、前記破砕工程では第1
実施例と同様に凍結低温の雰囲気処理をするため、解体
時の電池の短絡事故、引火性溶媒による発火事故、電解
質による有毒ガスの発生事故等は防止出来る。特に有機
溶媒抽出工程において、電解液に含まれる溶媒の抽出と
電解質の抽出に分け、前者の抽出をジエチルカーボネー
トにより行ない、その後に、後者の電解質の抽出をメチ
ルアルコール/エチルアルコールを使用し完全に系外へ
分離するようにしたため、以後の固形物の処理において
電解質のLiPF6 等フッ素化合物を考慮する必要が無
くなる。また、ケースのABS、セパレータとしてのポ
リプロピレン及びポリエチレンならびに保護回路配線被
覆材の塩ビを溶出せず、電解質のLiPF6 のみを溶解
し系外に出せる。
【0087】以下図6〜図8には前記図4の別の実施形
態である第3、第4、第5の実施例のフローチャート図
が示してあるが、この場合は後段の固形分処理工程にお
いて、前記第1、第2の実施例と異なる手法により可能
としたものである。以下に、前段の破砕工程、有機溶媒
抽出工程、電解質処理工程については説明を省き、固形
分処理工程について詳述する。
【0088】第3の実施例の固形分処理工程は、比重差
分別工程と、pH調節することにより水酸化物の分別沈
澱よりなる金属分別工程とよりなるものである。第3の
実施例のフローチャートを示す図6により、上記固形分
処理工程を説明する。 (1)前段の乾燥工程114で乾燥した固形分115を
水槽に入れ、攪拌することにより、比重が大きいものと
小さいものとに比重差分離工程23において分離させ
る。攪拌の程度のより比重が大きいものは沈降し、小さ
いものは浮上して分離できる。 (2)上記のようにして浮上した、正極構成材及び負極
構成材のグラファイト(比重約2)、セパレータとして
のポリプロピレン及びポリエチレン(比重約1)、水不
溶性媒体であるエチレンカーボネート(比重約1)から
なる比重の軽い混合体204を、浮遊物分離機32によ
り水から分離する。
【0089】(3)前記工程23で沈降し分離された、
容器を構成する鉄(比重約8)、正極構成材LiCoO
2 (比重約6)、アルミニウム(比重約2.7)、負極
構成材銅(比重約9)からなる比重の大きい混合体20
3を乾燥させる。上記混合体203をコバルト溶解槽2
7に入れ、塩酸溶液13を添加して鉄、LiCoO2
アルミニウム、銅を溶解させる。なお前記塩酸13の代
わりに硫酸等の鉱酸を使用してもよい。 (4)次いで、上記溶解させた溶液に水酸化ナトリウム
溶液14を添加してpHを2〜4に調整し、水酸化鉄及
び水酸化アルミニウム315を生成させ、鉄及びアルミ
ニウム分離機302で濾過して分離した。ここで、水酸
化ナトリウム溶液14の代わりに消石灰水溶液などのア
ルカリ性水溶液の使用も可能である。
【0090】(5)前記(4)項で得られた濾過液をコ
バルト沈澱槽29に入れ、アンモニア水310を添加し
てpHを6〜8とし、溶解しているコバルトを水酸化コ
バルト11の形で沈澱させ、コバルト分離機31で濾過
し、水酸化コバルト11を回収する。また、この際、銅
はCu錯体(テトラアンミン酸水酸化銅)を形成し溶解
している。 (6)前記(5)で得たCuを溶解している溶液を銅沈
澱槽312に入れ、塩酸溶液13を添加し、pHを4〜
6に調節して、銅分離機313を介して水酸化銅10を
回収する。ここでも塩酸13の代わりに硫酸等の鉱酸も
使用できる。 (7)前記(6)項での濾過液と浮遊物を分離した分離
液と合わせ、リチウム沈澱槽33において炭酸ナトリウ
ム溶液17を添加し、リチウム炭酸塩Li2Co3として
沈澱させ、炭酸リチウム分離機34で濾過し、炭酸リチ
ウム18を回収する。
【0091】第4の実施例の固形分処理工程は、比重差
分別工程と、アルミニウム溶解工程と、アルミニウム分
離工程と、鉄分分離工程と、LiCoO2 分離工程とよ
りなるものである。第4の実施例のフローチャートを示
す図7により、上記固形分処理工程を説明する。 (1)前記比重差分離工程23で沈降し分別された比重
の大きい混合体203を加熱乾燥しアルミ溶解水槽15
1に入れ、水酸化ナトリウム溶液14を添加し、LiC
oO2 が塗布されたアルミニウム箔を溶解させる。この
工程はアルミニウムが水酸化ナトリウム水溶液に可溶
で、鉄、銅、LiCoO2 が不溶である性質を利用した
ものである。即ち、LiCoO2 は塗布されているアル
ミニウム箔から分離される。 (2)前記(1)項で得た水溶液をフィルタでアルミニ
ウムが溶解した液とその他の 固形分(鉄、銅、LiC
oO2 )152とに分離する。
【0092】(3)前記して得られた固形残渣152を
加温乾燥して付着水分分離工程24で付着水分を除去す
る。 (4)磁力選別機/渦電流式選別機25により強磁性体
である鉄206と非磁性体であるその他の物質(銅、L
iCoO2 )205とを分離する。 (5)LiCoO2 と銅からなる混合体205は、振動
ふるい機(ふるい目4mm)26により分離され、銅
(Cu)208、LiCoO2 209が回収される。
【0093】(6)前記(2)項で得られたアルミニウ
ム水溶液は、アルミ沈澱槽28において塩酸13を添加
してpHを2〜4に調整し、水酸化アルミニウム12の
沈澱を生成させ、アルミ分離機30で濾過し、水酸化ア
ルミニウム12を分離する。 (7)上記濾過液をリチウム沈澱槽33において炭酸ナ
トリウム溶液17を添加し、リチウムを炭酸塩として沈
澱させ、濾過分離する。すなわち、前記濾過液を前記
(2)項で得られた浮遊物分離機32で浮遊物を分離し
た分離液と合わせ、リチウム沈澱槽33において炭酸ナ
トリウム溶液17を添加し、リチウム炭酸塩Li2Co3
として沈澱させ、炭酸リチウム分離機34で濾過し、炭
酸リチウム18を回収する。
【0094】第5の実施例の固形分処理工程において
は、第3及び第5の実施例のフローチャートを示す図
6、図8に見るように、第3の実施例における鉄アルミ
分離機302で、水酸化鉄及び水酸化アルミニウム31
5を分離した後の水溶液から、水酸化コバルト11及び
水酸化銅10を沈澱させる際のpH調整を、アンモニア
水310と塩酸13で行なう代わりに、水酸化ナトリウ
ム水溶液316で行なうようにしたものである。即ち、
工程(1)〜(4)と工程(7)は第3の実施例と同一
であるので、説明を省略し以後の工程について説明す
る。 (5)前記(4)で得られた濾過液をコバルト沈澱槽2
9に入れ、水酸化ナトリウム溶液316を添加してpH
4〜6に調整し、溶解しているコバルトを水酸化コバル
ト11としてコバルト分離機31で分離、回収する。 (6)前記(5)で得た銅を溶解している溶液を銅沈澱
槽312に入れ、水酸化ナト リウム水溶液316を添
加し、pHを6〜7に調整して水酸化銅10を沈澱さ
せ、銅分離機313で濾過し、該水酸化銅10を回収す
る。
【0095】上記第5の実施例による場合は、特定のp
H域(pH=2〜4、4〜6、6〜8)で溶解度の小さ
い水酸化物がそれぞれ沈澱でき、溶液中の夾雑物の混在
によるリチウム回収に対する影響を除去できる。
【0096】
【発明の効果】以上記載のように本発明によれば、請求
項1及び2記載の発明において、使用済み電池を電解液
溶媒の融点以下、例えば−50℃以下に冷凍し、且つ該
温度の窒素ガス雰囲気若しくは乾燥空気雰囲気のもとに
おける解体により、リチウムイオン電池の処理において
五フッ化リン、フッ化水素などの有害ガスの発生、爆発
等の恐れを完全に排除できる。また、五フッ化リンなど
の有毒ガスの発生源である電解質LiPF6 をジエチル
カーボネートに溶解させ、蒸留残渣として分離させるこ
とにより、以下の工程における有害ガスの発生の恐れを
完全に排除できる。また、本発明によれば、有毒ガスの
発生を想定したフード内の作業や排ガス処理の必要をな
くすとともに、有機溶媒であるジエチルカーボネート、
エチレンカーボネートを円滑に回収できる。又本発明に
よれば、未放電電池の混入に際しても−50℃前後の雰
囲気における処理により、破砕時発生する恐れを排除で
きる。
【0097】又請求項3記載の発明によれば、前記有機
溶媒が引火性溶媒である場合においても、その引火点よ
り低い温度で加温することにより、安全且つ容易に有機
溶媒を凝縮分離できる。又請求項4記載の発明によれ
ば、空気中の水分と反応して五フッ化リン、フッ化水素
などの有害ガスを生じるガス状電解質を水に溶かすこと
で安全に水系に抽出・分離できる。請求項5記載の発明
によれば、請求項1記載の発明で破砕した電池の固形分
は、比重差や溶解差を利用した選別により、容器構成
材、正極片、負極片、セパレータに安全且つ確実に分離
できる。特に比重選別槽の水中で攪拌することにより、
例えばリチウム電池の場合に[容器を構成する鉄、正極
構成材LiCoO2 、Al、負極構成材Cu]の比重の
大きい粉砕物と、[正極構成材及び負極構成材のグラフ
ァイト、そしてセパレータとしてのポリプロピレン及び
ポリエチレン、水不溶性媒体であるエチレンカーボネー
ト]の比重の小さい粉砕物とに容易に分離することがで
きた。
【0098】請求項6記載の発明は、比重の小さな例え
ばセパレータ構成物質をフィルタを利用して分離するこ
とにより、このため溶液中に存在するリチウムの回収に
おいて夾雑物の混在の影響が無くすことができる。請求
項7記載の発明は、磁力選別機、渦電流選別機により強
磁性体である鉄を、非磁性体であるその他(アルミニウ
ム、銅、LiCoO2 )と分離することができ、同時に
その導電性の差を利用し、渦電流選別機によりアルミニ
ウムとその他(銅、LiCoO2 )に分離することがで
き、これにより、鉄、アルミニウムそれぞれを単体で容
易に回収分離できる。又振動ふるい選別機により、例え
ばリチウム電池の場合LiCoO2 とCuとは振動ふる
いにより容易に分離することができ、これによりLiC
oO2 とCuとそれぞれ単体で回収分離できる。
【0099】請求項8記載の発明によれば、蒸留残渣中
の電解質LiPF6 を含んだ溶液に消石灰溶液を反応さ
せ、有害なリン及びフッ素を無害なリン酸カルシウム、
フッ化カルシウムの沈澱物として分離できる。請求項9
記載の発明によれば、請求項8記載の発明の回収工程の
瀘液(リチウムを含む)に炭酸ナトリウム溶液を添加す
ることにより炭酸塩(炭酸リチウム)として沈澱、濾過
分離できる。
【0100】さらに請求項10、11記載の発明のよう
に、正極側のLi、Co、Al、又負極側のCuは塩酸
や硫酸などの鉱酸等を用いて溶解濾過させることにより
簡単に塗布剤やグラファイトを分離できる。前記溶解濾
過した正極側のCo、Al、また負極側のCuは、水酸
化ナトリウム溶液の添加によって特定pH域に滴定させ
ることにより、溶解度の小さいAl(OH)3 、(Cu
(OH)2)、Co(OH)2 の沈澱物にそれぞれ分離でき
る。そして請求項12記載の発明のように、残ったリチ
ウムを含む瀘液に炭酸ナトリウム溶液を添加することに
より炭酸塩(炭酸リチウム)として沈澱、濾過分離でき
る。
【0101】請求項13記載の発明によれば、本処理方
法は、前記リチウム塩−非水溶媒系リチウム電池を該電
池の電解液の融点温度未満の冷凍雰囲気で凍結状で破砕
する冷却破砕工程と、該破砕工程により得られた破砕物
を電解質の溶媒及び電解質を含む溶解液と固形分とに分
離すべく、有機溶媒により抽出分離する有機溶媒抽出工
程と、抽出した溶解液を系外に取出し電解質と溶媒とに
分離する電解質分離工程と、固形分を分別処理する固形
分処理工程を備えている。上記冷却破砕工程により、有
機電解液は凍結しているため、イオン移動度の極端な低
下の基づく短絡事故の防止ができ、低温雰囲気温度に基
因する氷の蒸気圧低下と解体処理雰囲気における含有水
分量低下により、LiPF6 等のフッ素化合物の有毒ガ
スの発生を抑えることが出来る。また、請求項14記載
の発明により破砕時の雰囲気温度は破砕電池の電解液溶
媒の融点以下の冷凍温度に設定するようにしてあり、リ
チウムイオン電池の主たる溶媒であるジエチルカーボネ
ートの場合、融点は−43℃であるので−50℃前後の
雰囲気温度で解体処理が行なわれ、有機電解液中の揮発
性(引火性)溶媒の蒸気圧が殆どなく、いずれも固相状
態を呈することになる。
【0102】また、請求項15記載の発明により電解液
の溶媒抽出には該溶媒にジエチルカーボネートが使用さ
れているため、抽出溶媒には同じジエチルカーボネート
の使用が好ましく、系外処理も確実にできる。また、請
求項16記載の発明により、電解質のLiPF6 の抽出
にはジエチルカーボネートを使用し、破砕物を抽出溶媒
の融点以下で且つ引火点未満温度に昇温させ、その温度
状態で抽出溶媒に接触させるようにしてある。そのた
め、上記接触により抽出溶媒は電解質LiPF6 を溶解
した後、フィルタにより固形分と分離することができ
る。なお、引火性媒体であるジエチルカーボネートはそ
の引火温度である25℃より低い温度で加温し、次いで
冷却することによりガス中から凝縮分離回収できるた
め、事後の工程における引火の危険は解消させることが
できる。
【0103】尚、請求項17記載の発明によれば、予め
溶媒の抽出をジエチルカーボネートにより行ない、その
後でメチルアルコール/エチルアルコールによりLiP
6の溶解抽出を行なうようにしてあるため、これによ
り有毒ガスを生じる電解質のLiPF6 溶媒系に抽出分
離し、溶媒を系外で処理することにより以後の固形物処
理工程での前記電解質に対する考慮をすることなく固形
分処理ができる。また、前記エチルアルコール/メチル
アルコールの使用により、ケースの素材であるABS、
セパレータのポリプロピレンやポリエチレンならびに保
護回路配線被覆材の塩ビを溶出させることなく、電解質
のLiPF6 のみを溶解し、フィルタを介して固形分と
分離して系外に出すことができる。
【0104】また、請求項18記載の発明によれば、請
求項13記載の電解質分離工程では、Ca塩分離工程に
より、有機溶媒抽出工程で抽出分離した溶解液に消石灰
溶液を添加反応沈澱させ、フッ化カルシウム、リン酸カ
ルシウムを分離することができ、分離液の加熱蒸留によ
り前記溶解液中の溶媒を分離させジエチルカーボネート
を回収することができる。なお、前記蒸留残液より炭酸
リチウムを回収出来るようにしてあり、電解質の分離及
び抽出溶媒の回収を固形分処理工程の系外で効率よく行
なうことが出来る。また、請求項19記載の発明によ
り、前記有機溶媒抽出工程で分離された固形分は、乾燥
工程に掛け前記抽出工程で付着した有機溶媒を除去し、
固形分処理工程への前記溶媒の侵入介在を遮断して安全
の確立を図ることができる。
【0105】また、請求項20〜23記載の発明は、請
求項13記載の固形分処理工程に係わるもので、請求項
20記載の発明においては、前記固形分処理工程は水中
攪拌による比重差分離工程と、pH調整による金属分別
工程とより形成させたもので、請求項21記載の発明に
おいては、前記固形分処理工程は比重差分離工程と、ア
ルミニウム溶解工程と、アルミニウム分離工程と、磁力
選別による鉄分分離工程と、振動ふるい分けによるLi
CoO2 分離工程とより形成させたもので、前記アルミ
ニウム分離工程によりアルミニウム箔に塗布されたLi
CoO2 の分別を可能にしている。
【0106】請求項22記載の発明により、比重差分離
工程と、加温乾燥工程と、磁力選別、渦電流選別工程
と、振動ふるい分け工程とより形成させ、比重差や溶解
差を利用した選別により、容器構成材、正極片、負極
片、セパレータに安全且つ確実に分離できる。特に比重
選別槽の水中で攪拌することにより、例えばリチウム電
池の場合に[容器を構成する鉄、正極構成材LiCoO
2 、Al、負極構成材Cu]の比重の大きい粉砕物と、
[正極構成材及び負極構成材のグラファイトそしてセパ
レータとしてのポリプロピレン及びポリエチレン、水不
溶性媒体であるジエチレンカーボネート]の比重の小さ
い粉砕物とに容易に分離することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明の使い済みの非水溶媒系電
池の処理方法の概略の流れを示す系統図である。
【図2】図1の具体的フローチャート図である。
【図3】図2の製造システムの概要図を示す。
【図4】本発明の第2の発明の使い済みのリチウム塩−
非水溶媒系リチウム電池の処理方法に係わる第1の実施
例を示すフローチャート図である。
【図5】図4の別の実施形態である第2の実施例を示す
フローチャート図である。
【図6】図4の別の実施形態である第3の実施例を示す
フローチャート図である。
【図7】図4の別の実施形態である第4の実施例を示す
フローチャート図である。
【図8】図4の別の実施形態である第5の実施例を示す
フローチャート図である。
【符号の説明】
S1 冷凍工程 S2、101 破砕工程 S3、102 有機溶媒抽出工程 S4 電解質分離工程 S5 消石灰溶液反応工程 S6、23 比重差分離工程 S7+、S7- 鉱酸添加工程(塩酸添加工程) S8+、S8- 固形分分離工程 S9+、S9- 水酸化ナトリウム溶液反応工程 S101、S102 炭酸ナトリウム溶液反応工程 18 炭酸リチウム 24 付着水分分離工程 25 磁力選別機/渦電流選別機 32 浮遊物分離機 37 溶媒抽出分離工程 38 有機溶媒分離工程 40 F、P沈澱工程 100 廃電池 121 LiPF6 抽出工程 203、204、205 混合体 206 鉄 207 アルミニウム 208 銅 209 LiCoO2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神村 武男 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 本村 士郎 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 佐々木 健治 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 山内 澄男 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 西田 清則 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 矢吹 正和 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオン電池その他の非水溶媒系
    電池の処理方法において、 前記非水溶媒系電池を該電池の電解液溶媒の発火及び有
    害ガスの発生を抑えた雰囲気下で電池を解体し破砕する
    破砕工程と、 前記破砕工程で生じた電解液を有機溶媒により抽出して
    固形分と分離する有機溶媒抽出工程と、 前記有機溶媒抽出工程で抽出した電解質の溶解液を蒸
    留、凝縮等の気液分離手段により電解質と有機溶媒とに
    分離する電解質分離工程とを備えたことを特徴とする非
    水溶媒系電池の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気下が、非水溶媒系電池の電解
    液溶媒の融点以下に冷凍する冷凍雰囲気下であることを
    特徴とする請求項1記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の有機溶媒抽出工程が、該
    溶媒をその融点と引火点までの温度域に加温してガス中
    へ分離し、次に冷却することにより他の物質から電解質
    の溶解液を分離する抽出工程であることを特徴とする請
    求項1記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記電解質分離工程で前記有機溶媒抽出
    工程で得られた電解質の溶解液を蒸留、凝縮等の気液分
    離手段によりガス状電解質と有機溶媒に分離して、ガス
    状電解質は水と接触させて水中に抽出分離することを特
    徴とする請求項1記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の有機溶媒抽出工程により
    分離された固形分を、比重差若しくは溶解性の差を利用
    した選別により正極片、負極片、容器構成材料、及びセ
    パレータとに分離可能にした、比重若しくは溶解差選別
    工程(以下比重等選別工程という)を有することを特徴
    とする請求項1記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の破砕工程で破砕された金
    属、非金属、電解質、有機溶媒を分離する工程におい
    て、水に不溶で且つ比重の小さい破砕物をフィルタを利
    用して分離することを特徴とする請求項1記載の非水溶
    媒系電池の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の破砕工程で破砕された正
    極、負極を含む電池構成材及び容器材料としての金属及
    び金属酸化物をそれぞれ分離する工程において、磁性差
    を利用した磁力選別機、渦電流に基づく反発力差を利用
    した渦電流選別機、大きさの差を利用した振動ふるい選
    別機を適宜選択して金属及び金属酸化物をそれぞれ単体
    で分離することを特徴とする請求項1記載の非水溶媒系
    電池の処理方法。
  8. 【請求項8】 前記非水溶媒系電池がリチウムイオン電
    池である場合において、 前記電解質分離工程により分離された電解質に、消石灰
    溶液を反応させ、該反応溶液を濾過して、フッ化カルシ
    ウム及びリン酸カルシウムを回収するCa塩分離工程を
    有することを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン
    電池の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記非水溶媒系電池がリチウムイオン電
    池である場合において、 請求項8記載のCa塩分離工程で得られる残渣(瀘液)
    に、炭酸ナトリウム溶液を反応させ、炭酸リチウムを回
    収する炭酸リチウム分離工程を有することを特徴とする
    請求項8記載のリチウムイオン電池の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記非水溶媒系電池がリチウムイオン
    電池である場合において、 前記比重等選別工程により分離された正極片に塩酸、硫
    酸等の鉱酸を反応させた後これを濾過し、該瀘液に水酸
    化ナトリウム溶液を反応させた後、該反応溶液を濾過す
    ることにより、水酸化コバルト及び水酸化アルミニウム
    を回収するアルミニウム分離工程を有することを特徴と
    する請求項5記載のリチウムイオン電池の処理方法。
  11. 【請求項11】 前記非水溶媒系電池がリチウムイオン
    電池である場合において、 前記比重等選別工程により分離された負極片を、鉱酸を
    反応させた後これを濾過し、該濾液に水酸化ナトリウム
    溶液を反応させて(Cu(OH)2 )を回収する銅分離工
    程を有することを特徴とする請求項5記載のリチウムイ
    オン電池の処理方法。
  12. 【請求項12】 前記非水溶媒系電池がリチウムイオン
    電池である場合において、 前記アルミニウム分離工程若しくは銅分離工程により分
    離された濾液に、炭酸ナトリウムを反応させた後、これ
    を濾過し炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム分離工程
    を有することを特徴とする請求項10及び11記載のリ
    チウムイオン電池の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記非水溶媒系電池がリチウム塩−非
    水溶媒系リチウムイオン電池である場合において、 前記非水溶媒系電池を該電池の電解液溶媒の発火及び有
    害ガスの発生を抑えた雰囲気下で電池を解体し破砕する
    破砕工程と、 前記破砕工程で生じた電解液を有機溶媒により抽出し
    て、溶解液と固形分とに分離する有機溶媒抽出工程と、 前記溶解液より電解質と有機溶媒とに分離する電解質分
    離工程と、 前記固形分を分別処理する固形分処理工程と、 を備えたことを特徴とする非水溶媒系電池の処理方法。
  14. 【請求項14】 前記雰囲気下が、非水溶媒系電池の電
    解液溶媒の融点以下に冷凍する冷凍雰囲気下であること
    を特徴とする請求項13記載の非水溶媒系電池の処理方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の有機溶媒抽出工程
    は、処理電池の電解液の主たる溶媒を形成するジエチル
    カーボネートの系外抽出処理を可能とすべく抽出溶媒に
    ジエチルカーボネートを使用したことを特徴とする請求
    項13記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の有機溶媒抽出工程
    は、処理電池の電解質LiPF6 の抽出は、系外抽出処
    理を可能とすべく抽出溶媒にはジエチルカーボネートを
    使用し、破砕工程で得られた破砕物を抽出溶媒の融点以
    上で且つ引火点未満の温度に昇温させ、その状態で抽出
    溶媒に接触させ、電解液のリチウム塩を分離抽出してそ
    の溶解液を得るようにしたことを特徴とする請求項13
    記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  17. 【請求項17】 前記LiPF6 の抽出は、前記請求項
    15記載の電解液の溶媒であるジエチルカーボネート
    を、それと同じ有機溶媒のジエチルカーボネートにより
    系外へ抽出後、メチルアルコール/エチルアルコールに
    より前記LiPF6 の抽出を行なうようにしたことを特
    徴とする請求項16記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  18. 【請求項18】 請求項13記載の電解質分離工程で、
    分離抽出された電解質LiPF6 を溶解している前記溶
    解液に消石灰溶液を添加反応させ、該反応液溶液を濾過
    沈澱させて、フッ化カルシウム及びリン酸カルシウムを
    分離するCa塩分離工程を設け、分離液を加熱蒸留して
    前記電解質とともに抽出された電解液の溶媒を分離さ
    せ、前記ジエチルカーボネートを回収する溶媒分離工程
    を設け、溶媒分離後の蒸留残液に炭酸ナトリウム溶液を
    反応させ、炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム分離工
    程を設けたことを特徴とする請求項13記載の非水溶媒
    系電池の処理方法。
  19. 【請求項19】 請求項13記載の固形分処理処理手段
    は、有機溶媒抽出工程により分離された直後の固形分に
    対し、乾燥回収工程を設け当該固形分に付着している溶
    媒を除去して後段の処理工程への溶媒の介在を遮断した
    ことを特徴とする請求項13記載の非水溶媒系電池の処
    理方法。
  20. 【請求項20】 前記請求項13記載の固形分処理工程
    は、前記固形分を水に分散させ、比重差により炭素粉
    末、合成樹脂及びエチレンカーボネートからなる比重の
    小さい混合物と鉄、アルミニウム、銅及びLiCoO2
    を含む比重の大きい混合物とに分離する比重差分離工程
    と、該比重差分離工程で得られる比重の大きい混合物を
    酸で溶解した後、pHを調節することによって、鉄、ア
    ルミニウム、コバルト及び銅の水酸化物を分別沈澱させ
    て分離する金属分別工程とより形成したことを特徴とす
    る請求項13記載の非水溶媒系電池の処理方法。
  21. 【請求項21】 前記請求項13記載の固形分処理工程
    は、 前記固形分を水に分散させ、比重差により炭素粉末、合
    成樹脂及びエチレンカーボネートからなる比重の小さい
    混合物と、鉄、アルミニウム、銅及びLiCoO2 を含
    む比重の大きい混合物とに分離する比重差分離工程と、
    該比重差分離工程で得られた比重の大きい混合物をアル
    カリ水溶液で処理してアルミニウムを溶解させるアルミ
    ニウム溶解工程と、アルミニウム溶解液からpH調整に
    より水酸化アルミニウムを沈澱させて分離するアルミニ
    ウム分離工程と、アルミニウム溶解後の混合物から磁力
    選別による鉄分を分離する鉄分分離工程と、鉄分分離後
    の銅及びLiCoO2 からなる混合物からふるい分けに
    より銅とLiCoO2 を分離するLiCoO2 分離工程
    とより形成したことを特徴とする請求項13記載の非水
    溶媒系電池の処理方法。
  22. 【請求項22】 前記請求項13記載の固形分処理工程
    は、 前記固形分を水に分散させ、比重差により炭素粉末、合
    成樹脂及びエチレンカーボネートからなる比重の小さい
    混合物と、鉄、アルミニウム、銅及びLiCoO2 を含
    む比重の大きい混合物とに分離する比重差分離工程と、
    該比重差分離工程で得られた比重の大きい混合物の加温
    乾燥工程と、ついで乾燥した混合物の磁性と導電性を利
    用して鉄分とアルミニウム及びその他(銅、LiCoO
    2 )とに選別する磁力選別と渦電流選別工程と、大きさ
    により前記銅とLiCoO2 とを分別する振動ふるい分
    け工程とより形成したことを特徴とする請求項13記載
    の非水溶媒系電池の処理方法。
  23. 【請求項23】 前記LiCoO2 の分離工程は、前記
    LiCoO2 に塩酸溶液を添加して得られた溶解液に、
    水酸化ナトリウムを添加して水酸化コバルトを沈澱させ
    る水酸化コバルト分離工程と、濾過分離液に炭酸ナトリ
    ウムを添加して炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム分
    離工程とを含むことを特徴とする請求項22記載の非水
    溶媒系電池の処理方法。
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