JPH11166394A

JPH11166394A - シールドトンネルにおけるセグメントの継手構造

Info

Publication number: JPH11166394A
Application number: JP9332701A
Authority: JP
Inventors: Akiro Ueda; 田昭郎上; Masayoshi Nakagawa; 川雅由中; Masatsugu Yamamoto; 本正嗣山
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1997-12-03
Filing date: 1997-12-03
Publication date: 1999-06-22

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】継ぎ足すセグメントの継手雄部を既設のセグ
メントの継手雌部に挿入するだけで、セグメントの締結
が出来、構造が簡単で、コストダウンを図ること。【解決手段】継ぎ足すセグメント１Ｂの先端部に円柱
材より成る雄体２を突出し、先端大径部２ａとその後方
の小径くびれ部２ｂとを備えており、また既設のセグメ
ント１Ａの後端部に前記雄材２が挿入される円筒材より
成る雌体４を埋設固定し、内周面には、円周溝４ａが形
成されており、該円周溝４ａ内には、先端側に大径とな
るテーパー面７ａを備えたスプリングワッシャ７が嵌め
込まれており、前記雄体２の先端大径部２ａを前記雌体
４のスプリングワッシャ７内に挿入して、スプリングワ
ッシャ７が雄体２の小径くびれ部２ｂ内に入り込むこと
により、既設のセグメント１Ａに継ぎ足すセグメント１
Ｂを締結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シールド掘削機に
より穿孔した掘削孔をライニングするセグメントを締結
すためのシールドトンネルにおけるセグメントの継手構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】シールドセグメントを締結する（継ぎ足
す）手段としては、従来から通しボルト式のものが多く
使用されている。

【０００３】この通しボルト式のものは、強度及び耐久
性に優れ、セグメントの締結手段として好ましいもので
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、通しボルトに
よるセグメントの締結は、ボルト通し工程とナット締付
工程の２段階の作業が必要であり、作業に手間取るとい
う問題点がある。

【０００５】そこで、本出願人は、継ぎ足すセグメント
に、先端コーンと固定羽根とから成る継手雄部を突設
し、既設のセグメントに調整板を備えた継手雌部を埋設
し、継手雄部を継手雌部を挿入することにより、既設の
セグメントに継ぎ足すセグメントを締結する締結構造を
提案した（特許第２５８２２１３号公報）。

【０００６】この締結構造は、継ぎ足すセグメントの継
手雄部を既設のセグメントの継手雌部に挿入するだけ
で、セグメントの締結（継ぎ足し）が出来て好ましいも
のであるが、先端コーン、固定羽根、調整板等の多くの
部品から成り、構造が複雑でコスト高となる問題点があ
る。

【０００７】この種のセグメントの締結構造としては、
特開平６ー１４６７９４号公報、特開平８ー２９６３９
６号公報、及び特開平９ー４６１３号公報においても見
られる。

【０００８】従って、本願発明は、継ぎ足すセグメント
の継手雄部を既設のセグメントの継手雌部に挿入するだ
けで、セグメントの締結（継ぎ足し）が出来、しかもそ
の構造が簡単であって、コストダウンを図ることの出来
るセグメントの継手構造を提供すべくなされたもので
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、継ぎ足
すセグメントの先端部に円柱材より成る雄体を突出固定
し、該雄体は先端大径部とその後方の小径くびれ部とを
備えており、また既設のセグメントの後端部に前記雄体
が挿入される円筒材より成る雌体を埋設固定し、該雌体
の内周面には円周溝が形成されており、該円周溝内には
先端側に向かうにしたがい大径となるテーパー面を備え
たスプリングワッシャが嵌め込まれている。

【００１０】前記雄体の先端大径部を前記雌体のスプリ
ングワッシャ内に挿入して、スプリングワッシャが雄体
の小径くびれ部内に入り込むことにより、既設のセグメ
ントに継ぎ足すセグメントが締結される。

【００１１】また、本発明によれば、継ぎ足すセグメン
トの雄体に複数の小径くびれ部を形成し、既設のセグメ
ントの雌体の内周面に複数の円周溝を形成し、該円周溝
の各々にスプリングワッシャを嵌め込んだものとするこ
とも出来る。

【００１２】これによれば、複数箇所において、継ぎ足
すセグメントの雄体と既設のセグメントの雌体とが連結
される。

【００１３】また、本発明によれば、継ぎ足すセグメン
トと雄体との間に縁切材を挟設し、雄体の後端部を継ぎ
足すセグメントに固定してもよい。

【００１４】これによれば、雄体の長さ方向の伸び性能
により地震力等の曲げモーメントに耐力を持つと共に、
縁切材に緩衝材を使用すれば、施工時の誤差を吸収する
ことができる。

【００１５】継ぎ足すセグメントの雄体の先端大径部を
既設のセグメントの雌体のスプリングワッシャ内に挿入
するだけで、既設のセグメントに継ぎ足すセグメントが
締結される。

【００１６】そして、その部品は、先端大径部とその後
方の小径くびれ部とを備えた円柱材の雄体と、内周面に
円周溝が形成された円筒材の雌体、及び円周溝に嵌め込
まれたスプリングワッシャから成る簡単な構造のもので
あり、コストダウンを図ることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は組立中のセグメントを示
し、１Ａは既設のセグメント、１Ｂは継ぎ足すセグメン
トである。

【００１８】継ぎ足すセグメント１Ｂの先端部に円柱材
より成る雄体２が突出しており、この雄体２はアンカー
体３によりセグメント１Ｂに固定されている。雄体２
は、先端大径部２ａとその後方の小径くびれ部２ｂとを
備えている。

【００１９】また、既設のセグメント１Ａの後端部に前
記雄材２が挿入される円筒材より成る雌体４が埋設され
ており、この雌体４はアンカー体５によりセグメント１
Ａに固定されている。雌体４の内周面には円周溝４ａが
形成さている。円筒材より成る雌体４の奥には蓋６が施
されている。

【００２０】前記の円周溝４ａ内には、先端側に向かう
にしたがい大径となるテーパー面７ａを備えたスプリン
グワッシャ７が嵌め込まれている。スプリングワッシャ
７は、図３に示すように、切れ目７ｂが形成され拡径、
縮径される。

【００２１】図２は組立を終えたセグメントを示し、継
ぎ足すセグメント１Ｂを既設のセグメント１Ａ側に、図
示されていないセグメント組立て用のエレクタやシール
ドジャッキにより押圧し、継ぎ足すセグメント１Ｂの雌
体２を既設のセグメント１Ａのスプリングワッシャ７に
押し込む。すると、雄体２の先端大径部２ａによりスプ
リングワッシャ７は拡径し、次いで雄体２の小径くびれ
部２ｂにスプリングワッシャ７が入り込み、雄体２の先
端大径部２ａがスプリングワッシャ７の奥端面と係合す
る。これにより既設のセグメント１Ａに継ぎ足すセグメ
ント１Ｂが締結（継ぎ足し）される。

【００２２】図４は本発明の他の実施例を示し、継ぎ足
すセグメント１Ｂの雄体２に、２つの小径くびれ部２ｂ
が形成されており、また既設のセグメント１Ａの雌体４
の内周面に２つの円周溝４ａが形成されており、その円
周溝４ａの各々にスプリングワッシャ７が嵌め込まれた
２段式のものである。

【００２３】これによれば、２箇所において、継ぎ足す
セグメント１Ｂの雄体２と既設のセグメント１Ａの雌体
４とが連結され、より強固にセグメントの締結（継ぎ足
し）がなされる。

【００２４】図５は本発明のさらに別の実施例を示し、
セグメント１Ｂと雄体２との間に縁切材８が挟設されて
おり、雄体２の後端部はアンカープレート９を介してセ
グメント１Ｂに固定されている。そして、既設のセグメ
ント１Ａ側の雌体４は前端部が円柱状のアンカー１１の
後端部に固定され、そのアンカー１１の前端部がセグメ
ント１Ａに固定されている。

【００２５】前記縁切材８は、剥離剤、塗料等を用いて
コンクリートと雄体２との縁切りを行い、コンクリート
側にひび割れのような悪影響を与えることなく雄体２が
通しボルト同様に引張材として機能して伸び性能を確保
する。そして、コンクリート長手直角方向に地震力が作
用した場合に発生する曲げモーメントに対しては、その
伸び性能により耐震性を確保する。この伸び性能は、雄
体２の緩衝区間長、断面積によってバネ値が調整可能で
ある。なお、ここではＲＣ（鉄筋コンクリート）セグメ
ントの例を示したが、鋼製セグメントについても同様に
適用することができる。

【００２６】また、縁切材８に軟質ウレタン樹脂、ゴム
等の厚さを有する緩衝材を使用して、雄体２と雌体４と
の位置のずれに関する施工誤差を吸収し、対応すること
ができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、継ぎ足すセグメントの
雄体の先端大径部を既設のセグメントの雌体のスプリン
グワッシャ内に挿入するだけで、既設のセグメントに継
ぎ足すセグメントが締結され、セグメントの締結作業を
効率化することが出来る。その際、スプリングワッシャ
は先端側に向かうにしたがい大径となるテーパー面を備
えたものであるので、雄体の先端大径部により無理なく
拡径され、雄体の小径くびれ部に入り込む。

【００２８】また、構成部品は、先端大径部とその後方
の小径くびれ部とを備え円柱材の雄体と、内周面に円周
溝が形成された円筒材の雌体、及び円周溝に嵌め込まれ
たスプリングワッシャから成る簡単な構造のものであ
り、コストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るシールドトンネルにおけ
るセグメントの継手構造の組立中の一部を平面で示す縦
断面図。

【図２】図１の組立を終えた状態の一部を平面で示す縦
断面図。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図４】本発明の他の実施例に係るシールドトンネルに
おけるセグメントの組立を終えた状態の一部を平面で示
す縦断面図。

【図５】本発明のさらに別の実施例に係るシールドトン
ネルにおけるセグメントの継手構造の組立中の一部を平
面で示す縦断面図。

【符号の説明】

１Ａ・・・既設のセグメント１Ｂ・・・継ぎ足すセグメント２・・・雄体２ａ・・・先端大径部２ｂ・・・小径くびれ部３・・・アンカー体４・・・雌体４ａ・・・円周溝５・・・アンカー体６・・・蓋体７・・・スプリングワッシャ７ａ・・・テーパー面７ｂ・・・切れ目８・・・縁切材９・・・アンカープレート１１・・・アンカー１２・・・アンカープレート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シールド掘削機により穿孔した掘削孔を
ライニングするセグメントを締結するためのシールドト
ンネルにおけるセグメントの継手構造において、継ぎ足
すセグメントの先端部に円柱材より成る雄体を突出固定
し、該雄体は先端大径部とその後方の小径くびれ部とを
備えており、また既設のセグメントの後端部に前記雄体
が挿入される円筒材より成る雌体を埋設固定し、該雌体
の内周面には円周溝が形成されており、該円周溝内には
先端側に向かうにしたがい大径となるテーパー面を備え
たスプリングワッシャが嵌め込まれており、前記雄体の
先端大径部を前記雌体のスプリングワッシャ内に挿入し
て、スプリングワッシャが雄体の小径くびれ部内に入り
込むことにより、既設のセグメントに継ぎ足すセグメン
トを締結してなることを特徴とするシールドトンネルに
おけるセグメントの継手構造。
【請求項２】継ぎ足すセグメントの雄体に複数の小径
くびれ部が形成されており、また既設のセグメントの雌
体の内周面に複数の円周溝が形成されており、該円周溝
の各々にスプリングワッシャが嵌め込まれていることを
特徴とする請求項１に記載のシールドトンネルにおける
セグメントの継手構造。
【請求項３】継ぎ足すセグメントと雄体との間に縁切
材を挟設し、雄体の後端部を継ぎ足すセグメントに固定
したことを特徴とする請求項１または２に記載のシール
ドトンネルにおけるセグメントの継手構造。