JPH1116669A - 発熱体 - Google Patents

発熱体

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JPH1116669A
JPH1116669A JP18046397A JP18046397A JPH1116669A JP H1116669 A JPH1116669 A JP H1116669A JP 18046397 A JP18046397 A JP 18046397A JP 18046397 A JP18046397 A JP 18046397A JP H1116669 A JPH1116669 A JP H1116669A
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heater
heating element
heated
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heat
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JP18046397A
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Taku Shibata
卓 柴田
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた加熱効率をもって被加熱物を加熱する
ことができるとともに、用途に合わせてヒータのワット
密度を任意に設定することが可能な発熱体を提供するこ
と。 【解決手段】 被加熱物の外表面に嵌合により装着さ
れ、該被加熱物を加熱する発熱体であって、該発熱体
は、被加熱物側から、良熱伝導性材からなる支持体、絶
縁性フィルム上または絶縁性フィルム間に所定形状の金
属箔ヒータパターンが設けられた薄型ヒータ、絶縁材層
が順次積層され一体化されたものから構成されているこ
とを特徴とする発熱体。支持体が、金属材料の表面に絶
縁膜を形成したものから構成されていることを特徴とす
る上記の発熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた加熱効率を
もって被加熱物を加熱することができるとともに、用途
に合わせてヒータのワット密度を任意に設定することが
可能な発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外に設置されて使用される通水パイプ
や、それらの通水パイプを備えた機器においては、冬場
外気温が零下になったような場合に通水パイプ内の水が
凍結して通水が不可能になる恐れがある。そこで、従来
より、通水パイプの外表面などにヒータを取り付け、通
水パイプを加熱して温めることにより通水パイプ内の水
の凍結を防止している。
【0003】この種の凍結防止用ヒータとしては、従来
より様々な構成のものが提案されているが、例えば、第
一の従来例として、底面が通水パイプの外形に略等しい
曲率に形成されたセラミックケース内に、円柱形状の巻
線型ヒータ素子を収容し、その空隙部にセメント等の無
機絶縁物を充填した構成のものがある。また、第二の従
来例として、実開平6−64055号公報に示された構
成のものがある。この公報に示された凍結防止用ヒータ
は、平面状に形成されたヒータ素子装着部と略円弧状に
形成され通水パイプに嵌着するための保持部を有する基
体に、セラミックヒータ等のヒータ素子が取り付けられ
て構成されている。また、第三の従来例として、実開昭
62−86095号公報に示された構成のものがある。
このものは、シリコーン系のモールディングコンパウン
ドからなる弾力性を有する耐熱性樹脂の中に、可とう性
を有する面状発熱体が埋設され、その断面形状がC字状
となるように成形されて構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によると次のような問題があった。まず、第一
の従来例として挙げたヒータの場合は、上述したよう
に、円柱形状の巻線型ヒータ素子をセラミックケース内
に無機絶縁物によって埋設した構成のものであるため、
ヒータ自身の熱容量が非常に大きく、また、通水パイプ
と接触する部分がセラミックケースの底面部のみであ
り、その他の面からの無駄な放熱が多いことから、ヒー
タ素子の熱が通水パイプ側に効率良く伝わらず、加熱効
率が非常に悪いという問題があった。また、このヒータ
の場合は、表面温度がかなりの温度まで上昇してしまう
ことから、他の配線がヒータの表面に接触するようなこ
とがあると、配線の被覆材料の種類によっては被覆材が
溶融して、導体が露出してしまう恐れがあった。
【0005】次に、第二の従来例として挙げた実開平6
−64055号公報のヒータの場合は、ヒータ素子とし
て薄板状のセラミックヒータを使用しているとともに、
ヒータ素子を取り付ける基体が、熱伝導性に優れた金属
板で構成されていることから、ヒータ自身の熱容量を低
く抑えることができ、第一の従来例とした挙げたヒータ
に比べて通水パイプへの加熱効率を向上させることがで
きるという利点を備えている。しかしながら、このヒー
タの場合は、ヒータ素子として使用されるセラミックヒ
ータがフレキシブル性を備えていないため、ヒータ素子
が装着される部分の基体を通水パイプの外表面に完全に
は密着させることができず、その分熱損失が発生してし
まうという問題があった。
【0006】また、第三の従来例として挙げた実開昭6
2−86095号公報のヒータの場合は、ヒータ自身が
フレキシブル性を備えていることから、通水パイプの外
表面にヒータを密着して装着することができるという利
点を備えている。しかしながら、このヒータの場合は、
使用される耐熱性樹脂の熱伝導性が低いことから、面状
発熱体の熱が被加熱物側に良好に伝わらずに内部にこも
ってしまい、その部分の温度が異常に上昇してしまうと
いう問題があった。そこで、このヒータにおいては、使
用する耐熱性樹脂の耐熱温度を超えない範囲でしかヒー
タのワット密度を設定することができず、そのため使用
用途が大幅に制限されてしまうという問題があった。
【0007】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、優れた加熱効率をも
って被加熱物を加熱することができるとともに、用途に
合わせてヒータのワット密度を任意に設定することが可
能な発熱体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明による発熱体は、被加熱物の外表面に嵌合により
装着され、該被加熱物を加熱する発熱体であって、該発
熱体は、被加熱物側から、良熱伝導性材からなる支持
体、絶縁性フィルム上または絶縁性フィルム間に所定形
状の金属箔ヒータパターンが設けられた薄型ヒータ、絶
縁材層が順次積層され一体化されたものから構成されて
いることを特徴とするものである。この際、上記支持体
が金属材料の表面に絶縁膜を形成したものから構成され
ていることが考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用される支持体
は、良熱伝導性材から構成される。良熱伝導性材として
は、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、リン青
銅等の金属材料や、無機フィラーまたは無機繊維を含み
熱伝導性を向上させたプラスチック材料、セラミック材
料などが挙げられる。これらの内のいずれのものを使用
しても構わないが、好ましくは、熱伝導率が0.5W/
(m・K)以上のものを使用する。熱伝導率が0.5W
/(m・K)未満のものでは、被加熱物への熱伝導が不
充分なものとなってしまうため、目的とする優れた加熱
効率を得ることが困難になってしまう。
【0010】この支持体は、本発明の発熱体の使用用途
に応じて、すなわち、被加熱物の形状に合わせて所定の
形状に成形される。例えば、本発明の発熱体を、通水パ
イプの凍結防止用ヒータなどとして使用する場合は、通
水パイプの外形に合わせて断面略C字状に成形すること
が考えられる。
【0011】ここで、上記した良熱伝導性材の中から金
属材料を選択した場合には、その金属材料と後述する薄
型ヒータとの間、若しくは、金属材料と被加熱物との間
の絶縁耐圧を高めるために、金属材料の表面、つまり、
金属材料の薄型ヒータとの接触面側、または、金属材料
の被加熱物との接触面側の少なくとも一方に絶縁膜を形
成することが望ましい。絶縁膜の構成材料としては、例
えば、Al23,SiO,ZrO,ZrSiO
TiO,Si34,TiN,BN,SiC,TiC等
のセラミック材料や、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミ
ダゾール樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂などの有機
高分子材料、更には、これらの有機高分子材料をバイン
ダーとし、上記のセラミック材料をフィラーとして含ん
だものなどを挙げることができる。
【0012】これらの内のいずれのものを使用しても構
わないが、好ましくは、熱伝導率が0.1W/(m・
K)以上のものを使用する。熱伝導率が0.1W/(m
・K)未満のものでは、支持体への熱伝導が妨げられて
しまい、目的とする優れた加熱効率を得ることが困難に
なってしまう。
【0013】絶縁膜の形成方法は特に限定されず、従来
公知の方法をいずれも採用することができる。例えば、
スプレー法、ディップ法、ハケ塗り等の塗布法や、溶射
法、ゾルゲル法、静電塗装法などが挙げられる。この
際、金属材料としてアルミニウムを選択した場合には、
アルミニウムの表面にアルマイト処理を施し、それによ
って形成されたアルマイト処理皮膜を絶縁膜としても良
い。
【0014】絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、好
ましくは、10μm以上100μm以下の範囲とするこ
とが望ましい。絶縁膜の厚さが10μm未満では、薄型
ヒータとの間の充分な絶縁耐圧を得ることができない恐
れがあり、一方、100μmを超えると、薄型ヒータの
ヒートサイクルにより絶縁膜に剥離やクラックが生じて
しまう恐れがあるとともに、支持体への熱伝導が妨げら
れてしまい、目的とする優れた加熱効率を得ることが困
難になってしまう。
【0015】このようにして金属材料の表面に形成され
る絶縁膜は、製造過程時や被加熱物への装着作業時など
に、機械的な要因によって損傷することがないように、
所定の硬度を備えていることが望ましい。例えば、セラ
ミック等の無機材料から形成された絶縁膜の場合には、
ビッカース硬度Hv100以上、有機高分子材料を含む
材料から形成された絶縁膜の場合には、JIS鉛筆硬度
2H以上であることが望ましい。
【0016】これらの条件を考慮した場合、絶縁膜とし
ては、アルミニウムの表面に形成したアルマイト処理皮
膜が好ましいと言えるが、アルマイト処理皮膜の中で
も、硫化モリブデンを膜中に含むものは、絶縁耐圧、耐
ヒートサイクル性、硬度などの要求特性を高度なレベル
で兼ね備えていることから、特に好ましい。
【0017】本発明において使用される薄型ヒータは、
絶縁性フィルム上または絶縁性フィルム間に所定形状の
金属箔ヒータパターンが設けられたものであり、通常、
0.2mm以下程度の厚さに形成される。絶縁性フィル
ムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミド
フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムなどが
挙げられる。金属箔ヒータパターンとしては、例えば、
アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルクロム合金、銅
合金などの金属箔を打ち抜き加工やファインパターン加
工によって所定形状に形成したものなどが挙げられる。
金属箔ヒータパターンの厚さ、線幅、パターン形状など
は、特に限定されないので、本発明によって得られる発
熱体の使用条件、例えば、要求されるワット密度などを
考慮して適宜に設定する。
【0018】この薄型ヒータは、上述した支持体と、後
述する絶縁材層との間に配置されるのであるが、この
際、薄型ヒータの絶縁性フィルムが支持体側に配置され
た場合には、その厚さが100μm以下に形成されてい
ることが望ましい。絶縁性フィルムの厚さが100μm
を超えてしまうと、支持体への熱伝導が妨げられてしま
い、目的とする優れた加熱効率を得ることが困難になっ
てしまう。
【0019】本発明において使用される絶縁材層は、従
来公知の絶縁材料から構成される。例えば、シリコーン
ゴム、合成ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化
ビニル樹脂、フッ素樹脂等の有機高分子材料からなるフ
ィルム、テープ、シート、成形体や、ガラス繊維、不織
布等の繊維材料とシリコーン系接着剤、エポキシ系接着
剤等の接着剤を組み合わせて複合したもの、或いは、こ
れらの内の複数の材料を組み合わせたものなどが挙げら
れる。これらの内のいずれのものを使用しても構わない
が、好ましくは、断熱材としての機能も兼ね備えること
のできる、熱伝導率0.3W/(m・K)以下のものを
使用する。尚、絶縁材層の厚さとしては、絶縁距離を確
保するために0.3mm以上とすることが好ましい。
【0020】本発明においては、良熱伝導性材からなる
支持体、薄型ヒータ、絶縁材層を、例えば、以下のよう
に積層一体化して発熱体を製造する。具体的には、例え
ば、薄型ヒータを配置した支持体上に、接着剤を介して
フィルム状やシート状に成形された樹脂材料やゴム材料
を積層して一体化する方法、薄型ヒータを配置した支持
体上に、未加硫の樹脂材料やゴム材料を積層して加硫接
着により一体化する方法、薄型ヒータを配置した支持体
上に、液状の樹脂材料の成形法(例えば、LIM法)や
射出成形法を利用して絶縁材層を形成して一体化する方
法などが考えられる。
【0021】
【実施例】以下、図1乃至図3を参照して本発明の一実
施例を説明する。尚、この実施例は、本発明による発熱
体を、給湯用機器における通水パイプの凍結防止用ヒー
タとして使用することを想定したものであるため、通水
パイプの外形に合わせて断面形状が略C字状となるよう
に成形している。
【0022】実施例1 この実施例による発熱体は図1に示すように、厚さ0.
2mm、内径12mm、長さ150mm、熱伝導率35
5W/(m・K)の銅板からなる断面略C字状の支持体
1と、この支持体1の表面に貼り付けられた、厚さ0.
055mmの薄型ヒータ2と、縦28mm、横150m
m、厚さ0.5mm、熱伝導率0.2W/(m・K)の
シリコーンゴムシートからなる絶縁材層3とから構成さ
れており、支持体1と絶縁材層3とは、薄型ヒータ2を
挟んで、図示しない熱硬化性シリコーンゴムLTV接着
剤によって一体化されている。薄型ヒータ2は、図2に
示すように、縦19mm、横135mm、厚さ25μm
のポリイミドフィルムからなる絶縁性フィルム2a上
に、厚さ30μmのステンレス箔からなるヒータパター
ン2bがファインパターン加工によって所定形状に形成
されたものであり、この薄型ヒータ2の端部には、図1
に示すように、電源供給用の軟質フッ素樹脂被覆リード
線4が接続端子5によって接続されている。符号6はシ
リコーンゴム製の絶縁保護チューブであり、薄型ヒータ
2とリード線4の接続部に被覆されている。
【0023】本実施例では、上記構成の発熱体を以下の
ような手順で製造した。まず、銅板からなる支持体1を
下金型にセットし、その上に薄型ヒータ2を絶縁性フィ
ルム2a側を下向きにして載置する。次いで、熱硬化性
シリコーンゴムLTV接着剤を介してシリコーンゴムシ
ートからなる絶縁材層3を載置し、上金型を置く。この
金型を予め加熱されたプレス機にセットし、加圧しなが
ら一定時間保持する。プレス機の熱により、熱硬化性シ
リコーンゴムLTV接着剤が硬化し、支持体1、薄型ヒ
ータ2、絶縁材層3が一体化して断面略C字状の発熱体
が完成した。
【0024】実施例2 この実施例では、上記実施例1の発熱体における支持体
1と、絶縁材層3の構成材料を変更して、以下のような
手順で発熱体を製造した。基本的な構成は図1と同様で
あるため、図1に付した符号をそのまま引用して説明す
る。
【0025】まず、表面に厚さ50μm、ビッカース硬
度Hv400のアルマイト処理皮膜からなる絶縁膜が形
成された、厚さ1.0mm、内径12.3mm、長さ1
50mm、熱伝導率222W/(m・K)のアルミニウ
ム板からなる支持体1を下金型にセットし、その上に、
縦19mm、横135mm、厚さ0.055mmの薄型
ヒータ2を絶縁性フィルム2a側を下向きにして載置す
る。次いで、縦26mm、横150mm、厚さ0.7m
m、熱伝導率0.2W/(m・K)の未加硫のシリコー
ンゴムリボンからなる絶縁材層3を載置し、上金型を置
く。この金型を予め加熱されたプレス機にセットし、加
圧しながら一定時間保持する。プレス機の熱により、シ
リコーンゴムリボンが加硫し、支持体1、薄型ヒータ
2、絶縁材層3が一体化して断面略C字状の発熱体が完
成した。
【0026】ここで、上記の実施例で製造した発熱体の
加熱効率を評価するために、以下に示すような試験を実
施した。まず、図3に示すように、外径12.7mm、
長さ400mmの銅製通水パイプ7の中央部に発熱体を
嵌合により装着した。次に、絶縁材層の表面中央部(A
点)に熱電対aを、支持体と通水パイプの接触点中央部
(B点)に熱電対bを、発熱体の端部(D点)から10
0mm離れた通水パイプ上(C点)に熱電対cをそれぞ
れ取り付け、室温、無風状態において発熱体に所定量の
電流を流して発熱させ、各部の温度を測定した。また、
比較のために、従来のセラミックケース封入型の発熱体
(比較例1)と、実施例1で、絶縁材層として用いた厚
さ0.5mmのシリコーンゴムシートを、薄型ヒータの
上下両面に配置してシリコーンゴムLTV接着剤で接着
一体化させ、断面略C字状に成形した発熱体(比較例
2)も用意し、同様の試験を実施した。その結果を表1
に示す。尚、比較例1については、定格電圧16Wの市
販品を使用したため、消費電力15Wまでを評価した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果によれば、まず、比較例1の発
熱体の場合は、ワット数が大きくなる程、発熱体の表面
温度(A点)がかなりの温度まで上昇しているにもかか
わらず、パイプの表面温度(C点)は、あまり上昇して
いない。これに対して、実施例1及び実施例2の発熱体
の場合は、発熱体自身の温度上昇は小さいにもかかわら
ず、パイプの温度上昇が大きくなっている。また、実施
例1及び実施例2の発熱体においては、A点とB点の温
度にほとんど差が見られておらず、薄型ヒータの熱がパ
イプ側に優先的に伝わって消費されている。つまり、比
較例1の発熱体は、熱容量が非常に大きいため、セラミ
ックケースに熱を奪われてパイプ側に効率良く熱が伝わ
っていないのに対し、実施例1及び実施例2の発熱体
は、熱容量が小さく、パイプへの熱伝導性に優れている
ため、薄型ヒータの熱が内部にこもらず、極めて効率良
くパイプを加熱できることがわかる。
【0029】次に、比較例2の発熱体と、実施例1及び
実施例2の発熱体とを比較した場合、A点の温度は比較
例2の方が高く、B点、C点の温度は実施例1及び実施
例2の方が高くなっている。つまり、比較例2のよう
に、パイプ側に、熱伝導性に劣る材料(シリコーンゴム
シート)が配置された構成の発熱体の場合には、パイプ
側へ効率良くヒータの熱を伝えることができず、熱が内
部にこもって発熱体自身の温度を上昇させていることが
わかる。このような傾向は、ワット数が高くなる程顕著
となっており、実施例1及び実施例2の発熱体の方が、
比較例2よりも高ワットのヒータを設計できることがわ
かる。
【0030】本実施例では更に、上記実施例1及び実施
例2の発熱体の耐電圧特性を評価するために、発熱体の
全周にアルミ箔を巻き付け、薄型ヒータとアルミ箔との
間にAC2000Vの過剰な電圧を1分間印加して耐電
圧試験を実施してみた。試料数は各々20個とした。そ
の結果、実施例2の発熱体は、全ての試料が合格した
が、実施例1の発熱体は20個中1個に耐電圧不良が発
生していた。その試料を分解して調べてみたところ、薄
型ヒータとリード線との接続部に被覆されている絶縁保
護チューブの表面に、未熟練作業者のプレス圧のかけ過
ぎが原因と思われるキズが発見された。このことから、
製造加工上のミスによる製品トラブルを防ぐためには、
支持体を構成する金属材料の表面に絶縁膜を形成してお
くことが望ましいということがわかる。
【0031】尚、本発明は上記の実施例に限定されるも
のではない。例えば、発熱体の形状については、断面略
C字状とする以外にも、断面略U字状、断面略コの字状
などの形状とすることも考えられる。これについては、
被加熱物の形状に合わせて任意に設計すれば良く、特に
限定されない。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の発熱体は、
0.2mm以下程度の厚さに成形することが可能なフレ
キシブル性を備えた薄型ヒータを、優れた熱伝導性を有
し、且つ、被加熱物の形状に合わせて所望の形状に成形
することが可能な支持体と、断熱材としての機能を備え
た絶縁材層との間に配置して一体化した構成であるた
め、ヒータ自身の熱容量を極めて低く抑えることができ
るとともに、実使用時には、被加熱物の外表面に隙間な
く密着した状態で装着することができる。従って、薄型
ヒータの熱は、支持体を介して被加熱物側のみに効率良
く伝達することになり、発熱体の内部に熱がこもってし
まうようなことがない。従って、極めて優れた加熱効率
をもって被加熱物を加熱することができるとともに、用
途に合わせてヒータのワット密度を任意に設定すること
ができる。
【0033】また、この発熱体は、上述したように、薄
型ヒータがフレキシブル性を備えているとともに、支持
体も被加熱物の形状に合わせて所望の形状に成形するこ
とができるため、被加熱物への装着作業も、被加熱物の
形状に制限されることなく嵌合により極めて容易に行う
ことができる。更に、この発熱体は耐水性にも優れた構
造となっていることから、例えば、給湯用機器における
通水パイプの凍結防止用ヒータを始め、冷蔵用機器や空
調用機器などにおける加熱用ヒータ、保温用ヒータな
ど、耐水性が要求されるような用途にも好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(a)は発熱体
の斜視図、(b)は発熱体の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で、薄型ヒータの平
面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で、発熱体を通水パ
イプに装着した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…支持体 2…薄型ヒータ 2a…絶縁性フィルム 2b…ヒータパターン 3…絶縁材層 4…リード線 5…接続端子 6…絶縁保護チューブ 7…通水パイプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物の外表面に嵌合により装着さ
    れ、該被加熱物を加熱する発熱体であって、該発熱体
    は、被加熱物側から、良熱伝導性材からなる支持体、絶
    縁性フィルム上または絶縁性フィルム間に所定形状の金
    属箔ヒータパターンが設けられた薄型ヒータ、絶縁材層
    が順次積層され一体化されたものから構成されているこ
    とを特徴とする発熱体。
  2. 【請求項2】 上記支持体は、金属材料の表面に絶縁膜
    を形成したものから構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の発熱体。
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