JPH11167294A - 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置

Info

Publication number
JPH11167294A
JPH11167294A JP33617597A JP33617597A JPH11167294A JP H11167294 A JPH11167294 A JP H11167294A JP 33617597 A JP33617597 A JP 33617597A JP 33617597 A JP33617597 A JP 33617597A JP H11167294 A JPH11167294 A JP H11167294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer belt
intermediate transfer
layer
thickness
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33617597A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tanaka
篤志 田中
Minoru Shimojo
稔 下條
Akira Shimada
明 島田
Tsunenori Ashibe
恒徳 芦邉
Hiroyuki Osada
弘行 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP33617597A priority Critical patent/JPH11167294A/ja
Publication of JPH11167294A publication Critical patent/JPH11167294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像不良(鱗ムラ、トナー飛び散り、斑点)
を長期にわたって防止する。 【解決手段】 中間転写ベルト5を基層と厚さ20μm
以上の被覆層とによって構成し、このとき、1周目電位
が300V以上、1周目電流I1 が20〜100μA、
10周目電流I10が0.2〜15μAとなるようにす
る。これにより、中間転写ベルト5は、適度な静電容量
と、良好な帯電特性と、大きな時定数と、十分な耐絶縁
破壊性とを兼ね備えることができるので、鱗ムラ、飛び
散り、斑点のすべてを、長期間にわたって防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やレーザビームプリンタ等に使用される中間転写ベ
ルト、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置(例えば、
複写機、レーザビームプリンタ)において、中間転写ベ
ルトを使用するものが知られている。例えば、4色フル
カラーの画像形成装置では、第1の像担持体上にトナー
像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト上に一次転
写する工程を、4色のトナー(イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラックの各色のトナー)について行って、中間
転写ベルト上で一旦、4色のトナー像を重ね、その後、
これら4色のトナー像を中間転写ベルト上から紙等の第
2の像担持体上に一括して二次転写する。つづいて、4
色のトナー像を溶融固着させて転写材上に定着させ、こ
れにより、4色フルカラーの画像を得ることができる。
【0003】このような中間転写ベルトを用いた画像形
成装置は、転写ドラム表面に巻き付けた転写材に感光ド
ラム上のトナー像を順次に転写していく画像形成装置
(例えば、特開昭63−301960号公報)と比較す
ると、第2の像担持体である転写材に加工や制御(例え
ば、グリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる
等)を施すことなく、中間転写ベルトから転写材にトナ
ー像を転写することができるため、封筒、ハガキ、ラベ
ル紙等、40g/m2 程度の薄い紙から200g/m2
程度の厚い紙まで、幅の広狭や、長さの長短にかかわら
ず転写可能であるという利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
中間転写ベルトによると、高画質と耐久性とを両立させ
ることが難しいという問題があった。
【0005】すなわち、従来の中間転写ベルトは、例え
ば、特開昭55−41435号公報、特開平1−273
075号公報、特開平3−192282号公報で提案さ
れているように、低抵抗層を設け、さらにその表面に高
抵抗層を重ねるようにして設けて構成される。このよう
な構成によると、一般に、耐久性を向上させるべく高抵
抗層を厚くした場合には、鱗状の濃度ムラ(以下「鱗ム
ラ」という)が発生するといった問題がある。逆に、薄
くした場合には、複数色のトナーを重ねて転写した部分
でトナーの飛び散りが発生し、また、耐久の進行に伴っ
て、斑点状の画像不良(以下「斑点」という)が発生す
るという問題があった。つまり、鱗ムラ、トナー飛び散
り、斑点の発生をすべて防止することはできないという
問題である。
【0006】本発明は、転写ベルトにおける上述の問題
を解決することを課題としてなされたものであり、その
目的とするところは、鱗ムラ及びトナー飛び散りを防止
するとともに、長期使用においても斑点が発生すること
のない中間転写ベルトを提供することを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、このような中
間転写ベルトを備えることにより、長期にわたって高品
質の画像を形成することのできる画像形成装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの、請求項1に係る中間転写ベルトは、第1の像担持
体から転写された画像を第2の像担持体に転写する中間
転写ベルトにおいて、無端状に形成された基層と、該基
層の表面側に形成された厚さ20μm以上の被覆層とを
備え、所定の条件下で電圧を印加し回転させて測定した
ときの、1周目電位が300V以上、1周目電流I1
20〜100μA、10周目電流が0.2〜15μAで
ある、ことを特徴とする。
【0009】請求項2に係る中間転写ベルトは、前記1
周目電位が350V以上、前記1周目電流I1 が22〜
50μA、前記10周目電流が0.5〜15μAであ
る、ことを特徴とする。
【0010】請求項3に係る中間転写ベルトは、第1の
像担持体から転写された画像を第2の像担持体に転写す
る中間転写ベルトにおいて、無端状に形成された、体積
抵抗率が5×108 Ω・cm以下の基層と、該基層の表面
側に形成され、比誘電率が6.6以上で、厚みが5〜4
0μmの第1の被覆層と、該第1の被覆層の表面に形成
され、体積抵抗率が5×1014Ω・cm以上で、厚みが5
〜20μmの第2の被覆層と、を備える、ことを特徴と
する。
【0011】請求項4に係る中間転写ベルトは、前記第
1の被覆層の比誘電率が7.0以上で、厚みが5〜15
μmであり、前記第2の被覆層の体積抵抗率が5×10
15Ω・cm以上で、厚みが5〜15μmである、ことを特
徴とする。
【0012】請求項5に係る中間転写ベルトにおいて、
前記基層は、周方向のヤング率が4×106 Pa以上と
なるように繊維で補強された厚さ0.5〜2mmのゴムに
よって形成される、ことを特徴とする。
【0013】請求項6に係る中間転写ベルトは、前記繊
維が螺旋状に設けられている、ことを特徴とする。
【0014】請求項7に係る画像形成装置は、厚さが1
0〜35μmの電荷移動層を有する、第1の像担持体と
しての感光体と、該感光体表面に形成された画像が転写
されるとともに、転写された画像を第2の像担持体に転
写する中間転写ベルトと、を備え、該中間転写ベルト
が、請求項1、2、3、4、5、又は6記載の中間転写
ベルトである、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0016】〈実施の形態1〉図1に、本発明に係る中
間転写ベルトの一例、及びこれを備えた画像形成装置の
一例を示す。なお、同図は、中間転写ベルトを使用し
た、電子写真方式の4色フルカラーの画像形成装置(例
えば、複写機、プリンタ)の概略構成を示す縦断面図で
ある。なお、以下の説明では、4色のトナー像の形成順
が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであるもの
として説明を行うものとする。
【0017】同図に示す画像形成装置は、第1の像担持
体として、ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラ
ム」という)を備えている。感光ドラム1は、アルミニ
ウム等の円筒状のドラム基体の外周面にOPC(有機光
半導体)等の感光層を設けたものである。感光ドラム1
は、接地されていて、駆動手段(不図示)によって矢印
R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆
動される。なお、上述の感光層は、OPCに代えて、ア
モルファスシリコンやアモルファスセレン等によって構
成してもよい。
【0018】感光ドラム1は、矢印R1方向への回転過
程で、一次帯電器(同図では、帯電ローラ)2によっ
て、表面が所定の極性、所定の電位に一様に帯電処理さ
れる。次いで、帯電後の感光ドラム1表面は、露光手段
3からの露光Lを受ける。この露光Lにより、感光ドラ
ム1表面には、目的のカラー画像の第1の色成分像(イ
エロー成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0019】次いで、この静電潜像は、現像装置4によ
って現像される。現像装置4は、矢印R4方向に回転自
在なロータリ4aと、このロータリ4aに搭載された4
個の現像器、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックのトナーをそれぞれ収納した第1の現像器(イエ
ロー現像器)4Y、第2の現像器(マゼンタ現像器)4
M、第3の現像器(シアン現像器)4C、第4の現像器
(ブラック現像器)4BKとを有している。現像装置4
は、感光ドラム1表面の静電潜像の現像に供される現像
器が、ロータリ4aの回転によって、感光ドラム1表面
に対向する現像位置Dに配置されるようになっている。
本実施の形態では、ロータリ4aの回転によってイエロ
ー現像器4Yが現像位置Dに配置され、感光ドラム1表
面に静電潜像にイエローのトナーを付着させてイエロー
のトナー像として現像する。このとき、第2〜第4の現
像器、すなわちマゼンタ現像器4M、シアン現像器4
C、及びブラック現像器4BKは作動せず、感光ドラム
1には作用していないので、上述のイエローのトナー像
は、上述の第2〜第4の現像器による影響を受けること
はない。
【0020】感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)
についての現像装置4の下流側には、中間転写ベルト5
が配置されている。中間転写ベルト5は、駆動ローラ5
a、、二次転写対向ローラ5b、テンションローラ5c
に掛け渡された無端状のベルトであり、駆動ローラ5a
によって、感光ドラム1の矢印R1方向に回転に対して
順方向である矢印R5方向に、感光ドラム1と同じ周速
度で回転駆動される。
【0021】なお、中間転写ベルトについては、後に詳
述する。
【0022】感光ドラム1上に形成された第1色目のイ
エローのトナー像は、感光ドラム1と中間転写ベルト5
との間に形成された一次転写ニップ部T1 を通過する際
に、一次転写バイアス電源6から一次転写ローラ7に印
加される一次転写バイアスによって形成される電界によ
り、中間転写ベルト5の外周面に順次に一次転写されて
いく。一次転写バイアスは、感光ドラム1上のトナー像
とは逆極性である。
【0023】トナー像転写後の感光ドラム1は、中間転
写ベルト5に転写されないで感光ドラム1表面に残った
トナー(以下「一次転写残トナー」という)が、クリー
ニング装置8のクリーニングブレード8aによって除去
され、第2色目のマゼンタのトナー像の形成に供され
る。
【0024】以下、同様にして、第2色目のマゼンタの
トナー像、第3色目のシアンのトナー像、第4色目のブ
ラックのトナー像が順次に中間転写ベルト5上に順次に
二次転写され、中間転写ベルト5表面で4色のトナー像
が重ねられて目的のカラー画像に対応した合成カラート
ナー像が形成される。
【0025】なお、上述の一次転写時に、一次転写バイ
アス電源6によって一次転写ローラ7に印加される二次
転写バイアスは、例えば、+100V〜+2kVであ
る。
【0026】中間転写ベルト5の下方には、矢印R1方
向に移動可能で、中間転写ベルト5表面に対して接離可
能な二次転写ローラ9が配設されている。二次転写ロー
ラ9は、上述の二次転写対向ローラ5bに対応するよう
に平行に配置されており、中間転写ベルト5に当接され
た際には、中間転写ベルト5との間に二次転写ニップ部
2 を構成する。なお、感光ドラム1から中間転写ベル
ト5への第1〜第3のトナー像の一次転写工程において
は、二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5表面から離
間されるようになっている。
【0027】中間転写ベルト5上の4色のトナー像は、
二次転写ローラ9が中間転写ベルト5に当接されて二次
転写ニップ部T2 を構成し、給紙カセット(不図示)か
らレジストローラ11、転写前ガイド12等を介して所
定のタイミングで二次転写ニップ部T2 に供給される紙
等の転写材(第2の像担持体)Pに対して、二次転写バ
イアス電源10から二次転写ローラ9に二次転写バイア
スを印加することにより、一括して二次転写される。
【0028】トナー像が二次転写された転写材Pは、搬
送部材13を介して定着装置14に搬送され、ここで加
熱加圧されて、表面にトナー像が定着される。
【0029】一方、トナー像二次転写後の中間転写ベル
ト5は、表面に転写残トナー帯電部材15が当接され、
電源16によって感光ドラム1とは逆極性のバイアスが
印加されることにより、転写材Pに二次転写されないで
表面に残っていたトナー(以下「二次転写残トナー」と
いう)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。こ
の逆極性の電荷が付与された二次転写残トナーは、上述
の一次転写ニップ部T1 及びその近傍において感光ドラ
ム1表面に静電的に逆転写される。これにより中間転写
ベルト5表面がクリーニングされる。逆転写された二次
転写残トナーは、一次転写残トナーとともに、クリーニ
ング装置8によって感光ドラム1表面から除去される。
なお、感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第
3のトナー像の一次転写工程においては、転写残トナー
帯電部材15は、中間転写ベルト5表面から離間される
ようになっている。
【0030】つづいて、中間転写ベルト5について詳述
する。
【0031】本出願人らは繊維で補強した厚さ0.8mm
の無端状のゴムベルトを基層とし、その表面(外周面)
上に被覆層として、それぞれ抵抗の異なる種々の樹脂層
を1層だけ設けた複数の中間転写ベルト5を試作し、中
間転写ベルト5のどのような特性が鱗ムラ、トナー飛び
散り、斑点の原因になるかについての検討を行った。
【0032】はじめに、鱗ムラについて検討した。
【0033】試作した中間転写ベルトを図1に示す画像
形成装置に組み込んでハーフトーン画像を出力したとこ
ろ、鱗ムラが発生するものがあった。鱗ムラは放電後の
ようなパターンであること、中間転写ベルト5の被覆材
料が同一の場合、被覆層の厚みが厚いほど鱗ムラが発生
しやすいという傾向が見られたことから、鱗ムラは、中
間転写ベルト5の静電容量が小さいと、第1〜第3色目
の一次転写動作中の中間転写ベルト5の表面電位が非常
に大きくなって、次色(第2〜第4色目)の一次転写動
作中に中間転写ベルト5と感光ドラム1との間で異常放
電が発生し、鱗ムラとなって現れるのではないかと考え
られた。
【0034】さらに、本出願人らは、鱗ムラが発生しや
すい中間転写ベルト5ほど、一次転写時に流れる一次転
写電流が少ないことを見出した。このことから、本出願
人らは、図2に示す厚み電流測定装置を製作し、中間転
写ベルト5の厚み方向に流れる電流(以下「厚み電流」
という)を測定することで、中間転写ベルト5の静電容
量、すなわち鱗ムラの程度を判定することができるので
はないかと考えた。
【0035】図2に示す厚み電流測定装置について説明
する。
【0036】駆動ローラ21及び従動ローラ22は、い
ずれも測定回路に対して電気的に絶縁されている。駆動
ローラ21と従動ローラ22との軸間距離は、中間転写
ベルト5を張架したときに駆動ローラ21及び従動ロー
ラ22の軸荷重が3〜10kg程度になるように調節す
る。金属で形成された電極ローラ23は、駆動ローラ2
1と従動ローラ22とのほぼ中央部分に設けられ、高圧
電源24に接続されている。電極ローラ25も金属で形
成されており、電極ローラ25自体の重さ及び荷重手段
(不図示)により、中間転写ベルト5を2〜3kg重で押
していて、中間転写ベルト5を電極ローラ23及び電極
ローラ25で挟んでいる。なお、電極ローラ23及び電
極ローラ25は、中間転写ベルト5の回転に従動してそ
れぞれ矢印R23方向、矢印R25方向に回転し、駆動
ローラ21と従動ローラ22と電極ローラ23と電極ロ
ーラ25とは相互に平行な位置関係にある。なお、中間
転写ベルト5の厚さが薄い場合(およそ500μm以
下)は、電極ローラ23及び電極ローラ25の端部の直
径を細くするなどの任意の手段により、電極ローラ23
と電極ローラ25との空隙を介して放電電流が流れない
ようにする必要がある。
【0037】以下に図2の装置を用いた厚み電流の測定
方法を示す。
【0038】〈厚み電流の測定方法〉 (1) 測定する中間転写ベルト5は、あらかじめ温度22
〜23℃、湿度50〜60%の雰囲気中に24時間以上
放置しておく。 (2) 中間転写ベルト5を図2に示すように示す装置にセ
ットし、中間転写ベルト5の表面電位の絶対値が20V
未満であることを確認する。20V以上であった場合に
は任意の手段により除電しておく。 (3) 駆動手段(不図示)によって駆動ローラ21を矢印
R21方向に回転させることで、中間転写ベルト5を矢
印R5方向に回転させる。駆動ローラ21の回転速度は
中間転写ベルト5の表面移動速度が110〜120mm/
sec の一定速度になるように調節する。 (4) 高圧電源24から+1kVのDC電圧を印加する。 (5) 抵抗26(1kΩ)の両端部の電位差を電位差計2
7で検出する。ここで、印加電圧が1kV、抵抗26が
1kΩであるために、電位差計27の値がx(mV)で
あれば、中間転写ベルト5に流れる電流値はx(μA)
となる。このとき、中間転写ベルト5が、高圧電源24
からの電圧印加開始時点からn(nは正の整数)回転目
の、中間転写ベルト5に流れる電流値の平均値を、n周
目電流:In とする。測定雰囲気は温度22〜23℃、
湿度50〜60%である。
【0039】厚み電流の測定結果例を図3に示す。同図
では、1周目電流I1 が38.5(μA)、10周目電
流I10が2.0(μA)であった。図3の例では、厚み
電流は8週目以降はほとんど変化していない。これは、
中間転写ベルト5を静電容量(キャパシティ)Cと抵抗
Rとの並列回路とみなしたとき、1周目〜7周目が過渡
状態、それ以降は定常状態になったと考えられることが
できる。一般にC−R並列回路において、回路のインピ
ーダンスZは式で与えられる。
【0040】 Z2 =R2 ÷(1+ω222 ) …… 中間転写ベルト5においては、 Z∝1÷I1 …… R∝1÷I10 …… と考えられる。式を変形すると、 ωC={(R2 −Z2 )}1/2 ÷RZ …… 多くの中間転写ベルト5では、R2 ≫Z2 であるから、
式おいて、 R2 −Z2 ≒R2 …… と近似させることができる。式を式に代入して変形
すると、 C=1/ωZ=I1 /ω …… となる。ただし、 ω:正の定数 式からわかるように、中間転写ベルト5の静電容量C
は、1周目電流I1 に比例する。
【0041】そこで、本出願人らは、鱗ムラと1周目電
流I1 との関係について検討した。
【0042】その結果、I1 が20μA以上、好ましく
は22μA以上、より好ましくは25μA以上、さらに
好ましくは30μA以上であれば、鱗ムラの発生を効果
的に押さえられることを見出した。
【0043】なお、1周目電流I1 が100μAより大
きい場合には、一次転写電流が多く流れ過ぎるために、
一次転写後の感光ドラム1表面に大きな電位差が発生
し、これが次の画像に濃度差(ゴースト画像)となって
現れるために好ましくない。1周目電流I1 の好ましい
上限値は60μA、さらに好ましい上限値は50μAで
ある。
【0044】以上のように、1周目電流I1 が20〜1
00μAの中間転写ベルト5を用いることで、鱗ムラを
効果的に防止することに成功した。
【0045】しかし、このような中間転写ベルト5の中
には、飛び散りが発生するものがあった。
【0046】そこで、本出願人らは、次に飛び散りの検
討を行った。検討の結果、飛び散りは一次転写から二次
転写までの間に、中間転写ベルト5上のトナーが飛び散
ることが主な発生原因であることがわかった。さらに、
得られた画像を観察すると、図4に示すように、トナー
で囲まれた中央部分に向かって飛び散りが発生するとい
う方向性が見出された。このことから、飛び散りは中間
転写ベルト5上のトナーと、中間転写ベルト5表面の非
画像部(トナーが乗っていない部分)との静電的な相互
作用により発生していると考えられる。すなわち、図5
を用いて説明すると、中間転写ベルト5上の画像部電位
(一次転写されたトナー自体が持つ電荷により作られる
電位)と中間転写ベルト5上の非画像部電位(一次転写
時に感光ドラム1から流れ込む電荷により作られる電
位)との間に電位差ΔVが生じ、このΔVが大きい場
合、ΔVにより作られる電気力線に沿ってトナーtが移
動し、その結果、飛び散りが発生するものと考えられ
る。上述のメカニズムによれば、飛び散りを防止するた
めには、非画像部電位の絶対値をできるだけ大きくし、
ΔVを小さくすることが有効であると考えられる。
【0047】トナー自体が持つ電荷(画像部電位)は、
一次転写工程中、すなわち数秒〜十数秒程度の時間内に
大きく減衰することはない。一方、非画像部電位の減衰
速度は中間転写ベルト5の材質に大きく影響される。し
たがって、一次転写から二次転写までの間、ΔVを小さ
く保っておくためには、中間転写ベルト5の抵抗Rを大
きくし、中間転写ベルト5(非画像部)の電位の減衰の
時定数τを長くするほど好ましいことが予想される。
【0048】以上の考えに基づき、本出願人らは中間転
写ベルト5の抵抗Rと飛び散りとの関係について検討す
ることにした。ここで、前述の式から、I10が抵抗R
の指標となることから、飛び散りの指標として10周目
電流I10に着目し、I10と飛び散りとの関係について検
討した。
【0049】その結果、飛び散りが発生しない中間転写
ベルト5は、10周目電流I10が0.2〜15μAであ
ることを見出した。ところが、その逆は真ではなく、I
10が0.2〜15μAであっても、飛び散りが発生する
中間転写ベルト5も存在した。このことから、I10
0.2〜15μAであることは、飛び散り防止のための
必要条件の1つであり、十分条件ではないことがわか
る。
【0050】ここで、I10の下限値について述べる。中
間転写ベルト5のτは長ければ長いほど飛び散りが発生
しにくくなって好ましいので、I10の下限値は特にない
ように思われた。しかし、本出願人らの検討によれば、
10が0.2μA未満であると飛び散りが悪化した。こ
れは、中間転写ベルト5の抵抗Rが高すぎて、一次転写
電流(感光ドラム1から中間転写ベルト5に流れ込む電
荷量)が減少し、その結果、一次転写直後の非画像部電
位が低くなって飛び散りが発生したものと考えられる。
なお、I10の好ましい下限値は0.5μA、より好まし
い下限値は1μAである。I10の好ましい上限値は13
μA、より好ましい上限値は10μAである。
【0051】さて、10周目電流I10の検討により、飛
び散りを防止するための必要条件の1つを見出すに至っ
たが、これだけでは飛び散りを完全に防止することがで
きない。
【0052】そこで、本出願人らは中間転写ベルト5の
一次転写直後の非画像部電位の指標を得るため、図6に
示す表面電位測定装置を作製し、中間転写ベルト5を強
制帯電させたときの表面電位を測定し、飛び散りとの関
係を考察することにした。表面電位の測定方法を以下に
示す。
【0053】〈表面電位の測定方法〉 (1) 測定する中間転写ベルト5は、あらかじめ温度22
〜23℃、湿度50〜60%の雰囲気中に24時間以上
放置しておく。 (2) 中間転写ベルト5を図6に示す表面電位測定装置に
セットする。図6において、駆動ローラ31及び従動ロ
ーラ32は直径50mmのローラであり、接地されてい
る。駆動ローラ31と従動ローラ32との軸間距離は、
中間転写ベルト5を張架したときに駆動ローラ31及び
従動ローラ32の軸荷重が3〜10kg程度になるように
調節する。帯電ローラ33は、レーザビームプリンタ
(LBP)用のEP−Aカートリッジ(キヤノン製)に
内蔵されている一次帯電ローラを用いた。 (3) 駆動手段(不図示)により駆動ローラ31を矢印R
31方向に回転させ、中間転写ベルト5を矢印R5方向
に回転させる。駆動ローラ31の回転速度は中間転写ベ
ルト5の表面移動速度が110〜120mm/sec の一定
速度になるように調節する。 (4) AC電源34から、周波数1kHz、ピーク間電圧2
kVPPの正弦波を帯電ローラ33に印加し、中間転写ベ
ルト5の表面を除電する。 (5) DC電源35及びAC電源34から、+500Vの
DC電圧に1kHz、2kVPPの正弦波を重畳した電圧を
帯電ローラ33に印加し、中間転写ベルト5を帯電させ
る。中間転写ベルト5が、帯電開始からn(nは正の整
数)回転目の、中間転写ベルト5の表面電位を表面電位
計36(Trek社製、MODEL−344)で測定
し、表面電位の平均値をn周目電位とする。測定雰囲気
は温度22〜23℃、湿度50〜60%である。
【0054】なお、帯電ローラ33は、水平面Hから4
5°傾斜した斜め上方の位置に、また、表面電位計36
は、水平面Hから45°傾斜した斜め下方に位置するよ
うにした。
【0055】表面電位の測定結果例を図7に示す。図7
の例では、中間転写ベルト5は帯電1周目で及び400
Vに帯電され、その後、2周目、3周目となるに従って
徐々に表面電位が上昇し、4周目程度で飽和した。な
お、測定原理上、飽和時の表面電位が+500Vを超え
ることはない。
【0056】本出願人らは、中間転写ベルト5の1周目
電位に着目した。なぜならば、実際の画像出力時には、
1枚の出力画像を得るために中間転写ベルト5は1〜4
周(転写材によっては8周)程度しか回転させないの
で、帯電1周目でいかに大きな表面電位が得られるかに
着目したわけである。
【0057】その結果、1周目電位と飛び散りとの間に
関係が認められ、1周目電位が300V以上、好ましく
は350V以上、さらに好ましくは380V以上であれ
ば飛び散りを効果的に抑えることができることが判明し
た。
【0058】次に、本出願人らは、1周目電位が300
V以上という条件が、飛び散りを防止するための必要条
件なのか、十分条件なのかを検証するため、試作したす
べての中間転写ベルト5について表面電位を測定し、飛
び散りとの関係を考察したところ、1周目電位が300
V以上であっても、10周目電流I10が0.2〜15μ
Aの範囲外であるものは飛び散りが発生することがわか
った。
【0059】上述の結果は以下のように解釈される。1
周目電位が300V以上であっても、言い換えると、一
次転写直後の非画像部電位が十分に高くても、中間転写
ベルト5の減衰の時定数τが短くては一次転写から二次
転写までの間、ΔVを小さく保つことができない。した
がって、抵抗Rの指標である10周目電流I10を0.2
〜15μAにして減衰の時定数τを長くする(好ましい
τの値は50〜500秒程度、より好ましくは100〜
300秒程度である。τが長すぎると中間転写ベルト5
の除電が困難となって使いにくい。)必要があるものと
考えられる。つまり、1周目電位が300V以上という
条件は、飛び散り防止のためのもう1つの必要条件であ
る。
【0060】逆に、10周目電流I10が0.2〜15μ
Aであっても、すなわち電荷減衰の時定数τが長くて
も、例えば、中間転写ベルト5の基層の抵抗が高い等の
理由により、1周目電位が300V未満の場合には、そ
もそも一次転写直後の非画像部電位が小さく、つまり、
一次転写直後のΔVが大きいために、時定数τが長い意
味がなく、飛び散りが発生する。
【0061】以上をまとめると、飛び散りを防止するた
めには一次転写直後の非画像部電位を大きくし、かつ非
画像部電位の減衰を遅くすることが必要であり、これを
達成するパラメータが、1周目電位及び10周目電流I
10である。この2つのパラメータを同時に満たしたと
き、はじめて飛び散り防止の十分条件になると考えられ
る。
【0062】なお、中間転写ベルト5の静電容量Cと時
定数τは、厚み電流におけるI1 とI10との比(I1
10)からも簡易的に知ることができる。例えば、もし
1とI10との比が小さければ、中間転写ベルト5の電
気特性が以下のどちらかに当てはまるといえる。 (1) 中間転写ベルト5の静電容量Cが小さい。例えば被
覆層の抵抗が高く、かつ厚さが厚い場合には、I1 もI
10も小さく、かつI1 とI10との比も小さくなる。した
がって、鱗ムラが悪化する。 (2) 中間転写ベルト5の時定数τが短い。τが短いと、
厚み電流の測定中に中間転写ベルト5に流れ込む電荷の
多くが、中間転写ベルト5が1周する間に減少(減衰)
してしまう。このため、中間転写ベルト5を何周させて
も、In にはキャパシティ成分に流れる電流が含まれる
ことになる。したがって、I10が大きな値となり、結果
としてI1 とI10との比が小さくなる。なお、τが短い
ということは、単純に抵抗R成分が小さいと言い換えて
もよい。いずれにせよ、飛び散りが悪化する。
【0063】以上よりも、I1 とI10との比は大きいほ
ど好ましく、具体的には、I1 とI10との比(I1 /I
10)が4以上、好ましくは5以上、より好ましくは10
以上であればよい。
【0064】以上述べてきたように、本出願人らは中間
転写ベルト5の特性(条件)として、1周目電流I1
20〜100μA、10周目電流I10を0.2〜15μ
A、1周目電位を300V以上とすることで、鱗ムラと
飛び散りとの双方を防止できるに至った。
【0065】そこで、本出願人らは上述の条件を満たす
中間転写ベルト5を、図1に示す画像形成装置に組み込
んで、繰り返し画像を出力して、耐久試験を行った。す
ると、耐久が進むに従って、ハーフトーン画像に直径数
百μm程度の高濃度な点(斑点)が無数に現れるものが
あった。斑点が発生した中間転写ベルト5の表面を観測
すると、直径数十μm程度の小さな穴が多数存在してい
た。その形状から、穴は絶縁破壊の痕跡と考えられる。
【0066】絶縁破壊を防止するためには、中間転写ベ
ルト5の基層を覆う被覆層の厚みを厚くすることが有効
である。本出願人らは、先に試作した中間転写ベルト5
を用いて、被覆層の厚さと斑点との関係について検討し
たところ、斑点の発生を防ぎ、実用的な耐久性を得るた
めには、被覆層の厚さが20μm以上、好ましくは25
μm以上あればよいことがわかった。ただし、被覆層の
厚さを厚くすると、中間転写ベルト5の静電容量Cが小
さくなり、鱗ムラが発生しやすくなるので、後述のよう
に特に被覆層の材料選択には注意が必要である。
【0067】被覆層が厚すぎると、繰り返し使用によっ
て被覆層に亀裂が入りやすくなる。また、中間転写ベル
ト5が掛け渡された各ローラ(駆動ローラ5a、二次転
写対向ローラ5b、テンションローラ5c、いずれも図
1参照)上での被覆層の伸び率が大きくなるために飛び
散りが発生しやすくなる。以上の理由から、被覆層の厚
さの上限は100μm、好ましい上限は50μm、より
好ましい上限は40μmである。
【0068】以上述べたように、本出願人らは、中間転
写ベルト5の被覆層の厚さを20μm以上とし、1周目
電位を300V以上、1周目電流I1 を20〜100μ
A、10周目電流I10を0.2〜15μAとすること
で、鱗ムラ、飛び散り、斑点の問題を解決することがで
きた。
【0069】本発明の中間転写ベルト5を製造するにあ
たって、各層、特に被覆層の材料選択が重要である。本
発明の中間転写ベルト5の被覆層には、体積抵抗率が1
×1014Ω・cm以上、好ましくは1×1015Ω・cm以上
の高抵抗材料が適している。ただし、斑点の発生を防止
するためには被覆層の厚さを20μm以上にする必要が
ある。ここで、静電容量Cは被覆層の厚さに反比例する
ことから、鱗ムラを発生させないためには、被覆層に任
意の高抵抗材料を用いることはできない。すなわち、抵
抗が高く、かつ比誘電率εが大きな材料(比誘電率ε>
6、好ましくはε>7)を被覆層の材料として選択する
必要がある。もし、高抵抗ではあるが比誘電率εが小さ
い材料を用いると、中間転写ベルト5の静電容量Cが低
下して、1周目電流I1 が20μA未満となってしま
い、鱗ムラが発生する。
【0070】以上のように、本発明の要件を満たす中間
転写ベルト5を製造するには、被覆層の材料選定が非常
に重要となるが、このような材料は非常に限られてい
る。
【0071】そこで、次に本出願人らは、本発明の要件
を満たす中間転写ベルト5を製造する際の材料選択の幅
を広げるべく検討を行った。
【0072】既に述べてきたように、斑点を防止するた
めには被覆層の厚さを20μm以上とする必要がある。
一方、低い比誘電率(ε≦6)の高抵抗材料を被覆層と
して鱗ムラを防止するためには、被覆層の厚さを20μ
m以下とする必要がある。このように、被覆層を1層有
する中間転写ベルト5において、低い比誘電率εの高抵
抗材料を被覆層に用い、鱗ムラと斑点との双方を防止す
ることは非常に困難である。
【0073】そこで、本出願人らは、被覆層と基層との
間に、もう一つの他の被覆層(中間層)を設けて被覆層
を2層設けることで鱗ムラと斑点との双方の防止を両立
させるべく検討を行った。すなわち、中間転写ベルト5
を、基層の表面に第1の被覆層(中間層)を設け、さら
にこの第1の被覆層の表面に第2の被覆層(表層)を設
けて構成するものである。
【0074】中間層を設けた目的は、中間転写ベルト5
の電気特性に大きな影響を及ぼすことなく、被覆層の絶
縁破壊が起こるときに流れるであろうリーク電流(リー
ク発生部分での電流密度は、通常の転写電流の電流密度
よりも大きいと考えられる。)を防止することである。
したがって、各層の電気特性及び厚さは以下のようでな
ければならないと予想される。
【0075】〈基層〉基層に転写バイアスの分圧が発生
しない程度に体積抵抗率が低い方がよいと考えられる。
基層は中間転写ベルト5に機械強度を与える層として働
く。
【0076】〈中間層(第1の被覆層)〉斑点防止のた
めにはある程度の厚さが必要と考えられる。中間層の体
積抵抗率が極端に高いと、電気的には基層の上に高抵抗
層を1層設けた場合と等価になって鱗ムラが悪化すると
考えられるので、中間層の体積抵抗率は表層より低くす
る必要があると考えられる。
【0077】〈表層(第2の被覆層)〉飛び散りと鱗ム
ラを防止するために、高抵抗かつ薄膜が好ましい。
【0078】上述の中間転写ベルト5の等価回路は以下
のように考えられる。
【0079】まず、中間層の体積抵抗率は表層の体積抵
抗率と比較して十分に低く、中間層は容量性を示さない
と予想される。したがって、中間層の等価回路は抵抗R
M のみで記述できると考えられる。一方、表層は静電容
量CS と抵抗RS の並列回路と考えられる。基層の体積
抵抗率は、中間層及び表層と比較して非常に低いので、
等価回路的には短絡(ショート)と近似する。したがっ
て、中間転写ベルト5の等価回路は、CS −RS 並列回
路に対してRM が直列に接続された回路と予想される。
【0080】以上の考え方に沿って、前述のゴムベルト
の上に、様々な第1の被覆層である中間層(体積抵抗率
が1011〜1013Ω・cm程度、厚さが15μm)を設
け、さらにその上に第2の被覆層である表層(体積抵抗
率が1015Ω・cm、厚さが10μm)を設けた中間転写
ベルト5を試作し、図1に示す画像形成装置に組み込ん
で評価した。
【0081】その結果、中間層の体積抵抗率が同一であ
っても、中間層の材質によって鱗ムラや飛び散りのレベ
ルが変化するという予期せぬ結果を得た。この結果は、
上述の予想等価回路からは説明できない。なぜならば、
中間層の等価回路はRM のみと考えているので、中間層
の体積抵抗率及び厚さが同じであれば、中間層の材質に
よって中間転写ベルト5の電気特性が変化することはな
いと考えられるからである。
【0082】そこで、上述の中間転写ベルト5の電気特
性(I1 、I10、1周目電位)を測定してみた。その結
果、やはり鱗ムラが発生した中間転写ベルト5のI1
20μA未満であり、飛び散りが発生した中間転写ベル
ト5の1周目電位は300V未満であった。なお、今回
試作した中間転写ベルト5の表層は、体積抵抗率が10
15Ω・cmと高いので、中間転写ベルト5の減衰の時定数
τは十分に長く、したがってI10が15μAより大きく
なることはなかった。
【0083】以上の結果を受け、本出願人らは中間層の
「何が」画像特性に影響しているのかを検討するため、
中間層についてさらに詳細な検討を行った。その結果、
鱗ムラの発生程度は中間層の比誘電率εと関係があり、
中間層の比誘電率εが大きいほどI1 が大きくなって、
鱗ムラが発生しにくくなることが分かった。具体的に
は、中間層の比誘電率εが6.6以上あればI1 が20
μA以上となって、鱗ムラの発生を防止できることを見
出した。
【0084】上述の結果は、中間転写ベルト5の予想等
価回路を以下のように修正することで説明できる。
【0085】すなわち、中間層も容量性を示し、中間層
の等価回路はCM とRM との並列回路となる。したがっ
て、中間転写ベルト5の等価回路を、「CM とRM との
並列回路」に「CH とRH との並列回路」が直列に接続
された回路に修正する。この修正回路によれば、中間層
の比誘電率εが、中間転写ベルト5全体の静電容量Cや
各層にかかる分圧に影響を及ぼし、I1 や1周目電位が
中間層の比誘電率εによって変化することが説明でき
る。
【0086】なお、修正等価回路によれば、中間転写ベ
ルト5使用時の表面移動速度(プロセススピード)を速
くすると、中間層のインピーダンスが低下することが予
想される。したがって、中間層の比誘電率εが6.6未
満の場合でも、表面移動速度が速ければ鱗ムラが発生し
ない可能性が考えられる。そこで本出願人らは、表面移
動速度を100〜150mm/sec まで変化させて鱗ムラ
の評価を行ったが、やはり中間層の比誘電率εが6.6
以上でないと鱗ムラが発生し、良好な画像を得ることが
できなかった。
【0087】さらに本出願人らは、被覆層を2層有する
中間転写ベルト5において、各層の厚さや体積抵抗率等
について詳細に検討を行い、以下の結果を得た。 (1) 基層の体積抵抗率は5×108 Ω・cm以下にする必
要がある。基層の体積抵抗率が5×108 Ω・cmより大
きいと基層にかかる転写バイアスの分圧が無視できなく
なる。その結果、中間転写ベルト5の1周目電位が30
0V未満となって飛び散りが発生する。基層の体積抵抗
率の好ましい範囲は1×108 Ω・cm以下、さらに好ま
しくは5×107 Ω・cm以下である。 (2) 中間層(第2の被覆層)の比誘電率εの好ましい範
囲は7.0以上、より好ましい範囲は7.5以上であ
る。現時点で存在する材料の比誘電率εから考えて、中
間層の比誘電率εの上限は15程度である。なお、樹脂
やゴムに導電性粉体を添加して比誘電率6.6以上の中
間層を得ることもできるが、中間層に導電性粉体を添加
した場合、該導電性粉体が絶縁破壊のきっかけとなりや
すいので、該導電性粉体の添加量は少ない方が好まし
い。添加量の上限の目安は、導電性粉体添加後の中間層
の体積抵抗率が、導電性粉体を添加しない場合の体積抵
抗率と比較して2桁以上低下することのない範囲であ
る。なお、中間層のインピーダンスは容量成分が支配的
なので、中間層の体積抵抗率については特に考慮する必
要はないが、特に中間層の体積抵抗率が5×1012Ω・
cm以下であると、中間層のインピーダンスが一層低下し
て、鱗ムラ防止により大きな効果を発揮する。ただし、
前述のように、たとえ中間層の体積抵抗率が5×1012
Ω・cm以下であっても、中間層の比誘電率εが6.6未
満の場合には、中間層のインピーダンスが大きくなっ
て、I1 が20μA未満となったり、1周目電位が30
0V未満となって、鱗ムラや飛び散りが発生する。 (3) 中間層の厚さの範囲は5〜35である。35μmを
超えると、中間層のインピーダンスが無視できなくな
り、I1 が20μA未満となったり、1周目電位が30
0V未満となって、鱗ムラや飛び散りが発生する。中間
層の厚さの下限は3μmである。3μm未満になると、
中間層の厚さ方向の実抵抗が極端に低下するために、斑
点防止効果が小さくなる。中間層の厚さの好ましい範囲
は5〜25μm、より好ましい範囲は5〜15μmであ
る。 (4) 表層(第2の被覆層)の体積抵抗率は5×1014Ω
・cm以上、好ましくは1×1015Ω・cm以上、より好ま
しくは5×1015Ω・cm以上である。現存する材料の体
積抵抗率から考えて、表層の体積抵抗率の上限は1×1
18Ω・cm程度である。 (5) 表層の厚さの範囲は5〜20μmである。表層が5
μm未満であると、表層にかかる転写バイアスの分圧が
減少して1周目電位が300V未満となり、飛び散りが
発生する。表層が20μmより厚いと中間転写ベルト5
の静電容量Cが小さくなり、I1 が20μA未満となっ
て鱗ムラが発生する。 (6) 中間層の厚さt1 と表層の厚さt2 との比(t1
2 )が、2以下、好ましくは1.5以下、より好まし
くは1以下であると、中間転写ベルト5に対する中間層
のインピーダンスの寄与率が低下し、相対的に表層のイ
ンピーダンスの寄与率が向上するために、1周目電位が
高くなって、飛び散りの防止に一層好ましい。
【0088】以上述べてきたように、本出願人らは、基
層の体積抵抗率が5×108 Ω・cm以下、かつ第1の被
覆層(中間層)の比誘電率εが6.6以上、厚みが5〜
40μm、かつ、第2の被覆層(表層)の体積抵抗率が
1×1014Ω・cm以上、厚みが5〜20μmという、被
覆層を2層有する中間転写ベルト5において、鱗ムラ、
飛び散り、斑点を防止することに成功した。このような
中間転写ベルト5においては、中間層として、例えば非
誘電率がε>6のポリエーテル系ウレタン樹脂、エピク
ロロヒドリンゴム、ナイロン樹脂等を、また、表層とし
てポリカーボネート系ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができ、
本発明の要件の電気特性、すなわち1周目電位が300
V以上、かつI1 が20〜100μA、かつI10が0.
2〜15μAという中間転写ベルト5を製造するにあた
って、被覆層を1層有する中間転写ベルト5と比較し
て、被覆層の材料選択の幅を広げることに成功した。こ
れは、請求項3に対応する。
【0089】なお、請求項3に係る中間転写ベルト5に
おいては、被覆層の厚さの合計(第1の被覆層の厚さと
第2の被覆層の厚さとの和)が20μm未満でも、斑点
の発生を効果的に防止することができた。これは、静電
容量の大きな中間層があるために、充電の時定数τが長
くなって、表層にかかる転写バイアスの立ち上がりが遅
くなり、結果として表層の絶縁破壊が起こりにくくなっ
ているのではないかと考えられる。または、高抵抗の被
覆層を1層有する中間転写ベルト5では、基層と表層と
の界面に微少な欠陥等があった場合に、欠陥部分で微少
な放電が起こり、この放電が繰り返し行われることで絶
縁破壊に至りやすくなるのに対して、中間層を設けた場
合には、中間層と基層との界面の抵抗差が小さいため
に、欠陥部での微少放電が起こりにくくなって、耐斑点
性が向上しているのかもしれない。
【0090】ところで、特開平8−50419号公報
に、複数の層からなる中間転写ベルトにおいて、下層部
から上層部に向かって、比抵抗(体積抵抗率)を順次大
きくした中間転写ベルトが提案されているが、この提案
は各層の体積抵抗率しか考慮しておらず、比誘電率εに
ついてはまったく考慮されていない。このため、飛び散
りと鱗ムラ低の防止を両立させるための電気特性、すな
わちI1 が20〜100μA、かつI10が0.2〜15
μA、かつ1周目電位が300V以上という特性を得る
ことができず、飛び散りや鱗ムラが発生する。したがっ
て、本発明の要件、すなわちI1 が20〜100μA、
かつI10が0.2〜15μA、かつ1周目電位が300
V以上という特性を達成するために、各層の抵抗値、比
誘電率ε、厚さなどを規定した請求項3に係る本発明の
思想とはまったく異なるものである。
【0091】さらに、前述の特開昭55−41435号
公報、特開平1−273075号公報、特開平3−19
2282号公報で提案されている中間転写体において
も、抵抗の低い基体の上に抵抗の高い層を設けただけ
で、鱗ムラと飛び散りとを防止するための本質的な電気
特性、すなわち中間転写体の静電容量、減衰特性につい
て考慮されておらず、本発明の思想とはまったく異なる
ものである。
【0092】本発明における体積抵抗率は、以下の測定
により得られた値である。
【0093】〈測定機〉 抵抗計:超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社
製) 試料箱:超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンステ
スト社製、主電極直径50mm、ガードリング内径70m
m、ガードリング外径80mm) 〈サンプル〉 基層:基層を10cm角のシート状に切り、これを測定サ
ンプルとする。
【0094】中間層及び表層:アルミシート上に厚さ1
5〜40μmで中間層又は表層をコーティングしたもの
を10cm角に切り、測定サンプルとする。
【0095】〈測定条件〉 測定雰囲気:気温22〜23℃、湿度50〜60%。な
お、測定サンプルは、あらかじめ気温22〜23℃、湿
度50〜60%の雰囲気中に24時間以上放置してお
く。
【0096】印加電圧:100V。ただし、リミッター
(300mA)が働いて測定不能の場合は、1V。
【0097】測定モード:プログラムモード5(ディス
チャージ10秒、チャージ及びメジャー30秒。) 本発明における比誘電率εは、以下の測定により得られ
たCP から算出した値である。
【0098】〈測定機〉 LCRメータ:HP4284AプレシジョンLCRメー
ター(ヒューレット・パッカード社製) 電極:誘電体測定用電極HP16451B(ヒューレッ
ト・パッカード社製) 電極タイプ:C 〈サンプル〉アルミシート上に中間層を厚さ15〜40
μmでコーティングし、これを直径56mmの円形に切断
する。切断後、Pt−Pd蒸着膜により直径50mmの主
電極と内径51mmのガード電極とを設ける。Pt−Pd
蒸着膜は、マイルドスパッタE1030(日立製作所
製)蒸着操作を2分間行うことにより得られる。蒸着操
作を終了したものを測定サンプルとする。
【0099】〈測定条件〉 測定雰囲気:温度22〜23℃、湿度50〜60%。な
お、測定サンプルはあらかじめ温度22〜23℃、湿度
50〜60%の雰囲気中に24時間以上放置しておく。
【0100】印加電圧:1VPP(HP4284Aのオー
トレベルコントロールON) 周波数:100Hz 測定モード:CP −RP またはCP −D 〈比誘電率の計算式〉 比誘電率ε=t×CP /(1.738×10-14 ) ここで、t:サンプルの厚さ(単位はm、ただし、アル
ミシートの厚さは除く)。CP の単位はF(ファラッ
ド)。
【0101】本発明における中間転写ベルト5の基層と
しては、例えば、繊維で補強したゴムベルト、又はポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリカーボネ
ート(PC)樹脂等からなる樹脂フィルム等を用いるこ
とができる。樹脂フィルムを基層として用いた場合、基
層の周方向(回動方向)のヤング率が大きいので、色ず
れや飛び散りが減少して好ましい。また、上述の繊維で
補強されたゴムベルトは、繋ぎ目や段差のないものを比
較的容易に成形できるという利点を有する。この場合、
ゴムは樹脂と比較してヤング率が低いので繊維で補強す
ることが必須となるが、本出願人らの検討によれば、補
強する際の目安として、基層の周方向のヤング率が4×
106 Pa(パスカル)以上となるように補強するば、
色ずれの問題もなく、実用的な画像を得ることができる
ことがわかった。また、ゴムを繊維で補強すると中間転
写ベルト5の駆動中に発生する中間転写ベルト表面の伸
び縮みが減少するので、飛び散りが減少してより好まし
い。なお、ゴムの厚さは0.5〜2mmが好ましく、より
好ましくは0.5〜1mmである。ゴムベルトを0.5mm
未満に薄く作ることは困難であり、2mmより厚くする
と、中間転写ベルト5の円滑な駆動が困難になる。ま
た、ゴムが厚くなる程、ローラ部、すなわち、駆動ロー
ラ5a、二次転写対向ローラ5b、テンションローラ5
c(いずれも図1参照)における中間転写ベルト5表面
の伸び率が大きくなり、中間転写ベルト5上のトナーを
機械的に飛び散らせる力が大きくなる。飛び散りが少な
いという本発明の中間転写ベルト5の特徴を最大限に生
かすためには、ゴム(基層)の厚さ1mm以下が好まし
い。さらに、ゴム層の硬度を85°以下とすると、中抜
け画像が発生しにくくなって、より好ましい。なお、こ
の場合の硬度はJIS−K6301に記載のA型硬度に
従うものとする。
【0102】図8、図9に示すように、ゴムベルト5A
を繊維5Bで補強する際の具体的な形態例としては、例
えば織布状(図8)、糸状(図9)が考えられる。製造
のしやすさ、製造コストの観点から、綿、ポリエステル
等の繊維5Bが好ましい。ただし、もちろんこれに限定
されるものではない。また、糸は1本のフィラメントで
あっても、複数のフィラメントを撚ったものであっても
よく、混紡してもよい。同じく織布は、例えばメリヤス
織りなどのような織り方の織布でも使用可能であり、も
ちろん交織した織布も使用可能である。なお、これらの
図に示す5Cは、転写面を示している。
【0103】基層、中間層、表層を形成する材料として
は、本発明の要件を満たしていれば任意の材料を用いる
ことができる。例えば、ゴム、エラストマーとしては、
イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチ
レン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、ク
ロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ア
クリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジ
オタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒド
リンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例え
ば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル
系、フッ素樹脂系)等が使用できる。ただし、これらの
材料に限定されるものではない。また、樹脂としては、
酢酸ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノ
マー樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ポリアミド、変性ポリフェニレンオキサイド等を用
いることができる。ただし、これらの材料に限定される
ものではない。
【0104】本発明の中間転写ベルト5の基層又は中間
層には、導電剤を添加することができる。導電剤として
はどのようなものを用いてもよいが、例えば、カーボ
ン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン
などの金属酸化物、4級アンモニウム塩含有ポリメタク
リル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロー
ル、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高
分子化合物、及びポリピロール等の導電性高分子化合物
等が挙げられる。ただし、これらの導電剤に限定される
ものではない。
【0105】本発明の中間転写ベルト5の表層は、体積
抵抗率が1×1014Ω・cm以上であればよいので、上述
の材料群から適宜に選択して用いることができる。特に
100%モジュラスが100kg/cm2 以下、好ましくは
25〜85kg/cm2 のウレタン樹脂を用いると、耐久に
よる表層のひび割れが発生しなくなり、飛び散り防止効
果を長期にわたって維持することができる。このような
ウレタン樹脂の代表例として、飽和ポリオレフィンを出
発原料とするポリエステル系ポリウレタン樹脂が挙げら
れる。
【0106】本発明の中間転写ベルト5の中間層は、比
誘電率εが6.6以上であればよいので、上述の材料群
から適当に選択して用いることができるが、特にウレタ
ン樹脂を用いると、基層及び表層との密着性が向上する
ため、耐久による中間層の剥がれがなくなる。中間層が
剥がれると、中間転写ベルト5の内部に空隙ができ、転
写バイアスが有効にかからなくなって飛び散りが発生す
る。したがって、本発明の中間転写ベルト5の特徴であ
る飛び散りが少ないという機能を長期にわたって維持す
るためには、中間層としてウレタン樹脂を用いるとよ
い。このようなウレタン樹脂の例として、ポリエーテル
ポリウレタン樹脂、又はポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペー
ト、ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレングリコー
ルを出発原料とするポリエステルポリウレタン樹脂が挙
げられる。
【0107】さらに、本発明の中間転写ベルト5におい
て、様々な処理を施すことも可能である。
【0108】例えば、二次転写効率を向上させるために
離型性に優れた層を表層の上に設けたり、表層の上に粉
体を付着又は埋設させることも可能である。
【0109】また、本発明の中間転写ベルト5の任意の
層について、例えば中間層を、複数の層で構成すること
も可能である。
【0110】本発明の中間転写ベルト5の各層の製造方
法は、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装、押し出し成
形等、任意の方法で製造することができる。
【0111】本発明の中間転写ベルト5は、I1 が20
〜100μAであるために画像形成装置に組み込んで使
用したときに、適度な一次転写電流が流れるが、特に画
像形成装置に用いる感光ドラム1(感光体)の電荷移動
層の厚さを10〜35μmとすることが好ましい。なぜ
ならば、図11において、電荷発生層1Bの厚さは0.
05〜0.3μm、下引き層1Cの厚さは0.5〜4μ
mであるのに対して、電荷移動層1Aの厚さは数十μm
程度であるため、感光ドラム1の電気抵抗値、すなわ
ち、感光ドラム1への一次転写電流の流れやすさを決定
する要素は、実質的に電荷移動層1Aの厚さになるから
である。つまり、電荷移動層の厚さが10μmより薄く
なると、一次転写電流が多く流れ過ぎて、ゴースト画像
が発生しやすくなり、逆に電荷移動層の厚さが35μm
より厚くなると感光ドラム1のインピーダンスが大きく
なり、一次転写電流が流れにくくなるので、一次転写直
後の中間転写ベルト5の非画像部電位が小さくなり、画
像部との電位差ΔVが大きくなって、トナーの飛び散り
が発生しやすくなる。ちなみに、導電層1D、アルミニ
ウム支持体1Eの厚さは、それぞれ10〜30μm、
0.5〜5mm程度であるが、両層は他の層、すなわち電
荷移動層1A、電荷発生層1B、下引き層1Cと比較し
て、非常に電気抵抗が低いので、感光ドラム1の電気抵
抗値には実質的に影響を及ぼさない。
【0112】以上述べてきたように、請求項1に係る本
発明の中間転写ベルト5は、基層と厚さ20μm以上の
被覆層とを有しており、1周目電位が300V以上、1
周目電流I1 が20〜100μA、10周目電流I10
0.2〜15μAであることを特徴とする中間転写ベル
ト5である。
【0113】また、請求項3に係る別の発明は、基層の
体積抵抗率が5×108 Ω・cm以下、かつ基層の上に設
けた第1の被覆層の比誘電率εが6.6以上、厚みが5
〜40μm、かつ第1の被覆層の上に設けられた第2の
被覆層の体積抵抗率が5×1014Ω・cm以上、厚みが5
〜20μmであることを特徴とする中間転写ベルト5で
ある。したがって、鱗ムラ、飛び散り、斑点の防止を、
高次元でバランスさせて行うことができるという特徴を
有する。
【0114】以下、具体的な実施例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0115】(実施例1)カーボンブラックを25部配
合した、(NBR/EPDM)=(7/3)のコンパウ
ンドを、厚さ0.4mmのチューブ状に押し出し、これを
円筒状の金型に被せた。次に、この上に直径約120μ
mのポリエステル糸(繊維)5Bをピッチ0.7mmで螺
旋状に巻き付けた。さらに、上述のチューブをもう一度
被せ、その上からテーピングすることにより、コンパウ
ンドを金型に密着させた後、加硫及び研磨を行うことに
より、厚み方向に対してほぼ中央部分に螺旋状の繊維5
Bを有するゴムベルト(基層)5Aを得た(図10参
照)。得られた基層5Aは、厚さが0.75mm、JIS
−A硬度が70°、体積抵抗率が1×107 Ω・cm、周
方向のヤング率が2×107 Paであった。
【0116】次に、上述の基層5A上に、エチレンアジ
ペートを出発原料とするポリエステルポリウレタンの塗
料をスプレー塗布し、乾燥皮膜の厚さが10μmの中間
層5Cを得た。さらに、飽和ポリオレフィンポリオール
を出発原料とするポリエステルポリウレタンの塗料を上
述の中間層5Cの上にスプレー塗布し、乾燥被膜の厚さ
が10μmの表層5Dを設け、中間転写ベルト5を得
た。中間層5Cの比誘電率εは7.5、また、表層5D
の体積抵抗率は5×1015Ω・cmである。
【0117】得られた中間転写ベルト5の1周目電流I
1 は35μA、10周目電流I10は2μA、1周目電位
は380Vであった。
【0118】次に、中間転写ベルト5を図1に示す画像
形成装置に装着し、飛び散り、鱗ムラの評価を行った。
その後、4色フルカラー画像の1万5千枚の耐久試験を
行った。この結果を図12に示す。なお、作像条件を以
下に示す。また、使用した感光ドラム12の縦断面の一
部を図11に示す。同図中の上方が実際の感光ドラム1
の外側、また下方が実際の感光ドラム1の内側に相当す
る。同図中1Aは電荷移動層、1Bは電荷発生層、1C
は下引き層、1Dは導電層、1Eはアルミニウム支持体
である。
【0119】 感光体:厚さ20μmの電荷移動層を有するOPC感光ドラム 表面電位:暗電位(非画像部電位)=−550V 明電位(画像部電位)=−150V 1色目一次転写バイアス=+100V 2色目一次転写バイアス=+650V 3色目一次転写バイアス=+750V 4色目一次転写バイアス=+750V 二次転写電流=10μA(定電流制御) 中間転写ベルト上(一次転写後)のトナー乗り量=0.7mg/cm2 (イエロー 、マゼンタ、シアン)、0.8mg/cm2 (ブラック) (実施例2)表層5Dの厚さを5μmとした以外は前述
の実施例1と同様にして、実施例2の中間転写ベルト5
を得た。得られた中間転写ベルト5を実施例1と同様に
評価した。結果を図12に示す。
【0120】(実施例3)表層5Dの厚さを20μmと
した以外は前述の実施例1と同様にして、実施例3の中
間転写ベルト5を得た。得られた中間転写ベルト5を実
施例1と同様に評価した。結果を図12に示す。
【0121】(実施例4)中間層5Cの厚さを3μmと
した以外は前述の実施例1と同様にして、実施例4の中
間転写ベルト5を得た。得られた中間転写ベルト5を実
施例1と同様に評価した。結果を図12に示す。
【0122】(実施例5)中間層5Cの厚さを40μm
とした以外は前述の実施例1と同様にして、実施例5の
中間転写ベルト5を得た。得られた中間転写ベルト5を
実施例1と同様に評価した。結果を図12に示す。
【0123】(実施例6)実施例1で用いた中間転写ベ
ルト5の基層5Aの上に、エチレンブチレンアジペート
を出発原料とするポリエステルポリウレタンの塗料をス
プレー塗布し、乾燥皮膜の厚さが10μmの中間層5C
を得た。その後、実施例1と同様の表層5Dを設け、実
施例6の中間転写ベルト5を得た。中間層5Cの比誘電
率εは6.6である。得られた中間転写ベルト5を実施
例1と同様に評価した。結果を図12に示す。
【0124】(実施例7)実施例1と同様に基層5A及
び中間層5Cを設け、その上にブチレンアジペート及び
飽和オレフィンポリオールを出発原料とするポリエステ
ルポリウレタンの塗料をスプレー塗布し、乾燥皮膜の厚
さが8μmの表層5Dを設け、実施例7の中間転写ベル
ト5を得た。表層5Dの体積抵抗率は5×1014Ω・cm
である。得られた中間転写ベルト5を実施例1と同様に
評価した。結果を図12に示す。
【0125】(実施例8)実施例1の基層5Aにおい
て、カーボンブラックの配合量を22部とした以外は実
施例1と同様にして、実施例8の中間転写ベルト5を得
た。基層5Aの体積抵抗率は5×108 Ω・cmである。
得られた中間転写ベルト5を実施例1と同様に評価し
た。結果を図12に示す。
【0126】(比較例1)実施例1で用いた基層5Aの
上に、ポリカーボネートジオールを出発原料とするポリ
エステルポリウレタンの塗料をスプレー塗布し、乾燥皮
膜の厚さが25μmの中間層5Cを得た。その後、実施
例1と同様の表層5Dを設け、比較例1の中間転写ベル
トを得た。中間層5Cの比誘電率εは5、中間層5Cの
体積抵抗率は4×1013Ω・cmである。得られた中間転
写ベルト5の1周目電流I1 は20μA、10周目電流
10は1μA、1周目電位は260Vであった。次に、
実施例1と同様にして飛び散り、鱗ムラの評価を行っ
た。結果を図13に示す。
【0127】(比較例2)中間層5Cの厚さを1μmと
した以外は実施例1と同様にして、比較例2の中間転写
ベルトを得た。得られた中間転写ベルトを実施例1と同
様に評価した。結果を図13に示す。
【0128】(比較例3)中間層5Cの厚さを50μm
とした以外は実施例1と同様にして、比較例3の中間転
写ベルトを得て、実施例1と同様にして飛び散り、鱗ム
ラの評価を行った。結果を図13に示す。
【0129】(比較例4)表層5Dの厚さを3μmとし
た以外は実施例1と同様にして、比較例4の中間転写ベ
ルトを得て、実施例1と同様にして飛び散り、鱗ムラの
評価を行った。結果を図13に示す。
【0130】(比較例5)表層5Dの厚さを25μmと
した以外は実施例1と同様にして、比較例5の中間転写
ベルトを得て、実施例1と同様にして飛び散り、鱗ムラ
の評価を行った。結果を図13に示す。
【0131】(比較例6)実施例1で用いた基層5Aの
上に実施例1の中間層5Cを乾燥皮膜の厚さが5μmに
なるようにスプレー塗布し、その上にポリエステルポリ
ウレタンの塗料をスプレー塗布し、乾燥皮膜の厚さが1
0μmの表層5Dを設けて比較例6の中間転写ベルトを
得た。表層5Dの体積抵抗率は5×1013Ω・cmであ
る。得られた中間転写ベルトを実施例1と同様にして、
飛び散り、鱗ムラの評価を行った。結果を図13に示
す。
【0132】(比較例7)実施例1の基層5Aにおい
て、カーボンブラックの配合量を19部とした以外は実
施例1と同様にして、比較例7の中間転写ベルトを得
た。基層5Aの体積抵抗率は1×1010Ω・cmである。
得られた中間転写ベルトを実施例1と同様にして飛び散
り、鱗ムラの評価を行った。結果を図13に示す。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の中間転写
ベルトによると、適度な静電容量と、良好な帯電特性
と、大きな時定数と、十分な耐絶縁破壊性とを兼ね備え
ることができるので、鱗ムラ、飛び散り、斑点のすべて
を、長期間にわたって防止することができる。
【0134】また、上述の中間転写ベルトを備えた本発
明の画像形成装置は、長期にわたって、良好な画質を維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中間転写ベルト、及びこれを備え
た画像形成装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】中間転写ベルトの厚み電流測定装置の概略構成
を示す図。
【図3】図2の装置を用いた厚み電流測定結果例を示す
図。
【図4】飛び散り画像の例を示すイメージ図。
【図5】静電的な飛び散り発生メカニズムを説明する
図。
【図6】中間転写ベルトの表面電位測定装置の概略構成
を示す図。
【図7】図6の装置を用いた表面電位の測定結果例を示
す図。
【図8】織布状の繊維で補強した中間転写ベルトの一部
展開斜視図。
【図9】糸状の繊維で補強した中間転写ベルトの一部展
開斜視図。
【図10】中間転写ベルトの縦断面の一部を示す図。
【図11】感光ドラムの縦断面の一部を示す図。
【図12】本発明の実施例1〜実施例8の中間転写ベル
トの評価結果を示す図。
【図13】比較例1〜比較例7の中間転写ベルトの評価
結果を示す図。
【符号の説明】
1 第1の像担持体(感光ドラム) 1A 電荷移動層 1B 電荷発生層 1C 下引き層 1D 導電層 1E アルミニウム支持体 2 一次帯電器 3 露光手段 4 現像装置 5 中間転写ベルト 5A 基層(ゴムベルト) 5B 繊維(ポリエステル糸) 5C 第1の被覆層(中間層) 5D 第2の被覆層(表層) 6 一次転写バイアス電源 7 一次転写ローラ 8 クリーニング装置 9 二次転写ローラ 10 二次転写バイアス電源 14 定着装置 I1 1周目電流 I10 10周目電流 P 転写材 ε 比誘電率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦邉 恒徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長田 弘行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の像担持体から転写された画像を第
    2の像担持体に転写する中間転写ベルトにおいて、 無端状に形成された基層と、 該基層の表面側に形成された厚さ20μm以上の被覆層
    とを備え、 所定の条件下で電圧を印加し回転させて測定したとき
    の、1周目電位が300V以上、1周目電流I1 が20
    〜100μA、10周目電流が0.2〜15μAであ
    る、 ことを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 【請求項2】 前記1周目電位が350V以上、前記1
    周目電流I1 が22〜50μA、前記10周目電流が
    0.5〜15μAである、 ことを特徴とする請求項1記載の中間転写ベルト。
  3. 【請求項3】 第1の像担持体から転写された画像を第
    2の像担持体に転写する中間転写ベルトにおいて、 無端状に形成された、体積抵抗率が5×108 Ω・cm以
    下の基層と、 該基層の表面側に形成され、比誘電率が6.6以上で、
    厚みが5〜40μmの第1の被覆層と、 該第1の被覆層の表面に形成され、体積抵抗率が5×1
    14Ω・cm以上で、厚みが5〜20μmの第2の被覆層
    と、を備える、 ことを特徴とする中間転写ベルト。
  4. 【請求項4】 前記第1の被覆層の比誘電率が7.0以
    上で、厚みが5〜15μmであり、前記第2の被覆層の
    体積抵抗率が5×1015Ω・cm以上で、厚みが5〜15
    μmである、 ことを特徴とする請求項3記載の中間転写ベルト。
  5. 【請求項5】 前記基層は、周方向のヤング率が4×1
    6 Pa以上となるように繊維で補強された厚さ0.5
    〜2mmのゴムによって形成される、 ことを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載の中間
    転写ベルト。
  6. 【請求項6】 前記繊維が螺旋状に設けられている、 ことを特徴とする請求項5記載の中間転写ベルト。
  7. 【請求項7】 厚さが10〜35μmの電荷移動層を有
    する、第1の像担持体としての感光体と、 該感光体表面に形成された画像が転写されるとともに、
    転写された画像を第2の像担持体に転写する中間転写ベ
    ルトと、を備え、 該中間転写ベルトが、請求項1、2、3、4、5、又は
    6記載の中間転写ベルトである、 ことを特徴とする画像形成装置。
JP33617597A 1997-12-05 1997-12-05 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置 Pending JPH11167294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33617597A JPH11167294A (ja) 1997-12-05 1997-12-05 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33617597A JPH11167294A (ja) 1997-12-05 1997-12-05 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11167294A true JPH11167294A (ja) 1999-06-22

Family

ID=18296448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33617597A Pending JPH11167294A (ja) 1997-12-05 1997-12-05 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11167294A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6963716B2 (en) 2002-09-24 2005-11-08 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus featuring a resistance relationship between an image bearing member and a transfer member
KR100597242B1 (ko) 2004-11-23 2006-07-06 삼성전자주식회사 화상전사부재, 화상전사장치 및 그것을 사용하는화상형성시스템
US7330686B2 (en) 2004-10-14 2008-02-12 Sharp Kabushiki Kaisha Color image forming apparatus including a voltage attenuating intermediate transfer belt
US8374532B2 (en) 2009-07-10 2013-02-12 Ricoh Company, Limited Image forming apparatus

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6963716B2 (en) 2002-09-24 2005-11-08 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus featuring a resistance relationship between an image bearing member and a transfer member
US7330686B2 (en) 2004-10-14 2008-02-12 Sharp Kabushiki Kaisha Color image forming apparatus including a voltage attenuating intermediate transfer belt
KR100597242B1 (ko) 2004-11-23 2006-07-06 삼성전자주식회사 화상전사부재, 화상전사장치 및 그것을 사용하는화상형성시스템
US7343128B2 (en) 2004-11-23 2008-03-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Image transfer member, image transfer device and image forming system
US8374532B2 (en) 2009-07-10 2013-02-12 Ricoh Company, Limited Image forming apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5978638A (en) Intermediate transfer belt and image forming apparatus adopting the belt
US9058010B2 (en) Image forming apparatus configured to perform a primary transfer of a toner image from a plurality of image bearing members to an intermediate transfer belt by following a current in circumferential direction with respect to the intermediate transfer belt
EP0672961B1 (en) Charging member and charging device
EP0780737B1 (en) Image bearing belt and image forming apparatus using same
KR100270221B1 (ko) 화상 형성 장치
US5995793A (en) Image forming apparatus and method for manufacturing intermediary transfer belt for image forming apparatus
JP2001125338A (ja) 多色画像形成装置
JPH10333397A (ja) カラー画像形成装置
KR0171166B1 (ko) 대전 부재, 대전 부재 제조 프로세스 및 대전 부재를 갖고 있는 프로세스 카트리지
JPH11167294A (ja) 中間転写ベルト、及びこれを備えた画像形成装置
JP4114991B2 (ja) 画像形成装置
JPH11352785A (ja) 画像形成装置
US6347209B1 (en) Electric charge devices for an image forming apparatus
JP3517544B2 (ja) 中間転写ベルトおよび画像形成装置
JPH1184901A (ja) 画像形成装置
JP5057623B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
US20230168610A1 (en) Endless belt, belt unit, and image forming apparatus
US8639154B2 (en) Image forming apparatus having a charge member with a foamed layer
JP5014540B2 (ja) 半導電性エンドレスベルト及び画像形成装置
JPH10186893A (ja) 画像形成装置および中間転写ベルト
JP2002251081A (ja) 潜像担持体−中間転写回転体一体型カートリッジ及び画像形成装置及び画像形成方法
JP4201474B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JPH1145015A (ja) 中間転写部材
JP4759186B2 (ja) 導電性エンドレスベルト及び画像形成装置
JP3445082B2 (ja) 中間転写体及びこの中間転写体を用いた電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02